説明

照明器具

【課題】省電力で長時間点灯可能な照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具100は、本体部11と、蛍光灯12と、蛍光灯用点灯回路13と、遠隔制御受信部14と、セードカバー15と、ランプホルダ16と、ランプソケット17および一体型常夜灯部30を備える。一体型常夜灯部30は、LED素子と、ライトカバーと、LED用点灯回路と、筐体および配線を備える。一体型常夜灯部30は、LED素子とLED用点灯回路を一体化して筐体に収容する。蛍光灯用点灯回路13は蛍光灯12の点灯を制御し、また、LED用点灯回路はLED素子の点灯を制御する。照明器具100は、蛍光灯用点灯回路13およびLED用点灯回路の点灯回路と外部電源が電気的に接続されており、照明器具100の点灯制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。より詳しくは、常夜灯を備える照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
シーリング照明器具の多くは、蛍光灯と常夜灯を備えており、就寝中など常夜灯を点灯し続けて使用する。常夜灯は、就寝中のときなど、主に消灯後の暗闇を避ける目的で使用される。
【0003】
特許文献1には、美観を損ねずに、発光ダイオード素子を常夜灯として利用する、天井面に取り付ける照明器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−262861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LEDは、電流を増やせば明るさが増え、同時に樹脂の劣化が速まり寿命が短くなる特性があるが、電流(すなわち明るさ)を適切に制限することにより、より長寿命な常夜灯として用いることができる。
【0006】
しかし、現在使用している照明器具の常夜灯を、白熱電球からLEDを使用した光源に切り替える場合、LEDを使用した光源は直流電源を使用するため、商用電源につなぐ際に専用の電源回路が必要となる。
【0007】
関連する技術である特許文献1は、発光ダイオードを用いた専用の取付アダプタを製造する必要があり、関連する技術一般に対する汎用性が低いという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、省電力で長時間点灯可能な照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の観点に係る照明器具は、
器具本体と、
蛍光灯と、
前記蛍光灯を点灯させるための蛍光灯用点灯回路と、
LED素子および該LED素子を点灯させるためのLED用点灯回路を一体化して筐体に収容し、該LED用点灯回路と外部電源を電気的に接続可能な配線を該筐体に備え、前記器具本体に搭載させる常夜灯部と、
前記蛍光灯用点灯回路および前記常夜灯部に電気的に接続しており、前記蛍光灯と前記LED素子の点灯制御を行う点灯制御部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、省電力で長時間点灯ができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明器具の一例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る照明器具に用いる一体型常夜灯部の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の変形例に係る照明器具の一例を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の変形例に係る照明器具に用いる一体型常夜灯部の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
【0013】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る照明器具の一例を示す斜視図である。照明器具100は、直付け照明器具であり、天井や壁などに取り付けて使用する。
【0014】
照明器具100は、本体部11、蛍光灯12、蛍光灯用点灯回路13、遠隔制御受信部14、セードカバー15、ランプホルダ(支持部材)16、ランプソケット17および一体型常夜灯部30を備える。蛍光灯12は、大小2つの円形の蛍光ランプを備える。一体型常夜灯部30は、本体部11へネジなどを用いて取り付ける。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態に係る照明器具に用いる一体型常夜灯部の一例を示す概略構成図である。図2(a)は、照光側から見た平面図、図2(b)は、図2(a)のM−M線断面図である。
【0016】
一体型常夜灯部30は、LED素子31、ライトカバー32、LED用点灯回路33、筐体34、および配線36を備える。
【0017】
一体型常夜灯部30は、LED用点灯回路33を内蔵した筐体34に、LED素子31を一体化して組み込む。一体型常夜灯部30は、関連する技術である白熱灯を常夜灯に用いる照明器具に用いることが可能となるようにほぼ同形状に、筐体34に一体化して形成される。
【0018】
一体型常夜灯部30の配線36により、外部電源とLED用点灯回路33は電気的に接続可能である。このときLED用点灯回路33は、外部からの電源をLED素子31で使用できるように交流電源から直流電源へと変換を行うので、一体型常夜灯部30は、外部から電源が供給されることによりLED素子31を点灯することができる。
【0019】
ライトカバー32は、LED素子31を保護し、かつ、LED素子31の照射範囲や色合いなどを調整するためのもので、光を透過する材質、例えばアクリルなどで形成される。ライトカバー32に、LED素子31の光を拡散させる様な素材を用いることで、もしくは光を拡散させる様な形状にすることで、点光源の特徴を有するLED素子31の光を、より面光源に近い光照射にすることが可能となる。
【0020】
LEDを使用した一体型常夜灯部を用いることで、常夜灯の長寿命および省エネを可能にする。また、LED用点灯回路とライト部分を一体化することで、1つの部材として扱えるので、部品数の削減、製造工程の簡易化をはかることができる。
【0021】
蛍光灯12は、ランプホルダ16で本体部11に固定支持され、同時に、蛍光灯12のランプソケット17のピンを、本体部11のピン受けと接続する。このとき、本体部11と蛍光灯12は電気的に接続した状態となる。
【0022】
照明器具100は、天井面または壁面などに、フックを兼ねたコネクタで取り付けられる。本体部11と天井面などの間に、照明器具100を安定させるために、スペーサが介在する。照明器具100はコネクタを介して電力線に接続し、例えば100Vの交流電力が供給される。蛍光灯用点灯回路13は電力線に接続し、蛍光ランプ12を点灯させる。また、一体型常夜灯部30のLED用点灯回路33も電力線に接続し、LED素子31を点灯させる。ただし、LED素子31へ供給する電力は、LED素子31へ供給する前に整流器などを通し、交流電力を整流して直列回路に印加できる脈流電力に変換しておく。
【0023】
蛍光灯用点灯回路13およびLED用点灯回路33は、電気的に接続させておく。照明器具100は、蛍光灯12の点灯については蛍光灯用点灯回路13、LED素子31の点灯についてはLED用点灯回路33、のそれぞれが独立して作動する。点灯制御は外部回路と、蛍光灯用点灯回路13およびLED用点灯回路33と、電源の接続を切り換えることにより行われ、リモコンなどの点灯制御装置(図示せず)から遠隔制御受信部14を介して指示を受け、具体的には、照明器具100の遠隔制御受信部14に信号を送信し、蛍光灯用点灯回路13のみ、または、蛍光灯用点灯回路13およびLED用点灯回路33に内蔵された論理回路またはその半導体集積回路などを制御することで光源の点灯と消灯を行う。
【0024】
リモコンなどの点灯制御装置で行う点灯制御は、例えば、2つの蛍光灯12の点灯、大サイズの蛍光灯12か小サイズの蛍光灯12のいずれかによる減光、LED素子31の順で点灯させる。または、2つの蛍光灯12を連続調光または多段調光による滅光、LED素子31の順で点灯させる。蛍光灯12点灯時において、LED素子31の点灯を行わないように制御することで、LED素子31の寿命が短くなるのを防止する。また、LED素子31点灯時において、蛍光灯12の点灯は不要であるので、蛍光灯12を同時に点灯させないように制御する。
【0025】
図3は、本発明の実施の形態の変形例に係る照明器具の一例を示す斜視図である。照明器具100は、直付け照明器具であり、天井や壁などに取り付けて使用する。基本的な構造は、図1に示す実施の形態に係る照明器具と同じであり、遠隔制御受信部14の代わりに、引き紐18およびスイッチバネ19を備える。
【0026】
図4は、本発明の実施の形態の変形例に係る照明器具に用いる一体型常夜灯部の一例を示す概略構成図である。図2(b)と同様に断面図で示してある。
【0027】
基本的な構造は、図2に示す実施の形態に係る一体型常夜灯部と同じであり、一体型常夜灯部30に、さらに、引き紐付スイッチ35を内蔵する。引き紐付スイッチ35は、点灯制御の機能を備え、LED用点灯回路33、外部回路および電源の接続を切り替えることができる。
【0028】
引き紐付スイッチ35は、照明器具100の本体部11に嵌合するセードカバー15により覆われるため、スイッチバネ19を用いる。スイッチバネ19は、引き紐付スイッチ35の可動方向を変換し、セードカバー15の外側から、点灯制御を行えるようにする。スイッチバネ19を介して引き紐付スイッチ35と連結する引き紐18を引くことで、照明器具100の点灯制御が可能である。引き紐18は、紐に限定せず、金属製のボールチェーンや、プラスチック製の細棒などであってもよく、末端部分につまみ部を備えてもよい。
【0029】
一体型常夜灯部30の引き紐付スイッチ35で制御可能なLED用点灯回路33と、蛍光灯用点灯回路13を電気的に接続し、点灯制御を一括して行えるようにしておくことで、スイッチバネ19を介した引き紐18を操作することにより、照明器具100の蛍光灯12および一体型常夜灯部30のLED素子31の両方の点灯制御が可能になる。
【0030】
引き紐付スイッチ35で行う点灯制御は、例えば、2つの蛍光灯12の点灯、大サイズの蛍光灯12か小サイズの蛍光灯12のいずれかによる減光、LED素子31の順で点灯させる。蛍光灯12点灯時において、LED素子31の点灯を行わないように制御することで、LED素子31の寿命が短くなるのを防止する。また、LED素子31点灯時において、蛍光灯12の点灯は不要であるので、蛍光灯12を同時に点灯させないように制御する。
【0031】
実施の形態の変形例に示した照明器具100は、引き紐18で点灯切り替え動作を行うものについて説明した。遠隔制御受信部14およびリモコンなどの点灯制御装置を備え、引き紐18およびリモコンを併用して点灯切り替えを行ってもよい。また、リモコンは照明器具100の蛍光灯12の点灯、引き紐18はLED素子31の点灯、と、分けて点灯制御の機能を有してもよい。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態に係る照明器具によれば、省電力で長時間点灯できる。
【0033】
常夜灯の白熱灯をLEDに置き換えることで、長寿命および省エネを可能にするので、電気代を低減でき、光源交換が不要になる、もしくは、光源交換の頻度を少なくする。また、水銀レスの特徴もあり、環境への負担を低減することが可能となる。
【0034】
また、置き換えの際に、関連する技術の照明器具をそのまま利用することが可能であり、汎用性が広がるだけでなく、利便性が高い。
【0035】
さらに、LED素子を用いた一体型常夜灯部を使用することで、1つの部材として扱えるので、部品数の削減、製造工程の簡易化をはかることができる。
【0036】
また、スイッチやリモコンなどの遠隔制御装置により、蛍光灯とLED素子の常夜灯の点灯の切替ができる。蛍光灯点灯時には常夜灯を点灯させず、常夜灯点灯時には蛍光灯を点灯させず、場面に応じて必要な明かりを点灯させることで、調光の選択性が広がるだけでなく、蛍光灯と常夜灯を長寿命および省エネで使用可能となる。
【0037】
本実施の形態に係る照明器具は、天井に直付けの他、壁に直付けであってもよく、その形状や種類は任意に適用可能である。
【0038】
また、蛍光ランプの形状、点灯制御の方法や点灯の順番、および減光や滅光などの調光方法などは一例である。これらは任意に変更および修正は可能であり、さまざまな照明器具に本発明は適用できる。
【0039】
その他、一体型常夜灯部の形状、大きさ、用いるLED素子の数や配置は、上述した例に限らない。関連する技術の照明器具の常夜灯で使用可能な形状であれば、任意に設定可能である。
【0040】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0041】
(付記1)器具本体と、蛍光灯と、前記蛍光灯を点灯させるための蛍光灯用点灯回路と、LED素子および該LED素子を点灯させるためのLED用点灯回路を一体化して筐体に収容し、該LED用点灯回路と外部電源を電気的に接続可能な配線を該筐体に備え、前記器具本体に搭載させる常夜灯部と、前記蛍光灯用点灯回路および前記常夜灯部に電気的に接続しており、前記蛍光灯と前記LED素子の点灯制御を行う点灯制御部と、を備えることを特徴とする照明器具。
【0042】
(付記2)前記点灯制御部は、引き紐スイッチおよび/または無線もしくは有線の遠隔制御装置を用いて作動させることを特徴とする付記1に記載の照明器具。
【0043】
(付記3)前記点灯制御部は、前記蛍光灯点灯時は前記常夜灯部のLED素子を点灯させず、かつ、該常夜灯部のLED素子点灯時は該蛍光灯を点灯させずに点灯制御することを特徴とする付記1または2に記載の照明器具。
【符号の説明】
【0044】
11 本体部
12 蛍光灯
13 蛍光灯用点灯回路
14 遠隔制御受信部
15 セードカバー
16 ランプホルダ
17 ランプソケット
18 引き紐
19 スイッチバネ
30 一体型常夜灯部
31 LED素子
32 ライトカバー
33 LED用点灯回路
34 筐体
35 引き紐付スイッチ
36 配線
100 照明器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
蛍光灯と、
前記蛍光灯を点灯させるための蛍光灯用点灯回路と、
LED素子および該LED素子を点灯させるためのLED用点灯回路を一体化して筐体に収容し、該LED用点灯回路と外部電源を電気的に接続可能な配線を該筐体に備え、前記器具本体に搭載させる常夜灯部と、
前記蛍光灯用点灯回路および前記常夜灯部に電気的に接続しており、前記蛍光灯と前記LED素子の点灯制御を行う点灯制御部と、
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記点灯制御部は、引き紐スイッチおよび/または無線もしくは有線の遠隔制御装置を用いて作動させることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記点灯制御部は、前記蛍光灯点灯時は前記常夜灯部のLED素子を点灯させず、かつ、該常夜灯部のLED素子点灯時は該蛍光灯を点灯させずに点灯制御することを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−4006(P2012−4006A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139038(P2010−139038)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】