説明

照明器具

【課題】 上下方向での寸法を小さくすることができる照明器具を提供する。
【解決手段】 灯体1は、光源としての複数個の発光ダイオード11を保持し天井材2に埋込配設される本体部12を有する。本体部12の上面には、複数個の放熱フィン14が上方に突設され、放熱フィン14間には空冷用流路が形成されている。さらに、上方から見て各放熱フィン14を覆うカバー3を備える。また、放熱フィン14間に形成された空冷用流路に左端が連結されたダクト4を備える。ダクト4には、電源ブロック5と、放熱フィン14の右側において右向きの気流を発生させるファン6とが収納及び保持されている。ファン6と電源ブロック5とが灯体1の側方に配置されているので、ファン6や電源ブロック5が灯体1の上側に配置される場合に比べて上下方向の寸法を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、天井面に埋込配設されて下方に光を照射する照明器具であって、空冷のためのファンを備えたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。特に、光源として発光ダイオードが用いられる場合、発光ダイオードは他の電気的な光源に比べて熱による光束の低下や劣化の進行が発生しやすいことから、上記のようなファンが設けられることが多い。
【0003】
従来、ファンは光源を保持した灯体の上側に配置されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−97915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ファンが灯体の上側に配置された場合、上下方向での寸法が大きくなり、照明器具を配設可能な設置場所の条件が厳しくなってしまう。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、上下方向での寸法を小さくすることができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明器具は、光を下方に出射させる向きで電気的な光源を保持して天井材に埋込配設される本体部及び前記本体部の上面に突設された複数個の放熱フィンを有する灯体と、上方から見て前記複数個の放熱フィンを覆うカバーと、筒状であって前記放熱フィン間に形成される空冷用流路に一端が連結されたダクトと、前記ダクトに前記一端側から流入する気流を発生させるファンと、前記光源を点灯させる電力と前記ファンを駆動する電力とをそれぞれ生成する電源ブロックとを備え、前記ファンと前記電源ブロックとが、それぞれ前記灯体の側方に配置されていることを特徴とする。
【0008】
上記の照明器具において、前記カバーは、前記放熱フィンよりも側方に突出して前記ファンと前記電源ブロックとがそれぞれ固定された固定部を有していてもよい。
【0009】
また、上記の照明器具において、前記カバーと前記ダクトとが1部品で構成されていてもよい。
【0010】
さらに、上記の照明器具において、前記ダクトには、前記気流の向きに直交する断面での前記空冷用流路の断面形状が上流側の部位よりも大きくされたトラップ部が設けられていることが望ましい。
【0011】
また、上記の照明器具において、前記電源ブロックには前記気流が通過する流路が設けられていることが望ましい。
【0012】
さらに、上記の照明器具において、前記ファンと前記電源ブロックとがそれぞれ前記ダクトに収納されていてもよい。
【0013】
また、上記の照明器具において、前記ダクトが柔軟な材料からなることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ファンと電源ブロックとが灯体の側方に配置されているので、ファンや電源ブロックが灯体の上側に配置される場合に比べて上下方向の寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)(b)はそれぞれ本発明の実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図2】同上の変更例を示す正面図である。
【図3】同上の別の変更例を示す正面図である。
【図4】同上の更に別の変更例を示す正面図である。
【図5】同上の別の変更例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
本実施形態は、図1に示すように、光源としての複数個の発光ダイオード11を保持した灯体1を備え、天井面を構成する天井材2に設けられた埋込穴20に埋込配設される。以下、上下左右は図1(a)を基準とし、図1(a)の紙面に直交する方向(図1(b)での上下方向)を前後方向と呼ぶ。
【0018】
灯体1は、発光ダイオード11を収納した本体部12と、本体部12の下端から水平方向の外向きに突設された鍔部13とを有する。灯体1は、本体部12を埋込穴20に挿通させ、鍔部13を天井面(天井材2の下面)に当接させる形で固定される。本体部12は全体として軸方向を上下方向に向けて下方に向かって外径が大きくされた円錐台形状であって、例えば下方に開口した凹部の底面に発光ダイオード11を保持することで、発光ダイオード11の光を下方に出射させる。また、鍔部13は本体部12を囲む円環形状となっており、本体部12の外周面と埋込穴20の内周面との間の隙間は、下方から見て鍔部13によって覆われる。灯体1を天井材2に固定する手段としては、例えば天井材2を鍔部13との間で挟む板ばね(図示せず)を本体部12に取り付ける。
【0019】
また、本体部12の上面には、それぞれ厚さ方向を前後方向に向けた複数個(図では6個)の放熱フィン14が上方に突設されている。放熱フィン14間には、空冷用流路が形成されている。灯体1において、発光ダイオード11と放熱フィン14との間に介在する部材、及び、放熱フィン14自身は、なるべく熱伝導率が高い材料で構成されていることが望ましい。
【0020】
さらに、本実施形態は、上方から見て各放熱フィン14を覆うカバー3を備える。カバー3は例えば金属からなり、カバー3を各放熱フィン14に固定する手段としてはねじ止めや凹凸係合といった周知の手段を用いることができる。
【0021】
また、カバー3は放熱フィン14よりも右方へ延長されており、カバー3において放熱フィン14よりも右方へ突出した部位の下側には、開口を左右方向に向けたダクト4が固定されている。ダクト4の左端は、放熱フィン14間に形成された空冷用流路に連結されている。ダクト4はカバー3とは別部品で構成されていてもよいし、カバー3とともに一部品で形成されていてもよい。ダクト4とカバー3とが一体化された部品を製造する方法としては、金属板の曲げ加工や、合成樹脂による成型を用いることができる。
【0022】
また、ダクト4の右端部には、発光ダイオード11に電気的に接続されて発光ダイオード11を点灯させる直流電力を出力する電源ブロック5が収納及び固定されている。上記の電源ブロック5は周知の直流電源回路を用いて実現することができる。電源ブロック5自体の電源としては、電池を用いてもよいし、外部から入力される電力を用いてもよい。外部から給電線を介して入力される電力が用いられる場合、電源ブロック5には、給電線が接続される端子台又はコネクタが設けられる。
【0023】
さらに、ダクト4内において、電源ブロック5の左側には、破線矢印で示すような右向きの気流を発生させるファン6が収納及び保持されている。ファン6の動作のための電力は電源ブロック5から供給される。電源ブロック5からファン6への給電路を短くするためには、ファン6はなるべく電源ブロック5の近くに配置されることが望ましい。
【0024】
上記構成によれば、ファン6が灯体1の側方に配置されているので、ファン6が灯体1の上側に配置される場合に比べて上下方向の寸法を小さくすることができる。
【0025】
また、電源ブロック5がファン6とともにダクト4内に配置されていることで、ファン6の気流による電源ブロック5の空冷が可能となっている。なお、図2に示すように、電源ブロック5において回路部品を収納するケース51をダクト4とは別途に設け、ダクト4の右側開口よりも右側においてカバー3に固定することも可能ではあるが、本実施形態のほうが部品点数を少なくすることができるという利点がある。図2の例では、カバー3において放熱フィン14よりも右方に突出した部位が固定部となる。図2の場合であっても、電源ブロック5の冷却のためには、上記のケース51はファン6の気流が通過するような流路を有する例えば筒状の構造とされることが望ましい。上記のようにファン6の気流によって電源ブロック5の空冷が達成されるようにすれば、電源ブロック5において、必要な放熱量を維持しながらも、部品の間隔を短くすることや放熱フィンの省略による小型化が可能となる。
【0026】
さらに、放熱フィン14とファン6と電源ブロック5とが一直線状に並び、且つ、その並ぶ方向である左右方向にファン6が向けられていることで、図3のようにファン6が上下方向に向けられている場合(つまりファン6の位置で気流が略直角に曲げられる場合)に比べて通気抵抗が低くなり空冷の効率が改善される。
【0027】
ここで、ファン6に埃が到達した場合、ファン6の回転軸に埃が纏わり付くことで、ファン6が発生させる騒音が大きくなる可能性や、ファン6の動作が阻害される可能性がある。本実施形態では、ファン6が放熱フィン14よりも下流側である右側に配置され、且つ、ファン6の上側がダクト4及びカバー3で覆われているので、ファン6が吸気側の端に配置される場合や、ファン6が上方から見て露出する場合に比べ、ファン6に埃が到達しにくい。
【0028】
さらに、ダクト4の左端部では、放熱フィン14の間よりも、各放熱フィン14の断面積の分だけ、上記の気流の流路の断面積が小さくなっている。これにより、ダクト4の左端部は、上記の気流の流速が低下するトラップ部となっており、このトラップ部で埃が落下しやすいから、上記のようなトラップ部がない場合に比べてファン6に埃が到達しにくい。さらに、ダクト4において、図4に示すように気流の流路を拡大するトラップ部41を設けてもよい。
【0029】
また、ダクト4を柔軟な合成樹脂や金属などの材料で形成することで変形可能とすれば、図5に示すように電源ブロック5とファン6とを天井材2上に載置することができる。さらに、ダクト4として、ひだ状の構造を有するもの(いわゆるベローズ)を用いれば、さらにダクト4を変形させやすくなる。
【0030】
なお、複数個の放熱フィン14は、上記のように互いに対向する板状に限られず、例えば林立するピン状であってもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 灯体
2 天井材
3 カバー
4 ダクト
5 電源ブロック
6 ファン
11 発光ダイオード(光源)
12 本体部
14 放熱フィン
41 トラップ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を下方に出射させる向きで電気的な光源を保持して天井材に埋込配設される本体部及び前記本体部の上面に突設された複数個の放熱フィンを有する灯体と、
上方から見て前記複数個の放熱フィンを覆うカバーと、
筒状であって前記放熱フィン間に形成される空冷用流路に一端が連結されたダクトと、
前記ダクトに前記一端側から流入する気流を発生させるファンと、
前記光源を点灯させる電力と前記ファンを駆動する電力とをそれぞれ生成する電源ブロックとを備え、
前記ファンと前記電源ブロックとが、それぞれ前記灯体の側方に配置されていることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記カバーは、前記放熱フィンよりも側方に突出して前記ファンと前記電源ブロックとがそれぞれ固定された固定部を有することを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記カバーと前記ダクトとが1部品で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記ダクトには、前記気流の向きに直交する断面での前記空冷用流路の断面形状が上流側の部位よりも大きくされたトラップ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記電源ブロックには前記気流が通過する流路が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記ファンと前記電源ブロックとがそれぞれ前記ダクトに収納されていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項7】
前記ダクトが柔軟な材料からなることを特徴とする請求項1記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−114806(P2013−114806A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257783(P2011−257783)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】