説明

照明器具

【課題】取付空間に制限がある場合においても、所望の方向へ光を照射できる照明器具を提供する。
【解決手段】光源であるLEDユニット34が取り付けられる灯具本体31と、LEDユニット34との間に、傾斜面である下面42を有するアダプタ40を設けたので、灯具本体31の取付方向と異なる方向へ光を照射することができる。このため、天井裏等の取付空間に障害物がある場合でも、障害物との干渉を回避しながら、所望の方向へ光を照射するように灯具本体31を取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源であるLEDユニットを有し、所定の方向を照射する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、光源であるLEDユニットを有し、所定の方向を照射するダウンライト等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6に示すように、特許文献1に記載の照明器具100では、器具本体101の内部に、LED102を搭載した略円板状のLEDユニット103を収容する。LEDユニット103は、可動部104を介して器具本体101に取り付けられる。
【0003】
可動部104は、回転軸107により、相対的に回転可能に連結された上可動部105と下可動部106を有する。上可動部105および下可動部106は、互いに摺接する面が傾斜しており、上可動部105および下可動部106を回転させることにより、LEDユニット103の照明方向を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4512653号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図7に示すような、通常のダウンライト110では、LEDユニットを収容する器具本体111には、LEDユニットが発する熱を放熱するための放熱フィン112が一体的に設けられている。この放熱フィン112には、LEDユニットに点灯電力を供給する電源装置113が放熱フィン112に直交して設けられている。また、器具本体111の下側には枠体114が取り付けられており、枠体114には、ダウンライト110を天井等に取り付けるための取付ばね115が設けられている。
従って、ダウンライト110を用いて所望の方向へ光を照射する場合には、ダウンライト110を照射方向へ向けて取り付けるのが一般的である。
しかしながら、ダウンライト110を照射方向へ向けて取り付ける際には、放熱フィン112や電源装置113が取付空間に納まりきれない場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、取付空間に制限がある場合においても、所望の方向へ光を照射できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明器具は、光源であるLEDユニットと、前記LEDユニットが取り付けられる灯具本体と、を有し、前記灯具本体と前記LEDユニットとの間に傾斜面を有するアダプタを設けたものである。
【0008】
また、本発明の照明器具は、前記アダプタは、前記灯具本体に対して回転可能であるものである。
【0009】
さらに、本発明の照明器具は、前記灯具本体と前記アダプタは傾斜して取り付けるとともに、前記アダプタと前記LEDユニットは平行に取り付け、前記アダプタが回転可能であるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、光源であるLEDユニットが取り付けられる灯具本体と、LEDユニットとの間に、傾斜面を有するアダプタを設けたので、灯具本体の取付方向と異なる方向へ光を照射することができ、取付空間に障害物がある場合でも、障害物との干渉を回避しながら、所望の方向へ光を照射するように灯具本体を取り付けることができるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の全体斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の分解斜視図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具の別の例を示す全体斜視図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具の別の例を示す断面図
【図5】(A)は本発明に係る第2実施形態の照明器具の分解斜視図であり、(B)は本発明に係る第2実施形態の照明器具においてアダプタを反転させた分解斜視図
【図6】従来の照明器具の分解斜視図
【図7】従来より一般的なダウンライトの側面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態の照明器具10は、被取付部である天井面11に埋め込んで取り付けられて、例えば、天井面11(図4参照)と直交する壁面(図示省略)等を照明するものである。
【0013】
図1および図2に示すように、照明器具10は、天井面11(図4参照)に取り付けられる枠体20と、枠体20に支持される灯具30を有する。
枠体20は、天井面11の取付孔12(図4参照)に嵌め込まれる円筒形状の枠体本体21を有し、枠体本体21の下端には、天井下面に当接する鍔部22を有する。枠体本体21の外面には、枠体20を天井面11に取り付けるための取付ばね23が、所定間隔で複数個(例えば、3個)設けられている。取付ばね23は、常時下方(図1中矢印A方向)へ付勢されている。
従って、鍔部22と取付ばね23との間に天井面11を挟むことにより、枠体20を天井面11に固定する。
【0014】
枠体本体21の前側(図1において下方)には、天井面11に対して傾斜した照射方向に向かって円形をした開口25を有する延設部24が一体的に設けられている。延設部24は、球体の一部を模した形状とすることができる。あるいは、円筒形状とすることも可能である。
また、延設部24の内部には、灯具30の先端部(下部)を収容可能な空間が設けられている。
【0015】
灯具30は、多数の放熱フィン311を上下方向に有する灯具本体31を有する。従って、LEDユニット34が発した熱は、放熱フィン311に伝達されて放熱される。
また、灯具本体31の後部(上部)には、灯具本体31に直交する方向に伸びる電源装置32が取り付けられている。
ここでは、電源装置32は、後述する光の照射方向とは反対側(図1および図2において右側)に突出して設けられている。すなわち、取付孔12の光の照射方向側に障害物等がある場合に適する。
この灯具30は、従来より用いられている通常のダウンライトにおける灯具と共通の構成であり、従来の灯具を用いることができる。
【0016】
灯具30の前面(下面)312は、アダプタ40が回転軸33により回転可能に取り付けられる。灯具30の前面312は略円形をしており、アダプタ40の上面41は、灯具30の前面312に対応した略円形をしている。従って、アダプタ40は、灯具30に対して、任意の角度で回転可能となっている。
アダプタ40の下面42(図4参照)は上面41に対して傾斜しており、アダプタ40は、全体として楔状をしている。
従って、下面42は楕円形状となっているが、アダプタ40の下面42には、外側に突出する取付部が同一面で設けられており、アダプタ40は、取付ねじ43により延設部24に固定される。
【0017】
アダプタ40の下面42には、光源であるLEDユニット34および反射板35が取り付けられる。すなわち、上述したように、アダプタ40の下面42は楕円形状となっているが、LEDユニット34および反射板35には円形のものを用いることができる。また、反射板35の前面には前面パネル36が取り付けられる。
従って、LEDユニット34、反射板35および前面パネル36として、従来より用いられている通常のものを用いることができる。
これにより、LEDユニット34から発せられた光は、アダプタ40の下面42に直交する方向へ斜めに照射されて、壁等を照明する。
【0018】
なお、図3および図4には、上述した照明器具10において、電源装置32が、光の照射方向側(図3および図4において左側)に突出して設けられている場合が示されている。これは、取付孔12の光の照射方向と反対側に障害物等がある場合に適する。
その他の構成は、図1および図2で上述したものと共通なので、説明を省略する。
【0019】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、光源であるLEDユニット34が取り付けられる灯具本体31と、LEDユニット34との間に、傾斜面である下面42を有するアダプタ40を設けた。これにより、灯具本体31の取付方向と異なる方向へ光を照射することができる。
このため、天井裏等の取付空間に障害物がある場合でも、障害物との干渉を回避しながら、所望の方向へ光を照射するように照明器具10を取り付けることができる。
【0020】
また、アダプタ40は、灯具本体31に対して回転可能であるので、アダプタ40に取り付けられているLEDユニット34の照射方向を調整することができる。
【0021】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、前述した第1実施形態に係る照明器具10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
図5(A)および図5(B)には、灯具本体31Bの前面312Bが灯具本体31Bの軸線CLに対して傾斜している場合が示されている。
従って、灯具本体31Bの前面312Bは、一般的に楕円形状となる。
【0022】
図5(A)に示す照明器具10Bでは、灯具本体31Bの前面312Bとアダプタ40Bの上面41Bが接するように、アダプタ40Bが取り付けられる。従って、アダプタ40Bの上面41Bは、灯具本体31Bの前面312Bに対応した楕円形状となる。
ここで、灯具本体31Bに対してアダプタ40Bが回転可能と云うことは、楕円形状であることから、180度回転(反転)して取り付けることができることを意味する(図5(B)参照)。
なお、アダプタ40Bの下面42Bは円形であり、下面42Bに取り付けられるLEDユニット34等は、従来より用いられている円形のものを用いることができる。
【0023】
以上、説明した本発明に係る第2実施形態の照明器具10Bによれば、灯具本体31Bとアダプタ40Bとは傾斜して取り付けられるとともに、アダプタ40Bが回転可能である。このため、灯具本体31Bの先端が傾斜していて楕円形状をしている場合でも、アダプタ40Bを反転して取り付けることができる。
また、アダプタ40BとLEDユニット34は平行に取り付けられている。
【0024】
なお、本発明の照明器具は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【符号の説明】
【0025】
10、10B 照明器具
31、31B 灯具本体
34 LEDユニット
40、40B アダプタ
41B 上面(傾斜面)
42 下面(傾斜面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源であるLEDユニットと、
前記LEDユニットが取り付けられる灯具本体と、を有し、
前記灯具本体と前記LEDユニットとの間に傾斜面を有するアダプタを設けた照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記アダプタは、前記灯具本体に対して回転可能である照明器具。
【請求項3】
請求項1に記載の照明器具において、
前記灯具本体と前記アダプタは傾斜して取り付けるとともに、前記アダプタと前記LEDユニットは平行に取り付け、
前記アダプタが回転可能である照明器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−45709(P2013−45709A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183885(P2011−183885)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】