説明

照明器具

【課題】意匠性の向上と反射部材の着脱時の作業性の向上を図る。
【解決手段】反射部材50が光源ユニット1間のスペースに収まるように器具本体3に対して反射ユニット5が上向きに押し上げられると、取付台2の挿通孔23に挿通された取付部材6のばね部61が側板部501の内側面に押されて撓む。そして、反射ユニット5がさらに押し上げられて係合部62が被係合部502の位置に達すると、ばね部61の弾性力によって係合部62が側板部501の被係合部502に係合して反射ユニット5を器具本体3に取り付けることができる。故に、従来例のように反射部材が器具本体にねじ止めされる場合と比較して、意匠性の向上と反射部材の着脱時の作業性の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来の蛍光ランプに代えて発光ダイオードを光源とする照明器具が急速に普及してきている。例えば、特許文献1には、天井下地から吊下された複数本の天井バー間に天井パネルを設けて形成されるシステム天井に設置される照明器具において、蛍光ランプの代わりに発光ダイオードを光源とする光源ユニットを備えた照明器具が記載されている。特許文献1記載の従来例は、一対の天井バー間に取り付けられる箱形の器具本体と、器具本体内部に収納される複数の光源ユニットと、光源ユニットの下面を覆う略矩形状の反射板とを備える。そして、複数の光源ユニット及び反射板は、何れも器具本体に対してねじ止めによって取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−118186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来例のように反射部材(反射板)が器具本体に対してねじ止めされる場合、反射部材を取り付けるためのねじが露出していると意匠性(デザイン性)が損なわれる虞があった。また、ねじを露出させないために器具本体の反開口面側からねじ止めされる場合、反射部材の着脱を行うためには、器具本体を天井から取り外してから反射部材を器具本体から取り外さなければならず、非常に手間がかかってしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、意匠性の向上と反射部材の着脱時の作業性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明器具は、各々が直線状に形成されて光を放射する複数の光源ユニットと、複数の前記光源ユニットを互いの長手方向を揃えて並列に配置した状態で支持する器具本体と、隣り合う1組乃至複数組の前記光源ユニットの間に配置され、前記光源ユニットから放射される光を反射する反射面を有する1乃至複数の反射部材と、一端側で前記器具本体に固定され且つ他端側に係合部が設けられた1乃至複数の弾性部材とを備え、前記反射部材は、前記係合部が係脱自在に係合する1乃至複数の被係合部を有することを特徴とする。
【0007】
この照明器具において、複数の前記反射部材の両端部同士を連結する連結部材を備えることが好ましい。
【0008】
この照明器具において、前記反射部材は、前記器具本体との対向面が開口した樋状に形成され、前記被係合部は、前記反射部材に設けられる孔からなり、前記係合部は、前記反射部材の開口を通して前記被係合部と係合する突起からなることが好ましい。
【0009】
この照明器具において、前記係合部は、前記反射部材と前記光源ユニットとの間の隙間に位置することが好ましい。
【0010】
この照明器具において、前記係合部は、前記孔から前記反射部材の外に突出する部位が前記反射部材の反射面と同じ向きに傾斜していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の照明器具は、意匠性の向上と反射部材の着脱時の作業性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る照明器具の実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】同上の斜視図である。
【図3】同上の一部省略した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、天井に配設される照明器具に本発明の技術思想を適用した実施形態について説明する。
【0014】
本実施形態の照明器具は、図1に示すように複数(図示例では8つ)の光源ユニット1、取付台2、器具本体3、枠体4、反射ユニット5、点灯装置7などを備える。光源ユニット1は、図3に示すように光源部10、放熱部材11、絶縁部材12、取付部材13、カバー14などを備える。光源部10は、絶縁材料(例えば、セラミック)によって長尺の板状に形成された実装基板100、実装基板100の表面に実装される複数個の発光ダイオード(以下、LEDチップと呼ぶ。)101、実装基板100の表面に形成される導電体(図示せず)などを有する。複数個のLEDチップ101は、実装基板100表面の中央部(短手方向の中央部)に長手方向に沿って等間隔且つ直線状に並べて実装され、透光性を有し且つ蛍光材料が混合された合成樹脂製の封止部材102で封止されている。すなわち、LEDチップ101から放射される光(例えば、青色光)の一部が蛍光材料で波長変換され、波長変換された光(例えば、黄色光)と波長変換されなかった光(青色光)が混ざることにより、光源部10から放射される光が全体として白色光となる。
【0015】
放熱部材11は、長尺の平板状に形成され、絶縁部材12を介して光源部10が載置される主片110と、主片110の両端(長手方向に沿った両端)より主片110の厚み方向に延びる一対の側片111とが熱伝導度の高い材料(例えば、アルミ板)によって一体に形成されている。
【0016】
絶縁部材12は、放熱部材11の主片110と光源部10の間に介装される主部120と、主部120の両端(長手方向に沿った両端)より光源部10に近付く向きに立ち上がる当接部121と、各当接部121の先端より突出する一対の反射部122とが合成樹脂成形体として一体に形成されてなる。一対の反射部122は、当接部121から離れるに従って外側に開くように傾斜し、光源部10に対向する下面が反射面となって光源部10から放射される光を下方へ反射する。なお、図示は省略しているが、絶縁部材12が放熱部材11の主片110上に載置された状態において、放熱部材11の主片110に設けられた突条部が挿通される長孔状の挿通孔が主部120の中央に貫通している。
【0017】
取付部材13は、鋼板などの金属板が曲げ加工されることで略角樋状に形成され、側片111間に収納された状態で放熱部材11に固定される。さらに、取付部材13には取付金具15を用いてレセプタクルコネクタ16が取り付けられている。レセプタクルコネクタ16は、光源部10の導電体と電気的に接続された電線(図示せず)が接続される接続端子部160と、プラグコネクタ(図示せず)に差し込まれるコネクタ接続部161とを有している。プラグコネクタは電線を介して点灯装置7に接続されており、プラグコネクタがレセプタクルコネクタ16に挿抜自在に差込接続される。すなわち、プラグコネクタとレセプタクルコネクタ16が差込接続されることで点灯装置7と光源部10が電気的に接続され、点灯装置7から光源部10に給電されて光源部10が発光(点灯)するのである。
【0018】
取付金具15は、レセプタクルコネクタ16を保持する矩形枠状のコネクタ保持部150を有して取付部材13の上側に取り付けられる。
【0019】
カバー14は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透光性を有する合成樹脂材料により長尺の矩形箱状に形成され、光源部10、放熱部材11、絶縁部材12、取付部材13を内部に収納するようにして放熱部材11に被着される。
【0020】
取付台2は、矩形平板状の台部20と、台部20の周縁から曲げ起こされた補強片21と、台部20の周縁から上向きに突出した一対の固定片22とが鋼板などの金属板によって一体に形成されてなる。固定片22は、台部20の短手方向(図1における左右方向)の中央部に設けられ、外向きに曲げられた平坦部220にねじ孔221が設けられている。また、台部20における各固定片22近傍の部位には、後述する弾性部材(取付部材6)が挿通される矩形の挿通孔23が貫設されている。なお、光源ユニット1は、図1に示すように挿通孔23を挟んだ両側に、それぞれ2つずつが短手方向に沿って並ぶようにして台部20にねじ止めされる。
【0021】
器具本体3は、矩形平板状の本体部30と、本体部30の周縁から下向きに曲げ起こされた側壁部31とが鋼板などの金属板によって一体に形成されてなる。本体部30は、天井に埋め込まれている一対の取付ボルト(図示せず)が各別に挿通されるボルト挿通孔32を有し、各ボルト挿通孔32に挿通される取付ボルトにナットが締め付けられることで天井に取り付けられる。また、本体部30には天井に配線されている電源線(図示せず)が導入される導入孔33が設けられ、導入孔33から導入される電源線が接続される電源端子台34が取り付けられている。
【0022】
また、本体部30の両端にそれぞれ点灯装置7が固定され、図示しない電線により電源端子台34を介して電源線と点灯装置7が接続されている。点灯装置7は、電源線や電線を介して供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路等が金属製のケースに収納されてなる。点灯装置7のケースから導出された電線(図示せず)の先端に設けられているプラグコネクタ(図示せず)が各光源ユニット1のレセプタクルコネクタ16に差込接続され、電線を介して点灯装置7から各光源ユニット1に直流電力が供給される。
【0023】
枠体4は、図2に示すように光源ユニット1の長手方向に沿って対向する一対の第1側枠部40と、光源ユニット1の短手方向に沿って対向する一対の第2側枠部41とが矩形枠状に組み立てられてなる。また、第2側枠部41の内側には、下から上に光源ユニット1に近付く向きに傾斜する反射板42がそれぞれ配設されている。そして、枠体4の上面側の四隅にねじ孔(図示せず)が設けられており、本体部30の四隅に貫設されているねじ挿通孔30Aに挿通されるねじ(図示せず)が各ねじ孔に螺合することで器具本体3と枠体4が結合される。
【0024】
反射ユニット5は、複数(図示例では3つ)の反射部材50と、各反射部材50同士を連結する一対の連結部材51とを有している。反射部材50は、長手方向からみた形状が略V字形の反射部500と、反射部500の長手方向に沿った両端縁よりそれぞれ上向きに突出する一対の側板部501とが一体に形成されてなる。ただし、側板部501は、反射部500の長手方向両端部を除いた中央部分のみに形成されている。
【0025】
連結部材51は、長方形状の主片510と、主片510の長手方向に沿った両端縁より上向きに曲げ起こされた一対の側片511とが鋼板などの金属板によって一体に形成されてなる。そして、3つの反射部材50の両端部に各連結部材51の主片510が溶接等の適宜の方法で接合される。このとき、3つの反射部材50は等間隔且つ平行に配置される。
【0026】
ところで、器具本体3の本体部30には、反射ユニット5を取り付けるために複数(図示例では4つ)の取付部材(弾性部材)6が配設されている。取付部材6は、本体部30にねじ止めされる固定部60と、固定部60の端部から曲げ起こされたばね部61と、ばね部61の先端から略U字形に突出する突起(係合部62)とが1枚の金属板が曲げ加工されることで一体に形成されてなる(図3参照)。
【0027】
一方、取付部材6の係合部62が係脱自在に係合する孔(被係合部502)が、各反射部材50の側板部501における長手方向の両端に一対ずつ貫設されている。而して、反射部材50が光源ユニット1間のスペースに収まるように器具本体3に対して反射ユニット5が上向きに押し上げられると、取付台2の挿通孔23に挿通された取付部材6のばね部61が側板部501の内側面に押されて撓む。そして、反射ユニット5がさらに押し上げられて係合部62が被係合部502の位置に達すると、ばね部61の弾性力によって係合部62が側板部501の被係合部502に係合して反射ユニット5を器具本体3に取り付けることができる。また、被係合部502と係合している係合部62の先端部分をマイナスドライバなどの工具で押してばね部61が撓ませ、ばね部61が撓んだ状態で反射部材50(反射ユニット5)を引き下げれば、係合部62と被係合部502の係合が解除されて反射ユニット5を取り外すことができる。
【0028】
上述のように本実施形態では、器具本体3を天井から取り外すことなく、反射ユニット5(反射部材50)が4つの取付部材(弾性部材)6によって器具本体3に着脱自在に取り付けられる。その結果、従来例のように反射部材が器具本体にねじ止めされる場合と比較して、意匠性の向上と反射部材の着脱時の作業性の向上を図ることができる。しかも、本実施形態では複数の反射部材50が連結部材51で連結されているので、反射部材50が連結されていない場合と比較して、反射部材50の着脱時の作業性をさらに向上させることができる。
【0029】
また、本実施形態では反射部材50の側板部501に貫設される孔を被係合部502としているので、被係合部502として新たな部品等を追加する必要がなく、被係合部502を設けるためのコストを抑制することができる。さらに、係合部62の一部が被係合部502を通して反射部材50の外側に突出するが(図3参照)、反射部材50と光源ユニット1との間の隙間(スペース)に位置するために目立ち難くい。ここで、図3に示すように係合部62は反射部材50の反射面と同じ向きに傾斜している。そのため、光源ユニット1から放射される光の一部が、被係合部502を通して反射部材50の外に突出する係合部62の部位によって下向きに反射されるので、光源ユニット1の光を効率的に照明空間に照射することができる。
【0030】
なお、本実施形態では光源ユニット1を8つ備えているが、光源ユニット1の数は8つに限定されるものではない。また、隣り合う反射部材50の間に光源ユニット1が2つずつ配置されているが、隣り合う反射部材50の間に配置される光源ユニット1の数も1あるいは3つ以上であっても構わない。
【符号の説明】
【0031】
1 光源ユニット
3 器具本体
5 反射ユニット
6 取付部材(弾性部材)
50 反射部材
62 係合部
501 側板部
502 被係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が直線状に形成されて光を放射する複数の光源ユニットと、複数の前記光源ユニットを互いの長手方向を揃えて並列に配置した状態で支持する器具本体と、隣り合う1組乃至複数組の前記光源ユニットの間に配置され、前記光源ユニットから放射される光を反射する反射面を有する1乃至複数の反射部材と、一端側で前記器具本体に固定され且つ他端側に係合部が設けられた1乃至複数の弾性部材とを備え、前記反射部材は、前記係合部が係脱自在に係合する1乃至複数の被係合部を有することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
複数の前記反射部材の両端部同士を連結する連結部材を備えることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記反射部材は、前記器具本体との対向面が開口した樋状に形成され、前記被係合部は、前記反射部材に設けられる孔からなり、前記係合部は、前記反射部材の開口を通して前記被係合部と係合する突起からなることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。
【請求項4】
前記係合部は、前記反射部材と前記光源ユニットとの間の隙間に位置することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記係合部は、前記孔から前記反射部材の外に突出する部位が前記反射部材の反射面と同じ向きに傾斜していることを特徴とする請求項3記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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