照明器具
【課題】最小限のスライド量でランプの着脱を可能としながらランプ両端まで被覆でき、設置における制約を軽減できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、器具本体11と、器具本体11に取り付けられたソケット12,13と、ソケット12,13に取付けられるランプ14と、ランプ14の長手軸線方向の第1位置および第2位置にスライド可能であって、第2位置においてランプ軸線に対して直交する線を中心としてランプ14から離れる方向に回動可能なソケットカバー15,16と、を備える。
【解決手段】照明器具10は、器具本体11と、器具本体11に取り付けられたソケット12,13と、ソケット12,13に取付けられるランプ14と、ランプ14の長手軸線方向の第1位置および第2位置にスライド可能であって、第2位置においてランプ軸線に対して直交する線を中心としてランプ14から離れる方向に回動可能なソケットカバー15,16と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井面に取り付けられるベースライト等に適用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、直管型ランプの口金に機械的および電気的に接続されるソケットを覆うソケットカバーを器具本体に着脱自在に取付けた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、反射板の孔にソケットを挿入した後に、ソケットカバーに有するエンドカバー部を反射板の段部に挿入することにより、ソケットカバーが反射板に取り付けられる。
特許文献1は、ソケットカバーに反射板のエンドカバーが一体に形成されるために、組み立ての手数を減少できる。
また、従来より、直管型ランプの端部と、照明器具の器具本体に設けられたソケットとを覆うソケットカバーを備えた照明器具が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2は、直管型ランプの温度低下を防ぐことができ、低温状態での直管型ランプの光出力の低下を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭60−4335号公報(図2、請求項1)
【特許文献2】特開2007−265941号公報(図2、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1および特許文献2は、ランプ両端の口金部まで覆うのに、ソケットカバーのランプ軸方向の全長寸法が長くなる。
そのため、特許文献1および特許文献2は、ランプを着脱するためのスライド幅を長くしなければならない。
従って、特許文献1および特許文献2は、器具端部からの出代が大きくなってしまい、器具の設置条件に制約を生ずる。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、最小限のスライド量でランプの着脱を可能としながらランプ両端まで被覆でき、設置における制約を軽減できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、器具本体と、前記器具本体に取り付けられたソケットと、前記ソケットに取付けられるランプと、前記ランプの長手軸線方向の第1位置および第2位置にスライド可能であって、前記第2位置においてランプ軸線に対して直交する線を中心として前記ランプから離れる方向に回動可能なソケットカバーと、を備える。
【0007】
本発明に係る照明器具は、前記ソケットカバーは、前記ランプの少なくとも一方の端部の端部部材を含んだ筒状胴体部分を覆う。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記ソケットカバーは、前記ソケットを保持するソケット台に取り付けられた。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記ソケットカバーは、端面を傾斜させた形状とし、ランプ装着位置で最大に開いたときに、基端から前記ランプの軸線に対して、直交方向に引いた線を越えないようにスライド範囲を規制される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明器具によれば、最小限のスライド量でランプの着脱を可能としながらランプ両端まで被覆でき、設置における制約を軽減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の斜め下方から視た外観斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の側面図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具の底面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具の正面から視た垂直断面図
【図5】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの閉状態の斜め下方から視た単体外観斜視図
【図6】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの第1位置の側面図
【図7】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの第1位置のソケットカバー周りの側面図
【図8】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの第2位置の側面図
【図9】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの第2位置のソケットカバー周りの側面図
【図10】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の側面図
【図11】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時のソケットカバー周りの側面図
【図12】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の斜め下方から視た単体外観斜視図
【図13】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の斜め下方から視た外観斜視図
【図14】本発明に係る第2実施形態の照明器具の正面から視た垂直断面図
【図15】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの閉状態の斜め下方から視た単体外観斜視図
【図16】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの第1位置の側面図
【図17】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの第1位置のソケットカバー周りの側面図
【図18】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの第2位置の側面図
【図19】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの第2位置のソケットカバー周りの側面図
【図20】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の側面図
【図21】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時のソケットカバー周りの側面図
【図22】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の斜め下方から視た単体外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、反射板一体型の器具本体11と、器具本体11の両端に取り付けられた一対のソケット12,13と、を備える。
また、照明器具10は、ソケット12,13に装着されることによりソケット12,13に機械的および電気的に接続されるランプ14を備える。
そして、照明器具10は、ソケット12,13を覆うソケットカバー15,16を備えており、ベースライトに適用される。
【0013】
図2に示すように、器具本体11は、中央部の上面に電源ボックス17が取り付けられており、この電源ボックス17内に電源ユニット18が収容されている。電源ユニット18は、不図示の器具配線を通じて各ソケット12,13に給電する。
図3に示すように、器具本体11は、その下面において、ランプ14の上方に反射面19を有する。
【0014】
ランプ14は、直管型LEDランプや直管型蛍光ランプであり、直管型LEDランプの場合、一方の口金20に不図示の複数の給電側ピンを有し、他方の口金21に同じく不図示の単一の接地側ピンを有する。
そのため、ランプ14が、直管型LEDランプの場合、一方のソケット12が給電側ソケットになり、他方のソケット13が接地側ソケットになる。
【0015】
次に、ソケットカバー15,16について詳細に説明する。なお、ソケットカバー15,16は、それぞれ同一構造であるために、ここでは、一方のソケットカバー15についてのみ説明し、他方のソケットカバー16については、説明を省略する。
図4に示すように、器具本体11は、一方のソケット12を保持するソケット台22を端部に取り付けている。
【0016】
ソケットカバー15は、ランプ14と同色の乳白色等に染色された樹脂製であって、ランプ14の外径寸法よりも大きい内径寸法を有して半円筒形状に形成された下部カバー部23と、ランプ14の軸線方向の端部に配置された端部カバー部24とを有する。
また、ソケットカバー15は、端部カバー部24に対面する下部カバー部23のランプ14側の端部に開口部25を有する。
【0017】
図5に示すように、ソケットカバー15は、内側にソケット12を収容している。
ソケット台22は、ソケット12の外側において器具本体11の短手方向に配置される一対の側板26に、一対の係合凸部27と、一対のガイドスリット28と、を有する。
係合凸部27は、側板26に嵌着された金属製の板部材であり、側板26の内側に向けて突出している。
ガイドスリット28は、ランプ14の軸線に沿って長さを有して切除されている。
そして、ソケットカバー15は、下部カバー部23の上端部の一対に縁板29に、係合凸部27に係合される係合凹部30と、ガイドスリット28に挿入される枢軸31と、を有する。
【0018】
係合凹部30は、ソケットカバー15が第1位置(図7参照)A1から第2位置(図9参照)A2にスライド移動される際に、係合凸部27から離脱される。
また、係合凹部30は、ソケットカバー15が第2位置A2から第1位置A1にスライド移動される際に、係合凸部27に係合される。
枢軸31は、ガイドスリット28に挿入されることにより、ソケットカバー15をソケット台22に支持する。
このとき、ソケットカバー15は、一対の枢軸31がソケット台22の側板26の内側において一対のガイドスリット28に挿入されているために、ソケット台22から脱落せずに保持されている。
【0019】
ガイドスリット28は、ソケットカバー15が第1位置A1から第2位置A2にスライド移動される際に、ソケットカバー15がソケット台22に沿って器具本体11の端部に向けて平行移動されるように保持する平行移動用スリット部32を有する。
また、ガイドスリット28は、ソケットカバー15が第2位置A2に移動した後に、ランプ14の軸線に対して直交する方向に近づくように開成の回動を行う際に、ソケットカバー15をソケット12から離しながら保持する回動移動用スリット部33を有する。
なお、ソケットカバー15(16)は、ソケット台22に代えて、器具本体11に取付られてもよい。
【0020】
次に、ソケットカバー15の動作について詳細に説明する。
図6に示すように、ソケットカバー15は、端部カバー部24が器具本体11の端部から下方の斜め内方に向けて傾斜して形成されている。
このとき、ソケットカバー15は、第1位置A1にあるために、下部カバー部23によりランプ14の口金20およびソケット12を、下方から直視できないように隠蔽する。
つまり、ソケットカバー15は、ランプ14の少なくとも一方の端部の端部部材である口金20を含む筒状胴体部分を覆う。
【0021】
図7に示すように、ソケットカバー15は、第1位置A1にあるために、係合凹部30がソケット台22の係合凸部27に係合されており、枢軸31がガイドスリット28の平行移動用スリット部32の内方端部に位置している。
このとき、ソケットカバー15は、係合凹部30がソケット台22の係合凸部27に係合されているために、ソケットカバー15を下方へ向けて引っ張る等の応力を与えない限りソケット台22から離脱することはない。
【0022】
図8に示すように、次に、作業者やユーザーによって、ソケットカバー15が、第1位置A1から第2位置A2に押圧されてスライド移動される。
図9に示すように、ソケットカバー15が、第1位置A1から第2位置A2に押圧されてスライド移動されることにより、係合凹部30がソケット台22の係合凸部27から離脱される。
同時に、ソケットカバー15は、枢軸31がガイドスリット28の平行移動用スリット部32から回動移動用スリット部33に向けて移動されていく。
【0023】
図10に示すように、ソケットカバー15は、第2位置A2までスライド移動された後に、作業者やユーザーが、ソケットカバー15の開口部25に指等を引っ掛けてソケットカバー15の開口部25側を下方へ向けて引張する。
図11に示すように、ソケットカバー15は、係合凹部30がソケット台22の係合凸部27から離脱されていて、枢軸31がガイドスリット28の回動移動用スリット部33の外方端部にある位置において、開口部25側が下方へ向けて引張される。
【0024】
そのため、回動移動用スリット部33の外方端部に位置する枢軸31が回動移動用スリット部33に支持されながら下方端部へ向けて移動されていき、ソケットカバー15が開成される。
このとき、ソケットカバー15は、ランプ14の装着位置で最大に開成されたときに、ランプ14の軸線Xに対して直交方向に引いた線Yを越えないように回動範囲Zを規制される。
つまり、ソケットカバー15は、端部カバー部24が器具本体11の端部から下方の斜め内方に向けて傾斜して形成されているために、開成されたときに、器具本体11の端部から外方に向けて小さい出張長L1になる。
【0025】
図12に示すように、ソケットカバー15が開成されることにより、ランプ14の口金20およびソケット12が露出されて、ランプ14の交換等が実施される。
図13に示すように、このとき、各ソケットカバー15,16が開成されることにより、それぞれ第2位置A2において開成された各ソケットカバー15,16間の長さ寸法がランプ14の全長よりも大きくなっているために、ランプ14が支障なく交換される。
【0026】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、ランプ14の長手軸線方向の第1位置A1および第2位置A2にスライド可能である。
また、照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、第2位置A2においてランプ14の軸線に対して直交する線を中心としてランプ14から離れる方向に回動可能である。
従って、ソケットカバー15,16は、最小限のスライド量でランプ14の着脱を可能としながらランプ14の両端まで被覆でき、設置における制約を軽減できる。
【0027】
また、照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、ランプ14の少なくとも一方の端部の口金20を含む筒状胴体部分を覆うために、下方から直視できずに意匠面で良好にできる。
【0028】
そして、照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、ソケット12,13を保持するソケット台22に取り付けられたために、新たな部品を追加する必要がなく、通常の部品を活用できる。
【0029】
さらに、照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、開成時に、器具本体11の端部から外方に向けて小さい出張長L1になるために、併設されている他の部材との干渉を防止できる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の第2実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0031】
図14に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具40は、ソケット台41の側板42に、係合凸部43と、枢軸(図15参照)44とを有し、ソケットカバー45の縁板46に、係合凹部47と、ガイドスリット(図15参照)48と、を有する。
【0032】
図15に示すように、枢軸44は、ねじであり、ソケット台41の側板42にねじ止めされることにより、ソケットカバー45のガイドスリット48に挿入されている。
ソケットカバー45は、縁板46に有するガイドスリット48が、平行移動用スリット部49の器具本体11の内方に回動移動用スリット部50を連通接続している。
【0033】
次に、ソケットカバー45の動作について詳細に説明する。
図16に示すように、ソケットカバー45が第1位置B1にあるために、下部カバー部23によりランプ14の口金20およびソケット12を、下方から直視できないように隠蔽する。
【0034】
図17に示すように、ソケットカバー45は、第1位置B1にあるために、係合凹部47がソケット台41の係合凸部43に係合されており、枢軸44がガイドスリット48の平行移動用スリット部49の外方端部に位置している。
図18に示すように、次に、作業者やユーザーによって、ソケットカバー45が、第1位置B1から第2位置B2に押圧されてスライド移動される。
【0035】
図19に示すように、ソケットカバー45が、第1位置B1から第2位置B2に押圧されてスライド移動されることにより、係合凹部47がソケット台41の係合凸部43から離脱される。
同時に、ソケットカバー45は、枢軸44に対して、ガイドスリット48が、平行移動用スリット部49から回動移動用スリット部50に移動していく。
【0036】
図20に示すように、ソケットカバー45は、第2位置B2までスライド移動された後に、作業者やユーザーが、ソケットカバー45の開口部25に指等を引っ掛けてソケットカバー45の開口部25側を下方へ向けて引張する。
図21に示すように、ソケットカバー45は、係合凹部47がソケット台41の係合凸部43から離脱されていて、枢軸44に対して、ガイドスリット48の回動移動用スリット部50の上方端部にある位置おいて、開口部25側が下方へ向けて引張される。
【0037】
そのため、ソケットカバー45は、回動移動用スリット部50の上方端部に位置する枢軸44に支持されながら下方へ向けて回動されていき、ソケットカバー45が開成される。
このとき、ソケットカバー45は、端部カバー部24が器具本体11の端部から下方の斜め内方に向けて傾斜して形成されているために、開成されたときに、器具本体11の端部から外方に向けて小さい出張長L2になる。
図22に示すように、ソケットカバー45が開成されることにより、ランプ14の口金20およびソケット12が露出されて、ランプ14の交換等が実施される。
【0038】
第2実施形態の照明器具40によれば、ソケットカバー45を支持する枢軸44にねじが適用されるために、一体成形を行うことがなく、金型費を削減できるので、コスト面で有利にできる。
【0039】
なお、本発明の照明器具において器具本体、ソケット、電源ボックス、電源ユニット等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0040】
10,40 照明器具
11 器具本体
12,13 ソケット
14 ランプ
15,16,4ソケットカバー
21 口金(端部部材)
22,41 ソケット台
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井面に取り付けられるベースライト等に適用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、直管型ランプの口金に機械的および電気的に接続されるソケットを覆うソケットカバーを器具本体に着脱自在に取付けた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、反射板の孔にソケットを挿入した後に、ソケットカバーに有するエンドカバー部を反射板の段部に挿入することにより、ソケットカバーが反射板に取り付けられる。
特許文献1は、ソケットカバーに反射板のエンドカバーが一体に形成されるために、組み立ての手数を減少できる。
また、従来より、直管型ランプの端部と、照明器具の器具本体に設けられたソケットとを覆うソケットカバーを備えた照明器具が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2は、直管型ランプの温度低下を防ぐことができ、低温状態での直管型ランプの光出力の低下を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭60−4335号公報(図2、請求項1)
【特許文献2】特開2007−265941号公報(図2、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1および特許文献2は、ランプ両端の口金部まで覆うのに、ソケットカバーのランプ軸方向の全長寸法が長くなる。
そのため、特許文献1および特許文献2は、ランプを着脱するためのスライド幅を長くしなければならない。
従って、特許文献1および特許文献2は、器具端部からの出代が大きくなってしまい、器具の設置条件に制約を生ずる。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、最小限のスライド量でランプの着脱を可能としながらランプ両端まで被覆でき、設置における制約を軽減できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、器具本体と、前記器具本体に取り付けられたソケットと、前記ソケットに取付けられるランプと、前記ランプの長手軸線方向の第1位置および第2位置にスライド可能であって、前記第2位置においてランプ軸線に対して直交する線を中心として前記ランプから離れる方向に回動可能なソケットカバーと、を備える。
【0007】
本発明に係る照明器具は、前記ソケットカバーは、前記ランプの少なくとも一方の端部の端部部材を含んだ筒状胴体部分を覆う。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記ソケットカバーは、前記ソケットを保持するソケット台に取り付けられた。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記ソケットカバーは、端面を傾斜させた形状とし、ランプ装着位置で最大に開いたときに、基端から前記ランプの軸線に対して、直交方向に引いた線を越えないようにスライド範囲を規制される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る照明器具によれば、最小限のスライド量でランプの着脱を可能としながらランプ両端まで被覆でき、設置における制約を軽減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の斜め下方から視た外観斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の側面図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具の底面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具の正面から視た垂直断面図
【図5】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの閉状態の斜め下方から視た単体外観斜視図
【図6】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの第1位置の側面図
【図7】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの第1位置のソケットカバー周りの側面図
【図8】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの第2位置の側面図
【図9】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの第2位置のソケットカバー周りの側面図
【図10】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の側面図
【図11】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時のソケットカバー周りの側面図
【図12】本発明に係る第1実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の斜め下方から視た単体外観斜視図
【図13】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の斜め下方から視た外観斜視図
【図14】本発明に係る第2実施形態の照明器具の正面から視た垂直断面図
【図15】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの閉状態の斜め下方から視た単体外観斜視図
【図16】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの第1位置の側面図
【図17】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの第1位置のソケットカバー周りの側面図
【図18】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの第2位置の側面図
【図19】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの第2位置のソケットカバー周りの側面図
【図20】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の側面図
【図21】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時のソケットカバー周りの側面図
【図22】本発明に係る第2実施形態の照明器具のソケットカバーの開成時の斜め下方から視た単体外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、反射板一体型の器具本体11と、器具本体11の両端に取り付けられた一対のソケット12,13と、を備える。
また、照明器具10は、ソケット12,13に装着されることによりソケット12,13に機械的および電気的に接続されるランプ14を備える。
そして、照明器具10は、ソケット12,13を覆うソケットカバー15,16を備えており、ベースライトに適用される。
【0013】
図2に示すように、器具本体11は、中央部の上面に電源ボックス17が取り付けられており、この電源ボックス17内に電源ユニット18が収容されている。電源ユニット18は、不図示の器具配線を通じて各ソケット12,13に給電する。
図3に示すように、器具本体11は、その下面において、ランプ14の上方に反射面19を有する。
【0014】
ランプ14は、直管型LEDランプや直管型蛍光ランプであり、直管型LEDランプの場合、一方の口金20に不図示の複数の給電側ピンを有し、他方の口金21に同じく不図示の単一の接地側ピンを有する。
そのため、ランプ14が、直管型LEDランプの場合、一方のソケット12が給電側ソケットになり、他方のソケット13が接地側ソケットになる。
【0015】
次に、ソケットカバー15,16について詳細に説明する。なお、ソケットカバー15,16は、それぞれ同一構造であるために、ここでは、一方のソケットカバー15についてのみ説明し、他方のソケットカバー16については、説明を省略する。
図4に示すように、器具本体11は、一方のソケット12を保持するソケット台22を端部に取り付けている。
【0016】
ソケットカバー15は、ランプ14と同色の乳白色等に染色された樹脂製であって、ランプ14の外径寸法よりも大きい内径寸法を有して半円筒形状に形成された下部カバー部23と、ランプ14の軸線方向の端部に配置された端部カバー部24とを有する。
また、ソケットカバー15は、端部カバー部24に対面する下部カバー部23のランプ14側の端部に開口部25を有する。
【0017】
図5に示すように、ソケットカバー15は、内側にソケット12を収容している。
ソケット台22は、ソケット12の外側において器具本体11の短手方向に配置される一対の側板26に、一対の係合凸部27と、一対のガイドスリット28と、を有する。
係合凸部27は、側板26に嵌着された金属製の板部材であり、側板26の内側に向けて突出している。
ガイドスリット28は、ランプ14の軸線に沿って長さを有して切除されている。
そして、ソケットカバー15は、下部カバー部23の上端部の一対に縁板29に、係合凸部27に係合される係合凹部30と、ガイドスリット28に挿入される枢軸31と、を有する。
【0018】
係合凹部30は、ソケットカバー15が第1位置(図7参照)A1から第2位置(図9参照)A2にスライド移動される際に、係合凸部27から離脱される。
また、係合凹部30は、ソケットカバー15が第2位置A2から第1位置A1にスライド移動される際に、係合凸部27に係合される。
枢軸31は、ガイドスリット28に挿入されることにより、ソケットカバー15をソケット台22に支持する。
このとき、ソケットカバー15は、一対の枢軸31がソケット台22の側板26の内側において一対のガイドスリット28に挿入されているために、ソケット台22から脱落せずに保持されている。
【0019】
ガイドスリット28は、ソケットカバー15が第1位置A1から第2位置A2にスライド移動される際に、ソケットカバー15がソケット台22に沿って器具本体11の端部に向けて平行移動されるように保持する平行移動用スリット部32を有する。
また、ガイドスリット28は、ソケットカバー15が第2位置A2に移動した後に、ランプ14の軸線に対して直交する方向に近づくように開成の回動を行う際に、ソケットカバー15をソケット12から離しながら保持する回動移動用スリット部33を有する。
なお、ソケットカバー15(16)は、ソケット台22に代えて、器具本体11に取付られてもよい。
【0020】
次に、ソケットカバー15の動作について詳細に説明する。
図6に示すように、ソケットカバー15は、端部カバー部24が器具本体11の端部から下方の斜め内方に向けて傾斜して形成されている。
このとき、ソケットカバー15は、第1位置A1にあるために、下部カバー部23によりランプ14の口金20およびソケット12を、下方から直視できないように隠蔽する。
つまり、ソケットカバー15は、ランプ14の少なくとも一方の端部の端部部材である口金20を含む筒状胴体部分を覆う。
【0021】
図7に示すように、ソケットカバー15は、第1位置A1にあるために、係合凹部30がソケット台22の係合凸部27に係合されており、枢軸31がガイドスリット28の平行移動用スリット部32の内方端部に位置している。
このとき、ソケットカバー15は、係合凹部30がソケット台22の係合凸部27に係合されているために、ソケットカバー15を下方へ向けて引っ張る等の応力を与えない限りソケット台22から離脱することはない。
【0022】
図8に示すように、次に、作業者やユーザーによって、ソケットカバー15が、第1位置A1から第2位置A2に押圧されてスライド移動される。
図9に示すように、ソケットカバー15が、第1位置A1から第2位置A2に押圧されてスライド移動されることにより、係合凹部30がソケット台22の係合凸部27から離脱される。
同時に、ソケットカバー15は、枢軸31がガイドスリット28の平行移動用スリット部32から回動移動用スリット部33に向けて移動されていく。
【0023】
図10に示すように、ソケットカバー15は、第2位置A2までスライド移動された後に、作業者やユーザーが、ソケットカバー15の開口部25に指等を引っ掛けてソケットカバー15の開口部25側を下方へ向けて引張する。
図11に示すように、ソケットカバー15は、係合凹部30がソケット台22の係合凸部27から離脱されていて、枢軸31がガイドスリット28の回動移動用スリット部33の外方端部にある位置において、開口部25側が下方へ向けて引張される。
【0024】
そのため、回動移動用スリット部33の外方端部に位置する枢軸31が回動移動用スリット部33に支持されながら下方端部へ向けて移動されていき、ソケットカバー15が開成される。
このとき、ソケットカバー15は、ランプ14の装着位置で最大に開成されたときに、ランプ14の軸線Xに対して直交方向に引いた線Yを越えないように回動範囲Zを規制される。
つまり、ソケットカバー15は、端部カバー部24が器具本体11の端部から下方の斜め内方に向けて傾斜して形成されているために、開成されたときに、器具本体11の端部から外方に向けて小さい出張長L1になる。
【0025】
図12に示すように、ソケットカバー15が開成されることにより、ランプ14の口金20およびソケット12が露出されて、ランプ14の交換等が実施される。
図13に示すように、このとき、各ソケットカバー15,16が開成されることにより、それぞれ第2位置A2において開成された各ソケットカバー15,16間の長さ寸法がランプ14の全長よりも大きくなっているために、ランプ14が支障なく交換される。
【0026】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、ランプ14の長手軸線方向の第1位置A1および第2位置A2にスライド可能である。
また、照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、第2位置A2においてランプ14の軸線に対して直交する線を中心としてランプ14から離れる方向に回動可能である。
従って、ソケットカバー15,16は、最小限のスライド量でランプ14の着脱を可能としながらランプ14の両端まで被覆でき、設置における制約を軽減できる。
【0027】
また、照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、ランプ14の少なくとも一方の端部の口金20を含む筒状胴体部分を覆うために、下方から直視できずに意匠面で良好にできる。
【0028】
そして、照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、ソケット12,13を保持するソケット台22に取り付けられたために、新たな部品を追加する必要がなく、通常の部品を活用できる。
【0029】
さらに、照明器具10によれば、ソケットカバー15,16が、開成時に、器具本体11の端部から外方に向けて小さい出張長L1になるために、併設されている他の部材との干渉を防止できる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の第2実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0031】
図14に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具40は、ソケット台41の側板42に、係合凸部43と、枢軸(図15参照)44とを有し、ソケットカバー45の縁板46に、係合凹部47と、ガイドスリット(図15参照)48と、を有する。
【0032】
図15に示すように、枢軸44は、ねじであり、ソケット台41の側板42にねじ止めされることにより、ソケットカバー45のガイドスリット48に挿入されている。
ソケットカバー45は、縁板46に有するガイドスリット48が、平行移動用スリット部49の器具本体11の内方に回動移動用スリット部50を連通接続している。
【0033】
次に、ソケットカバー45の動作について詳細に説明する。
図16に示すように、ソケットカバー45が第1位置B1にあるために、下部カバー部23によりランプ14の口金20およびソケット12を、下方から直視できないように隠蔽する。
【0034】
図17に示すように、ソケットカバー45は、第1位置B1にあるために、係合凹部47がソケット台41の係合凸部43に係合されており、枢軸44がガイドスリット48の平行移動用スリット部49の外方端部に位置している。
図18に示すように、次に、作業者やユーザーによって、ソケットカバー45が、第1位置B1から第2位置B2に押圧されてスライド移動される。
【0035】
図19に示すように、ソケットカバー45が、第1位置B1から第2位置B2に押圧されてスライド移動されることにより、係合凹部47がソケット台41の係合凸部43から離脱される。
同時に、ソケットカバー45は、枢軸44に対して、ガイドスリット48が、平行移動用スリット部49から回動移動用スリット部50に移動していく。
【0036】
図20に示すように、ソケットカバー45は、第2位置B2までスライド移動された後に、作業者やユーザーが、ソケットカバー45の開口部25に指等を引っ掛けてソケットカバー45の開口部25側を下方へ向けて引張する。
図21に示すように、ソケットカバー45は、係合凹部47がソケット台41の係合凸部43から離脱されていて、枢軸44に対して、ガイドスリット48の回動移動用スリット部50の上方端部にある位置おいて、開口部25側が下方へ向けて引張される。
【0037】
そのため、ソケットカバー45は、回動移動用スリット部50の上方端部に位置する枢軸44に支持されながら下方へ向けて回動されていき、ソケットカバー45が開成される。
このとき、ソケットカバー45は、端部カバー部24が器具本体11の端部から下方の斜め内方に向けて傾斜して形成されているために、開成されたときに、器具本体11の端部から外方に向けて小さい出張長L2になる。
図22に示すように、ソケットカバー45が開成されることにより、ランプ14の口金20およびソケット12が露出されて、ランプ14の交換等が実施される。
【0038】
第2実施形態の照明器具40によれば、ソケットカバー45を支持する枢軸44にねじが適用されるために、一体成形を行うことがなく、金型費を削減できるので、コスト面で有利にできる。
【0039】
なお、本発明の照明器具において器具本体、ソケット、電源ボックス、電源ユニット等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0040】
10,40 照明器具
11 器具本体
12,13 ソケット
14 ランプ
15,16,4ソケットカバー
21 口金(端部部材)
22,41 ソケット台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体に取り付けられたソケットと、
前記ソケットに取付けられるランプと、
前記ランプの長手軸線方向の第1位置および第2位置にスライド可能であって、前記第2位置においてランプ軸線に対して直交する線を中心として前記ランプから離れる方向に回動可能なソケットカバーと、を備える照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記ソケットカバーは、前記ランプの少なくとも一方の端部の端部部材を含んだ筒状胴体部分を覆う照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記ソケットカバーは、前記ソケットを保持するソケット台に取り付けられた照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記ソケットカバーは、端面を傾斜させた形状とし、ランプ装着位置で最大に開いたときに、基端から前記ランプの軸線に対して、直交方向に引いた線を越えないようにスライド範囲を規制される照明器具。
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体に取り付けられたソケットと、
前記ソケットに取付けられるランプと、
前記ランプの長手軸線方向の第1位置および第2位置にスライド可能であって、前記第2位置においてランプ軸線に対して直交する線を中心として前記ランプから離れる方向に回動可能なソケットカバーと、を備える照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記ソケットカバーは、前記ランプの少なくとも一方の端部の端部部材を含んだ筒状胴体部分を覆う照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記ソケットカバーは、前記ソケットを保持するソケット台に取り付けられた照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記ソケットカバーは、端面を傾斜させた形状とし、ランプ装着位置で最大に開いたときに、基端から前記ランプの軸線に対して、直交方向に引いた線を越えないようにスライド範囲を規制される照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−89312(P2013−89312A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225948(P2011−225948)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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