説明

照明装置、液晶装置及び電子機器

【課題】光源と導光板の相対的位置決め状態を確保しつつ、振動等による光源及び光源基板の損傷を低減することが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】本発明の照明装置10は、光放出面11aを備えた光源11と、光源が光放出面の反対側を実装面に向けた姿勢で実装された光源基板12と、光源に対向配置する光入射面13aを端面の一部に有し、光入射面から入射した光源の放出光を一方の板面に形成された光出射面13bから出射する導光板13と、を有し、導光板の光源側の端面と、光源基板の光源の実装領域以外の部位との間に弾性スペーサ18が介挿され、導光板が弾性スペーサの弾性力によって導光板の光源側の端面と対向する端面の方向に付勢されてなり、弾性スペーサにより形成された隙間により光源及び光源基板と導光板とが非接触状態に維持されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置、液晶装置及び電子機器に係り、特に、光源と導光板とを有する照明装置における光源と導光板の間の相対的な位置決め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、LED等の光源の放出光を導光板の端面の一部で構成される光入射面に入射させ、導光板内に伝播させてから導光板の光出射面から出射させるように構成された照明装置が知られている。このような照明装置は、例えば、液晶パネルを照明するためのバックライトなどの面状照明装置として利用されている。
【0003】
上記のような照明装置においては、光源と導光板の光入射面との間隔が変化すると導光板の光出射面上の照明光の輝度分布が変化するため、光源を実装する光源基板と導光板とを合成樹脂等で構成された保持枠にそれぞれ固定することで、光源と導光板の光入射面との間隔を設定するようにしている。しかし、このような構成では、保持枠を介して光源と導光板が位置決めされているために、各部材の形状誤差によって上記間隔が変動するので、導光板の輝度やその分布にばらつきが発生するという問題点がある。
【0004】
そこで、従来においては、光源を導光板の光入射面に当接させることで、導光板の輝度やその分布のばらつきを低減した照明装置が知られている(例えば、以下の特許文献1参照)。また、光源基板と導光板との間にスペーサを介挿し、導光板をスペーサ側に付勢することによって位置決めしてなる照明装置が知られている(例えば、以下の特許文献2参照)。
【0005】
一方、光源からヒートシンクへの放熱性を向上させるために、導光板の端面と光源基板との間、及び、光源基板とヒートシンクとの間にそれぞれ熱伝導弾性シートを配置してなる照明装置が知られている(例えば、以下の特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2004−55454号公報
【特許文献2】特開2006−13087号公報
【特許文献3】特開2006−64733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述の光源を光入射面に当接させてなる照明装置においては、装置が衝撃を受けたときに光源と導光板が機械的な損傷を受けたり、或いは、光源の熱によって導光板が変質したりする虞があるという問題点がある。特に、車載用機器のように比較的衝撃を受けやすい環境下で使用する機器に搭載する照明装置においては、例えば車載環境を想定した振動試験で見られるように、光源と導光板とが接触し得る構造となっていると光源(LED)に少しずつ負荷がかかり、実装部分に半田のクラックが発生し、点灯不良を招来する虞がある。
【0008】
また、前述のスペーサによって光源と導光板の間隔を保持する照明装置においては、車両搭載時において受ける振動によりスペーサから光源基板が繰り返し応力(衝撃)を受けるため、上記と同様に光源の実装不良を招来する虞がある。
【0009】
さらに、導光板の端面と光源基板との間、及び、光源基板とヒートシンクとの間にそれぞれ熱伝導弾性シートを配置してなる照明装置では、導光板と光源基板との間に介挿される熱伝導弾性シートが光源の実装高さより少し厚い程度であるため、振動や衝撃を受けることで光源と導光板とが繰り返し当接したり離反したりし、これによって光源の実装構造が損傷を受ける可能性がある。また、光源基板の両側にそれぞれ熱伝導弾性シートが配置されていることにより光源基板の位置を高精度に設定することが難しく、また、両側の熱伝導弾性シートの弾性変形量により光源基板の導光板に対する位置が変動しやすいため、輝度及びその分布にばらつきを生ずる虞があるという問題点がある。
【0010】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、光源と導光板の相対的位置決め状態を確保しつつ、振動等による光源及び光源基板の損傷を低減することが可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
斯かる実情に鑑み、本発明の照明装置は、光源と、該光源が実装された光源基板と、前記光源に対向配置する光入射面を端面の一部に有する導光板と、を有する照明装置において、前記導光板の前記端面と、前記光源基板との間にスペーサが介挿され、 前記スペーサにより形成された隙間により前記光源と前記導光板とが非接触状態に維持されていることを特徴とする。光源は光放出面を備えており、その光放出面の反対側を実装面に向けた姿勢で光源基板に実装される。導光板の光入射面から入射した光源からの放出光は、導光板の一方の板面に形成された光出射面から出射する。スペーサは、弾性スペーサであり、導光板の光源側の端面と、光源基板の光源の実装領域以外の部位との間に介挿される。導光板は、スペーサの弾性力によって光源側の端面と対向する端面の方向に付勢される。
【0012】
この発明によれば、光源基板と導光板の間に介挿されたスペーサにより導光板が付勢されているとともに、スペーサにより形成された隙間により光源と導光板とが非接触状態に維持されていることにより、振動や衝撃を受けても光源及び光源基板に負荷が加わりにくくなることから、光源及び光源基板の損傷を防止することができる。
【0013】
ここで、前記導光板は上記弾性力を受けることで前記導光板が前記弾性力の向きと対向する支持面との間で位置決め保持されていることが好ましい。より具体的には、前記支持面は前記導光板の前記光源とは前記導光板を挟んで反対側にある前記端面を支持する支持部に設けられ、前記導光板は前記スペーサの弾性力により前記支持部に当接した状態に保持されることで位置決めされていることが好ましい。これによれば、導光板の位置決めを、光源側に配置されたスペーサと、その反対側に配置された支持部とによって行うことができるので、支持部の位置精度によって導光板の位置決め精度が決定されることとなるため、導光板の位置及び光源と導光板の間隔を高精度に設定することができる。また、支持部が導光板の反対側に設けられることで複雑な位置決め構造を設ける必要がなくなるため、装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。上記支持部は光源基板及び導光板を保持する保持枠に設けられていることが望ましい。
【0014】
本発明において、前記光源基板と前記導光板とは前記スペーサを介して接触状態に維持されていることが好ましい。これによれば、スペーサを介して光源基板と導光板とが接触した状態に維持されることで、光源基板と導光板の相対的な位置決め状態が安定化され、導光板の光出射状態の再現性も確保される。
【0015】
本発明において、前記光源基板及び前記導光板を保持する保持枠をさらに有し、前記導光板は、前記スペーサによって前記保持枠の光源が配置された側と対向する辺側に付勢されて位置決め保持されていることが好ましい。これによれば、導光板がスペーサによって保持枠に付勢されることで位置決め保持されるため、光源基板と導光板の位置関係が正確に設定されるとともに、位置決め構造を簡易に構成することができる。
【0016】
この場合において、前記スペーサが前記保持枠と一体に構成されていることが好ましい。これによれば、スペーサが保持枠と一体に構成されていることにより、さらに部品点数を削減することができるから、装置の更なる小型化及び低コスト化を図ることができる。
【0017】
本発明において、前記保持枠は前記光源基板側の保持部から前記導光板の光出射面上に張出形成された内側張出部を有し、前記スペーサは前記内側張出部に対して直接に接続された構造を有することが好ましい。これによれば、保持枠に光源基板側の保持部から導光板の光出射面上に張り出し形成された内側張出部を設けることで導光板の光源近傍の輝度のばらつきが比較的大きい領域を被覆して輝度の均一性を高めることができるとともに、この内側張出部にスペーサを直接に接続することで、スペーサを無理なく確実に保持枠と一体化させることが可能になる。
【0018】
本発明において、前記光源と前記光源基板とを導電接続する実装接合材を有し、前記弾性スペーサは前記実装接合材に接触していないことが好ましい。光源と光源基板とを導電接続する実装接合材がスペーサに当接すると、スペーサの弾性力が不均一になったり、スペーサを介して受ける振動や衝撃によって実装構造に不良が発生したりする虞があるが、上記のように構成すれば、弾性力の安定性を確保することができるとともにスペーサとの接触に起因する実装不良の発生を防止できる。
【0019】
本発明においては、前記光源と前記導光板の前記端面との間には、前記光源からの光を前記端面に向けて反射させる反射部材が配置されてなることを特徴とする。光源と、導光体とを非接触とするために、光源基板と導光板の入射面との間に隙間を設けると、該隙間からの光抜け、或いは筐体等による吸収により、光の利用効率が低下するという新たな課題が生じる。本発明の構成によれば、隙間部分に配置された反射部材により光源からの放出光が導光板の端面に向けて反射するので、光源基板と導光板の入射面との間に隙間を設けた構成においても、光源からの光を無駄なく利用することができるようになる。具体的には、導光板の光放出面とは反対の側に配設される反射板を実装基板まで延出して利用することで、簡易に、かつ反射特性のよい反射部材が得られる。また、光源実装基板の光源実装面に反射層を形成して光反射面とし、導光板に向けて折り曲げることによっても、隙間部分に反射部材を配置することができる。それに加え、スペーサの側面、すなわち、スペーサの導光板の端面、及び光源基板に接触しない面に、反射特性を付与することで、より多くの光を導光体の端面に入射させることができるようになる。スペーサに反射特性を付与するには、スペーサの側面を加工してもよいが、白色系統のシリコーンゴム素材やウレタンゴム素材を選択したり、屈折率が比較的高い透明樹脂を選択して反射率を確保してもよい。すなわち、スペーサ側面における光反射率が、光吸収率より大きければよい。
【0020】
次に、本発明の液晶装置は、上記のいずれかに記載の照明装置と、該照明装置の照明光を表示光の少なくとも一部として使用する液晶パネルとを具備することを特徴とする。これによれば、振動や衝撃による不具合の発生が低減された照明装置で液晶パネルを照明することができるため、液晶装置の信頼性を向上させることができる。さらに、本発明の電子機器は上記の液晶装置を搭載したことを特徴とする。本発明の電子機器としては、テレビジョン受像機、ビデオモニタ、携帯コンピュータ装置、携帯電話、電子時計等が挙げられるが、特に、車載用電子機器、例えば、車載用テレビジョン受像機、車載用モニタ、車載用ナビゲーションシステム、各種の車載用メータ類等に用いることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[照明装置]
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本実施形態の照明装置10の全体構造を示す概略平面図、図2は図1のII−II線に沿った断面を示す概略縦断面図である。なお、添付図面は図示の都合上適宜に各部の寸法或いは長さと厚みの比その他の各部の比率などを変えて描いてあり、実際の寸法や比率を表すものではない。
【0022】
本実施形態の照明装置10は、複数の光源11と、この光源11が実装された光源基板12と、光源11に対向する端面(光入射面)13aを有する導光板13と、導光板13の底面下に配置された光反射シート14とを有している。光源11はLED(発光ダイオード)で構成され、図示例の場合、樹脂封止された表面実装型のLEDチップの形態(直方体形状)を有している。光源基板12には図示しない配線パターンが形成され、その実装面12a上に形成された端子部が実装接合材11xを介して光源11の端子に導電接続されている。光源11は光放出面11aを有し、この光放出面11aの反対側を実装面12aに向けた姿勢で光源基板12に実装されている。すなわち、本実施形態において光放出面11aの光軸は光源基板12の実装面12aに対してほぼ直交している。
【0023】
実装面12aのうち、少なくとも光源11に覆われていない部分は白色の印刷層や樹脂膜等といった光反射層(図示せず)で被覆されることにより光反射面として形成されている。この光反射層は例えばシルク印刷(スクリーン印刷)によって形成されることが好ましい。光源基板12は種々の材料で構成できるが、一般的にはポリイミド樹脂等の合成樹脂を基材とするフレキシブル基板で構成される。ただし、光源11で発生する熱に起因する光源の温度上昇を低減するには、アルミニウムや銅などの金属で構成された基材を有するものが好ましい。また、光反射層で実装面12aが被覆された光源基板12を、端部が導光板13の端部と重なるよう折り曲げる構造(図示せず)とすると、光源基板12と導光板13との間において、光源基板12を反射板として機能させることが可能である。
【0024】
光源基板12の背面(上記実装面12aの裏面)は熱伝導性の良好なテープ若しくはシート、或いは、放熱グリース等の軟質の熱伝導材17を介してアルミニウム等で構成される放熱シャーシ15に支持されている。なお、熱伝導材17を介することなく、光源基板12を直接に放熱シャーシ15に当接させるようにしてもよい。放熱シャーシ15は光源基板12の背後に配置される折り曲げ端部15aと、導光板13及び光反射シート14の下に配置される板状支持部15bとを備えている。なお、光源基板12は上記熱伝導材17及び折り曲げ端部15aを介して間接的に後述する保持枠16に位置決めされた状態とされている。
【0025】
導光板13はアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透明材料で構成され、全体として板状に構成されている。図示例の場合、導光板13は平面視矩形状に構成され、その周囲に四つの端面が設けられている。これらの端面のうちの一つの端面が光入射面13aとなっている。図示例の場合、光入射面13aは平坦な面で構成されるが、光源11の光放射特性及び導光板13の光伝播特性等を勘案して、光入射面13aに凹部を設けたり、プリズム構造を設けたりしても構わない。
【0026】
導光板13には光入射面13aから入射した光を表面側の板面で構成される光出射面13b側へ偏向させるための光偏向手段(図示せず)が設けられる。この光偏向手段は、例えば、導光板13の底面に形成されたプリズム構造や光散乱用の印刷層などで構成される。この光偏向手段は光出射面13bの輝度が均一化されるように適宜の分布密度(例えば、光源11側から離反するに従って密から粗へと徐々に変化するような分布態様)で形成される。
【0027】
導光板13の端面(光入射面)13aと光源基板12の実装面12aとの間には弾性スペーサ18が介挿されている。弾性スペーサ18は、シリコーンゴムやウレタンゴム等のゴム素材や、比較的硬質な素材(金属や樹脂)を薄肉化することによって弾性変形可能に構成したもの(各種のバネ材)など、種々の弾性材で構成することができる。また、弾性スペーサ18は弾性圧縮された状態にあり、その弾性復元力によって導光板13を光源11及び光源基板12から離反する方向に押圧している。なお、弾性スペーサ18の素材としては熱伝導性の良好なものを用いることが好ましい。また、その側面の反射率が良好なものを用いると好ましい。
【0028】
導光板13の底面下には光反射シート14が重なるように配置され、導光板13の底面から出射した光を導光板13内に戻すように構成されている。光反射シート14は白色ポリエチレン等の樹脂シートで構成される。光反射シート14は、光源基板12まで延出して配置されており、導光板13と光源基板12との間の間隙部分において光源11からの光を、導光板13の光入射面13aに向けて反射する。
【0029】
導光板13は基本的に保持枠16の内部に保持されている。保持枠16は白色ポリエチレン等の光反射素材で構成され、導光板13を取り巻くように平面視矩形枠状に構成されている。保持枠16は光源基板12の外側(具体的には上記放熱シャーシ15の折り曲げ端部15aの外側)に配置される光源側壁部16aと、この光源側壁部16aと対向し、導光板13を挟んだ反対側に配置される反対側壁部16bと、光源側壁部16aと反対側壁部16bを連結する左右の側壁部16sとによって枠状に構成される。
【0030】
導光板13は上記弾性スペーサ18の弾性力によって保持枠16の反対側壁部16bに押し付けられた状態とされることで位置決め保持されている。すなわち、反対側壁部16bの内面が弾性スペーサ18の弾性力の向きと対向する支持面となっている。一般的には、導光板13は光源11側から弾性スペーサ18による弾性力を受けた状態とされ、弾性スペーサ18の弾性力の向きに対向する支持面との間で位置決め保持されていればよい。したがって、弾性スペーサ18の弾性力の向きに対向する支持面としては反対側壁部16bの内面に限らず、例えば、導光板13の側端面に形成された凹溝に嵌合するように構成された、側壁部16sの内面上に設けられた突起の側面で構成することも可能である。なお、上記支持面としては、図示例のように弾性スペーサ18の弾性力の向きと直交する内面でなくてもよく、例えば、上記向きに対して傾斜した面であってもよい。
【0031】
上記の位置決め状態で、弾性スペーサ18が光源基板12と導光板13の間に介挿されていることにより確保された隙間で、光源11が導光板13の端面(光入射面)13aに接触しない状態とされている。ここで、光源11の光放出面11aと導光板13の光入射面13aとの間隔は0.2mm〜5mmの範囲内であることが好ましい。間隔が0.2mm未満では光源11の実装高さのばらつきによって実際の間隔が過小となり、振動や衝撃などによって光源11が光入射面13aに接触する虞が生ずる。また、間隔が5mmを越えると導光板13への光の入射光率が低下したり、装置の平面寸法が増大したりするといった不具合が生ずる。
【0032】
また、上記の光源側壁部16a、反対側壁部16b、側壁部16sからは、それぞれの内側(導光板側)に向けて導光板13の光出射面13b上に張り出すように構成された内側張出部16cが延在している。この内側張出部16cは特に光源側壁部16aからの張り出し量が多くなるように構成され、これによって光源11に対向する光入射面13aの近傍を被覆し、光出射面13bにおける光入射面13a近傍領域に目玉状の高輝度スポットが生ずることを防止している。
【0033】
上記の光源側壁部16a、反対側壁部16b、及び、左右の側壁部16sによって枠状に構成された保持枠16の少なくとも一部、すなわち、図示例の場合には反対側壁部16b及び左右の側壁部16sには、上記内側張出部16cから光出射側(図示上側)に突出するように設けられた延長保持部16eが設けられている。この延長保持部16eは、後述する液晶パネルを位置決め、保持するための構造部分である。
【0034】
本実施形態では、導光板13が弾性スペーサ18によって光源基板12に対して離間する方向に押圧され、保持枠16の反対側壁部16bに当接した状態に保持されることで位置決めされている。そして、この状態で、光源11は光入射面13aに接触しないように構成されている。したがって、導光板13の位置は保持枠16の形状寸法によって決定されるため、光源11及び光源基板12と導光板13との隙間は弾性スペーサ18が弾性力を発揮している限り確実に確保される。この場合、導光板13の位置決め構造としては反対側壁部16bが支持体として存在すれば足りるので、きわめて簡単な構造とすることができ、また、部品点数も低減できるため、照明装置10の小型化や低コスト化を図ることができる。
【0035】
また、光源基板12と導光板13の間に弾性スペーサ18が圧縮状態で介挿されているため、外部から振動や衝撃を受けても、弾性スペーサ18の弾性力で応力が緩和されるとともに、ガタツキを防止することができるため、光源11、光源基板12及び導光板が損傷を受けることを防止することができる。
【0036】
この場合、光源11と光源基板12の導電接続部を構成する実装接合材(半田部)11xが弾性スペーサ18に接触しないように構成されているので、弾性スペーサ18が実装接合材11xに接触する場合に導光板13に与える弾性復元力が不均一になったり、弾性スペーサ18の接触により実装接合部に損傷が発生して実装不良を招いたりする虞をなくすことができる。
【0037】
図3は上記実施形態の光源11の近傍を拡大して示す拡大部分横断面図である。この実施形態では、光源基板12は背後に軟質の熱伝導材17を介して放熱シャーシ15が接触しているので、光源基板12と放熱シャーシ15の実質的な熱的接触面積を増大させることができ、これによって光源基板12の熱を効率的に放熱シャーシ15に伝えることができる。また、本実施形態では前述のように弾性スペーサ18が導光板13の端面に当接しているので、光源基板12の熱が導光板13へも放熱される。したがって、光源11から発生する熱は、光源基板12を介して効率的に放出されるため、光源11の温度が低減され、これによって光源11の輝度のばらつきを低減し、また、輝度劣化の進行を遅らせることができる。
【0038】
また、図示例のように複数の光源11を配列させた構造を有する場合には、上記のように放熱性を向上させたことにより光源11の配列方向に沿って生ずる温度分布の偏りを低減することができるので、光源11間の輝度や色度のばらつきを低減することができる。例えば、複数の光源11が配列されていると、通常は光源11の列中央の温度が高く、光源11の列端部の温度が低くなるが、放熱性が向上すると光源11の列の中央と端部の温度差が低減されるので、輝度や色度のばらつきも低減される。特に、光源11として、赤色LEDからなるR発光部、緑色LEDからなるG発光部、青色LEDからなるB発光部を一体に備えたものを用いる場合には、各LEDの温度依存性が大きく異なる(例えば、青色LEDは温度が上昇すると輝度が高くなるのに対して、赤色LEDや緑色LEDは温度が上昇すると輝度が低下する。)ので、環境温度に差が生ずると色度が大幅に変動するが、本実施形態では温度差が低減されることによって色度のばらつきも低減される。
【0039】
さらに、本実施形態の導光板13は、弾性スペーサ18によって光源11とは反対側に付勢され、保持枠16に対して押圧保持されるように構成されているので、保持枠16に導光板13を位置決めするための係合突起等を設ける必要がなくなるため、保持枠16の細幅化、すなわち、上記側壁部16sの薄肉化を図ることができ、その結果、照明装置10を平面的にさらに小型化し、低額縁化(照明範囲の外側に張り出す部分の張り出し幅の狭小化)を図ることができる。
【0040】
図4は上記実施形態とは異なる別の実施形態を示す概略縦断面図、図5は図4のV−V線に沿った断面を示す概略縦断面図である。図4及び図5において上記実施形態と同一部分には同一符合を付し、それらの説明は省略する。この実施形態の照明装置20では、光放射面21aを備えた光源21、実装面22aを備えた光源基板22、光入射面23aと光出射面23bを備えた導光板23、光反射シート24、折り曲げ端部25aと板状支持部25bを備えた放熱シャーシ25及び熱伝導材27は先に説明した実施形態と同様に構成されている。一方、弾性スペーサ18及び保持枠26は先に説明した実施形態と異なる点があるため、以下に説明する。
【0041】
本実施形態の照明装置20においては、保持枠26に上記弾性スペーサ18に相当する弾性スペーサ26dが一体に構成されている。保持枠26は上記と同様の光源側壁部26aを有し、この光源側壁部26aから導光板23の光出射面23b上へ張り出してなる内側張出部26cを有している。そして、弾性スペーサ26dは内側張出部26cに対して直接に接続され、内側張出部26cから下方へ伸び、光源基板22と導光板23の間に配置される。弾性スペーサ26dには貫通孔26fが形成され、この貫通孔26fによって少なくとも光源基板22から導光板23へ向かう方向に弾性変形可能に構成されている。すなわち、本実施形態では弾性スペーサ26dは保持枠26と一体に(すなわち同じ材質で)構成されているが、その構造(貫通孔26fを有する薄肉構造)によって上記の弾性特性を獲得している。
【0042】
ここで、弾性スペーサ26dの構造は図示例の構造に限らず、例えば、上記貫通孔26fを幅方向(図4の左右方向)に広げて光源基板12側の部分と導光板13側の部分とを完全に分離した構造としてもよい。この場合には、それぞれの部分が共に内側張出部26cにより片持ち支持された状態となり、上記と同じ方向に弾性変形可能とされる。
【0043】
なお、本実施形態において、保持枠26の反対側壁部26b、側壁部26s、延長保持部16eは先に説明した実施形態と同様に構成されている。
【0044】
[液晶装置]
次に、図6を参照して本発明に係る液晶装置の実施形態について説明する。この液晶装置100は、上記の照明装置10と、この照明装置10の光出射面12bから出射される照明光を利用する液晶パネル30とを有する。なお、照明装置10の代わりに上記の照明装置20を用いてもよい。図示例の場合、液晶パネル30は照明装置10の前面側(観察側)に重なるように配置され、背後から照射される照明装置10の照明光の少なくとも一部を表示光として利用するように構成されている。
【0045】
液晶パネル30は、ガラスやプラスチック等からなる透明な基板31と32が図示しないシール材を介して貼り合わされ、その間のシール材に囲まれた領域内に図示しない液晶が封入された液晶表示パネルである。上述のように照明装置10はバックライトとして用いられるため、液晶パネル30は透過型若しくは半透過反射型の表示パネルである。基板31と32の内面上にはそれぞれ適宜の配線及び電極構造が形成され、相互に対向する電極間に上記液晶が配置されてなる画素が縦横にマトリクス状に配列されて表示領域30Aを構成している。基板31には基板32の外形より外側へ張り出してなる基板張出部31Tが設けられ、この基板張出部31Tの表面上に図示しない上記配線が引き出され、当該配線が引き出された領域には駆動回路を構成する集積回路チップ33が実装されている。集積回路チップ33は外部から入力された制御信号やデータ信号に基づいて上記配線等を介して上記表示領域30A内の画素を適宜の駆動信号により駆動し、各画素の光透過率を制御するようになっている。
【0046】
液晶パネル30は、上記基板張出部30Tが上記光源11の上方を覆う保持枠16の内側張出部16c上に配置される姿勢で、保持枠16の延長保持部16eの内側に配置される。このようにすると、照明装置10と液晶パネル30とを平面方向に位置決めできるとともに、適宜の固定手段、例えば両面接着テープ等を用いることによって両者を一体的に固定できる。また、基板張出部30Tが光源11の上方に配置されることで、装置全体の平面寸法を小さく構成することができる。
【0047】
[電子機器]
最後に、図7を参照して上記液晶装置を搭載した電子機器の実施形態について説明する。図7は本発明に係る電子機器の一例の外観を示す概略斜視図である。図示例の電子機器1000は、車載用のカーナビゲーションシステムであり、本体1010と、この本体1010に接続された表示部1020とを備えている。本体1010には操作ボタン等を配設した操作面1011が設けられるとともに、DVD等の記録媒体の導入口1012が設けられている。表示部1020の内部には上記の液晶装置100が格納され、この液晶装置100による表示、すなわち、ナビゲーション画像の表示が表示部1020の表示画面1020aにて視認できるように構成されている。
【0048】
この電子機器1000においては、上記の液晶装置100が搭載されていることで、表示画面から出射される表示光の輝度及びその分布のばらつきが低減されるため、高い表示品位を実現することができる。また、車両の振動等によっても光源の不具合が発生しない信頼性の高い装置を構成できる。
【0049】
尚、本発明の照明装置、液晶装置及び電子機器は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記の照明装置は、上述のように液晶装置に搭載されるものに限らず、単独の照明器具として用いるものであってもよく、或いは、液晶装置以外の他の種々の装置と一体的に用いられるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施形態の照明装置の概略平面図。
【図2】図1のII−II線に沿った断面を示す概略縦断面図。
【図3】光源近傍の拡大部分横断面図。
【図4】別の実施形態の照明装置を示す概略縦断面図。
【図5】図1のV−V線に沿った断面を示す概略縦断面図。
【図6】液晶装置の分解斜視図。
【図7】電子機器の概略斜視図。
【符号の説明】
【0051】
10,20…照明装置、11,21…光源、12,22…光源基板、12a…実装面、13,23…導光板、13a…端面(光入射面)、23a…光入射面、13b,23b…光出射面、14,24…光反射シート、15,25…放熱シャーシ、16,26…保持枠、16b,26b…反対側壁部、18,26d…弾性スペーサ、17…熱伝導材、30…液晶パネル、100…液晶装置、1000…電子機器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、該光源が実装された光源基板と、前記光源に対向配置する光入射面を端面の一部に有する導光板と、を有する照明装置において、
前記導光板の前記端面と、前記光源基板との間にスペーサが介挿され、
前記スペーサにより形成された隙間により前記光源と前記導光板とが非接触状態に維持されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記光源基板と前記導光板とは前記スペーサを介して接触状態に維持されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記照明装置は前記光源基板及び前記導光板を保持する保持枠をさらに有し、
前記導光板は、前記スペーサによって前記保持枠の前記光源が配置された側と対向する辺側に付勢されて位置決め保持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記スペーサが前記保持枠と一体に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記保持枠は前記光源基板側の保持部から前記導光板の光出射面上に張出形成された内側張出部を有し、前記スペーサは前記内側張出部に対して直接に接続された構造を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源と前記光源基板とを導電接続する実装接合材を有し、前記スペーサは前記実装接合材に接触していないことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記光源基板と前記導光板の前記端面との間には、前記光源からの光を前記端面に向けて反射させる反射部材が配置されてなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記反射部材は、前記導光板の光放出面とは反対の側に配設した反射板を延出したものであることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明装置と、該照明装置の照明光を表示光の少なくとも一部として使用する液晶パネルとを具備することを特徴とする液晶装置。
【請求項10】
請求項9に記載の液晶装置を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−16433(P2008−16433A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23802(P2007−23802)
【出願日】平成19年2月2日(2007.2.2)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】