説明

照明装置、表示装置

【課題】より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示することができる高性能な表示装置を作製することを目的とする。
【解決手段】バックライト装置の光源として発光ダイオード(LED)を用い、発光ダイオードを保持する筐体には発光ダイオードを囲むように(発光ダイオードの下及び周囲4方)熱電素子が設けられており、熱電素子の冷却及び加熱により、バックライト装置内の温度調節を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト装置、及びバックライト装置を具備する液晶素子を有する表示装
置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶表示装置は時計、電卓はもとより、パーソナルコンピュータなどのOA機器、
液晶テレビやPDA、携帯電話など各種幅広い分野で用いられている。
【0003】
この液晶表示装置は、2枚の透光性基板の間に液晶を封入し、電圧を印加することにより
液晶分子の向きを変えて光透過率を変化させて所定の画像等を光学的に表示する。液晶表
示装置は、液晶自体が発光体ではないため、液晶表示パネル背面部に光源として機能する
バックライトユニットが備えられている。バックライトユニットは、光源、導光板、反射
フィルム、プリズムフィルム、拡散フィルムなどを備え、液晶表示パネルに対して全面に
均一に表示光を供給する。
【0004】
バックライトユニットの光源としては、水銀やキセノンを蛍光管内に封入した冷陰極蛍光
ランプが一般的である。
【0005】
上記のようなバックライト装置の光源は、環境温度に対する輝度変化を有しており、自身
の発熱による温度上昇で輝度低下などを生じうる。そのため、光源の温度が最適動作温度
となるように、ヒートシンク、ヒートパイプ、冷却ファンによる空冷などの放熱対策が試
みられている。この放熱対策の一つとして蛍光管にペルチェ素子を設けてペルチェ素子に
よる冷却を行う方法がある(例えば特許文献1及び特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−324304号公報
【特許文献2】特開平7−175035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、近年では白色発光ダイオードや高出力の赤緑青の発光ダイオードが用いられてき
ており、高出力の赤緑青の発光ダイオードは高温動作時に駆動電圧が高く、輝度は低くな
る特性をもっている。特に赤の発光ダイオードでは温度依存が大きい。さらに発光ダイオ
ードバックライトユニットにおいて、高出力の赤緑青の発光ダイオードを複数個使用する
ことにより大容量の熱が発生する。
【0008】
この発熱により、発光ダイオード単体では寿命の低下、輝度の低下、色度のずれなどを起
こし、バックライトユニットでは、拡散フィルム、反射フィルム、プリズムフィルムなど
の変形、変質等が生じてしまう。
【0009】
また、液晶表示パネルはバックライトユニットの前面に配置されていて、バックライトユ
ニットの温度の影響を少なからず受けるため、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト
、色ムラなどの特性への影響、偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィルムなど
の変形、変質、特性低下等が生じてしまう。
【0010】
この発生熱を抑えるために、上記放熱対策が設けられるが、いずれの手段においても放熱
対策が不十分であったり、バックライトユニットの厚みが大きくなってしまうなどの問題
がある。
【0011】
上記課題を鑑み、本発明は、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライ
ト装置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表
示することができる高性能な表示装置を作製することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、バックライト装置(バックライト、照明装置ともいう)の光源として発光ダイ
オード(以下LED:Light Emitting Diodeともいう)を用い、発
光ダイオードを保持する筐体には発光ダイオードを囲むように(発光ダイオードの下及び
周囲4方)熱電素子が設けられており、熱電素子の冷却及び加熱により、バックライト装
置内の温度調節を行う。熱電素子とは熱と電気が関係した現象を利用して,熱エネルギー
と電気エネルギーを変換する金属や半導体の素子のことであり、本発明に用いることので
きる熱電素子としてペルチェ素子などがあげられる。
【0013】
発光ダイオードの発光により、バックライト装置内では温度変化が生じる。バックライト
装置内に温度状態をモニタする温度センサを設け、熱電素子を動作させる駆動回路によっ
て熱電素子による冷却、又は加熱を行い、温調器にて温度制御を行う。さらに発光ダイオ
ードの出力をモニタするカラーセンサを設け、発光ダイオードの出力を制御する発光ダイ
オード制御装置によって、発光ダイオードの出力をコントロールし、発光ダイオードは発
光ダイオード駆動回路によって駆動される。
【0014】
バックライト装置の、前面に設けられる透過型の液晶表示パネルモジュールにも、液晶表
示パネルの加熱、冷却を行う熱電素子、当該熱電素子を動作させる駆動回路、(カラー)
液晶表示パネルの温度状態をモニタする温度センサ、温度制御を行う温調器を含んでもよ
い。
【0015】
バックライト装置側に設けられる熱電素子と、液晶表示パネルモジュール側に設けられる
熱電素子はそれぞれ温度センサ及び温調器を有し独立して動作させてもよいし、共通化し
一律で動作させてもよい。
【0016】
バックライト装置と液晶表示パネルモジュールとは接して設けられてもよく、空間を空け
て配置されてもよい。液晶表示パネルモジュールとバックライト装置が接して設けられ、
バックライト装置側に設けられた熱電素子が液晶表示パネルモジュールと接する場合、液
晶表示パネルモジュールも熱電素子の冷却、加熱によって温度制御することができる。
【0017】
また、液晶表示装置内に熱電モジュールを備え、液晶表示装置内の温度差を利用して、他
の発光ダイオードや熱電素子などの駆動に利用することができる。本発明は、効率よく冷
却及び加熱を行うことのできる熱電素子を筐体に含んで設けるため、液晶表示装置内で所
望の温度差を得られやすい。
【0018】
本発明のバックライト装置の一形態は、熱電素子を含む筐体に配置された複数の発光ダイ
オードを有し、熱電素子を含む筐体は、複数の発光ダイオードの周囲を囲むように設けら
れている。
【0019】
本発明のバックライト装置の一形態は、熱電素子を含む筐体に配置された第1の発光ダイ
オード、第2の発光ダイオード及び第3の発光ダイオードを有し、熱電素子を含む筐体は
、複数の発光ダイオードの周囲を囲むように設けられ、第1の発光ダイオードの発光色は
赤色であり、第2の発光ダイオードの発光色は緑色であり、第3の発光ダイオードの発光
色は青色である。
【0020】
本発明のバックライト装置の一形態は、熱電素子を含む筐体に配置された第1の発光ダイ
オード、第2の発光ダイオード及び第3の発光ダイオードを有し、熱電素子を含む筐体は
、複数の発光ダイオードの周囲を囲むように設けられ、第1の発光ダイオードの発光色は
625nm±10nmが波長のピークであり、第2の発光ダイオードの発光色は530n
m±15nmが波長のピークであり、第3の発光ダイオードの発光色は455nm±10
nmが波長のピークである。
【0021】
本発明の表示装置の一形態は、熱電素子を含む筐体に配置された複数の発光ダイオードを
含むバックライト装置、及び表示モジュールを有し、熱電素子を含む筐体は、複数の発光
ダイオードの周囲を囲むように設けられている。
【0022】
本発明の表示装置の一形態は、ペルチェ素子を含む筐体に配置された複数の発光ダイオー
ドを含むバックライト装置、及び表示モジュールを有し、ペルチェ素子を含む筐体は、複
数の発光ダイオードの周囲を囲むように設けられている。
【0023】
本発明の表示装置の一形態は、第1の熱電素子を含む筐体に配置された複数の発光ダイオ
ードを含むバックライト装置、及び第2の熱電素子を含む表示モジュールを有し、第1の
熱電素子を含む筐体は、複数の発光ダイオードの周囲を囲むように設けられている。
【0024】
本発明の表示装置の一形態は、第1のペルチェ素子を含む筐体に配置された複数の発光ダ
イオードを含むバックライト装置、及び第2のペルチェ素子を含む表示モジュールを有し
、第1のペルチェ素子を含む筐体は、複数の発光ダイオードの周囲を囲むように設けられ
ている。
【0025】
本発明で用いる複数の発光ダイオードは、異なる発光色を示す発光ダイオードを用いるこ
とができ、例えば赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオードを
含むことができる。より具体的には、複数の発光ダイオードは625nm±10nmが発
光色の波長のピークである第1の発光ダイオード、530nm±15nmが発光色の波長
のピークである第2の発光ダイオード、及び455nm±10nmが発光色の波長のピー
クである第3の発光ダイオードを含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱を抑える事が出来、発
光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑えることが出来る。光源の発
熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、プリズムフィルムの変形、変質を
抑える事が出来る。
【0027】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事
が出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フ
ィルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒー
トパイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出
来る。
【0028】
光の3原色の発光ダイオードを使用しているため、色温度調整が容易に出来るようにな
り、尚かつ、冷陰極蛍光ランプと比べて色再現範囲を広くすることが出来る。また、発光
ダイオードを使用することにより、使用温度範囲が拡大、応答が速いため動画対応が容易
になる、低電圧での駆動が可能になり、インバーターが不要、コントラストが向上出来、
水銀を使用しないため環境に良い。
【0029】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の表示装置を示した上面図及び断面図である。
【図2】本発明の表示装置を示した上面図及び断面図である。
【図3】本発明の表示装置を示した上面図及び断面図である。
【図4】本発明の表示装置を示した上面図及び断面図である。
【図5】本発明の表示装置を示した上面図及び断面図である。
【図6】本発明の表示装置を示した図である。
【図7】本発明の表示装置を示したブロック図である。
【図8】本発明の表示装置を示したブロック図である。
【図9】本発明の表示装置を示したブロック図である。
【図10】実施例1の実験データを示す図である。
【図11】実施例2の実験データを示す図である。
【図12】実施例1の実験データを示す図である。
【図13】実施例1の実験データを示す図である。
【図14】本発明の表示装置を示した断面図である。
【図15】本発明の表示装置を示した断面図である。
【図16】本発明の表示装置を示した上面図である。
【図17】本発明の表示装置を示した上面図である。
【図18】本発明に適用できる発光ダイオードを示した断面図である。
【図19】本発明の表示装置を示したブロック図である。
【図20】本発明が適用される電子機器の主要な構成を示すブロック図である。
【図21】本発明の電子機器を示した図である。
【図22】本発明の電子機器を示した図である。
【図23】本発明の表示装置を示した上面図である。
【図24】本発明の表示装置を示した上面図及び断面図である。
【図25】本発明の表示装置を示した断面図である。
【図26】実施例3の実験データを示す図である。
【図27】実施例3の実験条件を示す図である。
【図28】実施例3の実験条件を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる態
様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形
態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施
の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するため
の全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り
返しの説明は省略する。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明を用いたバックライト装置(バックライト、照明装置ともいう
)及び、バックライト装置を具備する表示装置の概念について説明する。
【0033】
本発明は、バックライト装置の光源として発光ダイオード(LED)を用い、発光ダイオ
ードを保持する筐体には発光ダイオードを囲むように(発光ダイオードの下及び周囲4方
)熱電素子が設けられており、熱電素子の冷却及び加熱により、バックライト装置内の温
度調節を行う。熱電素子とは熱と電気が関係した現象を利用して,熱エネルギーと電気エ
ネルギーを変換する金属や半導体の素子のことであり、本発明に用いることのできる熱電
素子としてペルチェ素子などがあげられる。
【0034】
図1(A)には、光源として発光ダイオード(以下LED:Light Emittin
g Diodeともいう)を用い、熱電素子を含むバックライトユニットを具備する表示
装置の上面図、図1(B)及び(C)には図1(A)の線A−Bに対応する断面図を示す
。図1(B)は概念図であり簡略化されており、より詳細な例が図1(C)となっている
。本発明の表示装置は液晶表示素子を有する液晶表示装置であり、液晶自体が発光体では
ないため、バックライトユニットは液晶表示パネル150の背面に光源として配置されて
いる。
【0035】
図1において、熱電素子を含む筐体100内に発光ダイオード101a乃至101cを有
している。バックライトユニットは、625nm±10nmにピークを持つ赤色発光ダイ
オードである発光ダイオード101a、530nm±15nmにピークを持つ緑色発光ダ
イオードである発光ダイオード101b、455nm±10nmにピークを持つ青色発光
ダイオードである発光ダイオード101cを有しており、発光ダイオード101a乃至1
01cより放射される光は図1(B)及び(C)の矢印方向に液晶表示パネル150を透
過して視認側に放射される。本発明の熱電素子を含む筐体100は発光ダイオード101
a乃至101cの少なくとも3方向を箱状に囲むように設けられている。熱電素子を含む
筐体100上に液晶表示パネル150を配置することによって、発光ダイオード101a
乃至101cは熱電素子を含む筐体100と液晶表示パネル150によって形成される箱
状の閉空間に設けられる。
【0036】
図1(C)に示すように、熱電素子を含む筐体100を覆うように反射シート102が設
けられ、発光ダイオード101a乃至101cよりの光を反射する。発光ダイオード10
1a乃至101cの真上に導光板103を配置し、ある程度間を開けて拡散板104、プ
リズムシート105が配置される。
【0037】
発光ダイオード101a乃至101cは、加熱及び冷却の機能を有する熱電素子を含む筐
体100によって、常に一定の温度に保たれるように制御される。本発明の熱電素子を含
む筐体100は発光ダイオード101a乃至101cの四方を囲むように設けられている
ので、発光ダイオード101a乃至101c付近だけでなく、バックライトユニット全体
を効率よく冷却、又は加熱でき、より温度ムラのない正確な温度制御をすることができる

【0038】
発光ダイオードの発光により、バックライト装置内では温度変化が生じる。バックライト
装置内に温度状態をモニタする温度センサを設け、熱電素子を動作させる駆動回路によっ
て熱電素子による冷却、又は加熱を行い、温調器にて温度制御を行う。さらに発光ダイオ
ードの出力をモニタするカラーセンサを設け、発光ダイオードの出力を制御する発光ダイ
オード制御装置によって、発光ダイオードの出力はコントロールし、発光ダイオードは発
光ダイオード駆動回路によって駆動される。カラーセンサ及び温度センサとしては、IC
チップから構成されたカラーセンサ及び温度センサを用いることができる。このとき、カ
ラーセンサ及び温度センサは、表示装置の筐体部に隠れるように配置するとよい。
【0039】
バックライト装置の、前面に設けられる透過型の液晶表示パネルモジュールにも、液晶表
示パネルの加熱、冷却を行う熱電素子、当該熱電素子を動作させる駆動回路、(カラー)
液晶表示パネルの温度状態をモニタする温度センサ、温度制御を行う温調器を含んでもよ
い。
【0040】
バックライト装置側に設けられる熱電素子と、液晶表示パネルモジュール側に設けられる
熱電素子はそれぞれ温度センサ及び温調器を有し独立して動作させてもよいし、共通化し
一律で動作させてもよい。
【0041】
バックライト装置と液晶表示パネルモジュールとは接して設けられてもよく、空間を空け
て配置されてもよい。液晶表示パネルモジュールとバックライト装置が接して設けられ、
バックライト装置側に設けられた熱電素子が液晶表示パネルモジュールと接する場合、液
晶表示パネルモジュールも熱電素子の冷却、加熱によって温度制御することができる。
【0042】
また、液晶表示装置内に熱電モジュールを備え、液晶表示装置内の温度差を利用して、他
の発光ダイオードや熱電素子などの駆動に利用することができる。本発明は、効率よく冷
却及び加熱を行うことのできる熱電素子を筐体に含んで設けるため、液晶表示装置内で所
望の温度差を得られやすい。
【0043】
バックライトユニットは、光源として、赤色、緑色、青色、白色などの各色の発光ダイオ
ード(LED)を用いることができる。各色の発光ダイオード(LED)を用いることに
より、色再現性を高くすることができる。またさらに、光源として各色RGBの発光ダイ
オード(LED)を用いる場合、それらの数や配置を同じとする必要はない。例えば、発
光強度の低い色(例えば緑)を他の色の発光ダイオードより多く配置してもよい。
【0044】
なおRGBの発光ダイオードを有する場合、フィールドシーケンシャルモードを適用する
と、時間に応じてRGBの発光ダイオードを順次点灯させることによりカラー表示を行う
ことができる。
【0045】
発光ダイオードを用いると、輝度が高いため、大型表示装置に適する。また、RGB各色
の色純度が良いため冷陰極管と比べて色再現性に優れており、配置面積を小さくすること
ができるため、小型表示装置に適応すると、狭額縁化を図ることができる。
【0046】
また、例えば、大型表示装置に発光ダイオードを有するバックライト装置を搭載する場合
、発光ダイオードは表示装置の背面に配置することができる。このとき発光ダイオードは
、所定の間隔を維持し、各色の発光ダイオードを順に配置させることができる。発光ダイ
オードの配置により、色再現性を高めることができる。
【0047】
特に、発光ダイオードを有するバックライト装置は、大型表示装置に適しており、大型表
示装置のコントラスト比を高めることにより、暗所でも質の高い映像を提供することがで
きる。
【0048】
熱電素子を含む筐体の形状の異なる例を図2に示す。図2のように熱電素子を含む筐体1
20がバックライトユニットから光が放射される表示パネル側にも、一部設けてもよい。
図2のように熱電素子を含む筐体120がバックライト装置を包み込むように設けると、
よりバックライトユニット全体を効率よく冷却、又は加熱でき、より温度ムラのない正確
な温度制御をすることができる。
【0049】
また、表示装置を薄型化するために、バックライトユニットと表示パネルは接して設けら
れても良い。図24に示す表示装置においてはバックライトユニットに設けられる熱電素
子を含む筐体が一部表示パネルに接している。バックライト装置と表示パネルが接して設
けられる場合(非常に近接して設けられており一部が接する場合も同様)、バックライト
装置の温度変化の影響を表示パネルも受けやすくなる。筐体に含まれる熱電素子が表示パ
ネルに接して設けられると、熱電素子により表示パネル側も冷却、または加熱が行われ温
度制御をすることができる。
【0050】
熱電素子を含む筐体の形状の異なる例を図3及び図4に示す。図3及び図4は熱電素子を
含む筐体130及び140がバックライトユニット及び表示パネル両方と接して設けられ
る例である。図4は図2のように熱電素子を含む筐体140が表示パネルの視認側の一部
を覆う構造であり、バックライトユニット及び表示パネルを包むような形状である。図3
及び図4のように熱電素子を含む筐体はバックライトユニットと表示パネルとを連続的に
覆っても良いし、バックライトユニット領域と表示パネル領域とでそれぞれ別の熱電素子
を含む筐体を不連続的に設けても良い。
【0051】
また本発明で用いる発光ダイオードは樹脂などに覆われていても良く、図5に示すように
、発光ダイオードの周りに光を拡散するドーム(半球)状の樹脂カバーを設けてもよい。
また、発光ダイオードのカバーは逆テーパー状でもよく形状は限定されない。
【0052】
また、液晶表示パネルモジュールには、TN(Twisted Nematic)モード
、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe F
ield Switching)モード、MVA(Multi−domain Vert
ical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertica
l Alignment)モード、ASM(Axially Symmetric al
igned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compens
ated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric
Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectr
ic Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0053】
本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱を抑える事ができるため
、発光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑えることが出来る。光源
の発熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、プリズムフィルムの変形、変
質を抑える事が出来る。
【0054】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事が
出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィ
ルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒート
パイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出来
る。
【0055】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。
【0056】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明を用いたバックライト装置及び、バックライト装置を具備する
表示装置の詳細について説明する。
【0057】
図6に示す表示装置は、発光ダイオード201(発光素子201a、カバー201b、端
子201c)、熱導電性の接着材として機能する熱導電層202、メタルコア基板203
、熱電素子を含む筐体200、反射シート204、導光板205、拡散板206、プリズ
ムシート207a、207b、カラーセンサ220を含むバックライトユニット230、
及び基板211、表示素子を含む層212、基板213、偏光板214、210、液晶表
示パネル駆動回路232を含む液晶表示パネル231を有している。さらにバックライト
ユニット230は、バックライトユニット領域における温度センサ221、温調器222
、熱電素子駆動回路223、発光ダイオード制御装置224、発光ダイオード駆動回路2
25を有している。
【0058】
メタルコア基板とは、基板の中間層に金属芯を配置した基板のことで、均熱性、機械強度
向上、シールド性等が特徴としてあげられる。メタルコア基板は、熱伝導性がよいため、
熱をメタルコアに集約することにより、その熱を一括して放熱する構造がとりやすい。
【0059】
図6の発光ダイオードはドーム状のカバー201bを有しているが、発光ダイオードの形
状はそれに限定されず、逆テーパー形状でもよいし、複数の発光ダイオードを樹脂で覆っ
てもよい。本発明に適用することができる発光ダイオードの例を図18に示す。
【0060】
図18(A)における発光ダイオードは、発光素子400が蛍光体402を含むカバー4
01で覆われている構造である。カバー401は逆テーパー形状であり、カバー401の
周囲に隔壁を設けてもよい。蛍光体と発光素子の発光色との組み合わせによって、多様な
発光色を得ることができる。また、蛍光体として複数の種類を用いてもよい。
【0061】
図18(B)における発光ダイオードは、発光素子410が表面に凹凸を有するカバー4
11で覆われている構造である。カバー411は表面に凹凸を有しているため、発光素子
410より放射された光は拡散する。凹凸の形状によって光の拡散方向や拡散量を制御す
ることができる。
【0062】
図18(C)における発光ダイオードは、発光素子420がカバー422及びカバー42
1の積層で覆われている構造である。カバー422は光の拡散用として設けても良いし、
発光素子の保護膜として設けても良い。このように発光素子のカバーは複数積層してもよ
い。
【0063】
図18(D)における発光ダイオードは、発光素子430a、430b、430cがカバ
ー431で覆われている構造である。このように複数の発光素子を同一のカバーで覆う構
造としてもよい。例えば、赤色発光ダイオードである発光素子430a、緑色発光ダイオ
ードである発光素子430b、青色発光ダイオードである発光素子430cを組み合わせ
て同一のカバーで覆う構造としてもよい。発光ダイオードにおけるカバー部は、発光素子
に直接接さず、周囲を囲むように設けても良いし、発光素子に直接接して、膜として樹脂
などを形成しても良い。また、図18(A)のようにカバー411、421、422、4
31にも蛍光体や他の拡散物質を含ませても良い。
【0064】
本実施の形態の表示装置の動作機構の一例を図7のブロック図で説明する。液晶表示装置
250は、液晶表示パネル231及び液晶表示パネル駆動回路232を含む液晶表示パネ
ルモジュール241と、バックライトユニット230、バックライトユニット領域の温度
センサ221、温調器222、熱電素子駆動回路223、カラーセンサ220、発光ダイ
オード制御装置224、及び発光ダイオード駆動回路225を含むバックライトモジュー
ル242と、熱電モジュール226とを有している。
【0065】
発光ダイオード駆動回路225によってバックライトユニット230内の発光ダイオード
を発光させ、バックライトユニット内に設けられたカラーセンサ220にて様々な固有の
色に発光する発光ダイオード(例えば、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色
発光ダイオード)をそれぞれ所定の出力になっているかモニタし、発光ダイオード制御装
置224に情報をフィードバックして、発光ダイオード駆動回路225に出力する。
【0066】
また、バックライトユニット領域に設けられた温度センサ221によってバックライトユ
ニット230の温度を測定し、発光ダイオードの発熱状態をモニタする。発光ダイオード
が所定の温度外(以上、又は以下)になると、熱電素子駆動回路223によって熱電素子
を駆動させて発光ダイオードを冷却、又は加熱して、発光ダイオードを温度範囲外(高温
、又は低温)で駆動させないように、温調器222によって温度制御を行う。
【0067】
また、液晶表示装置内に熱電モジュール226を備え、液晶表示装置内の温度差を利用し
て、他の発光ダイオードや熱電素子などの駆動に利用することができる。本発明は、効率
よく冷却及び加熱を行うことのできる熱電素子を筐体に含んで設けるため、液晶表示装置
内で所望の温度差を得られやすい。熱電モジュール226は、液晶表示装置内のどこに設
けても良く、液晶表示パネルモジュール領域でもバックライトモジュール領域でもよく、
両方の領域に跨って設けても良い。また液晶表示装置とは別に設ける構造としてもよい。
熱電モジュール、カラーセンサ、温度センサは複数設けてもよく、カラーセンサや温度セ
ンサを複数個所に設けると、より正確にモニタすることができる。
【0068】
また、図8のように液晶表示パネルモジュール241にも熱電素子を設けても良い。この
場合、液晶表示パネル領域の温度センサ233、温調器234、熱電素子駆動回路235
を設ける。また、液晶表示パネル領域に設けられた温度センサ233によって液晶表示パ
ネル231の温度を測定しモニタする。液晶表示パネル231が所定の温度外(以上、又
は以下)になると、液晶表示パネル231に設けられた熱電素子駆動回路235によって
熱電素子を駆動させて液晶表示パネル231を冷却、又は加熱して、液晶表示パネル23
1を所定の温度範囲内となるように、温調器234によって温度制御を行う。
【0069】
図8は、バックライトユニット領域と液晶表示パネル領域とに、独立して熱電素子駆動回
路235、223を設ける構造である。熱電素子駆動回路は連動して動作させることもで
きるし、熱電素子駆動回路235は熱電素子を加熱するように動作させ、熱電素子駆動回
路223は熱電素子を冷却するように動作させるというように同時に異なった動作させる
こともできる。
【0070】
図9は液晶表示パネルモジュール241内及びバックライトモジュール242内の熱電素
子を、共通の熱電素子駆動回路243で駆動させる例である。図9のように熱電素子駆動
回路を共通化して設けると、液晶表示装置が薄型化でき、コストダウンもできる利点はあ
る。
【0071】
本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱を抑える事ができるため
、発光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑えることが出来る。光源
の発熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、プリズムフィルムの変形、変
質を抑える事が出来る。
【0072】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事が
出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィ
ルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒート
パイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出来
る。
【0073】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。
【0074】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明のバックライト装置を具備し、結晶性半導体膜を有する薄膜ト
ランジスタを用いた液晶表示装置について説明する。
【0075】
図16(A)は本発明に係る表示パネルの構成を示す上面図であり、絶縁表面を有する基
板2700上に画素2702をマトリクス上に配列させた画素部2701、走査線側入力
端子2703、信号線側入力端子2704が形成されている。画素数は種々の規格に従っ
て設ければ良く、XGAであってRGBを用いたフルカラー表示であれば1024×76
8×3(RGB)、UXGAであってRGBを用いたフルカラー表示であれば1600×
1200×3(RGB)、フルスペックハイビジョンに対応させ、RGBを用いたフルカ
ラー表示であれば1920×1080×3(RGB)とすれば良い。
【0076】
画素2702は、走査線側入力端子2703から延在する走査線と、信号線側入力端子2
704から延在する信号線とが交差することで、マトリクス状に配設される。画素部27
01の画素それぞれには、スイッチング素子とそれに接続する画素電極層が備えられてい
る。スイッチング素子の代表的な一例はTFTであり、TFTのゲート電極層側が走査線
と、ソース若しくはドレイン側が信号線と接続されることにより、個々の画素を外部から
入力する信号によって独立して制御可能としている。
【0077】
図16(A)は、走査線及び信号線へ入力する信号を、外付けの駆動回路により制御する
表示パネルの構成を示しているが、図17(A)に示すように、COG(Chip on
Glass)方式によりドライバIC2751を基板2700上に実装しても良い。ま
た他の実装形態として、図17(B)に示すようなTAB(Tape Automate
d Bonding)方式を用いてもよい。ドライバICは単結晶半導体基板に形成され
たものでも良いし、ガラス基板上にTFTで回路を形成したものであっても良い。図17
において、ドライバIC2751は、FPC(Flexible printed ci
rcuit)2750と接続している。
【0078】
また、画素に設けるTFTを結晶性を有する半導体で形成する場合には、図16(B)に
示すように走査線側駆動回路3702を基板3700上に形成することもできる。図16
(B)において、画素部3701は、信号線側入力端子3704と接続した図16(A)
と同様に外付けの駆動回路により制御する。画素に設けるTFTを移動度の高い、多結晶
(微結晶)半導体、単結晶半導体などで形成する場合は、図16(C)に示すように、画
素部4701、走査線駆動回路4702と、信号線駆動回路4704を基板4700上に
一体形成することもできる。
【0079】
図23は、本発明のバックライトユニットを具備する液晶表示装置の上面図であり、図1
4は図23の線C−Dにおける断面図である。
【0080】
図23及び図14で示すように、画素領域606、走査線駆動回路である駆動回路領域6
08a、走査線駆動領域である駆動回路領域608bが、シール材692によって、基板
600と対向基板695との間に封止され、基板600上にICドライバによって形成さ
れた信号線駆動回路である駆動回路領域607が設けられている。画素領域606にはト
ランジスタ622及び容量素子623が設けられ、駆動回路領域608bにはトランジス
タ620及びトランジスタ621を有する駆動回路が設けられている。
【0081】
基板600及び対向基板695は、透光性を有する絶縁性基板(以下、透光性基板とも記
す)とする。特に可視光の波長領域において透光性を有する。例えば、バリウムホウケイ
酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板等を用いることがで
きる。また、ポリエチレン−テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(P
EN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリカーボネート(PC)に代表されるプ
ラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を適用することができ
る。また、フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化
ビニルなどからなる)、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム等
)などを用いることもできる。また一般的に合成樹脂からなる基板は、他の基板と比較し
て耐熱温度が低いことが懸念されるが、耐熱性の高い基板を用いた作製工程の後、転置す
ることによっても採用することが可能となる。
【0082】
画素領域606には、基板600上に、下地膜604a、下地膜604bを介してスイッ
チング素子となるトランジスタ622が設けられている。本実施の形態では、トランジス
タ622にマルチゲート型薄膜トランジスタ(TFT)を用い、ソース領域及びドレイン
領域として機能する不純物領域を有する半導体層、ゲート絶縁層、2層の積層構造である
ゲート電極層、ソース電極層及びドレイン電極層を有し、ソース電極層又はドレイン電極
層は、半導体層の不純物領域と画素電極層630に接して電気的に接続している。薄膜ト
ランジスタは、多くの方法で作製することができる。例えば、活性層として、結晶性半導
体膜を適用する。結晶性半導体膜上には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が設けられる
。該ゲート電極を用いて該活性層へ不純物元素を添加することができる。このようにゲー
ト電極を用いた不純物元素の添加により、不純物元素添加のためのマスクを形成する必要
はない。ゲート電極は、単層構造、又は積層構造を有することができる。不純物領域は、
その濃度を制御することにより高濃度不純物領域及び低濃度不純物領域とすることができ
る。このように低濃度不純物領域を有する薄膜トランジスタを、LDD(Light d
oped drain)構造と呼ぶ。また低濃度不純物領域は、ゲート電極と重なるよう
に形成することができ、このような薄膜トランジスタを、GOLD(Gate Over
lapped LDD)構造と呼ぶ。また薄膜トランジスタの極性は、不純物領域にリン
(P)等を用いることによりn型とする。p型とする場合は、ボロン(B)等を添加すれ
ばよい。その後、ゲート電極等を覆う絶縁膜611及び絶縁膜612を形成する。絶縁膜
611(及び絶縁膜612)に混入された水素元素により、結晶性半導体膜のダングリン
グボンドを終端することができる。
【0083】
さらに平坦性を高めるため、層間絶縁膜として絶縁膜615、絶縁膜616を形成しても
よい。絶縁膜615、絶縁膜616には、有機材料、又は無機材料、若しくはそれらの積
層構造を用いることができる。例えば酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素
、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒素含有量が酸素含有量よりも多い窒化酸
化アルミニウムまたは酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、ポリ
シラザン、窒素含有炭素(CN)、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス
)、アルミナ、その他の無機絶縁性材料を含む物質から選ばれた材料で形成することがで
きる。また、有機絶縁性材料を用いてもよく、有機材料としては、感光性、非感光性どち
らでも良く、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジスト又はベン
ゾシクロブテン、シロキサン樹脂などを用いることができる。なお、シロキサン樹脂とは
、Si−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(
O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例
えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いても
よい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよ
い。
る。
【0084】
また結晶性半導体膜を用いることにより、画素領域と駆動回路領域を同一基板上に一体形
成することができる。その場合、画素部のトランジスタと、駆動回路領域608bのトラ
ンジスタとは同時に形成される。駆動回路領域608bに用いるトランジスタは、CMO
S回路を構成する。CMOS回路を構成する薄膜トランジスタは、GOLD構造であるが
、トランジスタ622のようなLDD構造を用いることもできる。
【0085】
本実施の形態に限定されず、画素領域の薄膜トランジスタはチャネル形成領域が一つ形成
されるシングルゲート構造でも、二つ形成されるダブルゲート構造もしくは三つ形成され
るトリプルゲート構造であっても良い。また、周辺駆動回路領域の薄膜トランジスタも、
シングルゲート構造、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造であっても良い。
【0086】
なお、本実施の形態で示した薄膜トランジスタの作製方法に限らず、トップゲート型(例
えば順スタガ型)、ボトムゲート型(例えば、逆スタガ型)、あるいはチャネル領域の上
下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート型や
その他の構造においても適用できる。
【0087】
次に、画素電極層630及び絶縁膜616を覆うように、印刷法や液滴吐出法により、配
向膜と呼ばれる絶縁層631を形成する。なお、絶縁層631は、スクリーン印刷法やオ
フセット印刷法を用いれば、選択的に形成することができる。その後、ラビング処理を行
う。このラビング処理は液晶のモード、例えばVAモードのときには処理を行わないとき
がある。配向膜として機能する絶縁層633も絶縁層631と同様である。続いて、シー
ル材692を液滴吐出法により画素を形成した周辺の領域に形成する。
【0088】
その後、配向膜として機能する絶縁層633、対向電極として機能する導電層634、カ
ラーフィルタとして機能する着色層635が設けられた対向基板695と、TFT基板で
ある基板600とをスペーサ637を介して貼り合わせ、その空隙に液晶層632を設け
る。その後、対向基板695の外側に偏光板641を設け、基板600の素子を有する面
と反対側にも偏光板643を設ける。偏光板は、接着層によって基板に設けることができ
る。また偏光板と、基板との間に位相差板を設けてもよい。シール材にはフィラーが混入
されていても良く、さらに対向基板695には、遮蔽膜(ブラックマトリクス)などが形
成されていても良い。なお、カラーフィルタ等は、液晶表示装置をフルカラー表示とする
場合、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を呈する材料から形成すればよく、モノカラ
ー表示とする場合、着色層を無くす、もしくは少なくとも一つの色を呈する材料から形成
すればよい。
【0089】
なお、バックライト装置にRGBの発光ダイオード(LED)等を配置し、時分割により
カラー表示する継時加法混色法(フィールドシーケンシャル法)を採用するときには、カ
ラーフィルタを設けない場合がある。ブラックマトリクスは、トランジスタやCMOS回
路の配線による外光の反射を低減するため、トランジスタやCMOS回路と重なるように
設けるとよい。なお、ブラックマトリクスは、容量素子に重なるように形成してもよい。
容量素子を構成する金属膜による反射を防止することができるからである。
【0090】
液晶層を形成する方法として、ディスペンサ式(滴下式)や、素子を有する基板600と
対向基板695とを貼り合わせてから毛細管現象を用いて液晶を注入する注入法を用いる
ことができる。滴下法は、注入法を適用しづらい大型基板を扱うときに適用するとよい。
【0091】
スペーサは数μmの粒子を散布して設ける方法でも良いが、本実施の形態では基板全面に
樹脂膜を形成した後これをエッチング加工して形成する方法を採用した。このようなスペ
ーサの材料を、スピナーで塗布した後、露光と現像処理によって所定のパターンに形成す
る。さらにクリーンオーブンなどで150〜200℃で加熱して硬化させる。このように
して作製されるスペーサは露光と現像処理の条件によって形状を異ならせることができる
が、好ましくは、スペーサの形状は柱状で頂部が平坦な形状となるようにすると、対向側
の基板を合わせたときに液晶表示装置としての機械的な強度を確保することができる。形
状は円錐状、角錐状などを用いることができ、特別な限定はない。
【0092】
続いて、画素領域と電気的に接続されている端子電極層678に、異方性導電体層696
を介して、接続用の配線基板であるFPC694を設ける。FPC694は、外部からの
信号や電位を伝達する役目を担う。上記工程を経て、表示機能を有する液晶表示装置を作
製することができる。
【0093】
なおトランジスタが有する配線、ゲート電極層、画素電極層630、対向電極層である導
電層634は、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を
混合したIZO(indium zinc oxide)、酸化インジウムに酸化珪素(
SiO)を混合した導電材料、有機インジウム、有機スズ、酸化タングステンを含むイ
ンジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むイン
ジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物などを用いることができる。また、
タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)
、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(
Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅
(Cu)、銀(Ag)等の金属又はその合金、若しくはその金属窒化物から選ぶことがで
きる。
【0094】
図14に示す表示装置の具備するバックライトユニットは、発光ダイオード651、熱電
素子を含む筐体650、反射シート652、導光板653、拡散板654、プリズムシー
ト655、カラーセンサ656を含む。
【0095】
本実施の形態は、バックライト装置の光源として発光ダイオードを用い、発光ダイオード
を保持する筐体には発光ダイオードを囲むように(発光ダイオードの下及び周囲4方)熱
電素子が設けられており、熱電素子の冷却及び加熱により、バックライト装置内の温度調
節を行う。熱電素子とは熱と電気が関係した現象を利用して,熱エネルギーと電気エネル
ギーを変換する金属や半導体の素子のことであり、本発明に用いることのできる熱電素子
としてペルチェ素子などがあげられる。
【0096】
発光ダイオードの発光により、バックライト装置内では温度変化が生じる。バックライト
装置内に温度状態をモニタする温度センサを設け、熱電素子を動作させる駆動回路によっ
て熱電素子による冷却、又は加熱を行い、温調器にて温度制御を行う。さらに発光ダイオ
ードの出力をモニタするカラーセンサを設け、発光ダイオードの出力を制御する発光ダイ
オード制御装置によって、発光ダイオードの出力はコントロールし、発光ダイオードは発
光ダイオード駆動回路によって駆動される。
【0097】
バックライト装置の前面に設けられる透過型の液晶表示パネルモジュールにも、液晶表示
パネルの加熱、冷却を行う熱電素子、当該熱電素子を動作させる駆動回路、(カラー)液
晶表示パネルの温度状態をモニタする温度センサ、温度制御を行う温調器を含んでもよい

【0098】
バックライト装置側に設けられる熱電素子と、液晶表示パネルモジュール側に設けられる
熱電素子はそれぞれ温度センサ及び温調器を有し独立して動作させてもよいし、共通化し
一律で動作させてもよい。
【0099】
バックライト装置と液晶表示パネルモジュールとは接して設けられてもよく、空間を空け
て配置されてもよい。液晶表示パネルモジュールとバックライト装置が接して設けられ、
バックライト装置側に設けられた熱電素子が液晶表示パネルモジュールと接する場合、液
晶表示パネルモジュールも熱電素子の冷却、加熱によって温度制御することができる。
【0100】
また、液晶表示装置内に熱電モジュールを備え、液晶表示装置内の温度差を利用して、他
の発光ダイオードや熱電素子などの駆動に利用することができる。本発明は、効率よく冷
却及び加熱を行うことのできる熱電素子を筐体に含んで設けるため、液晶表示装置内で所
望の温度差を得られやすい。
【0101】
本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱を抑える事ができるため
、発光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑えることが出来る。光源
の発熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、プリズムフィルムの変形、変
質を抑える事が出来る。
【0102】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事が
出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィ
ルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒート
パイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出来
る。
【0103】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。
【0104】
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0105】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明のバックライト装置を具備し、非晶質半導体膜を有する薄膜ト
ランジスタを用いた液晶表示装置について説明する。
【0106】
図15に示す表示装置は、基板300上に、画素領域に逆スタガ型薄膜トランジスタであ
るトランジスタ320、画素電極層301、絶縁層302、絶縁層303、液晶層304
、スペーサ381、絶縁層305、対向電極層306、カラーフィルタ308、ブラック
マトリクス307、対向基板310、偏光板331、偏光板333、封止領域にシール材
382、端子電極層387、異方性導電層385、FPC386が設けられている。
【0107】
本実施の形態で作製される逆スタガ型薄膜トランジスタであるトランジスタ320のゲー
ト電極層、ソース電極層、及びドレイン電極層は液滴吐出法によって形成されている。液
滴吐出法は、液状の導電性材料を有する組成物を吐出し、乾燥や焼成によって固化し、導
電層や電極層を形成する方法である。絶縁性材料を含む組成物を吐出し、乾燥や焼成によ
って固化すれば絶縁層も形成することができる。選択的に導電層や絶縁層などの表示装置
の構成物を形成することができるので、工程が簡略化し、材料のロスが防げるので、低コ
ストで生産性良く表示装置を作製することができる。
【0108】
本実施の形態では、半導体層として非晶質半導体を用いており、一導電性型を有する半導
体層は必要に応じて形成すればよい。本実施の形態では、半導体層と一導電型を有する半
導体層として非晶質n型半導体層を積層する。またn型半導体層を形成し、nチャネル型
薄膜トランジスタのNMOS構造、p型半導体層を形成したpチャネル型薄膜トランジス
タのPMOS構造、nチャネル型薄膜トランジスタとpチャネル型薄膜トランジスタとの
CMOS構造を作製することができる。
【0109】
また、導電性を付与するために、導電性を付与する元素をドーピングによって添加し、不
純物領域を半導体層に形成することで、nチャネル型薄膜トランジスタ、Pチャネル型薄
膜トランジスタを形成することもできる。n型半導体層を形成するかわりに、PHガス
によるプラズマ処理を行うことによって、半導体層に導電性を付与してもよい。
【0110】
本実施の形態では、トランジスタ320はnチャネル型の逆スタガ型薄膜トランジスタと
なっている。また、半導体層のチャネル領域上に保護層を設けたチャネル保護型の逆スタ
ガ型薄膜トランジスタを用いることもできる。
【0111】
また、半導体として、有機半導体材料を用い、蒸着法、印刷法、スプレー法、スピン塗布
法、液滴吐出法、ディスペンサ法などで半導体層を形成することができる。この場合、エ
ッチング工程が必ずしも必要ないため、工程数を削減することが可能である。有機半導体
としては、ペンタセン等の低分子材料、高分子材料などが用いられ、有機色素、導電性高
分子材料などの材料も用いることができる。本発明に用いる有機半導体材料としては、そ
の骨格が共役二重結合から構成されるπ電子共役系の高分子材料が望ましい。代表的には
、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリチオフェン
誘導体等の液体に可溶性の高分子材料を用いることができる。
【0112】
図15に示す表示装置の具備するバックライトユニットは、発光ダイオード351、熱電
素子を含む筐体350、反射シート352、導光板353、拡散板354、プリズムシー
ト355、カラーセンサ356を含む。
【0113】
本実施の形態は、バックライト装置の光源として発光ダイオードを用い、発光ダイオード
を保持する筐体には発光ダイオードを囲むように(発光ダイオードの下及び周囲4方)熱
電素子が設けられており、熱電素子の冷却及び加熱により、バックライト装置内の温度調
節を行う。熱電素子とは熱と電気が関係した現象を利用して,熱エネルギーと電気エネル
ギーを変換する金属や半導体の素子のことであり、本発明に用いることのできる熱電素子
としてペルチェ素子などがあげられる。
【0114】
発光ダイオードの発光により、バックライト装置内では温度変化が生じる。バックライト
装置内に温度状態をモニタする温度センサを設け、熱電素子を動作させる駆動回路によっ
て熱電素子による冷却、又は加熱を行い、温調器にて温度制御を行う。さらに発光ダイオ
ードの出力をモニタするカラーセンサを設け、発光ダイオードの出力を制御する発光ダイ
オード制御装置によって、発光ダイオードの出力はコントロールし、発光ダイオードは発
光ダイオード駆動回路によって駆動される。
【0115】
バックライト装置の、前面に設けられる透過型の液晶表示パネルモジュールにも、液晶表
示パネルの加熱、冷却を行う熱電素子、当該熱電素子を動作させる駆動回路、(カラー)
液晶表示パネルの温度状態をモニタする温度センサ、温度制御を行う温調器を含んでもよ
い。
【0116】
バックライト装置側に設けられる熱電素子と、液晶表示パネルモジュール側に設けられる
熱電素子はそれぞれ温度センサ及び温調器を有し独立して動作させてもよいし、共通化し
同時に動作させてもよい。
【0117】
バックライト装置と液晶表示パネルモジュールとは接して設けられてもよく、空間を空け
て配置されてもよい。液晶表示パネルモジュールとバックライト装置が接して設けられ、
バックライト装置側に設けられた熱電素子が液晶表示パネルモジュールと接する場合、液
晶表示パネルモジュールも熱電素子の冷却、加熱によって温度制御することができる。
【0118】
また、液晶表示装置内に熱電モジュールを備え、液晶表示装置内の温度差を利用して、他
の発光ダイオードや熱電素子などの駆動に利用することができる。本発明は、効率よく冷
却及び加熱を行うことのできる熱電素子を筐体に含んで設けるため、液晶表示装置内で所
望の温度差を得られやすい。
【0119】
本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱を抑える事ができるため
、発光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑えることが出来る。光源
の発熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、プリズムフィルムの変形、変
質を抑える事が出来る。
【0120】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事が
出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィ
ルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒート
パイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出来
る。
【0121】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。
【0122】
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0123】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明を用いたバックライト装置及び、バックライト装置を具備する
表示装置の他の構成例について説明する。
【0124】
本発明のバックライト装置は、図25(A)(B)のようなサイドライト方式(エッジラ
イト方式ともいう)とすることもできる。
【0125】
図25(A)の表示装置は、液晶表示パネルモジュール459、熱電素子を含む筐体45
0、発光ダイオード451a、451b、反射シート452a、452b、452c、拡
散板454、プリズムシート455を含む。発光ダイオード451a、451bは熱電素
子を含む筐体450の側部に設けられている。反射シート452a、452b、452c
は、発光ダイオード451a、451bより放射された光を反射し液晶表示パネルモジュ
ール側に放射させる。反射シート452aは、効率よく光をバックライト装置内に伝搬で
きるように反射するように中央に凸部を有している。
【0126】
図25(B)の表示装置は、液晶表示パネルモジュール479、熱電素子を含む筐体47
0、発光ダイオード471a、471b、導光板473、拡散板474、プリズムシート
475を含む。発光ダイオード471a、471bは熱電素子を含む筐体470の側部に
設けられている。導光板473は、発光ダイオード471a、471bより放射された光
をバックライト装置内に伝搬し、液晶表示パネルモジュール側に放射させる。
【0127】
図25(C)の表示装置は、液晶表示パネルモジュール469、熱電素子を含む筐体46
0、発光ダイオード461、反射シート462a、462b、462c、462d、導光
板463a、463b、拡散板464、プリズムシート465を含む。発光ダイオード4
61は熱電素子を含む筐体460の底部に設けられている。反射シート462a、462
bは、発光ダイオード461より放射された光を反射し、導光板463aに伝搬する。導
光板463aを伝搬する光は反射シート462cで反射され、導光板463bに伝搬され
、反射シート462dによって、液晶表示パネルモジュール側に放射される。
【0128】
本発明で用いる複数の発光ダイオードは、異なる発光色に発光する発光ダイオードを用い
ることができ、例えば赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、及び青色発光ダイオー
ドを含むことができる。より具体的には、複数の発光ダイオードは625nm±10nm
が発光色の波長のピークである第1の発光ダイオード、530nm±15nmが発光色の
波長のピークである第2の発光ダイオード、及び455nm±10nmが発光色の波長の
ピークである第3の発光ダイオードを含むことができる。
【0129】
本実施の形態は、バックライト装置の光源として発光ダイオードを用い、発光ダイオード
を保持する筐体には発光ダイオードを囲むように熱電素子が設けられており、熱電素子の
冷却及び加熱により、バックライト装置内の温度調節を行う。熱電素子とは熱と電気が関
係した現象を利用して,熱エネルギーと電気エネルギーを変換する金属や半導体の素子の
ことであり、本発明に用いることのできる熱電素子としてペルチェ素子などがあげられる

【0130】
発光ダイオードの発光により、バックライト装置内では温度変化が生じる。バックライト
装置内に温度状態をモニタする温度センサを設け、熱電素子を動作させる駆動回路によっ
て熱電素子による冷却、又は加熱を行い、温調器にて温度制御を行う。さらに発光ダイオ
ードの出力をモニタするカラーセンサを設け、発光ダイオードの出力を制御する発光ダイ
オード制御装置によって、発光ダイオードの出力はコントロールし、発光ダイオードは発
光ダイオード駆動回路によって駆動される。
【0131】
バックライト装置の、前面に設けられる透過型の液晶表示パネルモジュールにも、液晶表
示パネルの加熱、冷却を行う熱電素子、当該熱電素子を動作させる駆動回路、(カラー)
液晶表示パネルの温度状態をモニタする温度センサ、温度制御を行う温調器を含んでもよ
い。
【0132】
バックライト装置側に設けられる熱電素子と、液晶表示パネルモジュール側に設けられる
熱電素子はそれぞれ温度センサ及び温調器を有し独立して動作させてもよいし、共通化し
一律で動作させてもよい。
【0133】
バックライト装置と液晶表示パネルモジュールとは接して設けられてもよく、空間を空け
て配置されてもよい。液晶表示パネルモジュールとバックライト装置が接して設けられ、
バックライト装置側に設けられた熱電素子が液晶表示パネルモジュールと接する場合、液
晶表示パネルモジュールも熱電素子の冷却、加熱によって温度制御することができる。
【0134】
また、液晶表示装置内に熱電モジュールを備え、液晶表示装置内の温度差を利用して、他
の発光ダイオードや熱電素子などの駆動に利用することができる。本発明は、効率よく冷
却及び加熱を行うことのできる熱電素子を筐体に含んで設けるため、液晶表示装置内で所
望の温度差を得られやすい。
【0135】
本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱を抑える事ができるため
、発光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑えることが出来る。光源
の発熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、プリズムフィルムの変形、変
質を抑える事が出来る。
【0136】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事が
出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィ
ルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒート
パイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出来
る。
【0137】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。
【0138】
本実施の形態は、上記の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0139】
(実施の形態6)
本実施の形態では、表示装置が有する各回路等の動作について説明する。
【0140】
図19には、表示装置の画素部505及び駆動回路部508のシステムブロック図を示す

【0141】
画素部505は、複数の画素を有し、各画素となる信号線512と、走査線510との交
差領域には、スイッチング素子が設けられている。スイッチング素子により液晶分子の傾
きを制御するための電圧の印加を制御することができる。このように各交差領域にスイッ
チング素子が設けられた構造をアクティブ型と呼ぶ。本発明の画素部は、このようなアク
ティブ型に限定されず、パッシブ型の構成を有してもよい。パッシブ型は、各画素にスイ
ッチング素子がないため、工程が簡便である。
【0142】
駆動回路部508は、制御回路502、信号線駆動回路503、走査線駆動回路504を
有する。映像信号501が入力される制御回路502は、画素部505の表示内容に応じ
て、階調制御を行う機能を有する。そのため、制御回路502は、生成された信号を信号
線駆動回路503、及び走査線駆動回路504に入力する。そして、走査線駆動回路50
4に基づき、走査線510を介してスイッチング素子が選択されると、選択された交差領
域の画素電極に電圧が印加される。この電圧の値は、信号線駆動回路503から信号線を
介して入力される信号に基づき決定される。
【0143】
さらに、制御回路502では、照明手段506へ供給する電力を制御する信号が生成され
、該信号は、照明手段506の電源507に入力される。照明手段には、上記実施の形態
で示したバックライトユニットを用いることができる。なお照明手段はバックライト装置
以外にフロントライトもある。フロントライトとは、画素部の前面側に取りつけ、全体を
照らす発光体および導光体で構成された板状のライトユニットである。このような照明手
段により、低消費電力で、均等に画素部を照らすことができる。
【0144】
図19(B)に示すように走査線駆動回路504は、シフトレジスタ541、レベルシフ
タ542、バッファ543として機能する回路を有する。シフトレジスタ541にはゲー
トスタートパルス(GSP)、ゲートクロック信号(GCK)等の信号が入力される。な
お、本発明の走査線駆動回路は、図19(B)に示す構成に限定されない。
【0145】
また図19(C)に示すように信号線駆動回路503は、シフトレジスタ531、第1の
ラッチ532、第2のラッチ533、レベルシフタ534、バッファ535として機能す
る回路を有する。バッファ535として機能する回路とは、弱い信号を増幅させる機能を
有する回路であり、オペアンプ等を有する。レベルシフタ534には、スタートパルス(
SSP)等の信号が、第1のラッチ532にはビデオ信号等のデータ(DATA)が入力
される。第2のラッチ533にはラッチ(LAT)信号を一時保持することができ、一斉
に画素部505へ入力させる。これを線順次駆動と呼ぶ。そのため、線順次駆動ではなく
、点順次駆動を行う画素であれば、第2のラッチは不要とすることができる。このように
、本発明の信号線駆動回路は図19(C)に示す構成に限定されない。
【0146】
このような信号線駆動回路503、走査線駆動回路504、画素部505は、同一基板状
に設けられた半導体素子によって形成することができる。半導体素子は、ガラス基板に設
けられた薄膜トランジスタを用いて形成することができる。この場合、半導体素子には結
晶性半導体膜を適用するとよい(上記実施の形態5参照)。結晶性半導体膜は、電気特性
、特に移動度が高いため、駆動回路部が有する回路を構成することができる。また、信号
線駆動回路503や走査線駆動回路504は、IC(Integrated Circu
it)チップを用いて、基板上に実装することもできる。この場合、画素部の半導体素子
には非晶質半導体膜を適用することができる(上記実施の形態5参照)。
【0147】
このような表示装置において、バックライト装置の光源として発光ダイオードを用い、発
光ダイオードを保持する筐体には発光ダイオードを囲むように(発光ダイオードの下及び
周囲4方)熱電素子が設けられており、熱電素子の冷却及び加熱により、バックライト装
置内の温度調節を行う。本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱
を抑える事ができるため、発光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑
えることが出来る。光源の発熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、プリ
ズムフィルムの変形、変質を抑える事が出来る。
【0148】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事が
出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィ
ルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒート
パイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出来
る。
【0149】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。
【0150】
(実施の形態7)
本発明によって形成される表示装置によって、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレ
ビジョン受信機ともよぶ)を完成させることができる。図20はテレビジョン装置の主要
な構成を示すブロック図を示している。表示パネルには、図16(A)で示すような構成
として画素部701のみが表示パネルに形成されて走査線駆動回路703と信号線駆動回
路702とが、図17(B)のようなTAB方式により実装される場合と、図17(A)
のようなCOG方式により実装される場合と、図16(B)に示すようにTFTを形成し
、画素部701と走査線駆動回路703を基板上に形成し信号線駆動回路702を別途ド
ライバICとして実装する場合、また図17(C)で示すように画素部701と信号線駆
動回路702と走査線駆動回路703を基板上に一体形成する場合などがあるが、どのよ
うな形態としても良い。
【0151】
その他の外部回路の構成として、映像信号の入力側では、チューナ704で受信した信号
のうち、映像信号を増幅する映像信号増幅回路705と、そこから出力される信号を赤、
緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路706と、その映像信号をド
ライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路707などからなっている。コ
ントロール回路707は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動
する場合には、信号線側に信号分割回路708を設け、入力デジタル信号をm個に分割し
て供給する構成としても良い。
【0152】
チューナ704で受信した信号のうち、音声信号は、音声信号増幅回路709に送られ、
その出力は音声信号処理回路710を経てスピーカー713に供給される。制御回路71
1は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部712から受け、チューナ704や
音声信号処理回路710に信号を送出する。
【0153】
これらの液晶表示パネルモジュールを、図21(A)、(B)、(C)に示すように、筐
体に組みこんで、テレビジョン装置を完成させることができる。図21(A)において、
表示モジュールにより主画面2003が形成され、その他付属設備としてスピーカー部2
009、操作スイッチなどが備えられている。このように、本発明によりテレビジョン装
置を完成させることができる。
【0154】
筐体2001に表示用パネル2002が組みこまれ、受信機2005により一般のテレビ
放送の受信をはじめ、モデム2004を介して有線又は無線による通信ネットワークに接
続することにより一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、又は受信
者間同士)の情報通信をすることもできる。テレビジョン装置の操作は、筐体に組みこま
れたスイッチ又は別体のリモコン装置2006により行うことが可能であり、このリモコ
ン装置にも出力する情報を表示する表示部2007が設けられていても良い。
【0155】
また、テレビジョン装置にも、主画面2003の他にサブ画面2008を第2の表示用パ
ネルで形成し、チャネルや音量などを表示する構成が付加されていても良い。この構成に
おいて、主画面2003及びサブ画面2008を本発明の液晶表示用パネルで形成するこ
とができ、主画面2003を視野角の優れたEL表示用パネルで形成し、サブ画面を低消
費電力で表示可能な液晶表示用パネルで形成しても良い。また、低消費電力化を優先させ
るためには、主画面2003を液晶表示用パネルで形成し、サブ画面をEL表示用パネル
で形成し、サブ画面は点滅可能とする構成としても良い。本発明を用いると、このような
大型基板を用いて、多くのTFTや電子部品を用いても、信頼性の高い表示装置とするこ
とができる。
【0156】
図21(B)は例えば20〜80インチの大型の表示部を有するテレビジョン装置であり
、筐体2010、操作部であるキーボード部2012、表示部2011、スピーカー部2
013等を含む。本発明は、表示部2011の作製に適用される。図21(B)の表示部
は、わん曲可能な物質を用いているので、表示部がわん曲したテレビジョン装置となって
いる。このように表示部の形状を自由に設計することができるので、所望な形状のテレビ
ジョン装置を作製することができる。
【0157】
図21(C)は例えば20〜80インチの大型の表示部を有するテレビジョン装置であり
、筐体2030、表示部2031、操作部であるリモコン装置2032、スピーカー部2
033等を含む。本発明は、表示部2031の作製に適用される。図21(C)のテレビ
ジョン装置は、壁かけ型となっており、設置するスペースを広く必要としない。
【0158】
勿論、本発明はテレビジョン装置に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじ
め、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積
の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
【0159】
(実施の形態8)
本発明に係る電子機器として、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機
ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話装置(単に携帯電話機、
携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コンピュータ用のモニ
タ、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備
えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例について、図22を参照して説明する。
【0160】
図22(A)に示す携帯情報端末機器は、本体9201、表示部9202等を含んでいる
。表示部9202は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、信頼性も高
く、かつ高画質な画像を表示することができる高性能な携帯情報端末機器を提供すること
ができる。
【0161】
図22(B)に示すデジタルビデオカメラは、表示部9701、表示部9702等を含ん
でいる。表示部9701は本発明の表示装置を適用することができる。その結果、信頼性
も高く、かつ高画質な画像を表示することができる高性能なデジタルビデオカメラを提供
することができる。
【0162】
図22(C)に示す携帯電話機は、本体9101、表示部9102等を含んでいる。表示
部9102は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、信頼性も高く、か
つ高画質な画像を表示することができる高性能な携帯電話機を提供することができる。
【0163】
図22(D)に示す携帯型のテレビジョン装置は、本体9301、表示部9302等を含
んでいる。表示部9302は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、信
頼性も高く、かつ高画質な画像を表示することができる高性能な携帯型のテレビジョン装
置を提供することができる。またテレビジョン装置としては、携帯電話機などの携帯端末
に搭載する小型のものから、持ち運びをすることができる中型のもの、また、大型のもの
(例えば40インチ以上)まで、幅広いものに、本発明の表示装置を適用することができ
る。
【0164】
図22(E)に示す携帯型のコンピュータは、本体9401、表示部9402等を含んで
いる。表示部9402は、本発明の表示装置を適用することができる。その結果、信頼性
も高く、かつ高画質な画像を表示することができる高性能な携帯型のコンピュータを提供
することができる。
【0165】
このように、本発明の表示装置により、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示すること
ができる高性能な電子機器を提供することができる。
【実施例1】
【0166】
本実施例では本発明に用いる発光ダイオードの特性を測定し、評価を行った。実験結果を
図10、図12、図13を用いて説明する。
【0167】
RGBの発光ダイオードの発光スペクトルを紫外から近赤外までの分光スペクトルを計測
出来る分光測光装置にて測定を行った。発光スペクトルの測定結果を図10に示す。図1
0において、図10(B)は通常の青色に発光する発光ダイオードを用いた発光スペクト
ルの結果であり、図10(A)は図10(B)で用いた青色発光ダイオードの代わりに紺
青に発光する紺青色発光ダイオードを用いた発光スペクトルである。図10(A)(B)
において、青色発光ダイオード及び紺青色発光ダイオードの波長スペクトルは点線、緑色
発光ダイオードの波長スペクトルは実線、赤色発光ダイオードの波長スペクトルは一点鎖
線で示している。
【0168】
紺青色発光ダイオードを用いた場合、青色発光ダイオードを用いた場合よりも、ピーク位
置が470nmから455nmへと短波長側にシフトしたことにより、緑色発光ダイオー
ドのスペクトルと混ざる面積が少なくなり、スペクトルの半値幅も狭くなるため、より色
純度が高くなり、色再現範囲が拡大されることが確認された。
【0169】
光源として冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent
Lampともいう)、青色発光ダイオードを用いたRGBの発光ダイオード、紺青色発光
ダイオードを用いたRGBの発光ダイオードのバックライトユニットを駆動させ、それぞ
れ白を、NTSC色度座標の標準に調整して、2種類の膜厚のカラーフィルタ(膜厚1.
7μm、膜厚2.5μm)をそれぞれ乗せた場合のRGB各色の色度を色彩輝度計にて測
定を行った。色度座標の測定結果を図12に示す。図12において、NTSCの色度座標
は実線、青色発光ダイオードを含むRGB発光ダイオードは一点鎖線、紺青色発光ダイオ
ードを含むRGB発光ダイオードは細かい点線、CCFLの色度座標は長めの点線で示さ
れている。また、図12(A)はカラーフィルタの膜厚を1.7μmとした場合の色度座
標であり、図12(B)はカラーフィルタの膜厚を2.5μmとした場合の色度座標であ
る。
【0170】
NTSC色度座標の面積を100%とした場合、冷陰極管を使用した場合では67〜92
%、青色発光ダイオードを使用した場合では72〜101%、紺青色発光ダイオードを使
用した場合87〜110%となった。よって、紺青色発光ダイオードを使用することによ
り色度座標の面積が広くすることができることが確認された。
【0171】
以上のように、発光ダイオードを光源として用いたバックライト装置は色再現範囲を拡大
することができる。よって、このようなバックライト装置を具備することにより、より高
画質な画像を表示することができる高性能な表示装置を作製することができる。
【実施例2】
【0172】
本実施例では本発明に用いる発光ダイオードの特性の測定し、評価を行った。実験結果を
、図11を用いて説明する。
【0173】
発光ダイオードに対して放熱対策を行っていない場合と、本発明を用いて発光ダイオード
を熱電素子を有する筐体に設け、熱電素子による冷却を行った場合との発光ダイオードを
点灯させた時のバックライト装置内の温度変化を測定した。詳しくは、基板(メタルコア
基板)裏面、基板(メタルコア基板)表面、発光ダイオードを覆う樹脂近辺の温度測定を
熱電対にて行った。時間に対する基板表面の温度変化を図11(A)に、基板裏面の温度
変化を図11(B)に、発光ダイオードを覆う樹脂近辺の温度変化を図11(C)に示す
。図11(A)乃至(C)において、熱電素子による放熱対策を行っていないものは細線
、熱電素子による放熱対策を行ったものを太線で示している。本実施例では熱電素子とし
てペルチェ素子を用いた。
【0174】
放熱対策を行っていない場合、基板は50℃(裏面、表面両方において)、発光ダイオー
ド近辺(発光ダイオード樹脂近辺)は60℃になっているのに対し、ペルチェ素子を使用
した場合では、メタルコア基板裏面では20℃、メタルコア基板表面では40℃、発光ダ
イオード近辺(発光ダイオード樹脂近辺)は45℃と発光ダイオードの使用時の温度が低
くなることが確認された。
【0175】
以上のことより、本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱を抑え
る事ができるため、発光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑えるこ
とが出来る。光源の発熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、プリズムフ
ィルムの変形、変質を抑える事が出来る。
【0176】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事が
出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィ
ルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒート
パイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出来
る。
【0177】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。
【実施例3】
【0178】
本実施例では本発明を適用した発光ダイオードの特性を測定し、評価を行った。実験結果
を、図26乃至図28を用いて説明する。
【0179】
発光ダイオードを熱電素子を有する筐体に設け、熱電素子による冷却を行った場合の発光
ダイオードを点灯させた時のバックライト装置内の温度変化を測定した。詳しくは、発光
ダイオードを覆う樹脂近辺の温度測定を熱電対にて行った。
【0180】
試料は、発光ダイオードに対する熱電素子の配置の異なる試料A(A1乃至A3)と、試
料B(B1乃至B3)である。図27及び図28に試料Aと試料Bの構成を示す。図27
及び図28において、図27(A)及び図28(A)は上面図であり、図27(B)は図
27(A)の線X1―Y1における断面図、図28(B)は図28(A)の線X2−Y2
における断面図である。試料Aは、筐体800内において熱電素子802を発光ダイオー
ド801の下側のみに設ける構成であり、筐体800の中央に発光ダイオード801を設
置している(図27(A)(B)参照。)。試料Bは、筐体820内において、発光ダイ
オード821の下側に熱電素子822a、発光ダイオード821の四方を囲むように熱電
素子822b乃至822eが設けられる構成であり、発光ダイオード821を、熱電素子
822aの中央ではなく、熱電素子822b及び822eの近くに配置している(図28
(A)(B)参照。)。
【0181】
試料A1及び試料B1は赤色発光の発光ダイオード、試料A2及び試料B2は緑色の発光
の発光ダイオード、試料A3及び試料B3は青色(ロイヤルブルー)の発光の発光ダイオ
ードである。
【0182】
時間に対する赤色発光を示す試料A1及びB1の発光ダイオードを覆う樹脂近辺の温度変
化を図26(A)に、時間に対する青色発光を示す試料A2及びB2の発光ダイオードを
覆う樹脂近辺の温度変化を図26(B)に、時間に対する緑色発光を示す試料A3及びB
3の発光ダイオードを覆う樹脂近辺の温度変化を図26(C)に、それぞれ示す。図26
(A)乃至(C)において、試料A(A1、A2、A3)は細線、試料B(B1、B2、
B3)は太線で示している。試料A及び試料Bでは熱電素子としてペルチェ素子を用いた
。すべての試料において、発光ダイオードには電流を0.3アンペア(A)流し、熱電素
子には電流を2アンペア(A)流した。
【0183】
図26(A)乃至(C)に示すように、発光ダイオードの下側のみに熱電素子を設けるA
1乃至A3よりも、本発明を用いた発光ダイオードを囲むように5面において熱電素子を
設けるB1乃至B3の方が温度の上昇が抑えられている。従って本発明のように発光ダイ
オードを囲むように熱電素子を設ける構成は、発光ダイオードに対して放熱効果が高いこ
とが確認できる。
【0184】
以上のことより、本発明を用いることにより、光源に用いる発光ダイオードの発熱を抑え
る事ができるため、発光ダイオードの寿命の低下、輝度の低下、色度のシフトを抑えるこ
とが出来る。光源の発熱を抑えることにより、拡散フィルム、反射フィルム、及びプリズ
ムフィルムの変形、及び変質を抑える事が出来る。
【0185】
また、液晶表示パネルの応答速度、コントラスト、色ムラなどの特性の変化を抑える事が
出来、液晶表示パネルに使用されている偏光フィルム、視野角拡大フィルム、位相差フィ
ルムなどの変形、変質、特性低下等も抑えることが出来る。また、ヒートシンク、ヒート
パイプ、冷却ファンなどを必要としないためバックライト装置の厚みを薄くする事が出来
る。
【0186】
よって、本発明により、より色ムラ輝度ムラなどの少ない、信頼性が高いバックライト装
置、さらにそのバックライト装置を具備する、信頼性も高く、かつ高画質な画像を表示す
ることができる高性能な表示装置を作製することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光ダイオードと、
第2の発光ダイオードと、
第3の発光ダイオードと、を有し、
前記第1の発光ダイオードは、赤色の光を発することができる機能を有し、
前記第2の発光ダイオードは、緑色の光を発することができる機能を有し、
前記第3の発光ダイオードは、紺青色の光を発することができる機能を有することを特徴とする照明装置。
【請求項2】
第1の発光ダイオードと、
第2の発光ダイオードと、
第3の発光ダイオードと、を有し、
前記第1の発光ダイオードは、615nm以上635nm以下の範囲に波長のピークを有する光を発することができる機能を有し、
前記第2の発光ダイオードは、515nm以上545nm以下の範囲に波長のピークを有する光を発することができる機能を有し、
前記第3の発光ダイオードは、445nm以上465nm以下の範囲に波長のピークを有する光を発することができる機能を有することを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
熱電素子を有する筐体を有し、
前記筐体は前記第1乃至第3の発光ダイオードを囲む部分を有する形状を有することを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の照明装置と、表示パネルと、を有することを特徴とする表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公開番号】特開2012−182152(P2012−182152A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−133844(P2012−133844)
【出願日】平成24年6月13日(2012.6.13)
【分割の表示】特願2007−68152(P2007−68152)の分割
【原出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】