説明

照明装置付鏡、及び、ドレッサー

【課題】この発明は、顔に影が生じることがなく細部に至るまで注意しながら化粧を行うことができる照明装置付鏡、及び、ドレッサーに関する。
【解決手段】本発明の実施形態に係るドレッサー1は、水平な作業台2とその前に座る使用者を映写可能な鏡3とを具備するものである。そして、このドレッサー1は、前記鏡3の背部における当該鏡3の幅方向の両端側にそれぞれ高さ方向に設けられた収容部4と、該収容部4の下端部にそれぞれ設けられて上方に向けて光を照射する内部光源5と、前記鏡3に設けられて前記内部光源5から照射された光を前記収容部4から前記鏡3の外側へ透過可能とする複数の透過窓6と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、顔に影が生じることがなく細部に至るまで注意しながら化粧を行うことができる照明装置付鏡、及び、ドレッサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、女性が化粧を行う際には居室の照明下において鏡の前で行っていた。しかし、居室の照明下で化粧を行う際には、化粧をする本人が当該照明の光を遮ってしまい、鏡に映る顔全体に光が届かず影が生じるため、細部に至るまで注意しながら化粧を行うことが困難であった。そのため、鏡の幅方向の両外側においてその高さ方向に照明装置が設けられたドレッサーが考案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平08−117037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述のドレッサーにおいては、鏡から高さ方向に一様な光で化粧をする本人を照らすので、室内の照明を同時に併用することで化粧をする本人の鼻の下等に影が生じる可能性があった。
【0005】
この発明は上記のような種々の課題を解決することを目的としてなされたものであって、顔に影が生じることがなく細部に至るまで注意しながら化粧を行うことができる照明装置付鏡、及び、ドレッサーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の照明装置付鏡は、使用者を映写可能な鏡と照明装置とを具備する照明装置付鏡において、前記鏡の背部における当該鏡の幅方向の両端側にそれぞれ高さ方向に設けられた収容部と、前記収納部の内部に設けられた内部光源と、前記鏡の高さ方向に設けられて前記内部光源から照射された光を前記収容部の内部から前記鏡の外側へ透過可能とする透過窓と、を具備することを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の照明装置付鏡は、前記鏡の背部において前記収容部のさらに当該鏡の幅方向の両外側に背部光源が設けられることを特徴としている。
【0008】
請求項3記載のドレッサーは、請求項1又は2記載の照明装置付鏡と水平な作業台とを具備している。
【0009】
請求項4記載のドレッサーは、前記作業台の天板が光を反射可能な反射部材から形成されて成ることを特徴としている。
【0010】
請求項5記載のドレッサーは、前記作業台には施錠可能な引出しが設けられると共に、当該引出しが設けられた箇所における前記作業台の天板には、該引出し内部の収納物を視認可能な窓部が設けられることを特徴としている。
【0011】
請求項6記載のドレッサーは、前記作業台には、引出しが設けられると共に、該引出しには、少なくともその手前側の半分以上を占有する物品収納部と、該物品収納部の奥側に設けられた貴重品収納部と、を具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の照明装置付鏡によれば、前記鏡の背部における当該鏡の幅方向の両端側にそれぞれ高さ方向に設けられた収容部と、前記収納部の内部に設けられた内部光源と、前記鏡の高さ方向に設けられて前記内部光源から照射された光を前記収容部の内部から前記鏡の外側へ透過可能とする透過窓と、を具備している。これにより、透過窓の下方から上方にかけて当該照射窓から照射される光の量を変化させることもでき、使用者の顔の全体を照らしつつも、当該顔の下方からより強い光で該顔を照らすこともできるので、顔全体に影を作ることなく全体的に均一に該顔を照射することができる。従って、使用者は細部に至るまで注意しながら化粧を行うことができる。さらに、前述のように透過窓の下方から上方にかけて当該照射窓から照射される光の量を変化させることもできるので、内部照明を点灯させた際の照明装置付鏡の意匠性を向上させることができる。
【0013】
請求項2記載の照明装置付鏡によれば、前記鏡の背部において前記収容部のさらに当該鏡の幅方向の両外側に背部光源が設けられている。これにより、背部光源を鏡の背部からの間接照明とすることができ、照明装置付鏡の周囲をより明るくすることができると共に、使用者の目に直接光が届くことがないので化粧をする際の妨げになることがない。
【0014】
請求項3記載のドレッサーによれば、請求項1又は2記載の照明装置付鏡と水平な作業台とを具備しているので、作業台にファンデーションやマスカラ等の化粧道具を載置しながら化粧を行うことができる。
【0015】
請求項4記載のドレッサーによれば、前記作業台の天板が光を反射可能な反射部材から形成されて成るので、居室の照明、内部光源による照明、背部光源による照明等の照明の光が反射部材で反射することにより、使用者を下方から照らすことができるので、当該使用者の鼻の下等に影が生じることなく、当該使用者の顔を均一に照らすことができる。
【0016】
請求項5記載のドレッサーによれば、前記作業台には施錠可能な引出しが設けられると共に、当該引出しが設けられた箇所における前記作業台の天板には、該引出し内部の収納物を視認可能な窓部が設けられている。これにより、この引出しにアクセサリー等を収納しておくことで、窓部から複数のアクセサリーを同時に視認することができるので、その日の化粧にあったアクセサリーを容易に選択することができる。また、この引出しは施錠可能であるので、前述のようにアクセサリーを収納していても防犯上も安心である。
【0017】
請求項6記載のドレッサーによれば、前記作業台には、引出しが設けられると共に、該引出しには、少なくともその手前側の半分以上を占有する物品収納部と、該物品収納部の奥側に設けられた貴重品収納部と、を具備している。そのため、引出しを多少引出しただけでは、貴重品収納部が出現しないので、防犯上も安心である。そして、その際には、例えば物品収納部にはティッシュペーパー等を入れておくことができ、さらに、貴重品収納部には引出しの鍵等を好適に入れておくことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明におけるドレッサーの最良の実施形態について、以下に説明する。本発明の実施形態に係るドレッサー1は、図1乃至4に示すように、水平な作業台2とその前に座る使用者を映写可能な鏡3を有する照明装置付鏡Aとから成るものである。そして、この照明装置付鏡Aは、前記鏡3の背部における当該鏡3の幅方向の両端側にそれぞれ高さ方向に設けられた収容部4と、該収容部4の内部に設けられた内部光源5と、前記鏡3の高さ方向に設けられて前記内部光源5から照射された光を前記収容部4の内部から前記鏡3の外側へ透過可能とする透過窓6と、を具備している。
【0019】
前記作業台2は、図1、図2に示すように水平に設けられた台であり、使用者が化粧をする際にファンデーションやマスカラ等の化粧道具を載置することができる。この作業台2には、前述のような化粧道具をはじめヘアブラシやアクセサリー等の種々の物品を収納することができるように複数の引出し7が設けられている。また、作業台2の前には使用者が座るための椅子Cが適宜設置されている。
【0020】
そして、作業台2に設けられた引出し7aには、図1、図2に示すように、施錠部8が設けられており、施錠することができるようになっている。そのため、使用者は、図7(a)に示すように、引出し7a内部にネックレスや指輪等のアクセサリー10を収納しておけば防犯上も安心である。また、引出し7aが設けられた箇所における前記作業台2の天板2aは、アクリルやガラス等の透明な材料から形成されて成る窓部9が設けられている。そのため、窓部9から複数のアクセサリー10を同時に視認することができるので、その日の化粧にあったアクセサリー10を容易に選択することができる。そして、前述のように引出し7a内に収納されたアクセサリー10を取出す際には、図7(b)に示すように、当該引出し7aを引出せばよい。また、引出し7a内部に照明装置等を設けておけば、アクセサリー10をライトアップすることもできる。
【0021】
さらに、作業台2に設けられた引出し7bは、図1、図2、図8に示すように、少なくともその手前側の半分以上を占有する物品収納部11と、該物品収納部11の奥側に設けられた貴重品収納部12とを具備している。そして、例えば図8(a)に示すように、引出し7bの手前側の物品収納部11に箱型のティッシュペーパー13を収納しておき、当該物品収納部11の奥側に設けられた貴重品収納部12には、引出し7aの施錠部8の鍵14を収納する等しておけば、当該鍵14を紛失するおそれがない。さらに、図8(b)に示すように、引出し7bを半分以上引き出した際にも、鍵14を収納した貴重品収納部12は出現しないため、防犯上も安心である。
【0022】
また、作業台2の天板2aが、図1に示すように、アルミ蒸着された合成樹脂等の光を反射可能な反射部材15から形成されて成ることが好ましく、これにより、透過窓6等から照射される光を当該天板2aで上方に反射することができ、使用者の顔を下方から照らして当該顔に影を作ることなく均一に照らすことができる。
【0023】
前記鏡3は、その前に座る使用者を映写可能であり、少なくとも当該使用者の上半身を映写可能な程度の大きさのものが好ましい。ここで、ドレッサー1は、図1に示すように、当該照明装置付鏡Aを壁体16にネジ等の周知の方法で取付け、その下方に作業台2を設置して、該照明装置付鏡Aと該作業台2とを分離してもよく、また、該ドレッサー1は、図2に示すように、照明装置付鏡Aと作業台2とを一体化させたものであってもよい。
【0024】
前記収容部4は、図1、図3、図4等に示すように、鏡3の背部における当該鏡3の幅方向の両端側にそれぞれ高さ方向に設けられている。この収容部4は、本実施形態においては、図3、図4に示すように、鏡3の高さ方向に亘って四角柱状に設けられているが、これに限定されず円柱形等であってもよい。そして、収容部4の内側面4aは、図4に示すように、内部光源5からの光を反射して効率的に透過窓6から鏡3の外側へ光を照射することができるように、反射部材17が設けられている。
【0025】
前記内部光源5は、図3、図4に示すように、収容部4の下端部にそれぞれ設けられて上方に向けて光を照射するものである。この内部光源5としては、例えば、白熱球や、電球型蛍光灯、LED等から適宜選択して使用することができ、その色も白色、暖色の何れであってもよい。そして、内部光源5は収容部4の下端面4bに設けられたソケットS1に電気的に接続され、図外のスイッチにてON、OFFが可能となっている。
【0026】
また、内部光源5は、前述以外にも、図5、図6に示すように、鏡3に設けられた透過窓6の背部における収容部4の内部のソケットS1に電気的に接続されるようにそれぞれ設けられていてもよい。これにより、各内部光源5のそれぞれを個別に点灯させることができるので、居室の照度に応じて適宜点灯させる当該内部光源5を選択することができる。
【0027】
前記透過窓6は、図1、図3、図4等に示すように、鏡3に設けられて内部光源5から照射された光を収容部4の内部から鏡3の外側へ透過可能とするものである。この透過窓6は、本実施形態においては、図3に示すように、正方形状に形成されると共に、その背部に収容部4が設けられた場所において、鏡3の高さ方向にそれぞれ8個ずつ設けられているが、当該透過窓6の形状や数等は本実施形態のものに限定されず、1つの透過窓6が該鏡3の高さ方向に亘って設けられていてもよい。そして、透過窓6は、本実施形態においては、鏡3において当該透過窓6が設けられる箇所の鏡面を周知の化学的処理を施す等して取除いて形成されているが、当該透過窓6の形成方法はこれに限定されず、鏡3をくりぬいてから乳白色のカバーを取付ける等して形成してもよく、また、ハーフミラーであってもよい。
【0028】
そのため、図3、図4に示すように、内部光源5を収容部4の下端部に設けた場合には、当該内部光源5を点灯させた際には、その光は収容部4の内側面4aに設けられた反射部材17を反射しながら下方から上方に向かって進むと共に、その途中で光の一部が透過窓6から鏡3の外側に照射される。これにより、透過窓6の下方から上方にかけて当該透過窓6から照射される光の量が小さくなるので、使用者の顔を下方から照らすことができ当該顔に影を作ることがないと共に、意匠性も向上させることができる。そして、図5、図6に示すように、内部光源5を各透過窓6の背部にそれぞれ設けた場合にも、当該内部光源5から照射される光を効率的に鏡3の外側へ照射することができる。
【0029】
前記背部光源18は、鏡3の背部において収容部4のさらに当該鏡3の幅方向の両外側に設けられている。この背部光源18は、本実施形態においては、図3に示すように、長尺の蛍光灯を好適に使用することができる。そして、鏡3の高さ方向に亘って当該背部光源18が設けられており、暖色や白色のものを適宜選択して使用することができる。また、背部光源18としては、長尺の蛍光灯の他に白熱球や電球型蛍光灯、LED等を鏡3の高さ方向に複数設けてもよいのは勿論である。そして、背部光源18は収容部4の外側面4cから外側方向に突出するように設けられたソケットS2に電気的に接続され、図外のスイッチにてON、OFFが可能となっている。
【0030】
また、背部光源18から照射される光を有効に使用するために、収容部4の外側面4c、及び当該背部光源18が設けられる箇所の鏡3の裏面19には鏡面加工が施されている。これ以外にも、収容部4の外側面4c、及び背部光源18が設けられる箇所の鏡3の裏面19に反射板(不図示)を設ける等してもよい。このように、背部光源18は鏡3の背部からの間接照明とすることができ、ドレッサー1の周囲をより明るくすることができると共に、使用者の目に直接光が届くことがないので化粧をする際の妨げになることがない。また、本実施形態においては、背部光源18としての蛍光灯が露出するように設けられているが、当該は背部光源18を覆うように周知の乳白色のカバー等を取付けてもよい。
【0031】
そして、内部光源5と背部光源18のスイッチはそれぞれ独立して設けられているので、これらのいずれか一方側だけを点灯させることができ、また、両方を同時に点灯させることもできる。
【0032】
以上のような、照明装置付鏡A、及びドレッサー1は一例であり、本実施形態で示したもの以外の周知の構成を必要に応じて付加することができ、また、鏡3が開閉自在となっており、その背面に収納スペースを形成する等してもよい。本発明のドレッサー1を使用することにより、顔に影が生じることがなく細部に至るまで注意しながら化粧を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係るドレッサー1は、住宅内だけでなく、ホテルや商業施設等にも設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施形態に係るドレッサーの全体斜視図
【図2】他の実施形態に係るドレッサーの全体斜視図
【図3】本実施形態に係る照明装置付鏡の正面図
【図4】本実施形態に係る照明装置付鏡の断面図
【図5】他の本実施形態に係る照明装置付鏡の正面図
【図6】他の本実施形態に係る照明装置付鏡の断面図
【図7】本実施形態に係る引出しの上視図
【図8】他の実施形態に係る引出しの上視図
【符号の説明】
【0035】
1 ドレッサー
2 作業台
2a 天板
3 鏡
4 収容部
5 内部光源
6 透過窓
7(7a、7b) 引出し
8 施錠部
9 窓部
11 物品収納部
12 貴重品収納部
15 反射部材
18 背部光源
A 照明装置付鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者を映写可能な鏡と照明装置とを具備する照明装置付鏡において、
前記鏡の背部における当該鏡の幅方向の両端側にそれぞれ高さ方向に設けられた収容部と、
前記収納部の内部に設けられた内部光源と、
前記鏡の高さ方向に設けられて前記内部光源から照射された光を前記収容部の内部から前記鏡の外側へ透過可能とする透過窓と、
を具備することを特徴とする照明装置付鏡。
【請求項2】
前記鏡の背部において前記収容部のさらに当該鏡の幅方向の両外側に背部光源が設けられることを特徴とする請求項1記載の照明装置付鏡。
【請求項3】
請求項1又は2記載の照明装置付鏡と水平な作業台とを具備することを特徴とするドレッサー。
【請求項4】
前記作業台の天板が光を反射可能な反射部材から形成されて成ることを特徴とする請求項3記載のドレッサー。
【請求項5】
前記作業台には施錠可能な引出しが設けられると共に、
当該引出しが設けられた箇所における前記作業台の天板には、該引出し内部の収納物を視認可能な窓部が設けられることを特徴とする請求項3又は4記載のドレッサー。
【請求項6】
前記作業台には、引出しが設けられると共に、
該引出しには、少なくともその手前側の半分以上を占有する物品収納部と、
該物品収納部の奥側に設けられた貴重品収納部と、
を具備することを特徴とする請求項3乃至5記載のドレッサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−110554(P2010−110554A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287717(P2008−287717)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000198787)積水ハウス株式会社 (748)
【Fターム(参考)】