説明

照明装置及びそれを用いた照明器具

【課題】複雑な外部信号制御を要することなく光源毎に独立した光出力制御を容易に行うことのできる照明装置及びそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】1乃至複数の光源1と、光源1に点灯に必要な電力を供給する点灯装置2と、光源1及び点灯装置2にそれぞれ設けられて互いを電気的に接続するための1乃至複数対の接続端子とを備え、光源1又は点灯装置2の少なくとも何れか一方は、複数対の接続端子を有し、光源1と点灯装置2との間には、電力を光源1に供給する複数の電力供給経路が設けられ、光源1側の接続端子と点灯装置2側の接続端子との接続を切り替えることで電力供給経路を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及びそれを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機エレクトロルミネセンス素子(以下、「有機EL素子」と呼ぶ)を光源として、室内などの広い空間を照明する有機EL照明器具が要望されている。ここで、広い空間を照明するために、有機EL素子自体のサイズをそのまま大型化すると、有機EL素子を構成する有機発光層の膜厚を均一に形成することが困難になる。また、電極材料の抵抗による電圧降下等によって、発光むら(輝度むら)が発生し易いなどの不具合を生じる。
【0003】
そこで、従来、単一の有機EL素子を1つの面発光モジュールとし、この面発光モジュールを多数列設し、受電端子、即ち、モジュール端子を並列に接続して点灯電力を供給することにより、広い空間を照明する照明器具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−152009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、デザイン性を考慮して面発光モジュール(光源)毎に光出力を変更したい場合には、光源毎に独立した光出力制御を行う必要がある。また、温度特性や光源の端部(光の重なりが少ない部分)によって生じる光源毎の光出力の差を補正して、全体として光出力を均一化したい場合にも、光源毎に独立した光出力制御を行う必要がある。しかしながら、上記従来例は、列設された複数の光源に一括して点灯電力を供給する構成であるため、光源毎に独立した光出力制御を行う場合には複雑な外部信号制御を必要とする。このため、複雑な外部信号制御を行うために必要な回路を設けることで回路が複雑化し、また、光出力制御の操作が複雑化するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、複雑な外部信号制御を要することなく光源毎に独立した光出力制御を容易に行うことのできる照明装置及びそれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明装置は、1乃至複数の光源と、前記光源に点灯に必要な電力を供給する点灯装置と、前記光源及び前記点灯装置にそれぞれ設けられて互いを電気的に接続するための1乃至複数対の接続端子とを備え、前記光源又は前記点灯装置の少なくとも何れか一方は、複数対の前記接続端子を有し、前記光源と前記点灯装置との間には、電力を前記光源に供給する複数の電力供給経路が設けられ、前記光源側の接続端子と前記点灯装置側の接続端子との接続を切り替えることで前記電力供給経路を切り替えることを特徴とする。
【0008】
この照明装置において、前記光源は、前記点灯装置側の接続端子に対する取り付け角度を変更することで、前記光源側の接続端子と前記点灯装置側の接続端子との接続を切り替えることが好ましい。
【0009】
この照明装置において、前記光源は面発光する面状光源であって、前記光源又は前記点灯装置の何れか一方の複数対の接続端子は、前記点灯装置の高圧側の出力端子に接続される一方の給電用の接続端子と、前記点灯装置の接地側の出力端子に接続される一方の接地用の接続端子とから成り、前記光源又は前記点灯装置の何れか他方の接続端子は、前記光源を設置する際に前記光源の中心位置に配置されて前記一方の接地用の接続端子に接続される他方の接地用の接続端子と、前記他方の接地用の接続端子を中心として周方向に沿って所定の間隔を空けて複数配置されるともに前記一方の給電用の接続端子に接続される他方の給電用の接続端子とから成り、前記光源を前記他方の接地用の接続端子を中心として回転させることで前記一方の給電用の接続端子と前記他方の給電用の接続端子との接続を切り替えることが好ましい。
【0010】
この照明装置において、前記光源には、光源側の接続端子と前記点灯装置側の接続端子との接続を切り替える切替スイッチが設けられることが好ましい。
【0011】
この照明装置において、前記光源は、有機エレクトロルミネセンス素子から成ることが好ましい。
【0012】
本発明の照明器具は、上記何れかの照明装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、光源側の接続端子と点灯装置側の接続端子のとの接続を切り替えるだけで光源に電力を供給する電力供給経路を変更できるので、複雑な外部信号制御を要することなく光源毎に独立した光出力制御を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る照明装置の実施形態1を示す図で、(a)は全体概略図で、(b)は光源の断面図である。
【図2】本発明に係る照明装置の実施形態2を示す図で、(a)は全体概略図で、(b)は光源の外観斜視図で、(c)は(b)の一部省略した断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、それぞれ同上における光源の内部概略図である。
【図4】本発明に係る照明装置の実施形態3を示す図で、(a)は全体概略図で、(b)は光源内部の回路概略図で、(c)は光源内部の具体的な回路構成の一例を示す図で、(d),(e)はそれぞれ光源の配置例を示す光源の斜視図である。
【図5】同上の他の構成を示す図で、(a)は全体概略図で、(b)は光源内部の回路図で、(c)は光源の回転角度と光源側の接続端子との関係を示す表である。
【図6】同上の点灯装置に複数対の接続端子を設けた場合を示す全体概略図である。
【図7】本発明に係る照明装置の実施形態4を示す図で、(a)は全体概略図で、(b)は光源の斜視図で、(c)は(b)の側面図で、(d)は(b)の分解斜視図で、(e)は光源と点灯装置との接続関係を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る照明装置の実施形態5を示す図で、(a)は要部説明図で、(b)は光源内部の回路図で、(c)は他の構成を示す概略図である。
【図9】(a),(b)は、本発明に係る照明器具の実施形態の一例を示す全体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
以下、本発明に係る照明装置の実施形態1について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1(a)に示すように、並列に接続される複数(図示では3つ)の光源1と、各光源1に点灯に必要な電力を供給する点灯装置2と、点灯装置2の高圧側の出力端子及び接地側の出力端子とそれぞれ電気的に接続される3本の給電レール3とを備える。
【0016】
光源1は、有機EL素子を発光体とする有機ELパネルであって、図1(b)に示すように、発光パネル10と、発光パネル10を収納するとともに同図における上面を発光面11Aとする扁平な直方体状のケース11とを備える。発光パネル10は、ガラス基板10Aと、透明電極10Bと、有機発光層10Cと、金属電極10Dと、透明電極10B及び金属電極10Dからそれぞれ引き出される1対のモジュール端子10E,10Fとから構成される。そして、有機発光層10Cを透明電極10Bと金属電極10Dとで挟むことにより、有機層が形成される。
【0017】
ガラス基板10Aは、有機発光層10Cからの発光に対して透光性を有する。透明電極10Bは、ITO(Indium Tin Oxide)蒸着膜から成り、ガラス基板10Aと同様に有機発光層10Cからの発光に対して透光性を有する。また、金属電極10Dは、導電性の薄膜(例えば、アルミニウム蒸着膜)から成り、透光性を有する。透明電極10Bは、一方のモジュール端子10Eに接続されて陽極となり、金属電極10Dは、他方のモジュール端子10Fに接続されて陰極となる。モジュール端子10E,10Fは、光源1の図1(a)における上下に対称な位置に配設され、それぞれ給電線100の一端が接続される。これらモジュール端子10E,10Fが、光源1側の接続端子を構成している。
【0018】
なお、本実施形態では、光源1として有機EL素子を発光体とした有機ELパネルを用いているが、無機EL素子を発光体とした無機ELパネルを用いてもよい。また、光源1としては、LED及びLEDからの出射光を導いて面発光させる導光板とを組み合わせた面光源ユニットを用いてもよい。更には、冷陰極蛍光灯を有する直下式又はエッジライト式の面光源ユニットを光源1として用いてもよい。
【0019】
点灯装置2は、商用電源AC1からの交流電圧を整流する整流部20と、整流部20からの脈流電圧を直流電圧に変換して出力する直流電源部21とを備える。また、点灯装置2には、直流電源部21からの直流電圧を所望の電圧に変換して出力する第1の出力部22と第2の出力部23とが並列に接続されている。
【0020】
整流部20は、例えば4つのダイオード(図示せず)をフルブリッジ接続した回路から構成される。直流電源部21は、例えばスイッチング素子(図示せず)を有するPFC回路から構成され、スイッチング素子は数十kHz〜数百kHzで駆動する。なお、直流電源部21は、上記のPFC回路の代わりに降圧チョッパ回路、昇圧チョッパ回路、昇降圧チョッパ回路などのチョッパ回路を用いてもよい。更には、整流部20、直流電源部21の代わりに単なる直流電源を点灯装置2として用いてもよい。
【0021】
第1の出力部22は、例えばFETから成るスイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、インダクタL1と、コンデンサC1とを備えた降圧チョッパ回路から構成され、スイッチング素子Q1は数十kHz〜数百kHzで駆動する。第2の出力部23は、第1の出力部22と同様に、スイッチング素子Q2と、ダイオードD2と、コンデンサC2とを備えた降圧チョッパ回路から構成され、スイッチング素子Q2は数十kHz〜数百kHzで駆動する。
【0022】
第1の出力部22は、その出力側の接地端子に直列に接続されて負荷電流を検出するための検出抵抗R1を備える。そして、第1の出力部22は、この検出抵抗R1に印加される電圧が反転入力端子に入力されるとともに、基準電圧源22Aからの基準電圧が非反転入力端子に入力される比較器22Bを備える。したがって、これら検出抵抗R1、比較器22Bによって、第1の出力部22の出力電圧が一定の直流電圧となるようにスイッチング素子Q1のオン/オフを切り替えてフィードバック制御される。
【0023】
第2の出力部23は、第1の出力部22と同様に、検出抵抗R2と、この検出抵抗R2に印加される電圧が反転入力端子に入力されるとともに、基準電圧源23Aからの基準電圧が非反転入力端子に入力される比較器23Bとを備える。したがって、第1の出力部22と同様に、これら検出抵抗R2、比較器23Bによって、第2の出力部23の出力電圧が一定の直流電圧となるようにスイッチング素子Q2のオン/オフを切り替えてフィードバック制御される。
【0024】
ここで、第1の出力部22の基準電圧源22Aの基準電圧と、第2の出力部23の基準電圧源23Aの基準電圧とは互いに異なる大きさとなっている。したがって、第1の出力部22を介して点灯装置2から光源1に供給される電力と、第2の出力部23を介して点灯装置2から光源1に供給される電力とは互いに異なる。即ち、本実施形態では、第1の出力部22を介する経路と、第2の出力部23を介する経路とが電力供給経路を構成している。
【0025】
なお、第1の出力部22及び第2の出力部23は、何れも降圧チョッパ回路に限定されるものではなく、直流電圧を出力するものであれば他の回路方式で構成されてもよい。例えば、第1の出力部22及び第2の出力部23をPWM制御によるスイッチング電源で構成した場合、オンデューティ比を変更することで出力電圧を可変することができる。このため、各光源1の光出力の調整や、調光制御を行うことができる。
【0026】
給電レール3は、板状の導電部材から成り、天井又は壁に固定される。そして、3本の給電レール3のうち2本の給電レール30,31は、点灯装置2の第1の出力部22の高圧側の出力端子と、第2の出力部23の高圧側の出力端子とにそれぞれ接続されている。また、残りの1本の給電レール32は、点灯装置2の各出力部22,23の接地側の出力端子に接続されている。即ち、1対の給電レール30,32と、1対の給電レール31,32とで複数対(本実施形態では2対)の点灯装置2側の接続端子を構成している。
【0027】
したがって、高圧側の一方の給電レール30と接地側の給電レール32とにそれぞれ光源1のモジュール端子10E,10Fからの給電線100の他端を接続することで、光源1に第1の出力部22の出力電圧が印加され、光源1が発光する。同様に、高圧側の他方の給電レール31と接地側の給電レール32とにそれぞれ光源1のモジュール端子10E,10Fからの給電線100の他端を接続することで、光源1に第2の出力部23の出力電圧が印加され、光源1が発光する。このように、光源1のモジュール端子10Eからの給電線100の他端を高圧側の給電レール30,31の何れに接続するかで光源1の光出力を変更することができる。即ち、光源1側の接続端子と点灯装置2側の接続端子との接続を切り替えることで電力供給経路を切り替えることができる。
【0028】
なお、光源1側の接続端子と点灯装置2側の接続端子とは、互いに電気的に接続可能な構成であればどのような構成であってもよい。また、例えば給電レール3に速結端子構造を設ければ、給電線100の結線が容易になるために好ましい。
【0029】
上述のように、本実施形態では、光源1側の接続端子と点灯装置2側の接続端子との接続を切り替えるだけで光源1に電力を供給する電力供給経路を変更できるので、複雑な外部信号制御を要することなく光源1毎に独立した光出力制御を容易に行うことができる。具体的に、本実施形態では、図1(a)に示すように、一方の高圧側の給電レール30に中央を挟んだ両側の光源1が並列に接続され、残りの光源1が他方の高圧側の給電レール31に接続されている。このため、中央の光源1を挟んだ両側の光源1は、その光出力を第1の出力部22を介して一括して制御することができる。仮に、全ての光源1の光出力を第1の出力部22を介して一括して制御したい場合には、中央の光源1に接続された給電線100の他端を一方の高圧側の給電レール30に接続するだけでよい。このように、本実施形態では、各光源1を給電レール30〜32に対して自由に取り付けることができるので、各光源1の光出力も容易に変更することができる。
【0030】
ここで、光源1の光出力は、予め設定された電圧(電流)で制御してもよいし、外部信号やコントローラ等によって制御してもよい。外部信号やコントローラ等で制御する場合、同じ電力供給経路上にある光源1を一括で制御することができる。したがって、光源1毎に外部信号制御部やコントローラ等を設ける場合と比較して必要な部材及び回路を簡略化でき、また、同じ明るさが必要な光源1の光出力を一括して制御できる。
【0031】
なお、外部信号制御部やコントローラ等は、電力供給経路毎に用意してもよい。また、初期設定や他のコントローラ等を用いて予め各電力供給経路での供給電力の比又は差等の関係を設定した状態で、1つのコントローラで各電力供給経路上にある光源1の光出力を一括して制御する構成であってもよい。また、上述の各制御をマイコンを用いて行ってもよい。
【0032】
(実施形態2)
以下、本発明に係る照明装置の実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図2(a)に示すように、複数(図示では3つ)の光源1と、点灯装置2とを備え、各光源1に複数対(本実施形態では2対)の接続端子を設けている。なお、各光源1は点灯装置2に対して並列に接続されている。
【0033】
光源1は、図2(b),(c)に示すように、発光パネル10と、発光パネル10を収納するとともに図2(b)における上面(表面)を発光面11Aとする扁平な直方体状のケース11とを備える。なお、本実施形態の発光パネル10は、実施形態1の発光パネル10とは異なり、金属電極10Dに更にガラス層10Gが積層されている。また、本実施形態では、ケース11内に各種電子部品40が実装されたプリント基板4が収納されており、これら電子部品40により後述の電力供給経路を成す回路が構成されている。
【0034】
発光パネル10の1対のモジュール端子(図示せず)は、それぞれプリント基板4上に実装された回路の出力側の電極部(図示せず)に接続されている。そして、プリント基板4上に実装された回路の入力側の電極部には、ケース11の図2(a)における上面(裏面)に露出する複数(図示では3つ)の給電側の端子部V1,V2と、接地側の端子部G1とが接続されている。これら端子部V1,V2,G1は速結端子構造を有しており、点灯装置2からの給電線100の一端が接続されるようになっている。即ち、1対の端子部V1,G1と、1対の端子部V2,G1とで複数対(本実施形態では2対)の光源1側の接続端子を構成している。
【0035】
点灯装置2は、実施形態1と同様に、整流部(図示せず)と、直流電源部(図示せず)とを備える。そして、点灯装置2の高圧側の出力端子と接地側の出力端子とに、それぞれ給電線100の他端が接続される。即ち、点灯装置2の高圧側の出力端子と接地側の出力端子とが、点灯装置2側の接続端子を構成している。
【0036】
以下、光源1に内蔵された電力供給経路を成す回路について図面を用いて説明する。光源1の内部には、図3(a)に示すように、端子部V1,V2と発光パネル10との間に設けられて点灯装置2から供給される直流電圧を所定の直流電圧に制御して出力する出力可変部12が設けられている。出力可変部12は、例えば降圧チョッパ回路やPWM制御によるスイッチング電源から成り、点灯装置2から供給される直流電圧を降圧又は昇圧して出力する。また、光源1の内部には、出力可変部12に駆動用の直流電圧を供給する駆動電源部13が設けられている。なお、出力可変部12及び駆動電源部13の接地側端子は、何れも接地側の端子部G1に接続されている。また、端子部V1と出力可変部12の高圧側の入力端子との間には、端子部V2を介して流れる電流の逆流を防止するためのダイオードD3が挿入されている。
【0037】
ここで、出力可変部12には、端子部V1と接続される出力調整用端子12Aが設けられており、この出力調整用端子12Aに端子部V1を介して電圧が印加されると、出力可変部12の出力電圧を所定の直流電圧に降圧する制御が行われる。したがって、点灯装置2の高圧側の出力端子と端子部V2とが接続される場合と、点灯装置2の高圧側の出力端子と端子部V1とが接続される場合とでは、出力可変部12の出力電圧の大きさが異なってくる。即ち、本実施形態では、端子部V1及び出力可変部12を介する経路と、端子部V2及び出力可変部12を介する経路とがそれぞれ電力供給経路を構成している。このため、点灯装置2の高圧側の出力端子を端子部V1,V2の何れに接続するかを切り替えることで、電力供給経路を切り替えることができる。
【0038】
上述のように、本実施形態では、光源1側の接続端子と点灯装置2側の接続端子との接続を切り替えるだけで光源1に電力を供給する電力供給経路を変更できるので、実施形態1と同様の効果を奏することができる。なお、出力可変部12及び駆動電源部13で電力供給経路を成す回路を構成する代わりに、図3(b)に示すように、第1の出力部22と第2の出力部23とで電力供給経路を成す回路を構成してもよい。ここで、第1の出力部22と発光パネル10との間、及び第2の出力部23と発光パネル10との間には、それぞれ逆流防止用のダイオードD3が挿入されている。この構成の場合は、点灯装置2の高圧側の出力端子を端子部V1,V2の何れに接続するかを切り替えることで、第1の出力部22を介する電力供給経路と第2の出力部23を介する電力供給経路とを切り替えることができる。
【0039】
また、図3(c)に示すように、光源1内部に複数(図示では2枚)の発光パネル10を設け、一方の発光パネル10を第1の出力部22の出力端子と接続し、他方の発光パネル10を第2の出力部23の出力端子と接続する構成であってもよい。この構成の場合、点灯装置2の高圧側の出力端子と端子部V1とが接続されると、一方の発光パネル10が発光する。そして、点灯装置2の高圧側の出力端子と端子部V2とが接続されると、他方の発光パネル10が発光する。このため、点灯装置2の高圧側の出力端子を端子部V1,V2の何れに接続するかを切り替えることで、光源1の光出力を切り替えることができる。このとき、各発光パネル10の発光色を互いに異なる色にしておけば、点灯装置2の高圧側の出力端子を端子部V1,V2の何れに接続するかを切り替えることで、光源1の発光色を切り替えることができる。
【0040】
更に、図3(d)に示すように、端子部V1と第1の出力部22との間を逆流防止用のダイオードD3を介して接続し、端子部V2と第1の出力部22との間に同じく逆流防止用のダイオードD3を挿入する構成であってもよい。この構成の場合、点灯装置2の高圧側の出力端子と端子部V2とが接続されると、一方の発光パネル10が発光する。そして、点灯装置2の高圧側の出力端子と端子部V1とが接続されると、両方の発光パネル10が発光する。このため、上記と同様に、点灯装置2の高圧側の出力端子を端子部V1,V2の何れに接続するかを切り替えることで、光源1の光出力又は発光色を切り替えることができる。
【0041】
(実施形態3)
以下、本発明に係る照明装置の実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態2と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図4(a)に示すように、光源1と、点灯装置2とを備え、光源1のケース11の同図における下面(裏面)に複数対(本実施形態では4対)の接続端子を設けている。
【0042】
光源1は、実施形態2と同様に、発光パネル10(図4(b)参照)と、後述する電力供給回路を成す回路が実装されたプリント基板(図示せず)とを平面視正方形状のケース11に収納して成る。また、ケース11の裏面の中心部には、後述する接地用の接点部2Aが接続される接地側の端子部G1が設けられている。そして、この端子部G1を中心として、後述する給電用の接点部2Bが接続される4つの給電用の端子部V1〜V4が、周方向に沿って等間隔に設けられている。即ち、各々対となる端子部V1,G1、端子部V2,G1、端子部V3,G1、端子部V4,G1が光源1側の接続端子を構成している。
【0043】
点灯装置2は、実施形態1と同様に、整流部(図示せず)と、直流電源部(図示せず)とを備える。そして、点灯装置2の高圧側の出力端子と接地側の出力端子とに、光源1の接地用の端子部G1、及び給電用の端子部V1〜V4の何れかとそれぞれ接続される接地用の接点部2Aと、給電用の接点部2Bとが接続されている。即ち、接地用の接点部2Aと給電用の接点部2Bとが、点灯装置2側の接続端子を構成している。
【0044】
なお、光源1側の端子部V1〜V4,G1と点灯装置2側の接点部2A,2Bとは、互いに電気的に接続できる構成であればよい。例えば、端子部V1〜V4,G1を棒状のピン端子で構成し、接点部2A,2Bをピン端子が挿入されるコネクタで構成してもよい。
【0045】
以下、光源1に内蔵された電力供給経路を成す回路について図面を用いて説明する。光源1の内部には、図4(b)に示すように、端子部V1〜V4と発光パネル10との間に出力可変部12が設けられている。そして、光源1の内部には、端子部V1〜V3に接続されるとともに、端子部V1〜V3の何れに接続されているかに応じて出力可変部12の出力電圧を制御する出力制御部14が設けられている。また、各端子部V1〜V3と出力可変部12との間には、それぞれ逆流防止用のダイオードD3を挿入している。
【0046】
なお、出力制御部14には、各端子部V1〜V3に対応した3つの入力端子14A〜14Cが設けられており、出力制御部14は、どの入力端子14A〜14Cに電圧が印加されたかに応じて出力可変部12の出力電圧が互いに異なる大きさとなるように制御する。即ち、本実施形態では、端子部V1及び出力可変部12を介する経路と、端子部V2及び出力可変部12を介する経路と、端子部V3及び出力可変部12を介する経路と、端子部V4及び出力可変部12を介する経路とが、それぞれ電力供給経路を構成している。このため、給電用の接点部2Aを端子部V1〜V4の何れに接続するかを切り替えることで、電力供給経路を切り替えることができる。
【0047】
ここで、上記の回路とは別に、光源1に内蔵された電力供給経路を成す回路の具体的な回路構成の一例を図4(c)に示す。同図において、各端子部V1〜V4は、それぞれ逆流防止用のダイオードD3を介して出力可変部12の高圧側の入力端子に接続されている。また、各端子部V1〜V4と接地用の端子部G1との間には、それぞれ2つの抵抗を直列に接続した直列抵抗回路16が接続されている。
【0048】
各端子部V1〜V4は、それぞれ一定の直流電圧を出力する調整用電源部15に接続されている。調整用電源部15は、何れかの端子部V1〜V4を介して点灯装置2から供給される直流電圧を所定の直流電圧に降圧して出力する。この調整用電源部15の出力端子には抵抗R0が接続されており、この抵抗R0に対して、抵抗R3,R4の直列回路、抵抗R3,R5の直列回路、抵抗R3,R6の直列回路、抵抗R3,R7の直列回路が並列に接続されている。なお、抵抗R4〜R7の抵抗値は互いに異なる抵抗値となっている。
【0049】
そして、各抵抗R4〜R7に対して、例えばFETから成るスイッチング素子Q3〜Q6がそれぞれ並列に接続されている。これらスイッチング素子Q3〜Q6は、それぞれ直列抵抗回路16で分圧された電圧によりオン/オフを切り替えるように構成されている。例えば、接点部2Bと端子部V1とが接続された場合には、スイッチング素子Q3がオンに切り替わり、他のスイッチング素子Q4〜Q6はオフの状態を維持する。
【0050】
抵抗R0と、抵抗R0に対して並列に接続された各直列回路との接続点は、出力可変部12の出力調整用端子12Aに接続されている。したがって、この出力調整用端子12Aには、調整用電源部15の出力電圧を抵抗R0と上記並列に接続された直列回路とで分圧した電圧が入力される。出力可変部12は、出力調整用端子12Aに入力される電圧値に応じて所定の直流電圧を出力するように構成される。
【0051】
ここで、抵抗R0に対して並列に接続される各直列回路の合成抵抗をZ1とすると、合成抵抗Z1は、その抵抗値がスイッチング素子Q3〜Q7のオン/オフに応じて変動する。例えば、スイッチング素子Q3がオンの場合には、抵抗R3の抵抗R4との接続点がスイッチング素子Q3を介して接地用の端子部G1に接続されるため、抵抗R4の抵抗値の分だけ合成抵抗Z1の抵抗値が変動する。同様に、スイッチング素子Q4がオンの場合、スイッチング素子Q5がオンの場合、スイッチング素子Q6がオンの場合では、それぞれ抵抗R5,R6,R7の抵抗値の分だけ合成抵抗Z1の抵抗値が変動する。即ち、給電用の接点部2Bを何れの端子部V1〜V4に接続するかによって、合成抵抗Z1の抵抗値がそれぞれ互いに異なる抵抗値となるので、出力調整用端子12Aの入力電圧もそれぞれ互いに異なる電圧値となる。
【0052】
したがって、給電用の接点部2Bを何れの端子部V1〜V4に接続するかによって、出力可変部12の出力電圧が互いに異なる大きさとなる。このため、給電用の接点部2Bを端子部V1〜V4の何れに接続するかを切り替えることで、光源1の光出力を切り替えることができる。
【0053】
本実施形態では、光源1を設置する際に接点部2A,2Bに対する光源1の取り付け角度を変更することで、光源1側の接続端子である給電用の端子部V1〜V4と点灯装置2側の接続端子である給電用の接点部2Bとの接続を切り替えることができる。例えば、接地用の接点部2Aと端子部G1とを接続し、給電用の接点部2Bと端子部V1とを接続した状態を基準(回転角度0度)として、光源1を反時計回りに90度回転させると、給電用の接点部2Bと端子部V2とが接続される。同様に、光源1を基準位置から反時計回りに180度回転させると、給電用の接点部2Bと端子部V3とが接続され、光源1を基準位置から反時計回りに270度回転させると、給電用の接点部2Bと端子部V4とが接続される。
【0054】
上述のように、本実施形態では、光源1を接地用の端子部G1を中心として回転させることで給電用の端子部V1〜V4と給電用の接点部2Bとの接続を切り替えることができる。したがって、光源1を回転させるだけで光源1に電力を供給する電力供給経路を変更できるので、光源1の光出力を容易に変更することができる。例えば、図4(d)に示すように、3つの光源1を同図の左右方向に沿って並列に設置した場合に、基準(回転角度が0度)の光源A1を中心とし、その両側に90度回転させた光源A2を配置する。このように光源A1,A2を配置することで、光源A1と光源A2とで光出力を互いに異ならせることができるので、例えば端部にある光源A2の光出力を中心の光源A1の光出力よりも大きくする等、配光を容易に変更することができる。
【0055】
また、図4(e)に示すように、9つの光源1を3行×3列の形で設置した場合に、基準の光源A1を中心とし、その同図における上下左右の両側に90度回転させた光源A2を配置し、対角線上の四隅に180度回転させた光源A3を配置する。このように光源A1〜A3を配置することで、例えば光源A1から離れるに従って光源A2,A3の光出力を光源A1の光出力よりも大きくする等、配光を容易に変更することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、光源1のケース11を平面視正方形状に形成しているが、例えば平面視三角形状、五角形状などの多角形状で形成してもよい。この場合、ケース11の角部の数に応じて端子部の数を変更すればよい。例えば、ケース11が平面視三角形状であれば、1つの接地用の端子部G1を中心として3つの端子部V1〜V3を配設すればよい。
【0057】
ところで、図5(a)に示すように、光源1側に1つの接地用の端子部G1と、3つの給電用の端子部V1〜V3とを設け、点灯装置2側に1つの接地用の接点部2Aと、2つの給電用の端子部2B,2Cとを設けるように構成してもよい。即ち、光源1側の接続端子を上述の4対の端子部から3対の端子部に減らし、代わりに点灯装置2側の接続端子を上述の1対の接点部から2対の接点部に増やしている。
【0058】
この構成では、光源1を設置する際に接点部2A,2Bに対する光源1の取り付け角度を変更することで、光源1側の接続端子である給電用の端子部V1〜V3と点灯装置2側の接続端子である給電用の接点部2B,2Cとの接続を切り替えることができる。例えば、接地用の接点部2Aと端子部G1とを接続し、給電用の接点部2B,2Cと端子部V1,V2とを接続した状態を基準として、光源1を時計回りに90度回転させると、給電用の接点部2B,2Cと端子部V2,V3とが接続される。同様に、光源1を基準位置から時計回りに180度回転させると、給電用の接点部2Bと端子部V3とが接続され、光源1を基準位置から時計回りに270度回転させると、給電用の接点部2Cと端子部V1とが接続される。
【0059】
以下、上記構成の場合の光源1に内蔵された電力供給経路を成す回路の具体的な回路構成の一例を図5(b)に示す。但し、図5(b)に示す回路の基本的な構成は図4(c)に示す回路構成と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。図5(b)において、給電用の端子部V1,V2と接地用の端子部G1との間には、それぞれ直列抵抗回路16が接続されている。また、抵抗R0に対しては、抵抗R3,R4の直列回路と、抵抗R3,R5の直列回路とが並列に接続されており、抵抗R3と抵抗R4との接続点、及び抵抗R3と抵抗R5との接続点には、それぞれスイッチング素子Q3,Q4が接続されている。なお、端子部V3には直列抵抗回路16は接続されておらず、図4(c)に示すような抵抗R3,R6の直列回路、及びスイッチング素子Q5も接続されていない。
【0060】
ここで、抵抗R0に対して並列に接続される各直列回路の合成抵抗をZ2とすると、合成抵抗Z2は、その抵抗値がスイッチング素子Q3,Q4のオン/オフに応じて変動する。例えば、抵抗R0,R3,R4,R5の抵抗値をそれぞれ1kΩ,1kΩ,1kΩ,10kΩとし、調整用電源部15の出力電圧を13Vとする。この場合、図5(c)に示すように、スイッチング素子Q3,Q4が何れもオンの場合、何れもオフの場合、何れか一方のみがオンの場合でそれぞれ合成抵抗Z2の抵抗値が互いに異なる大きさとなる。したがって、出力調整用端子12Aの入力電圧も、上記各々の場合で互いに異なる大きさとなる。
【0061】
即ち、光源1を端子部G1を中心として回転させて各端子部V1〜V3と各接点部2B,2Cとの接続を切り替えることで、各スイッチング素子Q3,Q4のオン/オフを切り替えて出力調整用端子12Aの入力電圧の大きさを変更することができる。ここで、出力調整用端子12Aの入力電圧の大きさは、光源1側の端子部が少なくなっているにも関わらず上記実施形態と同じ4パターンに変更可能である。したがって、上記構成では、光源1側の端子部を少なくすることができるので、光源1に内蔵された電力供給経路を成す回路の部品点数を削減することができ、結果として光源1の小型化及び薄型化を図ることができる。
【0062】
また、図6に示すように、光源1側に1つの接地用の端子部G1と、1つの給電用の端子部V1とを設け、点灯装置2側に1つの接地用の接点部2Aと、4つの給電用の接点部2B〜2Eとを設けるように構成してもよい。即ち、光源1側に1対の接続端子を設け、点灯装置2側に複数対(同図では4対)の接続端子を設ける構成であってもよい。この場合でも、光源1側に複数対の接続端子を設けた場合と同様の効果を奏することができる。なお、この場合の点灯装置2の構成としては、例えば図6に示すように、その内部に互いに異なる直流電圧を出力する直流電源DC1〜DC4を設け、各直流電源DC1〜DC4にそれぞれ給電用の接点部2B〜2Eが接続される構成が考えられる。即ち、各給電用の接点部2B〜2Eにそれぞれ互いに異なる直流電力が供給される構成であればよい。
【0063】
(実施形態4)
以下、本発明に係る照明装置の実施形態4について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態1と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。また、本実施形態の説明では、図7(b)に示す矢印により上下左右方向、及び前後方向を定めるものとする。本実施形態は、図7(a)〜(c)に示すように、光源1は、複数枚(図示では4枚)の正方形状の発光パネル1A〜1Dを前後方向に沿って積層した形でケース11に収納される。そして、ケース11内には、発光パネル1Aの四辺に沿って複数対(図示では4対)の給電レール40〜47が配設されている。なお、各発光パネル1A〜1Dは、何れも実施形態1の発光パネル10と同じ構成である。
【0064】
給電レール40〜47は、何れも前後方向に沿って長尺な板状の導電部材から成る。そして、図7(a)に示すように、発光パネル1Aの右端部において、発光パネル1Aを挟んで上下両側に配設される給電レール40,44は、それぞれ給電用の端子部V1、接地用の端子部G1を構成する。また、発光パネル1Aの下端部において、発光パネル1Aを挟んで左右両側に配設される給電レール41,45は、それぞれ給電用の端子部V2、接地用の端子部G2を構成する。また、発光パネルの左端部において、発光パネル1Aを挟んで上下両側に配設される給電レール42,46は、それぞれ給電用の端子部V3、接地用の端子部G3を構成する。また、発光パネル1Aの上端部において、発光パネル1Aを挟んで左右両側に配設される給電レール43,47は、それぞれ給電用の端子部V4、接地用の端子部G4を構成する。
【0065】
そして、給電用の端子部V1〜V4及び接地用の端子部G1〜G4の何れかの対に点灯装置2の高圧側の出力端子、及び接地側の出力端子を接続することで、点灯装置2から少なくとも何れか1枚の発光パネル1A〜1Dに点灯電力が供給されて発光する。即ち、給電用の端子部V1〜V4及び接地用の端子部G1〜G4が光源1側の複数対(本実施形態では4対)の接続端子を構成し、点灯装置2の高圧側の出力端子、及び接地側の出力端子が点灯装置2側の1対の接続端子を構成している。また、点灯装置2の高圧側の出力端子、及び接地側の出力端子を給電用の端子部V1〜V4及び接地用の端子部G1〜G4の何れの対に接続するかによって、発光パネル1A〜1Dへの電力供給経路を切り替えることができるようになっている。
【0066】
ここで、図7(d)に示すように、発光パネル1Aの1対のモジュール端子(図示せず)が端子部V1,G1にそれぞれ給電線100を介して接続されている状態を基準(回転角度0度)とする。すると、発光パネル1Bの各モジュール端子は、基準位置から時計回りに90度回転した状態で端子部V2,G2にそれぞれ接続される。また、発光パネル1Cの各モジュール端子は、基準位置から時計回りに180度回転した状態で端子部V3,G3に接続される。また、発光パネル1Dの各モジュール端子は、基準位置から時計回りに270度回転した状態で端子部V4,G4に接続される。即ち、発光パネル1A〜1Dを回転させることで、給電用の端子部V1〜V4及び接地用の端子部G1〜G4の対の何れに接続するかを切り替えることができる。
【0067】
上述のように、本実施形態では、光源1側の接続端子と点灯装置2側の接続端子との接続を切り替えるだけで光源1に電力を供給する電力供給経路を変更できるので、実施形態1と同様の効果を奏することができる。例えば、図7(e)に示すように、点灯装置2の高圧側の出力端子、及び接地側の出力端子を給電用の端子部V1及び接地用の端子部G1の対に接続すれば、発光パネル1Aに点灯電力を供給して発光させることができる。このとき、各発光パネル1A〜1Dの発光色を互いに異なる色にしておけば、点灯装置2側の接続端子を光源1側の接続端子の何れに接続するかを切り替えることで、光源1の発光色を切り替えることができる。
【0068】
ところで、本実施形態では、図7(d)に示すように、給電用の端子部V1〜V4及び接地用の端子部G1〜G4の各対に対して1枚ずつ発光パネル1A〜1Dを接続しているが、各対に対して接続される発光パネル1A〜1Dの枚数は1枚に限定されない。例えば、給電用の端子部V1及び接地用の端子部G1の対に対して2枚の発光パネル1A,1Bを接続する構成などであってもよい。この構成に変更するには、発光パネル1Bを反時計回りに90度回転させるだけでよい。したがって、各発光パネル1A〜1Dを回転させるだけで発光させたい発光パネル1A〜1Dの枚数を容易に変更することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、各発光パネル1A〜1Dを正方形状に形成しているが、例えば三角形状、五角形状などの多角形状で形成してもよい。この場合、各発光パネル1A〜1Dの辺の数に応じて端子部の数を変更すればよい。例えば、各発光パネル1A〜1Dが三角形状であれば、6つの給電レール40〜45を用いて給電用の端子部V1〜V3及び接地用の端子部G1〜G3から成る3対の端子部を設ければよい。
【0070】
(実施形態5)
以下、本発明に係る照明装置の実施形態5について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成は実施形態2と共通であるので、共通する部位には同一の番号を付して説明を省略する。本実施形態は、図8(a),(b)に示すように、光源1のケース11の一面にスライド式の切替スイッチSW1を設けたことに特徴がある。
【0071】
光源1には、図8(b)に示すように、点灯装置(図示せず)の高圧側の出力端子と接続される給電用の端子部V0と、接地側の出力端子と接続される接地用の端子部G0とが設けられている。また、光源1には、更に3つの給電用の端子部V1〜V3が設けられており、これら各端子部V1〜V3のうちの何れか1つと、給電用の端子部V0との接続を切り替えるものとして切替スイッチSW1が用いられる。即ち、1対の端子部V1,G0と、1対の端子部V2,G0と、1対の端子部V3,G0とで複数対(本実施形態では3対)の光源1側の接続端子を構成している。また、点灯装置の高圧側の出力端子と接地側の出力端子とで、点灯装置側の接続端子を構成している。
【0072】
切替スイッチSW1は、図8(a)に示すように、ケース11の一面に設けられた矩形状の通孔11B内に配設され、同図における左右方向に沿ってスライド自在となっている。切替スイッチSW1の裏面には、給電用の端子部V0と、給電用の端子部V1〜V3の何れか1つとを択一的に電気的に接続する接点(図示せず)が設けられている。したがって、切替スイッチSW1を同図における左側にスライドさせると給電用の端子部V0,V1が電気的に接続され、同図における中央にスライドさせると給電用の端子部V0,V2が電気的に接続される。また、切替スイッチSW1を同図における右側にスライドさせると、給電用の端子部V0,V3が電気的に接続される。
【0073】
なお、切替スイッチSW1及び通孔11Bは、ケース11の発光面以外の面に設けることで発光面を大きくとることができ、望ましい。また、切替スイッチSW1はスライド式に限定される必要は無く、例えば回転式であってもよい。
【0074】
以下、光源1に内蔵された電力供給経路を成す回路について図面を用いて説明する。光源1の内部には、図8(b)に示すように、端子部V1〜V3と発光パネル10との間に出力可変部12が設けられている。そして、光源1の内部には、端子部V2,V3に接続されるとともに、端子部V2,V3の何れに接続されているかに応じて出力可変部12の出力電圧を制御する出力制御部14が設けられている。また、各端子部V2,V3と出力可変部12との間には、それぞれ逆流防止用のダイオードD3を挿入している。
【0075】
なお、出力制御部14には、各端子部V2,V3に対応した2つの入力端子14A,14Bが設けられており、出力制御部14は、どの入力端子14A,14Bに電圧が印加されたかに応じて出力可変部12の出力電圧が互いに異なる大きさとなるように制御する。即ち、本実施形態では、端子部V1及び出力可変部12を介する経路と、端子部V2及び出力可変部12を介する経路と、端子部V3及び出力可変部12を介する経路とが、それぞれ電力供給経路を構成している。このため、切替スイッチSW1をスライドさせて端子部V0を端子部V1〜V3の何れに接続するかを切り替えることで、電力供給経路を切り替えることができる。
【0076】
上述のように、本実施形態では、光源1側の接続端子と点灯装置2側の接続端子との接続を切り替えることで光源1に電力を供給する電力供給経路を変更できるので、実施形態1と同様の効果を奏することができる。特に、本実施形態では、切替スイッチSW1をスライドさせるだけで電力供給経路を容易に変更することができる。
【0077】
ところで、光源1側に1つの給電用の端子部V0を設け、点灯装置2側に3つの給電用の端子部V1〜V3を設けるように構成してもよい。即ち、光源1側に1対の接続端子を設け、点灯装置2側に複数対(同図では3対)の接続端子を設ける構成であってもよい。この場合でも、光源1側に複数対の接続端子を設けた場合と同様の効果を奏することができる。なお、この場合の点灯装置2の構成としては、例えば図8(c)に示すように、その内部に互いに異なる直流電圧を出力する直流電源DC1〜DC3を設け、各直流電源DC1〜DC3にそれぞれ給電用の端子部V1〜V3が接続される構成が考えられる。即ち、各給電用の端子部V1〜V3にそれぞれ互いに異なる直流電力が供給される構成であればよい。
【0078】
以下、本発明に係る照明器具の実施形態について簡単に説明する。なお、本実施形態の説明では、図9(a)における左右を左右方向とし、紙面手前側を前方向、紙面奥側を後方向と定めるものとする。本実施形態は、図9(a),(b)に示すように、複数枚(本実施形態では3枚)の発光パネル1A〜1Cを有する光源1と、光源1に点灯電力を供給する点灯装置(図示せず)とから成る照明装置を備える。なお、本実施形態の照明装置としては、上記各実施形態の何れを採用しても構わない。
【0079】
光源1は、各発光パネル1A〜1Cをそれぞれ収納する3つのケース11を連結して構成される。隣接する各ケース11の間には、それぞれ発光パネル1Aに対して発光パネル1B,1Cを前傾可能とするヒンジ部6が設けられている。また、光源1の背面には、自身を俯角方向に回動自在に支持する支持部材(図示せず)が設けられており、支持部材には、照明器具の取付対象に引っ掛けられる引っ掛け部5が設けられている。
【0080】
引っ掛け部5は、光源1の後方に延設されて点灯装置を構成する回路が収納される回路収納部50と、回路収納部50の後端に設けられて支持部材との間で照明器具の取付対象を挟み込む板状の挟み部51とを備える。したがって、例えば照明器具の取付対象であるベッドのヘッドボードや、オフィス等で使用されるパーティション等を支持部材と挟み部51とで挟み込むことで、本実施形態を取り付けることができる。
【0081】
上述のように、本実施形態では、上記各実施形態のうちの何れかの照明装置を備えた照明器具を実現することができる。なお、照明器具としては本実施形態に限定される必要は無く、上記各実施形態のうちの何れかの照明装置を採用できるものであればよい。
【0082】
ところで、配置された有機EL素子を発光体とする発光パネルの光出力の制御としては、例えば、隣接する発光パネルの数が少ない発光パネル程、印加される電圧又は電流を大きくする制御が考えられる。隣接する発光パネルの数が少ない発光パネルでは、周囲からの熱を受け難いことから低温となり、光出力が低下する。これは、有機EL素子のインピーダンスが温度に対して負の特性を有するからである。そこで、上記のように制御することで、隣接する発光パネルの数が少ない発光パネルの光出力の低下を補正し、全体として光出力を均一化することができる。また、隣接する発光パネルの数が少ない発光パネルでは、他の発光パネルからの光の重なりが少ないことから、暗く見える。そこで、上記のように制御することで、隣接する発光パネルの数が少ない発光パネルを明るくし、全体として光出力を均一化することができる。
【0083】
一方、隣接する発光パネルの数が多い発光パネルでは、周囲からの熱を受け易いことから高温となり、劣化の進行が早く、短寿命となりがちである。そこで、隣接する発光パネルの数が多い発光パネル程、印加される電圧又は電流を小さくする制御が考えられる。このように制御することで、隣接する発光パネルの数が多い発光パネルの劣化の進行を遅くすることができ、光源全体の商品としての寿命を延ばすことができる。
【0084】
ところで、上記とは逆に、隣接する発光パネルの数が多い発光パネル程、印加される電圧又は電流を大きくする制御も考えられる。このように制御する場合には、隣接する発光パネルの数が多くなる光源の中央部での光出力を大きくすることができるので、狭い範囲を集中的に照らしたり、光のメリハリをつけたりすることができる。
【符号の説明】
【0085】
1 光源
2 点灯装置
3 給電レール(接続端子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1乃至複数の光源と、前記光源に点灯に必要な電力を供給する点灯装置と、前記光源及び前記点灯装置にそれぞれ設けられて互いを電気的に接続するための1乃至複数対の接続端子とを備え、前記光源又は前記点灯装置の少なくとも何れか一方は、複数対の前記接続端子を有し、前記光源と前記点灯装置との間には、電力を前記光源に供給する複数の電力供給経路が設けられ、前記光源側の接続端子と前記点灯装置側の接続端子との接続を切り替えることで前記電力供給経路を切り替えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記光源は、前記点灯装置側の接続端子に対する取り付け角度を変更することで、前記光源側の接続端子と前記点灯装置側の接続端子との接続を切り替えることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源は面発光する面状光源であって、前記光源又は前記点灯装置の何れか一方の複数対の接続端子は、前記点灯装置の高圧側の出力端子に接続される一方の給電用の接続端子と、前記点灯装置の接地側の出力端子に接続される一方の接地用の接続端子とから成り、前記光源又は前記点灯装置の何れか他方の接続端子は、前記光源を設置する際に前記光源の中心位置に配置されて前記一方の接地用の接続端子に接続される他方の接地用の接続端子と、前記他方の接地用の接続端子を中心として周方向に沿って所定の間隔を空けて複数配置されるともに前記一方の給電用の接続端子に接続される他方の給電用の接続端子とから成り、前記光源を前記他方の接地用の接続端子を中心として回転させることで前記一方の給電用の接続端子と前記他方の給電用の接続端子との接続を切り替えることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源には、光源側の接続端子と前記点灯装置側の接続端子との接続を切り替える切替スイッチが設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源は、有機エレクトロルミネセンス素子から成ることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の照明装置を備えたことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−94269(P2012−94269A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238390(P2010−238390)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】