照明装置
本発明は、照明装置により生成される光の黒体軌跡からの実質的な逸脱なしに色が可変である照明装置を提供する。その照明装置はまた、その照明装置により生成される光の色点の実質的なずれなしに調光可能である。照明装置は少なくとも2つのCDMランプに基づいている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1光源及び第2光源を有する照明装置であって、それぞれ第1光源は第1セラミック放電容器を有し、第2光源は第2セラミック放電容器を有し、第1光源は第1色温度を有する第1放射線を生成するように備えられ、第2光源は第2色温度を有する第2放射線を生成するように備えられ、それにより、照明装置は第3色温度を有する光を生成する、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる色温度の2つの光源を有する照明装置については、当該技術分野で知られている。蛍光ランプの分野では、米国特許出願公開第2005/0225986号明細書においては、凹面反射鏡及び少なくとも2つのランプ(低圧水銀蒸気放電ランプ)を有する特定の照明装置について開示されている。
【0003】
2つ又はそれ以上の光源を有する照明装置はまた、高強度放電ランプ(HIDランプ)の分野で知られている。例えば、韓国特許出願公開第2002/093743号明細書においては、2つ又は3つの発光管が単独の外郭内に備えられている高強度放電ランプについて開示されている。各々の発光管は異なる色温度を有する。発光管は、外郭内に直線形状又は三角形形状に備えられている。特開平10−312897号公報においては、光の色を変化することなく、所謂、調光可能なメタルハライドランプにより広い入力範囲に亘る連続的な調光が可能な照明システムについて開示されている。発光管は光透過性材料から成り、石英又はガラスから成る外郭内に備えられている。発光管と外郭との間の閉じた空間は真空であるか又は低圧の希ガスで満たされていて、外側は空気などであり、発光管は、発光管の冷却を制限する温度において厳密に絶縁される。発光管は、ベースに接続されている外部のリード線を介して照明回路に接続される。
【0004】
高強度放電メタルハライドランプ自体については、例えば、欧州特許第0215524号明細書及び国際公開第2006/046175号パンフレットに記載されている。そのようなランプは高圧下で動作し、イオン化可能ガス、例えば、NaI(ヨウ化ナトリウム)、TlI(ヨウ化タリウム)、CAI2(ヨウ化カルシウム)及び/又はREInが充填されている。重要なメタルハライドランプのクラスはセラミック放電メタルハライドランプ(CDMランプ)である。そのようなランプの放電容器に添加される放電可能充電物(希土類塩)が、放電ランプが動作されるときに飽和蒸気をもたらす量だけ添加され、それにより、凝縮相の状態でその充填物の一部を残す。ランプの使用中に飽和蒸気をもたらす量だけ充填物を添加する有効な理由は、使用中には、塩は、放電容器内で放電容器の壁及び/又は他の元素と反応し、そのことは充填物の量の減少に繋がる可能性があることである。それ故、一定の出力を有する放電ランプを目的とするとき、飽和状態のガスの充填を与えることが必要条件であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0225986号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2002/093743号明細書
【特許文献3】特開平10−312897号公報
【特許文献4】欧州特許第0215524号明細書
【特許文献5】国際公開第2006/046175号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セラミック放電ランプの調光における周知の課題は、黒体線(“プランク軌跡”又は“黒体軌跡”(“BBL”))から緑色に移行することである。従って、一般に、従来技術のメタルハライドランプを調光するとき、不所望の色(温度)を有する光が得られる。
【0007】
当該技術分野の照明装置の状態と比べて改善された(測光)特性を好適に有する少なくとも2つの光源を有する択一的な照明装置を提供することは好ましい。
【0008】
調光可能な照明装置を提供することは好ましい。調光するとき、更に、(一定のCCT(相関色温度)でランプを調光するときに)色点のずれがない又は実質的なずれがないことは好ましいことである。
【0009】
更に、黒体軌跡からの何れの実質的なずれなしに、色点が黒体軌跡(BBL)に沿って変化することが可能であるCDMランプを提供することは好ましい。例えば、2つのCDMランプが用いられるとき、ランプのパワーを変化させるにつれて各々の別個のランプの色点がずれる速度は、システムにおける2つのセラミック放電容器(バーナ)についての一種の色点の重み付け平均であるため、可変色システムの得られる色点についてかなり適切である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明に従って、照明装置が調光されるときに照明装置により生成される光の色点の実質的な移動を伴わずに、又は照明装置により生成される色温度が可変であるときに黒体軌跡からの照明装置により生成される光の実質的なずれなしに、調光可能な照明装置が提供される。本発明の特徴に従って、本発明は、光を生成するように備えられている照明装置であって:
(a)2つの電極(第1セラミック放電容器により包囲された)を有する第1セラミック放電容器を有する第1光源であって、第1放電容器は第1イオン化可能ガス充填物を有する第1放電体積を包囲している、第1光源と;
(b)2つの電極(第1セラミック放電容器により包囲された)を有する第2セラミック放電容器を有する第2光源であって、第2放電容器は第2イオン化可能ガス充填物を有する第2放電体積を包囲している、第2光源と;
(c)第1放射線の強度及び第2放射線の強度を有する群から選択される1つ又はそれ以上のパラメータを制御する制御器と;
を有する、照明装置であり、
(d)第1光源は第1色温度を有する第1放射線を生成するように備えられていて、第2光源は第2色温度を有する第2放射線を生成するように備えられていて、それにより、装置が第3色温度を生成し;
(e)第1イオン化可能ガス充填物は、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有し、第1放電容器内のそれぞれの成分の濃度h(μg/cm3)は次式を満足し、
logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logz (1)
Tcsは第1光源の公称動作中の第1放電容器の最零点温度(K°)であり、A、B及びCは表1において定められていて、Tcsは少なくとも1100°Kであり、そしてzは0.001乃至2の範囲内にある。
【0011】
【表1】
【0012】
本発明の実施形態について、以下、一致する参照番号が一致する構成要素を示す、例示としての添付図を参照して詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】セラミック放電容器の模式図である。
【図2a】バラスト及び電源のような周辺装置を伴わない光源の模式図である。
【図2b】バラスト及び電源のような周辺装置を伴わない光源の模式図である。
【図3a】放電容器内の最冷点温度がどのように予測されるかを示す模式図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1光源及び第2光源を有する照明装置であって、それぞれ第1光源は第1セラミック放電容器を有し、第2光源は第2セラミック放電容器を有し、第1光源は第1色温度を有する第1放射線を生成するように備えられ、第2光源は第2色温度を有する第2放射線を生成するように備えられ、それにより、照明装置は第3色温度を有する光を生成する、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる色温度の2つの光源を有する照明装置については、当該技術分野で知られている。蛍光ランプの分野では、米国特許出願公開第2005/0225986号明細書においては、凹面反射鏡及び少なくとも2つのランプ(低圧水銀蒸気放電ランプ)を有する特定の照明装置について開示されている。
【0003】
2つ又はそれ以上の光源を有する照明装置はまた、高強度放電ランプ(HIDランプ)の分野で知られている。例えば、韓国特許出願公開第2002/093743号明細書においては、2つ又は3つの発光管が単独の外郭内に備えられている高強度放電ランプについて開示されている。各々の発光管は異なる色温度を有する。発光管は、外郭内に直線形状又は三角形形状に備えられている。特開平10−312897号公報においては、光の色を変化することなく、所謂、調光可能なメタルハライドランプにより広い入力範囲に亘る連続的な調光が可能な照明システムについて開示されている。発光管は光透過性材料から成り、石英又はガラスから成る外郭内に備えられている。発光管と外郭との間の閉じた空間は真空であるか又は低圧の希ガスで満たされていて、外側は空気などであり、発光管は、発光管の冷却を制限する温度において厳密に絶縁される。発光管は、ベースに接続されている外部のリード線を介して照明回路に接続される。
【0004】
高強度放電メタルハライドランプ自体については、例えば、欧州特許第0215524号明細書及び国際公開第2006/046175号パンフレットに記載されている。そのようなランプは高圧下で動作し、イオン化可能ガス、例えば、NaI(ヨウ化ナトリウム)、TlI(ヨウ化タリウム)、CAI2(ヨウ化カルシウム)及び/又はREInが充填されている。重要なメタルハライドランプのクラスはセラミック放電メタルハライドランプ(CDMランプ)である。そのようなランプの放電容器に添加される放電可能充電物(希土類塩)が、放電ランプが動作されるときに飽和蒸気をもたらす量だけ添加され、それにより、凝縮相の状態でその充填物の一部を残す。ランプの使用中に飽和蒸気をもたらす量だけ充填物を添加する有効な理由は、使用中には、塩は、放電容器内で放電容器の壁及び/又は他の元素と反応し、そのことは充填物の量の減少に繋がる可能性があることである。それ故、一定の出力を有する放電ランプを目的とするとき、飽和状態のガスの充填を与えることが必要条件であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0225986号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2002/093743号明細書
【特許文献3】特開平10−312897号公報
【特許文献4】欧州特許第0215524号明細書
【特許文献5】国際公開第2006/046175号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セラミック放電ランプの調光における周知の課題は、黒体線(“プランク軌跡”又は“黒体軌跡”(“BBL”))から緑色に移行することである。従って、一般に、従来技術のメタルハライドランプを調光するとき、不所望の色(温度)を有する光が得られる。
【0007】
当該技術分野の照明装置の状態と比べて改善された(測光)特性を好適に有する少なくとも2つの光源を有する択一的な照明装置を提供することは好ましい。
【0008】
調光可能な照明装置を提供することは好ましい。調光するとき、更に、(一定のCCT(相関色温度)でランプを調光するときに)色点のずれがない又は実質的なずれがないことは好ましいことである。
【0009】
更に、黒体軌跡からの何れの実質的なずれなしに、色点が黒体軌跡(BBL)に沿って変化することが可能であるCDMランプを提供することは好ましい。例えば、2つのCDMランプが用いられるとき、ランプのパワーを変化させるにつれて各々の別個のランプの色点がずれる速度は、システムにおける2つのセラミック放電容器(バーナ)についての一種の色点の重み付け平均であるため、可変色システムの得られる色点についてかなり適切である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明に従って、照明装置が調光されるときに照明装置により生成される光の色点の実質的な移動を伴わずに、又は照明装置により生成される色温度が可変であるときに黒体軌跡からの照明装置により生成される光の実質的なずれなしに、調光可能な照明装置が提供される。本発明の特徴に従って、本発明は、光を生成するように備えられている照明装置であって:
(a)2つの電極(第1セラミック放電容器により包囲された)を有する第1セラミック放電容器を有する第1光源であって、第1放電容器は第1イオン化可能ガス充填物を有する第1放電体積を包囲している、第1光源と;
(b)2つの電極(第1セラミック放電容器により包囲された)を有する第2セラミック放電容器を有する第2光源であって、第2放電容器は第2イオン化可能ガス充填物を有する第2放電体積を包囲している、第2光源と;
(c)第1放射線の強度及び第2放射線の強度を有する群から選択される1つ又はそれ以上のパラメータを制御する制御器と;
を有する、照明装置であり、
(d)第1光源は第1色温度を有する第1放射線を生成するように備えられていて、第2光源は第2色温度を有する第2放射線を生成するように備えられていて、それにより、装置が第3色温度を生成し;
(e)第1イオン化可能ガス充填物は、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有し、第1放電容器内のそれぞれの成分の濃度h(μg/cm3)は次式を満足し、
logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logz (1)
Tcsは第1光源の公称動作中の第1放電容器の最零点温度(K°)であり、A、B及びCは表1において定められていて、Tcsは少なくとも1100°Kであり、そしてzは0.001乃至2の範囲内にある。
【0011】
【表1】
【0012】
本発明の実施形態について、以下、一致する参照番号が一致する構成要素を示す、例示としての添付図を参照して詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】セラミック放電容器の模式図である。
【図2a】バラスト及び電源のような周辺装置を伴わない光源の模式図である。
【図2b】バラスト及び電源のような周辺装置を伴わない光源の模式図である。
【図3a】放電容器内の最冷点温度がどのように予測されるかを示す模式図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を生成するように備えられている照明装置であって:
a)2つの電極を有する第1セラミック放電容器を有する第1光源であって、前記第1セラミック放電容器は第1イオン化可能ガス充填物を有する第1放電体積を囲んでいる、第1光源;
b)2つの電極を有する第2セラミック放電容器を有する第2光源であって、前記第2セラミック放電容器は第2イオン化可能ガス充填物を有する第2放電体積を囲んでいる、第2光源;及び
c)前記第1放射線の強度及び前記第2放射線の強度を有する群から選択された1つ又はそれ以上のパラメータを制御する制御器;
を有する照明装置であり、
d)前記第1光源は、第1色温度を有する第1放射線を生成するように備えられていて、前記第2光源は、第2色温度を有する第2放射線を生成するように備えられていて、前記照明装置は、それにより、第3色温度を有する光を生成し;
e)第1イオン化可能ガス充填は、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有し、μg/cm3で表される第1放電容器内のそれぞれの成分の濃度hは次式を満足し、
logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logz (1)
Tcsは前記第1光源の公称動作中の絶対温度で表される第1放電容器の最零点温度であり、A、B及びCは次の表1のように定められていて、
【表6】
Tcsは少なくとも1100°Kであり、zは0.001乃至2の範囲内にある;
照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、前記第1イオン化可能ガス充填物はインジウムヨウ化物を有する、照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置であって、zは1に等しい又は1より小さい、照明装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明装置であって、zは0.5に等しい又は0.5より小さい、照明装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1放電容器は、前記第1光源の公称動作中に少なくとも1200°Kの最冷点温度Tcsを有するように備えられている、照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1放電容器は、前記第1光源の公称動作中に少なくとも1350乃至1600°Kの範囲内に最冷点温度Tcsを有するように備えられている、照明装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の照明装置であって、3つ以上の光源を有する、照明装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1色点と前記第2色点との間の差は少なくとも1400°Kである、照明装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1光源は、少なくとも6000°Kの第1色点を有する放射線を生成するように備えられ、前記第2光源は、せいぜい4000°Kの第2色点を有する放射線を生成するように備えられている、照明装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第3色温度は少なくとも
2700乃至7000°Kの範囲において可変である、照明装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1放射性の前記第1色温度及び前記第2放射線の前記第2色温度は、前記第1光源及び前記第2光源のそれぞれの公称動作中に5SDCMより小さい黒体軌跡までの距離を有する、照明装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第3色温度は、5SDCMより小さい黒体軌跡までの距離を有する、照明装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第2イオン化可能ガス充填物はまた、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有し、単位μg/cm3で表される前記第2放電容器におけるそれぞれの成分の濃度hは式logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logzを満足し、Tcsは前記第2光源の公称動作中の絶対温度で表される前記放電容器の前記最冷点温度であり、そしてA、B、C、z及びTcsは請求項1に記載のようになっている、照明装置。
【請求項14】
請求項1乃至13に記載の照明装置であって、前記第2イオン化可能ガス充填物はDyI3を有し、第2放電容器におけるDyI3の濃度hは請求項13に記載の式logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logzを満足する、照明装置。
【請求項15】
請求項1乃至14に記載の照明装置であって、前記第1放電容器及び前記第2放電容器は1つの外囲器に囲まれている、照明装置。
【請求項16】
請求項1乃至15に記載の照明装置であって、前記第1光源及び前記第2光源はリフレクタにより少なくとも一部が囲まれていて、前記リフレクタは前記第1放射線及び前記第1放射線を混合するように備えられている、照明装置。
【請求項17】
請求項1乃至16に記載の照明装置であって、前記照明装置により生成される前記光の前記第3色温度を測定し、前記測定された第3色温度を表す信号を生成するように備えられている1つ又はそれ以上のセンサを更に有し、前記制御器は、所定の値に依存して前記光の前記第3色温度を制御する制御信号を生成するように備えられ、前記制御信号は前記1つ又はそれ以上のセンサにより生成される、照明装置。
【請求項1】
光を生成するように備えられている照明装置であって:
a)2つの電極を有する第1セラミック放電容器を有する第1光源であって、前記第1セラミック放電容器は第1イオン化可能ガス充填物を有する第1放電体積を囲んでいる、第1光源;
b)2つの電極を有する第2セラミック放電容器を有する第2光源であって、前記第2セラミック放電容器は第2イオン化可能ガス充填物を有する第2放電体積を囲んでいる、第2光源;及び
c)前記第1放射線の強度及び前記第2放射線の強度を有する群から選択された1つ又はそれ以上のパラメータを制御する制御器;
を有する照明装置であり、
d)前記第1光源は、第1色温度を有する第1放射線を生成するように備えられていて、前記第2光源は、第2色温度を有する第2放射線を生成するように備えられていて、前記照明装置は、それにより、第3色温度を有する光を生成し;
e)第1イオン化可能ガス充填は、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有し、μg/cm3で表される第1放電容器内のそれぞれの成分の濃度hは次式を満足し、
logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logz (1)
Tcsは前記第1光源の公称動作中の絶対温度で表される第1放電容器の最零点温度であり、A、B及びCは次の表1のように定められていて、
【表6】
Tcsは少なくとも1100°Kであり、zは0.001乃至2の範囲内にある;
照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、前記第1イオン化可能ガス充填物はインジウムヨウ化物を有する、照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置であって、zは1に等しい又は1より小さい、照明装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の照明装置であって、zは0.5に等しい又は0.5より小さい、照明装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1放電容器は、前記第1光源の公称動作中に少なくとも1200°Kの最冷点温度Tcsを有するように備えられている、照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1放電容器は、前記第1光源の公称動作中に少なくとも1350乃至1600°Kの範囲内に最冷点温度Tcsを有するように備えられている、照明装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の照明装置であって、3つ以上の光源を有する、照明装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1色点と前記第2色点との間の差は少なくとも1400°Kである、照明装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1光源は、少なくとも6000°Kの第1色点を有する放射線を生成するように備えられ、前記第2光源は、せいぜい4000°Kの第2色点を有する放射線を生成するように備えられている、照明装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第3色温度は少なくとも
2700乃至7000°Kの範囲において可変である、照明装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第1放射性の前記第1色温度及び前記第2放射線の前記第2色温度は、前記第1光源及び前記第2光源のそれぞれの公称動作中に5SDCMより小さい黒体軌跡までの距離を有する、照明装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第3色温度は、5SDCMより小さい黒体軌跡までの距離を有する、照明装置。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の照明装置であって、前記第2イオン化可能ガス充填物はまた、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有し、単位μg/cm3で表される前記第2放電容器におけるそれぞれの成分の濃度hは式logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logzを満足し、Tcsは前記第2光源の公称動作中の絶対温度で表される前記放電容器の前記最冷点温度であり、そしてA、B、C、z及びTcsは請求項1に記載のようになっている、照明装置。
【請求項14】
請求項1乃至13に記載の照明装置であって、前記第2イオン化可能ガス充填物はDyI3を有し、第2放電容器におけるDyI3の濃度hは請求項13に記載の式logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logzを満足する、照明装置。
【請求項15】
請求項1乃至14に記載の照明装置であって、前記第1放電容器及び前記第2放電容器は1つの外囲器に囲まれている、照明装置。
【請求項16】
請求項1乃至15に記載の照明装置であって、前記第1光源及び前記第2光源はリフレクタにより少なくとも一部が囲まれていて、前記リフレクタは前記第1放射線及び前記第1放射線を混合するように備えられている、照明装置。
【請求項17】
請求項1乃至16に記載の照明装置であって、前記照明装置により生成される前記光の前記第3色温度を測定し、前記測定された第3色温度を表す信号を生成するように備えられている1つ又はそれ以上のセンサを更に有し、前記制御器は、所定の値に依存して前記光の前記第3色温度を制御する制御信号を生成するように備えられ、前記制御信号は前記1つ又はそれ以上のセンサにより生成される、照明装置。
【図3a】放電容器内の最冷点温度がどのように予測されるかを示す模式図である。
【図4a】本発明に従った照明装置の模式図である。
【図4b】本発明に従った照明装置の模式図である。
【図5】本発明に従った照明装置の更なる実施形態の模式図である。
【図6】本発明に従った照明装置で用いるための第1光源の実施形態を示す複数のランプの色点の変化であって、この場合にはInIに基づく本発明に従った照明装置で用いる第1光源の変化を示す図である。
【図7a】CCTが変化するときに、本発明に従った照明装置の実施形態により得られる色点変化の模式図である。
【図7b】一定のCCTのときに、本発明に従った照明装置の実施形態により得られる色点変化の模式図である。
【図8a】従来技術のランプ(約3000°KのCCT)のスペクトルを示す図である。
【図8b】本明細書で説明している第1光源(約6800°KのCCTを有するヨウ化インジウムランプ)のスペクトルを示す図である。
【図8c】本発明の実施形態に従った混合したスペクトル(約3900°K)のスペクトルを示す図である。
【図9】70乃至100Wの電力における図8bのランプの調光性を示す図であって、楕円は色適合(5SDCM)範囲の5倍の標準偏差を示す、図である。
【図10】70乃至100Wの電力における図8bのランプの視感度及び演色指数を示す図である。
【図11】本発明の照明装置で用いる第1光源の他の実施形態のスペクトルであって、その照明装置で用いる第1光源はこの場合にはDyI3に基づいている、スペクトルを示す図である。
【図12】図11のランプの色点の変化を示す図である。
【図13】図11のランプのRa及び視感度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の照明装置は、2つの(又はそれ以上の)特定のCDMランプの組み合わせとしての近似により表されることが可能である。より良好な理解のために、セラミック放電メタルハライドランプの放電容器について、先ず、一般的に説明し、次いで、第1光源についてより詳細に説明し、続いて、第2光源について説明し、最後に、照明装置及びそれらの複数の組み合わせについて詳細に説明する。特に断りのない限り又は本明細書から明らかであるように、“公称動作”、“最冷点温度”等(下記参照)のここで与えられる定義は、第1光源及び第2光源の両方に適用される。
【0015】
一般のCDMランプ及び放電容器
CDMランプはまたときどき、CDMランプはHIDランプのクラスに属すために、CDM HIDランプとして表される。本発明の照明装置の光源はセラミック放電容器(又はバーナ)を有する。このことは特に、セラミック放電容器の壁は、単結晶のサファイヤ及び密に焼結された多結晶のアルミナ(又は、PCAとして知られている)等の半透明の結晶の金属酸化物、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)及びYOX(イットリウムアルミニウム酸化物)、AlN等の透明な金属窒化物を好適に有する。その容器の壁は、当該技術分野で知られているように(下記も参照されたい)、1つ又はそれ以上の(焼結された)構成要素を有することが可能である。
【0016】
本発明の照明装置の放電容器の実施形態については、図1及び2を参照して下で説明する。しかしながら、本発明の照明装置の光源及び放電容器は、下で説明している及び/又は図1及び2に示している実施形態に限定されるものではない。それらの図は、本発明の照明装置の光源及び/又は放電容器の1つのみを示している。本発明の照明装置は、しかしながら、そのような放電容器(また、“バーナ”として知られている)の2つ又はそれ以上を有する。
【0017】
図1及び2においては、放電容器3は模式的に示されている。電流リードスルー導体20、21は2つのそれぞれのシール10(当該技術分野で知られている封止用フリット)により封止されている。しかしながら、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。電流リードスルー導体20、21の1つ又は両方は、例えば、放電容器3内に直接、焼結されているランプ(光源)がまた、適用されることが可能である。
【0018】
両方の電流リードスルー導体20、21が放電容器3内にシール10により封止されている特定の実施形態についてここで、詳細に説明する。2つの電極4、5,例えば、相互距離EAを有するチップ4b、5bを有するタングステン電極が、それらの間の放電経路を定めるように放電空間11内に備えられている。円筒形の放電容器3は、少なくとも距離EAにおいて内径Dを有する。各々の電極4、5は、容器壁31(即ち、参照番号33a、33b)と電極チップ4b、5bとの間の下部の距離に対してチップを形成する長さに亘って放電容器3の内部に延びている。放電容器3は、放電空間の端面33a、33bを形成する端壁部32a、32bによりどちらの側においても閉じている。端へ基部32a、32bは各々、セラミック突出プラグ34、35が焼結ジョイントSにより端壁部32a、32bにおいて気密性を有するように嵌め込まれている。放電管3はそれらのセラミック突出プラグ34、35により閉じられていて、それらの突出プラグは、狭い介在空間を伴って放電空間内に位置している電極4、5のうちの1つに、そして放電空間11から離れた端部における融解セラミックジョイント10(更に、シール10として示されている)により気密性を有するようにこの導体に接続されている。セラミック放電容器壁30は、ここでは、容器壁31、セラミック突出プラグ34、35及び端壁部32a、32bを有する。
【0019】
放電容器3は、スタンドアロン型ランプにおいて一端部においてランプキャップ(図示せず)を備えている外側バルブ100により囲まれている。実施形態においては、照明装置(下記参照)は、全体の照明装置(即ち、2つの光源を有する装置について1つのランプキャップ)を備える1つのランプキャップを有することが可能である。更に、図2a及び2bは、外囲器100当たり1つの放電容器3を示しているが、実施形態においては、外囲器100は、2つ以上の放電容器(例えば、第1及び第2放電容器)を有することが可能である。照明装置については、下の“照明装置”の節で更に詳細に説明する。
【0020】
放電は、光源が動作しているときに、電極4と5との間に広がる。電極4は、電流導体8を介して第1電気コンタクト(図示せず)に接続されている。電極5は、電流導体9を介して第2電気コンタクト(図示せず)に接続されている。
【0021】
各々のセラミック突出プラグ34、35は、チップ4b、5bを備えている電極ロッド4a、5aを有する関連電極4、5の電流リードスルー導体20、21を封入している。電流リードスルー導体20、21は放電容器3の中に入っている。電流リードスルー導体20、21は各々、実施形態においては、例えば、シール10により気密性を有するようにそれぞれの端部プラグ34、35に対して固定される部分及びMo−Al2O3サーメットの形でハロゲン化物耐性のある部分41、51を有することが可能である。シール10は、例えば、Moサーメット41において約1乃至5mmの範囲内のある距離に亘って延びている(セラミック封止材料は、封止中に端部プラグ34、35における自由空間に貫入される)。それらの構成要素41、51が、Mo−Al2O3サーメットからに代えて代替の方式で形成されることが可能である。他の有効な構成については、例えば、欧州特許第0587238号明細書(Moコイル−ロッド構成について記載されている)に開示されている。特定の適切な構成はハロゲン化物耐性材料であることが判明している。それらの構成要素40、50は、熱膨張係数が端部プラグ34、35の材料に対してかなりよく一致する金属から成る。ニオブ(Nb)がセラミック放電容器の熱膨張係数と一致する熱膨張係数を有するために選択される。
【0022】
図2a及び2bは2つの異なる実施形態を示し、図2aにおける放電容器は図1に示している放電容器と類似している。対応するランプ部は、図1及び2において同様の参照番号が与えられている。放電容器3は、放電空間11を囲む成形壁30を有する。成形壁30は本実施形態の場合には楕円形である。上記の実施形態(図1及び2aをまた、参照されたい)に比べて、壁30は単一のエンティティであり、壁31と、端部プラグ34、35と、端壁部32a、32b(図2においては別個の構成要素として示されている)とを有する。そのような放電容器3の特定の実施形態については、国際公開第06/046175号パンフレットに更に詳細に記載されている。代替の形状、例えば、球形が同様に有効である。
【0023】
図1に模式的に示している実施形態において、図3に模式的に示しているセラミック突出プラグ34、35、端壁部32a、32b及び壁31又は壁30を有することが可能である壁30は、ここでは、セラミック壁であり、そのセラミック壁は、AlNのような半透明な金属窒化物又は半透明な結晶の金属酸化物(上をまた、参照されたい)の壁を意味するとして理解される必要がある。そのような半透明のセラミック放電容器3については、欧州特許第215524号明細書、欧州特許第587238号明細書、国際公開第05/088675号パンフレット及び国際公開第06/046175号パンフレットに記載されている。特定の実施形態においては、放電容器3は半透明のAl2O3を有し、即ち、壁30は半透明の焼結Al2O3を有する。上記の図に示している実施形態においては、壁30は、代替として、サファイヤを有することが可能である。
【0024】
図1の放電容器の一部について、図3a及び3bにより詳細に示されている。水平方向の方向付けは、光源がこの方向で適用されるようになっていることを意味するものではない。この図においては、イオン化可能ガス充填物のための凝縮材料を参照番号60で示している(従来技術においては、ランプが最大電力で動作されるときでさえ、そのままのランプである)。図3aは、電極4と突出端部プラグ34との間のボイドは、ランプの動作中でさえ、凝縮材料(ヨウ化塩等)を有する。これは特に、そのようなランプは主に、過飽和の充填物を用いるために、既知のランプにおいて見られる状態である。従来技術の高圧放電ランプの動作中に、凝縮材料は尚も、放電容器内に存在する。このことは、放電ガスが動作中にヨウ化物で飽和し、メタルハライド塩“プール”が最冷点において形成される状態に繋がる。
【0025】
動作中の放電容器内のガスの特性平均温度及び特性平均圧力のそれぞれでは、2000乃至3000°K、例えば、2500°K及び2乃至50barある。しかしながら、放電容器3内には温度差が存在する。その温度は、電極チップ4b、5bに近接するところでは比較的高い。動作中、放電容器内の温度は、アークのコアにおける高い約6000°Kから電極チップにおいて約3000°Kの特性温度まで、そして、例えば、放電容器の端部近傍の特性温度、所謂、最冷点温度(上記も参照されたい)まで変化することが可能である。一般に、温度は、壁30(図2b)又は壁31(図1)の内側表面に比べて突出プラグ34、35(の端部)においてより低く、これについても図3bを参照されたい。最冷点温度で放電容器3内の場所が最冷点として示され、その温度はときどき、Tcs又はTkpとして示される(欧州特許第0215524号を参照されたい)。
【0026】
最冷点は、放電容器3の壁30の局所的な壁の温度を測定することにより決定され、そのことについては、例えば、文献Pure Appl.Chem.72(11) 2000, pp.2159−2166、by W.Erkを参照されたい。測定される最冷温度(壁30の外側)は最冷点温度と呼ばれる。この決定は、当該技術分野において知られていて、下記で簡単に説明している。
【0027】
図3bは、温度勾配の模式図と共に、図3aに模式的に示す放電容器と同じ部分を模式的に示している。放電容器3は、体積11、即ち、ガス充填物の成分が存在し、それらの成分がランプ1の使用中にガスを構成する体積を囲んでいる。図3bの実施形態においては、この体積は、壁30、即ち、壁31、端部32a(放電容器3の一の側のみがこの模式図においては示されている)及びシール10(図1及び2bを参照されたい)により囲まれている体積である。壁30に沿った温度は、セラミック材料の発光を測定することにより、又は当該技術分野において知られている他の方法により決定される。この温度は、位置xの関数として示される。模式図3bにおいては、最冷点はセラミック突出プラグ34の端部、即ち、放電体積11が終了し、シール10が開始するところにおいて認められる。この位置はxで示され、この点における温度、即ち、放電容器13内の最冷点温度はTxで示される。この温度Tx(即ち、Tcs)は、動作中、少なくとも公称動作中、少なくとも1100°Kである。最冷点の位置はランプ1の方向(水平方向又は鉛直方向)に依存する。図3aの模式図は、過飽和度が大きい従来技術の状態に対して、第2(又は、更なる)放電容器について示しているが、図3bの模式図は、本発明に従った転送装置の第1放電容器に関連し、ガス充填物成分の凝縮は、第1放電容器の公称動作中は生じない(下記を参照されたい)ものである。
【0028】
第1光源
図1、2及び3bに模式的に示している光源及びセラミック放電容器の一般的な実施形態と、図4及び5(下記を参照されたい)に模式的に示す本発明に従った照明装置の特定の実施形態とを参照するに、第1光源201は、2つの電極4(1)、5(1)を有する第1セラミック放電容器3(1)であって、第1放電容器3(1)は第1イオン化可能ガス充填物を有する第1放電体積11(1)を囲んでいる、第1セラミック放電容器3(1)を有する。放電容器3(1)は外囲器又はバルブ100(1)により周囲を囲まれる、又は代替として、外囲器又は“バルブ”1000内の第2光源202と共に含まれることが可能である(下を参照されたい)。
【0029】
本発明のランプ1におけるイオン化可能充填物は、好適には、InIを有するがまた、他の成分に基づくガス充填物が用いられることが可能である。本明細書で説明している第1イオン化可能ガス充填物のInI及び/又は他の成分の1つ又はそれ以上に加えて、放電空間11(1)(しかしまた、11(2)であり、それについては下記を参照されたい)は、Hg(水銀)及び当該技術分野で知られている始動ガス、例えば、Ar(アルゴン)又はXe(キセノン)を含む。特性Hgの量は、約1乃至100mg/cm3Hgの範囲内であって、特に約5乃至20mg/cm3Hgの範囲内である。好適には、放電容器3(1)内の水銀量は、水銀の凝縮なしに、即ち、水銀蒸気は飽和しないように、公称使用において水銀ガスを供給するように選択される。水銀及び始動ガスについては、当業者に知られているため、ここでは更に説明しない。原理的には、本発明の照明装置の第1光源及び第2光源はまた、水銀なしで動作されることが可能であるが、好適な実施形態においては、放電容器3(1)内に存在する。定常状態の燃焼の間に、長いアークランプは一般に数barの圧力を有する一方、短いアークランプは、最大約50barの放電容器内の圧力を有することが可能である。特性ランプ電力は、約10乃至1000Wの範囲内、好適には、約20乃至600Wの範囲内にある。
【0030】
表現“光源の使用中の少なくとも1100°Kの最冷点温度”は、本発明に従った照明装置200における光源の使用中の放電容器内の温度のことをいい、放電容器3(1)内の最冷点温度は、照明装置200における光源201の使用中、少なくとも1100°Kであることを表している。それは、特に、最大電力における光源の動作、即ち、公称動作のことをいう。本発明においては、公称動作における第1光源201の第1放電容器における最冷点温度は少なくとも約1100°Kであり、好適には、その温度より更に高い。始動又は、例えば、調光中に、最冷点温度は、しかしながら、より低いことが可能である。
【0031】
ここでは、用語“公称動作”及びそれに類似する用語は、定格電力における第1光源の動作のことをいう、例えば、50W(即ち、50Wが定格である)の市販のランプは、公称50Wで用いられる。当該技術分野で知られている“公称動作”についての等価な用語は、“定格電力”、“最大電力”、“最大電力における動作”、“公称電力における動作”、“公称の使用”又は“公称電力”である。用語“動作中”は、第1光源201が、特に、環境温度、提示された電力、電流及び周波数等の所定の条件で動作する状態のことをいう、従って、“公称動作”又は”最大電力“等は、ここでは、光源が動作されるようにデザインされた条件下での及び最大電力における光源の動作のことを表す。それは特に、第1光源201が、初期の始動の後、例えば、約1分間(定常状態)の後に実質的に一定のレベルで動作している状態のことをいう。その場合、第1光源201は、安定なアークの存在による安定な動作において用いられる。用語”不飽和“とは、ここで示しているように、公称(調光されていない)動作の間の放電容器内のガスがイオン化可能ガス充填物に対して不飽和である状態のことをいう。このことは、公称電力における動作中、希土類ガスの又は他のガスの充填物の成分のヨウ化物は、放電容器内に備えられている放電容器3(1)又は他の要素の内側表面において実質的に凝縮しないことを意味する。それ故、実質的には、放電容器3(1)内の全ての成分は第1光源201の公称動作中に気相にある。
【0032】
実施形態においては、本発明は、第1光源201の第1放電容器3(1)が提供され、ランプの動作中に、特にランプ(即ち、第1光源201)の公称動作中に充填成分の凝縮が実質的に生じないような少量に、イオン化可能充填成分が投与される。従って、イオン化可能充填成分は、実質的に不飽和のガスが公称動作中に得られるような量で放電容器内に好適に存在する。このことは、第1光源201の公称動作中に、REIn及び/又はInIのようなイオン化可能充填ガスの成分が好適に凝縮されない又は実質的に凝縮されないことが放電容器内で見られることを意味している。
【0033】
好ましい条件は、それらの成分の特定の濃度を選択することにより、そして公称動作における放電容器内の適切な最冷点温度を選択することによる実施形態において特に達成され、それについてはまた、下の表2を参照されたい。
【0034】
それぞれの成分の濃度は上記式により演算することが可能であり、セラミック放電容器3(1)及び第1光源201は所定の値(少なくとも1100°Kである)の公称動作において最冷点温度を有するように備えられることが可能である。用語“それぞれの成分”とは、上記の式及び表1に与えられているパラメータに従って、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有するガス充填物の各々の別個の成分についてその濃度が演算される必要があることを意味する。従来技術に対する本発明の有利点は、ガス充填物のそれぞれの成分の濃度が式(1)及び上記のパラメータA、B、C、z及びTcsの値を満足するときに得られることが判明している。標準的な充填成分Hg及び始動ガスについては表に示されていないが、それらの充填成分は動作中に気相にある(上記をまた、参照されたい)。
【0035】
特に良好な測光特性は、zが2又はそれより小さい場合に、濃度hと共に得られる。特に、zが1である又はそれより小さい好適な実施形態においては、充電物の成分は、公称動作中、気相にある。一般に、zが小さければ小さい程、ランプの特定はその熱付加に依存しなくなる。
【0036】
一般に、従来技術のランプは、使用中に約900乃至1100°Kの最冷点温度を有することが可能である。約1100°Kより高い温度は、石英容器の石英が約1100°K以上の温度で劣化するため、セラミック放電容器3(1)(又は3(2))のみにおいて達成されることが可能である。好適な一般的な条件下での本発明に従った第1光源の放電容器3(1)における最冷点温度は、公称動作中には少なくとも約1100°Kである。特定の実施形態においては、最冷点温度(又は、最小温度)は、公称動作中には約1100乃至1600°Kの範囲内にある。特に良好な結果は、放電容器3(1)が、ランプの公称電力における動作中に少なくとも約1200°Kにおける、特に、少なくとも約1300°Kにおける、より好適には少なくとも約1350°Kにおける、更に好適には少なくとも約1400°Kにおける最冷点温度を有するように、即ち、公称動作において最冷点温度が少なくとも約1300°K、1350°K及び1400°Kのそれぞれであるように、備えられているときに得られる。より特定の実施形態においては、放電容器3(1)は、第1光源201の公称動作中に1350乃至1500°Kの範囲内の最冷点温度を有するように備えられる。一般に、最冷点温度が高ければ高い程、第1光源201は放電容器3(1)の外側温度又は方向により依存しないことが判明している。表現“放電容器が1200°Kの最冷点温度を有するように備えられる”とは、動作(特に、公称使用における)中に、第1光源201が、ここで最冷点について記載している最冷点温度を有することが可能であるようにする照明装置200、第1光源201及び放電容器3(1)のことをいう。公称電力より低い電力(即ち、定格電力より低い)に照明装置200を調光するとき、最冷点温度は低下することが可能である、濃度に依存して、このことは、充填物の1つ又はそれ以上の成分の凝縮に繋がる可能性がある。従って、TCSは、選択された電力(100%又はそれ以下)に依存して、動作中に可変であることが可能である。充填物濃度は、しかしながら、公称電力における動作に対して演算される。少なくとも1100°K又はそれより大きいTCS値が、そのような公称動作中に第1光源201について得られる。
【0037】
特定の実施形態においては、しかしながら、塩濃度h(ガス充填物の成分の1つ又はそれ以上の)は、最大出力(即ち、公称動作)における第1光源201の飽和濃度(zが約1又はそれより小さい)の約10%又はそれより小さい、より好適には、1%又はそれより小さい、即ち、zが0.1又は0.01(又はそれより小さい)ようにそれぞれ選択される。このようにして、凝縮は、調光中でさえ実質的に回避されることが可能である。46.90μg/cm3のDyI3充填物(z=0.01)及び1500°Kの公称動作における最冷点温度を前提とすることは、例えば、約1200°Kに最冷点温度を低下させることに繋がり、DyI3の濃度は、調光中でさえ尚も飽和以下になる(下の表2をまた、参照されたい)。従って、そのようなランプ(即ち、第1光源201)は、一般に、色点(下記をまた、参照されたい)のずれのような測光特性を実質的に悪化させることなく、少なくとも最大電力の30%について調光可能である。
【0038】
表2は、複数のヨウ化物について、特定の温度における好適な最大濃度を与えている。この表においては、不飽和ガス(特定のヨウ化物に対する)を与えるように、第1放電容器3(1)(第1光源201の最大電力における動作中に部分的に凝縮物質をもたらすことなく)に付加されることが可能である量(μg/cm3)が、第1光源201における最冷点温度が提示されている温度(1100°K、1200°K、1300°K、1400°K、1500°K及び1600°K)を越える場合に、複数のヨウ化物について与えられている。この表における好ましい値はz=1である。
【0039】
【表2】
【0040】
表2における上記の値は、照明装置200の第1光源201におけるそれぞれの構成要素の放電容器3(1)内の濃度についての上限の好適な値であり、放電容器3(1)における最低温度(最冷点温度)は、その表に示されているように、少なくとも公称動作中のものである。例えば、放電容器3(1)内の最冷点温度1300°K、即ち、放電容器3(1)における最冷点温度を有し、(水銀ガス及び希ガスに加えて)イオン化可能ガスとしてInI(のみ)を有する好適な実施形態を前提とする場合、好適な最大濃度は約6120μg/cm3(z=1)である。公称動作中の最冷点温度が、例えば、1400°Kである場合、約10,100μg/cm3より高い濃度は放電容器3(1)におけるInIの濃度に繋がることが可能であり、約10,100μg/cm3又はそれより低いInIの濃度又は、光源201が最大電力で動作されるときにInI成分に対して実質的に不飽和の充填物に繋がる。
【0041】
表2においては、z=1が好適な値である。このように、過飽和ガス充填物の大きい過飽和が回避される一方、本発明の良好な測光特性が得られる。表2における値は、公称動作中における表2に示しているそれぞれの最冷点温度における好適な最大濃度として解釈することができる。本発明の実施形態においては、それらの濃度はまた、表2に示している値より低いことが可能である。好適な最大値は、1300°Kの列において示されている値である。
【0042】
ガス充填物が実質的に不飽和である条件が与えられる場合、放電容器の形状等のパラメータは、当該技術分野のランプの状態に比べてあまり重要でない。更に、最冷点の温度が十分に高いとき、ランプの方向、環境温度、照明装置等の効果はあまり重要でない。これはまた、第2光源に第2光源の相対的に近接する存在の観点からも適切である(下記を参照されたい)。これは更に、ここで定められる条件が、従来動作されているランプの放電容器について有効である第1放電容器3(1)をデザインする実施形態において、当業者が自由度を与えることが可能である。
【0043】
その温度が高くなればなる程、及び飽和濃度に対する塩濃度が低くなればなる程、光源201の調光可能性はより良好になり、完全な照明装置200のより良好な調光挙動をまたもたらすことができる。本発明の実施形態に従った第1光源201が調光されることが可能である特性範囲は、公称動作における強度を100%から公称動作の強度の約70%、より好適には、50%までの範囲である。実施形態においては、本発明に従った装置200の第1メタルハライドランプ201は、色点の実質的なずれなしに公称動作における特に強度の70乃至100%(非調光)の範囲内で、より好適には、50乃至100%の範囲内で調光可能である。ここでは、用語“色点の実質的な移動なしに”とは、10SDCMより大きくない、特に、5SDCMより大きくない色点の移動のことをいう。
【0044】
好適には、第1光源201は、少なくとも最大電力(即ち、公称動作における強度であり、下記を参照されたい)のBBL(即ち、好適には、約10SDCM以内)における又は略BBLにおける色点を有する放射線331を生成する。そのようなランプが調光されるとき、色点は好適には、公称動作(即ち、最大電力)における強度の約70乃至100%の範囲内の、より好適には、50%(又は、それより小さい)における略BBLにある。
【0045】
第1光源201は、好適には、高い色温度、即ち、少なくとも5000°Kであって、より好適には、少なくとも6000°Kを有する。これは、本発明に従った照明装置200が、色点の実質的な移動なしに一定のCCTにおいて調光可能であることを、又は黒体軌跡からの実質的なずれなしに可変である光の色温度を有することを可能にする。
【0046】
上記のように、第1光源201の特定の実施形態はInIベースの光源201である。上記式を満たすInIベースの光源201の発光スペクトルが図8bに示されていて、電力の関数としての色点、効率及びRaの関係が図9及び10にそれぞれ、示されている。色点/色温度におけるInI光源201を調光する影響についてはまた、図6及び7に示されている。図6は、本発明に従った照明装置200における第1光源201として用いられるInIベースのランプ及び複数の従来技術のランプの挙動の調光について示している(例をまた、参照されたい)。
【0047】
上記式を満足するInIベースのランプは特に、調光するときの高い色点及びその色の安定性のために、第1光源201として好ましい、InIに基づく色温度以外の比較的高い(第1)色温度を有する(第1)光源は、GaI3に基づく(第1)光源201であることが可能である。GaI3に基づく光源201はまた、比較的高い色温度を有する。
【0048】
第2光源
図1、2並びに3a及び3bに模式的に示す光源及びセラミック放電容器3の一般的な実施形態と、図4及び5に模式的に示す本発明に従った照明装置の特定の実施形態を参照するに、第2光源202は、2つの電極4(2)、5(2)を有する第2セラミック放電容器3(2)と、第2イオン化可能ガス充填物を有する第2放電体積11(2)を囲む第2放電容器3(2)とを有する。放電容器3(2)は、外囲器又はバルブ100(2)により周囲を囲まれることが可能であり、又は、1つの外囲器又は“バルブ”1000内に第1光源201と共に組み込まれることが可能である(下記をまた、参照されたい)。
【0049】
第1光源201におけるように、放電空間11(2)は当該技術分野で知られているHg(水銀)及びAr(アルゴン)又はXe(キセノン)等の始動ガスを有する。特性Hg量は、約1乃至100mg/cm3Hgの範囲内にあり、特に、約5乃至20mg/cm3の範囲内にあり、特性圧力は約2乃至50barの範囲内にある。好適には、放電管3(2)内の水銀の量は、水銀の凝縮なしに通常の使用で水銀のガスを供給するように選択され、即ち、水銀蒸気は飽和しない。水銀及び始動ガスについては、当業者に知られていて、ここでは更なる説明は行わない。原理的には、第2光源202はまた、水銀なしで動作されることが可能であるが、好適な実施形態においては、Hgは放電管3(2)内に存在する。定常状態の燃焼中に、長いアークランプは、一般に、数barの圧力を有する一方、短いアークランプは、最大約50barの放電容器内の圧力を有することが可能である。ランプの特性電力は約10乃至1000Wの範囲内にあり、好適には、約20乃至600Wの範囲内にある。
【0050】
第1光源201が、上記式を満足する光源であることを前提とする場合、第2光源は、原理的には、何れかのCDMランプであることが可能である。従って、セラミック放電ランプでもある第2光源202は、原理的に、従来技術の何れかの充填物を有することが可能である(更なる特定の条件についてであって、下記の“照明装置”の節を参照されたい)。例えば、第1光源201についての上記を参照するに、第2光源202の充填物は、上記以外の成分を有することが可能であり、及び/又はzはまた、約2であることが可能である。放電容器3(2)における最冷点温度はより高いことが可能であるが、最大電力において第2光源201の動作中にはより低いこともまた、可能である。ここで述べている有利点は、第1光源201についての上記の基準を少なくとも満たす(少なくとも)2つのCDMランプの使用からもたらされる。
【0051】
好適には、第2イオン化可能ガス充填物は、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有するが、その第2イオン化可能ガスはまた、当該技術分野で知られている他のガス充填成分を有することが可能である。放電容器3(2)に含まれるガス充填物は、例えば、成分としてNaI、TlI、CaI2及びREIn(希土類ヨウ化物)の1つ又はそれ以上を有することが可能であり、また、LiI等のような代替のガス充填物の成分を有することが可能である。REInは、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2及びLuI3の1つ又はそれ以上のような希土類化合物をいうが、実施形態においてはまた、Y(イットリウム)ヨウ化物、Scヨウ化物及びLaヨウ化物の1つ又はそれ以上を有することが可能である。本発明の特定の実施形態に従って、希土類ヨウ化物はジスプロシウムヨウ化物を有する、そのようなランプは、特に良好な特性を与えることが可能である、他の特定の実施形態においては、希土類ヨウ化物はセリウムヨウ化物を有する。セリウムヨウ化物を有する放電容器3(2)を有する第2光源202は、例えば、放電容器3(2)内のタリウムヨウ化物、リチウムヨウ化物、スズヨウ化物、カルシウムヨウ化物、インジウムヨウ化物及びナトリウムヨウ化物から選択される1つ又はそれ以上のヨウ化物を更に有することが可能である。好適な充填物は、希土類化合物としてDy、Ce、Ho又はTmを有する。更なる好適な充填物は、Dy−Tl、Ce−Na、Ho−Tl又はTm−Naに基づいている。他の好適な充填物は、Dy−Tl−Sn、Ce−Tl−Na、Ho−Tl−Na、Ho−Ti−Sn又はTm−Tl−Snに基づいている。希土類化合物としてDyに基づく充填物は特に好適である。それらの好適なガス充填化合物又は第2光源202についてのガス充填物はまた、それらが上記の第1光源201についての条件を満たす場合に、好適な第1光源201として用いられることが可能である。
【0052】
第2光源202の充填物がまた、式(1)を満足する実施形態
特定の実施形態において、第2放電容器3(2)における第2イオン化可能ガス充填物はまた、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有し、第2放電容器(3(2))におけるそれぞれの成分の濃度h(μg/cm3)は式logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logz(式(1))を満足し、ここで、Tcsは、第2光源202の公称動作中の放電容器3(2)の最冷点温度であり、A、B、C、z及びTcsについて上記で定義されている。
【0053】
第1光源201の第1放電容器3(1)についての上記パラメータ(表1;A、B、C、z及びTcs)及び(最大)値(表2)は、それ故、照明装置200の第2光源202の第2放電容器3(2)についての好適なパラメータ及び好適な(最大)値であることがまた、可能である。
【0054】
下記の実施形態においては、式1をまた、満足する第2光源202の実施形態について言及しているが、第1光源201自体の実施形態についても(それ故、第2光源202は式(1)を満足しない実施形態においてさえ)、言及している。2つの放電容器3(1)、3(2)のガス充填成分は、第1光源201及び第2光源202により生成される放射線331、332の色温度が異なることを除いて、互いに関係していない。
【0055】
例えば、放電容器の1つにおける希土類ガスとしてDyI3のみ(水銀ガス及び希ガスに加えて)を有する放電容器3(2)(及び/又は(公称動作において)1300°K又はそれ以上の3(1))における最冷点温度を有する好適な実施形態を前提とする場合、前記放電容器における好適な最大濃度は約378μg/cm3(z=1)である。他の実施形態において、Dy及びTlの組み合わせを有する好適な実施形態を前提とする場合、Dyは、好適には、≦378μg/cm3の濃度においてDyI3の形で放電容器3(2)(又は3(1))に好適に存在し、Tlは、≦9110μg/cm3の濃度においてTlIの形で存在している。第2光源202(又は、第1光源201)が1300°K(公称動作における)より高い最冷点鬼童を有するように備えられている場合、hについてのそれらの値は、表2から導き出されるように、より高いことが可能である。他の実施例においては、好適な実施形態は、Dy、Tl及びSnに基づく第2光源202(又は、第1光源201)を有する照明装置200に関連する。そのような実施形態においては、第2光源202(又は、第1光源201)は、少なくとも1300°Kの放電容器3(2)における最冷点温度を有するように備えられ、DyI3、TiI及びSnI2の好適な濃度はそれぞれ、≦378μg/cm3、≦9110μg/cm3及び2.17x104μg/cm3である。
【0056】
好適な実施形態においては、本発明に従った照明装置200内のメタルハライドの第2光源202(及び/又は第1光源201)のイオン化可能ガス充填物は、ジスプロシウムヨウ化物及びホルミウムヨウ化物を有する群から選択された1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物を有し、第2(及び/又は第1)イオン化可能ガス充填物は、適用可能であるように、選択された1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物について10乃至370μg/cm3、より好適には10乃至300μg/cm3、更に好適には10乃至250μg/cm3を有する。第2(及び/又は第1)イオン化可能ガス充填物が、セリウムヨウ化物及びツリウムヨウ化物を有する群から選択された1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物を有する実施形態においては、第2(及び/又は第1)イオン化可能ガス充填物は、好適には、1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物について≦65μg/cm3、より好適には≦60μg/cm3、更に好適には≦50μg/cm3を有する群から選択される1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物を有する。少なくとも1300°Kの公称動作においてTcsを有するように備えられている光源についての好適な最大値は、上記の表2における1300°Kの列に示されている(最大)値である。
【0057】
実施形態においては、第1及び/又は第2放電容器3(1)、3(2)におけるそれぞれの成分の濃度hは上記式(1)を満足し、zは2であり又はそれより小さく、好適には1.5であり又はそれより小さく、より好適には1であり又はそれより小さく、更に好適には0.5であり又はそれより小さく、例えば、0.001乃至0.5であり、更により好適には0.1であり又はそれより小さく、例えば、0.001乃至0.1である。zがガス充填物の成分について約1より大きい場合、その成分は、最冷点温度を有する最冷点における放電容器における凝縮を形成し始める。本発明の実施形態においては、照明装置200は、Mg、Sc、Er、In、Tl、Sn、Zn、Y、Dy、Ho、Lu、Li、Ce及びTmを有する群から選択される独立した1つ又はそれ以上の元素を充填物が有することが可能である1つ又はそれ以上の光源201、202を有し、それぞれの成分の濃度hは式(1)を満足し、zは、Mg、Sc、Er、In、Tl、Sn及びZnもついては0.5又はそれより小さく、zは、Y、Dy、Ho、Lu及びLiについては1.5であり又はそれより小さく、そしてzは、Ce及びTmについては、2であり又はそれより小さい。Gaについては、zは、好適には、0.5であり又はそれより小さく、例えば、0.1であり又はそれより小さく、更には、0.01であり又はそれより小さい。
【0058】
照明装置
第1光源201及び第2光源202の説明の後、照明装置200について、ここで、図4a及び4b並びに5を参照して詳細に説明する。
【0059】
図4a及び4bは、本発明に従った照明装置200の実施形態について模式的に示している。照明装置200は、2つの電極4(1)、5(1)を有する第1セラミック放電容器3(1)を有する第1光源201を有し、第1放電容器3(1)は、上記のように、第1イオン化可能ガス充填物を有する第1放電体積11(1)を囲んでいる。照明装置200は、2つの電極4(2)、5(2)を有する第2セラミック放電容器3(2)を有する第2光源202を有し、第2放電容器3(2)は、上記のように、第2イオン化可能ガス充填物を有する第2放電体積11(2)を囲んでいる。第1光源201は、第1色温度を有する第1放射線331を生成するように備えられ、第2光源202は、第2色温度を有する第2放射線332を生成するように備えられ、それにより、第3色温度を有する光335を生成する。
【0060】
用語“放射線(光)”は、特に、可視放射線(VIS)、即ち、約400乃至800nmの範囲内の放射線のことをいう。光源により生成された放射線は、実施形態においては白色放射線(即ち、白色光)を有する、光355は2つの放射線331及び332の和を表す。実施形態はまた、光源の1つがオフに切り換えられ、照明装置200の色点/色温度が可変である領域は、このようにしてできるだけ広い状態を有する。光源の1つがオフに切り換えられたとき、光355の第3色温度は、適用可能であるように、本質的には、光源201又は202により生成される放射線331又は332の第1又は第2色温度である。
【0061】
照明装置200は、光源201及び202を動作させるバラスト410、420であって、第1バラスト410は第1光源201を動作させるように備えられ、第2バラスト420は第2光源202を動作させるように備えられる、バラスト410、420を更に有する。バラストは、照明装置200の外側に備えられることが可能であり、また、照明装置200内に一体化されることが可能である。バラストは、当該技術分野において知られていて、ここでは詳細に説明しない。バラスト410、420は、それぞれの光源201及び202に好ましい電力を供給するように用いられ、また、光源201、202を調光するように用いられる。それらの光源はときどき、ランプドライバ回路として表される。それらの光源は、HIDランプにおける放電を開始する高い初期電圧を供給し、次いで、安全に放電を維持するようにランプ電流を即座に制限する。バラスト410及び420はまた、1つのランプドライバ回路、即ち、所謂、2ランプドライバ回路に一体化されることが可能である。2つ(又はそれ以上のランプ)についてそのように一体化されたバラストについては、当該技術分野で知られている。
【0062】
照明装置200は、第1放射線331の強度及び第2放射線332の強度を有する群から選択された1つ又はそれ以上のパラメータを制御し、それにより、第3色温度を、即ち、照明装置200により発光される光35の色温度及び照明装置200により生成される光335の強度を、制御する制御器500を更に有する。好適には、制御器500は、第1放射線331の強度及び第2放射線332の強度の両方を制御する。
【0063】
実施形態においては、光源201、202は、2700乃至17000°Kの範囲内から選択される色温度を有する白色光を発光する。実施形態においては、それらの光源201、202は、少なくとも1000°Kの範囲内で可変である色温度(第3色温度)を有する光335を与えることが可能である照明装置200を備えるように選択される。これは、光源201、202の強度を調整することにより、色温度が少なくとも1000°Kで調整可能である、又は換言すれば、照明装置200により生成された光335の色温度が1000°K以上で調整可能である、光が生成される。他の実施形態においては、カバーされることが可能である範囲は、少なくとも約2000°Kであり、好適には、少なくとも4000°Kであり、より好適には少なくとも約5000°Kである。約1000°Kの範囲で光355の第3色温度が調整可能(可変)である照明装置を提供するように、2つの光源201及び202の色温度における差は、好適には、約1000°Kより大きく、例えば、約1400°K又はそれ以上である(それぞれの光源201及び202の公称動作において)。従って、第3色温度は、光源201、202の1つをオフに切り換える必要なく、可変である。このことは、光源201、202が異なる色温度を有し(少なくとも、最大電力で動作されるときに)、少なくとも約1400°K又はそれ以上、異なっている。例えば、第1及び第2光源201、202が約4200°K及び2800°Kのそれぞれの光源の最大電力における第1及び第2色温度を有することを前提とする場合、照明装置200の光335の第3色温度は約4000°Kと3000°Kとの間で、即ち、約1000°Kの範囲で可変である。より広い調整範囲が必要な場合、光源201、202の色温度における差は、好適には更に大きい。公称動作における2つの光源201及び202の色温度における差は、好適には好ましい範囲の少なくとも130%であり、より好適には少なくとも150%であり、更に好適には少なくとも190%であり、それらの範囲に亘って、照明装置200の光335の第3色温度が可変である(BBLから実質的にずれることなく(即ち、好適には、BBLの10SDCMの範囲内で))。例えば、第3色温度が約3500°Kと約5300°Kとの間で可変であるような場合、2つの光源201及び202の第1色温度及び第2色温度間の差は約4000°Kであり(例えば、第1光源201は公称動作において約7000°Kの第1色温度を有し、第2光源202は公称動作において約k3000°Kの第2色温度を有し、ここでは、それらの光源の色温度の差は好ましい調整範囲の約220%であり)、実施例4をまた、参照されたい。従って、それらの光源の公称動作における第1及び第2光源201、202の色温度における差は、好適には好ましい調整範囲の約130%乃至300%の範囲内にある。第3色温度を調整すること又は変化させることは連続的に又は段階的に行うことが可能である。第1光源201が比較的高い第1色温度を有する光331を生成するように備えられている場合、第2光源201は、好適には比較的低い第2色温度を有する光332を生成するように備えられている(その逆も可能である)。実施形態においては、第1光源201は、好適には比較的高い色温度、即ち少なくとも5000°Kであって、より好適には少なくとも約6000°K(公称動作において)を有する。好適には、第2光源202は比較的低い色温度、即ち、せいぜい約4000°Kであり、より好適には約3500°K以下(公称電力動作において)である。従って、照明装置200の特定の実施形態においては、第1光源201は、少なくとも約6000°Kの第1色温度を有する放射線331を生成するように備えられ、第2光源202は、せいぜい約4000°Kの第2色温度を有する放射線332を生成するように備えられている。第1及び第2光源201,202の色温度間の差が大きければ大きい程、照明装置の色温度が可変である範囲はより広い。
【0064】
InIベースの光源は比較的高い色温度を有するため、そのようなランプは、光源の1つとして好適に用いられる。InIベースのランプが第1光源201として選択されるとき、特に良好な結果が、BBLから実質的にずれることなく、第1光源201の色点の安定性及び光335の全体的な色温度範囲に亘る調整可能性に関して得られる。従って、好適な実施形態においては、第1イオン化可能充填物はインジウムヨウ化物を有する(即ち、第1光源201はInIベースである)。
【0065】
例えば、照明装置200が2700°Kの色温度を有する光源202及び、InIベースのランプのような7000°K(冷昼光)の色温度を有する光源201を有することを前提とする場合、照明装置200の光335の色温度(即ち、第3色温度)は、2つの光源の強度を変えることにより(即ち、放射線331及び332の強度を変えることにより)調整されることが可能である。そのような実施形態においては、照明装置200の光335の色温度は約4300°K(又はそれ以下)の範囲に亘って調整可能である。好適な実施形態においては、それ故、照明装置200の第3色温度は少なくとも約2700乃至7000°Kの範囲内で可変である。
【0066】
特定の実施形態においては、照明装置200は、第2及び第2放射線331、332の第1及び第2色温度が第1及び第2光源(201、202)が最大電力で動作されるときに、10SDCMに等しいか又はそれより小さい、好適には5SDCMに等しいか又はそれより小さい、黒体軌跡までの距離を有する照明装置200が提供される。このことは、第1光源201が、10SDCM又はそれ以下だけ、第1光源201の放射線の色点に最近接のBBLにおける点から異なる色点を有する放射線331を生成するように備えられていることを意味する。第1光源201の放射線の色点(xcp1,ycp1)に最近接のBBLにおける色点(XBBL1,yBBL1)は、垂線が第1光源の色点(xcp1,ycp1)からBBLまで描かれるとき、BBLにおいて求められる色点(XBBL1,yBBL1)である。その垂線とBBLとの交点において求まる色点(XBBL1,yBBL1)は、第1色点(xcp1,ycp1)に最近接のBBLにおける色点である。同様に、これは、第2放射線332の色点(xcp2,ycp2)及び第2放射線332のこの色点に対してBBLにおける最近接の色点(XBBL2,yBBL2)について適用できる。約10SDCM以上の値は、比較的純粋な白色が足りない、即ち、BBLに近接している、第1及び第2光源201、202を与え、白色が純粋であればある程、演色性はより良好になる。
【0067】
好適には、第1光源の第1色温度の黒体軌跡までの距離は10SDCM又はそれ以下、好適には、5SDCM又はそれ以下であり、70乃至100%の範囲内で光源を調光するときでさえ、より好適には、公称動作における強度の50乃至100%である。この基準を満たす第1光源201の調光挙動については、図6に示されている。
【0068】
更なる実施形態においては、第3色温度が10SDCMに等しいか又はそれ以下の黒体軌跡までの距離を有する照明装置200が提供される。このことは、光源201、202の1つ又は両方を調光中に、照明装置200により生成される光355の中間の色点がBBLに近接して(≦10SDCM)求められ、そのことは、比較的純粋な白色光が、即ち、BBLに近接する(又はBBLにおける)色温度を有する光が生成されることを意味する。そのようなシステムの実施例については下で与えられ、図7及び8に示されている。
【0069】
上記のように、本発明に従った照明装置200は、第1放射線331の強度及び第2放射線332の強度を有する群から選択される1つ又はそれ以上のパラメータを制御する、それにより、第3色温度、即ち、照明装置200により発光される光355の色温度を制御する、制御器500を更に有する。光355の強度は制御されることが可能であるが、それ故、第1放射線331及び第2放射線332の強度のうちの1つ(又は、好適には、両方)の強度が制御される点で、第3色温度が制御されることが可能である。本発明に従った照明装置200の制御器500は、それ故、光355の強度及び/又は光355の第3色温度を制御する能力を有することが可能である。このように、光355の強度は、一定のCCTにおいて可変であり、及び/又は光355の第3色温度は可変である。
【0070】
従って、制御器500(照明装置200に対して外部に備えられることが可能である)は、それぞれの光源201、202の色温度を調整する又は変えるように用いられる。制御器500は、照明装置200のアプリケーション、ユーザの気分等に依存して、光源201、202の強度を制御するように、又は好ましい色温度又は色効果(“暖かい”、“冷たい”等)を選択するように、例えば、タッチコントロール、スライドスイッチ等のスイッチを有する“ハードウェアのみ”のシステムであることが可能である(その選択は、続いて、制御器500により光源201、202の色温度に変換される)。更に、照明装置200の色温度は、センサで測定されることが可能である時間、温度、外部の光源(太陽等)の光強度、外部光源の色温度等の外部パラメータに依存する可能性がある(下記を参照されたい)。制御器500は、それぞれのバラスト410、420(又は、1つの一体化されたバラスト410/420)を介して光源201、202の強度を制御する。電源は、制御器及びバラスト410、420に電力を供給する。
【0071】
他の実施形態においては、制御器500は、
− 実行可能な命令を有するメモリと、
− (1)1つ又はそれ以上のセンサ及び(2)ユーザ入力装置を有する群から選択される1つ又はそれ以上からの1つ又はそれ以上の入力信号を受け入れる(i)、そして光源201、202の色温度を制御するように1つ又はそれ以上の出力信号を送る(ii)入力−出力ユニット502と、
− 実行可能な命令に基づいて1つ又はそれ以上の入力信号を1つ又はそれ以上の出力信号に処理するようにデザインされたプロセッサと、
を有することが可能である。
【0072】
実行可能な命令は、例えば、上記のスイッチ、リモートコントロール及びセンサ(下記をまた、参照されたい)により生成される信号(入力信号)を、バラスト410、420を介して得られる光源201、202の強度(出力信号)と関連付け、それ故、ユーザが好む又は特定のアプリケーションについて好ましい照明装置200の光335の色温度を提供する。更に、制御器は、例えば、周期的に又はランダムに、時間経過と共に照明装置200の色温度を変えるようにデザインされることが可能である。他の実施形態においては、制御器は、時間経過と共に、光335の色温度の増加を提供するようにデザインされることが可能である。例えば、色温度が暖かい白色光から冷たい昼光まで可変である照明装置200が提供されることが可能である。そのような増加は、例えば、ひとが起床すること(“起床モード”)を支援するのに効果的である。
【0073】
従って、制御器500は、第1光源201及び第2光源202の1つ又は両方をオン及びオフに切り換えること、光335の色温度を調光すること、光355の“暖かい白色”、“冷たい昼光”及びそれらの中間の(又は、それらを越えた)モード等の光の種類を決定すること、光355の色温度におけるランダムな又は周期的な変化若しくは色温度の徐々の増加(“起床”)又は減少等の照明パターンを決定すること、並びに光335の色温度及び照明パターンの1つ又は両方が、時間、温度、外部光源の光強度等の1つ又はそれ以上の外部パラメータに依存するか否かを決定すること、を含む群から選択された1つ又はそれ以上の機能を提供することが可能である。
【0074】
上記のように、本発明に従った照明装置200は、701の参照番号が付けられた1つ又はそれ以上のセンサを有することが可能であり、好適な実施形態においては、装置200により生成される光335の第3色温度を測定するように、そして測定された第3色温度との関係を有する信号(入力信号)を生成するように備えられ、制御器500は、1つ又はそれ以上のセンサ701により生成される信号及び所定の値に依存して、光335の第3色温度を制御する制御信号(出力信号)を生成するように備えられる。従って、好ましい第3色温度を与えるようにランプバラスト410、420を調節するフィードバック制御ループが備えられることが可能である。所定の値が、例えば、ユーザ入力装置を介してユーザにより設定されることが可能であり、そのユーザ入力装置は、例えば、当業者が知っているタッチコントロール、スライドスイッチ等のようなスイッチを有することが可能である。照明装置200は1つのセンサ701を有することが可能であり、又は代替として、より多くのセンサ701を有するセンサ構成を有することが可能である。センサ701は、図4a、4b及び5に模式的に示されている。
【0075】
本発明に従った照明装置200の特定の実施形態について、図4aに示す。各々の光源201及び202は、それら自体の“バルブ”、“シェル”又は外囲器100(1)及び100(2)を有する。任意に、両方の光源201及び202は、より大きい外囲器1000により更に囲まれることが可能である。図4bに模式的に示されている他の実施形態においては、しかしながら、第1及び第2光源201、202のそれぞれの両方の放電容器3(1)及び3(2)は1つの外囲器1000により囲まれ、その外囲器1000は外囲器100(1)及び100(2)により置き換えることができる。外囲器100(1)、100(2)及び1000(3)により囲まれる体積は、適用可能であるように、真空である又は窒素を有する。そのような構成の例については、特開平10−312897号公報及び韓国特許出願公開第2002/0093743号明細書において開示されている。
【0076】
図5は、第1及び第2光源201、202がリフレクタ600により少なくとも一部が囲まれている更なる実施形態を模式的に示している。リフレクタ600は、2つの光源201、202の放射線331、332を混合し、よく混合された光335を与えるように備えられている。従って、特定の実施形態においては、本発明に従った照明装置200の第1及び第2光源201、202は少なくとも一部がリフレクタ600により囲まれ、そのリフレクタは、実質的に均一な光335を与えるように、第1放射線331及び第2放射線332を混合するように備えられている。図5は、放電容器3(1)及び3(2)のそれぞれを囲む別個の外囲器100(1)及び100(2)を有する2つの光源201及び202を模式的に示している。しかしながら、図5に示しているリフレクタの構成はまた、両方の放電容器3(1)及び3(2)を囲む外囲器1000と組み合わせて用いられることが可能である。図5に示している構成以外の構成がまた、例えば、米国特許出願公開第2005/0225986号明細書及び国際公開第2003/048634号パンフレットに記載されているように、可能である。特定の実施形態(図示せず)においては、1つ又はそれ以上のセンサ701がリフレクタ600(光源100(1)及び100(2)は実質的にリフレクタ600内に存在する)の後に備えられ、リフレクタ内小さい孔(“光リーク”)を通して光335を受け入れることが可能である。1つ又はそれ以上のセンサはまた、リフレクタ500において一体化されることが可能である。
【0077】
当業者にとって明確であるように、用語“第1光源201及び第2光源202”のそれぞれは、(1)それらの光源の少なくとも1つが上記式を満足する(即ち、zは0.001乃至2の範囲内にあり、A、B及びCは表1に示されているようであり、最大電力動作における最例点温度Tcsは少なくとも1100°Kである)条件、そして光源201及び202が、それらの光源間の色温度の差が少なくとも1400°Kであるように、それぞれの放射線331及び332を生成するように備えられる条件の下で、交換可能である。色温度における差が光源201、202の公称動作において少なくとも約1400°Kである限り、第1光源201はまた、第2光源202より低い色温度を有することが可能であること(上記をまた、参照されたい)はまた、当業者には明らかである。本発明に従った照明装置200は2つの光源201及び202を有する。ここで記載している有利点は、ここで記載している第1光源201及び第2光源202を有することにより得られる。しかしながら、照明装置200はまた、3つ以上の光源を有することが可能である。
【0078】
従って、本発明は、照明装置200により生成される光の黒体軌跡からの実質的なずれなしに、カラーが可変である照明装置200を提供することができる。照明装置200はまた、照明装置200により生成される光の色点の実質的な移動なしに、調光されることが可能である。照明装置は、少なくとも2つのCDMランプ201、202に基づいている。
【0079】
当業者にとって明らかであるように、第1ガス充填物及び第2ガス充填物の重要な成分、即ち、光331及び光332の色温度に本質的に影響する1つ又はそれ以上の成分は、一般に、異なっている。例えば、Dy又はErベースの光源は比較的低い色温度を有する一方、In又はGaベースの光源は比較的高い色温度を有する。
【0080】
実施例
実施例1:本発明に従ったランプ/放電容器の実施例
0.32cm3の体積を有する放電容器3(1)を有する光源201が製造された。放電容器3(1)は、次の充填物、即ち、600μgのInIと、4mgのHgと、300mbarのArとを有する。InIの濃度は1875μg/cm3である。光源201は、室温環境において、220V、50Hzで動作される。最例点温度は、公称電力において1300°K(±50°K)であり、70Wにおいて1200°Kである。色点、演色性(Ra)及び電力の関数としての発光効率が図9及び11に示されている。予測される壁負荷は約40W/cm2である。この光源201におけるInI濃度は、InIが70乃至100W(1200°K乃至1300°Kの温度範囲をもたらす)の全体の範囲において気相にあるように選択された。図8bは、70Wにおける光源201のスペクトルを示している。Ra=90であり、R9は55であり、発光効率は62.3lm/Wであり、Tc(色温度)=7040°Kであり、CIE座標(x,y)は(0.3050,0.3201)である。
【0081】
実施例2:実施例1のランプの調光挙動
調光性(ランプが公称動作(即ち、最大電力)における強度からより低い強度に調光されることができる範囲)は、実施例1の光源201について測定された。ランプは、5SDCM範囲から逸脱することなく、70乃至100Wの範囲(それは、多くのアプリケーションについて許容可能である範囲である)内で調光され、CCTはこの単独の光源201について一定であることが可能であることが判明し、これについてはまた、図6及び9を参照されたい。このことは、公称動作における強度の約少なくとも30%の割合の調光が(即ち、公称動作における強度の70%までの調光)少なくも達成されることを意味するものである。
【0082】
この場合にはまた、光源201の方向(水平方向又は鉛直方向)に関する測光特性依存性は、匹敵する従来技術のランプに比べて、光源201においては実質的に小さいことが更に判明した。
【0083】
実施例3:他のランプと比べた実施例の光源201の調光挙動
表3は試験されたランプの概要を示している。
【0084】
【表3】
【0085】
“+”で示すランプの調光の可能性については、図6に示している。本発明に従った照明装置200の光源201は、緑色のずれが無視できる最も良好な挙動を示している。有利であることに、更に、そのずれは、第1光源201の最大電力の約35%に減少した場合でさえ、BBLから約5DCM以内に入っている。
【0086】
実施例4:2つのCDMバーナを混合することによる色可変性の実施例
色可変性HID照明装置は、高CCTバーナ及び低CCTバーナが選択され、それらの光出力は異なる電力レベルにおいて混合される点で、上記の表3のランプからの測定データに基づいて構成されることが可能である。
【0087】
ここでは、照明装置200のような実施例が与えられている。高CCTランプについては、第1光源201が実施例1及び2で説明しているように選択され、“CDM 不飽和InI 70W”で表される。第2光源202,即ち、CDM 70W 930ランプ“が、ここでは、低CCTランプとして選択される。その場合、広い色可変性範囲が、BBLからの限定された移動を伴って色335により得られ、これについては、図6をまた、参照されたい。色可変性についてのLTP(測光特性)データは、得られたランプが測定球において共に動作され、得られたCCT範囲が調節されたことで、測定された。それらの結果については、表4及び図7aに示している。
【0088】
【表4】
【0089】
それらの結果は、両方の別個のバーナが70Wの公称電力においてRa>90であるために、高演色評価数(全範囲に亘って88<Ra<94)を有するBBL(≦10SDCM)に近接して2000°Kより大きいCCT範囲を示す。
【0090】
実施例5:2つのCDMバーナを混合することにより一定のCCTで調光する実施例
メタルハライドランプの調光に伴う周知の課題は、発光管内部の減少した上記圧力の結果として緑色の方への色ずれである。図6に示すように、全ての従来技術のCDMランプはこの短所を被り、一部の種類のランプは他のランプに比べてより大きく被る。この課題は、色品質は維持する必要がある場合に、約60乃至70%の電力に調光するための実際的なより低い限界に制限する。
【0091】
上記のように、CDM 70W 930及び第1光源201の色混合を伴う実験においては、2つのバーナが同時に調光される場合、色点は殆ど影響されないことが、驚いたことに、発見された。図7bに示しているその効果は、別個のバーナの色点の特定の軌跡によりもたらされ、この実施形態においては、CDM 70W 930バーナはBBLの情報にずれ、不飽和のInIバーナはBBLの下方にずれる。略4000°Kの略一定の色点において30%の電力まで小さくなるように調光されることが可能であるシステムが与えられることが可能である。参考のために、30%まで小さくなる調光曲線がまた、図7bにおいて別個のバーナについて与えられ、2バーナシステムにより提供される著しい改善を示している。
【0092】
この結果は、75乃至135Wの電力範囲に亘って組み合わされたシステムのLTPデータを測定することにより実験的に変わった。
【0093】
【表5】
【0094】
従って、一定のCCTにおいて調光されるとき、5SDCM範囲内の変化が、本発明に従った照明装置200について、可能である。
【0095】
実施例6:本発明に従ったランプ/放電容器の実施例
この実施例は、第1光源201及び第2光源202のそれぞれとして用いられる光源又はランプに関する。この実施例は、その特性のために、第1光源201について、ここで記述している基準を少なくとも満足する。実施例1及び2において上で説明しているInIベースの第1光源201は比較的高い色温度を有する一方、下で説明している光源は比較的低い色温度を有する。従って、それらの実施例6及び7で説明しているランプが、例えば、上記の第1光源201と組み合わされた第2光源202としての照明装置200において用いられることが可能であり、そのことは、第1及び第2光源201、202の両方が請求項1の条件を満足する一方、実施例6及び7で説明しているランプがまた、高色温度を有する第2光源202と組み合わされた第1光源201として用いられることが可能である照明装置200を提供する。
【0096】
1.8cm3の体積を有する放電容器3を有するランプが製造された。放電容器3は、次の充填物、即ち、140μgのNaI、980μgのTlI、120μgのDyI3、30mgのHg及び300mbarのArを含んでいた。それ故、DyI3の濃度=67μg/cm3<1560μg/cm3(1400°Kにおいて)であり、DyI3の濃度=67μg/cm3<1560μg/cm3(1400°Kにおいて)であり、TlIの濃度=544μg/cm3<17,000μg/cm3(1400°Kにおいて)である。ランプは、室温において、220V、50Hzで動作された。このランプの発光スペクトルは図11に示している。
【0097】
最冷点温度は、公称電力(300W)においては1400°K(±50°K)であり、160Wにおいては約1150°Kである。色点、演色性(Ra)及び発光効率について、電力の関数として図11に示している。推測される壁負荷は約75W/cm2であった。従って、ガス充電物の成分の濃度は、300Wの公称動作電力において1400°Kの最冷点温度についての表において上で与えている基準を満足する。ガス充填物の成分は、150乃至300Wの範囲内の少なくとも一部においいては不飽和のまま保たれる。1150°K以上においては、しかしながら、NaI及びDyI3の濃度は、z=1であることを前提として、上記式から導き出され、表2に示されている値より僅かに大きい。ここで示している水銀量が与えられる場合、全ての水銀においてはまた、160Wにおいてさえ、動作中に気相にある。
【0098】
図11は、250Wにおけるランプのスペクトルを示している。Ra=96.4、R9は67.5であり、発光効率は83.2lm/W、Tc(色温度)=3336°Kであり、CIE座標(x,y)は(0.4134,0.3917)である。
【0099】
実施例7:実施例6のランプの調光挙動
調光性(ランプが公称動作(即ち、最大電力)における強度からより低い強度まで調光されることが可能である範囲)が、実施例6のランプについて測定された(図11を参照されたい)。ランプは、5SDCM範囲(多くのアプリケーションについて許容可能である範囲)を逸脱することなく、160乃至300Wの範囲内で調光されることが可能である。このことは、公称動作における強度の約少なくとも50%の割合を調光することが達成可能であることを意味する。電力の関数としての色点の可変性は図12において与えられ、電力の関数としての発光効率及びRaは図13に示されている。
【0100】
ランプの測光特性は、匹敵する従来技術のランプに比べて、本発明に従ったランプの方向(水平方向又は垂直方向)に実質的にあまり依存しないことが更に判明した。
【0101】
上記の実施形態は本発明を限定するものではなく、同時提出の特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく当業者は多くの代替の実施形態をデザインすることができることに留意する必要がある。用語“を有する”及びその派生の用語は、請求項に記載されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素の単数表現はその要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアにより、そして適切にプログラムされたコンピュータにより実行されることが可能である。複数の手段を列挙している装置請求項においては、それらの複数の手段は同一のハードウェアにより実施されることが可能である。
【0102】
単に特定の手段が互いに異なる独立請求項に記載されているということは、それらの手段の組み合わせが有利に用いられるものではないことを表してはいない。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図4a】本発明に従った照明装置の模式図である。
【図4b】本発明に従った照明装置の模式図である。
【図5】本発明に従った照明装置の更なる実施形態の模式図である。
【図6】本発明に従った照明装置で用いるための第1光源の実施形態を示す複数のランプの色点の変化であって、この場合にはInIに基づく本発明に従った照明装置で用いる第1光源の変化を示す図である。
【図7a】CCTが変化するときに、本発明に従った照明装置の実施形態により得られる色点変化の模式図である。
【図7b】一定のCCTのときに、本発明に従った照明装置の実施形態により得られる色点変化の模式図である。
【図8a】従来技術のランプ(約3000°KのCCT)のスペクトルを示す図である。
【図8b】本明細書で説明している第1光源(約6800°KのCCTを有するヨウ化インジウムランプ)のスペクトルを示す図である。
【図8c】本発明の実施形態に従った混合したスペクトル(約3900°K)のスペクトルを示す図である。
【図9】70乃至100Wの電力における図8bのランプの調光性を示す図であって、楕円は色適合(5SDCM)範囲の5倍の標準偏差を示す、図である。
【図10】70乃至100Wの電力における図8bのランプの視感度及び演色指数を示す図である。
【図11】本発明の照明装置で用いる第1光源の他の実施形態のスペクトルであって、その照明装置で用いる第1光源はこの場合にはDyI3に基づいている、スペクトルを示す図である。
【図12】図11のランプの色点の変化を示す図である。
【図13】図11のランプのRa及び視感度を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の照明装置は、2つの(又はそれ以上の)特定のCDMランプの組み合わせとしての近似により表されることが可能である。より良好な理解のために、セラミック放電メタルハライドランプの放電容器について、先ず、一般的に説明し、次いで、第1光源についてより詳細に説明し、続いて、第2光源について説明し、最後に、照明装置及びそれらの複数の組み合わせについて詳細に説明する。特に断りのない限り又は本明細書から明らかであるように、“公称動作”、“最冷点温度”等(下記参照)のここで与えられる定義は、第1光源及び第2光源の両方に適用される。
【0015】
一般のCDMランプ及び放電容器
CDMランプはまたときどき、CDMランプはHIDランプのクラスに属すために、CDM HIDランプとして表される。本発明の照明装置の光源はセラミック放電容器(又はバーナ)を有する。このことは特に、セラミック放電容器の壁は、単結晶のサファイヤ及び密に焼結された多結晶のアルミナ(又は、PCAとして知られている)等の半透明の結晶の金属酸化物、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)及びYOX(イットリウムアルミニウム酸化物)、AlN等の透明な金属窒化物を好適に有する。その容器の壁は、当該技術分野で知られているように(下記も参照されたい)、1つ又はそれ以上の(焼結された)構成要素を有することが可能である。
【0016】
本発明の照明装置の放電容器の実施形態については、図1及び2を参照して下で説明する。しかしながら、本発明の照明装置の光源及び放電容器は、下で説明している及び/又は図1及び2に示している実施形態に限定されるものではない。それらの図は、本発明の照明装置の光源及び/又は放電容器の1つのみを示している。本発明の照明装置は、しかしながら、そのような放電容器(また、“バーナ”として知られている)の2つ又はそれ以上を有する。
【0017】
図1及び2においては、放電容器3は模式的に示されている。電流リードスルー導体20、21は2つのそれぞれのシール10(当該技術分野で知られている封止用フリット)により封止されている。しかしながら、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。電流リードスルー導体20、21の1つ又は両方は、例えば、放電容器3内に直接、焼結されているランプ(光源)がまた、適用されることが可能である。
【0018】
両方の電流リードスルー導体20、21が放電容器3内にシール10により封止されている特定の実施形態についてここで、詳細に説明する。2つの電極4、5,例えば、相互距離EAを有するチップ4b、5bを有するタングステン電極が、それらの間の放電経路を定めるように放電空間11内に備えられている。円筒形の放電容器3は、少なくとも距離EAにおいて内径Dを有する。各々の電極4、5は、容器壁31(即ち、参照番号33a、33b)と電極チップ4b、5bとの間の下部の距離に対してチップを形成する長さに亘って放電容器3の内部に延びている。放電容器3は、放電空間の端面33a、33bを形成する端壁部32a、32bによりどちらの側においても閉じている。端へ基部32a、32bは各々、セラミック突出プラグ34、35が焼結ジョイントSにより端壁部32a、32bにおいて気密性を有するように嵌め込まれている。放電管3はそれらのセラミック突出プラグ34、35により閉じられていて、それらの突出プラグは、狭い介在空間を伴って放電空間内に位置している電極4、5のうちの1つに、そして放電空間11から離れた端部における融解セラミックジョイント10(更に、シール10として示されている)により気密性を有するようにこの導体に接続されている。セラミック放電容器壁30は、ここでは、容器壁31、セラミック突出プラグ34、35及び端壁部32a、32bを有する。
【0019】
放電容器3は、スタンドアロン型ランプにおいて一端部においてランプキャップ(図示せず)を備えている外側バルブ100により囲まれている。実施形態においては、照明装置(下記参照)は、全体の照明装置(即ち、2つの光源を有する装置について1つのランプキャップ)を備える1つのランプキャップを有することが可能である。更に、図2a及び2bは、外囲器100当たり1つの放電容器3を示しているが、実施形態においては、外囲器100は、2つ以上の放電容器(例えば、第1及び第2放電容器)を有することが可能である。照明装置については、下の“照明装置”の節で更に詳細に説明する。
【0020】
放電は、光源が動作しているときに、電極4と5との間に広がる。電極4は、電流導体8を介して第1電気コンタクト(図示せず)に接続されている。電極5は、電流導体9を介して第2電気コンタクト(図示せず)に接続されている。
【0021】
各々のセラミック突出プラグ34、35は、チップ4b、5bを備えている電極ロッド4a、5aを有する関連電極4、5の電流リードスルー導体20、21を封入している。電流リードスルー導体20、21は放電容器3の中に入っている。電流リードスルー導体20、21は各々、実施形態においては、例えば、シール10により気密性を有するようにそれぞれの端部プラグ34、35に対して固定される部分及びMo−Al2O3サーメットの形でハロゲン化物耐性のある部分41、51を有することが可能である。シール10は、例えば、Moサーメット41において約1乃至5mmの範囲内のある距離に亘って延びている(セラミック封止材料は、封止中に端部プラグ34、35における自由空間に貫入される)。それらの構成要素41、51が、Mo−Al2O3サーメットからに代えて代替の方式で形成されることが可能である。他の有効な構成については、例えば、欧州特許第0587238号明細書(Moコイル−ロッド構成について記載されている)に開示されている。特定の適切な構成はハロゲン化物耐性材料であることが判明している。それらの構成要素40、50は、熱膨張係数が端部プラグ34、35の材料に対してかなりよく一致する金属から成る。ニオブ(Nb)がセラミック放電容器の熱膨張係数と一致する熱膨張係数を有するために選択される。
【0022】
図2a及び2bは2つの異なる実施形態を示し、図2aにおける放電容器は図1に示している放電容器と類似している。対応するランプ部は、図1及び2において同様の参照番号が与えられている。放電容器3は、放電空間11を囲む成形壁30を有する。成形壁30は本実施形態の場合には楕円形である。上記の実施形態(図1及び2aをまた、参照されたい)に比べて、壁30は単一のエンティティであり、壁31と、端部プラグ34、35と、端壁部32a、32b(図2においては別個の構成要素として示されている)とを有する。そのような放電容器3の特定の実施形態については、国際公開第06/046175号パンフレットに更に詳細に記載されている。代替の形状、例えば、球形が同様に有効である。
【0023】
図1に模式的に示している実施形態において、図3に模式的に示しているセラミック突出プラグ34、35、端壁部32a、32b及び壁31又は壁30を有することが可能である壁30は、ここでは、セラミック壁であり、そのセラミック壁は、AlNのような半透明な金属窒化物又は半透明な結晶の金属酸化物(上をまた、参照されたい)の壁を意味するとして理解される必要がある。そのような半透明のセラミック放電容器3については、欧州特許第215524号明細書、欧州特許第587238号明細書、国際公開第05/088675号パンフレット及び国際公開第06/046175号パンフレットに記載されている。特定の実施形態においては、放電容器3は半透明のAl2O3を有し、即ち、壁30は半透明の焼結Al2O3を有する。上記の図に示している実施形態においては、壁30は、代替として、サファイヤを有することが可能である。
【0024】
図1の放電容器の一部について、図3a及び3bにより詳細に示されている。水平方向の方向付けは、光源がこの方向で適用されるようになっていることを意味するものではない。この図においては、イオン化可能ガス充填物のための凝縮材料を参照番号60で示している(従来技術においては、ランプが最大電力で動作されるときでさえ、そのままのランプである)。図3aは、電極4と突出端部プラグ34との間のボイドは、ランプの動作中でさえ、凝縮材料(ヨウ化塩等)を有する。これは特に、そのようなランプは主に、過飽和の充填物を用いるために、既知のランプにおいて見られる状態である。従来技術の高圧放電ランプの動作中に、凝縮材料は尚も、放電容器内に存在する。このことは、放電ガスが動作中にヨウ化物で飽和し、メタルハライド塩“プール”が最冷点において形成される状態に繋がる。
【0025】
動作中の放電容器内のガスの特性平均温度及び特性平均圧力のそれぞれでは、2000乃至3000°K、例えば、2500°K及び2乃至50barある。しかしながら、放電容器3内には温度差が存在する。その温度は、電極チップ4b、5bに近接するところでは比較的高い。動作中、放電容器内の温度は、アークのコアにおける高い約6000°Kから電極チップにおいて約3000°Kの特性温度まで、そして、例えば、放電容器の端部近傍の特性温度、所謂、最冷点温度(上記も参照されたい)まで変化することが可能である。一般に、温度は、壁30(図2b)又は壁31(図1)の内側表面に比べて突出プラグ34、35(の端部)においてより低く、これについても図3bを参照されたい。最冷点温度で放電容器3内の場所が最冷点として示され、その温度はときどき、Tcs又はTkpとして示される(欧州特許第0215524号を参照されたい)。
【0026】
最冷点は、放電容器3の壁30の局所的な壁の温度を測定することにより決定され、そのことについては、例えば、文献Pure Appl.Chem.72(11) 2000, pp.2159−2166、by W.Erkを参照されたい。測定される最冷温度(壁30の外側)は最冷点温度と呼ばれる。この決定は、当該技術分野において知られていて、下記で簡単に説明している。
【0027】
図3bは、温度勾配の模式図と共に、図3aに模式的に示す放電容器と同じ部分を模式的に示している。放電容器3は、体積11、即ち、ガス充填物の成分が存在し、それらの成分がランプ1の使用中にガスを構成する体積を囲んでいる。図3bの実施形態においては、この体積は、壁30、即ち、壁31、端部32a(放電容器3の一の側のみがこの模式図においては示されている)及びシール10(図1及び2bを参照されたい)により囲まれている体積である。壁30に沿った温度は、セラミック材料の発光を測定することにより、又は当該技術分野において知られている他の方法により決定される。この温度は、位置xの関数として示される。模式図3bにおいては、最冷点はセラミック突出プラグ34の端部、即ち、放電体積11が終了し、シール10が開始するところにおいて認められる。この位置はxで示され、この点における温度、即ち、放電容器13内の最冷点温度はTxで示される。この温度Tx(即ち、Tcs)は、動作中、少なくとも公称動作中、少なくとも1100°Kである。最冷点の位置はランプ1の方向(水平方向又は鉛直方向)に依存する。図3aの模式図は、過飽和度が大きい従来技術の状態に対して、第2(又は、更なる)放電容器について示しているが、図3bの模式図は、本発明に従った転送装置の第1放電容器に関連し、ガス充填物成分の凝縮は、第1放電容器の公称動作中は生じない(下記を参照されたい)ものである。
【0028】
第1光源
図1、2及び3bに模式的に示している光源及びセラミック放電容器の一般的な実施形態と、図4及び5(下記を参照されたい)に模式的に示す本発明に従った照明装置の特定の実施形態とを参照するに、第1光源201は、2つの電極4(1)、5(1)を有する第1セラミック放電容器3(1)であって、第1放電容器3(1)は第1イオン化可能ガス充填物を有する第1放電体積11(1)を囲んでいる、第1セラミック放電容器3(1)を有する。放電容器3(1)は外囲器又はバルブ100(1)により周囲を囲まれる、又は代替として、外囲器又は“バルブ”1000内の第2光源202と共に含まれることが可能である(下を参照されたい)。
【0029】
本発明のランプ1におけるイオン化可能充填物は、好適には、InIを有するがまた、他の成分に基づくガス充填物が用いられることが可能である。本明細書で説明している第1イオン化可能ガス充填物のInI及び/又は他の成分の1つ又はそれ以上に加えて、放電空間11(1)(しかしまた、11(2)であり、それについては下記を参照されたい)は、Hg(水銀)及び当該技術分野で知られている始動ガス、例えば、Ar(アルゴン)又はXe(キセノン)を含む。特性Hgの量は、約1乃至100mg/cm3Hgの範囲内であって、特に約5乃至20mg/cm3Hgの範囲内である。好適には、放電容器3(1)内の水銀量は、水銀の凝縮なしに、即ち、水銀蒸気は飽和しないように、公称使用において水銀ガスを供給するように選択される。水銀及び始動ガスについては、当業者に知られているため、ここでは更に説明しない。原理的には、本発明の照明装置の第1光源及び第2光源はまた、水銀なしで動作されることが可能であるが、好適な実施形態においては、放電容器3(1)内に存在する。定常状態の燃焼の間に、長いアークランプは一般に数barの圧力を有する一方、短いアークランプは、最大約50barの放電容器内の圧力を有することが可能である。特性ランプ電力は、約10乃至1000Wの範囲内、好適には、約20乃至600Wの範囲内にある。
【0030】
表現“光源の使用中の少なくとも1100°Kの最冷点温度”は、本発明に従った照明装置200における光源の使用中の放電容器内の温度のことをいい、放電容器3(1)内の最冷点温度は、照明装置200における光源201の使用中、少なくとも1100°Kであることを表している。それは、特に、最大電力における光源の動作、即ち、公称動作のことをいう。本発明においては、公称動作における第1光源201の第1放電容器における最冷点温度は少なくとも約1100°Kであり、好適には、その温度より更に高い。始動又は、例えば、調光中に、最冷点温度は、しかしながら、より低いことが可能である。
【0031】
ここでは、用語“公称動作”及びそれに類似する用語は、定格電力における第1光源の動作のことをいう、例えば、50W(即ち、50Wが定格である)の市販のランプは、公称50Wで用いられる。当該技術分野で知られている“公称動作”についての等価な用語は、“定格電力”、“最大電力”、“最大電力における動作”、“公称電力における動作”、“公称の使用”又は“公称電力”である。用語“動作中”は、第1光源201が、特に、環境温度、提示された電力、電流及び周波数等の所定の条件で動作する状態のことをいう、従って、“公称動作”又は”最大電力“等は、ここでは、光源が動作されるようにデザインされた条件下での及び最大電力における光源の動作のことを表す。それは特に、第1光源201が、初期の始動の後、例えば、約1分間(定常状態)の後に実質的に一定のレベルで動作している状態のことをいう。その場合、第1光源201は、安定なアークの存在による安定な動作において用いられる。用語”不飽和“とは、ここで示しているように、公称(調光されていない)動作の間の放電容器内のガスがイオン化可能ガス充填物に対して不飽和である状態のことをいう。このことは、公称電力における動作中、希土類ガスの又は他のガスの充填物の成分のヨウ化物は、放電容器内に備えられている放電容器3(1)又は他の要素の内側表面において実質的に凝縮しないことを意味する。それ故、実質的には、放電容器3(1)内の全ての成分は第1光源201の公称動作中に気相にある。
【0032】
実施形態においては、本発明は、第1光源201の第1放電容器3(1)が提供され、ランプの動作中に、特にランプ(即ち、第1光源201)の公称動作中に充填成分の凝縮が実質的に生じないような少量に、イオン化可能充填成分が投与される。従って、イオン化可能充填成分は、実質的に不飽和のガスが公称動作中に得られるような量で放電容器内に好適に存在する。このことは、第1光源201の公称動作中に、REIn及び/又はInIのようなイオン化可能充填ガスの成分が好適に凝縮されない又は実質的に凝縮されないことが放電容器内で見られることを意味している。
【0033】
好ましい条件は、それらの成分の特定の濃度を選択することにより、そして公称動作における放電容器内の適切な最冷点温度を選択することによる実施形態において特に達成され、それについてはまた、下の表2を参照されたい。
【0034】
それぞれの成分の濃度は上記式により演算することが可能であり、セラミック放電容器3(1)及び第1光源201は所定の値(少なくとも1100°Kである)の公称動作において最冷点温度を有するように備えられることが可能である。用語“それぞれの成分”とは、上記の式及び表1に与えられているパラメータに従って、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有するガス充填物の各々の別個の成分についてその濃度が演算される必要があることを意味する。従来技術に対する本発明の有利点は、ガス充填物のそれぞれの成分の濃度が式(1)及び上記のパラメータA、B、C、z及びTcsの値を満足するときに得られることが判明している。標準的な充填成分Hg及び始動ガスについては表に示されていないが、それらの充填成分は動作中に気相にある(上記をまた、参照されたい)。
【0035】
特に良好な測光特性は、zが2又はそれより小さい場合に、濃度hと共に得られる。特に、zが1である又はそれより小さい好適な実施形態においては、充電物の成分は、公称動作中、気相にある。一般に、zが小さければ小さい程、ランプの特定はその熱付加に依存しなくなる。
【0036】
一般に、従来技術のランプは、使用中に約900乃至1100°Kの最冷点温度を有することが可能である。約1100°Kより高い温度は、石英容器の石英が約1100°K以上の温度で劣化するため、セラミック放電容器3(1)(又は3(2))のみにおいて達成されることが可能である。好適な一般的な条件下での本発明に従った第1光源の放電容器3(1)における最冷点温度は、公称動作中には少なくとも約1100°Kである。特定の実施形態においては、最冷点温度(又は、最小温度)は、公称動作中には約1100乃至1600°Kの範囲内にある。特に良好な結果は、放電容器3(1)が、ランプの公称電力における動作中に少なくとも約1200°Kにおける、特に、少なくとも約1300°Kにおける、より好適には少なくとも約1350°Kにおける、更に好適には少なくとも約1400°Kにおける最冷点温度を有するように、即ち、公称動作において最冷点温度が少なくとも約1300°K、1350°K及び1400°Kのそれぞれであるように、備えられているときに得られる。より特定の実施形態においては、放電容器3(1)は、第1光源201の公称動作中に1350乃至1500°Kの範囲内の最冷点温度を有するように備えられる。一般に、最冷点温度が高ければ高い程、第1光源201は放電容器3(1)の外側温度又は方向により依存しないことが判明している。表現“放電容器が1200°Kの最冷点温度を有するように備えられる”とは、動作(特に、公称使用における)中に、第1光源201が、ここで最冷点について記載している最冷点温度を有することが可能であるようにする照明装置200、第1光源201及び放電容器3(1)のことをいう。公称電力より低い電力(即ち、定格電力より低い)に照明装置200を調光するとき、最冷点温度は低下することが可能である、濃度に依存して、このことは、充填物の1つ又はそれ以上の成分の凝縮に繋がる可能性がある。従って、TCSは、選択された電力(100%又はそれ以下)に依存して、動作中に可変であることが可能である。充填物濃度は、しかしながら、公称電力における動作に対して演算される。少なくとも1100°K又はそれより大きいTCS値が、そのような公称動作中に第1光源201について得られる。
【0037】
特定の実施形態においては、しかしながら、塩濃度h(ガス充填物の成分の1つ又はそれ以上の)は、最大出力(即ち、公称動作)における第1光源201の飽和濃度(zが約1又はそれより小さい)の約10%又はそれより小さい、より好適には、1%又はそれより小さい、即ち、zが0.1又は0.01(又はそれより小さい)ようにそれぞれ選択される。このようにして、凝縮は、調光中でさえ実質的に回避されることが可能である。46.90μg/cm3のDyI3充填物(z=0.01)及び1500°Kの公称動作における最冷点温度を前提とすることは、例えば、約1200°Kに最冷点温度を低下させることに繋がり、DyI3の濃度は、調光中でさえ尚も飽和以下になる(下の表2をまた、参照されたい)。従って、そのようなランプ(即ち、第1光源201)は、一般に、色点(下記をまた、参照されたい)のずれのような測光特性を実質的に悪化させることなく、少なくとも最大電力の30%について調光可能である。
【0038】
表2は、複数のヨウ化物について、特定の温度における好適な最大濃度を与えている。この表においては、不飽和ガス(特定のヨウ化物に対する)を与えるように、第1放電容器3(1)(第1光源201の最大電力における動作中に部分的に凝縮物質をもたらすことなく)に付加されることが可能である量(μg/cm3)が、第1光源201における最冷点温度が提示されている温度(1100°K、1200°K、1300°K、1400°K、1500°K及び1600°K)を越える場合に、複数のヨウ化物について与えられている。この表における好ましい値はz=1である。
【0039】
【表2】
【0040】
表2における上記の値は、照明装置200の第1光源201におけるそれぞれの構成要素の放電容器3(1)内の濃度についての上限の好適な値であり、放電容器3(1)における最低温度(最冷点温度)は、その表に示されているように、少なくとも公称動作中のものである。例えば、放電容器3(1)内の最冷点温度1300°K、即ち、放電容器3(1)における最冷点温度を有し、(水銀ガス及び希ガスに加えて)イオン化可能ガスとしてInI(のみ)を有する好適な実施形態を前提とする場合、好適な最大濃度は約6120μg/cm3(z=1)である。公称動作中の最冷点温度が、例えば、1400°Kである場合、約10,100μg/cm3より高い濃度は放電容器3(1)におけるInIの濃度に繋がることが可能であり、約10,100μg/cm3又はそれより低いInIの濃度又は、光源201が最大電力で動作されるときにInI成分に対して実質的に不飽和の充填物に繋がる。
【0041】
表2においては、z=1が好適な値である。このように、過飽和ガス充填物の大きい過飽和が回避される一方、本発明の良好な測光特性が得られる。表2における値は、公称動作中における表2に示しているそれぞれの最冷点温度における好適な最大濃度として解釈することができる。本発明の実施形態においては、それらの濃度はまた、表2に示している値より低いことが可能である。好適な最大値は、1300°Kの列において示されている値である。
【0042】
ガス充填物が実質的に不飽和である条件が与えられる場合、放電容器の形状等のパラメータは、当該技術分野のランプの状態に比べてあまり重要でない。更に、最冷点の温度が十分に高いとき、ランプの方向、環境温度、照明装置等の効果はあまり重要でない。これはまた、第2光源に第2光源の相対的に近接する存在の観点からも適切である(下記を参照されたい)。これは更に、ここで定められる条件が、従来動作されているランプの放電容器について有効である第1放電容器3(1)をデザインする実施形態において、当業者が自由度を与えることが可能である。
【0043】
その温度が高くなればなる程、及び飽和濃度に対する塩濃度が低くなればなる程、光源201の調光可能性はより良好になり、完全な照明装置200のより良好な調光挙動をまたもたらすことができる。本発明の実施形態に従った第1光源201が調光されることが可能である特性範囲は、公称動作における強度を100%から公称動作の強度の約70%、より好適には、50%までの範囲である。実施形態においては、本発明に従った装置200の第1メタルハライドランプ201は、色点の実質的なずれなしに公称動作における特に強度の70乃至100%(非調光)の範囲内で、より好適には、50乃至100%の範囲内で調光可能である。ここでは、用語“色点の実質的な移動なしに”とは、10SDCMより大きくない、特に、5SDCMより大きくない色点の移動のことをいう。
【0044】
好適には、第1光源201は、少なくとも最大電力(即ち、公称動作における強度であり、下記を参照されたい)のBBL(即ち、好適には、約10SDCM以内)における又は略BBLにおける色点を有する放射線331を生成する。そのようなランプが調光されるとき、色点は好適には、公称動作(即ち、最大電力)における強度の約70乃至100%の範囲内の、より好適には、50%(又は、それより小さい)における略BBLにある。
【0045】
第1光源201は、好適には、高い色温度、即ち、少なくとも5000°Kであって、より好適には、少なくとも6000°Kを有する。これは、本発明に従った照明装置200が、色点の実質的な移動なしに一定のCCTにおいて調光可能であることを、又は黒体軌跡からの実質的なずれなしに可変である光の色温度を有することを可能にする。
【0046】
上記のように、第1光源201の特定の実施形態はInIベースの光源201である。上記式を満たすInIベースの光源201の発光スペクトルが図8bに示されていて、電力の関数としての色点、効率及びRaの関係が図9及び10にそれぞれ、示されている。色点/色温度におけるInI光源201を調光する影響についてはまた、図6及び7に示されている。図6は、本発明に従った照明装置200における第1光源201として用いられるInIベースのランプ及び複数の従来技術のランプの挙動の調光について示している(例をまた、参照されたい)。
【0047】
上記式を満足するInIベースのランプは特に、調光するときの高い色点及びその色の安定性のために、第1光源201として好ましい、InIに基づく色温度以外の比較的高い(第1)色温度を有する(第1)光源は、GaI3に基づく(第1)光源201であることが可能である。GaI3に基づく光源201はまた、比較的高い色温度を有する。
【0048】
第2光源
図1、2並びに3a及び3bに模式的に示す光源及びセラミック放電容器3の一般的な実施形態と、図4及び5に模式的に示す本発明に従った照明装置の特定の実施形態を参照するに、第2光源202は、2つの電極4(2)、5(2)を有する第2セラミック放電容器3(2)と、第2イオン化可能ガス充填物を有する第2放電体積11(2)を囲む第2放電容器3(2)とを有する。放電容器3(2)は、外囲器又はバルブ100(2)により周囲を囲まれることが可能であり、又は、1つの外囲器又は“バルブ”1000内に第1光源201と共に組み込まれることが可能である(下記をまた、参照されたい)。
【0049】
第1光源201におけるように、放電空間11(2)は当該技術分野で知られているHg(水銀)及びAr(アルゴン)又はXe(キセノン)等の始動ガスを有する。特性Hg量は、約1乃至100mg/cm3Hgの範囲内にあり、特に、約5乃至20mg/cm3の範囲内にあり、特性圧力は約2乃至50barの範囲内にある。好適には、放電管3(2)内の水銀の量は、水銀の凝縮なしに通常の使用で水銀のガスを供給するように選択され、即ち、水銀蒸気は飽和しない。水銀及び始動ガスについては、当業者に知られていて、ここでは更なる説明は行わない。原理的には、第2光源202はまた、水銀なしで動作されることが可能であるが、好適な実施形態においては、Hgは放電管3(2)内に存在する。定常状態の燃焼中に、長いアークランプは、一般に、数barの圧力を有する一方、短いアークランプは、最大約50barの放電容器内の圧力を有することが可能である。ランプの特性電力は約10乃至1000Wの範囲内にあり、好適には、約20乃至600Wの範囲内にある。
【0050】
第1光源201が、上記式を満足する光源であることを前提とする場合、第2光源は、原理的には、何れかのCDMランプであることが可能である。従って、セラミック放電ランプでもある第2光源202は、原理的に、従来技術の何れかの充填物を有することが可能である(更なる特定の条件についてであって、下記の“照明装置”の節を参照されたい)。例えば、第1光源201についての上記を参照するに、第2光源202の充填物は、上記以外の成分を有することが可能であり、及び/又はzはまた、約2であることが可能である。放電容器3(2)における最冷点温度はより高いことが可能であるが、最大電力において第2光源201の動作中にはより低いこともまた、可能である。ここで述べている有利点は、第1光源201についての上記の基準を少なくとも満たす(少なくとも)2つのCDMランプの使用からもたらされる。
【0051】
好適には、第2イオン化可能ガス充填物は、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有するが、その第2イオン化可能ガスはまた、当該技術分野で知られている他のガス充填成分を有することが可能である。放電容器3(2)に含まれるガス充填物は、例えば、成分としてNaI、TlI、CaI2及びREIn(希土類ヨウ化物)の1つ又はそれ以上を有することが可能であり、また、LiI等のような代替のガス充填物の成分を有することが可能である。REInは、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2及びLuI3の1つ又はそれ以上のような希土類化合物をいうが、実施形態においてはまた、Y(イットリウム)ヨウ化物、Scヨウ化物及びLaヨウ化物の1つ又はそれ以上を有することが可能である。本発明の特定の実施形態に従って、希土類ヨウ化物はジスプロシウムヨウ化物を有する、そのようなランプは、特に良好な特性を与えることが可能である、他の特定の実施形態においては、希土類ヨウ化物はセリウムヨウ化物を有する。セリウムヨウ化物を有する放電容器3(2)を有する第2光源202は、例えば、放電容器3(2)内のタリウムヨウ化物、リチウムヨウ化物、スズヨウ化物、カルシウムヨウ化物、インジウムヨウ化物及びナトリウムヨウ化物から選択される1つ又はそれ以上のヨウ化物を更に有することが可能である。好適な充填物は、希土類化合物としてDy、Ce、Ho又はTmを有する。更なる好適な充填物は、Dy−Tl、Ce−Na、Ho−Tl又はTm−Naに基づいている。他の好適な充填物は、Dy−Tl−Sn、Ce−Tl−Na、Ho−Tl−Na、Ho−Ti−Sn又はTm−Tl−Snに基づいている。希土類化合物としてDyに基づく充填物は特に好適である。それらの好適なガス充填化合物又は第2光源202についてのガス充填物はまた、それらが上記の第1光源201についての条件を満たす場合に、好適な第1光源201として用いられることが可能である。
【0052】
第2光源202の充填物がまた、式(1)を満足する実施形態
特定の実施形態において、第2放電容器3(2)における第2イオン化可能ガス充填物はまた、LiI、NaI、KI、RbI、CsI、MgI2、CaI2、SrI2、BaI2、ScI3、YI3、LaI3、CeI3、PrI3、NdI3、SmI2、EuI2、GdI3、TbI3、DyI3、HoI3、ErI3、TmI3、YbI2、LuI3、InI、TlI、SnI2、GaI3及びZnI2を有する群から選択される1つ又はそれ以上の成分を有し、第2放電容器(3(2))におけるそれぞれの成分の濃度h(μg/cm3)は式logh=A/Tcs2+B/Tcs+C+logz(式(1))を満足し、ここで、Tcsは、第2光源202の公称動作中の放電容器3(2)の最冷点温度であり、A、B、C、z及びTcsについて上記で定義されている。
【0053】
第1光源201の第1放電容器3(1)についての上記パラメータ(表1;A、B、C、z及びTcs)及び(最大)値(表2)は、それ故、照明装置200の第2光源202の第2放電容器3(2)についての好適なパラメータ及び好適な(最大)値であることがまた、可能である。
【0054】
下記の実施形態においては、式1をまた、満足する第2光源202の実施形態について言及しているが、第1光源201自体の実施形態についても(それ故、第2光源202は式(1)を満足しない実施形態においてさえ)、言及している。2つの放電容器3(1)、3(2)のガス充填成分は、第1光源201及び第2光源202により生成される放射線331、332の色温度が異なることを除いて、互いに関係していない。
【0055】
例えば、放電容器の1つにおける希土類ガスとしてDyI3のみ(水銀ガス及び希ガスに加えて)を有する放電容器3(2)(及び/又は(公称動作において)1300°K又はそれ以上の3(1))における最冷点温度を有する好適な実施形態を前提とする場合、前記放電容器における好適な最大濃度は約378μg/cm3(z=1)である。他の実施形態において、Dy及びTlの組み合わせを有する好適な実施形態を前提とする場合、Dyは、好適には、≦378μg/cm3の濃度においてDyI3の形で放電容器3(2)(又は3(1))に好適に存在し、Tlは、≦9110μg/cm3の濃度においてTlIの形で存在している。第2光源202(又は、第1光源201)が1300°K(公称動作における)より高い最冷点鬼童を有するように備えられている場合、hについてのそれらの値は、表2から導き出されるように、より高いことが可能である。他の実施例においては、好適な実施形態は、Dy、Tl及びSnに基づく第2光源202(又は、第1光源201)を有する照明装置200に関連する。そのような実施形態においては、第2光源202(又は、第1光源201)は、少なくとも1300°Kの放電容器3(2)における最冷点温度を有するように備えられ、DyI3、TiI及びSnI2の好適な濃度はそれぞれ、≦378μg/cm3、≦9110μg/cm3及び2.17x104μg/cm3である。
【0056】
好適な実施形態においては、本発明に従った照明装置200内のメタルハライドの第2光源202(及び/又は第1光源201)のイオン化可能ガス充填物は、ジスプロシウムヨウ化物及びホルミウムヨウ化物を有する群から選択された1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物を有し、第2(及び/又は第1)イオン化可能ガス充填物は、適用可能であるように、選択された1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物について10乃至370μg/cm3、より好適には10乃至300μg/cm3、更に好適には10乃至250μg/cm3を有する。第2(及び/又は第1)イオン化可能ガス充填物が、セリウムヨウ化物及びツリウムヨウ化物を有する群から選択された1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物を有する実施形態においては、第2(及び/又は第1)イオン化可能ガス充填物は、好適には、1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物について≦65μg/cm3、より好適には≦60μg/cm3、更に好適には≦50μg/cm3を有する群から選択される1つ又はそれ以上の希土類ヨウ化物を有する。少なくとも1300°Kの公称動作においてTcsを有するように備えられている光源についての好適な最大値は、上記の表2における1300°Kの列に示されている(最大)値である。
【0057】
実施形態においては、第1及び/又は第2放電容器3(1)、3(2)におけるそれぞれの成分の濃度hは上記式(1)を満足し、zは2であり又はそれより小さく、好適には1.5であり又はそれより小さく、より好適には1であり又はそれより小さく、更に好適には0.5であり又はそれより小さく、例えば、0.001乃至0.5であり、更により好適には0.1であり又はそれより小さく、例えば、0.001乃至0.1である。zがガス充填物の成分について約1より大きい場合、その成分は、最冷点温度を有する最冷点における放電容器における凝縮を形成し始める。本発明の実施形態においては、照明装置200は、Mg、Sc、Er、In、Tl、Sn、Zn、Y、Dy、Ho、Lu、Li、Ce及びTmを有する群から選択される独立した1つ又はそれ以上の元素を充填物が有することが可能である1つ又はそれ以上の光源201、202を有し、それぞれの成分の濃度hは式(1)を満足し、zは、Mg、Sc、Er、In、Tl、Sn及びZnもついては0.5又はそれより小さく、zは、Y、Dy、Ho、Lu及びLiについては1.5であり又はそれより小さく、そしてzは、Ce及びTmについては、2であり又はそれより小さい。Gaについては、zは、好適には、0.5であり又はそれより小さく、例えば、0.1であり又はそれより小さく、更には、0.01であり又はそれより小さい。
【0058】
照明装置
第1光源201及び第2光源202の説明の後、照明装置200について、ここで、図4a及び4b並びに5を参照して詳細に説明する。
【0059】
図4a及び4bは、本発明に従った照明装置200の実施形態について模式的に示している。照明装置200は、2つの電極4(1)、5(1)を有する第1セラミック放電容器3(1)を有する第1光源201を有し、第1放電容器3(1)は、上記のように、第1イオン化可能ガス充填物を有する第1放電体積11(1)を囲んでいる。照明装置200は、2つの電極4(2)、5(2)を有する第2セラミック放電容器3(2)を有する第2光源202を有し、第2放電容器3(2)は、上記のように、第2イオン化可能ガス充填物を有する第2放電体積11(2)を囲んでいる。第1光源201は、第1色温度を有する第1放射線331を生成するように備えられ、第2光源202は、第2色温度を有する第2放射線332を生成するように備えられ、それにより、第3色温度を有する光335を生成する。
【0060】
用語“放射線(光)”は、特に、可視放射線(VIS)、即ち、約400乃至800nmの範囲内の放射線のことをいう。光源により生成された放射線は、実施形態においては白色放射線(即ち、白色光)を有する、光355は2つの放射線331及び332の和を表す。実施形態はまた、光源の1つがオフに切り換えられ、照明装置200の色点/色温度が可変である領域は、このようにしてできるだけ広い状態を有する。光源の1つがオフに切り換えられたとき、光355の第3色温度は、適用可能であるように、本質的には、光源201又は202により生成される放射線331又は332の第1又は第2色温度である。
【0061】
照明装置200は、光源201及び202を動作させるバラスト410、420であって、第1バラスト410は第1光源201を動作させるように備えられ、第2バラスト420は第2光源202を動作させるように備えられる、バラスト410、420を更に有する。バラストは、照明装置200の外側に備えられることが可能であり、また、照明装置200内に一体化されることが可能である。バラストは、当該技術分野において知られていて、ここでは詳細に説明しない。バラスト410、420は、それぞれの光源201及び202に好ましい電力を供給するように用いられ、また、光源201、202を調光するように用いられる。それらの光源はときどき、ランプドライバ回路として表される。それらの光源は、HIDランプにおける放電を開始する高い初期電圧を供給し、次いで、安全に放電を維持するようにランプ電流を即座に制限する。バラスト410及び420はまた、1つのランプドライバ回路、即ち、所謂、2ランプドライバ回路に一体化されることが可能である。2つ(又はそれ以上のランプ)についてそのように一体化されたバラストについては、当該技術分野で知られている。
【0062】
照明装置200は、第1放射線331の強度及び第2放射線332の強度を有する群から選択された1つ又はそれ以上のパラメータを制御し、それにより、第3色温度を、即ち、照明装置200により発光される光35の色温度及び照明装置200により生成される光335の強度を、制御する制御器500を更に有する。好適には、制御器500は、第1放射線331の強度及び第2放射線332の強度の両方を制御する。
【0063】
実施形態においては、光源201、202は、2700乃至17000°Kの範囲内から選択される色温度を有する白色光を発光する。実施形態においては、それらの光源201、202は、少なくとも1000°Kの範囲内で可変である色温度(第3色温度)を有する光335を与えることが可能である照明装置200を備えるように選択される。これは、光源201、202の強度を調整することにより、色温度が少なくとも1000°Kで調整可能である、又は換言すれば、照明装置200により生成された光335の色温度が1000°K以上で調整可能である、光が生成される。他の実施形態においては、カバーされることが可能である範囲は、少なくとも約2000°Kであり、好適には、少なくとも4000°Kであり、より好適には少なくとも約5000°Kである。約1000°Kの範囲で光355の第3色温度が調整可能(可変)である照明装置を提供するように、2つの光源201及び202の色温度における差は、好適には、約1000°Kより大きく、例えば、約1400°K又はそれ以上である(それぞれの光源201及び202の公称動作において)。従って、第3色温度は、光源201、202の1つをオフに切り換える必要なく、可変である。このことは、光源201、202が異なる色温度を有し(少なくとも、最大電力で動作されるときに)、少なくとも約1400°K又はそれ以上、異なっている。例えば、第1及び第2光源201、202が約4200°K及び2800°Kのそれぞれの光源の最大電力における第1及び第2色温度を有することを前提とする場合、照明装置200の光335の第3色温度は約4000°Kと3000°Kとの間で、即ち、約1000°Kの範囲で可変である。より広い調整範囲が必要な場合、光源201、202の色温度における差は、好適には更に大きい。公称動作における2つの光源201及び202の色温度における差は、好適には好ましい範囲の少なくとも130%であり、より好適には少なくとも150%であり、更に好適には少なくとも190%であり、それらの範囲に亘って、照明装置200の光335の第3色温度が可変である(BBLから実質的にずれることなく(即ち、好適には、BBLの10SDCMの範囲内で))。例えば、第3色温度が約3500°Kと約5300°Kとの間で可変であるような場合、2つの光源201及び202の第1色温度及び第2色温度間の差は約4000°Kであり(例えば、第1光源201は公称動作において約7000°Kの第1色温度を有し、第2光源202は公称動作において約k3000°Kの第2色温度を有し、ここでは、それらの光源の色温度の差は好ましい調整範囲の約220%であり)、実施例4をまた、参照されたい。従って、それらの光源の公称動作における第1及び第2光源201、202の色温度における差は、好適には好ましい調整範囲の約130%乃至300%の範囲内にある。第3色温度を調整すること又は変化させることは連続的に又は段階的に行うことが可能である。第1光源201が比較的高い第1色温度を有する光331を生成するように備えられている場合、第2光源201は、好適には比較的低い第2色温度を有する光332を生成するように備えられている(その逆も可能である)。実施形態においては、第1光源201は、好適には比較的高い色温度、即ち少なくとも5000°Kであって、より好適には少なくとも約6000°K(公称動作において)を有する。好適には、第2光源202は比較的低い色温度、即ち、せいぜい約4000°Kであり、より好適には約3500°K以下(公称電力動作において)である。従って、照明装置200の特定の実施形態においては、第1光源201は、少なくとも約6000°Kの第1色温度を有する放射線331を生成するように備えられ、第2光源202は、せいぜい約4000°Kの第2色温度を有する放射線332を生成するように備えられている。第1及び第2光源201,202の色温度間の差が大きければ大きい程、照明装置の色温度が可変である範囲はより広い。
【0064】
InIベースの光源は比較的高い色温度を有するため、そのようなランプは、光源の1つとして好適に用いられる。InIベースのランプが第1光源201として選択されるとき、特に良好な結果が、BBLから実質的にずれることなく、第1光源201の色点の安定性及び光335の全体的な色温度範囲に亘る調整可能性に関して得られる。従って、好適な実施形態においては、第1イオン化可能充填物はインジウムヨウ化物を有する(即ち、第1光源201はInIベースである)。
【0065】
例えば、照明装置200が2700°Kの色温度を有する光源202及び、InIベースのランプのような7000°K(冷昼光)の色温度を有する光源201を有することを前提とする場合、照明装置200の光335の色温度(即ち、第3色温度)は、2つの光源の強度を変えることにより(即ち、放射線331及び332の強度を変えることにより)調整されることが可能である。そのような実施形態においては、照明装置200の光335の色温度は約4300°K(又はそれ以下)の範囲に亘って調整可能である。好適な実施形態においては、それ故、照明装置200の第3色温度は少なくとも約2700乃至7000°Kの範囲内で可変である。
【0066】
特定の実施形態においては、照明装置200は、第2及び第2放射線331、332の第1及び第2色温度が第1及び第2光源(201、202)が最大電力で動作されるときに、10SDCMに等しいか又はそれより小さい、好適には5SDCMに等しいか又はそれより小さい、黒体軌跡までの距離を有する照明装置200が提供される。このことは、第1光源201が、10SDCM又はそれ以下だけ、第1光源201の放射線の色点に最近接のBBLにおける点から異なる色点を有する放射線331を生成するように備えられていることを意味する。第1光源201の放射線の色点(xcp1,ycp1)に最近接のBBLにおける色点(XBBL1,yBBL1)は、垂線が第1光源の色点(xcp1,ycp1)からBBLまで描かれるとき、BBLにおいて求められる色点(XBBL1,yBBL1)である。その垂線とBBLとの交点において求まる色点(XBBL1,yBBL1)は、第1色点(xcp1,ycp1)に最近接のBBLにおける色点である。同様に、これは、第2放射線332の色点(xcp2,ycp2)及び第2放射線332のこの色点に対してBBLにおける最近接の色点(XBBL2,yBBL2)について適用できる。約10SDCM以上の値は、比較的純粋な白色が足りない、即ち、BBLに近接している、第1及び第2光源201、202を与え、白色が純粋であればある程、演色性はより良好になる。
【0067】
好適には、第1光源の第1色温度の黒体軌跡までの距離は10SDCM又はそれ以下、好適には、5SDCM又はそれ以下であり、70乃至100%の範囲内で光源を調光するときでさえ、より好適には、公称動作における強度の50乃至100%である。この基準を満たす第1光源201の調光挙動については、図6に示されている。
【0068】
更なる実施形態においては、第3色温度が10SDCMに等しいか又はそれ以下の黒体軌跡までの距離を有する照明装置200が提供される。このことは、光源201、202の1つ又は両方を調光中に、照明装置200により生成される光355の中間の色点がBBLに近接して(≦10SDCM)求められ、そのことは、比較的純粋な白色光が、即ち、BBLに近接する(又はBBLにおける)色温度を有する光が生成されることを意味する。そのようなシステムの実施例については下で与えられ、図7及び8に示されている。
【0069】
上記のように、本発明に従った照明装置200は、第1放射線331の強度及び第2放射線332の強度を有する群から選択される1つ又はそれ以上のパラメータを制御する、それにより、第3色温度、即ち、照明装置200により発光される光355の色温度を制御する、制御器500を更に有する。光355の強度は制御されることが可能であるが、それ故、第1放射線331及び第2放射線332の強度のうちの1つ(又は、好適には、両方)の強度が制御される点で、第3色温度が制御されることが可能である。本発明に従った照明装置200の制御器500は、それ故、光355の強度及び/又は光355の第3色温度を制御する能力を有することが可能である。このように、光355の強度は、一定のCCTにおいて可変であり、及び/又は光355の第3色温度は可変である。
【0070】
従って、制御器500(照明装置200に対して外部に備えられることが可能である)は、それぞれの光源201、202の色温度を調整する又は変えるように用いられる。制御器500は、照明装置200のアプリケーション、ユーザの気分等に依存して、光源201、202の強度を制御するように、又は好ましい色温度又は色効果(“暖かい”、“冷たい”等)を選択するように、例えば、タッチコントロール、スライドスイッチ等のスイッチを有する“ハードウェアのみ”のシステムであることが可能である(その選択は、続いて、制御器500により光源201、202の色温度に変換される)。更に、照明装置200の色温度は、センサで測定されることが可能である時間、温度、外部の光源(太陽等)の光強度、外部光源の色温度等の外部パラメータに依存する可能性がある(下記を参照されたい)。制御器500は、それぞれのバラスト410、420(又は、1つの一体化されたバラスト410/420)を介して光源201、202の強度を制御する。電源は、制御器及びバラスト410、420に電力を供給する。
【0071】
他の実施形態においては、制御器500は、
− 実行可能な命令を有するメモリと、
− (1)1つ又はそれ以上のセンサ及び(2)ユーザ入力装置を有する群から選択される1つ又はそれ以上からの1つ又はそれ以上の入力信号を受け入れる(i)、そして光源201、202の色温度を制御するように1つ又はそれ以上の出力信号を送る(ii)入力−出力ユニット502と、
− 実行可能な命令に基づいて1つ又はそれ以上の入力信号を1つ又はそれ以上の出力信号に処理するようにデザインされたプロセッサと、
を有することが可能である。
【0072】
実行可能な命令は、例えば、上記のスイッチ、リモートコントロール及びセンサ(下記をまた、参照されたい)により生成される信号(入力信号)を、バラスト410、420を介して得られる光源201、202の強度(出力信号)と関連付け、それ故、ユーザが好む又は特定のアプリケーションについて好ましい照明装置200の光335の色温度を提供する。更に、制御器は、例えば、周期的に又はランダムに、時間経過と共に照明装置200の色温度を変えるようにデザインされることが可能である。他の実施形態においては、制御器は、時間経過と共に、光335の色温度の増加を提供するようにデザインされることが可能である。例えば、色温度が暖かい白色光から冷たい昼光まで可変である照明装置200が提供されることが可能である。そのような増加は、例えば、ひとが起床すること(“起床モード”)を支援するのに効果的である。
【0073】
従って、制御器500は、第1光源201及び第2光源202の1つ又は両方をオン及びオフに切り換えること、光335の色温度を調光すること、光355の“暖かい白色”、“冷たい昼光”及びそれらの中間の(又は、それらを越えた)モード等の光の種類を決定すること、光355の色温度におけるランダムな又は周期的な変化若しくは色温度の徐々の増加(“起床”)又は減少等の照明パターンを決定すること、並びに光335の色温度及び照明パターンの1つ又は両方が、時間、温度、外部光源の光強度等の1つ又はそれ以上の外部パラメータに依存するか否かを決定すること、を含む群から選択された1つ又はそれ以上の機能を提供することが可能である。
【0074】
上記のように、本発明に従った照明装置200は、701の参照番号が付けられた1つ又はそれ以上のセンサを有することが可能であり、好適な実施形態においては、装置200により生成される光335の第3色温度を測定するように、そして測定された第3色温度との関係を有する信号(入力信号)を生成するように備えられ、制御器500は、1つ又はそれ以上のセンサ701により生成される信号及び所定の値に依存して、光335の第3色温度を制御する制御信号(出力信号)を生成するように備えられる。従って、好ましい第3色温度を与えるようにランプバラスト410、420を調節するフィードバック制御ループが備えられることが可能である。所定の値が、例えば、ユーザ入力装置を介してユーザにより設定されることが可能であり、そのユーザ入力装置は、例えば、当業者が知っているタッチコントロール、スライドスイッチ等のようなスイッチを有することが可能である。照明装置200は1つのセンサ701を有することが可能であり、又は代替として、より多くのセンサ701を有するセンサ構成を有することが可能である。センサ701は、図4a、4b及び5に模式的に示されている。
【0075】
本発明に従った照明装置200の特定の実施形態について、図4aに示す。各々の光源201及び202は、それら自体の“バルブ”、“シェル”又は外囲器100(1)及び100(2)を有する。任意に、両方の光源201及び202は、より大きい外囲器1000により更に囲まれることが可能である。図4bに模式的に示されている他の実施形態においては、しかしながら、第1及び第2光源201、202のそれぞれの両方の放電容器3(1)及び3(2)は1つの外囲器1000により囲まれ、その外囲器1000は外囲器100(1)及び100(2)により置き換えることができる。外囲器100(1)、100(2)及び1000(3)により囲まれる体積は、適用可能であるように、真空である又は窒素を有する。そのような構成の例については、特開平10−312897号公報及び韓国特許出願公開第2002/0093743号明細書において開示されている。
【0076】
図5は、第1及び第2光源201、202がリフレクタ600により少なくとも一部が囲まれている更なる実施形態を模式的に示している。リフレクタ600は、2つの光源201、202の放射線331、332を混合し、よく混合された光335を与えるように備えられている。従って、特定の実施形態においては、本発明に従った照明装置200の第1及び第2光源201、202は少なくとも一部がリフレクタ600により囲まれ、そのリフレクタは、実質的に均一な光335を与えるように、第1放射線331及び第2放射線332を混合するように備えられている。図5は、放電容器3(1)及び3(2)のそれぞれを囲む別個の外囲器100(1)及び100(2)を有する2つの光源201及び202を模式的に示している。しかしながら、図5に示しているリフレクタの構成はまた、両方の放電容器3(1)及び3(2)を囲む外囲器1000と組み合わせて用いられることが可能である。図5に示している構成以外の構成がまた、例えば、米国特許出願公開第2005/0225986号明細書及び国際公開第2003/048634号パンフレットに記載されているように、可能である。特定の実施形態(図示せず)においては、1つ又はそれ以上のセンサ701がリフレクタ600(光源100(1)及び100(2)は実質的にリフレクタ600内に存在する)の後に備えられ、リフレクタ内小さい孔(“光リーク”)を通して光335を受け入れることが可能である。1つ又はそれ以上のセンサはまた、リフレクタ500において一体化されることが可能である。
【0077】
当業者にとって明確であるように、用語“第1光源201及び第2光源202”のそれぞれは、(1)それらの光源の少なくとも1つが上記式を満足する(即ち、zは0.001乃至2の範囲内にあり、A、B及びCは表1に示されているようであり、最大電力動作における最例点温度Tcsは少なくとも1100°Kである)条件、そして光源201及び202が、それらの光源間の色温度の差が少なくとも1400°Kであるように、それぞれの放射線331及び332を生成するように備えられる条件の下で、交換可能である。色温度における差が光源201、202の公称動作において少なくとも約1400°Kである限り、第1光源201はまた、第2光源202より低い色温度を有することが可能であること(上記をまた、参照されたい)はまた、当業者には明らかである。本発明に従った照明装置200は2つの光源201及び202を有する。ここで記載している有利点は、ここで記載している第1光源201及び第2光源202を有することにより得られる。しかしながら、照明装置200はまた、3つ以上の光源を有することが可能である。
【0078】
従って、本発明は、照明装置200により生成される光の黒体軌跡からの実質的なずれなしに、カラーが可変である照明装置200を提供することができる。照明装置200はまた、照明装置200により生成される光の色点の実質的な移動なしに、調光されることが可能である。照明装置は、少なくとも2つのCDMランプ201、202に基づいている。
【0079】
当業者にとって明らかであるように、第1ガス充填物及び第2ガス充填物の重要な成分、即ち、光331及び光332の色温度に本質的に影響する1つ又はそれ以上の成分は、一般に、異なっている。例えば、Dy又はErベースの光源は比較的低い色温度を有する一方、In又はGaベースの光源は比較的高い色温度を有する。
【0080】
実施例
実施例1:本発明に従ったランプ/放電容器の実施例
0.32cm3の体積を有する放電容器3(1)を有する光源201が製造された。放電容器3(1)は、次の充填物、即ち、600μgのInIと、4mgのHgと、300mbarのArとを有する。InIの濃度は1875μg/cm3である。光源201は、室温環境において、220V、50Hzで動作される。最例点温度は、公称電力において1300°K(±50°K)であり、70Wにおいて1200°Kである。色点、演色性(Ra)及び電力の関数としての発光効率が図9及び11に示されている。予測される壁負荷は約40W/cm2である。この光源201におけるInI濃度は、InIが70乃至100W(1200°K乃至1300°Kの温度範囲をもたらす)の全体の範囲において気相にあるように選択された。図8bは、70Wにおける光源201のスペクトルを示している。Ra=90であり、R9は55であり、発光効率は62.3lm/Wであり、Tc(色温度)=7040°Kであり、CIE座標(x,y)は(0.3050,0.3201)である。
【0081】
実施例2:実施例1のランプの調光挙動
調光性(ランプが公称動作(即ち、最大電力)における強度からより低い強度に調光されることができる範囲)は、実施例1の光源201について測定された。ランプは、5SDCM範囲から逸脱することなく、70乃至100Wの範囲(それは、多くのアプリケーションについて許容可能である範囲である)内で調光され、CCTはこの単独の光源201について一定であることが可能であることが判明し、これについてはまた、図6及び9を参照されたい。このことは、公称動作における強度の約少なくとも30%の割合の調光が(即ち、公称動作における強度の70%までの調光)少なくも達成されることを意味するものである。
【0082】
この場合にはまた、光源201の方向(水平方向又は鉛直方向)に関する測光特性依存性は、匹敵する従来技術のランプに比べて、光源201においては実質的に小さいことが更に判明した。
【0083】
実施例3:他のランプと比べた実施例の光源201の調光挙動
表3は試験されたランプの概要を示している。
【0084】
【表3】
【0085】
“+”で示すランプの調光の可能性については、図6に示している。本発明に従った照明装置200の光源201は、緑色のずれが無視できる最も良好な挙動を示している。有利であることに、更に、そのずれは、第1光源201の最大電力の約35%に減少した場合でさえ、BBLから約5DCM以内に入っている。
【0086】
実施例4:2つのCDMバーナを混合することによる色可変性の実施例
色可変性HID照明装置は、高CCTバーナ及び低CCTバーナが選択され、それらの光出力は異なる電力レベルにおいて混合される点で、上記の表3のランプからの測定データに基づいて構成されることが可能である。
【0087】
ここでは、照明装置200のような実施例が与えられている。高CCTランプについては、第1光源201が実施例1及び2で説明しているように選択され、“CDM 不飽和InI 70W”で表される。第2光源202,即ち、CDM 70W 930ランプ“が、ここでは、低CCTランプとして選択される。その場合、広い色可変性範囲が、BBLからの限定された移動を伴って色335により得られ、これについては、図6をまた、参照されたい。色可変性についてのLTP(測光特性)データは、得られたランプが測定球において共に動作され、得られたCCT範囲が調節されたことで、測定された。それらの結果については、表4及び図7aに示している。
【0088】
【表4】
【0089】
それらの結果は、両方の別個のバーナが70Wの公称電力においてRa>90であるために、高演色評価数(全範囲に亘って88<Ra<94)を有するBBL(≦10SDCM)に近接して2000°Kより大きいCCT範囲を示す。
【0090】
実施例5:2つのCDMバーナを混合することにより一定のCCTで調光する実施例
メタルハライドランプの調光に伴う周知の課題は、発光管内部の減少した上記圧力の結果として緑色の方への色ずれである。図6に示すように、全ての従来技術のCDMランプはこの短所を被り、一部の種類のランプは他のランプに比べてより大きく被る。この課題は、色品質は維持する必要がある場合に、約60乃至70%の電力に調光するための実際的なより低い限界に制限する。
【0091】
上記のように、CDM 70W 930及び第1光源201の色混合を伴う実験においては、2つのバーナが同時に調光される場合、色点は殆ど影響されないことが、驚いたことに、発見された。図7bに示しているその効果は、別個のバーナの色点の特定の軌跡によりもたらされ、この実施形態においては、CDM 70W 930バーナはBBLの情報にずれ、不飽和のInIバーナはBBLの下方にずれる。略4000°Kの略一定の色点において30%の電力まで小さくなるように調光されることが可能であるシステムが与えられることが可能である。参考のために、30%まで小さくなる調光曲線がまた、図7bにおいて別個のバーナについて与えられ、2バーナシステムにより提供される著しい改善を示している。
【0092】
この結果は、75乃至135Wの電力範囲に亘って組み合わされたシステムのLTPデータを測定することにより実験的に変わった。
【0093】
【表5】
【0094】
従って、一定のCCTにおいて調光されるとき、5SDCM範囲内の変化が、本発明に従った照明装置200について、可能である。
【0095】
実施例6:本発明に従ったランプ/放電容器の実施例
この実施例は、第1光源201及び第2光源202のそれぞれとして用いられる光源又はランプに関する。この実施例は、その特性のために、第1光源201について、ここで記述している基準を少なくとも満足する。実施例1及び2において上で説明しているInIベースの第1光源201は比較的高い色温度を有する一方、下で説明している光源は比較的低い色温度を有する。従って、それらの実施例6及び7で説明しているランプが、例えば、上記の第1光源201と組み合わされた第2光源202としての照明装置200において用いられることが可能であり、そのことは、第1及び第2光源201、202の両方が請求項1の条件を満足する一方、実施例6及び7で説明しているランプがまた、高色温度を有する第2光源202と組み合わされた第1光源201として用いられることが可能である照明装置200を提供する。
【0096】
1.8cm3の体積を有する放電容器3を有するランプが製造された。放電容器3は、次の充填物、即ち、140μgのNaI、980μgのTlI、120μgのDyI3、30mgのHg及び300mbarのArを含んでいた。それ故、DyI3の濃度=67μg/cm3<1560μg/cm3(1400°Kにおいて)であり、DyI3の濃度=67μg/cm3<1560μg/cm3(1400°Kにおいて)であり、TlIの濃度=544μg/cm3<17,000μg/cm3(1400°Kにおいて)である。ランプは、室温において、220V、50Hzで動作された。このランプの発光スペクトルは図11に示している。
【0097】
最冷点温度は、公称電力(300W)においては1400°K(±50°K)であり、160Wにおいては約1150°Kである。色点、演色性(Ra)及び発光効率について、電力の関数として図11に示している。推測される壁負荷は約75W/cm2であった。従って、ガス充電物の成分の濃度は、300Wの公称動作電力において1400°Kの最冷点温度についての表において上で与えている基準を満足する。ガス充填物の成分は、150乃至300Wの範囲内の少なくとも一部においいては不飽和のまま保たれる。1150°K以上においては、しかしながら、NaI及びDyI3の濃度は、z=1であることを前提として、上記式から導き出され、表2に示されている値より僅かに大きい。ここで示している水銀量が与えられる場合、全ての水銀においてはまた、160Wにおいてさえ、動作中に気相にある。
【0098】
図11は、250Wにおけるランプのスペクトルを示している。Ra=96.4、R9は67.5であり、発光効率は83.2lm/W、Tc(色温度)=3336°Kであり、CIE座標(x,y)は(0.4134,0.3917)である。
【0099】
実施例7:実施例6のランプの調光挙動
調光性(ランプが公称動作(即ち、最大電力)における強度からより低い強度まで調光されることが可能である範囲)が、実施例6のランプについて測定された(図11を参照されたい)。ランプは、5SDCM範囲(多くのアプリケーションについて許容可能である範囲)を逸脱することなく、160乃至300Wの範囲内で調光されることが可能である。このことは、公称動作における強度の約少なくとも50%の割合を調光することが達成可能であることを意味する。電力の関数としての色点の可変性は図12において与えられ、電力の関数としての発光効率及びRaは図13に示されている。
【0100】
ランプの測光特性は、匹敵する従来技術のランプに比べて、本発明に従ったランプの方向(水平方向又は垂直方向)に実質的にあまり依存しないことが更に判明した。
【0101】
上記の実施形態は本発明を限定するものではなく、同時提出の特許請求の範囲における範囲から逸脱することなく当業者は多くの代替の実施形態をデザインすることができることに留意する必要がある。用語“を有する”及びその派生の用語は、請求項に記載されている要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素の単数表現はその要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアにより、そして適切にプログラムされたコンピュータにより実行されることが可能である。複数の手段を列挙している装置請求項においては、それらの複数の手段は同一のハードウェアにより実施されることが可能である。
【0102】
単に特定の手段が互いに異なる独立請求項に記載されているということは、それらの手段の組み合わせが有利に用いられるものではないことを表してはいない。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−521040(P2010−521040A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540923(P2009−540923)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054973
【国際公開番号】WO2008/072154
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054973
【国際公開番号】WO2008/072154
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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