説明

照明装置

【課題】光源からの熱に起因する基板の反り及び浮きが抑制された照明ユニットを提供する。
【解決手段】本発明の照明ユニットは、発光素子を有する複数の光源と、前記光源が長手方向に沿って上面側に配列された基板と、前記基板が上面に載置されたケースと、を有する照明ユニットであって、前記ケースは、前記基板を長手方向に挟んで対向する一対の側面を有し、前記一対の側面は、それぞれに内側に向かって突出部が設けられており、前記基板の長手方向の両端部が、前記ケースの上面と前記突出部との間に挿入されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を有する光源を用いた照明ユニットに関し、特にライン状に複数の光源が配列された照明ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蛍光灯を用いた照明ユニットの代替照明ユニットとして、発光ダイオード等の発光素子を有する光源を用いた長尺な照明ユニットが提案されている。例えば、発光素子を有する複数の光源が長手方向に沿って表面側に配列された基板と、基板の裏面側に当設された金属ケースと、複数の光源を覆うように設けられた制光体と、を有する照明ユニットであって、さらに、制御光体は、発光素子からの光を制光する制光部と、制光部の両側から金属ケースに向かって突設されると共に、金属ケースに係止される爪部が先端に設けられた取付片部と、各光源周囲の基板表面をそれぞれ金属ケース側に押圧する複数の当接部と、を有する照明ユニット等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−175188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の照明ユニットでは、制御光体の当接部が各光源周囲の基板表面を押圧しているだけであり、光源からの熱によって基板の周端部が金属ケースから浮いてしまう等の熱膨張に起因した問題を有していた。特に、光源が配列された長手方向に対して基板が凹状に反ってしまうのを抑制するのには不十分であった。このため、基板と金属ケースとの接触面積を十分に確保することができず、放熱性を悪化させてしまっていた。
【0004】
そこで本発明は、光源からの熱に起因した基板の反り及び浮きを抑制することが可能な照明ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、前記課題は次の手段により解決される。
【0006】
本発明の照明ユニットは、発光素子を有する複数の光源と、前記光源が長手方向に沿って上面側に配列された基板と、前記基板が上面に載置されたケースと、を有する照明ユニットであって、前記ケースは、前記基板を長手方向に挟んで対向する一対の側面を有し、前記一対の側面は、それぞれに内側に向かって突出部が設けられており、前記基板の長手方向の両端部が、前記ケースの上面と前記突出部との間に挿入されていることを特徴とする。これにより、光源からの熱に起因した基板の反り及び浮きを抑制することができる。
【0007】
また、前記基板の長手方向の両端部は、前記ケースの上面および前記突出部の少なくとも一方との間に隙間ができるように設けられていることが好ましい。これにより、基板と突出部との間に過剰な応力が発生するのを緩和することができる。
前記ケースは、前記基板を短手方向に挟んで対向する少なくとも一対の凸部を有し、前記凸部が、前記基板の短手方向の側面を押圧していることが好ましい。これにより、基板の側面と凸部との間に摩擦を生じさせ、基板の反り及び浮きをさらに抑制することができる。
さらに、前記基板の短手方向の側面には、前記凸部と勘合される凹部が設けられていることが好ましい。これにより、基板が長手方向にずれるのを防止することができる。
また、前記基板の上面側には、前記複数の光源を覆うカバーを有し、前記カバーは、前記基板の周端部を上面側から押圧していることが好ましい。このとき、前記ケースは、前記基板を短手方向に挟んで対向する少なくとも一対の爪部を有し、前記爪部が前記カバーを係止することによって、前記カバーが前記基板を押圧するようにできる。これにより、基板の周端部の反り及び浮きを特に抑制することができる。
また、前記カバーは、前記突出部の位置に合わせて切り欠き部が設けられ、前記基板の長手方向の両端部を上面側から押圧していることが好ましい。これにより、基板に対してカバーが押圧する位置を正確にし、基板の反り及び浮きをさらに抑制することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、光源からの熱に起因する基板の反り及び浮きが抑制された照明ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係る照明ユニットにおける最良の実施形態(以下「実施形態」という)について詳細に説明する。
【0010】
また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
【0011】
<第一の実施形態>
図1は、第一の実施形態に係る照明ユニットを模式的に示す斜視図である。図2は、第一の実施形態に係る照明ユニットを模式的に示す分解図である。図3は、第一の実施形態に係る照明ユニットを模式的に示す図1のA−A' 線における断面図である。図4は、第一の実施形態に係る照明ユニットを模式的に示す図1のA−A' 線付近における拡大図である。図5は、第一の実施形態に係る照明ユニットの端部を模式的に示す拡大図である。ただし、図4及び図5については、内部構造をより明確に示すためにカバー30を図示していない。
【0012】
第一の実施形態に係る照明ユニットは、発光素子を有する複数の光源10と、光源10が長手方向xに沿って上面側に配列された基板12と、基板12が上面20cに載置されたケース20と、光源10を覆うようにしてケース20に係止されたカバー30と、を備えている。さらに、ケース20は、基板12を長手方向xに挟んで対向する一対の側面20aを少なくとも有し、その一対の側面20aはそれぞれに内側(基板側)に向かって突出部22が設けられている。そして、基板12の長手方向xの両端部が、ケースの上面20cと突出部22との間に挿入されている。また、カバー30は、基板12の周端部を上面側から押圧した状態でケース20に係止されている。
【0013】
本実施形態において、基板12は、矩形形状に形成されている。基板12の上面側には、光源10が長手方向xに沿って所定の間隔で複数配設されており、さらに、光源10を発光させるための配線パターン(図示しない)も形成されている。光源10と配線パターンとは、AgやAu、Sn等の接合部材(図示しない)によって、ハンダ付けされて電気的に接続されている。このような光源10として、セラミックや樹脂などで形成されたパッケージに、複数の発光素子が配置された表面実装型(SMD)の発光装置が用いられている。また、基板12には、外部電源と電気的に接続可能なコネクタ14を有しており、光源10と同様にしてコネクタ14も配線パターンと電気的に接続されている。このとき、コネクタ14は、基板12の長手方向xの両端部側に設けられているのが好ましく、照明ユニットを複数設ける際に各照明ユニットを直列的に接続し易くすることができる。
【0014】
本実施形態に係るケース20は、基板12が載置される上面20cの周囲に、基板12を長手方向xに挟んで対向する一対の側面20a(第1の側面)と、基板12を短手方向yに挟んで対向する一対の側面20b(第2の側面)と、を有している。
ケースの第1の側面20aは、それぞれに突出部22がケースの上面20cに対して略平行に内側に突出して設けられており、さらに、基板12の長手方向xの両端部がケースの上面20cと突出部22との間にそれぞれ挿入されている。このとき、基板12の長手方向xの両端部は、ケースの上面20cと突出部22との間に1mm以上挿入されているのが好ましく、熱に起因した基板12の反り及び浮きを十分に抑制することができる。さらに、各突出部22は、基板12の反り及び浮きの影響が最も現われ易い箇所に配置されているのが好ましい。このため、本実施形態に係る各突出部22は、基板12の上面側からみて、基板12に配列された光源10と略同一直線上に対向するように設けられている。さらに、基板12の側面側からみて、基板12の長手方向xの両端部は、ケースの上面20cおよび突出部22の少なくとも一方との間に隙間ができるようにそれぞれ挿入されており、その隙間は0.1mm以下とするのが好ましい。これにより、基板12と突出部22との間に過剰な応力が発生するのを緩和し、突出部22にクラックが発生してしまうのを防止することができる。
【0015】
また、ケースの第2の側面20bには、基板12を短手方向yに挟んで対向する少なくとも一対の凸部24が設けられており、その凸部24が基板12の短手方向yの側面を押圧している。このとき、基板12の短手方向yの側面には、凸部24と勘合されるように凹部16が設けられているのが好ましい。これにより、光源10からの熱に起因した基板12の反り及び浮きを摩擦力によって抑制することができるのに加え、基板12の長手方向xへの滑りも抑制することができる。さらに、ケースの第2の側面20bには、基板12を短手方向yに挟んで対向する少なくとも一対の爪部26を有している。爪部26は、光源10を覆うように基板12の上面側に設けられたカバー30を係止している。係止されたカバー30は、基板12の周端部を上面側からケースの上面20cに向かって押圧するため、特に、基板12の周端部の反り及び浮きを抑制することができる。
【0016】
具体的には、本実施形態に係るカバー30は、基板12と同様に長尺な形状を有しており、複数の光源10を覆うために半円筒形状に形成されている。カバー30の短手方向yの両端部には、ケースの上面20cとほぼ平行に延在する鍔部32が設けられている。カバーの鍔部32は、ケース(特に、第2の側面20b)の爪部26によって係止されると共に、基板12の短手方向yの両端部を上面側からケースの上面20cと挟み込むようにして押圧している。さらに、カバー30の長手方向xの両端部には、ケース(特に、第1の側面20a)の突出部22の位置に合わせて切り欠き部34が設けられている。これにより、カバー30の長手方向xの両端部は、切り欠き部34によって突出部22を挟み込むようにして、基板12の長手方向xの両端部まで延在すると共に基板12の上面側を押圧している。
【0017】
以上説明したように、第一の実施形態に係る照明ユニットは、光源10からの熱に起因した基板12の反り及び浮きを抑制することができる。これにより、照明ユニットを点灯させた際の熱によって、基板12とケースの上面20cとの接触面積が減少してしまうのを抑制することができるため、常に放熱性に優れた照明ユニットとすることができる。
【0018】
以下、本発明に係る実施形態の各構成について詳述する。
【0019】
(基板)
基板は、発光素子を有する光源やコネクタ等の電子部品が配置され、さらに、それらの電子部品と電気的に接続される回路パターンが形成された回路基板である。このような基板としては、機械的強度および熱伝導性が高く、熱変形の少ない材料を用いるのが好ましい。具体的には、セラミックス、ガラス、ガラスエポキシ、アルミニウム合金等を用いたプリント基板が好適に利用される。また、基板の下面には、放熱性に優れるグリスや両面テープを設けてケース上面との隙間(空気層)を埋めるのが好ましく、熱伝導性が好ましくない基板を用いる際には、銅やアルミニウム合金等から構成される金属基板を接合しても良い。これにより、光源からの熱を、基板の下面側から照明ユニットの外部(例えば、天井や棚等の設置面)へと効率良く放熱することができる。
【0020】
(光源)
光源は、発光素子を有しており、光を発光することが可能な素子であれば特に限定されるものではない。例えば、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ素子(LD)等の当該分野で使用されているもののいずれをも使用することができる。特に、RGBの各波長域の光に対応した複数の発光素子を用いることにより、単色の発光素子を用いる場合よりも、演色性を向上させることができるため好ましい。
このような発光素子は、光源として、発光素子自体を直接基板に実装して用いても良い他、パッケージや被覆部材等により覆われた発光装置として用いても良い。例えば、発光装置としては、セラミックや樹脂などで形成されたパッケージに発光素子が配置された表面実装型(SMD)や、リードフレームに配置された発光素子をガラスや樹脂などの被覆部材でモールドして形成された砲弾型(ランプタイプ)等が挙げられる。さらに、パッケージや被覆部材には、それぞれ波長変換部材(例えば、アルミニウム酸化物系蛍光体や窒化物系蛍光体、シリケート系蛍光体等)や拡散材(例えば、アルミナやシリカ、酸化チタン等)を含有させることもできる。
また、光源には、実装された基板の上面側からみて配光が略ランバーシャン分布光となる構造のものが好適に用いられる。これにより、均一な光の分布を実現した照明ユニットにすることができる。さらに、光源は、基板の上面に等間隔に配列されているのが好ましい。これにより、発光素子から発生する熱の分布を均等にすることができる。
【0021】
(ケース)
ケースとは、照明ユニットの土台であって、各部材を直接又は間接的に接続するための部材である。具体的には、第一の実施形態に係るケースを用いて説明する。
図1乃至5に示すように、ケース20は、載置される基板形状に合わせて形成された長尺な上面20cと、上面20cの長手方向xの両端部から垂直に延びた一対の側面20a(第1の側面)と、を少なくとも有している。第1の側面20aにはそれぞれに、ケース上面20cに対して略平行となるように内側(基板側)に向かって突出部22が形成されている。ただし、本明細書においては、ケース上面20cの反対側の面を底面という。さらに、ケースの底面は、照明ユニットを設置した際に外部(例えば、天井や棚等の設置面)と接する面である。
さらに、ケース20は、上面20cの短手方向yの両端部から垂直に延びた一対の側面20b(第2の側面)を有することもできる。第2の側面20bは、第1の側面20aの高さよりも低くなるように設けられている。第2の側面20bには、基板12の短手方向yの両側面を挟んで押圧する一対の凸部24が形成されている。ただし、凸部24は、基板12の反り及び浮きを摩擦によって抑制することができれば良く、基板12の短手方向yの側面を片側からのみ押圧するように設けても良い。また、第2の側面20bには、後述するカバー30をケースの上面側に押圧すると共に係止するための爪部26が形成されている。なお、これらの凸部24及び爪部26は、第2の側面20bのみに限定されること無く、ケースの上面20cや後述する段差部28に形成されていても良い。
また、第1の側面20a及び第2の側面20bには、ケースの上面20cとの間に段差部28を形成することができ、ケースの上面20cに載置された基板12の周囲を段差部28が囲むように配置されるのが好ましい。このとき、基板12の周囲に配置された段差部28の高さは、ケースの上面20cに載置された基板12の厚みよりも低くなるように形成されている。これにより、ケース30に対する基板12の位置決めを容易にすることができると共に、後述するカバー30による基板12への押圧を正確に行なうことができる。さらに、第1の側面20a及び第2の側面20bの先端には、曲面を有しているのが好ましく、リフレクタ効果により光の取り出し効率を向上させることができる。
【0022】
また、第1の側面20aと反対側にある各外側面には、照明ユニットの角度調節を自在にして外部と固定可能な多角柱状の支持体29が設けられている。支持体29は、例えばU字形状を有する支持部品(図示しない)の湾曲部に挟み込まれると共に、支持部品の先端が天井や棚等の設置面に挿入されることによって固定される。このとき、多角柱状の支持体29を構成する各面が、支持部品の湾曲部と接することによって、照明ユニットを所定の角度で維持することができる。
【0023】
このようなケースに用いられる材料としては、特に限定されないが、射出成型による成型のし易さや強度、さらには熱伝導性等を考慮した材料を用いるのが好ましい。例えば、ガラスエポキシ樹脂や、セラミックス、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ABS樹脂などが好適に挙げられる。
【0024】
(カバー)
カバーとは、基板の上面に配列された複数の光源を覆い、外部から光源を保護するための部材をいう。本明細書におけるカバーは、長尺な半円筒形状を有しているが、基板の周端部を押圧することができれば、これに限定されない。ただし、ここでは長尺な半円筒形状を有する第一の実施形態に係るカバーを用いて説明する。
図1及び図2に示すように、カバー30は、短手方向yに所定の曲率を有する湾曲面30aと、この湾曲面30aを長手方向xに挟んで対向する一対の平坦面30bとから構成される。
カバー(特に、湾曲面30a)の短手方向yの両端部には、ケースの上面20cとほぼ平行に延在する鍔部32を設けることができる。カバーの鍔部32は、ケースの爪部26によって係止されると共に、基板12の短手方向yの両端部を上面側から挟み込むようにして押圧することができる。このとき、図3に示すように、カバーの鍔部32は、基板12の短手方向yの両端部よりもさらに外側へ延在するように形成され、その延在された部分が、ケースの爪部26によって係止されているのが好ましい。これにより、基板12の短手方向yの両端部がケースの鍔部32に押圧される力を、てこの原理を利用して増大させることができ、熱に起因した基板12の反り及び浮きをさらに抑制することができる。さらに、カバーの鍔部32は、前述したケースの第2の側面20bの代わりに、ケース20の短手方向yの両側面を覆うように延在させて設けることもできる。これにより、照明ユニットの短手方向yにおける配光特性を広げることができる。また、カバーの湾曲面30aには、コネクタ14に接続されたケーブルを外部に引き出すための切り欠き部36を形成することもできる。
カバー30の長手方向xの両端部(一対の平坦面30b)は、それぞれ前述したケースの第1の側面20aに対して略平行となるように、基板12の上面まで延在している。このとき、延在されたカバー30の長手方向xの両端部は、ケースの突出部22の位置に合わせて切り欠き部34が形成されている。つまり、カバー30の長手方向xの両端部は、切り欠き部34によって突出部22を挟み込むようにして、基板12の長手方向xの両端部を上面側から押圧することができる。これにより、基板12に対してカバー30が押圧する位置を正確に決定することができると共に、カバー30自体のガタツキをも防止することができる。
【0025】
このようなカバーに用いられる材料としては、光源からの光を透過することが可能な材料にて構成されていれば特に限定されず、当該分野で公知の材料によって形成することができる。例えば、軽量で、強度の強いプラスチック、特に加工性および耐熱性を考慮すると、ポリカーボネートやアクリルなどの樹脂材料にて構成されているのが好ましい。また、カバーの内面には、拡散部材(例えば、半透明及び乳白色樹脂製の厚さの薄いシート等)を配置したり、適切なレンズ形状に形成したりすることにより、光源からの光に対して拡散効果やレンズ効果を持たせることができる。
【0026】
(照明ユニットの組み立て方法)
照明ユニットの組み立て方法を第一の実施形態に係るケースを用いて簡単に説明する。
最初に、光源10が実装された基板12の長手方向xの一端を、ケース上面20cに対して所定の角度で、ケース上面20cと突出部22との間に挿入する。続いて、基板12の長手方向xの他端をケース上面20cに載置させた後、基板12を他端側にスライドさせる。これにより、基板12の長手方向xの両端部が、それぞれケース上面20cと突出部22との間に挿入される。さらにこのとき、基板12の短手方向yの側面に設けられた切欠き部16が、ケースの第2の側面20bに設けられた凸部24と勘合されることによって、基板12の長手方向xの動きが抑制される。最後に、カバーの切り欠き部34にケースの突出部22を挿入させる共に、カバーの鍔部32をケースの爪部26に係止させる。これにより、カバー30が、光源10を覆うと共に基板12の周端部を押圧するように設けられる。
以上説明したように、基板12の反り及び浮きを抑制した照明ユニットを、ネジ等の固定部品を用いること無く容易に組み立てることができる。
【0027】
<第二の実施形態>
図6は、第二の実施形態に係る照明ユニットの端部を模式的に示す拡大図である。図7は、第二の実施形態に係る照明ユニットの端部の変形例を示す拡大図である。ただし、図6及び図7については、突出部22をより明確に示すためにコネクタ14を図示していない。
【0028】
また、第二の実施形態に係る照明ユニットは、ケースに設けられた突出部の配置以外は、第一の実施形態と実質的に同様の構造を有している。なお、同じ構造については図2を用いて説明すると共に、省略する部分もある(以下の実施形態および実施例でも同様とする)。
【0029】
第二の実施形態に係る照明ユニットは、発光素子を有する複数の光源10と、光源10が長手方向xに沿って上面側に配列された基板12と、基板12が上面20cに載置されたケース20と、光源10を覆うようにして、基板12の周端部を上面側から押圧した状態でケース20に係止されたカバー30と、を有している。さらに、ケース20は、基板12を長手方向xに挟んで対向する一対の側面20aを少なくとも有し、その一対の側面20aはそれぞれに突出部22が内側(基板側)方向に突出して設けられている。そして、基板12の長手方向xの両端部が、ケースの上面20cと突出部22との間に挿入されている。
これに加え、図6に示すように、本実施形態に係る照明ユニットでは、基板12を長手方向xに挟んで対向するケースの一対の側面20aに対して、それぞれに突出部22が2箇所ずつ設けられている。ケースの各側面20aに設けられた2つの突出部22は、基板12の短手方向yに互いに分離して配置されている。さらに、基板12の上面側に設けられたカバー30が、分離された各突出部22の間を延在して基板12の上面を押圧している。これにより、第一の実施形態とほぼ同様の効果を有すると共に、特に、光源10が配列された長手方向xに対して、基板12が凹状に反ってしまうのを安定して抑制することができる。
【0030】
また、図7に示すように、基板12の短手方向yの片側に、突出部22を寄せて配置すると共に、その反対側にはカバー30が基板12の上面まで延在されるように設けても良い。
【実施例1】
【0031】
<実施例1>
実施例1として、第一の実施形態に係る照明ユニットを用いて説明する。
【0032】
実施例1は、光源10と、光源10が実装される長尺な基板12と、基板12が載置されるケース20と、ケース20に係止されるカバー30と、を少なくとも備える。
また、光源10としてRGB色の各発光素子を有する発光装置、基板12として表面に回路パターンが形成されたガラスエポキシ基板、ケース20としてはポリカーボネート樹脂、カバー30としては透光性を有するアクリル樹脂を用いる。
【0033】
本実施例1に係る光源10は、基板上面に長手方向xに配列されると共に、基板12に形成された回路パターンにハンダ付け実装されている。
また、ケース20は、基板12が載置される長尺な上面20cと、上面20cの長手方向xを挟んで対向する一対の側面20a(第1の側面)と、上面20cの短手方向yを挟んで対向する一対の側面20b(第2の側面)と、を有している。第1の側面20aは、それぞれに突出部22が基板側方向に突出して形成され、その突出部22とケース上面20cとの間に、基板12の長手方向xの両端部が挿入されている。このとき、突出部22は、基板12の上面側からみて、基板12に配列された光源10と略同一直線上に対向するように設けられている。また、基板12の長手方向xの両端部は、ケース上面20cと突出部22との間に1mm程度挿入されている。さらに、基板12の長手方向xの両端部は、基板12の側面側からみて、ケース上面20cおよび突出部22の少なくとも一方との間に0.1mm程度の隙間ができるよう配置されている。
また、第2の側面20bには、基板12の短手方向yの両側面を押圧するように、凸部24が対向して形成されている。さらに、第2の側面20bには、基板12の周端部を上面側から押圧するカバー30が係止される爪部26が形成されている。
また、カバー30は、短手方向yに所定の曲率を有する湾曲面30aと、この湾曲面30aを長手方向xに挟んで対向する一対の平坦面30bとから構成されている。カバーの湾曲面30aは、配列された複数の光源10からの光を透過可能に覆っている。さらに、湾曲面30aの短手方向yの両端部には、ケース上面20cと略平行になるように延在する鍔部32が設けられている。カバーの鍔部32は、ケースの爪部26によって係止されると共に、基板12の短手方向yの両端部を上面側から挟み込んで押圧している。また、カバーの一対の平坦面30bは、ケースの第1の側面20aに対して略平行に基板12の上面まで延在されている。このとき、一対の平坦面30aには、ケースの突出部22の位置に合わせて切り欠き部34が形成されている。これにより、一対の平坦面30aは、切り欠き部34によって突出部22を挟み込むようにして、基板12の長手方向yの両端部を上面側から押圧することができる。
【0034】
以上により、実施例1では、第一の実施形態とほぼ同様の効果を有する照明ユニットを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の照明ユニットは、一般照明の他に、冷蔵庫等のショーケースの照明や集魚灯照明等の種々の照明ユニットに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第一の実施形態に係る照明ユニットを模式的に示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態に係る照明ユニットを模式的に示す分解図である。
【図3】第一の実施形態に係る照明ユニットを模式的に示す図1のA−A' 線における断面図である。
【図4】第一の実施形態に係る照明ユニットを模式的に示す図1のA−A' 線付近における拡大図である。
【図5】第一の実施形態に係る照明ユニットの端部を模式的に示す拡大図である。
【図6】第二の実施形態に係る照明ユニットの端部を模式的に示す拡大図である。
【図7】第二の実施形態に係る照明ユニットの端部の変形例を示す拡大図である。
【符号の説明】
【0037】
10…光源、12…基板、14…コネクタ、16…凹部、20…ケース、20a…ケースの第1の側面、20b…ケースの第2の側面、20c…ケースの上面、22…突出部、24…凸部、26…爪部、28…段差部、29…支持体、30…カバー、30a…カバーの湾曲面、30b…カバーの平坦面、32…鍔部、34、36…切り欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を有する複数の光源と、前記光源が長手方向に沿って上面側に配列された基板と、前記基板が上面に載置されたケースと、を有する照明ユニットであって、
前記ケースは、前記基板を長手方向に挟んで対向する一対の側面を有し、
前記一対の側面は、それぞれに内側に向かって突出部が設けられており、
前記基板の長手方向の両端部が、前記ケースの上面と前記突出部との間に挿入されていることを特徴とする照明ユニット。
【請求項2】
前記基板の長手方向の両端部は、前記ケースの上面および前記突出部の少なくとも一方との間に隙間ができるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記ケースは、前記基板を短手方向に挟んで対向する少なくとも一対の凸部を有し、
前記凸部が、前記基板の短手方向の側面を押圧していることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明ユニット。
【請求項4】
前記基板の短手方向の側面には、前記凸部と勘合される凹部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記基板の上面側には、前記複数の光源を覆うカバーを有し、
前記カバーは、前記基板の周端部を上面側から押圧していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記ケースは、前記基板を短手方向に挟んで対向する少なくとも一対の爪部を有し、
前記爪部が前記カバーを係止することによって、前記カバーが前記基板を押圧していることを特徴とする請求項5に記載の照明ユニット。
【請求項7】
前記カバーは、前記突出部の位置に合わせて切り欠き部が設けられ、前記基板の長手方向の両端部を上面側から押圧していることを特徴とする請求項5又は6に記載の照明ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−80372(P2010−80372A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249821(P2008−249821)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000226057)日亜化学工業株式会社 (993)
【Fターム(参考)】