説明

照明装置

【課題】照明装置である管体の内部にインバータ装置等を配置させた自己完結型の構造を採用するとともに、複数の単管の冷陰極発光体を連続的な略線状になるように配置可能とした照明装置を提供する。
【解決手段】管本体の両端部にそれぞれ給電用の端子19が設けられるとともに、前記管本体の内部を長手方向に上下方向に仕切る仕切体18の下部に、発光部Eと該発光部Eの両端部に設けられた端子部(リード線)とを有する略線状をなす冷陰極発光体7,7‘を配置して構成される照明装置であって、前記仕切体18の上部には1対の導電ユニット5A、5Bが配置され、かつ1対の冷陰極発光体7,7‘が前記管本体の両端部からそれぞれ対向するように略平行に延設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に冷陰極発光体を採用した照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置としては、一般的には、主にガス放電により発光する蛍光ランプ管が多く採用されていたが、近年では、発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極蛍光ランプ(冷陰極発光体)を用いた照明装置が採用されるようになりつつある。このような冷陰極蛍光ランプでは、線状をなす発光部の両端に電極(端子部)を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、発光効率が高くかつ使用寿命が長い冷陰極蛍光管(冷陰極発光体)を利用して、恰も従来の蛍光ランプ管と同様な使用形態で利用でき、広い領域を照明できる照明装置がある(例えば、特許文献2及び3参照)。このような照明装置では、非発光の部位である冷陰極蛍光管の電極(端子部)が口金等により隠蔽されている。
【0004】
特に特許文献3及び4においては、自己完結型として照明装置の機能を向上させた発明であり、これらは照明装置としての管体の内部にインバータ装置を配置させる構造を採っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−147802号公報(第3頁、第1図)
【特許文献2】特開2008−210804号公報(第5頁、第2図)
【特許文献3】特開2009−146622号公報(第5頁、第1図)
【特許文献4】特開2010−205490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した冷陰極蛍光管(冷陰極発光体)が蛍光ランプ管の代替品として置き換わる傾向から、近年において長寸法の蛍光ランプ管(例えば一般に110ワット蛍光灯と呼ばれる)に代わる冷陰極蛍光管(冷陰極発光体)を用いた照明装置を求める需要者が増えている。上記した特許文献1〜3に記載の照明装置においては、標準蛍光ランプ管(例えば一般に20、40ワット蛍光灯と呼ばれる)を製造する場合は、1.2メートル程度の冷陰極蛍光管(冷陰極発光体)の単管を利用できるため、取り扱い時に破損の心配はない。
【0007】
しかし、長寸法の蛍光ランプ管(例えば一般に110ワット蛍光灯と呼ばれる)を冷陰極蛍光管(冷陰極発光体)の単管で製造するとなると、冷陰極蛍光管(冷陰極発光体)の長さが2.5メートル程度になり、1人の作業員では持つ位置によって撓み、破損してしまう欠点がある。また長い冷陰極蛍光管(冷陰極発光体)は取り扱いが煩雑であるばかりか、大量生産には不向きである。したがって複数の単管の冷陰極発光体を連続的な略線状になるように配置して、比較的長寸法の照明装置を製造する必要がある。
【0008】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、照明装置である管体の内部にインバータ装置等を配置させた自己完結型の構造を採用するとともに、複数の単管の冷陰極発光体を連続的な略線状になるように配置可能とした照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の照明装置は、
管本体の両端部にそれぞれ給電用の端子が設けられるとともに、前記管本体の内部を長手方向に上下方向に仕切る仕切体の下部に、発光部と該発光部の両端部に設けられた端子部とを有する略線状をなす冷陰極発光体を配置して構成される照明装置であって、
前記仕切体の上部には1対の導電ユニットが配置され、かつ1対の冷陰極発光体が前記管本体の両端部からそれぞれ対向するように略平行に延設されるとともに、両対の対向近接位置で互いの一端端子部が結線され、かつ前記1対の冷陰極発光体の他端端子部がそれぞれ前記1対の導電ユニットの何れかに接続され、さらに前記両導電ユニットはそれぞれ前記両端部に位置する給電用の端子に接続されていることを特徴としている。
この特徴によれば、仕切体の下部において両対の冷陰極発光体の対向近接位置で互いの一端端子部を結線するとともに、1対の冷陰極発光体の他端端子部、仕切体上部に配置された1対の導電ユニット、そして管本体の両端部に位置する給電用の端子を効果的に結線配置できるため、管体の内部にインバータ装置等を配置させた自己完結型の構造を照明装置として採用できるとともに、複数の単管の冷陰極発光体が連続的な略線状になるように配置可能にできることになる。
【0010】
本発明の照明装置は、
前記両対の冷陰極発光体として用いられる各単体の冷陰極発光体は、4本全てが略同長尺の発光体であることを特徴としている。
この特徴によれば、管本体の両端部から延びる両対の冷陰極発光体の対向近接位置が、長手方向ほぼ中心に自動的に定まることになり、結果的に、両対の対向近接位置に現れる非発光部をほぼ中心位置に配置でき、非発光部の位置する左右のバランスがよくなるため製品価値を高められる。
【0011】
本発明の照明装置は、
互いに結線される1対の冷陰極発光体の端子部において、前記端子部と前記結線部が絶縁性を有する被覆体により被覆されることを特徴としている。
この特徴によれば、端子部及び結線部が、対向する他の端子部及び結線部と電気的に絶縁されることになり、冷陰極発光体の回路の短絡を防止できるばかりか、対向する両対の先端部を回路の短絡を心配することなく可能な限り近接配置できることになる。
【0012】
本発明の照明装置は、
冷陰極発光体の端子部及び結線部を被覆する被覆体と、対向する他の端子部及び結線部を被覆する被覆体とは、それぞれ個別の被覆体として構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、両被覆体がそれぞれ分離しているため、冷陰極発光体の端子部及び結線部と、これに対向する他の端子部及び結線部との位置関係が拘束されず、大気温度の変化や、照明装置や冷陰極発光体から発生する熱などにより発生する管本体や冷陰極発光体の長さ変化を吸収できるため、照明装置破壊や変形を効果的に防止できる。
【0013】
本発明の照明装置は、
前記管本体の上部が筒状体となっており、該筒状体の底板部が前記仕切体を構成しており、前記両導電ユニットは前記筒状体の両端部の開口近傍に配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、照明装置の取り付け時などに生じる管本体に働く捻り力に対して、筒状体が変形を抑制し、効果的に長い管本体のねじり変形を防止できるばかりか、導電ユニットの取り付け位置が開口近傍のため設置作業が容易になる。更にインバータなどが発生する熱は左右端部に均等に発生し、両端部から次第に中央よりに伝わるため、導電ユニットを一個使用する場合に比較して管本体の長手方向にもたらされる極端な温度差、即ち温度傾斜を低減でき、冷陰極発光体の使用耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1における照明装置を示す斜視図である。
【図2】照明装置を示す分解斜視図である。
【図3】照明装置を示す横断底面図である。
【図4】照明装置を示す図1におけるA−A断面図である。
【図5】冷陰極発光体の結線部と保持体を示す分解斜視図である。
【図6】照明装置の電気回路を示す概念図である。
【図7】照明装置の電気回路を示す分解斜視図である。
【図8】照明装置に用いられる発光体保持片を示す斜視図である。
【図9】発光体保持片を示す正面図である。
【図10】実施例2における照明装置を示す斜視図である。
【図11】発光部が折り曲げられた冷陰極発光体を示す側面図である。
【図12】実施例2における照明装置の図10におけるA−A断面図である。
【図13】実施例2における照明装置の横断底面図である。
【図14】冷陰極発光体の結線部と保持体を示す分解斜視図である。
【図15】筒状体の仕切体と光反射部材と冷陰極発光体を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る照明装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0016】
実施例1に係る照明装置につき、図1から図9を参照して説明する。図1の符号3は、本発明の適用された照明装置である。照明装置3は、一般の直線状の蛍光ランプ管の使用方法と同様に、既存の蛍光ランプ管の灯具に設けられる2つのソケットの間に取り付けて適用され、照明装置3を蛍光ランプ管の代わりに利用できるようになっている。
【0017】
図1及び図2に示すように、照明装置3は、直線的な中空の管状をなす管本体4を有し、この管本体4の内部には、略直線状をなす4本の冷陰極発光体7(Cold Cathode Fluorescent Lamp,略称CCFL)が被覆体63,63を介して配置されるとともに、主にインバータとPFCからなる制御装置である導電ユニット5が固定されている。
【0018】
図2に示すように、管本体4は、その下部に配置される断面略U字状の光透過部材9と、その上部に配置される放熱性の高い材料で構成される筒状体10と、により構成されている。また、筒状体10の底面板部が管本体4の内部を上下方向に仕切る仕切体18となっている。
【0019】
また、筒状体10の内部には、インバータを含む制御装置である導電ユニット5がケース体55に収納された状態で仕切体18の両端部にそれぞれ内装固定されている。このケース体55は、利用者等が容易に導電ユニット5に触れられないように遮蔽機能を有している。尚、筒状体10の内部空間は、この導電ユニット5の他に後述する配線も通される収納部61となっている(図4)。
【0020】
図2に示すように、管本体4の光透過部材9は、断面視で略U字状をなしており、主として合成樹脂からなる半透明の本発明における透過部としての光透過部材9から構成されている。この光透過部材9と筒状体10の仕切体18とで囲まれる空間は、冷陰極発光体7が配置される照明部62となっている(図4)。
【0021】
図2に示すように、仕切体18の下面側、即ち長手方向に延設された冷陰極発光体7の上方には、光透過部材9に向けて冷陰極発光体7の光を反射する本発明における反射面としての光反射部材30が設けられる。この光反射部材30は、冷陰極発光体7に沿って設けられている。
【0022】
筒状体10は、放熱性の高い材料、例えばアルミ素材等で構成され、抜き出し成型により製造される断面非円形の長尺材を用いて形成されており、筒状体10の底面板が仕切体18としての機能を有している。
【0023】
また、光透過部材9は、抜き出し成型により製造される長尺材を所定の長さで切断して形成され、その断面が略U字状をなし、このU字状の両上端部に内向きの爪部16を有する。光透過部材9は透明もしくは乳白色の透光性の合成樹脂が主に用いられるが、種々のカラーが適用されることもある。光透過部材9は冷陰極発光体7からの光を散乱させるために、光透過部材9の内側面は、凹凸状の光散乱面(図示略)に加工されている。
【0024】
筒状体10の側部には、長手方向に走る溝14が設けられ、この溝14は光透過部材9の断面略U字状の両上端部に内向きに延びている爪部16と係合可能となっている。尚、筒状体10の溝14に対して、光透過部材9の爪部16を長手方向から、もしくは光透過部材9の弾性を利用して上下方向から嵌合することにより、筒状体10と光透過部材9とが連結される(図1及び図4参照)。
【0025】
このように溝方向においてのみ両者の相対移動が許容されるため、筒状体10と光透過部材9は、上下方向に分離し難い構造でありながら、照明装置3のメンテナンス時など、両者の長手方向の相対移動で照明部62内にアクセスが可能となり、特に照明部62内に侵入した虫などの掃除が容易となる。また、光透過部材9は長手方向に複数個に分断されていてもよく、複数個に分断されていることで、照明装置3の組立や照明装置3のメンテナンスがより容易になるばかりか、光透過部材9の万一の破損時にも、破損箇所のみの交換で済むことになる。
【0026】
図2に示すように、筒状体10の両端に取り付けられる端縁封止体8には、端縁封止体8の横断面形状より小さい横断面形状の頭部11が設けられている。両頭部11は同一形状の円筒状凸部であって、端縁封止体8の一部となるように一体に形成されている。このように頭部11が端縁封止体に一体に形成されているため、管本体4の灯具取り付け時や使用時において、頭部11にかかる負荷に対する強度を向上できることになる。
【0027】
また、端縁封止体8は、これを貫通するように2本の電極52が設けられ、2本の電極52の頭部11により外側に突出する部分は、既存の蛍光ランプ管用ソケット(図示略)に挿入される。また、2本の電極52の内側に延びる部分は、後述するように集中端子19に接続され、導電ユニット5に接続されることになる。
【0028】
更に、端縁封止体8の裏面側には、裏面側に延びる係止爪13が設けられており、筒状体10の側面に形成されている係止溝6に、この係止爪13が圧入係止されることにより、端縁封止体8がワンタッチで筒状体10の両端に取り付けられることになる。
【0029】
即ち、長手方向両端を端縁封止体8で固定するのみで、筒状体10と光透過部材9との溝方向の両者の相対移動を阻止し、図1に示される強固な照明装置3を構成できる。また、端縁封止体8には、前述した2本の電極52が設けられているため、組み付けと同時に電極を備えた管本体4が得られることになる。
【0030】
さらに、端縁封止体8の下方部には、端縁封止体8を管本体4に取り付けた際に、光透過部材9の端部下方部分を外側から覆うカバー部12が延設されている。したがって、照明装置3の端部に衝撃があっても、このカバー部12により、光透過部材9の端部への直接的な衝撃が回避され、光透過部材9の破損を防止できる。また、端縁封止体8を貫通する2本の電極52は、インバータを含む制御装置である導電ユニット5が内装された筒状の管本体4の内部に臨むように延設されているため、2本の電極52と導電ユニット5との接続が容易に行える。
【0031】
このように管本体4の上部が筒状体10となっているために強度が高く、照明装置3の取り付け時などに生じる管本体4に働く捻り力に対して、筒状体10が変形を抑制し、効果的に管本体4のねじり変形を防止するように働く。また、導電ユニット5から発生する熱は、放熱性の高い材料で構成された導電ユニット5を取り囲む筒状体10により効果的に放熱されることになる。
【0032】
次に、冷陰極発光体7,7‘と被覆体63の組み付けの構造について図5を参照して説明する。図5に示すように2本の冷陰極発光体7,7‘が略平行に配置され、それぞれの端子部7b、7bから延びるリード線7c、7cが接続部材64によって結線される。
【0033】
尚、端子部7b、7bから延びるリード線7c、7c同士が結線部65により結線されることで、端子部7b、7b同士が互いの動きを拘束することになるため、冷陰極発光体7,7‘を照明部62内で安定して固定できる。
【0034】
また、接続部材64は、両端部に孔部64aが形成されており、この各孔部64aにリード線7cが挿通され、ハンダ付けにより接合されることで2本の冷陰極発光体7,7‘は電気的に接続される。更に、他方の端子部7b、7bから延びるリード線7c、7cは、筒状体10内、即ち収納部61に設置される導電ユニット5にそれぞれ接続されている。尚、この接続部材64を導線で代用し、リード線7cと導線を直接ハンダ付けするようにしてもよい。このように、絶縁材から成る被覆体63で2本の冷陰極発光体7、7‘の端子部7b、7bを被覆させることで、リード線7cと接続部材64からなる結線部65の電気的接続部を一体に保護することができる。
【0035】
そのため、端子部7b、7b及び結線部65が、対向する他の端子部7b、7b及び結線部65と電気的に絶縁されることになり、冷陰極発光体7、7‘の回路の短絡を防止できるばかりか、対向する両対(冷陰極発光体7,7‘と冷陰極発光体7,7‘)の先端部を回路の短絡を心配することなく可能な限り近接配置できることになる。
【0036】
図6、7には、内部の配線構造が示されており、仕切体18の上部には1対の導電ユニット5A、5Bが配置され、かつ1対の冷陰極発光体7,7‘が前記管本体4の両端部からそれぞれ対向するように略平行に延設されている。そして両対(冷陰極発光体7,7‘と冷陰極発光体7,7‘)の対向近接位置で互いの一端端子部(リード線7c)が接続部材64によって前述のように結線され、かつ前記1対の冷陰極発光体7,7‘の他端端子部(リード線7c)がそれぞれ前記1対の導電ユニット5A、5Bの何れかに接続され、さらに前記両導電ユニット5A、5Bはそれぞれ前記両端部に位置する給電用の端子(集中端子19A、19B)に接続されている。該導電ユニット5A、5Bは、端子(集中端子19A、19B)から給電された電力を内蔵するインバータなどで電圧調整及び周波数変更を行い、接続されている冷陰極発光体7,7‘を発光させる。
【0037】
このように、仕切体18の下部において両対の冷陰極発光体7,7‘の対向近接位置で互いの一端端子部(リード線7c)が結線されるとともに、1対の冷陰極発光体7,7‘の他端端子部(リード線7c)、仕切体18上部に配置された1対の導電ユニット5A、5B、そして管本体4の両端部に位置する給電用の端子(集中端子19A、19B)を効果的に結線配置できるため、管本体4の内部にインバータ装置等を配置させた自己完結型の構造を照明装置3として採用できるとともに、複数の単管の冷陰極発光体7,7‘が連続的な略線状になるように配置可能にできることになる。
【0038】
図7の実施例のように一方の冷陰極発光体7、7‘と、他方の冷陰極発光体7、7‘とを別々の被覆体63で被覆するようにすると、両冷陰極発光体(7,7‘と7,7‘)の互いの位置関係が切り離され、それぞれの発光体ユニット66、67としてユニット化することができる。このように両被覆体63をそれぞれ分離させた構造を採ると、冷陰極発光体7、7‘の端子部7b及び結線部65と、これに対向する他の端子部7b及び結線部65との位置関係が拘束されず、大気温度の変化や、照明装置3や冷陰極発光体7から発生する熱などにより発生する管本体や冷陰極発光体7の長さ変化を吸収できるため、照明装置3の破壊や変形を効果的に防止できることになる。
【0039】
また、インバータは図示されていないが、電極52から得られる電圧を例えば20〜100KHz、200〜3000Vに昇圧し、この高周波出力が電気的に接続された各冷陰極発光体7に印加される。インバータには高周波出力のデューティサイクルを可変する調光制御回路を付加することが好ましい。調光制御はデューティサイクルを可変する方式に限定されない。インバータは、本実施形態においては一般の自励発振型インバータであるが、実用に際してこれに限定されない。
【0040】
また、筒状体10には、管本体4の内側を向くように長手方向の溝15が形成されており(図4参照)、光反射部材30は、筒状体10の両側から溝15に嵌合されて設置される。そして、2つの光反射部材30の端部が管本体4の中央部で当接する。
【0041】
図8及び図9に示すように、発光体保持片23は、筒状体10に形成された長手方向の溝15に嵌合可能な保持部231と、冷陰極発光体7を長手方向に向けて把持する把持部232と、から構成されている。また、この発光体保持片23は、保持部231と把持部232とを連結する吊架部234を有し、吊架部234が屈伸可能になっている。
【0042】
この発光体保持片23は、照明部62内を延びる冷陰極発光体7を支持し、移動時や大きな揺れに対しても照明部62内の冷陰極発光体7を保護するようになっている。特に、照明部62の長手方向に延びる溝15により発光体保持片23が支持されるため(図4参照)、溝15の長手方向の所定位置に発光体保持片23の設置位置を自在に変更できるようになり、筒状体10や冷陰極発光体7の長さ条件等に応じて対処が可能となる。
【0043】
発光体保持片23の取り付けに際しては、吊架部234の屈曲と伸長とによりワンタッチで長手方向の溝15に保持部231を嵌合できるばかりか、発光体保持片23を長手方向に容易に移動できることになる。また、吊架部234の屈曲により長手方向の溝15から保持部231を容易に外すこともできる。
【0044】
また、図4に示すように、冷陰極発光体7の光を反射する光反射部材30は、溝15内において発光体保持片23の保持部231により共に嵌合し、光反射部材30は筒状体10に確実に取り付けられている。
【0045】
したがって発光体保持片23を筒状体10から取り除くと、光反射部材30の係止が緩くなり筒状体10から光反射部材30が取り外しやすくなる。ただし、この実施例に限らず光反射部材30は筒状体10に接着剤で固定されても良いし、また筒状体10に塗布されて構成されても良い。
【0046】
さらには、端縁封止体8は断面非円形の筒状体10に係合爪13等により回転不可能に固定されている。また、筒状体は管本体4のねじり変形を防止するように働くため、管本体4の灯具への取り付け時において、端縁封止体8に設けられた頭部11に掛かる負荷は、筒状体10で受け止められることになり、頭部11の破損を防止することになる。
【0047】
このように、本実施例における長寸法の照明装置3は、4本の冷陰極発光体(7,7‘と7,7‘)は、全て同一の寸法のものが用いられているため、管本体4の両端部から延びる両対の冷陰極発光体(7,7‘と7,7‘)の対向近接位置が、長手方向ほぼ中心に自動的に定まることになり、両対の冷陰極発光体(7,7‘と7,7‘)の対向近接位置に非発光部(図示せず)が現れるが、この非発光部は、ほぼ中心位置に配置でき、非発光部の位置する左右のバランスがよくなるため製品価値を高められる。
【0048】
尚、図3に示すように、導電ユニット5を筒状体10の両端部に配置できるので取り付け易くなっている。また、発光体ユニット66、67を左右に設ける左右対称の構成にして両対の冷陰極発光体(7,7‘と7,7‘)及び導電ユニット5A、5Bをバランスよく配置することができるとともに、インバータなどが発生する熱は左右端部に均等に発生し、両端部から次第に中央よりに伝わるため、導電ユニット5を一個使用する場合に比較して管本体4の長手方向にもたらされる極端な温度差、即ち温度傾斜を低減でき、冷陰極発光体7の使用耐久性を向上できる。
【0049】
更に、導電ユニット5は筒状体10の収納部61に配置されるため照明部62を占有することがなく、冷陰極発光体7を管本体4の両端部まで延設できることになり、従来の蛍光ランプ管と同様に管本体の端部付近まで照明部として利用できることになる。
【実施例2】
【0050】
次に、実施例2に係る照明装置につき、図10から図15を参照して説明する。尚、前記実施例1に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0051】
図11に示すように、冷陰極発光体7は、その両端部に設けられた非発光の端子部7bを有しており、この端子部7bの先端には、リード線7cが突出される。そして、端子部7b近傍の部位が上方に向けて折り曲げられて屈曲部7dが形成され、この屈曲部7dと長手の直線部7aと短手の直線部7eとで、発光する発光部Eが構成されており、この発光部Eが全体として略L字状をなしている。尚、発光部Eにおける屈曲部7dの内角θは、略90度以下(直角以下)の角度となっている。
【0052】
次に、冷陰極発光体7,7‘と被覆体63の組み付けの構造について図14を参照して説明する。図14に示すように、略L字状に折り曲げられた2本の冷陰極発光体7,7‘が略平行に配置され、上方を向くそれぞれの端子部7b、7bから延びるリード線7c、7cが接続部材64によって結線されて結線部65が構成される(図12参照)。更に、この平行の2本の冷陰極発光体7,7‘の端子部7bと、他の平行の2本の冷陰極発光体7,7‘の端子部7bと、が隣り合うように配置される。
【0053】
そして、結線部65には、その上方から弾性を有するとともに絶縁性を有する合成樹脂またはゴム等の材質で形成された被覆体63が被せられている。この被覆体63の内部は、両端部に冷陰極発光体7,7‘のリード線7cと端子部7bと直線部7eの一部が嵌合される形状をなす嵌合保持部63bが形成されている。尚、被覆体63の中央部は薄く形成され、冷陰極発光体7及び接続部材64を被覆体63の内側に隙間なく密着させて保持できるようになっている(図12参照)。
【0054】
図15に示すように、筒状体10の仕切体18には、その中央部に被覆体63の横断平面形状と略同形状の2つの貫通孔18aが近接して配置されている。これらの貫通孔18aの内形は、保持体63の外形よりも若干小さく形成されている。
【0055】
冷陰極発光体7を管本体4内に設置する際には、2本の冷陰極発光体7を有する発光体ユニット66、67を2つ設け、各発光体ユニット66、67における上方を向く端子部7bを仕切体18の貫通孔18aに挿通する。仕切体18に貫通孔18aが予め形成されることで、管本体4内における冷陰極発光体7,7‘を容易に位置決めできる。
【0056】
被覆体63は弾力性を有し、貫通孔18aの内形は、保持体63の外形よりも若干小さいため、被覆体63を貫通孔18aにねじ込むことで、仕切体18から被覆体63に圧力が加わり、被覆体63が仕切体18の貫通孔18aの内側面に締め付けられることで固定されるようになっている。
【0057】
尚、被覆体63の両端の下部には、外方に突出するストッパー63aが形成されており、被覆体63を貫通孔18aに挿通する際に、被覆体63はストッパー63aが仕切体18に当接するようになっており、このストッパー63aによって仕切体18に対する被覆体63の上下方向の位置決めが可能になっている(図12参照)。
【0058】
更に尚、屈曲部7dは、端子部7b近傍の発光部Eを折り曲げて形成されており、端子部7bに被せられた被覆体63の下方には、上下方向を向く直線部7eが露出するようになっている。そのため冷陰極発光体7,7‘を管本体4に取り付けた際に、屈曲部7dから水平方向に延設された直線部7aは、照明部62内で仕切体18から離れた位置で保持される(図12参照)。
【0059】
図15に示すように、4本の冷陰極発光体(7,7‘と7,7‘)の各端子部7bは、仕切体18の貫通孔18aに下方から挿通されて被覆体63によって固定されている。そして、各端子部7bは、筒状体10の仕切体18の上方、即ち収納部61に配置されるため、非発光の端子部7bが照明部62から離間させた位置に設けられ、照明部62には、直線部7eの一部と屈曲部7dと直線部7aとが配置されるようになる(図12参照)。
【0060】
このように、2つの発光体ユニット66の被覆体63を近接して配置することで、同一直線上に並ぶ2本の冷陰極発光体7、‘7の屈曲部7d同士、即ち発光部E同士が近接されるようになり、発光斑を生じることを防止し、恰も1本の長寸法の冷陰極発光体7の発光部Eに見えるように全体的に均一に発光させることができる。
【0061】
また、筒状体10には、管本体4の内側を向くように長手方向の溝15が形成されており(図12参照)、光反射部材30は、筒状体10の両側から溝15に嵌合されて設置される。そして、2つの光反射部材30の端部が管本体4の中央部で当接するとともに、端部に形成された半楕円部30aには、冷陰極発光体7、‘7の直線部7eが配置され、光反射部材30の反射面に、発光部Eの端子部7b近傍の直線部7eが直交された状態で配置される。
【0062】
そのため、冷陰極発光体7、‘7の直線部7eと光反射部材30の半楕円部30aとの間に、隙間がほとんどない状態となり、(図11参照)、冷陰極発光体7、‘7の光を光透過部材9に向けて一様に反射させることができる。尚、冷陰極発光体7、‘7の直線部7aの支持には、透明な合成樹脂等の材質で形成された発光体保持片23が用いられる。
【0063】
また、図15に示すように、収納部61には、冷陰極発光体7の端子部7bが配置されているが、端子部7bに被せられた保持体63は絶縁性を有するため、収納部61に配線が通っていても、結線部65は保持体63によって保護され、電気的な影響を受けないようになり、冷陰極発光体7の回路構成の短絡等を防止できる。
【0064】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
3 照明装置
4 管本体
7 冷陰極発光体
7a 直線部
7b 端子部
7c リード線
7d 屈曲部
7e 直線部
9 光透過部材
10 筒状体
18 仕切体
18a 貫通孔
30,30’ 光反射部材
63 被覆体
65 結線部
E 発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管本体の両端部にそれぞれ給電用の端子が設けられるとともに、前記管本体の内部を長手方向に上下方向に仕切る仕切体の下部に、発光部と該発光部の両端部に設けられた端子部とを有する略線状をなす冷陰極発光体を配置して構成される照明装置であって、
前記仕切体の上部には1対の導電ユニットが配置され、かつ1対の冷陰極発光体が前記管本体の両端部からそれぞれ対向するように略平行に延設されるとともに、両対の対向近接位置で互いの一端端子部が結線され、かつ前記1対の冷陰極発光体の他端端子部がそれぞれ前記1対の導電ユニットの何れかに接続され、さらに前記両導電ユニットはそれぞれ前記両端部に位置する給電用の端子に接続されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記両対の冷陰極発光体として用いられる各単体の冷陰極発光体は、4本全てが略同長尺の発光体であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
互いに結線される1対の冷陰極発光体の端子部において、前記端子部と前記結線部が絶縁性を有する被覆体により被覆されることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
冷陰極発光体の端子部及び結線部を被覆する被覆体と、対向する他の端子部及び結線部を被覆する被覆体とは、それぞれ個別の被覆体として構成されていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記管本体の上部が筒状体となっており、該筒状体の底板部が前記仕切体を構成しており、前記両導電ユニットは前記筒状体の両端部の開口近傍に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の照明装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−185983(P2012−185983A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47792(P2011−47792)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(594044428)株式会社オプトロム (7)
【出願人】(509001087)廣拓科技股▲分▼有限公司 (7)
【出願人】(509000873)愛普拓楽(香港)有限公司 (7)
【Fターム(参考)】