照明装置
【課題】背面板内を進む光を棚板内に導くことが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】一対の第1の板面を有し、光源からの光を一対の板面の間で内面反射を繰り返して導光させる第1の導光板と、一対の第2の板面と、その周辺に形成された端面とを有し、端面の一部が、一方の第1の板面に光学的に結合された結合面を形成し、光が第1の板面内を導光する方向に一対の第2の板面が交わるように結合面を介して一方の第1の板面に固定され、結合面から入射した光を反対側の端面の方向に内面反射を繰り返して導光させる第2の導光板と、第2の板面における結合面の近傍に設けられ、当該第2の板面に対して所定の角度θを成して形成され、結合面から第2の導光板内に入射し、当該第2の板面から当該第2の導光板の外部に向かう方向に進む光を、当該第2の板面の反対側の第2の板面に向けて反射させる反射面と、を備える。
【解決手段】一対の第1の板面を有し、光源からの光を一対の板面の間で内面反射を繰り返して導光させる第1の導光板と、一対の第2の板面と、その周辺に形成された端面とを有し、端面の一部が、一方の第1の板面に光学的に結合された結合面を形成し、光が第1の板面内を導光する方向に一対の第2の板面が交わるように結合面を介して一方の第1の板面に固定され、結合面から入射した光を反対側の端面の方向に内面反射を繰り返して導光させる第2の導光板と、第2の板面における結合面の近傍に設けられ、当該第2の板面に対して所定の角度θを成して形成され、結合面から第2の導光板内に入射し、当該第2の板面から当該第2の導光板の外部に向かう方向に進む光を、当該第2の板面の反対側の第2の板面に向けて反射させる反射面と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置に関し、特に、導光板を発光させることで導光板の少なくとも一の面に対向する空間を照明する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背面板に棚板を固定してなる棚板装置は、棚板に物を載置できる収納機能だけでなく、棚板上の載置物が部屋のアクセントとなる等の美観向上の機能にも優れたものである。この背面板や棚板に、硝子板や透明樹脂板等の透明板を用いた透明棚板装置がある。この透明棚板装置において、棚板に載置された物を照明したり、棚板や背面板の周囲を照明したりするために、棚板及び背面板自体を発光させようとする試みが行われている。例えば、特許文献1には、透光性を有する棚板の端面に光源を設け、棚板表面を発光させる技術が開示されている。また、特許文献2には、背面板、棚板、側面板に光散乱面を設けることで、透光性を有する棚板に光源からの光を導いて発光させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−167363
【特許文献2】特開2008−55039
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、背面板及び棚板の双方に透光性を有する透明板を用い、かつ、背面板及び棚板自体を発光させたいというニーズがある。しかしながら、特許文献1に記載の発明では、棚板ごとに光源を設ける必要がある。そのため、光源などの不透明な部材の存在により、背面板が視覚的に分断され美観が損なわれる。さらに、背面板を発光させるためには背面板にも光源を設ける必要がある。
【0005】
特許文献2に記載の発明においては、背面板の後方に設けた光源から発せられた光を反射させることにより、各棚板に光を入射させている。このため、棚板ごとに光源を設ける必要が無い。しかしながら、背面板は不透明であり、背面板を発光させることはできない。また、背面板と棚板のように互いに直交する板材の内部を透明にしたとしても、一方の板材内を全反射しながら導光する光は、他方の板材に入射した際に全反射の条件を満たさなくなる。そのため、他方の板材に入射した光は、板同士の接合部の近傍で全反射せずに外部に漏れ、その板材内を接合部とは逆側の端部に向けて導光しない。即ち、背面板内を進む光を棚板部に導いて棚板部を発光させることが困難である。
【0006】
本発明は、背面板内を進む光を棚板内に導くことが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、請求項1に記載の発明は、光源と、相対する一対の第1の板面を有し、前記光源からの光を前記一対の板面の間で内面反射を繰り返して導光させる第1の導光板と、相対する一対の第2の板面と、その周辺に形成された端面とを有し、前記端面の一部が、一方の前記第1の板面に光学的に結合された結合面を形成し、前記光が前記第1の板面内を導光する方向に前記一対の第2の板面が交わるように前記結合面を介して前記一方の第1の板面に固定され、前記結合面から入射した前記光を反対側の端面の方向に内面反射を繰り返して導光させる第2の導光板と、前記第2の板面における前記結合面の近傍に設けられ、当該第2の板面に対してあらかじめ決められた角度θを成して形成され、前記結合面から前記第2の導光板内に入射し、当該第2の板面から当該第2の導光板の外部に向かう方向に進む光を、当該第2の板面の反対側の第2の板面に向けて反射させる反射面と、を備えたことを特徴とする照明装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明装置であって、前記反射面は、前記一対の第2の板面のうち、前記光源から遠い側の第2の板面に設けられたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1またな請求項2に記載の照明装置であって、前記一対の第2の板面の一方または双方に設けられ、前記第2の導光板内を前記内面反射する光の一部を偏向させて前記第2の導光板の外部に出射させる第1の光出射面を備えたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の照明装置であって、前記第1の光出射面は、前記結合面とは反対側の端面の近傍に設けられていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の照明装置であって、前記第1の光出射面は、前記一対の第2の板面のうち、下方側の第2の板面に設けられていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の照明装置であって、前記一対の第2の板面間の距離をW2、前記第2の板面が接している媒体の屈折率をn1、前記第2の導光板の屈折率をn3としたとき、前記結合面から前記反対側の端面に向かう方向において前記結合面から前記反射面が設けられた位置までの距離Lは以下の条件を満たすことを特徴とする。
0≦L≦L1
[数1]
[数2]
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の照明装置であって、前記角度θの範囲は、[数1]で示した距離L1に対する距離Lの割合をL/L1としたとき、前記反射面が設けられた位置までの前記距離Lに応じて、以下に[数3]として示す式により定義されることを特徴とする。
[数3]
但し、θmin(L/L1)及びθmax(L/L1)は、以下の式により定義される。
[数4]
[数5]
[数6]
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の照明装置であって、前記反射面を複数備え、[数4]で示したθmin(L/L1)にL/L1=0.9を代入した式をθmin(0.9)とし、[数5]で示したθmax(L/L1)の式にL/L1=0.05を代入した式をθmax(0.05)としたとき、前記反射面それぞれにおいて前記角度θが、以下に示す条件を満たすことを特徴とする。
[数7]
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の照明装置であって、前記反射面を複数備え、[数4]で示したθmin(L/L1)にL/L1=0.7を代入した式をθmin(0.7)とし、[数5]で示したθmax(L/L1)の式にL/L1=0.3を代入した式をθmax(0.3)としたとき、前記反射面それぞれにおいて前記角度θが、以下に示す条件を満たすことを特徴とする。
[数8]
また、請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の照明装置であって、θmax(L/L1)に代入したL/L1に0.5を加算した値をL/L1+0.5とし、[数4]で示したθmin(L/L1)の式にL/L1=L/L1+0.5を代入した式をθmin(L/L1+0.5)としたとき、前記反射面が、前記結合面から前記反対側の端面に向けて所定の幅を持ち、当該幅の中心において、前記角度θは、以下の条件を満たすことを特徴とする。
[数9]
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の照明装置であって、前記結合面が接続された前記第1の板面に接合された接合面と、前記一対の第2の板面のうち下方側の第2の板面に対向し、前記第2の導光板を下方から支持する支持面と、当該第1の板面から離れるにつれて厚みが減少するように設けられた斜面とを有し、透光性を有する補強部を備えたことを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の照明装置であって、前記反射面は前記斜面に設けられていることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の照明装置であって、前記結合面が接続された前記第1の板面に設けられ、前記第1の導光板内を前記内面反射する光の一部を偏向させて前記第1の導光板の外部に出射させる第2の光出射面を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る照明装置は、第1の導光板から結合面を介し第2の導光板の第2の板面に入射した光を、当該第2の板面に対してあらかじめ決められた角度θを成して形成された反射面により内面反射させる。これにより、第1の導光板内を導かれた光を、第2の導光板内に導き、導光させることが可能となる。このような構成とし、第2の導光板内を導かれた光を、第2の導光板の外部に出射させることで、第2の導光板ごとに光源を設ける必要が無くなる。これにより、そのため、第1の導光板内を導かれた光を第2の導光板内に導光させる過程において、不透明の部分を形成することなく、第2の導光板を発光させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る照明装置の正面図である。
【図2A】第1の実施形態に係る照明装置のII−II概略断面図である。
【図2B】図2Aにおける光反射部の近傍を拡大した拡大断面図である。
【図3A】第1の実施形態において背面導光板から棚板導光板に入射する光の様子を説明するための図である。
【図3B】図3Aにおける光反射部の近傍を拡大した拡大図である。
【図4A】光反射部の設置条件について説明するための図である。
【図4B】光反射部の設置条件について説明するための図である。
【図4C】光反射部の設置条件について説明するための図である。
【図5A】背部端面から前部端面に向けて離れるほど、反射面の角度を小さくした場合における、背面導光板から棚板導光板に入射する光の様子を説明するための図である。
【図5B】図5Aにおける光反射部の近傍を拡大した拡大図である。
【図6】光反射部の態様の一例である。
【図7A】光射出面により棚板導光板内を導かれる光が偏向される様子を説明するための図である。
【図7B】光射出構造により棚板導光板内を導かれる光が偏向される様子を説明するための図である。
【図8A】角度θと背面導光板内の光量と棚板導光板内の光量との関係を表した表である。
【図8B】反射面の角度θと棚板導光板内に導かれる光の割合との関係を示したグラフである。
【図9】実施例1における、θ3min(L/L1)、θ3max、θmin(L/L1)、θmax1(L/L1)、及びθmax2(L/L1)の計算値を示した表である。
【図10A】実施例2における、角度θの条件として、条件2−0〜2−5、及び比較例2−1、2−2の値を示した表である。
【図10B】実施例2における、角度θの条件として、条件2−0、2−6〜2−10、及び比較例2−1、2−2の値を示した表である。
【図11】各実施例の距離Lと角度θとの関係を示したグラフである。
【図12】各実施例における、棚板導光板内に導かれる光の割合を示したグラフである。
【図13A】第2の実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
【図13B】図13Aにおける光反射部の近傍を拡大した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
本発明に係る照明装置は、背面板及び棚板の双方に透光性を有する透明板を用いた透明棚板装置に照明機能を付加し、その背面板や棚板を面発光させる。第1の実施形態に係る照明装置について、図1、図2A、及び図2Bを参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る照明装置について説明するにあたり、図1に示す正面図の横方向をx方向、高さ方向をz方向とし、x方向及びz方向に直交する奥行き方向をy方向とする。即ち、図2Aは、本実施形態に係る照明装置を、図1にII−IIで示されたyz平面で切断した概略断面図を示している。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る照明装置は、外枠部1と、背面導光板3と、照明ユニット42と、電源ユニット43と、棚板導光板5と、光反射部6とを含んで構成されている。
【0012】
外枠部1は、天板11と、底板12と、側板13とを備えている。天板11と底板12とは対向し、側板13は、対向する天板11の端部近傍と底板12の端部近傍との間のそれぞれを架設するように設けられている。図2に示すように、天板11は、やや奥行きのある平面視長方形の板体である。天板11と、底板12と、側板13とは、例えば、アルミ等の金属、不透明樹脂、または木材により形成することが可能である。
【0013】
図1に示すように、外枠部1の内面部、即ち、天板11、底板12、及び側板13の内面部には、周溝2が設けられている。また、図2Aに示すように、周溝2は、y方向に所定の間隔をもって形成されている。
【0014】
図1に示すように、背面導光板3は、例えば長方形の平板形状を成し、表面34と、裏面35と、表面34及び裏面35の周囲に設けられた上部端面31、下部端面32、及び側部端面33とを含んで構成される。表面34上には、結合領域36が設けられている。結合領域36には、棚板導光板5の背部端面53が光学的に結合されている。なお、「光学的に結合されている」という表現は、双方の結合面を介して、少なくとも背面導光板3から棚板導光板5の方向に光が通過可能に構成されていることを意味し、必ずしも物理的に接合されている必要はない。棚板導光板5の詳細については後述する。また、表面34上には、発光領域37が設けられている。発光領域37には、光出射面8が設けられている。光出射面8の詳細については後述する。背面導光板3の上部端面31、下部端面32、及び側部端面33は、周溝2に嵌合可能に構成されている。それにより、背面導光板3の上部端面31、下部端面32、及び側部端面33を、周溝2に係合させることが可能である。この係合によって、背面導光板3が外枠部1に取り付けられる。
【0015】
背面導光板3は、光を透過可能な透光性を有する薄板である。背面導光板3は、上部端面31、下部端面32、及び側部端面33のいずれかの端部から光が入射すると、表面34と裏面35のそれぞれで内面反射(全反射)させることで、入射した光を反対側の端部に導く。背面導光板3の素材としては、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの樹脂、ガラス等が採用される。
【0016】
図1に示すように、背面導光板3は、z方向にW3の高さを有し、x方向にW4の幅を有する。また、図2に示すように、背面導光板3は、y方向にW1の厚さを有する。背面導光板3の寸法、即ち、W3、W4、及びW1は、上部端面31、下部端面32、及び側部端面33のいずれかの端部から入射した光を反対側の端部に導くことが可能な寸法であればよい。背面導光板3には、一般的には、高さW3が15cm〜200cm、幅W4が15cm〜200cm、厚さW1が0.2cm〜2cmのものが使われる。
【0017】
また、背面導光板3は、表面34及び裏面35が長方形である平板形状を成しているが、表面34及び裏面35の形状は長方形に限定されない。表面34及び裏面35の周辺に設けられた端面のうちの一部に入射した光を反対側の一部に導けば、表面34及び裏面35の形状は限定されない。例えば、背面導光板3は、表面34及び裏面35が円形である平面形状でもよい。また、背面導光板3は、平板形状に限らず、例えば柱状のものを用いてもよい。この場合、柱状の背面導光板3の側面に結合領域36及び発光領域37を設ければよい。
【0018】
天板11には、図1及び図2に示すように、周溝2部分の裏側にx方向に長い形状の凹部111が設けられている。図2に示すように、凹部111内には、y方向に凹部111の幅に略等しい幅を有し、x方向に長い形状の照明ユニット42が係合して収められている。また、照明ユニット42には、光源41が設けられている。光源41は、背面導光板3の上部端面31に対向して配置されている。光源41には、例えばLED(Light Emitting Diode)が用いられ、この場合には、照明ユニット42の長軸方向(即ち、x方向)に複数個を等間隔で並べて照明ユニット42に配設する。なお、この場合は、上部端面31が「端面の一部」に相当する。
【0019】
また、照明ユニット42用の電源ユニット43が、照明ユニット42と同じく凹部111に納められている。電源ユニット43は、光源41のON/OFFを切り替え可能に構成されている。凹部111は、さらに、照明ユニット42及び電源ユニット43が納められた後の残りの空間を、照明ユニット42への電源供給線の余長部分を納める空間として利用することが可能である。
【0020】
(棚板導光板5)
棚板導光板5は、例えば長方形の平板形状を成し、上面51と、下面52と、上面51及び下面52の周囲に設けられた端面とで構成される。この端面は、表面34に対向する背部端面53と、背部端面53とは反対側の前部端面54とを含む。棚板導光板5は、上部端面31から下部端面32に向けた方向(即ち、z方向)が、上面51及び下面52と交わるような向きに設置されている。即ち、上面51及び下面52に立てた各垂線が、z方向の成分を有する。上面51上及び下面52上のいずれかまたは双方の背部端面53近傍には、光反射部6が設けられている。光反射部6の詳細については後述する。また、下面52上の前部端面54近傍には、発光領域55が設けられている。発光領域55には、光出射面7が設けられている。光出射面7の詳細については後述する。
【0021】
棚板導光板5は、光を透過可能な透光性を有する薄板である。棚板導光板5は、背部端面53から光が入射すると、上面51と下面52のそれぞれで内面反射(全反射)させることで、入射した光を反対側の前部端面54に導く。棚板導光板5の素材としては、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの樹脂、ガラス等が採用される。
【0022】
背部端面53は、結合領域36と光学的に結合されている。例えば、背部端面53と結合領域36との間を、透光性を有する素材で形成された接着剤で接合する。接着剤には、例えば、アクリル系UV接着剤等が採用される。また、背面導光板3と棚板導光板5とを一体成形してもよい。
【0023】
また、背部端面53と結合領域36との間は、結合領域36から出射する光が、背部端面53から棚板導光板5内に入射可能であれば、必ずしも接合されている必要は無い。例えば、棚板導光板5を下方から支持する支持部を設けることで、棚板導光板5を着脱可能に構成してもよい。この場合には、背部端面53と結合領域36との間の空気の層を、透光性を有し、かつ形状を自由に変更可能な素材で埋める。このような素材には、例えば、シリコーンやアクリル等のエラストマー等を用いればよい。
【0024】
なお、棚板導光板5を下方から支持する支持部としては、棚板導光板5の下部に、下方から棚板導光板5を支持する補強部が挙げられる。補強部を含む構成については、第2の実施形態で説明する。また、図1に示す側板13に、y方向に沿って周溝2を形成し、この周溝2に棚板導光板5のx方向の端面を係合させることで棚板導光板5を支持する構成としてもよい。なお、背部端面53と結合領域36との間を接合する場合においても、棚板導光板5を支持しきれない場合には、このような支持部を設けてもよい。なお、背部端面53が「結合面」に相当する。
【0025】
図1に示すように、棚板導光板5は、x方向にW4の幅を有する。また、図2Aに示すように、棚板導光板5は、y方向にW5の奥行きを有し、z方向にW2の厚さを有する。棚板導光板5の寸法、即ち、W4、W5、及びW2は、背部端面53から入射した光を反対側の前部端面54に導くことが可能な寸法であればよい。棚板導光板5には、一般的には、幅W4が15cm〜200cm、奥行きW5が10cm〜100cm、厚さW2が0.2cm〜2cmのものが使われる。
【0026】
また、棚板導光板5は、上面51及び下面52が長方形である平板形状を成しているが、上面51及び下面52の形状は長方形に限定されない。上面51及び下面52の周辺に背部端面53を設け、この背部端面53に入射した光を反対側の前部端面54に導けば、上面51及び下面52の形状は限定されない。例えば、棚板導光板5は、上面51及び下面52が円形である平面形状でもよい。
【0027】
(光反射部6)
次に、光反射部6について図2Bを参照しながら説明する。図2Bは、図2Aにおいて、下面52に設けられた光反射部6の近傍を拡大した拡大断面図である。図2Bに示すように、光反射部6は、下面52上の、背部端面53から前部端面54に向かう方向において、背部端面53から所定の距離Lの範囲に1以上設けられている。以降では、下面52上に光反射部6が複数設けられているものとする。このとき、複数の光反射部6のうち個々を区別する場合、背部端面53に近い方に設けられた光反射部6を「光反射部6A」と記載、光反射部6Aに対しy方向の前部端面54側に隣接して設けられた光反射部6を「光反射部6B」と呼ぶ場合がある。なお、距離Lの条件については後述する。
【0028】
光反射部6は、反射面61と、端面62と、接合面63とを含んで構成されている。接合面63は、下面52に対向している。光反射部6は、接合面63で下面52と接合されている。端面62は、下面52からz方向の下方に立ち上がるように設けられている。また、反射面61は、下面52との間でz方向に所定の角度θの傾きを形成するように設けられている。角度θの条件については後述する。
【0029】
光反射部6は、光を透過可能な透光性を有する。光反射部6には、棚板導光板5と屈折率の同じ素材を用いるとよい。光反射部6の素材としては、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの樹脂、ガラス等が採用される。
【0030】
背部端面53から棚板導光板5に入射した光の一部は、接合面63から光反射部6内に入射する。このときの光の光路について図3A及び図3Bを参照しながら説明する。図3Aは、背面導光板3から、背部端面53を介して棚板導光板5内に入射した光の光路を示している。また、図3Bは、図3Aにおける光反射部6の近傍を拡大した拡大図である。なお、図3A及び図3Bでは、説明のため、背面導光板3内及び棚板導光板5内を導かれる光束の一部の光路を単一の線で模擬的に示している。また、以降の説明では、空気(即ち、表面34、裏面35、上面51、及び下面52が接している媒体)の屈折率をn1=1.0、背面導光板3の屈折率をn2、棚板導光板5の屈折率をn3として説明する。
【0031】
光路R11〜R13に示すように、背面導光板3内を内面反射を繰り返しながら導かれた光は、背部端面53を介して棚板導光板5内に入射する。背部端面53から棚板導光板5に入射した光の一部は、接合面63から光反射部6内に入射する。
【0032】
ここで、図3Bを参照する。光反射部6内に入射した光は、反射面61に入射する。例えば、光路R11及びR12で示された光は、光反射部6Aの反射面61に入射する。反射面61は、下面52に角度θだけ傾いて形成されている。そのため、光反射部6内に入射した光は、棚板導光板5内において下面52に入射する場合よりも角度θだけ浅く反射面61に入射することになる。
【0033】
反射面61に入射した光は、反射面61で内面反射(全反射)される。この反射面61で内面反射された光のうち、例えば、光路R11で示した光は、接合面63から棚板導光板5内に再び入射する。また、光路R12で示した光は、端面62から光反射部6Aの外部に出射する。端面62から光反射部6Aの外部に出射した光は、光反射部6Bの反射面61に入射し、光反射部6Bを介して棚板導光板5内に再び入射する。なお、上部端面31から入射した光は、下面52に設けられた光反射部6に入射する。そのため、光反射部6は、上面51及び下面52のうち、少なくとも下面52側に設けられていればよい。具体的には、上面51及び下面52のうち、その板面に立てた垂線の方向が、光が入射した上部端面31から反対側の下部端面32に向けた方向の成分を有する側の面に光反射部6が設けられていればよい。
【0034】
上記したように、光反射部6内に入射した光を、反射面61で内面反射させ、棚板導光板5内に再び入射させるための光反射部6の角度θの条件と、光反射部6を設ける距離Lの範囲について、図4A〜図4Cを参照しながら説明する。図4A〜図4Cは、光反射部6の設置条件、即ち、角度θ及び距離Lの条件について説明するための図である。なお、図4A〜図4Cでは、説明のため、背面導光板3内及び棚板導光板5内を導かれる光束の一部の光路を単一の線で模擬的に示している。
【0035】
まず、図4Aを参照しながら、距離Lの条件について説明する。図4Aは、距離Lの条件について説明するための図である。図4Aは、背面導光板3の裏面35で内面反射し背部端面53から棚板導光板5内に入射した光が、最初に下面52に入射する場合において、下面52で内面反射をおこさない光が到達する、背部端面53から前部端面54に向けた方向の距離の最大値、即ち、最大距離L1を示している。図4Aの光路R1で示すように、上面51と表面34とが接する位置から棚板導光板5内に入射した光が、下面52における、背部端面53から最大距離L1の位置に入射する。なお、角度θ3critは、屈折率n3の媒質内(即ち、棚板導光板5内)で全反射するための、下面52(または、上面51)に対する光の入射角度の最小値(即ち、臨界角)を示している。
【0036】
以上から、背部端面53から前部端面54に向けて距離L1までの範囲に光反射部6を設ければよいことがわかる。即ち、距離Lは、以下の条件で示される。
0≦L≦L1
但し、L1は、以下の式により定義される。
[数1]
[数2]
【0037】
次に、図4Bを参照する。図4Bは、距離Lの位置に設けられた反射面61に入射した光を、棚板導光板5に向けて全反射させるための光反射部6の角度θの条件について説明するための図である。なお、角度θ2critは、屈折率n2の媒質内(即ち、背面導光板3内)で全反射するための、表面34(または、裏面35)に対する光の入射角度の最小値(即ち、臨界角)を示している。
【0038】
図4Bにおいて、入射角度θ3minは、距離Lの地点において、下面52(または、上面51)に入射する光の入射角度の最小値を示している。図4Bに示すように、光路R2で示した光、即ち、背面導光板3の裏面35で内面反射し背部端面53から棚板導光板5内に入射した光が、距離Lの地点において、入射角度θ3minで下面52に入射する。このことから、入射角度θ3minは、距離Lの関係式θ3min(L)として、下の式で示される。
[数10]
上記式において、θ3min(L)を、L1に対するLの比率を示す式、即ち、L/L1の関数θ3min(L/L1)とした場合には、θ3min(L/L1)は、以下の式で示される。
[数6]
【0039】
また、図4Bにおいて、入射角度θ3maxは、距離Lの地点において、下面52(または、上面51)に対して光が入射する角度の最大値を示している。この角度は、屈折率n3の媒質内(即ち、棚板導光板5内)で全反射するための、下面52(または、上面51)に対する光の入射角度の最小値(即ち、臨界角)を示している。この角度は、距離Lに拘らず一定である。ゆえに、入射角度θ3maxは、以下の式で示される。
[数11]
【0040】
ここで、図4Cを参照する。図4Cは、棚板導光板5内から下面52に入射する光の入射角と、光反射部6の反射面61との関係を示している。図4Cにおいて、入射角度θ3は、光の入射角度を示している。図4Cに示すように、反射面61は、棚板導光板5の下面52に対して、z方向に角度θの傾きを成して設けられている。そのため、下面52に対して入射角度θ3で入射する光は、反射面61には、入射角度θ3+θで入射することになる。この入射角度θ3+θで入射した光が、屈折率n3の媒質内で全反射する必要がある。即ち、入射角度θ3+θの最小値は入射角度θ3critとなる。
【0041】
上述したように、入射角度θ3の取り得る範囲は、最小値はθ3min(L/L1)と、最大値はθ3maxとにより、θ3min(L/L1)≦θ3≦θ3maxで示される。このうち、θ3min(L/L1)の光が反射面61で全反射するための条件は以下の式で示される。
[数12]
即ち、この場合のθの最小値を示す関数θmin(L/L1)は、以下の式で示される。
[数4]
【0042】
また、θ3min(L/L1)の光が反射面61で全反射された後、棚板導光板5の内部に導かれるための条件は、以下の式で示される。
[数13]
【0043】
また、θ3max(L/L1)の光が反射面61で全反射された後、棚板導光板5の内部に導かれるための条件は、以下の式で示される。
[数14]
【0044】
ここで、θ3max(L/L1)≧θ3min(L/L1)であるため、θmax2(L/L1)<θmax1(L/L1)となる。ゆえに、θの最大値を示す関数をθmax(L/L1)とした場合、θmax(L/L1)=θmax1(L/L1)となる。即ち、θmax(L/L1)は以下の式で示される。
[数5]
【0045】
以上をまとめると、光反射部6の角度θは、以下の条件で示される。
[数3]
但し、θmin(L/L1)及びθmax(L/L1)は、以下の式により定義される。
[数4]
[数5]
[数6]
[数2]
【0046】
なお、上記式からもわかる通り、光反射部6の角度θは、最大距離L1及び距離Lとの関係により定義される。そのため、光反射部6を複数設ける場合には、背部端面53から前部端面54に向けて離れるほど、その光反射部6の角度θを小さくすることで、より多くの光を棚板導光板5内に導くことが可能となる。例えば、図5A及び図5Bは、このような場合の例を示している。図5Aは、背部端面53から前部端面54に向けて離れるほど、その光反射部6の角度θを小さくした場合における、背面導光板3から棚板導光板5に入射する光の様子を説明するための図である。また、図5Bは、図5Aにおける光反射部6の近傍を拡大した拡大図である。
【0047】
図5Aに示すように、光路R22、R21、R23の順で、その光路で示された光が、背部端面53から前部端面54に向けて、より離れた位置に設置された光反射部6に入射する。
【0048】
ここで、図5Bを参照する。図5Bに示すように、光路R22で示された光は、光反射部6Aの反射面61で反射され、棚板導光板5内に再び導かれる。同様に、光路R21で示された光は、光反射部6Bの反射面61で反射され、棚板導光板5内に再び導かれる。
【0049】
図5Bにおいて、距離L6Aは、背部端面53から、光反射部6Aの反射面61のy方向の中心までの距離を示している。このとき、角度θ6Aは、[数3]に示した式により、この距離L6Aに基づき算出された光反射部6の角度θを示している。また、距離L6Bは、背部端面53から、光反射部6Bの反射面61のy方向の中心までの距離を示している。このとき、角度θ6Bは、[数3]に示した式により、この距離L6Bに基づき算出された光反射部6の角度θを示している。図5Bに示すように、L6A<L6Bの関係が成り立ち、このとき、角度θ6Aと角度θ6Bとの関係は、[数3]に示した式から角度θ6A>角度θ6Bとなる。
【0050】
また、上記では、光反射部6を上面51及び下面52に接合する例について説明したが、反射面61が形成されれば構成は限定されない。例えば、図6に示すように、棚板導光板5から反射面61を削り出してもよい。図6の例では、下面52の、背部端面53から前部端面54に向けて距離Lの範囲を切削し、反射面61を有する光反射部6’を設けている。
【0051】
(光出射面7)
次に、光出射面7について図2A、図7A及び図7Bを参照しながら説明する。まず図2Aを参照する。光出射面7は、棚板導光板5の下面52上における発光領域55に散乱剤を塗布することで設けられる。散乱剤は、入射した光の方向をランダムな方向に偏向させる(即ち、散乱させる)。光出射面7として用いられる散乱剤としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、各種顔料系インク、または樹脂微粒子等が用いられる。
【0052】
ここで、図7Aを参照する。図7Aは、光出射面7により棚板導光板5内を導かれる光が偏向される様子を説明するための図であり、棚板導光板5内を導かれる光の光路を示している。なお、図7Aでは、説明のため、棚板導光板5内を導かれる光束の一部の光路を単一の線で模擬的に示している。光路R14で示すように、背部端面53から棚板導光板5内に入射した光は、上面51の内面51’と、下面52の内面52’との間を、内面反射を繰り返しながら前部端面54に向けて導かれる。このとき、棚板導光板5内に入射した光は、内面51’及び52’のそれぞれで全反射する。
【0053】
光路R15で示すように、棚板導光板5内に入射した光は、光出射面7が設けられた領域に入射した場合、光出射面7により偏向される。これにより、その光は、内面52’で全反射せずに背面導光板3の外部に出射する。具体的には、内面52’の光出射面7が設けられた位置に入射した光は、光出射面7内に入射し、散乱剤の粒子にぶつかることでランダムな方向に偏向される。このとき、棚板導光板5に入射した光のうち、棚板導光板5から光出射面7に向けた方向の一部は、光路R15aで示すように下面52側に出射する。また、光出射面7で反射する方向の一部は、光路R15bで示すように上面51側に出射する。この棚板導光板5の外部に出射した光により、光出射面7が設けられた近傍の空間が照明される。
【0054】
なお、光出射面7に替えて、図7Bに示すように光偏向構造7’を設けてもよい。図7Bは、光偏向構造7’により棚板導光板5内を導かれる光が偏向される様子を説明するための図であり、棚板導光板5内を導かれる光の光路を示している。なお、図7Bでは、説明のため、棚板導光板5内を導かれる光束の一部の光路を単一の線で模擬的に示している。図7Bに示すように、光偏向構造7’は、表面34上に凸部(または凹部)を設けたものである。光路R14は、図7Aに示した光路R14と同様である。
【0055】
光路R16及びR17で示すように、背面導光板3内に入射した光は、光偏向構造7’の凸部に入射した場合、この凸部により偏向される。これにより、その光は、内面52’で全反射せずに背面導光板3外部に出射する。このとき、光路R16aで示すように、光偏向構造7’の凸部に入射した光の一部は、凸部で内面反射せずに下面52側に出射する。これは、凸部に対する光の入射角が全反射の条件を満たさなくなるためである。また、光路R17aで示すように、凸部に入射した光の一部は、凸部で内面反射したうえで、内面51’で内面反射せずに上面51側に出射する。これは、凸部により反射されることで、内面51’に対する光の入射角が全反射の条件を満たさなくなるためである。このようにして、棚板導光板5の外部に出射した光により、光偏向構造7’が設けられた近傍の空間が照明される。
【0056】
このように、棚板導光板5内を導かれる光を偏向させることで、棚板導光板5の外部に出射させる構造であれば、光出射面7や、光偏向構造7’の態様は上記に限定されない。例えば、図5の光偏向構造7’のように、一定のパターンの凹凸ではなく、発光領域55をランダムなパターン、例えばすりガラス状にすることで、棚板導光板5内を導かれた光を散乱させてもよい。
【0057】
また、棚板導光板5を複数設けてもよい。その場合には、光源41から遠い位置に設置された棚板導光板5ほど、内部に導かれる光の量が少なくなり、棚板導光板5ごとの光量が変わる。このような場合には、光源41に近い側に設けられた棚板導光板5の光出射面7の面積を小さくし、遠い側に棚板導光板5の光出射面7の面積を大きくするとよい。このような構成とすることで、光源41に近い側に設けられた棚板導光板5の光量が抑えられ、各棚板導光板5の光量を一定に保つことが可能となる。
【0058】
(光出射面8)
光出射面8は、光出射面7と同様の構成を有する。上部端面31から背面導光板3内に入射した光は、表面34の内面34’と、裏面35の内面35’との間を、内面反射を繰り返しながら下部端面32に向けて導かれる。このとき、背面導光板3内に入射した光は、内面34’及び35’のそれぞれで全反射する。背面導光板3内に入射した光は、光出射面8が設けられた領域に入射した場合、光出射面8により偏向される。これにより、その光は、内面34’で全反射せずに背面導光板3の外部に出射する。この光出射面8により偏向され、背面導光板3の外部に出射した光により、光出射面8が設けられた近傍の空間が照明される。
【0059】
なお、下部端面32を金属等でコーティングすることで下部端面32に反射面を形成し、背面導光板3内を導かれる光を、下部端面32に設けられた反射面で反射させるように構成してもよい。これにより、下部端面32で反射した光は、棚板導光板5に入射し、上面51に設けられた光反射部6で反射され、棚板導光板5内を前部端面54に向けて導かれる。これにより、光出射面7から出射する光の光量を大きくすることが可能となる。一方で、下部端面32に吸光材を塗布し、下部端面32での光の反射を防止してもよい。下部端面32で反射した光の一部は、内面35’及び36’で全反射せずに、下部端面32近傍で背面導光板3の外部に漏れる。下部端面32に吸光材を塗布することで、この光を防止することが可能となる。この場合には、上面51に光反射部6を設けない構成としてもよい。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る照明装置は、背面導光板3から背部端面53を介して上面51または下面52に入射した光を、その面に対してあらかじめ決められた角度θを成して形成された反射面61により内面反射させる。これにより背面導光板3内を導かれた光を、棚板導光板5内に導き、棚板導光板5内を導光させる。このような構成とすることで、棚板導光板5ごとに光源41を設ける必要が無くなる。そのため、背面導光板3内を導かれた光を棚板導光板5内に導光させる過程において、不透明の部分を形成することなく、棚板導光板5を発光させることが可能となる。
【0061】
(実施例1)
次に、実施例1として、各光反射部6の角度θを一定とした場合における、角度θと、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合との関係について図8A及び図8Bを参照しながら説明する。なお、実施例1では、背面導光板3の厚さW1=10mm、棚板導光板5の厚さW2=10mm、空気の屈折率n1=1.0、背面導光板3の屈折率n2=1.5、棚板導光板5の屈折率n3=1.5として、背面導光板3内の光量及び棚板導光板5内の光量を測定している。図8A及び図8Bは、最大距離L1に対する距離Lの比率をL/L1としたとき、L/L1=0.1、0.3、0.5、0.7、及び0.9の地点に、同じ角度θの傾きを持つ反射面61を備えた光反射部6を設けた場合の測定値を示している。図8Aは、角度θ(0°≦θ≦50°)と背面導光板3内の光量と棚板導光板5内の光量との関係を表した表である。また、図8Bは、図8Aに示した表を基に、光反射部6の角度θと、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合との関係を示したグラフである。
【0062】
ここで、図9を参照する。図9は、本実施例において、L/L1=0.05、0.10、0.30、0.50、0.70、0.90、及び1.00のそれぞれに対する、θ3min(L/L1)、θ3max、θmin(L/L1)、θmax1(L/L1)、及びθmax2(L/L1)の計算値を示した表である。
【0063】
図9に示すように、L/L1=0.9のとき、角度θmin(L/L1)は約2.97°となる。また、L/L1=0.05のとき、角度θmax1(L/L1)(即ち、θmax(L/L1))は、約43.71°となる。このときの背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合は、図8Bに示すように、0.01以上となる。即ち、[数4]及び[数5]で示した式を用いて、以下の条件に基づき光反射部6の角度θを決定することで、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合として0.01以上の値を確保することが可能となる。
[数7]
但し、θmin(0.9)は、[数4]に示した角度θmin(L/L1)の式にL/L1=0.9を代入した式を示している。また、θmax1(0.05)は、[数5]で示した角度θmax1(L/L1)の式にL/L1=0.05を代入した式を示している。
【0064】
また、図9に示すように、L/L1=0.7のとき、角度θmin(L/L1)は約9.76°となる。また、L/L1=0.3のとき、角度θmax1(L/L1)(即ち、θmax(L/L1))は、約37.49°となる。このときの背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合は、図8Bに示すように、0.03以上となる。即ち、[数4]及び[数5]で示した式を用いて、以下の条件に基づき光反射部6の角度θを決定することで、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合として0.03以上の値を確保することが可能となる。
[数8]
但し、θmin(0.7)は、[数4]に示した角度θmin(L/L1)の式にL/L1=0.7を代入した式を示している。また、θmax1(0.3)は、[数5]で示した角度θmax1(L/L1)の式にL/L1=0.3を代入した式を示している。
【0065】
(実施例2)
次に、実施例2として、光反射部6の角度θの条件を変更した場合における、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合の測定値について、図10A、図10B、、図11及び、図12を参照しながら以下に説明する。なお、実施例2では、背面導光板3の厚さW1=10mm、棚板導光板5の厚さW2=10mm、空気の屈折率n1=1.0、背面導光板3の屈折率n2=1.5、棚板導光板5の屈折率n3=1.5として、背面導光板3内の光量及び棚板導光板5内の光量を測定している。ここで、図10A及び図10Bを参照する。
【0066】
図10Aは、L/L1=0.05、0.10、0.30、0.50、0.70、0.90、及び1.00の場合における、条件2−0〜2−5、及び比較例2−1、2−2の例を示した表である。また、図10Bは、L/L1=0.05、0.10、0.30、0.50、0.70、0.90、及び1.00の場合における、条件2−6〜2−10の例を、条件2−0、比較例2−1、及び比較例2−2とあわせて示した表である。図11は、図10A及び図10Bに示した各条件と、θmax1(L/L1)の条件とについて、L/L1と光反射部6の角度θとの関係を示したグラフである。なお、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合としては、0.02程度あれば、照明に必要な光量を得ることが可能である。そこで、条件2−0〜2−10には、この割合として0.02以上の値を確保可能な条件を示している。また、比較例2−1及び2−2は、条件2−0〜2−10との比較用の例として、この割合が0.02に満たない条件を示している。以下に、各条件について具体的に説明する。
【0067】
(条件2−0)
条件2−0は、各L/L1に対し0.5を加算した値「L/L1+0.5」を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して求めた角度を示している。即ち、L/L1=0.55、0.60、0.80、1.00、1.20、1.40、及び1.50を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して光反射部6の角度θを求めている。なお、この場合のθmin(L/L1)を、「θmin(L/L1+0.5)」と示す場合がある。
【0068】
(条件2−1)
条件2−1は、各L/L1に対し0.15を加算した値「L/L1+0.15」を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して求めた角度を示している。即ち、L/L1=0.20、0.25、0.45、0.65、0.85、1.05、及び1.15を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して光反射部6の角度θを求めている。なお、この場合のθmin(L/L1)を、「θmin(L/L1+0.15)」と示す場合がある。
【0069】
(条件2−2)
条件2−2は、各L/L1を、[数5]で示したθmax(L/L1)の式に代入して求めた角度から「2°」減算した値を示している。即ち、条件2−2は、光反射部6の角度θの最大値を超えない、その最大値の近傍の値を示している。
【0070】
(条件2−3)
条件2−3は、後述の条件2−4から3ずつ減算して求めた角度を示している。条件2−3は、条件式2−4からさらに下限側に3ずつ小さな値を示している。
【0071】
(条件2−4)
条件2−4は、各L/L1に対し0.2を加算した値「L/L1+0.2」を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して求めた角度を示している。即ち、L/L1=0.25、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、及び1.2を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して光反射部6の角度θを求めている。なお、この場合のθmin(L/L1)を、「θmin(L/L1+0.2)」と示す場合がある。
条件2−4は、請求項10の上限と下限の間の領域のうち下限側から1/2から1/4付近にθを設定した場合の値を示している。
【0072】
(条件2−5)
条件2−5は、条件2−4の値のうち、負の値のものを0で置き換えて求めた角度を示している。条件2−5は、請求項10の上限と下限の間の領域のうち下限側から1/3付近に正のθを設定した場合の値を示している。
【0073】
(条件2−6)
条件2−6は、請求項10の上限と下限の間の領域のうち、L/L1=0.1では上限から1/6程度、L/L1=1.0付近では上限から1/2より3程度大きくなるようにして求めた角度を示している。条件2−6は、前記上限と下限が規定するθの式の傾きよりも傾きが大きい、つまりL/L1の増加に伴うθの減少量が大きい場合の値を示している。
【0074】
(条件2−7)
条件2−7は、請求項10の上限と下限の間の領域のうち、L/L1=0.1では上限から1/6程度、L/L1=1.0付近では上限から1/2程度3程度小さくなるようにして求めた角度を示している。条件2−7は、前記上限と下限が規定するθの式の傾きよりも傾きが大きい、つまりL/L1の増加に伴うθの減少量が大きい場合の値を示している。
【0075】
(条件2−8)
条件2−8は、L/L1=0.1における値が27となり、L/L1が0.2増加する毎に2ずつ減算するという条件で求めた角度を示している。条件2−8は、請求項10の上限および下限が規定するθの傾きよりも、傾きが小さい場合の値を示している。
【0076】
(条件2−9)
条件2−9は、L/L1=0.1における値が20となり、L/L1が0.2増加する毎に1ずつ減算するという条件で求めた角度を示している。条件2−9は、請求項10の上限および下限が規定するθの傾きよりも、傾きが小さい場合の値を示している。
【0077】
(条件2−10)
条件2−10は、L/L1=0.1における値が15となり、L/L1が0.2増加する毎に2ずつ減算するという条件で求めた角度を示している。条件2−10は、請求項10の上限および下限が規定するθの傾きよりも、傾きが小さい場合の値を示している。
【0078】
(比較例2−1)
また、比較用の例として、比較例2−1及び2−2を示している。比較例2−1は、各L/L1を、[数5]で示したθmax(L/L1)の式に代入して求めた角度に「2°」を加算した値を示している。即ち、比較例2−1は、光反射部6の角度θの最大値を超えた値を示している。
【0079】
(比較例2−2)
また、比較例2−2は、条件2−0として導出した角度から「2.5°」を減算した値を示している。
【0080】
ここで、図12を参照する。図12は、条件2−0〜2−10、比較例2−1、及び比較例2−2で示された条件において、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合の測定値である。この割合としては、0.02程度以上あれば、照明に必要な光量を得ることが可能であり、図12に示すように、条件2−0〜2−10はこの条件を満たしている。
【0081】
具体的には、条件2−0において、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合が、約「0.02」の値を示している。これに対し、比較例2−2は、この割合が約「0.017」となっており0.02に満たない。また、条件2−2で示す条件では、この割合として約0.026の値を示している。これに対し、比較例2−1は、この割合が「0.013」となっており0.02に満たない。
【0082】
以上のように、光反射部6の角度θの最大値は、[数5]で示したθmax(L/L1)の式から求める。また、光反射部6の角度θの最小値を、[数4]で示したθmin(L/L1)の式に、θmax(L/L1)に代入したL/L1に0.6を加算した値「L/L1+0.5」を代入する、即ち、θmin(L/L1+0.5)により求める。即ち、[数4]及び[数5]で示した式を用いて、以下の条件に基づき光反射部6の角度θを決定することで、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合として0.02以上の値を確保することが可能となる。
[数9]
【0083】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る照明装置について、図13A及び図13Bを参照しながら説明する。図13Aは、第2の実施形態に係る照明装置の概略断面図である。また、図13Bは、図13Aにおける光反射部6の近傍を拡大した拡大断面図である。まず図13Aを参照する。図13Aに示すように本実施形態に係る照明装置は、補強部9を備えている。以降では、本実施形態に係る照明装置について、第1の実施形態と異なる補強部9の周辺の構造に着目し説明する。
【0084】
補強部9は、図13Aに示すように、棚板導光板5の下部に設けられ、棚板導光板5を下方向から支持する。
【0085】
ここで、図13Bを参照する。図13Bに示すように、補強部9は、支持面91と、接合面92と、斜面93とを含んで構成される。補強部9は、透光性を有する素材で形成されている。補強部9の素材としては、例えば、樹脂、ガラス等が採用される。
【0086】
接合面92は、表面34と対向するように設けられている。接合面92と、表面34との間は接合されており、これにより、補強部9が表面34上に固定される。接合面92と、表面34と間は、例えば、透光性を有する素材で形成された接着剤で接合する。接着剤には、例えば、アクリル系UV硬化樹脂等が採用される。また、背面導光板3と補強部9とを一体成形してもよい。
【0087】
支持面91は、下面52と対向するように設けられている。支持面91と下面52との間は光学的に結合されている。支持面91と下面52との間は、透光性を有する接着剤により接合してもよいし、棚板導光板5と補強部9とを一体成形することで、補強部9との間を光学的に結合してもよい。
【0088】
また、支持面91と下面52との間は、下面52から出射する光が、支持面91から補強部9内に入射可能であれば、必ずしも接合されている必要は無い。この場合には、支持面91と下面52との間の空気の層を、透光性を有し、かつ形状を自由に変更可能な素材で埋める。このような素材には、例えば、シリコーンやアクリル等のエラストマー等を用いればよい。このとき、背部端面53と結合領域36との間も、同様に接合せずに、背部端面53と結合領域36との間を前述した素材で埋めるとよい。このような構成とすることで、棚板導光板5を着脱可能に構成することが可能となる。
【0089】
また、斜面93は、背部端面53から前部端面54の方向に、接合面92から離れるにつれ厚みが減少するように設けられている。このとき、斜面93は、下面52からz方向に所定の角度θ9の傾きを形成するように設けられている。斜面93上には、光反射部6が設けられている。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る照明装置は、補強部9を設けることで、棚板導光板5を下方から支持する構成としている。この補強部9は、透光性を有する素材で形成されており、斜面93には光反射部6が設けられている。そのため、補強部9を設けつつ、第1の実施形態と同様に、背面導光板3から入射した光を棚板導光板5内に導き、導光させることが可能となる。即ち、本実施形態に依れば、補強部9により、棚板導光板5を下方から支持する構成をとり、かつ第1の実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0091】
1 外枠部
11 天板
12 底板
13 側板
111 凹部
2 周溝
3 背面導光板
31 上部端面
32 下部端面
33 側部端面
34 表面
35 裏面
36 結合領域
37 発光領域
41 光源
42 照明ユニット
43 電源ユニット
5 棚板導光板
51 上面
52 下面
53 背部端面
54 前部端面
55 発光領域
6、6’、6A、6B 光反射部
61 反射面
62 端面
63 接合面
7 光出射面
7’ 光偏向構造
8 光出射面
9 補強部
91 支持面
92 接合面
93 斜面
【技術分野】
【0001】
この発明は、照明装置に関し、特に、導光板を発光させることで導光板の少なくとも一の面に対向する空間を照明する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背面板に棚板を固定してなる棚板装置は、棚板に物を載置できる収納機能だけでなく、棚板上の載置物が部屋のアクセントとなる等の美観向上の機能にも優れたものである。この背面板や棚板に、硝子板や透明樹脂板等の透明板を用いた透明棚板装置がある。この透明棚板装置において、棚板に載置された物を照明したり、棚板や背面板の周囲を照明したりするために、棚板及び背面板自体を発光させようとする試みが行われている。例えば、特許文献1には、透光性を有する棚板の端面に光源を設け、棚板表面を発光させる技術が開示されている。また、特許文献2には、背面板、棚板、側面板に光散乱面を設けることで、透光性を有する棚板に光源からの光を導いて発光させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−167363
【特許文献2】特開2008−55039
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、背面板及び棚板の双方に透光性を有する透明板を用い、かつ、背面板及び棚板自体を発光させたいというニーズがある。しかしながら、特許文献1に記載の発明では、棚板ごとに光源を設ける必要がある。そのため、光源などの不透明な部材の存在により、背面板が視覚的に分断され美観が損なわれる。さらに、背面板を発光させるためには背面板にも光源を設ける必要がある。
【0005】
特許文献2に記載の発明においては、背面板の後方に設けた光源から発せられた光を反射させることにより、各棚板に光を入射させている。このため、棚板ごとに光源を設ける必要が無い。しかしながら、背面板は不透明であり、背面板を発光させることはできない。また、背面板と棚板のように互いに直交する板材の内部を透明にしたとしても、一方の板材内を全反射しながら導光する光は、他方の板材に入射した際に全反射の条件を満たさなくなる。そのため、他方の板材に入射した光は、板同士の接合部の近傍で全反射せずに外部に漏れ、その板材内を接合部とは逆側の端部に向けて導光しない。即ち、背面板内を進む光を棚板部に導いて棚板部を発光させることが困難である。
【0006】
本発明は、背面板内を進む光を棚板内に導くことが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、請求項1に記載の発明は、光源と、相対する一対の第1の板面を有し、前記光源からの光を前記一対の板面の間で内面反射を繰り返して導光させる第1の導光板と、相対する一対の第2の板面と、その周辺に形成された端面とを有し、前記端面の一部が、一方の前記第1の板面に光学的に結合された結合面を形成し、前記光が前記第1の板面内を導光する方向に前記一対の第2の板面が交わるように前記結合面を介して前記一方の第1の板面に固定され、前記結合面から入射した前記光を反対側の端面の方向に内面反射を繰り返して導光させる第2の導光板と、前記第2の板面における前記結合面の近傍に設けられ、当該第2の板面に対してあらかじめ決められた角度θを成して形成され、前記結合面から前記第2の導光板内に入射し、当該第2の板面から当該第2の導光板の外部に向かう方向に進む光を、当該第2の板面の反対側の第2の板面に向けて反射させる反射面と、を備えたことを特徴とする照明装置である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明装置であって、前記反射面は、前記一対の第2の板面のうち、前記光源から遠い側の第2の板面に設けられたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1またな請求項2に記載の照明装置であって、前記一対の第2の板面の一方または双方に設けられ、前記第2の導光板内を前記内面反射する光の一部を偏向させて前記第2の導光板の外部に出射させる第1の光出射面を備えたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の照明装置であって、前記第1の光出射面は、前記結合面とは反対側の端面の近傍に設けられていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の照明装置であって、前記第1の光出射面は、前記一対の第2の板面のうち、下方側の第2の板面に設けられていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の照明装置であって、前記一対の第2の板面間の距離をW2、前記第2の板面が接している媒体の屈折率をn1、前記第2の導光板の屈折率をn3としたとき、前記結合面から前記反対側の端面に向かう方向において前記結合面から前記反射面が設けられた位置までの距離Lは以下の条件を満たすことを特徴とする。
0≦L≦L1
[数1]
[数2]
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の照明装置であって、前記角度θの範囲は、[数1]で示した距離L1に対する距離Lの割合をL/L1としたとき、前記反射面が設けられた位置までの前記距離Lに応じて、以下に[数3]として示す式により定義されることを特徴とする。
[数3]
但し、θmin(L/L1)及びθmax(L/L1)は、以下の式により定義される。
[数4]
[数5]
[数6]
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の照明装置であって、前記反射面を複数備え、[数4]で示したθmin(L/L1)にL/L1=0.9を代入した式をθmin(0.9)とし、[数5]で示したθmax(L/L1)の式にL/L1=0.05を代入した式をθmax(0.05)としたとき、前記反射面それぞれにおいて前記角度θが、以下に示す条件を満たすことを特徴とする。
[数7]
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の照明装置であって、前記反射面を複数備え、[数4]で示したθmin(L/L1)にL/L1=0.7を代入した式をθmin(0.7)とし、[数5]で示したθmax(L/L1)の式にL/L1=0.3を代入した式をθmax(0.3)としたとき、前記反射面それぞれにおいて前記角度θが、以下に示す条件を満たすことを特徴とする。
[数8]
また、請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の照明装置であって、θmax(L/L1)に代入したL/L1に0.5を加算した値をL/L1+0.5とし、[数4]で示したθmin(L/L1)の式にL/L1=L/L1+0.5を代入した式をθmin(L/L1+0.5)としたとき、前記反射面が、前記結合面から前記反対側の端面に向けて所定の幅を持ち、当該幅の中心において、前記角度θは、以下の条件を満たすことを特徴とする。
[数9]
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の照明装置であって、前記結合面が接続された前記第1の板面に接合された接合面と、前記一対の第2の板面のうち下方側の第2の板面に対向し、前記第2の導光板を下方から支持する支持面と、当該第1の板面から離れるにつれて厚みが減少するように設けられた斜面とを有し、透光性を有する補強部を備えたことを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の照明装置であって、前記反射面は前記斜面に設けられていることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の照明装置であって、前記結合面が接続された前記第1の板面に設けられ、前記第1の導光板内を前記内面反射する光の一部を偏向させて前記第1の導光板の外部に出射させる第2の光出射面を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る照明装置は、第1の導光板から結合面を介し第2の導光板の第2の板面に入射した光を、当該第2の板面に対してあらかじめ決められた角度θを成して形成された反射面により内面反射させる。これにより、第1の導光板内を導かれた光を、第2の導光板内に導き、導光させることが可能となる。このような構成とし、第2の導光板内を導かれた光を、第2の導光板の外部に出射させることで、第2の導光板ごとに光源を設ける必要が無くなる。これにより、そのため、第1の導光板内を導かれた光を第2の導光板内に導光させる過程において、不透明の部分を形成することなく、第2の導光板を発光させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る照明装置の正面図である。
【図2A】第1の実施形態に係る照明装置のII−II概略断面図である。
【図2B】図2Aにおける光反射部の近傍を拡大した拡大断面図である。
【図3A】第1の実施形態において背面導光板から棚板導光板に入射する光の様子を説明するための図である。
【図3B】図3Aにおける光反射部の近傍を拡大した拡大図である。
【図4A】光反射部の設置条件について説明するための図である。
【図4B】光反射部の設置条件について説明するための図である。
【図4C】光反射部の設置条件について説明するための図である。
【図5A】背部端面から前部端面に向けて離れるほど、反射面の角度を小さくした場合における、背面導光板から棚板導光板に入射する光の様子を説明するための図である。
【図5B】図5Aにおける光反射部の近傍を拡大した拡大図である。
【図6】光反射部の態様の一例である。
【図7A】光射出面により棚板導光板内を導かれる光が偏向される様子を説明するための図である。
【図7B】光射出構造により棚板導光板内を導かれる光が偏向される様子を説明するための図である。
【図8A】角度θと背面導光板内の光量と棚板導光板内の光量との関係を表した表である。
【図8B】反射面の角度θと棚板導光板内に導かれる光の割合との関係を示したグラフである。
【図9】実施例1における、θ3min(L/L1)、θ3max、θmin(L/L1)、θmax1(L/L1)、及びθmax2(L/L1)の計算値を示した表である。
【図10A】実施例2における、角度θの条件として、条件2−0〜2−5、及び比較例2−1、2−2の値を示した表である。
【図10B】実施例2における、角度θの条件として、条件2−0、2−6〜2−10、及び比較例2−1、2−2の値を示した表である。
【図11】各実施例の距離Lと角度θとの関係を示したグラフである。
【図12】各実施例における、棚板導光板内に導かれる光の割合を示したグラフである。
【図13A】第2の実施形態に係る照明装置の概略断面図である。
【図13B】図13Aにおける光反射部の近傍を拡大した拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
本発明に係る照明装置は、背面板及び棚板の双方に透光性を有する透明板を用いた透明棚板装置に照明機能を付加し、その背面板や棚板を面発光させる。第1の実施形態に係る照明装置について、図1、図2A、及び図2Bを参照しながら説明する。なお、本実施形態に係る照明装置について説明するにあたり、図1に示す正面図の横方向をx方向、高さ方向をz方向とし、x方向及びz方向に直交する奥行き方向をy方向とする。即ち、図2Aは、本実施形態に係る照明装置を、図1にII−IIで示されたyz平面で切断した概略断面図を示している。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る照明装置は、外枠部1と、背面導光板3と、照明ユニット42と、電源ユニット43と、棚板導光板5と、光反射部6とを含んで構成されている。
【0012】
外枠部1は、天板11と、底板12と、側板13とを備えている。天板11と底板12とは対向し、側板13は、対向する天板11の端部近傍と底板12の端部近傍との間のそれぞれを架設するように設けられている。図2に示すように、天板11は、やや奥行きのある平面視長方形の板体である。天板11と、底板12と、側板13とは、例えば、アルミ等の金属、不透明樹脂、または木材により形成することが可能である。
【0013】
図1に示すように、外枠部1の内面部、即ち、天板11、底板12、及び側板13の内面部には、周溝2が設けられている。また、図2Aに示すように、周溝2は、y方向に所定の間隔をもって形成されている。
【0014】
図1に示すように、背面導光板3は、例えば長方形の平板形状を成し、表面34と、裏面35と、表面34及び裏面35の周囲に設けられた上部端面31、下部端面32、及び側部端面33とを含んで構成される。表面34上には、結合領域36が設けられている。結合領域36には、棚板導光板5の背部端面53が光学的に結合されている。なお、「光学的に結合されている」という表現は、双方の結合面を介して、少なくとも背面導光板3から棚板導光板5の方向に光が通過可能に構成されていることを意味し、必ずしも物理的に接合されている必要はない。棚板導光板5の詳細については後述する。また、表面34上には、発光領域37が設けられている。発光領域37には、光出射面8が設けられている。光出射面8の詳細については後述する。背面導光板3の上部端面31、下部端面32、及び側部端面33は、周溝2に嵌合可能に構成されている。それにより、背面導光板3の上部端面31、下部端面32、及び側部端面33を、周溝2に係合させることが可能である。この係合によって、背面導光板3が外枠部1に取り付けられる。
【0015】
背面導光板3は、光を透過可能な透光性を有する薄板である。背面導光板3は、上部端面31、下部端面32、及び側部端面33のいずれかの端部から光が入射すると、表面34と裏面35のそれぞれで内面反射(全反射)させることで、入射した光を反対側の端部に導く。背面導光板3の素材としては、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの樹脂、ガラス等が採用される。
【0016】
図1に示すように、背面導光板3は、z方向にW3の高さを有し、x方向にW4の幅を有する。また、図2に示すように、背面導光板3は、y方向にW1の厚さを有する。背面導光板3の寸法、即ち、W3、W4、及びW1は、上部端面31、下部端面32、及び側部端面33のいずれかの端部から入射した光を反対側の端部に導くことが可能な寸法であればよい。背面導光板3には、一般的には、高さW3が15cm〜200cm、幅W4が15cm〜200cm、厚さW1が0.2cm〜2cmのものが使われる。
【0017】
また、背面導光板3は、表面34及び裏面35が長方形である平板形状を成しているが、表面34及び裏面35の形状は長方形に限定されない。表面34及び裏面35の周辺に設けられた端面のうちの一部に入射した光を反対側の一部に導けば、表面34及び裏面35の形状は限定されない。例えば、背面導光板3は、表面34及び裏面35が円形である平面形状でもよい。また、背面導光板3は、平板形状に限らず、例えば柱状のものを用いてもよい。この場合、柱状の背面導光板3の側面に結合領域36及び発光領域37を設ければよい。
【0018】
天板11には、図1及び図2に示すように、周溝2部分の裏側にx方向に長い形状の凹部111が設けられている。図2に示すように、凹部111内には、y方向に凹部111の幅に略等しい幅を有し、x方向に長い形状の照明ユニット42が係合して収められている。また、照明ユニット42には、光源41が設けられている。光源41は、背面導光板3の上部端面31に対向して配置されている。光源41には、例えばLED(Light Emitting Diode)が用いられ、この場合には、照明ユニット42の長軸方向(即ち、x方向)に複数個を等間隔で並べて照明ユニット42に配設する。なお、この場合は、上部端面31が「端面の一部」に相当する。
【0019】
また、照明ユニット42用の電源ユニット43が、照明ユニット42と同じく凹部111に納められている。電源ユニット43は、光源41のON/OFFを切り替え可能に構成されている。凹部111は、さらに、照明ユニット42及び電源ユニット43が納められた後の残りの空間を、照明ユニット42への電源供給線の余長部分を納める空間として利用することが可能である。
【0020】
(棚板導光板5)
棚板導光板5は、例えば長方形の平板形状を成し、上面51と、下面52と、上面51及び下面52の周囲に設けられた端面とで構成される。この端面は、表面34に対向する背部端面53と、背部端面53とは反対側の前部端面54とを含む。棚板導光板5は、上部端面31から下部端面32に向けた方向(即ち、z方向)が、上面51及び下面52と交わるような向きに設置されている。即ち、上面51及び下面52に立てた各垂線が、z方向の成分を有する。上面51上及び下面52上のいずれかまたは双方の背部端面53近傍には、光反射部6が設けられている。光反射部6の詳細については後述する。また、下面52上の前部端面54近傍には、発光領域55が設けられている。発光領域55には、光出射面7が設けられている。光出射面7の詳細については後述する。
【0021】
棚板導光板5は、光を透過可能な透光性を有する薄板である。棚板導光板5は、背部端面53から光が入射すると、上面51と下面52のそれぞれで内面反射(全反射)させることで、入射した光を反対側の前部端面54に導く。棚板導光板5の素材としては、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの樹脂、ガラス等が採用される。
【0022】
背部端面53は、結合領域36と光学的に結合されている。例えば、背部端面53と結合領域36との間を、透光性を有する素材で形成された接着剤で接合する。接着剤には、例えば、アクリル系UV接着剤等が採用される。また、背面導光板3と棚板導光板5とを一体成形してもよい。
【0023】
また、背部端面53と結合領域36との間は、結合領域36から出射する光が、背部端面53から棚板導光板5内に入射可能であれば、必ずしも接合されている必要は無い。例えば、棚板導光板5を下方から支持する支持部を設けることで、棚板導光板5を着脱可能に構成してもよい。この場合には、背部端面53と結合領域36との間の空気の層を、透光性を有し、かつ形状を自由に変更可能な素材で埋める。このような素材には、例えば、シリコーンやアクリル等のエラストマー等を用いればよい。
【0024】
なお、棚板導光板5を下方から支持する支持部としては、棚板導光板5の下部に、下方から棚板導光板5を支持する補強部が挙げられる。補強部を含む構成については、第2の実施形態で説明する。また、図1に示す側板13に、y方向に沿って周溝2を形成し、この周溝2に棚板導光板5のx方向の端面を係合させることで棚板導光板5を支持する構成としてもよい。なお、背部端面53と結合領域36との間を接合する場合においても、棚板導光板5を支持しきれない場合には、このような支持部を設けてもよい。なお、背部端面53が「結合面」に相当する。
【0025】
図1に示すように、棚板導光板5は、x方向にW4の幅を有する。また、図2Aに示すように、棚板導光板5は、y方向にW5の奥行きを有し、z方向にW2の厚さを有する。棚板導光板5の寸法、即ち、W4、W5、及びW2は、背部端面53から入射した光を反対側の前部端面54に導くことが可能な寸法であればよい。棚板導光板5には、一般的には、幅W4が15cm〜200cm、奥行きW5が10cm〜100cm、厚さW2が0.2cm〜2cmのものが使われる。
【0026】
また、棚板導光板5は、上面51及び下面52が長方形である平板形状を成しているが、上面51及び下面52の形状は長方形に限定されない。上面51及び下面52の周辺に背部端面53を設け、この背部端面53に入射した光を反対側の前部端面54に導けば、上面51及び下面52の形状は限定されない。例えば、棚板導光板5は、上面51及び下面52が円形である平面形状でもよい。
【0027】
(光反射部6)
次に、光反射部6について図2Bを参照しながら説明する。図2Bは、図2Aにおいて、下面52に設けられた光反射部6の近傍を拡大した拡大断面図である。図2Bに示すように、光反射部6は、下面52上の、背部端面53から前部端面54に向かう方向において、背部端面53から所定の距離Lの範囲に1以上設けられている。以降では、下面52上に光反射部6が複数設けられているものとする。このとき、複数の光反射部6のうち個々を区別する場合、背部端面53に近い方に設けられた光反射部6を「光反射部6A」と記載、光反射部6Aに対しy方向の前部端面54側に隣接して設けられた光反射部6を「光反射部6B」と呼ぶ場合がある。なお、距離Lの条件については後述する。
【0028】
光反射部6は、反射面61と、端面62と、接合面63とを含んで構成されている。接合面63は、下面52に対向している。光反射部6は、接合面63で下面52と接合されている。端面62は、下面52からz方向の下方に立ち上がるように設けられている。また、反射面61は、下面52との間でz方向に所定の角度θの傾きを形成するように設けられている。角度θの条件については後述する。
【0029】
光反射部6は、光を透過可能な透光性を有する。光反射部6には、棚板導光板5と屈折率の同じ素材を用いるとよい。光反射部6の素材としては、例えば、アクリルやポリカーボネートなどの樹脂、ガラス等が採用される。
【0030】
背部端面53から棚板導光板5に入射した光の一部は、接合面63から光反射部6内に入射する。このときの光の光路について図3A及び図3Bを参照しながら説明する。図3Aは、背面導光板3から、背部端面53を介して棚板導光板5内に入射した光の光路を示している。また、図3Bは、図3Aにおける光反射部6の近傍を拡大した拡大図である。なお、図3A及び図3Bでは、説明のため、背面導光板3内及び棚板導光板5内を導かれる光束の一部の光路を単一の線で模擬的に示している。また、以降の説明では、空気(即ち、表面34、裏面35、上面51、及び下面52が接している媒体)の屈折率をn1=1.0、背面導光板3の屈折率をn2、棚板導光板5の屈折率をn3として説明する。
【0031】
光路R11〜R13に示すように、背面導光板3内を内面反射を繰り返しながら導かれた光は、背部端面53を介して棚板導光板5内に入射する。背部端面53から棚板導光板5に入射した光の一部は、接合面63から光反射部6内に入射する。
【0032】
ここで、図3Bを参照する。光反射部6内に入射した光は、反射面61に入射する。例えば、光路R11及びR12で示された光は、光反射部6Aの反射面61に入射する。反射面61は、下面52に角度θだけ傾いて形成されている。そのため、光反射部6内に入射した光は、棚板導光板5内において下面52に入射する場合よりも角度θだけ浅く反射面61に入射することになる。
【0033】
反射面61に入射した光は、反射面61で内面反射(全反射)される。この反射面61で内面反射された光のうち、例えば、光路R11で示した光は、接合面63から棚板導光板5内に再び入射する。また、光路R12で示した光は、端面62から光反射部6Aの外部に出射する。端面62から光反射部6Aの外部に出射した光は、光反射部6Bの反射面61に入射し、光反射部6Bを介して棚板導光板5内に再び入射する。なお、上部端面31から入射した光は、下面52に設けられた光反射部6に入射する。そのため、光反射部6は、上面51及び下面52のうち、少なくとも下面52側に設けられていればよい。具体的には、上面51及び下面52のうち、その板面に立てた垂線の方向が、光が入射した上部端面31から反対側の下部端面32に向けた方向の成分を有する側の面に光反射部6が設けられていればよい。
【0034】
上記したように、光反射部6内に入射した光を、反射面61で内面反射させ、棚板導光板5内に再び入射させるための光反射部6の角度θの条件と、光反射部6を設ける距離Lの範囲について、図4A〜図4Cを参照しながら説明する。図4A〜図4Cは、光反射部6の設置条件、即ち、角度θ及び距離Lの条件について説明するための図である。なお、図4A〜図4Cでは、説明のため、背面導光板3内及び棚板導光板5内を導かれる光束の一部の光路を単一の線で模擬的に示している。
【0035】
まず、図4Aを参照しながら、距離Lの条件について説明する。図4Aは、距離Lの条件について説明するための図である。図4Aは、背面導光板3の裏面35で内面反射し背部端面53から棚板導光板5内に入射した光が、最初に下面52に入射する場合において、下面52で内面反射をおこさない光が到達する、背部端面53から前部端面54に向けた方向の距離の最大値、即ち、最大距離L1を示している。図4Aの光路R1で示すように、上面51と表面34とが接する位置から棚板導光板5内に入射した光が、下面52における、背部端面53から最大距離L1の位置に入射する。なお、角度θ3critは、屈折率n3の媒質内(即ち、棚板導光板5内)で全反射するための、下面52(または、上面51)に対する光の入射角度の最小値(即ち、臨界角)を示している。
【0036】
以上から、背部端面53から前部端面54に向けて距離L1までの範囲に光反射部6を設ければよいことがわかる。即ち、距離Lは、以下の条件で示される。
0≦L≦L1
但し、L1は、以下の式により定義される。
[数1]
[数2]
【0037】
次に、図4Bを参照する。図4Bは、距離Lの位置に設けられた反射面61に入射した光を、棚板導光板5に向けて全反射させるための光反射部6の角度θの条件について説明するための図である。なお、角度θ2critは、屈折率n2の媒質内(即ち、背面導光板3内)で全反射するための、表面34(または、裏面35)に対する光の入射角度の最小値(即ち、臨界角)を示している。
【0038】
図4Bにおいて、入射角度θ3minは、距離Lの地点において、下面52(または、上面51)に入射する光の入射角度の最小値を示している。図4Bに示すように、光路R2で示した光、即ち、背面導光板3の裏面35で内面反射し背部端面53から棚板導光板5内に入射した光が、距離Lの地点において、入射角度θ3minで下面52に入射する。このことから、入射角度θ3minは、距離Lの関係式θ3min(L)として、下の式で示される。
[数10]
上記式において、θ3min(L)を、L1に対するLの比率を示す式、即ち、L/L1の関数θ3min(L/L1)とした場合には、θ3min(L/L1)は、以下の式で示される。
[数6]
【0039】
また、図4Bにおいて、入射角度θ3maxは、距離Lの地点において、下面52(または、上面51)に対して光が入射する角度の最大値を示している。この角度は、屈折率n3の媒質内(即ち、棚板導光板5内)で全反射するための、下面52(または、上面51)に対する光の入射角度の最小値(即ち、臨界角)を示している。この角度は、距離Lに拘らず一定である。ゆえに、入射角度θ3maxは、以下の式で示される。
[数11]
【0040】
ここで、図4Cを参照する。図4Cは、棚板導光板5内から下面52に入射する光の入射角と、光反射部6の反射面61との関係を示している。図4Cにおいて、入射角度θ3は、光の入射角度を示している。図4Cに示すように、反射面61は、棚板導光板5の下面52に対して、z方向に角度θの傾きを成して設けられている。そのため、下面52に対して入射角度θ3で入射する光は、反射面61には、入射角度θ3+θで入射することになる。この入射角度θ3+θで入射した光が、屈折率n3の媒質内で全反射する必要がある。即ち、入射角度θ3+θの最小値は入射角度θ3critとなる。
【0041】
上述したように、入射角度θ3の取り得る範囲は、最小値はθ3min(L/L1)と、最大値はθ3maxとにより、θ3min(L/L1)≦θ3≦θ3maxで示される。このうち、θ3min(L/L1)の光が反射面61で全反射するための条件は以下の式で示される。
[数12]
即ち、この場合のθの最小値を示す関数θmin(L/L1)は、以下の式で示される。
[数4]
【0042】
また、θ3min(L/L1)の光が反射面61で全反射された後、棚板導光板5の内部に導かれるための条件は、以下の式で示される。
[数13]
【0043】
また、θ3max(L/L1)の光が反射面61で全反射された後、棚板導光板5の内部に導かれるための条件は、以下の式で示される。
[数14]
【0044】
ここで、θ3max(L/L1)≧θ3min(L/L1)であるため、θmax2(L/L1)<θmax1(L/L1)となる。ゆえに、θの最大値を示す関数をθmax(L/L1)とした場合、θmax(L/L1)=θmax1(L/L1)となる。即ち、θmax(L/L1)は以下の式で示される。
[数5]
【0045】
以上をまとめると、光反射部6の角度θは、以下の条件で示される。
[数3]
但し、θmin(L/L1)及びθmax(L/L1)は、以下の式により定義される。
[数4]
[数5]
[数6]
[数2]
【0046】
なお、上記式からもわかる通り、光反射部6の角度θは、最大距離L1及び距離Lとの関係により定義される。そのため、光反射部6を複数設ける場合には、背部端面53から前部端面54に向けて離れるほど、その光反射部6の角度θを小さくすることで、より多くの光を棚板導光板5内に導くことが可能となる。例えば、図5A及び図5Bは、このような場合の例を示している。図5Aは、背部端面53から前部端面54に向けて離れるほど、その光反射部6の角度θを小さくした場合における、背面導光板3から棚板導光板5に入射する光の様子を説明するための図である。また、図5Bは、図5Aにおける光反射部6の近傍を拡大した拡大図である。
【0047】
図5Aに示すように、光路R22、R21、R23の順で、その光路で示された光が、背部端面53から前部端面54に向けて、より離れた位置に設置された光反射部6に入射する。
【0048】
ここで、図5Bを参照する。図5Bに示すように、光路R22で示された光は、光反射部6Aの反射面61で反射され、棚板導光板5内に再び導かれる。同様に、光路R21で示された光は、光反射部6Bの反射面61で反射され、棚板導光板5内に再び導かれる。
【0049】
図5Bにおいて、距離L6Aは、背部端面53から、光反射部6Aの反射面61のy方向の中心までの距離を示している。このとき、角度θ6Aは、[数3]に示した式により、この距離L6Aに基づき算出された光反射部6の角度θを示している。また、距離L6Bは、背部端面53から、光反射部6Bの反射面61のy方向の中心までの距離を示している。このとき、角度θ6Bは、[数3]に示した式により、この距離L6Bに基づき算出された光反射部6の角度θを示している。図5Bに示すように、L6A<L6Bの関係が成り立ち、このとき、角度θ6Aと角度θ6Bとの関係は、[数3]に示した式から角度θ6A>角度θ6Bとなる。
【0050】
また、上記では、光反射部6を上面51及び下面52に接合する例について説明したが、反射面61が形成されれば構成は限定されない。例えば、図6に示すように、棚板導光板5から反射面61を削り出してもよい。図6の例では、下面52の、背部端面53から前部端面54に向けて距離Lの範囲を切削し、反射面61を有する光反射部6’を設けている。
【0051】
(光出射面7)
次に、光出射面7について図2A、図7A及び図7Bを参照しながら説明する。まず図2Aを参照する。光出射面7は、棚板導光板5の下面52上における発光領域55に散乱剤を塗布することで設けられる。散乱剤は、入射した光の方向をランダムな方向に偏向させる(即ち、散乱させる)。光出射面7として用いられる散乱剤としては、例えば、酸化チタン(TiO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、各種顔料系インク、または樹脂微粒子等が用いられる。
【0052】
ここで、図7Aを参照する。図7Aは、光出射面7により棚板導光板5内を導かれる光が偏向される様子を説明するための図であり、棚板導光板5内を導かれる光の光路を示している。なお、図7Aでは、説明のため、棚板導光板5内を導かれる光束の一部の光路を単一の線で模擬的に示している。光路R14で示すように、背部端面53から棚板導光板5内に入射した光は、上面51の内面51’と、下面52の内面52’との間を、内面反射を繰り返しながら前部端面54に向けて導かれる。このとき、棚板導光板5内に入射した光は、内面51’及び52’のそれぞれで全反射する。
【0053】
光路R15で示すように、棚板導光板5内に入射した光は、光出射面7が設けられた領域に入射した場合、光出射面7により偏向される。これにより、その光は、内面52’で全反射せずに背面導光板3の外部に出射する。具体的には、内面52’の光出射面7が設けられた位置に入射した光は、光出射面7内に入射し、散乱剤の粒子にぶつかることでランダムな方向に偏向される。このとき、棚板導光板5に入射した光のうち、棚板導光板5から光出射面7に向けた方向の一部は、光路R15aで示すように下面52側に出射する。また、光出射面7で反射する方向の一部は、光路R15bで示すように上面51側に出射する。この棚板導光板5の外部に出射した光により、光出射面7が設けられた近傍の空間が照明される。
【0054】
なお、光出射面7に替えて、図7Bに示すように光偏向構造7’を設けてもよい。図7Bは、光偏向構造7’により棚板導光板5内を導かれる光が偏向される様子を説明するための図であり、棚板導光板5内を導かれる光の光路を示している。なお、図7Bでは、説明のため、棚板導光板5内を導かれる光束の一部の光路を単一の線で模擬的に示している。図7Bに示すように、光偏向構造7’は、表面34上に凸部(または凹部)を設けたものである。光路R14は、図7Aに示した光路R14と同様である。
【0055】
光路R16及びR17で示すように、背面導光板3内に入射した光は、光偏向構造7’の凸部に入射した場合、この凸部により偏向される。これにより、その光は、内面52’で全反射せずに背面導光板3外部に出射する。このとき、光路R16aで示すように、光偏向構造7’の凸部に入射した光の一部は、凸部で内面反射せずに下面52側に出射する。これは、凸部に対する光の入射角が全反射の条件を満たさなくなるためである。また、光路R17aで示すように、凸部に入射した光の一部は、凸部で内面反射したうえで、内面51’で内面反射せずに上面51側に出射する。これは、凸部により反射されることで、内面51’に対する光の入射角が全反射の条件を満たさなくなるためである。このようにして、棚板導光板5の外部に出射した光により、光偏向構造7’が設けられた近傍の空間が照明される。
【0056】
このように、棚板導光板5内を導かれる光を偏向させることで、棚板導光板5の外部に出射させる構造であれば、光出射面7や、光偏向構造7’の態様は上記に限定されない。例えば、図5の光偏向構造7’のように、一定のパターンの凹凸ではなく、発光領域55をランダムなパターン、例えばすりガラス状にすることで、棚板導光板5内を導かれた光を散乱させてもよい。
【0057】
また、棚板導光板5を複数設けてもよい。その場合には、光源41から遠い位置に設置された棚板導光板5ほど、内部に導かれる光の量が少なくなり、棚板導光板5ごとの光量が変わる。このような場合には、光源41に近い側に設けられた棚板導光板5の光出射面7の面積を小さくし、遠い側に棚板導光板5の光出射面7の面積を大きくするとよい。このような構成とすることで、光源41に近い側に設けられた棚板導光板5の光量が抑えられ、各棚板導光板5の光量を一定に保つことが可能となる。
【0058】
(光出射面8)
光出射面8は、光出射面7と同様の構成を有する。上部端面31から背面導光板3内に入射した光は、表面34の内面34’と、裏面35の内面35’との間を、内面反射を繰り返しながら下部端面32に向けて導かれる。このとき、背面導光板3内に入射した光は、内面34’及び35’のそれぞれで全反射する。背面導光板3内に入射した光は、光出射面8が設けられた領域に入射した場合、光出射面8により偏向される。これにより、その光は、内面34’で全反射せずに背面導光板3の外部に出射する。この光出射面8により偏向され、背面導光板3の外部に出射した光により、光出射面8が設けられた近傍の空間が照明される。
【0059】
なお、下部端面32を金属等でコーティングすることで下部端面32に反射面を形成し、背面導光板3内を導かれる光を、下部端面32に設けられた反射面で反射させるように構成してもよい。これにより、下部端面32で反射した光は、棚板導光板5に入射し、上面51に設けられた光反射部6で反射され、棚板導光板5内を前部端面54に向けて導かれる。これにより、光出射面7から出射する光の光量を大きくすることが可能となる。一方で、下部端面32に吸光材を塗布し、下部端面32での光の反射を防止してもよい。下部端面32で反射した光の一部は、内面35’及び36’で全反射せずに、下部端面32近傍で背面導光板3の外部に漏れる。下部端面32に吸光材を塗布することで、この光を防止することが可能となる。この場合には、上面51に光反射部6を設けない構成としてもよい。
【0060】
以上のように、本実施形態に係る照明装置は、背面導光板3から背部端面53を介して上面51または下面52に入射した光を、その面に対してあらかじめ決められた角度θを成して形成された反射面61により内面反射させる。これにより背面導光板3内を導かれた光を、棚板導光板5内に導き、棚板導光板5内を導光させる。このような構成とすることで、棚板導光板5ごとに光源41を設ける必要が無くなる。そのため、背面導光板3内を導かれた光を棚板導光板5内に導光させる過程において、不透明の部分を形成することなく、棚板導光板5を発光させることが可能となる。
【0061】
(実施例1)
次に、実施例1として、各光反射部6の角度θを一定とした場合における、角度θと、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合との関係について図8A及び図8Bを参照しながら説明する。なお、実施例1では、背面導光板3の厚さW1=10mm、棚板導光板5の厚さW2=10mm、空気の屈折率n1=1.0、背面導光板3の屈折率n2=1.5、棚板導光板5の屈折率n3=1.5として、背面導光板3内の光量及び棚板導光板5内の光量を測定している。図8A及び図8Bは、最大距離L1に対する距離Lの比率をL/L1としたとき、L/L1=0.1、0.3、0.5、0.7、及び0.9の地点に、同じ角度θの傾きを持つ反射面61を備えた光反射部6を設けた場合の測定値を示している。図8Aは、角度θ(0°≦θ≦50°)と背面導光板3内の光量と棚板導光板5内の光量との関係を表した表である。また、図8Bは、図8Aに示した表を基に、光反射部6の角度θと、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合との関係を示したグラフである。
【0062】
ここで、図9を参照する。図9は、本実施例において、L/L1=0.05、0.10、0.30、0.50、0.70、0.90、及び1.00のそれぞれに対する、θ3min(L/L1)、θ3max、θmin(L/L1)、θmax1(L/L1)、及びθmax2(L/L1)の計算値を示した表である。
【0063】
図9に示すように、L/L1=0.9のとき、角度θmin(L/L1)は約2.97°となる。また、L/L1=0.05のとき、角度θmax1(L/L1)(即ち、θmax(L/L1))は、約43.71°となる。このときの背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合は、図8Bに示すように、0.01以上となる。即ち、[数4]及び[数5]で示した式を用いて、以下の条件に基づき光反射部6の角度θを決定することで、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合として0.01以上の値を確保することが可能となる。
[数7]
但し、θmin(0.9)は、[数4]に示した角度θmin(L/L1)の式にL/L1=0.9を代入した式を示している。また、θmax1(0.05)は、[数5]で示した角度θmax1(L/L1)の式にL/L1=0.05を代入した式を示している。
【0064】
また、図9に示すように、L/L1=0.7のとき、角度θmin(L/L1)は約9.76°となる。また、L/L1=0.3のとき、角度θmax1(L/L1)(即ち、θmax(L/L1))は、約37.49°となる。このときの背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合は、図8Bに示すように、0.03以上となる。即ち、[数4]及び[数5]で示した式を用いて、以下の条件に基づき光反射部6の角度θを決定することで、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合として0.03以上の値を確保することが可能となる。
[数8]
但し、θmin(0.7)は、[数4]に示した角度θmin(L/L1)の式にL/L1=0.7を代入した式を示している。また、θmax1(0.3)は、[数5]で示した角度θmax1(L/L1)の式にL/L1=0.3を代入した式を示している。
【0065】
(実施例2)
次に、実施例2として、光反射部6の角度θの条件を変更した場合における、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合の測定値について、図10A、図10B、、図11及び、図12を参照しながら以下に説明する。なお、実施例2では、背面導光板3の厚さW1=10mm、棚板導光板5の厚さW2=10mm、空気の屈折率n1=1.0、背面導光板3の屈折率n2=1.5、棚板導光板5の屈折率n3=1.5として、背面導光板3内の光量及び棚板導光板5内の光量を測定している。ここで、図10A及び図10Bを参照する。
【0066】
図10Aは、L/L1=0.05、0.10、0.30、0.50、0.70、0.90、及び1.00の場合における、条件2−0〜2−5、及び比較例2−1、2−2の例を示した表である。また、図10Bは、L/L1=0.05、0.10、0.30、0.50、0.70、0.90、及び1.00の場合における、条件2−6〜2−10の例を、条件2−0、比較例2−1、及び比較例2−2とあわせて示した表である。図11は、図10A及び図10Bに示した各条件と、θmax1(L/L1)の条件とについて、L/L1と光反射部6の角度θとの関係を示したグラフである。なお、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合としては、0.02程度あれば、照明に必要な光量を得ることが可能である。そこで、条件2−0〜2−10には、この割合として0.02以上の値を確保可能な条件を示している。また、比較例2−1及び2−2は、条件2−0〜2−10との比較用の例として、この割合が0.02に満たない条件を示している。以下に、各条件について具体的に説明する。
【0067】
(条件2−0)
条件2−0は、各L/L1に対し0.5を加算した値「L/L1+0.5」を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して求めた角度を示している。即ち、L/L1=0.55、0.60、0.80、1.00、1.20、1.40、及び1.50を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して光反射部6の角度θを求めている。なお、この場合のθmin(L/L1)を、「θmin(L/L1+0.5)」と示す場合がある。
【0068】
(条件2−1)
条件2−1は、各L/L1に対し0.15を加算した値「L/L1+0.15」を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して求めた角度を示している。即ち、L/L1=0.20、0.25、0.45、0.65、0.85、1.05、及び1.15を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して光反射部6の角度θを求めている。なお、この場合のθmin(L/L1)を、「θmin(L/L1+0.15)」と示す場合がある。
【0069】
(条件2−2)
条件2−2は、各L/L1を、[数5]で示したθmax(L/L1)の式に代入して求めた角度から「2°」減算した値を示している。即ち、条件2−2は、光反射部6の角度θの最大値を超えない、その最大値の近傍の値を示している。
【0070】
(条件2−3)
条件2−3は、後述の条件2−4から3ずつ減算して求めた角度を示している。条件2−3は、条件式2−4からさらに下限側に3ずつ小さな値を示している。
【0071】
(条件2−4)
条件2−4は、各L/L1に対し0.2を加算した値「L/L1+0.2」を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して求めた角度を示している。即ち、L/L1=0.25、0.3、0.5、0.7、0.9、1.1、及び1.2を、[数4]で示したθmin(L/L1)に代入して光反射部6の角度θを求めている。なお、この場合のθmin(L/L1)を、「θmin(L/L1+0.2)」と示す場合がある。
条件2−4は、請求項10の上限と下限の間の領域のうち下限側から1/2から1/4付近にθを設定した場合の値を示している。
【0072】
(条件2−5)
条件2−5は、条件2−4の値のうち、負の値のものを0で置き換えて求めた角度を示している。条件2−5は、請求項10の上限と下限の間の領域のうち下限側から1/3付近に正のθを設定した場合の値を示している。
【0073】
(条件2−6)
条件2−6は、請求項10の上限と下限の間の領域のうち、L/L1=0.1では上限から1/6程度、L/L1=1.0付近では上限から1/2より3程度大きくなるようにして求めた角度を示している。条件2−6は、前記上限と下限が規定するθの式の傾きよりも傾きが大きい、つまりL/L1の増加に伴うθの減少量が大きい場合の値を示している。
【0074】
(条件2−7)
条件2−7は、請求項10の上限と下限の間の領域のうち、L/L1=0.1では上限から1/6程度、L/L1=1.0付近では上限から1/2程度3程度小さくなるようにして求めた角度を示している。条件2−7は、前記上限と下限が規定するθの式の傾きよりも傾きが大きい、つまりL/L1の増加に伴うθの減少量が大きい場合の値を示している。
【0075】
(条件2−8)
条件2−8は、L/L1=0.1における値が27となり、L/L1が0.2増加する毎に2ずつ減算するという条件で求めた角度を示している。条件2−8は、請求項10の上限および下限が規定するθの傾きよりも、傾きが小さい場合の値を示している。
【0076】
(条件2−9)
条件2−9は、L/L1=0.1における値が20となり、L/L1が0.2増加する毎に1ずつ減算するという条件で求めた角度を示している。条件2−9は、請求項10の上限および下限が規定するθの傾きよりも、傾きが小さい場合の値を示している。
【0077】
(条件2−10)
条件2−10は、L/L1=0.1における値が15となり、L/L1が0.2増加する毎に2ずつ減算するという条件で求めた角度を示している。条件2−10は、請求項10の上限および下限が規定するθの傾きよりも、傾きが小さい場合の値を示している。
【0078】
(比較例2−1)
また、比較用の例として、比較例2−1及び2−2を示している。比較例2−1は、各L/L1を、[数5]で示したθmax(L/L1)の式に代入して求めた角度に「2°」を加算した値を示している。即ち、比較例2−1は、光反射部6の角度θの最大値を超えた値を示している。
【0079】
(比較例2−2)
また、比較例2−2は、条件2−0として導出した角度から「2.5°」を減算した値を示している。
【0080】
ここで、図12を参照する。図12は、条件2−0〜2−10、比較例2−1、及び比較例2−2で示された条件において、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合の測定値である。この割合としては、0.02程度以上あれば、照明に必要な光量を得ることが可能であり、図12に示すように、条件2−0〜2−10はこの条件を満たしている。
【0081】
具体的には、条件2−0において、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合が、約「0.02」の値を示している。これに対し、比較例2−2は、この割合が約「0.017」となっており0.02に満たない。また、条件2−2で示す条件では、この割合として約0.026の値を示している。これに対し、比較例2−1は、この割合が「0.013」となっており0.02に満たない。
【0082】
以上のように、光反射部6の角度θの最大値は、[数5]で示したθmax(L/L1)の式から求める。また、光反射部6の角度θの最小値を、[数4]で示したθmin(L/L1)の式に、θmax(L/L1)に代入したL/L1に0.6を加算した値「L/L1+0.5」を代入する、即ち、θmin(L/L1+0.5)により求める。即ち、[数4]及び[数5]で示した式を用いて、以下の条件に基づき光反射部6の角度θを決定することで、背面導光板3内の光量に対する棚板導光板5内の光量の割合として0.02以上の値を確保することが可能となる。
[数9]
【0083】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る照明装置について、図13A及び図13Bを参照しながら説明する。図13Aは、第2の実施形態に係る照明装置の概略断面図である。また、図13Bは、図13Aにおける光反射部6の近傍を拡大した拡大断面図である。まず図13Aを参照する。図13Aに示すように本実施形態に係る照明装置は、補強部9を備えている。以降では、本実施形態に係る照明装置について、第1の実施形態と異なる補強部9の周辺の構造に着目し説明する。
【0084】
補強部9は、図13Aに示すように、棚板導光板5の下部に設けられ、棚板導光板5を下方向から支持する。
【0085】
ここで、図13Bを参照する。図13Bに示すように、補強部9は、支持面91と、接合面92と、斜面93とを含んで構成される。補強部9は、透光性を有する素材で形成されている。補強部9の素材としては、例えば、樹脂、ガラス等が採用される。
【0086】
接合面92は、表面34と対向するように設けられている。接合面92と、表面34との間は接合されており、これにより、補強部9が表面34上に固定される。接合面92と、表面34と間は、例えば、透光性を有する素材で形成された接着剤で接合する。接着剤には、例えば、アクリル系UV硬化樹脂等が採用される。また、背面導光板3と補強部9とを一体成形してもよい。
【0087】
支持面91は、下面52と対向するように設けられている。支持面91と下面52との間は光学的に結合されている。支持面91と下面52との間は、透光性を有する接着剤により接合してもよいし、棚板導光板5と補強部9とを一体成形することで、補強部9との間を光学的に結合してもよい。
【0088】
また、支持面91と下面52との間は、下面52から出射する光が、支持面91から補強部9内に入射可能であれば、必ずしも接合されている必要は無い。この場合には、支持面91と下面52との間の空気の層を、透光性を有し、かつ形状を自由に変更可能な素材で埋める。このような素材には、例えば、シリコーンやアクリル等のエラストマー等を用いればよい。このとき、背部端面53と結合領域36との間も、同様に接合せずに、背部端面53と結合領域36との間を前述した素材で埋めるとよい。このような構成とすることで、棚板導光板5を着脱可能に構成することが可能となる。
【0089】
また、斜面93は、背部端面53から前部端面54の方向に、接合面92から離れるにつれ厚みが減少するように設けられている。このとき、斜面93は、下面52からz方向に所定の角度θ9の傾きを形成するように設けられている。斜面93上には、光反射部6が設けられている。
【0090】
以上のように、本実施形態に係る照明装置は、補強部9を設けることで、棚板導光板5を下方から支持する構成としている。この補強部9は、透光性を有する素材で形成されており、斜面93には光反射部6が設けられている。そのため、補強部9を設けつつ、第1の実施形態と同様に、背面導光板3から入射した光を棚板導光板5内に導き、導光させることが可能となる。即ち、本実施形態に依れば、補強部9により、棚板導光板5を下方から支持する構成をとり、かつ第1の実施形態と同様の作用効果を得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0091】
1 外枠部
11 天板
12 底板
13 側板
111 凹部
2 周溝
3 背面導光板
31 上部端面
32 下部端面
33 側部端面
34 表面
35 裏面
36 結合領域
37 発光領域
41 光源
42 照明ユニット
43 電源ユニット
5 棚板導光板
51 上面
52 下面
53 背部端面
54 前部端面
55 発光領域
6、6’、6A、6B 光反射部
61 反射面
62 端面
63 接合面
7 光出射面
7’ 光偏向構造
8 光出射面
9 補強部
91 支持面
92 接合面
93 斜面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
相対する一対の第1の板面を有し、前記光源からの光を前記一対の板面の間で内面反射を繰り返して導光させる第1の導光板と、
相対する一対の第2の板面と、その周辺に形成された端面とを有し、前記端面の一部が、一方の前記第1の板面に光学的に結合された結合面を形成し、前記光が前記第1の板面内を導光する方向に前記一対の第2の板面が交わるように前記結合面を介して前記一方の第1の板面に固定され、前記結合面から入射した前記光を反対側の端面の方向に内面反射を繰り返して導光させる第2の導光板と、
前記第2の板面における前記結合面の近傍に設けられ、当該第2の板面に対してあらかじめ決められた角度θを成して形成され、前記結合面から前記第2の導光板内に入射し、当該第2の板面から当該第2の導光板の外部に向かう方向に進む光を、当該第2の板面の反対側の第2の板面に向けて反射させる反射面と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記反射面は、前記一対の第2の板面のうち、前記光源から遠い側の第2の板面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記一対の第2の板面の一方または双方に設けられ、前記第2の導光板内を前記内面反射する光の一部を偏向させて前記第2の導光板の外部に出射させる第1の光出射面を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の光出射面は、前記結合面とは反対側の端面の近傍に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の光出射面は、前記一対の第2の板面のうち、下方側の第2の板面に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記一対の第2の板面間の距離をW2、前記第2の板面が接している媒体の屈折率をn1、前記第2の導光板の屈折率をn3としたとき、前記結合面から前記反対側の端面に向かう方向において前記結合面から前記反射面が設けられた位置までの距離Lは以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の照明装置。
0≦L≦L1
[数1]
[数2]
【請求項7】
前記角度θの範囲は、[数1]で示した距離L1に対する距離Lの割合をL/L1としたとき、前記反射面が設けられた位置までの前記距離Lに応じて、以下に[数3]として示す式により定義されることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
[数3]
但し、θmin(L/L1)及びθmax(L/L1)は、以下の式により定義される。
[数4]
[数5]
[数6]
【請求項8】
前記反射面を複数備え、[数4]で示したθmin(L/L1)にL/L1=0.9を代入した式をθmin(0.9)とし、[数5]で示したθmax(L/L1)の式にL/L1=0.05を代入した式をθmax(0.05)としたとき、前記反射面それぞれにおいて前記角度θが、以下に示す条件を満たすことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
[数7]
【請求項9】
前記反射面を複数備え、[数4]で示したθmin(L/L1)にL/L1=0.7を代入した式をθmin(0.7)とし、[数5]で示したθmax(L/L1)の式にL/L1=0.3を代入した式をθmax(0.3)としたとき、前記反射面それぞれにおいて前記角度θが、以下に示す条件を満たすことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
[数8]
【請求項10】
θmax(L/L1)に代入したL/L1に0.5を加算した値をL/L1+0.5とし、[数4]で示したθmin(L/L1)の式にL/L1=L/L1+0.5を代入した式をθmin(L/L1+0.5)としたとき、前記反射面が、前記結合面から前記反対側の端面に向けて所定の幅を持ち、当該幅の中心において、前記角度θは、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
[数9]
【請求項11】
前記結合面が接続された前記第1の板面に接合された接合面と、前記一対の第2の板面のうち下方側の第2の板面に対向し、前記第2の導光板を下方から支持する支持面と、当該第1の板面から離れるにつれて厚みが減少するように設けられた斜面とを有し、透光性を有する補強部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の照明装置。
【請求項12】
前記反射面は前記斜面に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
前記結合面が接続された前記第1の板面に設けられ、前記第1の導光板内を前記内面反射する光の一部を偏向させて前記第1の導光板の外部に出射させる第2の光出射面を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の照明装置。
【請求項1】
光源と、
相対する一対の第1の板面を有し、前記光源からの光を前記一対の板面の間で内面反射を繰り返して導光させる第1の導光板と、
相対する一対の第2の板面と、その周辺に形成された端面とを有し、前記端面の一部が、一方の前記第1の板面に光学的に結合された結合面を形成し、前記光が前記第1の板面内を導光する方向に前記一対の第2の板面が交わるように前記結合面を介して前記一方の第1の板面に固定され、前記結合面から入射した前記光を反対側の端面の方向に内面反射を繰り返して導光させる第2の導光板と、
前記第2の板面における前記結合面の近傍に設けられ、当該第2の板面に対してあらかじめ決められた角度θを成して形成され、前記結合面から前記第2の導光板内に入射し、当該第2の板面から当該第2の導光板の外部に向かう方向に進む光を、当該第2の板面の反対側の第2の板面に向けて反射させる反射面と、
を備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記反射面は、前記一対の第2の板面のうち、前記光源から遠い側の第2の板面に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記一対の第2の板面の一方または双方に設けられ、前記第2の導光板内を前記内面反射する光の一部を偏向させて前記第2の導光板の外部に出射させる第1の光出射面を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の光出射面は、前記結合面とは反対側の端面の近傍に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1の光出射面は、前記一対の第2の板面のうち、下方側の第2の板面に設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記一対の第2の板面間の距離をW2、前記第2の板面が接している媒体の屈折率をn1、前記第2の導光板の屈折率をn3としたとき、前記結合面から前記反対側の端面に向かう方向において前記結合面から前記反射面が設けられた位置までの距離Lは以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の照明装置。
0≦L≦L1
[数1]
[数2]
【請求項7】
前記角度θの範囲は、[数1]で示した距離L1に対する距離Lの割合をL/L1としたとき、前記反射面が設けられた位置までの前記距離Lに応じて、以下に[数3]として示す式により定義されることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
[数3]
但し、θmin(L/L1)及びθmax(L/L1)は、以下の式により定義される。
[数4]
[数5]
[数6]
【請求項8】
前記反射面を複数備え、[数4]で示したθmin(L/L1)にL/L1=0.9を代入した式をθmin(0.9)とし、[数5]で示したθmax(L/L1)の式にL/L1=0.05を代入した式をθmax(0.05)としたとき、前記反射面それぞれにおいて前記角度θが、以下に示す条件を満たすことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
[数7]
【請求項9】
前記反射面を複数備え、[数4]で示したθmin(L/L1)にL/L1=0.7を代入した式をθmin(0.7)とし、[数5]で示したθmax(L/L1)の式にL/L1=0.3を代入した式をθmax(0.3)としたとき、前記反射面それぞれにおいて前記角度θが、以下に示す条件を満たすことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
[数8]
【請求項10】
θmax(L/L1)に代入したL/L1に0.5を加算した値をL/L1+0.5とし、[数4]で示したθmin(L/L1)の式にL/L1=L/L1+0.5を代入した式をθmin(L/L1+0.5)としたとき、前記反射面が、前記結合面から前記反対側の端面に向けて所定の幅を持ち、当該幅の中心において、前記角度θは、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
[数9]
【請求項11】
前記結合面が接続された前記第1の板面に接合された接合面と、前記一対の第2の板面のうち下方側の第2の板面に対向し、前記第2の導光板を下方から支持する支持面と、当該第1の板面から離れるにつれて厚みが減少するように設けられた斜面とを有し、透光性を有する補強部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の照明装置。
【請求項12】
前記反射面は前記斜面に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
前記結合面が接続された前記第1の板面に設けられ、前記第1の導光板内を前記内面反射する光の一部を偏向させて前記第1の導光板の外部に出射させる第2の光出射面を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の照明装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【公開番号】特開2012−252949(P2012−252949A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126380(P2011−126380)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】
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