説明

照明装置

【課題】薄型化しつつ、照明カバーから均一な光を照射することのできる直照式の照明装置を提供する。
【解決手段】本発明の照明装置は、照射方向が取付面に対して略垂直方向となるように複数の光源22が搭載された光源モジュール20の光出射方向側に、照明カバーと離間して設けられ、LED22からの出射光を拡散させる拡散部材30を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直照式の照明装置において、照明装置を薄型化しつつ、照明カバーから均一な光を照射することのできる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、長寿命、低消費電力といった利点を有するため、照明装置の光源として採用されつつある。LEDを光源とする各種照明装置は、地球に優しい次世代の省エネルギー照明として注目されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、光源としてLEDを備えた照明装置(シーリングライト)が開示されている。特許文献1の照明装置は、複数のLEDが天井等の取付面に対して平行に設置された、いわゆる直照式の照明装置である。直照式の照明装置は、LEDの照射方向が取付面に対して垂直方向になるように設置されている。このため、LEDの照射方向が取付面に対して平行方向になるように設置され、天井側の反射面にて室内(床)側へ反射させる照明装置に比べて、直照式の照明装置は光量のロスが少ない。従って、直照式の照明装置は、室内を明るく照射することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−140797号公報(2010年6月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の照明装置は、照明装置の薄型化と、透光カバーからの均一な光の照射とを同時に満たすことが困難であるという問題がある。
【0006】
特許文献1の照明装置は、通常LEDを覆う乳白色の透光カバーを備えている。そして、透光カバーの内部に収容されたLEDからの出射光が、透光カバーで拡散され、室内を照射する。
【0007】
しかし、LEDと透光カバーとの距離が接近しすぎていると、LEDからの出射光が透光カバーで十分に拡散されず、透光カバーから均一な照射が困難になる。従って、透光カバーから均一な光を照射するためには、LEDは、透光カバーから、ある程度距離を置く必要がある。
【0008】
具体的には、透光カバーから均一な光を照射する(透光カバーを均一に発光させる)ためには、LEDのピッチ(隣接するLEDの間隔)と、LEDから透光カバーまでの距離とを一致させなければならない。つまり、照明装置の薄型化を実現するためには、LEDのピッチを狭くする必要がある。このため、照明装置を薄型化すればするほど、LEDの設置数も多くなる。その結果、LEDの点灯時の発熱量が設置数に比例して増加する。このため、LEDに発生した熱の放熱対策が不可欠となり、コスト高を招来する。このように、LEDのピッチを狭くすることにより、薄型化を図れば、LEDの数量増加による発熱やコスト高等の別の問題が生じてしまう。
【0009】
一方、LEDの設置数を減らした上で、透光カバーから均一な光を照射するためには、LEDのピッチを広くし、そのピッチと同一となるように、LEDから透光カバーまでの距離を開ける必要がある。その結果、照明装置を均一に発光させることができるものの、照明装置の薄型化は実現することができない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、直照式の照明装置において、照明装置を薄型化しつつ、照明カバーから均一な光を照射することのできる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の照明装置は、上記の課題を解決するために、取付面に設置される照明装置において、
照射方向が上記取付面に対して略垂直方向となるように複数の光源が搭載された光源モジュールと、
光源モジュールからの光を透過する照明カバーと、
光源モジュールの光出射方向側に、照明カバーと離間して設けられ、光源モジュールからの出射光を拡散させる拡散部材とを備えることを特徴としている。
【0012】
本発明に係る照明装置は、光源モジュールに搭載された光源の照射方向が、照明装置の取付面(設置面)に対して垂直方向である、いわゆる直照式の照明装置である。
【0013】
上記の構成によれば、拡散部材が、光源モジュールの光出射方向側(つまり光路上)に設けられている。また、拡散部材は、光源モジュールからの光を透過する照明カバーと離間して設けられている。これにより、光源モジュールからの出射光は、拡散部材で拡散され、拡散された光が、照明カバーに到達する。従って、照明カバーから、均一な光を照射することができる。
【0014】
つまり、上記の構成によれば、光源モジュールにおける光源のピッチを広く設定しても、光源モジュールから照明カバーの距離を、そのピッチに一致させることなく、照明カバーから均一な光を照射することができる。従って、光源のピッチよりも、光源モジュール(光源)から照明カバーまでの距離を短く設定することができる。
【0015】
このように、上記の構成によれば、光源モジュールからの出射光が、照明カバーに到達する前に、拡散部材で拡散される。従って、直照式の照明装置において、照明装置を薄型化しつつ、照明カバーから均一な光を照射することができる。
【0016】
なお、本明細書において、「略垂直方向」とは、取付面に対し厳密に垂直な方向に加え、実質的に垂直と見なすことができる方向も包含する意味である。
【0017】
本発明の照明装置において、上記取付面に設置されたシャーシを備え、
上記光源モジュールは、上記シャーシに設置されており、
上記拡散部材は、上記シャーシの外縁部に設けられた光源の光出射方向側に設けられていてもよい。
【0018】
本発明に係る照明装置において、照明装置の取付面に設置されたシャーシに搭載された光源モジュールのうち、シャーシの外縁部(端部)に搭載された光源からの出射光は、照明カバーの外縁部(端部)に到達しにくい。つまり、照明カバーの外縁部は、暗くなりやすい。
【0019】
そこで、上記の構成によれば、拡散部材が、シャーシの外縁部に設けられた光源の光出射方向側に設けられている。これにより、シャーシの外縁部に設けられた光源からの出射光が、拡散部材によって拡散される。その結果、拡散部材で拡散された光が、暗くなりやすい照明カバーの外縁部に到達する。従って、照明カバーから均一な光をより確実に照射することができる。
【0020】
本発明の照明装置において、上記拡散部材は、上記光源モジュールと離間して設けられていることが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、拡散部材が、照明カバーだけでなく、光源モジュールとも離間して設けられている。これにより、光源モジュールからの出射光が、拡散部材で十分に拡散され、照明カバーに照射される。従って、照明カバーからより均一な光を照射することができる。
【0022】
本発明の照明装置において、上記光源モジュールは、光源の光出射方向側に拡散部材が実装されない非実装領域を有していてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、光源モジュールの光出射方向側に、拡散部材が実装されない非実装領域が形成されるように、拡散部材が設けられている。つまり、光源の光出射方向側には、拡散部材が設けられていない非実装領域と、拡散部材が設けられた実装領域とが形成される。これにより、非実装領域では、光源からの出射光が、拡散部材で拡散されることなく、直接照明カバーに到達する。従って、拡散部材に入射することによる光源の出射光の損失、および、照明カバーに到達する光の光量の減少を低減することができる。一方、実装領域では、光源からの出射光が、拡散部材によって拡散される。従って、拡散部材による光源モジュールの出射光の拡散効果が得られる。それゆえ、出射光の損失および光量の減少を低減しつつ、照明カバーから均一な光を照射することができる。
【0024】
なお、非実装領域の面積が大きければ、光源モジュールからの出射光の損失および光量の減少を低減することができる。一方、実装領域の面積が小さければ、拡散部材による光源モジュールの出射光の拡散効果を高めることができる。
【0025】
本発明の照明装置において、上記拡散部材で反射された光を反射させ、上記拡散部材に入射させる反射部材を備えていてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、光源モジュールからの出射光が拡散部材で反射されても、反射部材が、拡散部材で反射された光を、拡散部材に入射させる。従って、光源モジュールの出射光の損失を低減しつつ、照明カバーに到達する光の光量が減少するのを抑制することができる。
【0027】
本発明の照明装置において、上記光源モジュールと拡散部材との間に設けられたスペーサと、上記拡散部材を上記スペーサを介して光源モジュールに固定する第1の固定部材とを備えていてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、光源モジュールと拡散部材との間にスペーサが設けられているため、拡散部材の撓みを防止し、光源モジュールと拡散部材との距離を一定に保つことができる。また、スペーサによって拡散部材を支持しつつ、第1の固定部材によって拡散部材を光源モジュールに固定することもできる。
【0029】
本発明の照明装置において、上記光源モジュールをシャーシに固定する第2の固定部材と、上記拡散部材を、第2の固定部材に固定する第3の固定部材とを備えていてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、光線モジュールを固定する第2の固定部材に、拡散部材を固定する第3の固定部材が固定される。このため、拡散部材の固定時には、第2の固定部材に対し、拡散部材の固定部位を位置合わせするだけでよい。従って、拡散部材を容易に固定することができる。
【0031】
本発明の照明装置において、上記拡散部材を光源モジュールに固定する第4の固定部材を備え、上記拡散部材は、第4の固定部材による固定部位に、光源モジュール側に窪んだ鍔部を有するようになっていてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、第4の固定部材が、拡散部材に形成された鍔部の位置で、拡散部材を光源モジュールに固定する。鍔部は、拡散部材における光源モジュール側に窪んだ部分であるため、拡散部材には段差が形成される。従って、光源モジュールと拡散部材との間にスペーサを設けることなく、拡散部材を光源モジュールに固定することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、直照式の照明装置において、照明装置を薄型化しつつ、照明カバーから均一な光を照射することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の一形態に係る照明装置に設けられた光源モジュールおよび拡散シートを示す断面図およびその部分拡大図であり、照明装置の取付面に対して垂直方向の断面を示す図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る照明装置示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は光出射面側からみた平面図である。
【図3】上記照明装置における光源モジュールの配置状態を示す平面図である。
【図4】上記照明装置における光源モジュールおよび拡散部材の平面図である。
【図5】上記照明装置における拡散部材の固定方法を示す断面図である。
【図6】上記照明装置における拡散部材の別の固定方法を示す断面図である。
【図7】上記照明装置における拡散部材のさらに別の固定方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。図2は、本発明の実施の一形態に係る照明装置1示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は光出射面側からみた平面図である。本実施形態の照明装置1は、天井の取付面Xに取り付けられるシーリングライトである。以下の説明では、便宜上、室内(床)側を「下方(下側)」、天井(取付面)側を「上方(上側)」として説明する。
【0036】
図2のように、照明装置1は、天井等の取付面Xに対して平行に設置されたシャーシ11と、シャーシ11の外縁部に取り付けられた照明カバー12と、照明カバー12の中央部に形成された開口14を閉ざすセンタカバー13と、シャーシ11の中央部から室内(床)側に突出した突出部材15と、シャーシ11に搭載された光源モジュール20とを備えている。なお、図2は簡素化して記載されており、後述する拡散シートが省略されている。
【0037】
照明装置1では、シャーシ11および照明カバー12の外形(平面視した形状)は、四角形の各々の辺および各々の角が丸みを帯びた形状となっている。シャーシ11および照明カバー12の外形は特に限定されるものではなく、円形や多角形等、見た目や好みに応じて、種々の形状・大きさが許容される。シャーシ11および照明カバー12の中央部には、開口14が形成されている。この開口14内には、天井に取り付けられたローゼット90が挿入される。これにより、照明装置1が、取付面Xに着脱可能に装着される。
【0038】
シャーシ11は、例えば、アルミニウム、鉄、樹脂などの放熱性の高い材料から構成することができる。光源モジュール20は、取付面Xに対して平行になるように、シャーシ11に搭載されている。これにより、光源モジュール20の点灯時に発生した熱を、シャーシ11によって効率的に放熱することができる。さらに、シャーシ11をアルミニウムや鉄などの光を反射する材料から構成すれば、シャーシ11が、光源モジュール20からの出射光を反射させる反射部としても機能する。
【0039】
照明カバー12は、シャーシ11を覆うように設けられている。このため、照明カバー12の内部に、シャーシ11に搭載された突出部材15および光源モジュール20が収容され、これらを保護する。照明カバー12は、光源モジュール20からの出射光を透光および拡散させる。照明カバー12は、照明装置1に設けられたグローブまたはシェードとも言い換えられる。照明カバー12は、例えば、ガラスあるいは合成樹脂から形成することができる。光源モジュール20に搭載されたLED22は点灯時の発熱量が比較的多いため、照明カバー12は、耐熱性材料から形成することが好ましい。例えば、乳白色のポリカーボネート樹脂またはアクリルは、耐衝撃性、耐熱性、光拡散性に優れているため、照明カバー12の構成材料として好適である。
【0040】
突出部材15は、シャーシ11の中央部に固定されている。突出部材15は中空になっており、内部に光源モジュール20の電源回路部等の電子部品(図示せず)が収容される。照明装置1では、突出部材15は、シャーシ11の下面(床と対向する面)の中央部から突出している。突出部材15は、内部に電子部品等を格納できる機能を有する限り、種々の形状・大きさが許容される。なお、突出部材15は、放熱性の高い材料から形成されていることが好ましい。例えば、突出部材15は、アルミニウム、鉄、樹脂等から構成することができる。これにより、突出部材15の内部に設置される電子部品(特に電源回路)から発生する熱を、効率よく放熱することが可能となる。また、突出部材15の表面は、白色の塗装がされていてもよいし、凹凸面(ブラスト処理された粗面)となっていてもよい。これにより、突出部材15の表面に到達した光を反射させることができる。
【0041】
光源モジュール20は、取付面に対して平行に、シャーシ11に設置されている。図3は、照明装置1における光源モジュール20の配置状態を示す平面図であり、光源モジュール20の出射面側を示している。図3では、図2における照明カバー12およびセンタカバー13を取り外した状態を示している。また、図3では、後述する拡散部材も省略している。
【0042】
図3のように、光源モジュール20は、LED基板21と、LED基板21に搭載された複数のLED22a・22bから構成されている。LED22a・22bは、LED基板21の搭載面に対して略垂直方向に光を出射する。図3では、白色のLED22aと、電球色のLED22bとが、LED基板21上に搭載されている。これにより、照明装置1は、白色、電球色、およびそれらの混色の照明が可能となる。照明装置1では、4枚の光源モジュール20が、ネジ23等の固定部材により、シャーシ11の下面に四角形状に搭載されている。
【0043】
なお、図3では、白色のLED22aおよび電球色のLED22bが、それぞれ同数、等ピッチで設けられている。しかし、LED基板21に搭載されるLEDはこれに限定されるものではない。すなわち、LED基板21には、単一色のLEDが搭載されていてもよいし、異なる色のLEDが異なるピッチで搭載されていてもよい。また、LEDの個数も任意に設定することができる。なお、以下では、LEDの色を区別しない場合には、単にLED22として説明する。
【0044】
ここで、図1に基づいて、照明装置1の特徴的構成について説明する。図1は、照明装置1に設けられた光源モジュール20および拡散部材30を示す断面図およびその部分拡大図であり、照明装置1の取付面Xに対して垂直方向の断面を示す図である。
【0045】
本実施形態に係る照明装置1は、光源モジュール20が照明装置1の取付面(設置面)Xに対して平行に設けられた、いわゆる直照式の照明装置である。つまりLED22は、照射方向、つまりLED22の光軸が照明装置1の取付面Xに対して略垂直方向となるように光源モジュール20に搭載されている。このため、照明装置1の薄型化と、照明カバー12からの均一な照射とを同時に満たすことが困難であることは、上述の〔発明が解決しようとする課題〕で説明した通りである。
【0046】
そこで、照明装置1は、光源モジュール20の光出射方向側に、照明カバー12(図1には示さず)と離間して設けられ、光源モジュール20からの出射光を拡散させる拡散部材30を備えることを最大の特徴としている。
【0047】
すなわち、照明装置1では、拡散部材30が、光源モジュール20の光路上に設けられている。また、拡散部材30は、光源モジュール20を内部に収容する照明カバー12と離間して設けられている。これにより、光源モジュール20(LED22)からの出射光は、拡散部材30で拡散され、拡散された光が、照明カバー12に到達する。従って、照明カバー12から、均一な光を照射することができる。
【0048】
つまり、照明装置1では、光源モジュール20におけるLED22(LED22a,22b)のピッチを広く設定しても、光源モジュール20から照明カバー12の距離を、そのピッチに一致させることなく、照明カバー12から均一な光を照射することができる。従って、LED22のピッチよりも、光源モジュール20から照明カバー12までの距離を短く設定することができる。
【0049】
このように、照明装置1では、光源モジュール20からの出射光が、照明カバー12に到達する前に、拡散部材30で拡散される。つまり、拡散部材30を透過した光源モジュール20の出射光の照射角度を拡げることができる。従って、直照式の照明装置1において、照明装置1を薄型化しつつ、照明カバー12から均一な光を照射することができる。また、LED22の種類によっては、LED22の出射角度の範囲内で色が異なる場合がある。例えば、出射角度がLED22の光軸近傍においては白色が強く、光軸に対して出射角度が大きくなるに従って黄色かかる場合がある。このような場合であっても、LED22の出射光は、拡散部材30で混ざり合うため、照明カバー12の発光面の色斑を防止することができる。
【0050】
拡散部材30は、光源モジュール20(LED22)からの出射光を光出射方向(照明カバー12側)に拡散する機能を有していれば、特に限定されるものではない。拡散部材30は、例えば、拡散材が分散されたポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から構成することができる。
【0051】
なお、図1には、拡散部材30の一例として、拡散シートが記載されている。しかし、拡散部材30の形状は、シート状に限定されるものではなく、板状の部材(拡散板)であってもよい。
【0052】
照明装置1において、拡散部材30は、光源モジュール20からの出射光を拡散するように、照明カバー12と離間して設けられていれば、配置位置は特に限定されるものではない。
【0053】
しかし、照明装置1において、照明装置1の取付面Xに設置されたシャーシ11に搭載された光源モジュール20のうち、シャーシ11の外縁部(端部)に搭載されたLED22からの出射光は、照明カバー12の外縁部(端部)に到達しにくい。図2の(a)に示すように、照明カバー12の外縁部は、暗くなりやすく、暗部D1が形成されやすい。
【0054】
そこで、拡散部材30は、シャーシ11の外縁部に設けられたLED22の光出射方向側に設けられていることが好ましい。言い換えれば、拡散部材30は、照明カバー12に形成される暗部D1に向かって、LED22からの出射光が拡散されるように設けることが好ましい。このように、拡散部材30が少なくともシャーシ11の外縁部に設けられたLED22の光出射方向側に設けられることにより、シャーシ11の外縁部に設けられたLED22からの出射光が、拡散部材30によって拡散される。その結果、拡散部材30で拡散された光が、暗くなりやすい照明カバー12の外縁部(暗部D1)に到達する。従って、照明カバー12から均一な光をより確実に照射することができる。
【0055】
なお、拡散部材30は、光源モジュール20の全面に設ける必要はなく、部分的に設けてもよい。つまり、光源モジュール20は、搭載されたLED22の光出射方向側に拡散部材30が実装されない非実装領域が設けられていてもよい。非実装領域を設けることで、必要以上にLED22からの光が拡散されて光が吸収されることを防止して、照明カバー12から出射される光量の低減を防止することができる。
【0056】
照明装置1では、光源モジュール20または拡散部材30と、照明カバー12との距離が接近しすぎていると、照明カバー12越しに、光源モジュール20または拡散部材30が写ってしまう。つまり、光源モジュール20に搭載されたLED22からの光が照明カバー12に点状に現れ、均一な発光面が得られない。また、光源モジュール20と拡散部材30との距離が接近しすぎていると、拡散部材30による光源モジュール20からの出射光の拡散効果が低下する。このため、拡散部材30は、光源モジュール20と離間して設けられていることが好ましい。つまり、拡散部材30は、照明カバー12だけでなく、光源モジュール20とも離間して設けられていることが好ましい。これにより、光源モジュール20からの出射光が、拡散部材30で十分に拡散され、照明カバー12に照射される。従って、照明カバー12からより均一な光を照射することができる。また、照明カバー12越しに、光源モジュール20が写るのを防ぐことができ、均一な発光面を得ることができる。従って、ユーザが照明カバー12を見たときに違和感がなくなる。
【0057】
また、図1の例では、光源モジュール20のLED基板21におけるLED22の実装面に、反射部材40が設けられている。反射部材40は、拡散部材30で、LED22側に反射された光を再度反射させ、拡散部材30に入射させるものである。このような反射部材40を備えていれば、光源モジュール20からの出射光が拡散部材30で反射されても、反射部材40が、拡散部材30で反射された光を、拡散部材30に入射させる。従って、拡散部材30に入射することによる光源モジュール20の出射光の損失、および、照明カバー12に到達する光の光量の減少を低減することができる。
【0058】
なお、反射部材40は、拡散部材30で、LED22側に反射された光を再度反射させ、拡散部材30に入射させることができれば、任意の位置に設定することができる。つまり、反射部材40は、LED基板21のLED22実装面に設置することに限定されるものではない。
【0059】
また、反射部材40は、LED基板21におけるLED22の実装面に形成された反射シートであってもよいし、LED基板21におけるLED22の実装面に光反射性塗料が塗布された反射層であってもよい。つまり、反射部材40は、光源モジュール20とは別体として設けられた反射シートであってもよいし、光源モジュール20の一部として(一体的に)設けられた反射層であってもよい。
【0060】
一方、図4は、照明装置1における光源モジュール20および拡散部材30の平面図である。上述のように、拡散部材30は、光源モジュール20の全面に設ける必要はなく、光源モジュール20の一部に部分的に設けてもよい。つまり、光源モジュール20の出射方向側には、拡散部材30が実装されない非実装領域と、拡散部材30が実装される実装領域とが形成されていてもよい。例えば、図4に示すように、拡散部材30の外形は、光源モジュール20の外形と略同一である。ただし、拡散部材30には、開口31が形成されており、光源モジュール20の光出射方向側に拡散部材30を配置したとき、開口31内にLED22が配置されないようになっている。これにより、光源モジュール20の光出射方向には、開口31が形成された領域に非実装領域が、それ以外の領域(開口31が形成されていない領域)に実装領域が、それぞれ形成される。その結果、非実装領域(開口31部分)では、LED22からの出射光が、拡散部材30で拡散されることなく(拡散部材30に入射することなく)、開口31を通過して、直接照明カバー12に到達する。従って、拡散部材30に入射することによるLED22の出射光の損失、および、照明カバー12に到達する光の光量の減少を低減することができる。一方、実装領域では、LED22からの出射光が、拡散部材30によって拡散される。従って、拡散部材30による光源モジュール20の出射光の拡散効果が得られる。それゆえ、非実装領域と実装領域とを形成することにより、LED22の出射光の損失および光量の減少を低減しつつ、照明カバー12から均一な光を照射することができる。
【0061】
なお、非実装領域(開口31)の面積が大きければ、光源モジュール20からの出射光の損失および光量の減少を低減することができる。一方、実装領域の面積が小さければ、拡散部材による光源モジュールの出射光の拡散効果を高めることができる。従って、拡散部材30に形成する開口31の面積は、拡散部材30による光源モジュール20からの出射光の拡散効果に応じて決定すればよい。
【0062】
なお、図4では、開口31によって非実装領域が形成されるようになっている。しかし、拡散部材30に開口31を形成することなく、非実装領域と実装領域とを形成することもできる。例えば、拡散部材30に開口31を形成せず、拡散部材30の外形を、光源モジュール20の外形よりも小さくする。この場合も、光源モジュール20が露出した領域が非実装領域となり、拡散部材30が配置された領域が実装領域となる。つまり、光源モジュール20が部分的に露出されるように、拡散部材30を設置することにより、非実装領域と実装領域とを形成することが可能となる。
【0063】
また、拡散部材30がシャーシ11の外縁部に設けられたLED22の光出射方向側にのみ部分的に設けられ、シャーシ11の中央側に位置する光源モジュール20のLED22は上記非実装領域とすることで、最小限の量の拡散部材30を使用して特に暗くなりやすい照明カバー12の外縁部から光を出射させることができ、かつシャーシ11の中央側に位置するLED22からの光の損失を低減することができる。すなわち、照明装置1の光量の損失を低減するとともに均一な発光面を得ることができる。
【0064】
一方、光源モジュールにおける実装領域では、LED22からの出射光が全て拡散部材30に入射するのではなく、一部の出射光は、拡散部材30で光源モジュール20側へ反射される。照明装置1が反射部材40を備える場合、拡散部材30で反射された光は、反射部材40で再反射される。その結果、反射部材40で再反射された光が上記非実装領域に向かうと、開口31を通過して、直接照明カバー12に到達する。一方、光源モジュール20で再反射された光が上記実装領域に向かうと、拡散部材30で拡散された光が、照明カバー12に到達する。また、拡散部材30に入射せず、拡散部材30で光源モジュール20側へ反射された光は、同様の経路を繰り返して進む。従って、拡散部材30に入射することによる光源モジュール20の出射光の損失、および、照明カバー12に到達する光の光量の減少を低減することができる。
【0065】
ところで、拡散部材30は、光源モジュール20に固定されている。拡散部材30の固定方法は、拡散部材30による光源モジュール20の出射光の拡散効果が損なわない限り、任意の方法で固定することができる。拡散部材30が、薄膜状の拡散シートからなる場合、拡散シートが必要以上に撓まないように固定することが好ましい。以下、図5〜図7に基づいて、拡散部材30の固定方法について説明する。図5〜図7は、照明装置1における拡散部材30の固定方法を示す断面図である。
【0066】
図5の構成では、LED22(光源モジュール20)と拡散部材30との間に一定の距離を設けるためのスペーサ50が設けられている。また、拡散部材30は、スペーサ50を介してネジ(第1の固定部材)61によって固定されている。具体的には、シャーシ11、LED基板21、反射部材40には、固定用の開口23が形成されている。ネジ61は、拡散部材30からこの開口23を貫通している。これにより、1つのネジ61により、LED基板21、拡散部材30、反射部材40がシャーシ11に固定される。従って、それぞれ別々に固定する作業を必要とすることなく作業を簡易化できるとともに、部品点数を削減することができる。このように、図5の構成では、LED22(光源モジュール20)と拡散部材30との間にスペーサ50が設けられているため、拡散部材30の撓みを防止し、LED22と拡散部材30との距離を一定に保つことができる。また、スペーサ50によって拡散部材30を支持しつつ、ネジ61によって拡散部材30をLED基板21(光源モジュール20)およびシャーシ11に固定することもできる。
【0067】
図6の構成では、LED基板21および反射部材40をシャーシ11に固定するベースネジ(第2の固定部材)62と、拡散部材30を固定する拡散部材止めネジ(第3の固定部材)63とが設けられている。具体的には、ベースネジ62の軸部62aは、開口23を貫通している。これにより、LED基板21、拡散部材30、反射部材40が、シャーシ11に固定される。また、ベースネジ62の頭部62bは、LED22(光源モジュール20)と拡散部材30との間に設けられている。このため、頭部62bが、スペーサとしても機能する。このため、拡散部材30の撓みを防止し、LED22と拡散部材30との距離を一定に保つことができる。できる。さらに、頭部62bには凹部が形成されており、この凹部に、拡散部材止めネジ63の軸部63aが挿入される。一方、拡散部材止めネジ63の頭部63bは、拡散部材30の下面(室内側の面)に当接している。これにより、拡散部材30がベースネジ62に固定される。このように、図6の構成では、LED基板21(光源モジュール20)をシャーシ11に固定するベースネジ62に、拡散部材30を固定する拡散部材止めネジ63が固定される。このため、拡散部材30の固定時には、ベースネジ62(頭部62b)に対し、拡散部材30の固定部位を位置合わせするだけでよい。従って、拡散部材30を容易に固定することができる。
【0068】
図7の構成では、拡散部材30をLED基板21に固定するネジ(第4の固定部材)が設けられている。さらに、図7の構成では、拡散部材30の形状が、図5および図6の構成とは異なっている。すなわち、図5および図6では平坦な拡散部材30であるのに対し、図7では拡散部材30は、固定部位に鍔部30aが形成されている。鍔部30aは、拡散部材30がLED基板21側へ窪んだ部分であり、鍔部30aの底面にはネジ64が貫通するための開口が設けられている。ネジ64は、拡散部材30からこの鍔部30aの底面に設けられた開口および開口23を貫通しており、鍔部30aの位置で、拡散部材30を固定する。これにより、ネジ64により、LED基板21、拡散部材30、反射部材40がシャーシ11に固定される。このように、図7の構成では、ネジ64が、拡散部材30に形成された鍔部30aの位置で、拡散部材30および反射部材40を、LED基板21およびシャーシ11に固定する。鍔部30aは、LED基板21側へ窪んでおり、LED基板21上に形成された反射部材40に当接している。従って、鍔部30aが拡散部材30に段差を形成することでLED22(光源モジュール20)と拡散部材30との間にスペーサを設けることなく一定の距離を設けることができ、拡散部材30をLED基板21(光源モジュール20)およびシャーシ11に固定することができる。これにより、スペーサの位置合わせを行う必要がないので固定作業が容易になる。さらにスペーサが不要である分、部品点数を削減することができる。また、ネジ64は、鍔部30aで拡散部材30を固定するため、ネジ64が拡散部材30から室内側へ突出しない。従って、開口23の近傍にLED22が設けられている場合でも、ネジ64によりLED22の光が遮蔽されることを低減できる。
【0069】
なお、本実施形態では、光源としてLED22を備える照明装置1について説明した。しかし、光源はLED22に限定されるものではなく、蛍光体、エレクトロルミネッセンス素子、半導体光源等の各種発光素子であってもよい。また、光源の色は任意に設定すればよい。
【0070】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1 照明装置
11 シャーシ
12 照明カバー
20 光源モジュール
22 LED(光源)
30 拡散部材
30a 鍔部
40 反射部材
50 スペーサ
61 ネジ(第1の固定部材)
62 ベースネジ(第2の固定部材)
63 拡散部材止めネジ(第3の固定部材)
64 ネジ(第4の固定部材)
X 取付面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に設置される照明装置において、
照射方向が上記取付面に対して略垂直方向となるように複数の光源が搭載された光源モジュールと、
光源モジュールからの光を透過する照明カバーと、
光源モジュールの光出射方向側に、照明カバーと離間して設けられ、光源モジュールからの出射光を拡散させる拡散部材とを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記取付面に設置されたシャーシを備え、
上記光源モジュールは、上記シャーシに設置されており、
上記拡散部材は、上記シャーシの外縁部に設けられた光源の光出射方向側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
上記拡散部材は、上記光源モジュールと離間して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
上記光源モジュールは、光源の光出射方向側に拡散部材が実装されない非実装領域を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
上記拡散部材で反射された光を反射させ、上記拡散部材に入射させる反射部材を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
上記光源モジュールと拡散部材との間に設けられたスペーサと、
上記拡散部材を上記スペーサを介して光源モジュールに固定する第1の固定部材とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
上記光源モジュールをシャーシに固定する第2の固定部材と、
上記拡散部材を、第2の固定部材に固定する第3の固定部材とを備えることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項8】
上記拡散部材を光源モジュールに固定する第4の固定部材を備え、
上記拡散部材は、第4の固定部材による固定部位に、光源モジュール側に窪んだ鍔部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の照明装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−25868(P2013−25868A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156134(P2011−156134)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】