照明装置
【課題】 蛍光体からの蛍光を利用した照明装置であって、励起光源の消費電力を可及的に抑制することのできる照明装置を提供する。
【解決手段】 照明装置10は、励起光Lを発する励起光源21、励起光源21から発せられる励起光Lを集光する集光手段22、ならびに励起光源21および集光手段22を保持する筐体23を含み、指向性を有する励起光Lを外部へ出射する光源ユニット11と、励起光源21から発せられる励起光Lに対して透明な透明部材12と、透明部材12によって保持され、励起光源21により発せられる励起光Lによって蛍光fを発する蛍光体13とを備え、光源ユニット11が、透明部材12を介して蛍光体13に励起光Lを照射するように設置されている。
【解決手段】 照明装置10は、励起光Lを発する励起光源21、励起光源21から発せられる励起光Lを集光する集光手段22、ならびに励起光源21および集光手段22を保持する筐体23を含み、指向性を有する励起光Lを外部へ出射する光源ユニット11と、励起光源21から発せられる励起光Lに対して透明な透明部材12と、透明部材12によって保持され、励起光源21により発せられる励起光Lによって蛍光fを発する蛍光体13とを備え、光源ユニット11が、透明部材12を介して蛍光体13に励起光Lを照射するように設置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の照明や装飾用の照明に用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な従来技術が、たとえば特許文献1に開示されている。図19は、従来技術に係る照明装置100の構成を示す斜視図である。
【0003】
従来技術に係る照明装置100は、励起光としてレーザ光104を発する半導体レーザ101と、半導体レーザ101から発せられるレーザ光104に対して透明な矩形板状の透明部材102と、透明部材102の厚み方向に垂直な一表面102aに貼着され、レーザ光104によって励起されて蛍光を発する蛍光材料を含む蛍光体103とを備えている。
【0004】
この照明装置100は、透明部材102の厚み方向に平行な一端面102b近傍に配置された半導体レーザ101を動作させることにより、レーザ光104を、一端面102bを介して透明部材102の内部へ入射させ、蛍光体103に照射することによって、蛍光体103を発光させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−200120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術に係る照明装置100のように、蛍光体の発光を利用した照明装置では、高い発光強度で蛍光体を発光させることが求められる。従来技術に係る照明装置100の場合、励起光であるレーザ光104を、半導体レーザ101から直接透明部材102の内部へ入射させるように構成されているので、蛍光体103へ向かう方向以外にも広くレーザ光104が広がってしまい、発光に寄与しない光の割合が多くなっている。したがって、高い発光強度で蛍光体を発光させるためには、励起光源の光出力を高くしなければならず、励起光源の消費電力が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、蛍光体の発光を利用した照明装置であって、励起光源の消費電力を可及的に抑制することのできる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、励起光を発する励起光源、前記励起光源から発せられる励起光を集光する集光手段、ならびに前記励起光源および前記集光手段を保持する筐体を含み、指向性を有する励起光を出射する光源ユニットと、
前記励起光源から発せられる励起光に対して透明な透明部材と、
前記透明部材によって保持され、前記励起光源により発せられる励起光によって蛍光を発する蛍光体とを備え、
前記光源ユニットが、前記透明部材を介して前記蛍光体に励起光を照射するように配設されていることを特徴とする照明装置である。
【0009】
また本発明は、前記集光手段は、前記透明部材に入射される励起光のほぼ全てが前記蛍光体に照射されるように、励起光を集光することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記励起光源は、励起光としてレーザ光を発する半導体レーザであり、
前記集光手段は、レンズまたは曲面ミラーであることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記励起光源は、励起光としてレーザ光を発する半導体レーザであり、
前記光源ユニットは、前記半導体レーザから出射されたレーザ光を非コヒーレント光に変換する光学部材をさらに備え、
前記集光手段は、前記光学部材により変換された非コヒーレント光を集光するレンズまたは曲面ミラーであることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記励起光源は、発光ダイオードであり、
前記光学部材は、前記発光ダイオードから出射された励起光を集光するレンズであることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記励起光源は、370nm以上460nm以下の波長範囲の励起光を発することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記透明部材の外表面における予め定める部分に設けられ、該透明部材の内部へ入射した励起光が、前記予め定める部分を介して外部へ出射するのを防止するための保護部材をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記保護部材は、前記励起光源から発せられる励起光は透過せず、蛍光体から発せられる蛍光を透過する部材であることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記透明部材の内部へ入射した励起光を、蛍光体に照射される前に、該透明部材と外部空間との界面にて全反射させるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記光源ユニットは、励起光の出射方向を変動させるための反射鏡をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記光源ユニットは、前記励起光源から発せられる励起光は透過せず、蛍光体から発せられる蛍光を透過するフィルタ素子と、前記励起光源から発せられる励起光を検出可能な受光素子とをさらに備えることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記透明部材は、厚み方向に垂直な一対の主面と、厚み方向に平行な複数の側面とを有する平板状の部材から成り、
前記光源ユニットは、前記透明部材における一側面を介して励起光が透明部材へ入射するように設置されていることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記光源ユニットは、透明部材へ入射した励起光が該透明部材と外部空間との界面にて全反射を繰り返しながら前記主面に沿って進むような角度で、励起光を該透明部材に入射させるための導光部材をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、半導体レーザやLEDなどによって実現される励起光源から出射した励起光は、集光手段によって指向性が高められてから、蛍光体を保持している透明部材へ入射される。したがって、蛍光体の発光に寄与する光の割合を高めることができる。すなわち、励起光源から出射した励起光を、効率的に利用して蛍光体を照射することができる。これにより、集光手段が設けられていない場合と比較して、励起光源の光出力を抑制することができ、それ故、励起光源の消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態の照明装置10の構成を示す斜視図である。
【図2】照明装置10に備えられる光源ユニット11の構成を示す断面図である。
【図3】照明装置10における蛍光体13付近の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の照明装置30の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の照明装置40の構成を示す斜視図である。
【図6】照明装置40に備えられる光源ユニット41の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の照明装置50に備えられる光源ユニット51の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態の照明装置60の構成を示す斜視図である。
【図9】照明装置60に備えられる光源ユニット61の構成を示す断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態の照明装置70の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施形態の照明装置80の構成を示す斜視図である。
【図12】照明装置80に備えられる光源ユニット81の構成を示す断面図である。
【図13】照明装置80における蛍光体85付近の断面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態の照明装置90の構成を示す斜視図である。
【図15】照明装置90に備えられる光源ユニット91を拡大して示す斜視図である。
【図16】図15における切断面S1で切断したときの照明装置90の断面図である。
【図17】照明装置90における蛍光体85付近の断面図である。
【図18】図15における切断面S2で切断したときの照明装置90の断面図である。
【図19】従来技術に係る照明装置100の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態の照明装置10の構成を示す斜視図である。図2は、照明装置10に備えられる光源ユニット11の構成を示す断面図である。図3は、照明装置10における蛍光体13付近の断面図である。
【0024】
本実施形態に係る照明装置10は、励起光Lを出射する光源ユニット11と、光源ユニット11から出射される励起光Lおよび可視光に対して透明な透明部材12と、透明部材12によって保持され、励起光Lが照射されると蛍光fを発する蛍光体13と、保護部材14とを含んで構成される。
【0025】
透明部材12は、透光性を有する部材であり、たとえば無色のアクリル樹脂によって実現される。透明部材12は、本実施形態では、矩形板状に形成されており、厚み方向に垂直な一対の主面12aと、厚み方向に平行な4つの側面12bとを有している。透明部材12の形状は、矩形板状に限られることなく、たとえば円柱形状、半球形状などであってもよい。
【0026】
透明部材12は、発光させるべき蛍光体13を保持可能に構成されている。透明部材12は、本実施形態では、蛍光体13が嵌め込まれる挿入孔12cが設けられている。挿入孔12cは、照明装置10のデザインなどに応じて、適宜選択された位置に設けられる。
【0027】
本実施形態では、図1に示すように、3箇所に挿入孔12cが設けられている。これら挿入孔12cは、板状の透明部材12を厚み方向に穿孔することによって形成され、本実施形態では、図3に示すように、厚み方向に貫通している。
【0028】
各挿入孔12cは、保持対象の蛍光体13の形状および寸法に基づいて、その形状および寸法が適切に選択され、たとえば、蛍光体13を挿入孔12cに挿入したとき、蛍光体13と透明部材12とが隙間なく嵌合するように、形状および寸法が選択されてもよく、あるいは、蛍光体13と透明部材12とが緩く嵌合するように、形状および寸法が選択されてもよい。
【0029】
後者の場合には、蛍光体13が透明部材12から容易に離脱してしまうことを防止するために、たとえば蛍光体13と透明部材12とを無色透明の接着剤を用いて接着するようにしてもよい。
【0030】
なお、本実施形態では、後述するように保持対象の蛍光体13が略円柱状に形成されているため、これに応じて、各挿入孔12cは、直円筒状の内周面によって規定されている。
【0031】
蛍光体13は、光源ユニット11から出射される励起光Lによって蛍光fを発する蛍光材料を含む部材であり、たとえば、蛍光材料をシリコーン樹脂などを用いて封止することによって構成される。
【0032】
蛍光材料としては、光源ユニット11から出射される励起光Lを受けて、緑色に発光する緑色蛍光材料、赤色に発光する赤色蛍光材料、および青色に発光する青色蛍光材料などが適宜選択されて用いられる。蛍光体13を形成する際には、これらの蛍光材料を1種類だけ封止してもよく、種類の異なる蛍光材料を複数組み合わせて封止してもよい。
【0033】
蛍光体13は、前述するように、透明部材12に設けられる挿入孔12cに挿入可能な形状に形成される。本実施形態では、図3に示すように、直円柱体における軸線方向の一端部を、半球面などの湾曲面によって先細状にしたような砲弾形に形成されている。
【0034】
蛍光体13としては、このように軸線方向の一端部が半球面などの湾曲面によって先細となるような形状に形成するのが好ましい。このような形状としては、たとえば、長手方向に延びる中心軸線を含む仮想一平面で切断したときの断面が、楕円形、菱形または楔形となるような形状が挙げられる。
【0035】
光源ユニット11は、図2に示すように、励起光Lを発する励起光源21と、励起光源21から発せられる励起光Lを集光する集光手段22と、励起光源21および集光手段22を保持する箱状の筐体23とを含んで構成される。
【0036】
励起光源21は、蛍光体13に封止されている蛍光材料を発光させることができる波長帯の光を励起光Lとして発する光源であり、本実施形態では、励起光Lとしてレーザ光を発する半導体レーザによって実現されている。
【0037】
より詳細には、波長405nmのInGaN系半導体レーザが用いられ、約1Wの光出力で作動されるように構成されている。励起光源21としては、前記半導体レーザのように、370nm以上460nm以下の波長帯の励起光Lを発するものが好ましいが、これに限られることはない。
【0038】
集光手段22は、励起光源21から所定の広がり角で出射される励起光Lを集光する機能を有する部材であり、励起光源21の前方(励起光Lの出射方向下流側)に配設される。集光手段22は、本実施形態では、半導体レーザから出射されるレーザ光を略平行な光に変換するコリメータレンズによって実現されている。
【0039】
筐体23は、励起光源21および集光手段22を収容するための空間が内部に形成された中空の直方体形部材であり、内部に収容される励起光源21からの励起光Lを外部に取り出すための貫通孔23aが形成された一壁面部23bを有している。
【0040】
励起光源21と集光手段22は、それぞれの光軸が一致するように互いに位置決めされ、一壁面部23bに形成された貫通孔23aを介して励起光Lが外部へ出射されるように、筐体23内に保持される。
【0041】
光源ユニット11は、本実施形態では、3組の励起光源21および集光手段22が設けられ、透明部材12に保持されている3つの蛍光体13に対して、個別に励起光Lを照射するように構成されている。より詳細には、透明部材12へ入射した励起光Lが、直接蛍光体13へ照射されるように構成されている。
【0042】
保護部材14は、透明部材12の内部へ入射した励起光Lが、透明部材12から外部へ漏れ出ないようにするための部材である。保護部材14は、本実施形態では、光を透過しないよう黒色に着色された板によって構成されている。
【0043】
保護部材14は、透明部材12において外部に露出する外表面12a,12bのうちの予め定める部分を被覆するように、貼着などの方法によって敷設される。本実施形態では、光源ユニット11に対向する一側面12bを除く3つの側面12bをそれぞれ被覆するように敷設されている。
【0044】
本実施形態に係る照明装置10は、透明部材12に設けられた各挿入孔12cに対し、先細状に形成されている一端部が一方の主面12a側に配置されるように、蛍光体13をそれぞれ嵌め込み、透明部材12の一側面12bに光源ユニット11を設置することによって構成される。照明装置10には、内部電源あるいは外部電源から各励起光源21に対して電力を供給するための電源回路が設けられており、各励起光源21は、ユーザによるスイッチ操作によって電源から電力が供給されることによって、励起光Lを出射する。
【0045】
励起光源21から出射された励起光Lは、励起光源21の前方に配置される集光手段22を通過する際に集光され、これにより指向性を有する励起光Lが、貫通孔23aを介して光源ユニット11から外部へ出射される。外部へ出射された励起光Lは、一側面12bを介して透明部材12へ入射し、対応する蛍光体13に照射される。これにより、蛍光材料が励起され、蛍光体13から蛍光fが発せられる。
【0046】
照明装置10は、このように動作することにより、蛍光体13の周囲に配線および電子回路部品が存在していないにも拘らず、蛍光体13を発光させることができるので、鑑賞者に対して驚きや不思議な感覚を与えることができる。このような照明装置10は、たとえば、室内照明や装飾用の照明として、好適に用いることができる。
【0047】
本実施形態に係る照明装置10は、励起光源21から出射される励起光Lが、集光手段22によって集光されてから、蛍光体13に照射されるように構成されているので、励起光Lを効率的に利用して蛍光体13を照射することができる。
【0048】
ここで、集光手段22の有無による性能の違いについて、一例を挙げて説明する。水平方向のFFP(Far Field Pattern)が10°および垂直方向のFFPが40°である半導体レーザを励起光源21として用い、蛍光体13と半導体レーザとの距離を200mmに設定し、砲弾形の蛍光体13が、軸線方向長さ20mmおよび直径5mmの寸法を有する場合を想定する。
【0049】
本実施形態のように、集光手段22としてコリメータレンズを設置した場合には、コリメータレンズによって長径が1mm以下の平行光を形成することにより、半導体レーザから出射される光の80%以上を、蛍光体13に照射することができる。
【0050】
これに対し、従来技術のように集光手段22が設置されない場合には、仮にレーザ光における長径方向が蛍光体13の軸線方向に一致するようにレーザ光を照射したとしても、半導体レーザから出射される光の5%程度しか、蛍光体13に照射することができない。
【0051】
このように、本実施形態によれば、励起光Lを効率的に利用して蛍光体13を照射することができるので、集光手段22が設けられない従来技術の場合と比べて、蛍光体13を所望の発光強度で発光させるために必要な励起光源21の光出力を抑制することができ、したがって、励起光源21の消費電力を抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る照明装置10は、軸線方向の一端部が半球面などの湾曲面によって先細となるような形状に蛍光体13が形成されているので、その一端部をレンズとして機能させることができる。このレンズとしての機能を利用して、出来るだけ鑑賞者側に蛍光fを出射させることにより、一端部が湾曲面によって先細となるような形状に形成されていない場合と比べて、さらに励起光源21の消費電力を抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る照明装置10は、透明部材12における側面12bを被覆するように保護部材14が敷設されているので、照明装置10に衝撃が加わるなどして半導体レーザやコリメータレンズが微妙に位置ずれしてしまい、光源ユニット11から出射されるレーザ光が、予め設定されている方向とは異なる方向に向いてしまった場合であっても、レーザ光が透明部材12における側面12bから外部へ出射してしまうことを可及的に防止することができる。なお、側面12aについてはレーザ光の向きが多少ずれて当たっただけでは外部に漏れない。これは、レーザ光が側面12aにおいて全反射するためである。たとえば、透明部材12の屈折率が1.5の場合、透明部材12と外部空間(空気)との界面での臨界角は41.8°であるため、多少のずれではこの臨界角を下回ることはなく全反射する。
【0054】
半導体レーザから出射されるレーザ光は、人間の眼に直接入射すると障害を与える危険性を有するが、本実施形態によれば、透明部材12へ入射したレーザ光が外部へ出射してしまう可能性を可及的に低減しているので、安全性を高めることができる。
【0055】
また、側面12bのみを被覆することで、鑑賞者に臨む主面12aを可視光に対して透明に維持することができるので、鑑賞者に対して驚きや不思議な感覚を与えるという本来の目的を達成することができる。
【0056】
上記の実施形態では、励起光源21として半導体レーザを用い、コヒーレント光を励起光Lとして蛍光体13に照射するように構成されているが、コヒーレント光に限らず、非コヒーレント光を蛍光体13に照射するように光源ユニット11が構成されてもよい。
【0057】
たとえば、半導体レーザの発光部の前方に、レーザ光を非コヒーレント化するような、拡散板などの光学部材を設けてもよい。あるいは、励起光源21として、半導体レーザではなく、発光ダイオード(LED)を用いてもよい。このように、励起光Lとして非コヒーレント光を用いることにより、安全性をさらに高めることができる。
【0058】
また、上記の実施形態では、集光手段22として、コリメータレンズを用いているが、励起光源21から出射される励起光Lを集光する機能を有するものであればよく、たとえば曲面ミラーを用いることもできる。
【0059】
また、上記の実施形態では、透明部材12に入射した励起光Lを、直接蛍光体13に照射させるように構成されているが、これに限らず、透明部材12に入射した励起光Lを、透明部材と外部空間との界面に対し臨界角以上の入射角で入射させることによって、蛍光体13に照射される前に、該界面で全反射させてから、蛍光体13に照射させるように構成されてもよい。
【0060】
また、上記の実施形態では、黒色に着色された板からなる保護部材14が側面12bに敷設されているが、保護部材14としては、これに限らず、半導体レーザから出射されるレーザ光の波長帯の光のみ透過しない性質を有するフィルタ部材を用いてもよい。この場合、フィルタ部材は、側面12bだけでなく主面12aにも設けることができる。これにより、鑑賞者に臨む主面12aを可視光に対して透明に維持することができ、かつ、万が一レーザ光が主面12aに対し臨界角以下で入射することがあっても、外部への放出を防ぐことができる。
【0061】
図4は、本発明の第2の実施形態の照明装置30の構成を示す斜視図である。本実施形態に係る照明装置30は、第1の実施形態の照明装置10に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0062】
第1の実施形態に係る照明装置10では、蛍光体13は、透明部材12に埋め込まれることによって保持されていたが、本実施形態に係る照明装置30では、平坦な側面12b上に載置することによって保持されるように構成されている。
【0063】
したがって、蛍光体33は、該側面12b上に載置し易いように、円柱状に形成されている。このように、蛍光体33は、平坦な側面12b上に単に載置されているだけなので、ユーザが手で持ち上げることにより、一側面12b上から容易に離脱させることができる。
【0064】
また、第1の実施形態に係る照明装置10では、側面12bに保護部材14が設けられていたが、本実施形態に係る照明装置30では、かかる保護部材14は設けられていない。したがって、本実施形態に係る照明装置30は、蛍光体33を、一側面12b上における所定の位置、すなわち光源ユニット11からの励起光Lが照射される位置に載置したときに、蛍光体33を発光させることができる。このように周囲に配線および電子回路部品が存在しない側面12b上に蛍光体33を載置するだけで蛍光体33が発光するので、鑑賞者に対して驚きや不思議な感覚を与えることができる。
【0065】
なお、本実施形態においては、蛍光体33が載置される側面12bから励起光Lが外部に出射してしまうことから、人間の目に直接入射しても危険がないようにする必要がある。そこで、励起光源21としてレーザを用いる場合は、光出力を日本工業規格「レーザ製品の放射安全基準」JIS C 6802に記載のClass1に準拠する発振波長および出力とするか、または励起光源21と集光手段22の間にレーザ光を非コヒーレント化するための光学部材である拡散板などを設けることで対応できる。また、励起光源21としてLEDを用いてもよい。
【0066】
図5は、本発明の第3の実施形態の照明装置40の構成を示す斜視図である。図6は、照明装置40に備えられる光源ユニット41の構成を示す断面図である。本実施形態に係る照明装置40は、第1の実施形態の照明装置10に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0067】
第1の実施形態に係る照明装置10では、透明部材12に保持される蛍光体13ごとに励起光源21が設けられていたが、本実施形態に係る照明装置40では、一組の励起光源21および集光手段22を用いて、複数の蛍光体13を発光させるように構成されている。
【0068】
具体的には、本実施形態の光源ユニット41は、一組の励起光源21および集光手段22のほか、励起光源21からの励起光Lを鏡面反射させる反射鏡42と、反射鏡42を所定の軸線J1まわりに回転駆動する駆動部43とを備えている。
【0069】
反射鏡42は、平坦な鏡面が一表面に形成された板状部材であり、前記所定の軸線J1まわりに回転可能に設置される。一組の励起光源21および集光手段22は、この反射鏡42の鏡面に向けて励起光Lを放出するように、筐体23にそれぞれ保持される。
【0070】
駆動部43は、たとえばモータによって実現され、透明部材12に保持されている全ての蛍光体13を照射することができるように、反射鏡42を、予め定める角度範囲(回転角θの範囲)で、前記所定の軸線J1まわりに回動させる。本実施形態では、前記所定の軸線J1は、3つの蛍光体13の配置に応じて、透明部材12の厚み方向に一致するように設定されている。
【0071】
本実施形態に係る照明装置40は、ユーザによるスイッチ操作により電源が投入されると、励起光源21に電力が供給されて、励起光源21から励起光Lが出射されるとともに、駆動部43に電力が供給されて、反射鏡42が回動を開始する。これにより、光源ユニット41から出射される励起光Lは、反射鏡42の回動に伴って、前記予め定める角度範囲で出射方向が連続的に変動する。これにより、一組の励起光源21および集光手段22で、各蛍光体13を順次照射することができる。
【0072】
このように本実施形態によれば、蛍光体13ごとに励起光源21を設ける必要がなく、製造コストを低減することができる。なお、蛍光材料は励起光Lにより励起を受けて発光してから減衰するまでにある程度の時間を要するので、反射鏡42の回動の速度を適宜設定することにより、各蛍光体13を同時に発光させることもできる。
【0073】
図7は、本発明の第4の実施形態の照明装置50に備えられる光源ユニット51の構成を示す断面図である。本実施形態に係る照明装置50は、第3の実施形態の照明装置40に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0074】
第3の実施形態に係る照明装置40では、励起光源21を常時作動させた状態で、反射鏡42を回動することにより励起光Lの出射方向を変化させるように構成されていたが、本実施形態に係る照明装置50では、励起光Lの出射方向が、蛍光体13を照射可能な方向に一致しているときにのみ、励起光源21を作動させるように構成されている。
【0075】
具体的には、本実施形態の光源ユニット51は、一組の励起光源21および集光手段22、反射鏡42、ならびに、駆動部43のほか、反射鏡42の回転角θを検出可能な検出部52と、予め記憶されている制御プログラムに従って、駆動部43および励起光源21の駆動を制御する制御部53とを備えている。
【0076】
検出部52は、ロータリエンコーダなどによって実現され、反射鏡42の回転角θを検出し、検出結果を制御部53へ送信する。制御部53は、制御プログラムに従って駆動部43を動作させるとともに、検出部52から送信される検出結果に基づいて、励起光源21を作動/停止させる。
【0077】
より詳細には、制御部53は、検出部44から送信される検出結果に基づいて、回転角θが予め定める角度(あるいは角度範囲)に一致しているときにのみ、励起光源21に対して電力を供給するような処理を実行する。
【0078】
ここで、予め定める角度(あるいは角度範囲)とは、反射鏡42によって反射された励起光Lによって、蛍光体13を照射することができるときの回転角θのことであり、透明部材12における蛍光体13の配置等に基づいて決定され、制御部53のメモリに予め記憶される。
【0079】
本実施形態に係る照明装置50は、ユーザによるスイッチ操作により電源が投入されると、駆動部43に電力が供給されて、反射鏡42が回動を開始するとともに、反射鏡42の回転角θと前記予め定める角度(あるいは角度範囲)とが一致しているときにのみ、励起光源21が発光し、一致してないときには、電力の供給が遮断されて、励起光源21の動作が停止される。
【0080】
このように本実施形態によれば、反射鏡42の傾きが蛍光体13を照射可能であるか否かに応じて、励起光源21の作動/停止を制御するように構成されているので、励起光源21の消費電力をさらに抑制することができる。
【0081】
図8は、本発明の第5の実施形態の照明装置60の構成を示す斜視図である。図9は、照明装置60に備えられる光源ユニット61の構成を示す断面図である。本実施形態に係る照明装置60は、第4の実施形態の照明装置50に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0082】
第4の実施形態に係る照明装置50では、励起光源21を作動させるときの反射鏡42の回転角θが、制御部53のメモリに予め記憶されていたが、本実施形態に係る照明装置60では、励起光源21を作動させるときの反射鏡42の回転角θを予め記憶させる必要がなく、自動で取得できるように構成されている。
【0083】
具体的には、本実施形態の光源ユニット61は、一組の励起光源21および集光手段22、反射鏡42、駆動部43、検出部52、ならびに制御部53のほか、蛍光体13が発する蛍光fを検出し、検出結果を制御部53へ送信する受光素子62と、受光素子62の前方に設けられ、励起光源21から出射される励起光Lは遮断し、蛍光体13からの蛍光fを透過するフィルタ素子63とを備えている。
【0084】
また、筐体23の一壁面部23bには、蛍光体13からの蛍光fを、筐体23内に保持される受光素子62へ導くための貫通孔23cが形成され、受光素子62およびフィルタ素子63は、該貫通孔23cに臨んで配置されている。
【0085】
本実施形態に係る照明装置60は、励起光源21を作動させるときの反射鏡42の回転角θを取得するための回転角取得モードを有し、ユーザが回転角取得モードを選択することによって、回転角取得処理が開始される。
【0086】
回転角取得処理では、励起光源21を作動させ、励起光Lが出射されている状態で、反射鏡42を所定の回転速度で軸線J1まわりに回動させる。この反射鏡42の回動に伴って励起光Lの出射方向が変動する間に、蛍光体13が照射されると、蛍光体13から蛍光fが発せられる。このときの蛍光fの一部が、貫通孔23cを通過して受光素子62で検出される。
【0087】
制御部53には、受光素子62による検出結果および検出部52による検出結果が送信され、これらに基づいて、所定の閾値を超える蛍光fが検出されたときの反射鏡42の回転角θを取得し、励起光源21を作動させるときの回転角θとして、メモリに記憶する。
【0088】
このように本実施形態によれば、蛍光体13を励起可能な反射鏡42の回転角θを自動的に取得できるように構成されているので、透明部材12において蛍光体13の配置を変更した場合や、光源ユニット61に設置される透明部材12自体を、蛍光体13の配置の異なる別の透明部材に置換した場合であっても、励起光源21の消費電力を抑制することができる。
【0089】
図10は、本発明の第6の実施形態の照明装置70の構成を示す斜視図である。本実施形態に係る照明装置70は、第5の実施形態の照明装置60に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0090】
本実施形態に係る照明装置70は、透明部材12における一側面12bの内面側に鏡面71が形成され、この鏡面71における反射を利用して、死角となる位置に保持されている蛍光体13,33にも、励起光Lを照射することができるように構成されている。
【0091】
このように本実施形態によれば、透明部材12に保持される蛍光体13の設置位置の自由度を向上させることができる。
【0092】
図11は、本発明の第7の実施形態の照明装置80の構成を示す斜視図である。図12は、照明装置80に備えられる光源ユニット81の構成を示す断面図である。図13は、照明装置80における蛍光体85付近の断面図である。本実施形態に係る照明装置80は、第5の実施形態の照明装置60に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0093】
第5の実施形態に係る照明装置60では、蛍光体13が透明部材12に埋め込まれ、励起光Lの出射方向を所定の方向に沿って一次元的に変動させるように構成されていたが、本実施形態に係る照明装置80では、透明部材12の各主面12aにおける適当な位置に貼着されている複数の蛍光体85に対して励起光Lが照射されるように、励起光Lの出射方向を二次元的に変動させるように構成されている。
【0094】
具体的には、本実施形態の光源ユニット81には、反射鏡42を、軸線J1および軸線J1に直交する軸線J2まわりに回動させる駆動部83が設けられている。また、検出部52は、軸線J1まわりの回転角θと軸線J2まわりの回転角φを検出可能に構成されている。また、本実施形態に係る照明装置80は、透明部材12の主面12aおよび側面12bには、第2の実施形態に係る照明装置30と同様に保護部材14を設けず、励起光Lが透明部材12の外部に放出されるように構成されている。また、蛍光体85は、透明部材12に対して容易に貼付・剥離可能に構成されている。
【0095】
このように本実施形態によれば、容易に貼付・剥離可能な蛍光体85を、透明部材12の表面に設置するように構成されているため、蛍光体85の配置の変更や、形状・サイズの異なる別の蛍光体85への変更が容易であり、透明部材12に保持される蛍光体85の設置位置の自由度をさらに向上させることができる。また、このように配置などを変更した場合であっても、励起光源21を作動させるときの回転角を再度容易に取得することができる。
【0096】
なお、本実施形態においても、第2の実施形態に係る照明装置30と同様に側面12bから励起光Lが外部に出射してしまうことから、人間の目に直接入射しても危険がないようにする必要がある。そこで、励起光源21としてレーザを用いる場合は、光出力を日本工業規格「レーザ製品の放射安全基準」JIS C 6802に記載のClass1に準拠する発振波長および出力とするか、または励起光源21と集光手段22の間にレーザ光を非コヒーレント化するための光学部材である拡散板などを設けることで対応できる。また、励起光源21としてLEDを用いてよい。
【0097】
図14は、本発明の第8の実施形態の照明装置90の構成を示す斜視図である。図15は、照明装置90に備えられる光源ユニット91を拡大して示す斜視図である。図16は、図15における切断面S1で切断したときの照明装置90の断面図である。図17は、照明装置90における蛍光体85付近の断面図である。図18は、図15における切断面S2で切断したときの照明装置90の断面図である。本実施形態に係る照明装置90は、第7の実施形態の照明装置80に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0098】
第7の実施形態に係る照明装置80では、蛍光体85を透明部材12の主面12aに貼着し、透明部材12の一側面12bを介して励起光Lを透明部材12へ入射させるように構成されていたが、本実施形態に係る照明装置80では、蛍光体85を透明部材12の主面12aに貼着し、いずれか一方の主面12aを介して励起光Lを透明部材12へ入射させるように構成されている。
【0099】
第7の実施形態に係る照明装置80では、一側面12bを介して励起光Lを入射させているので、透明部材12へ入射した励起光Lを蛍光体85に直接照射することが可能であったが、本実施形態では、主面12aを介して励起光Lが透明部材12へ入射されるので、光源ユニット91から離れた位置に貼着されている蛍光体85に励起光Lを照射するためには、透明部材12の内部を全反射させながら導光させる必要がある。
【0100】
たとえば、透明部材12の屈折率が1.5の場合、透明部材12と外部空間(空気)との界面での臨界角は41.8°となるが、空気中から透明部材12へ光を直接入射させてしまうと、入射角を限りなく大きくしたとしても、透明部材12へ入射した励起光Lを、前記界面に対して臨界角以上で入射させることは理論上不可能である。
【0101】
そこで、本実施形態では、図16に示すように、透明部材12と略同等の屈折率を有する導光部材95を、透明部材12の主面12aに密着させて設置し、この導光部材95を介して、励起光源21からの励起光Lを透明部材12へ入射させるように構成されている。
【0102】
具体的には、導光部材95は、平坦な一表面95aと、一表面95aに対して所定の角度で傾斜する傾斜面95bとを有し、一表面95aが透明部材12に臨むように設置される。設置する際には、導光部材95と透明部材12との間に、密着用グリース96を介在させて、両者を密着するのが好ましい。
【0103】
これにより、導光部材95と透明部材12との間に、微小な空気層が形成されてしまうことを防止することができる。密着用グリース96は、導光部材95と略同等の屈折率を有するのが好ましく、たとえば透明なシリコングリースによって実現される。
【0104】
このようにして設置される導光部材95に対し、励起光源21、集光手段22および反射鏡42は、導光部材95の傾斜面95bに対して略垂直に励起光Lを入射させることができるように設置される。
【0105】
なお、本実施形態では、励起光源21として半導体レーザが用いられているため、半導体レーザから出射されるレーザ光を非コヒーレント化するための光学部材である拡散板97が、励起光源21と集光手段22との間に設けられている。
【0106】
また、図18に示すように、蛍光体85から発せられ、透明部材12の内部を全反射しながら導光される蛍光fを、受光素子62によって受光させるために、受光素子62と透明部材12との間にも、導光部材95が密着用グリース96を用いて設置されている。受光素子62およびフィルタ素子63は、導光部材95の傾斜面95bに対向するように設置される。
【0107】
本実施形態に係る照明装置90は、このような構成によって、反射鏡42で反射された励起光Lを、殆ど屈折させることなく透明部材12へ入射させることができる。これにより、透明部材12と空気との界面に対して、臨界角以上の入射角で励起光Lを入射させることが可能となり、光源ユニット91から放出される励起光Lを、透明部材12の面方向に沿って遠方まで導くことができる。したがって、板状の透明部材12における主面12aに光源ユニット91が設置される場合であっても、主面12aに貼着されている蛍光体85に対し、励起光Lを照射することができる。
【0108】
したがって、前述する実施形態と同様に、蛍光体85の周囲に配線および電子回路部品が存在していないにも拘らず、蛍光体85が発光するので、鑑賞者に対して驚きや不思議な感覚を与えることができる。
【0109】
本実施形態によれば、光源ユニット91を透明部材12の側面12bに設置することができないような場合、たとえば既存の建物に設置されているショーウィンドウガラスなどを透明部材12として用いるような場合であっても、単に光源ユニット91と蛍光体85とを透明部材12に取付けるだけで、照明装置90を容易に実現することができる。たとえば、ショーウィンドウガラスを透明部材12として用いる場合には、光源ユニット91および蛍光体85は、店内側に配される主面12aに対して設置される。
【0110】
なお、本実施形態においても、透明部材12の主面12aに対して、光源ユニット91および蛍光体85を設置した後に、前記の回転角取得処理を実行することによって、励起光源21を作動させるときの反射鏡42の回転角を取得しておくことにより、照明装置90の消費電力を可及的に抑制することができる。
【0111】
また、本実施形態によれば、容易に貼付・剥離可能な蛍光体85を、透明部材12の表面に設置するように構成されているため、蛍光体85の配置の変更や、形状・サイズの異なる別の蛍光体への変更も容易である。したがって、設置される蛍光体85の変更が頻繁に求められる可能性のあるショーウィンドウガラスなどへの使用の場合でも、容易に変更することが可能である。
【0112】
また、本実施形態では、レーザ光を非コヒーレント光に変換する光学部材として拡散板97が用いられているが、これに限らず、たとえばフィラーを混入した樹脂を励起光源21の前方に設けてもよい。また、これら光学部材を用いる代わりに、表面が梨地処理された反射鏡42を用いてもよい。あるいは、励起光源21として、半導体レーザではなく、LEDを用いてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 照明装置
11 光源ユニット
12 透明部材
13 蛍光体
14 保護部材
21 励起光源
22 集光手段
23 筐体
L 励起光
f 蛍光
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の照明や装飾用の照明に用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な従来技術が、たとえば特許文献1に開示されている。図19は、従来技術に係る照明装置100の構成を示す斜視図である。
【0003】
従来技術に係る照明装置100は、励起光としてレーザ光104を発する半導体レーザ101と、半導体レーザ101から発せられるレーザ光104に対して透明な矩形板状の透明部材102と、透明部材102の厚み方向に垂直な一表面102aに貼着され、レーザ光104によって励起されて蛍光を発する蛍光材料を含む蛍光体103とを備えている。
【0004】
この照明装置100は、透明部材102の厚み方向に平行な一端面102b近傍に配置された半導体レーザ101を動作させることにより、レーザ光104を、一端面102bを介して透明部材102の内部へ入射させ、蛍光体103に照射することによって、蛍光体103を発光させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−200120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術に係る照明装置100のように、蛍光体の発光を利用した照明装置では、高い発光強度で蛍光体を発光させることが求められる。従来技術に係る照明装置100の場合、励起光であるレーザ光104を、半導体レーザ101から直接透明部材102の内部へ入射させるように構成されているので、蛍光体103へ向かう方向以外にも広くレーザ光104が広がってしまい、発光に寄与しない光の割合が多くなっている。したがって、高い発光強度で蛍光体を発光させるためには、励起光源の光出力を高くしなければならず、励起光源の消費電力が大きくなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、蛍光体の発光を利用した照明装置であって、励起光源の消費電力を可及的に抑制することのできる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、励起光を発する励起光源、前記励起光源から発せられる励起光を集光する集光手段、ならびに前記励起光源および前記集光手段を保持する筐体を含み、指向性を有する励起光を出射する光源ユニットと、
前記励起光源から発せられる励起光に対して透明な透明部材と、
前記透明部材によって保持され、前記励起光源により発せられる励起光によって蛍光を発する蛍光体とを備え、
前記光源ユニットが、前記透明部材を介して前記蛍光体に励起光を照射するように配設されていることを特徴とする照明装置である。
【0009】
また本発明は、前記集光手段は、前記透明部材に入射される励起光のほぼ全てが前記蛍光体に照射されるように、励起光を集光することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記励起光源は、励起光としてレーザ光を発する半導体レーザであり、
前記集光手段は、レンズまたは曲面ミラーであることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、前記励起光源は、励起光としてレーザ光を発する半導体レーザであり、
前記光源ユニットは、前記半導体レーザから出射されたレーザ光を非コヒーレント光に変換する光学部材をさらに備え、
前記集光手段は、前記光学部材により変換された非コヒーレント光を集光するレンズまたは曲面ミラーであることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記励起光源は、発光ダイオードであり、
前記光学部材は、前記発光ダイオードから出射された励起光を集光するレンズであることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記励起光源は、370nm以上460nm以下の波長範囲の励起光を発することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記透明部材の外表面における予め定める部分に設けられ、該透明部材の内部へ入射した励起光が、前記予め定める部分を介して外部へ出射するのを防止するための保護部材をさらに備えることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記保護部材は、前記励起光源から発せられる励起光は透過せず、蛍光体から発せられる蛍光を透過する部材であることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記透明部材の内部へ入射した励起光を、蛍光体に照射される前に、該透明部材と外部空間との界面にて全反射させるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記光源ユニットは、励起光の出射方向を変動させるための反射鏡をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記光源ユニットは、前記励起光源から発せられる励起光は透過せず、蛍光体から発せられる蛍光を透過するフィルタ素子と、前記励起光源から発せられる励起光を検出可能な受光素子とをさらに備えることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記透明部材は、厚み方向に垂直な一対の主面と、厚み方向に平行な複数の側面とを有する平板状の部材から成り、
前記光源ユニットは、前記透明部材における一側面を介して励起光が透明部材へ入射するように設置されていることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記光源ユニットは、透明部材へ入射した励起光が該透明部材と外部空間との界面にて全反射を繰り返しながら前記主面に沿って進むような角度で、励起光を該透明部材に入射させるための導光部材をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、半導体レーザやLEDなどによって実現される励起光源から出射した励起光は、集光手段によって指向性が高められてから、蛍光体を保持している透明部材へ入射される。したがって、蛍光体の発光に寄与する光の割合を高めることができる。すなわち、励起光源から出射した励起光を、効率的に利用して蛍光体を照射することができる。これにより、集光手段が設けられていない場合と比較して、励起光源の光出力を抑制することができ、それ故、励起光源の消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態の照明装置10の構成を示す斜視図である。
【図2】照明装置10に備えられる光源ユニット11の構成を示す断面図である。
【図3】照明装置10における蛍光体13付近の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の照明装置30の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の照明装置40の構成を示す斜視図である。
【図6】照明装置40に備えられる光源ユニット41の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の照明装置50に備えられる光源ユニット51の構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態の照明装置60の構成を示す斜視図である。
【図9】照明装置60に備えられる光源ユニット61の構成を示す断面図である。
【図10】本発明の第6の実施形態の照明装置70の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の第7の実施形態の照明装置80の構成を示す斜視図である。
【図12】照明装置80に備えられる光源ユニット81の構成を示す断面図である。
【図13】照明装置80における蛍光体85付近の断面図である。
【図14】本発明の第8の実施形態の照明装置90の構成を示す斜視図である。
【図15】照明装置90に備えられる光源ユニット91を拡大して示す斜視図である。
【図16】図15における切断面S1で切断したときの照明装置90の断面図である。
【図17】照明装置90における蛍光体85付近の断面図である。
【図18】図15における切断面S2で切断したときの照明装置90の断面図である。
【図19】従来技術に係る照明装置100の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態の照明装置10の構成を示す斜視図である。図2は、照明装置10に備えられる光源ユニット11の構成を示す断面図である。図3は、照明装置10における蛍光体13付近の断面図である。
【0024】
本実施形態に係る照明装置10は、励起光Lを出射する光源ユニット11と、光源ユニット11から出射される励起光Lおよび可視光に対して透明な透明部材12と、透明部材12によって保持され、励起光Lが照射されると蛍光fを発する蛍光体13と、保護部材14とを含んで構成される。
【0025】
透明部材12は、透光性を有する部材であり、たとえば無色のアクリル樹脂によって実現される。透明部材12は、本実施形態では、矩形板状に形成されており、厚み方向に垂直な一対の主面12aと、厚み方向に平行な4つの側面12bとを有している。透明部材12の形状は、矩形板状に限られることなく、たとえば円柱形状、半球形状などであってもよい。
【0026】
透明部材12は、発光させるべき蛍光体13を保持可能に構成されている。透明部材12は、本実施形態では、蛍光体13が嵌め込まれる挿入孔12cが設けられている。挿入孔12cは、照明装置10のデザインなどに応じて、適宜選択された位置に設けられる。
【0027】
本実施形態では、図1に示すように、3箇所に挿入孔12cが設けられている。これら挿入孔12cは、板状の透明部材12を厚み方向に穿孔することによって形成され、本実施形態では、図3に示すように、厚み方向に貫通している。
【0028】
各挿入孔12cは、保持対象の蛍光体13の形状および寸法に基づいて、その形状および寸法が適切に選択され、たとえば、蛍光体13を挿入孔12cに挿入したとき、蛍光体13と透明部材12とが隙間なく嵌合するように、形状および寸法が選択されてもよく、あるいは、蛍光体13と透明部材12とが緩く嵌合するように、形状および寸法が選択されてもよい。
【0029】
後者の場合には、蛍光体13が透明部材12から容易に離脱してしまうことを防止するために、たとえば蛍光体13と透明部材12とを無色透明の接着剤を用いて接着するようにしてもよい。
【0030】
なお、本実施形態では、後述するように保持対象の蛍光体13が略円柱状に形成されているため、これに応じて、各挿入孔12cは、直円筒状の内周面によって規定されている。
【0031】
蛍光体13は、光源ユニット11から出射される励起光Lによって蛍光fを発する蛍光材料を含む部材であり、たとえば、蛍光材料をシリコーン樹脂などを用いて封止することによって構成される。
【0032】
蛍光材料としては、光源ユニット11から出射される励起光Lを受けて、緑色に発光する緑色蛍光材料、赤色に発光する赤色蛍光材料、および青色に発光する青色蛍光材料などが適宜選択されて用いられる。蛍光体13を形成する際には、これらの蛍光材料を1種類だけ封止してもよく、種類の異なる蛍光材料を複数組み合わせて封止してもよい。
【0033】
蛍光体13は、前述するように、透明部材12に設けられる挿入孔12cに挿入可能な形状に形成される。本実施形態では、図3に示すように、直円柱体における軸線方向の一端部を、半球面などの湾曲面によって先細状にしたような砲弾形に形成されている。
【0034】
蛍光体13としては、このように軸線方向の一端部が半球面などの湾曲面によって先細となるような形状に形成するのが好ましい。このような形状としては、たとえば、長手方向に延びる中心軸線を含む仮想一平面で切断したときの断面が、楕円形、菱形または楔形となるような形状が挙げられる。
【0035】
光源ユニット11は、図2に示すように、励起光Lを発する励起光源21と、励起光源21から発せられる励起光Lを集光する集光手段22と、励起光源21および集光手段22を保持する箱状の筐体23とを含んで構成される。
【0036】
励起光源21は、蛍光体13に封止されている蛍光材料を発光させることができる波長帯の光を励起光Lとして発する光源であり、本実施形態では、励起光Lとしてレーザ光を発する半導体レーザによって実現されている。
【0037】
より詳細には、波長405nmのInGaN系半導体レーザが用いられ、約1Wの光出力で作動されるように構成されている。励起光源21としては、前記半導体レーザのように、370nm以上460nm以下の波長帯の励起光Lを発するものが好ましいが、これに限られることはない。
【0038】
集光手段22は、励起光源21から所定の広がり角で出射される励起光Lを集光する機能を有する部材であり、励起光源21の前方(励起光Lの出射方向下流側)に配設される。集光手段22は、本実施形態では、半導体レーザから出射されるレーザ光を略平行な光に変換するコリメータレンズによって実現されている。
【0039】
筐体23は、励起光源21および集光手段22を収容するための空間が内部に形成された中空の直方体形部材であり、内部に収容される励起光源21からの励起光Lを外部に取り出すための貫通孔23aが形成された一壁面部23bを有している。
【0040】
励起光源21と集光手段22は、それぞれの光軸が一致するように互いに位置決めされ、一壁面部23bに形成された貫通孔23aを介して励起光Lが外部へ出射されるように、筐体23内に保持される。
【0041】
光源ユニット11は、本実施形態では、3組の励起光源21および集光手段22が設けられ、透明部材12に保持されている3つの蛍光体13に対して、個別に励起光Lを照射するように構成されている。より詳細には、透明部材12へ入射した励起光Lが、直接蛍光体13へ照射されるように構成されている。
【0042】
保護部材14は、透明部材12の内部へ入射した励起光Lが、透明部材12から外部へ漏れ出ないようにするための部材である。保護部材14は、本実施形態では、光を透過しないよう黒色に着色された板によって構成されている。
【0043】
保護部材14は、透明部材12において外部に露出する外表面12a,12bのうちの予め定める部分を被覆するように、貼着などの方法によって敷設される。本実施形態では、光源ユニット11に対向する一側面12bを除く3つの側面12bをそれぞれ被覆するように敷設されている。
【0044】
本実施形態に係る照明装置10は、透明部材12に設けられた各挿入孔12cに対し、先細状に形成されている一端部が一方の主面12a側に配置されるように、蛍光体13をそれぞれ嵌め込み、透明部材12の一側面12bに光源ユニット11を設置することによって構成される。照明装置10には、内部電源あるいは外部電源から各励起光源21に対して電力を供給するための電源回路が設けられており、各励起光源21は、ユーザによるスイッチ操作によって電源から電力が供給されることによって、励起光Lを出射する。
【0045】
励起光源21から出射された励起光Lは、励起光源21の前方に配置される集光手段22を通過する際に集光され、これにより指向性を有する励起光Lが、貫通孔23aを介して光源ユニット11から外部へ出射される。外部へ出射された励起光Lは、一側面12bを介して透明部材12へ入射し、対応する蛍光体13に照射される。これにより、蛍光材料が励起され、蛍光体13から蛍光fが発せられる。
【0046】
照明装置10は、このように動作することにより、蛍光体13の周囲に配線および電子回路部品が存在していないにも拘らず、蛍光体13を発光させることができるので、鑑賞者に対して驚きや不思議な感覚を与えることができる。このような照明装置10は、たとえば、室内照明や装飾用の照明として、好適に用いることができる。
【0047】
本実施形態に係る照明装置10は、励起光源21から出射される励起光Lが、集光手段22によって集光されてから、蛍光体13に照射されるように構成されているので、励起光Lを効率的に利用して蛍光体13を照射することができる。
【0048】
ここで、集光手段22の有無による性能の違いについて、一例を挙げて説明する。水平方向のFFP(Far Field Pattern)が10°および垂直方向のFFPが40°である半導体レーザを励起光源21として用い、蛍光体13と半導体レーザとの距離を200mmに設定し、砲弾形の蛍光体13が、軸線方向長さ20mmおよび直径5mmの寸法を有する場合を想定する。
【0049】
本実施形態のように、集光手段22としてコリメータレンズを設置した場合には、コリメータレンズによって長径が1mm以下の平行光を形成することにより、半導体レーザから出射される光の80%以上を、蛍光体13に照射することができる。
【0050】
これに対し、従来技術のように集光手段22が設置されない場合には、仮にレーザ光における長径方向が蛍光体13の軸線方向に一致するようにレーザ光を照射したとしても、半導体レーザから出射される光の5%程度しか、蛍光体13に照射することができない。
【0051】
このように、本実施形態によれば、励起光Lを効率的に利用して蛍光体13を照射することができるので、集光手段22が設けられない従来技術の場合と比べて、蛍光体13を所望の発光強度で発光させるために必要な励起光源21の光出力を抑制することができ、したがって、励起光源21の消費電力を抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る照明装置10は、軸線方向の一端部が半球面などの湾曲面によって先細となるような形状に蛍光体13が形成されているので、その一端部をレンズとして機能させることができる。このレンズとしての機能を利用して、出来るだけ鑑賞者側に蛍光fを出射させることにより、一端部が湾曲面によって先細となるような形状に形成されていない場合と比べて、さらに励起光源21の消費電力を抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る照明装置10は、透明部材12における側面12bを被覆するように保護部材14が敷設されているので、照明装置10に衝撃が加わるなどして半導体レーザやコリメータレンズが微妙に位置ずれしてしまい、光源ユニット11から出射されるレーザ光が、予め設定されている方向とは異なる方向に向いてしまった場合であっても、レーザ光が透明部材12における側面12bから外部へ出射してしまうことを可及的に防止することができる。なお、側面12aについてはレーザ光の向きが多少ずれて当たっただけでは外部に漏れない。これは、レーザ光が側面12aにおいて全反射するためである。たとえば、透明部材12の屈折率が1.5の場合、透明部材12と外部空間(空気)との界面での臨界角は41.8°であるため、多少のずれではこの臨界角を下回ることはなく全反射する。
【0054】
半導体レーザから出射されるレーザ光は、人間の眼に直接入射すると障害を与える危険性を有するが、本実施形態によれば、透明部材12へ入射したレーザ光が外部へ出射してしまう可能性を可及的に低減しているので、安全性を高めることができる。
【0055】
また、側面12bのみを被覆することで、鑑賞者に臨む主面12aを可視光に対して透明に維持することができるので、鑑賞者に対して驚きや不思議な感覚を与えるという本来の目的を達成することができる。
【0056】
上記の実施形態では、励起光源21として半導体レーザを用い、コヒーレント光を励起光Lとして蛍光体13に照射するように構成されているが、コヒーレント光に限らず、非コヒーレント光を蛍光体13に照射するように光源ユニット11が構成されてもよい。
【0057】
たとえば、半導体レーザの発光部の前方に、レーザ光を非コヒーレント化するような、拡散板などの光学部材を設けてもよい。あるいは、励起光源21として、半導体レーザではなく、発光ダイオード(LED)を用いてもよい。このように、励起光Lとして非コヒーレント光を用いることにより、安全性をさらに高めることができる。
【0058】
また、上記の実施形態では、集光手段22として、コリメータレンズを用いているが、励起光源21から出射される励起光Lを集光する機能を有するものであればよく、たとえば曲面ミラーを用いることもできる。
【0059】
また、上記の実施形態では、透明部材12に入射した励起光Lを、直接蛍光体13に照射させるように構成されているが、これに限らず、透明部材12に入射した励起光Lを、透明部材と外部空間との界面に対し臨界角以上の入射角で入射させることによって、蛍光体13に照射される前に、該界面で全反射させてから、蛍光体13に照射させるように構成されてもよい。
【0060】
また、上記の実施形態では、黒色に着色された板からなる保護部材14が側面12bに敷設されているが、保護部材14としては、これに限らず、半導体レーザから出射されるレーザ光の波長帯の光のみ透過しない性質を有するフィルタ部材を用いてもよい。この場合、フィルタ部材は、側面12bだけでなく主面12aにも設けることができる。これにより、鑑賞者に臨む主面12aを可視光に対して透明に維持することができ、かつ、万が一レーザ光が主面12aに対し臨界角以下で入射することがあっても、外部への放出を防ぐことができる。
【0061】
図4は、本発明の第2の実施形態の照明装置30の構成を示す斜視図である。本実施形態に係る照明装置30は、第1の実施形態の照明装置10に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0062】
第1の実施形態に係る照明装置10では、蛍光体13は、透明部材12に埋め込まれることによって保持されていたが、本実施形態に係る照明装置30では、平坦な側面12b上に載置することによって保持されるように構成されている。
【0063】
したがって、蛍光体33は、該側面12b上に載置し易いように、円柱状に形成されている。このように、蛍光体33は、平坦な側面12b上に単に載置されているだけなので、ユーザが手で持ち上げることにより、一側面12b上から容易に離脱させることができる。
【0064】
また、第1の実施形態に係る照明装置10では、側面12bに保護部材14が設けられていたが、本実施形態に係る照明装置30では、かかる保護部材14は設けられていない。したがって、本実施形態に係る照明装置30は、蛍光体33を、一側面12b上における所定の位置、すなわち光源ユニット11からの励起光Lが照射される位置に載置したときに、蛍光体33を発光させることができる。このように周囲に配線および電子回路部品が存在しない側面12b上に蛍光体33を載置するだけで蛍光体33が発光するので、鑑賞者に対して驚きや不思議な感覚を与えることができる。
【0065】
なお、本実施形態においては、蛍光体33が載置される側面12bから励起光Lが外部に出射してしまうことから、人間の目に直接入射しても危険がないようにする必要がある。そこで、励起光源21としてレーザを用いる場合は、光出力を日本工業規格「レーザ製品の放射安全基準」JIS C 6802に記載のClass1に準拠する発振波長および出力とするか、または励起光源21と集光手段22の間にレーザ光を非コヒーレント化するための光学部材である拡散板などを設けることで対応できる。また、励起光源21としてLEDを用いてもよい。
【0066】
図5は、本発明の第3の実施形態の照明装置40の構成を示す斜視図である。図6は、照明装置40に備えられる光源ユニット41の構成を示す断面図である。本実施形態に係る照明装置40は、第1の実施形態の照明装置10に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0067】
第1の実施形態に係る照明装置10では、透明部材12に保持される蛍光体13ごとに励起光源21が設けられていたが、本実施形態に係る照明装置40では、一組の励起光源21および集光手段22を用いて、複数の蛍光体13を発光させるように構成されている。
【0068】
具体的には、本実施形態の光源ユニット41は、一組の励起光源21および集光手段22のほか、励起光源21からの励起光Lを鏡面反射させる反射鏡42と、反射鏡42を所定の軸線J1まわりに回転駆動する駆動部43とを備えている。
【0069】
反射鏡42は、平坦な鏡面が一表面に形成された板状部材であり、前記所定の軸線J1まわりに回転可能に設置される。一組の励起光源21および集光手段22は、この反射鏡42の鏡面に向けて励起光Lを放出するように、筐体23にそれぞれ保持される。
【0070】
駆動部43は、たとえばモータによって実現され、透明部材12に保持されている全ての蛍光体13を照射することができるように、反射鏡42を、予め定める角度範囲(回転角θの範囲)で、前記所定の軸線J1まわりに回動させる。本実施形態では、前記所定の軸線J1は、3つの蛍光体13の配置に応じて、透明部材12の厚み方向に一致するように設定されている。
【0071】
本実施形態に係る照明装置40は、ユーザによるスイッチ操作により電源が投入されると、励起光源21に電力が供給されて、励起光源21から励起光Lが出射されるとともに、駆動部43に電力が供給されて、反射鏡42が回動を開始する。これにより、光源ユニット41から出射される励起光Lは、反射鏡42の回動に伴って、前記予め定める角度範囲で出射方向が連続的に変動する。これにより、一組の励起光源21および集光手段22で、各蛍光体13を順次照射することができる。
【0072】
このように本実施形態によれば、蛍光体13ごとに励起光源21を設ける必要がなく、製造コストを低減することができる。なお、蛍光材料は励起光Lにより励起を受けて発光してから減衰するまでにある程度の時間を要するので、反射鏡42の回動の速度を適宜設定することにより、各蛍光体13を同時に発光させることもできる。
【0073】
図7は、本発明の第4の実施形態の照明装置50に備えられる光源ユニット51の構成を示す断面図である。本実施形態に係る照明装置50は、第3の実施形態の照明装置40に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0074】
第3の実施形態に係る照明装置40では、励起光源21を常時作動させた状態で、反射鏡42を回動することにより励起光Lの出射方向を変化させるように構成されていたが、本実施形態に係る照明装置50では、励起光Lの出射方向が、蛍光体13を照射可能な方向に一致しているときにのみ、励起光源21を作動させるように構成されている。
【0075】
具体的には、本実施形態の光源ユニット51は、一組の励起光源21および集光手段22、反射鏡42、ならびに、駆動部43のほか、反射鏡42の回転角θを検出可能な検出部52と、予め記憶されている制御プログラムに従って、駆動部43および励起光源21の駆動を制御する制御部53とを備えている。
【0076】
検出部52は、ロータリエンコーダなどによって実現され、反射鏡42の回転角θを検出し、検出結果を制御部53へ送信する。制御部53は、制御プログラムに従って駆動部43を動作させるとともに、検出部52から送信される検出結果に基づいて、励起光源21を作動/停止させる。
【0077】
より詳細には、制御部53は、検出部44から送信される検出結果に基づいて、回転角θが予め定める角度(あるいは角度範囲)に一致しているときにのみ、励起光源21に対して電力を供給するような処理を実行する。
【0078】
ここで、予め定める角度(あるいは角度範囲)とは、反射鏡42によって反射された励起光Lによって、蛍光体13を照射することができるときの回転角θのことであり、透明部材12における蛍光体13の配置等に基づいて決定され、制御部53のメモリに予め記憶される。
【0079】
本実施形態に係る照明装置50は、ユーザによるスイッチ操作により電源が投入されると、駆動部43に電力が供給されて、反射鏡42が回動を開始するとともに、反射鏡42の回転角θと前記予め定める角度(あるいは角度範囲)とが一致しているときにのみ、励起光源21が発光し、一致してないときには、電力の供給が遮断されて、励起光源21の動作が停止される。
【0080】
このように本実施形態によれば、反射鏡42の傾きが蛍光体13を照射可能であるか否かに応じて、励起光源21の作動/停止を制御するように構成されているので、励起光源21の消費電力をさらに抑制することができる。
【0081】
図8は、本発明の第5の実施形態の照明装置60の構成を示す斜視図である。図9は、照明装置60に備えられる光源ユニット61の構成を示す断面図である。本実施形態に係る照明装置60は、第4の実施形態の照明装置50に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0082】
第4の実施形態に係る照明装置50では、励起光源21を作動させるときの反射鏡42の回転角θが、制御部53のメモリに予め記憶されていたが、本実施形態に係る照明装置60では、励起光源21を作動させるときの反射鏡42の回転角θを予め記憶させる必要がなく、自動で取得できるように構成されている。
【0083】
具体的には、本実施形態の光源ユニット61は、一組の励起光源21および集光手段22、反射鏡42、駆動部43、検出部52、ならびに制御部53のほか、蛍光体13が発する蛍光fを検出し、検出結果を制御部53へ送信する受光素子62と、受光素子62の前方に設けられ、励起光源21から出射される励起光Lは遮断し、蛍光体13からの蛍光fを透過するフィルタ素子63とを備えている。
【0084】
また、筐体23の一壁面部23bには、蛍光体13からの蛍光fを、筐体23内に保持される受光素子62へ導くための貫通孔23cが形成され、受光素子62およびフィルタ素子63は、該貫通孔23cに臨んで配置されている。
【0085】
本実施形態に係る照明装置60は、励起光源21を作動させるときの反射鏡42の回転角θを取得するための回転角取得モードを有し、ユーザが回転角取得モードを選択することによって、回転角取得処理が開始される。
【0086】
回転角取得処理では、励起光源21を作動させ、励起光Lが出射されている状態で、反射鏡42を所定の回転速度で軸線J1まわりに回動させる。この反射鏡42の回動に伴って励起光Lの出射方向が変動する間に、蛍光体13が照射されると、蛍光体13から蛍光fが発せられる。このときの蛍光fの一部が、貫通孔23cを通過して受光素子62で検出される。
【0087】
制御部53には、受光素子62による検出結果および検出部52による検出結果が送信され、これらに基づいて、所定の閾値を超える蛍光fが検出されたときの反射鏡42の回転角θを取得し、励起光源21を作動させるときの回転角θとして、メモリに記憶する。
【0088】
このように本実施形態によれば、蛍光体13を励起可能な反射鏡42の回転角θを自動的に取得できるように構成されているので、透明部材12において蛍光体13の配置を変更した場合や、光源ユニット61に設置される透明部材12自体を、蛍光体13の配置の異なる別の透明部材に置換した場合であっても、励起光源21の消費電力を抑制することができる。
【0089】
図10は、本発明の第6の実施形態の照明装置70の構成を示す斜視図である。本実施形態に係る照明装置70は、第5の実施形態の照明装置60に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0090】
本実施形態に係る照明装置70は、透明部材12における一側面12bの内面側に鏡面71が形成され、この鏡面71における反射を利用して、死角となる位置に保持されている蛍光体13,33にも、励起光Lを照射することができるように構成されている。
【0091】
このように本実施形態によれば、透明部材12に保持される蛍光体13の設置位置の自由度を向上させることができる。
【0092】
図11は、本発明の第7の実施形態の照明装置80の構成を示す斜視図である。図12は、照明装置80に備えられる光源ユニット81の構成を示す断面図である。図13は、照明装置80における蛍光体85付近の断面図である。本実施形態に係る照明装置80は、第5の実施形態の照明装置60に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0093】
第5の実施形態に係る照明装置60では、蛍光体13が透明部材12に埋め込まれ、励起光Lの出射方向を所定の方向に沿って一次元的に変動させるように構成されていたが、本実施形態に係る照明装置80では、透明部材12の各主面12aにおける適当な位置に貼着されている複数の蛍光体85に対して励起光Lが照射されるように、励起光Lの出射方向を二次元的に変動させるように構成されている。
【0094】
具体的には、本実施形態の光源ユニット81には、反射鏡42を、軸線J1および軸線J1に直交する軸線J2まわりに回動させる駆動部83が設けられている。また、検出部52は、軸線J1まわりの回転角θと軸線J2まわりの回転角φを検出可能に構成されている。また、本実施形態に係る照明装置80は、透明部材12の主面12aおよび側面12bには、第2の実施形態に係る照明装置30と同様に保護部材14を設けず、励起光Lが透明部材12の外部に放出されるように構成されている。また、蛍光体85は、透明部材12に対して容易に貼付・剥離可能に構成されている。
【0095】
このように本実施形態によれば、容易に貼付・剥離可能な蛍光体85を、透明部材12の表面に設置するように構成されているため、蛍光体85の配置の変更や、形状・サイズの異なる別の蛍光体85への変更が容易であり、透明部材12に保持される蛍光体85の設置位置の自由度をさらに向上させることができる。また、このように配置などを変更した場合であっても、励起光源21を作動させるときの回転角を再度容易に取得することができる。
【0096】
なお、本実施形態においても、第2の実施形態に係る照明装置30と同様に側面12bから励起光Lが外部に出射してしまうことから、人間の目に直接入射しても危険がないようにする必要がある。そこで、励起光源21としてレーザを用いる場合は、光出力を日本工業規格「レーザ製品の放射安全基準」JIS C 6802に記載のClass1に準拠する発振波長および出力とするか、または励起光源21と集光手段22の間にレーザ光を非コヒーレント化するための光学部材である拡散板などを設けることで対応できる。また、励起光源21としてLEDを用いてよい。
【0097】
図14は、本発明の第8の実施形態の照明装置90の構成を示す斜視図である。図15は、照明装置90に備えられる光源ユニット91を拡大して示す斜視図である。図16は、図15における切断面S1で切断したときの照明装置90の断面図である。図17は、照明装置90における蛍光体85付近の断面図である。図18は、図15における切断面S2で切断したときの照明装置90の断面図である。本実施形態に係る照明装置90は、第7の実施形態の照明装置80に類似し、同様の構成については同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。
【0098】
第7の実施形態に係る照明装置80では、蛍光体85を透明部材12の主面12aに貼着し、透明部材12の一側面12bを介して励起光Lを透明部材12へ入射させるように構成されていたが、本実施形態に係る照明装置80では、蛍光体85を透明部材12の主面12aに貼着し、いずれか一方の主面12aを介して励起光Lを透明部材12へ入射させるように構成されている。
【0099】
第7の実施形態に係る照明装置80では、一側面12bを介して励起光Lを入射させているので、透明部材12へ入射した励起光Lを蛍光体85に直接照射することが可能であったが、本実施形態では、主面12aを介して励起光Lが透明部材12へ入射されるので、光源ユニット91から離れた位置に貼着されている蛍光体85に励起光Lを照射するためには、透明部材12の内部を全反射させながら導光させる必要がある。
【0100】
たとえば、透明部材12の屈折率が1.5の場合、透明部材12と外部空間(空気)との界面での臨界角は41.8°となるが、空気中から透明部材12へ光を直接入射させてしまうと、入射角を限りなく大きくしたとしても、透明部材12へ入射した励起光Lを、前記界面に対して臨界角以上で入射させることは理論上不可能である。
【0101】
そこで、本実施形態では、図16に示すように、透明部材12と略同等の屈折率を有する導光部材95を、透明部材12の主面12aに密着させて設置し、この導光部材95を介して、励起光源21からの励起光Lを透明部材12へ入射させるように構成されている。
【0102】
具体的には、導光部材95は、平坦な一表面95aと、一表面95aに対して所定の角度で傾斜する傾斜面95bとを有し、一表面95aが透明部材12に臨むように設置される。設置する際には、導光部材95と透明部材12との間に、密着用グリース96を介在させて、両者を密着するのが好ましい。
【0103】
これにより、導光部材95と透明部材12との間に、微小な空気層が形成されてしまうことを防止することができる。密着用グリース96は、導光部材95と略同等の屈折率を有するのが好ましく、たとえば透明なシリコングリースによって実現される。
【0104】
このようにして設置される導光部材95に対し、励起光源21、集光手段22および反射鏡42は、導光部材95の傾斜面95bに対して略垂直に励起光Lを入射させることができるように設置される。
【0105】
なお、本実施形態では、励起光源21として半導体レーザが用いられているため、半導体レーザから出射されるレーザ光を非コヒーレント化するための光学部材である拡散板97が、励起光源21と集光手段22との間に設けられている。
【0106】
また、図18に示すように、蛍光体85から発せられ、透明部材12の内部を全反射しながら導光される蛍光fを、受光素子62によって受光させるために、受光素子62と透明部材12との間にも、導光部材95が密着用グリース96を用いて設置されている。受光素子62およびフィルタ素子63は、導光部材95の傾斜面95bに対向するように設置される。
【0107】
本実施形態に係る照明装置90は、このような構成によって、反射鏡42で反射された励起光Lを、殆ど屈折させることなく透明部材12へ入射させることができる。これにより、透明部材12と空気との界面に対して、臨界角以上の入射角で励起光Lを入射させることが可能となり、光源ユニット91から放出される励起光Lを、透明部材12の面方向に沿って遠方まで導くことができる。したがって、板状の透明部材12における主面12aに光源ユニット91が設置される場合であっても、主面12aに貼着されている蛍光体85に対し、励起光Lを照射することができる。
【0108】
したがって、前述する実施形態と同様に、蛍光体85の周囲に配線および電子回路部品が存在していないにも拘らず、蛍光体85が発光するので、鑑賞者に対して驚きや不思議な感覚を与えることができる。
【0109】
本実施形態によれば、光源ユニット91を透明部材12の側面12bに設置することができないような場合、たとえば既存の建物に設置されているショーウィンドウガラスなどを透明部材12として用いるような場合であっても、単に光源ユニット91と蛍光体85とを透明部材12に取付けるだけで、照明装置90を容易に実現することができる。たとえば、ショーウィンドウガラスを透明部材12として用いる場合には、光源ユニット91および蛍光体85は、店内側に配される主面12aに対して設置される。
【0110】
なお、本実施形態においても、透明部材12の主面12aに対して、光源ユニット91および蛍光体85を設置した後に、前記の回転角取得処理を実行することによって、励起光源21を作動させるときの反射鏡42の回転角を取得しておくことにより、照明装置90の消費電力を可及的に抑制することができる。
【0111】
また、本実施形態によれば、容易に貼付・剥離可能な蛍光体85を、透明部材12の表面に設置するように構成されているため、蛍光体85の配置の変更や、形状・サイズの異なる別の蛍光体への変更も容易である。したがって、設置される蛍光体85の変更が頻繁に求められる可能性のあるショーウィンドウガラスなどへの使用の場合でも、容易に変更することが可能である。
【0112】
また、本実施形態では、レーザ光を非コヒーレント光に変換する光学部材として拡散板97が用いられているが、これに限らず、たとえばフィラーを混入した樹脂を励起光源21の前方に設けてもよい。また、これら光学部材を用いる代わりに、表面が梨地処理された反射鏡42を用いてもよい。あるいは、励起光源21として、半導体レーザではなく、LEDを用いてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 照明装置
11 光源ユニット
12 透明部材
13 蛍光体
14 保護部材
21 励起光源
22 集光手段
23 筐体
L 励起光
f 蛍光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を発する励起光源、前記励起光源から発せられる励起光を集光する集光手段、ならびに前記励起光源および前記集光手段を保持する筐体を含み、指向性を有する励起光を出射する光源ユニットと、
前記励起光源から発せられる励起光に対して透明な透明部材と、
前記透明部材によって保持され、前記励起光源により発せられる励起光によって蛍光を発する蛍光体とを備え、
前記光源ユニットが、前記透明部材を介して前記蛍光体に励起光を照射するように設置されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記集光手段は、前記透明部材に入射される励起光のほぼ全てが前記蛍光体に照射されるように、励起光を集光することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記励起光源は、励起光としてレーザ光を発する半導体レーザであり、
前記集光手段は、レンズまたは曲面ミラーであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記励起光源は、励起光としてレーザ光を発する半導体レーザであり、
前記光源ユニットは、前記半導体レーザから出射されたレーザ光を非コヒーレント光に変換する光学部材をさらに備え、
前記集光手段は、前記光学部材により変換された非コヒーレント光を集光するレンズまたは曲面ミラーであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記励起光源は、発光ダイオードであり、
前記集光手段は、前記発光ダイオードから出射された励起光を集光するレンズであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記励起光源は、370nm以上460nm以下の波長範囲の励起光を発することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記透明部材の外表面における予め定める部分に設けられ、該透明部材の内部へ入射した励起光が、前記予め定める部分を介して外部へ出射するのを防止するための保護部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
前記保護部材は、前記励起光源から発せられる励起光は透過せず、蛍光体から発せられる蛍光を透過する部材であることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記透明部材の内部へ入射した励起光を、蛍光体に照射される前に、該透明部材と外部空間との界面にて全反射させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項10】
前記光源ユニットは、励起光の出射方向を変動させるための反射鏡をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項11】
前記光源ユニットは、前記励起光源から発せられる励起光は透過せず、蛍光体から発せられる蛍光を透過するフィルタ素子と、前記励起光源から発せられる励起光を検出可能な受光素子とをさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項12】
前記透明部材は、厚み方向に垂直な一対の主面と、厚み方向に平行な複数の側面とを有する平板状の部材から成り、
前記光源ユニットは、前記透明部材における一側面を介して励起光が透明部材へ入射するように設置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項13】
前記透明部材は、厚み方向に垂直な一対の主面と、厚み方向に平行な複数の側面とを有する平板状の部材から成り、
前記光源ユニットは、前記透明部材における一主面を介して励起光が透明部材へ入射するように設置され、
前記光源ユニットは、透明部材へ入射した励起光が該透明部材と外部空間との界面にて全反射を繰り返しながら前記主面に沿って進むような角度で、励起光を該透明部材に入射させるための導光部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項1】
励起光を発する励起光源、前記励起光源から発せられる励起光を集光する集光手段、ならびに前記励起光源および前記集光手段を保持する筐体を含み、指向性を有する励起光を出射する光源ユニットと、
前記励起光源から発せられる励起光に対して透明な透明部材と、
前記透明部材によって保持され、前記励起光源により発せられる励起光によって蛍光を発する蛍光体とを備え、
前記光源ユニットが、前記透明部材を介して前記蛍光体に励起光を照射するように設置されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記集光手段は、前記透明部材に入射される励起光のほぼ全てが前記蛍光体に照射されるように、励起光を集光することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記励起光源は、励起光としてレーザ光を発する半導体レーザであり、
前記集光手段は、レンズまたは曲面ミラーであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記励起光源は、励起光としてレーザ光を発する半導体レーザであり、
前記光源ユニットは、前記半導体レーザから出射されたレーザ光を非コヒーレント光に変換する光学部材をさらに備え、
前記集光手段は、前記光学部材により変換された非コヒーレント光を集光するレンズまたは曲面ミラーであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記励起光源は、発光ダイオードであり、
前記集光手段は、前記発光ダイオードから出射された励起光を集光するレンズであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記励起光源は、370nm以上460nm以下の波長範囲の励起光を発することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記透明部材の外表面における予め定める部分に設けられ、該透明部材の内部へ入射した励起光が、前記予め定める部分を介して外部へ出射するのを防止するための保護部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
前記保護部材は、前記励起光源から発せられる励起光は透過せず、蛍光体から発せられる蛍光を透過する部材であることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記透明部材の内部へ入射した励起光を、蛍光体に照射される前に、該透明部材と外部空間との界面にて全反射させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項10】
前記光源ユニットは、励起光の出射方向を変動させるための反射鏡をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項11】
前記光源ユニットは、前記励起光源から発せられる励起光は透過せず、蛍光体から発せられる蛍光を透過するフィルタ素子と、前記励起光源から発せられる励起光を検出可能な受光素子とをさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項12】
前記透明部材は、厚み方向に垂直な一対の主面と、厚み方向に平行な複数の側面とを有する平板状の部材から成り、
前記光源ユニットは、前記透明部材における一側面を介して励起光が透明部材へ入射するように設置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項13】
前記透明部材は、厚み方向に垂直な一対の主面と、厚み方向に平行な複数の側面とを有する平板状の部材から成り、
前記光源ユニットは、前記透明部材における一主面を介して励起光が透明部材へ入射するように設置され、
前記光源ユニットは、透明部材へ入射した励起光が該透明部材と外部空間との界面にて全反射を繰り返しながら前記主面に沿って進むような角度で、励起光を該透明部材に入射させるための導光部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−58410(P2013−58410A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196513(P2011−196513)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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