説明

照明設備の始動制御の方法

【課題】照明設備が実際に運転する際、特に改めて始動する時にフリッカー現象が発生するのを有効に防止する照明設備の始動制御の方法を提供する。
【解決手段】照明設備の始動制御の方法は、主に照明設備が始動、もしくは毎回負荷を調整した時、同時にフリッカー現象が発生するか否かをモニタリング、演算して判断し、更に別に増やす電流補償率を計算して即座に電流を補償し、照明設備にフリッカー現象が発生するのを防止する。更に、次に始動した時、照明設備は前回の正常運転の電流レベルで始動できるので、更に照明設備が始動時に発生するフリッカー現象を防止することができ、且つ節電機能を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明設備の始動制御の技術に関し、特に照明設備が実際に使用される時に於いて、特に改めて始動する時に発生するフリッカー現象を有効に防止する始動制御方法に係わる。
【背景技術】
【0002】
一般の照明設備に使用される光源(例として白熱電球、節電電球)は、ほとんどが出荷工場規格に依る効率で稼動する。そのため、多くの照明設備のほとんどは更に光変調器を設置して照明設備全体の負荷を適時調節し、実際の輝度要求に符合させ、エネルギー節約効果を達成している。しかしながら、照明設備が光変調器で負荷を調整する時、波形が変わるためにライトにフリッカー現象が発生しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾実用新案登録M344700
【特許文献2】台湾特許登録I278587
【特許文献3】台湾特許公開200803622
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、照明設備に光変調器が設置されているか否かに係わらず、一般の照明設備を実際に使用する場合、電流が不安定になってライトのフリッカー現象が発生し、類似の現象として、照明設備が始動する時には特に明らかな現象が表れ、更に照明設備が正常に始動した後、よく発生する。それは全体の照明の品質に影響を与えるだけでなく、肉眼では気づきにくいフリッカー現象は知らず知らずのうち目に疲労を与え、ひどい場合には視力を下げることになる点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
照明設備の始動制御の方法は、主に照明設備が始動、もしくは毎回負荷を調整した時、同時にフリッカー現象が発生するか否かをモニタリング、演算して判断し、更に別に増やす電流補償率を計算して即座に電流を補償し、照明設備にフリッカー現象が発生するのを防止する。更に、次に始動した時、照明設備は前回の正常運転の電流レベルで始動できるので、更に照明設備が始動時に発生するフリッカー現象を防止することができ、且つ節電機能を達成することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の照明設備の始動制御の方法は、下述の利点がある。
効果の一として、フリッカー現象が有るか否かを自動的にモニタリング、演算で判断し、即時電流補償を行うため、積極的手段に依ってフリッカー現象の発生を防止する。
効果の二として、照明設備が使用の要求に応じて負荷を調整すると、フリッカー現象が有るか否かを自動的にモニタリング、演算して判断し、直ぐに電流補償するため、負荷調整に因るフリッカー現象を有効に改善する。
効果の三として、照明設備が使用の要求に応じて負荷を調整すると、次回始動する時には照明設備が前回の正常運転の電流レベルで始動するため、照明設備の始動時に発生するフリッカー現象を更に防止し、節電効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の始動段階の制御フローチャートである。
【図2】本発明を最高レベルで始動した後、負荷を調節する制御フローチャートである。
【図3】本発明のシャットダウン前輝度の記憶したレベルで始動した後の制御フローチャートである。
【図4】本発明のシャットダウン前輝度の記憶したレベルで始動した後、更に負荷を調節する制御フローチャートである。
【図5】本発明の負荷を調節して光線の最低レベルを超えた制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
照明設備が実際に運転する際、特に改めて始動する時にフリッカー現象が発生するのを有効に防止する始動制御方法を提供することを本発明の主な目的とする。
【0009】
上述の目的のため、本発明照明設備の始動制御の方法は、主に照明設備を始動、もしくは毎回負荷を調整した時、交流電源の連続した複数個の波高点を取得して分析、演算する方式により、フリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算し、即座に電流を補償して照明設備がフリッカー現象を発生するのを防止する。更に、次回、始動した時、照明設備は前回の正常運転の電流レベルで始動する。
【0010】
本発明の主な技術内容を更に理解するため、実施方式を図と共に下記に説明する。
【0011】
本発明照明設備の始動制御の方法は、主に照明設備を始動もしくは毎回負荷を調節した時、モニタリング、演算の方式を通してフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算し、即座に電流を補償して照明設備にフリッカー現象が発生するのを防止する。本発明を実施する時、下述の異なる実施方式を含む。
【実施例1】
【0012】
実施例1は、照明設備全体に光変調器を設置しないもので、始動制御方法全体は、下述のステップを含む。
a.照明設備は、光源の最高レベルで始動する。
b.照明設備の光源が正常に始動した後、モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算する。
c.仮にフリッカー現象が発生すると判断した場合、即座に電流を補償してフリッカー現象の発生を防止する。
d.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し、更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとする。
【実施例2】
【0013】
実施例2は、照明設備全体に光変調器を設置するもので、且つ光変調器を稼動したことがないものである。始動制御方法全体は、およそ実施例一と同じで下述のステップを含む。
a.照明設備の光源が始動すると、先ず、シャットダウン前輝度の電流レベルか否かを判断し、もしも、違う場合は光源の最高レベルで始動する。
b.照明設備の光源が正常に始動した後,モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算する。
c.仮にフリッカー現象が発生すると判断した場合、即座に電流を補償してフリッカー現象の発生を防止する。
d.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとする。
【実施例3】
【0014】
実施例3は、図1及び図2が示すとおり、照明設備全体に光変調器を設置し、更に光変調器の運転を始動し、始動制御方法全体は下述のステップを含む。
a.照明設備の光源が始動すると,先ず、シャットダウン前輝度の電流レベルか否かを判断し,もしも、違う場合は光源の最高レベルで始動する。
b.照明設備の光源は正常に始動して負荷を調節し、モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断する,更に別に増やす電流補償率を計算する。
c.仮にフリッカー現象が発生すると判断した場合、負荷の調整を完成した後、該光線レベルを保存して同時に最低の光線レベルに設定する。
d.別に増やす電流補償率を計算して電流を補償し、フリッカー現象の発生を防止する。
e.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとする。
【実施例4】
【0015】
実施例4は、図1及び図3が示すとおり、照明設備全体に光変調器を設置し、更に光変調器を始動した後、改めて照明設備を始動し、更に使用中は光変調器の運転を始動しない。始動制御方法全体は下述のステップを含む。
a.照明設備の光源が始動すると,先ず、シャットダウン前輝度の電流レベルか否かを判断し,もしも照明設備がシャットダウン前輝度電流レベルであれば始動する。
b.照明設備の光源が正常に始動した後,モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算する。
c.仮にフリッカー現象が発生した場合、即座に電流を補償してフリッカー現象の発生を防止する。
d.電流レベルを記憶レベルまで下げ、更に該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持する。
e.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとする。
【実施例5】
【0016】
実施例5は、図1及び図4に示すとおりで、照明設備全体に光変調器を設置し、更に光変調器を始動させた後,改めて照明設備を始動し、更に使用中の場合は改めて光変調器の運転を始動する。始動制御方法全体は下述のステップを含む。
a.照明設備の光源が始動すると,先ず、シャットダウン前輝度の電流レベルか否かを判断し,もしも照明設備がシャットダウン前輝度電流レベルであれば始動する。
b.照明設備の光源が正常に始動して負荷を調節すると、モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算する。
c.仮にフリッカー現象が発生すると判断した場合,更に負荷の調節を完成したと確認した後、該光線レベルを保存して同時に最低の光線レベルに設定する。
d.別に増やす電流補償率を計算し、電流を補償し、フリッカー現象の発生を防止する。
e.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとする。
【0017】
上述の実施例3及び実施例5の始動制御の過程に於いて、仮に照明設備全体が正常に始動すると、光変調器が始動して負荷を調整し、照明設備を前回始動した時に記憶した最低光線レベルを超える。更にフリッカーが発生しない時には図5の実施例5に示すとおり、調節方向の変更に合わせて負荷の調整を完成したと確定した後、該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとする。
【0018】
更に、上述は異なる実施例の始動制御モジュールに於いて、アナログ/デジタルコンバータを通して、交流電源の連続した数個の波高点をモニタリングする。更にこの複数個の波高点を分析して最高及び最低の波高点値を見つけ出し、更にフリッカーが発生するか否かのスクリプト値、及びフリッカー現象を消去するのに必要な別に増やす電流補償率を演算して判断する。
【0019】
上述の異なる実施例の始動制御モジュール説明ではっきりと理解できたと思うが、本発明の照明設備が使用の必要に応じて負荷を調整すると、同時にフリッカー現象が発生するか否か、自動的にモニタリング、演算、判断し、即座に電流補償を行い、負荷を調整することに依ってフリッカー現象を有効に改善することができる。更に照明設備が使用の必要に応じて負荷を調整すると、次回始動時には照明設備は前回の正常運転の電流レベルで始動するため、照明設備が始動した時のフリッカー現象の発生を防止し、エネルギーを節約する効果がある。
【0020】
上述に示すとおり、本発明は照明設備の実行可能な始動制御方法を提供し、発明特許を請求する。しかしながら、以上の実施説明及び図は本発明の良好な実施例であり、本発明を制限するものではない。依って、本発明の構造、装置、特徴等に近似、雷同するものはすべて本発明の目的及び請求範囲に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明設備の始動制御の方法において、
a.照明設備は、光源の最高レベルで始動し、
b.照明設備の光源が正常に始動した後,モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算し、
c.仮にフリッカー現象が発生した場合、即座に電流を補償してフリッカー現象の発生を防止し、
d.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとするというステップを含むことを特徴とする照明設備の始動制御の方法。
【請求項2】
照明設備の始動制御の方法において,
a.照明設備は、光源の最高レベルで始動し、
b.照明設備の光源は正常に始動して負荷を調整し、モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算し、
c.仮にフリッカー現象が発生すると判断した場合、即座に電流を補償してフリッカー現象の発生を防止し、
d.負荷の調整が完成したことを確定すると、該光線レベルを保存すると同時に最低の光線レベルに設定し、
e.別に増やす電流補償率を計算して電流を補償し、
f.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとするというステップを含むことを特徴とする照明設備の始動制御の方法。
【請求項3】
照明設備の始動制御の方法において、
a.照明設備は、シャットダウン前輝度の電流レベルで始動し、
b.照明設備の光源が正常に始動した後,モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算し、
c.仮にフリッカー現象があると判断した場合、更に負荷の調整が完成したと確定した後、該光線レベルを保存して同時に最低の光線レベルに設定し、
d.別に増やす電流補償率を計算して電流を補償し、フリッカー現象の発生を防止し、
e.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとするというステップを含むことを特徴とする照明設備の始動制御の方法。
【請求項4】
照明設備の始動制御の方法において、
a.照明設備はシャットダウン前輝度の電流レベルで始動し、
b.照明設備の光源は、正常に始動して負荷を調整し,モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算し、
c. 仮にフリッカー現象があると判断した場合、負荷の調整が完成したと確定した後、該光線レベルを保存して同時に最低の光線レベルに設定し、
d.別に増やす電流補償率を計算して電流を補償し、フリッカー現象の発生を防止し、
e.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとするというステップを含むことを特徴とする照明設備の始動制御の方法。
【請求項5】
照明設備の始動制御の方法において、
a.照明設備シャットダウン前輝度の電流レベルで始動し、
b.照明設備の光源が正常に始動した後,モニタリング、演算方式でフリッカー現象が発生するか否かを判断し、更に別に増やす電流補償率を計算し、
c.仮にフリッカー現象が発生すると判断した場合、即座に電流を補償してフリッカー現象の発生を防止し、
d.電流レベルを記憶した電流レベルまで下げ、更に該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し、
e.該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとするというステップを含むことを特徴とする照明設備の始動制御の方法。
【請求項6】
前記照明設備の始動制御の方法は、アナログ/デジタルコンバータを通して交流電源の連続した複数個の波高点をモニタリングし、更に該複数個の波高点を分析して最高及び最低の波高点値を探し出し、フリッカーが発生するかどうかを判断するスクリプト値、及びフリッカー現象を消去するのに必要な別に増やす電流補償率を演算するというステップを含むことを特徴とする請求項1、2、3、4もしくは5記載の照明設備の始動制御の方法。
【請求項7】
前記照明設備の光源は、始動すると,先ずシャットダウン前輝度の電流レベルか否かを判断し、該照明設備のシャットダウン前輝度の電流レベルで始動するか、もしくは最高レベルで始動するかを決定するというステップを含むことを特徴とする請求項1、2、3、4もしくは5記載の照明設備の始動制御の方法。
【請求項8】
前記照明設備は、正常に始動した後、再び負荷を調整するので、それによって前回始動した時に記憶した最低光線レベルを超え、更にフリッカーが発生しない時には調整方向の変更に合わせて負荷の調整が完成したと確定した後,該電流レベルで停めて照明設備全体の正常運転を維持し,更に該電流レベルを保存して次回の照明設備を始動する時の電流レベルとするというステップを含むことを特徴とする請求項2もしくは4記載の照明設備の始動制御の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−86942(P2010−86942A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143842(P2009−143842)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(508306602)云辰電子開發股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】