説明

熱交換形換気装置

【課題】家庭の台所や業務用厨房などにおいて使用される熱交換形換気装置において、室内へ伝わる換気装置の動作音の低減を目的とする。
【解決手段】排気ファン16と給気ファン17と吸熱器10と放熱器11とを天井裏空間7に設置する本体14に備える構成にしたことにより、排気ファン16および給気ファン17の騒音を吸熱器10および放熱器11でそれぞれ低減し、また、吸熱器10および放熱器11を室内空間1から放したことで、吸熱器10および放熱器11にて発生する騒音が室内空間1へ伝わることを抑制して、低騒音の熱交換形換気装置を得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家庭の台所や業務用厨房などの空間に浮遊する油を排気する排気流と、室外の空気を室内へ給気する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年住宅の高気密化に伴い、家庭の台所や業務用厨房などの換気システムには、汚染空気を浄化して排気するという機能のみならず、排気と同風量の給気を行なうことが求められている。一方で、特に冬または寒冷地においては、室内の暖かい空気を排気し、室外の冷たい空気を給気することで、暖房負荷を増大させるという課題が存在した。
【0003】
これらの要求・課題を解決するために、給排気経路間で熱交換を行う熱交換形換気装置が開発されてきた。従来、この種の熱交換形換気装置は、屋内に設置されたフード内にファンと熱交換器を設けているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、特許文献1に示す熱交換形換気装置について、図4を参照しながら説明する。
【0005】
台所のガスレンジ等の上部に設けられた外筐101に、排気用送風機106、給気用送風機109と熱交換器105が配設されている。給気流は、給気口108より熱交換器105を通過して、給気風路110を通過して室内側の吹出口111より室内に供給される。また、排気流はフィルタ103により油等が除去され熱交換器105を介して排気用送風機106により排出口107より室外に排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭58−27331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の熱交換形換気装置においては、特許文献1に例示したように外筐内部に排気用送風機と給気用送風機と熱交換器とが設けられている。
【0008】
このような従来の熱交換形換気装置は通常室内に備えられている。そのため、調理時等の際、大風量で換気を行なうと、排気用送風機と給気用送風機が共に大きな騒音源となるという課題を有していた。
【0009】
さらに、排気用送風機と給気用送風機と熱交換器とを室内に備えることから、室内空間と熱交換器との距離が短く、熱交換器への流入・流出部において発生する風切り音が騒音源となるという課題を有していた。
【0010】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、ガスレンジ等の上部に設置する台所用の換気装置であって、騒音の小さな熱交換形換気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、この目的を達成するために、本発明は、室内に設置され、室内空気吸込口と外気給気口と第一接続口と第二接続口とを有し、室内空気吸込口と第一接続口が連通し、外気給気口と第二接続口が連通するフード部位を備え、天井裏空間に設置され、本体と排気ファンと給気ファンと室内空気排気口と外気吸込口と吸熱器と放熱器と冷媒管とを有し、第一接続口と連通する第三接続口と第二接続口と連通する第四接続口とを有する本体を備えた熱交換形換気装置であって、第三接続口から本体内部へ吸い込んだ室内の空気が、吸熱器を通過した後に排気ファンを通過して室内空気排気口へ導風され、外気吸込口から本体内部へ吸い込んだ外気が給気ファンを通過した後に放熱器を通過して第四接続口へ導風され、吸熱器と放熱器が冷媒管で接続されている構成を特徴とする熱交換形換気装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、室内に設置され、室内空気吸込口と外気給気口と第一接続口と第二接続口とを有し、室内空気吸込口と第一接続口が連通し、外気給気口と第二接続口が連通するフード部位を備え、天井裏空間に設置され、本体と排気ファンと給気ファンと室内空気排気口と外気吸込口と吸熱器と放熱器と冷媒管とを有し、第一接続口と連通する第三接続口と第二接続口と連通する第四接続口とを有する本体を備えた熱交換形換気装置であって、第三接続口から本体内部へ吸い込んだ室内の空気が、吸熱器を通過した後に排気ファンを通過して室内空気排気口へ導風され、外気吸込口から本体内部へ吸い込んだ外気が給気ファンを通過した後に放熱器を通過して第四接続口へ導風され、吸熱器と放熱器が冷媒管で接続されている構成にした。
【0013】
この構成により、排気ファンおよび給気ファンを天井裏に設置したことで、排気ファンおよび給気ファンと室内空間との距離を離すことができるため、その距離を伝わっている間に音の減衰が生じ、室内空間へ伝わるファン騒音を低減させることができるという効果を得ることができる。
【0014】
また、排気ファンおよび給気ファンと室内空間との間にそれぞれ吸熱器および放熱器を備えたことで、排気ファンおよび給気ファンから発生した音が吸熱器および放熱器を通過する時に乱反射し、反射面に音エネルギーの一部が吸収されることで音エネルギーの減衰が生じるため、室内空間へ伝わるファン騒音を吸熱器および放熱器によって低減させることができるという効果を得ることができる。
【0015】
その上、吸熱器および放熱器を天井裏へ設置したことで、熱交換器と室内空間との距離を離すことができるため、その距離を伝わっている間に音の減衰が生じ、室内空間へ伝わる熱交換器への流入・流出部において発生する風切り音を低減できるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1の熱交換形換気装置を示す断面図
【図2】本発明の実施の形態1における吸熱器断面を示す断面図
【図3】本発明の実施の形態1の熱交換器位置変更後を示す断面図
【図4】従来の熱交換器ユニットを示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の請求項1記載の熱交換形換気装置は、室内に設置され、室内空気吸込口と外気給気口と第一接続口と第二接続口とを有し、室内空気吸込口と第一接続口が連通し、外気給気口と第二接続口が連通するフード部位を備え、天井裏空間に設置され、本体と排気ファンと給気ファンと室内空気排気口と外気吸込口と吸熱器と放熱器と冷媒管とを有し、第一接続口と連通する第三接続口と第二接続口と連通する第四接続口とを有する本体を備えた熱交換形換気装置であって、第三接続口から本体内部へ吸い込んだ室内の空気が、吸熱器を通過した後に排気ファンを通過して室内空気排気口へ導風され、外気吸込口から本体内部へ吸い込んだ外気が給気ファンを通過した後に放熱器を通過して第四接続口へ導風され、吸熱器と放熱器が冷媒管で接続されている構成を有する。
【0018】
この構成により、排気ファンおよび給気ファンを天井裏に設置したことで、排気ファンおよび給気ファンと室内空間との距離を離すことができるため、その距離を伝わっている間に音の減衰が生じ、室内空間へ伝わるファン騒音を低減させることができるという効果を得ることができる。
【0019】
また、排気ファンおよび給気ファンと室内空間との間にそれぞれ吸熱器および放熱器を備えたことで、排気ファンおよび給気ファンから発生した音が吸熱器および放熱器を通過する時に乱反射し、反射面に音エネルギーの一部が吸収されることで音エネルギーの減衰が生じるため、室内空間へ伝わるファン騒音を吸熱器および放熱器によって低減させることができるという効果を得ることができる。
【0020】
その上、吸熱器および放熱器を天井裏へ設置したことで、熱交換器と室内空間との距離を長くとることができ、その距離を伝わっている間に音の減衰が生じ、室内へ伝わる熱交換器への流入・流出部において発生する風切り音を低減できるという効果を得ることができる。
【0021】
また、吸熱器が少なくとも1本の冷媒管と少なくとも2枚以上の吸熱フィンから構成されており、第三接続口から排気ファンへ導風される室内の空気の風向が、吸熱器内部で屈曲するように吸熱フィンを設けたことを特徴とする構成としてもよい。
【0022】
この構成により、排気ファンから発生した音が吸熱器を通過する時に、吸熱フィンに当たって反射する回数が増加するため、反射面に音エネルギーの一部が吸収されることによる音エネルギー減衰の回数が増加し、吸熱器によって排気ファンの騒音をより低減することができる。
【0023】
また、吸熱器において吸熱フィンの排気ファンに近い端面が排気ファンに遠い端面より鉛直下方に位置し、第三接続口から吸熱器へ導風される室内の空気の風向が、吸熱器内部で鉛直下方へ曲げられることを特徴とする構成としてもよい。
【0024】
吸熱器を通過する油には、排気内部を浮遊する油滴が吸熱フィン表面に衝突して捕集される慣性力効果と、吸熱器から放熱器へ熱が輸送されることで、吸熱フィン表面において空気が冷却され、油滴が発生・成長することで吸熱フィン表面に付着する冷却効果の2種類の効果が生じる。
【0025】
これらの効果により吸熱フィン表面へ捕集された油は、この構成により、重力および風圧によって、吸熱フィン表面から排出されるため、吸熱フィン表面の油汚れを抑制できる。このことにより、油汚れによる吸熱フィンの目詰まりを抑制することができるため、単位体積あたりの吸熱フィンの配置間隔を詰めて、吸熱フィンの密集度を上げることができる。吸熱フィンの密集度を上げることで、吸熱器内部での音の反射部位を増加させ、反射面に音エネルギーの一部が吸収されることで、吸熱器によって排気ファンの騒音をより低減することができるという効果を得ることができる。
【0026】
また、吸熱フィンの寸法が少なくとも2種類以上あることを特徴とする構成としてもよい。
【0027】
この構成により、並んだ吸熱フィンで吸熱器を構成したときに、吸熱器の各表面の少なくとも1面に吸熱フィンの端面が揃っていない面が生じることから吸熱器表面の凹凸が増加する。このため、音の反射面が増加し、より音が減衰しやすくなるため、吸熱器によって排気ファンの騒音をより低減することができるという効果を得ることができる。
【0028】
また、吸熱フィンが互いに平行でないことを特徴とする構成としてもよい。
【0029】
この構成により、吸熱フィンが互いに平行には並ばないため、吸熱フィンの間を音が通過するときに吸熱フィンで音が反射する可能性が増加し、より音が減衰しやすくなるため吸熱器によって排気ファンの騒音をより低減することができるという効果を得ることができる。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1および図2に本実施の形態における熱交換形換気装置の断面図を示す。図2は図1の吸熱器部分の拡大図である。
【0032】
本実施の形態における熱交換形換気装置は、室内空間1に設置され、室内空気吸込口2と外気給気口3と第一接続口4と第二接続口5とを有し、室内空気吸込口2と第一接続口4が連通し、外気給気口3と第二接続口5が連通するフード部位6を備える。
【0033】
さらに、天井裏空間7に設置され、室内空気排気口8と外気吸込口9と吸熱器10と放熱器11とを有し、第一接続口4と連通する第三接続口12と第二接続口5と連通する第四接続口13とを有する本体14を備えている。
【0034】
ガスレンジ15から調理によって発生した熱い空気は室内空気吸込口2からフード部位6に吸い込まれ、第一接続口4および第三接続口12を通過して本体14内部に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、吸熱器10を通過した後に排気ファン16を通過して室内空気排気口8から排気される。外気吸込口9から本体14内部へ吸い込んだ外気は、給気ファン17を通過した後に放熱器11を通過して第四接続口13と第二接続口5を通過した後にフード部位6へ導風され、外気給気口3から室内へ給気される。
【0035】
吸熱器10と放熱器11とは冷媒管18で接続されており、吸熱器10で熱を吸収して蒸気となった冷媒が放熱器11へ移行し、放熱器11で熱を放出して液体となって吸熱器10へ送られるという構成により、給気と排気の間で熱交換が行なわれる。
【0036】
図2に示したように吸熱器10は、例えばアルミ製の冷媒管18と鉛直下方向に傾きを持ち、複数枚並んだ例えばアルミ製の吸熱フィン20で構成され、第三接続口12から本体14へ吸い込まれた排気は、吸熱フィン20に接触し、鉛直下方向に傾きを持って吸熱器10より吹き出す。
【0037】
吸熱フィン20は、幅方向および奥行き方向に長いものと短いものが交互に冷媒管18によって貫かれており、排気ファン16に近い側の吸熱フィン20の間隔が、遠い側の間隔よりも狭い構成となっている。
【0038】
本明細書では、図1に示したように、天井19を境として、天井19より下の空間を室内空間1、天井19より上の空間を天井裏空間7とする。また、吸熱器10および放熱器11を合わせて熱交換器と呼称する。さらに、図1の天井19と平行な方向を幅方向、図1の天井と垂直な方向を高さ方向もしくは厚み方向、図1を垂直に貫く方向を奥行き方向と規定する。
【0039】
これらの構成により、排気ファン16および給気ファン17を天井裏空間7に設置したことで、排気ファン16および給気ファン17と室内空間1との距離を離すことができるため、その距離を伝わっている間に音の減衰が生じ、室内空間1へ伝わるファン騒音を低減させることができるという効果を得ることができる。
【0040】
また、排気ファン16および給気ファン17と室内空間1との間にそれぞれ吸熱器10および放熱器11を備えたことで、排気ファン16および給気ファン17から発生した音が吸熱器10および放熱器11を通過する時に乱反射し、反射面に音エネルギーの一部が吸収されることで音エネルギーの減衰が生じるため、室内空間1へ伝わるファン騒音を吸熱器10および放熱器11によって低減させることができるという効果を得ることができる。
【0041】
その上、吸熱器10および放熱器11を天井裏空間7へ設置したことで、吸熱器10および放熱器11と室内空間1との距離を離すことができるため、その距離を伝わっている間に音の減衰が生じ、室内空間1へ伝わる吸熱器10および放熱器11への流入・流出部において発生する風切り音を低減できるという効果を得ることができる。
【0042】
さらに、吸熱器10が、鉛直下方向に傾きを持ち複数並んだ吸熱フィン20で構成され、排気が風向を下方へ変化させて通過するように構成したことによって、音が排気ファン16から室内空間1に抜けるまでの間により多くの回数反射することになり、反射による音エネルギーの減衰回数が増加して、より効果的に騒音を低減することができる。
【0043】
また、前述のように吸熱器10を通過する油は、慣性力効果と冷却効果により吸熱フィン20表面へ捕集され、重力および風圧によって、吸熱フィン20表面から排出される。このため、吸熱フィン20の配置間隔を狭めること、一例として、通常4mm程度の吸熱フィン20間隔を2mmにすること、が可能となる。このことで、吸熱フィン20へ音が反射する確率を増加させ、その分反射面に音エネルギーの一部が吸収されやすくなるため、より効果的に騒音を低減することができる。
【0044】
その上、吸熱フィン20は、幅方向および奥行き方向に長いものと短いものが交互に冷媒管18によって貫かれているため、吸熱器10の面をみると、図2に示したように、長い吸熱フィン20が凸面、短い吸熱フィン20が凹面となって、吸熱器10の面の凹凸がより多い構成となっている。このことで、吸熱器10へ伝わる音の吸熱器10での反射を増加させ、その分音のエネルギーが減衰しやすくなるため、より効果的に騒音を低減することができる。
【0045】
そして、排気ファン16に近い側の吸熱フィン20の間隔が、遠い側の吸熱フィン20の間隔よりも狭いため、排気ファン16にて発生した音が吸熱器10表面で反射されやすく、また、吸熱器10内部での反射回数も増加するため、音の乱反射を増加させ、その分反射面に音エネルギーの一部が吸収されることで音のエネルギーが減衰するため、より効果的に騒音を低減することができる。
【0046】
同様に、給気ファン17によって発生する騒音の一部は給気と同方向に放熱器11を通過して外気給気口3から室内空間1に届く。従来の構成では、直接室内空間1に響いていた騒音が、本構成では放熱器11を通過し、フード部位6を通過した後に室内空間1へ届くため、排気ファン16と同じ理由により室内空間1に届く給気ファン17の騒音を抑制することができる。
【0047】
その上、吸熱器10および放熱器11を天井裏空間7に設置するため、室内空間1と吸熱器10および放熱器11との距離を、フード部位6の分だけ長く取ることができ、そのフード部位6の分の距離を伝わっている間に音の減衰が生じ、室内空間1へ伝わる吸熱器10および放熱器11で発生する風切り音を低減することができる。
【0048】
なお、図1では、吸熱器10と放熱器11が2本の冷媒管18で接続された構成としたが、吸熱器10と放熱器11が1本の冷媒管18で接続され、冷媒管18内部にウイックが備えられており、1本で冷媒蒸気の輸送と冷媒液体の輸送を行なう構成としてもその効果に差異は生じない。
【0049】
なお、図1では、吸熱器10と放熱器11が2本の冷媒管18で接続され、それぞれの冷媒管18内部を冷媒蒸気と冷媒液体が移動する構成としたが、冷媒管18内部を冷媒蒸気のみ、あるいは冷媒液体のみが移動する構成としてもその効果に差異は生じない。
【0050】
なお、図1では、吸熱器10と放熱器11の組が2組の図を示したが、1組以上あればよく、組数を増やすことは、吸音部位を増やすことになるためより好適である。
【0051】
なお、図1では、吸熱器10と放熱器11の組が鉛直方向に整列しているが、鉛直方向に整列している必要は無く、図3に示したように、位置をずらしても良い。この構成では、風路の急拡大急縮小箇所が増加するため、騒音低減策としてはより好適である。
【0052】
なお、図1では、外気給気口3がガスレンジ15の正面に吹出す構成であるが、フード部位6に含まれていればその位置の差異による効果の差異は生じない。
【0053】
なお、図1ではガスレンジ15を示したが、ガスレンジ15が無くともその効果の差異は生じない。
【0054】
なお、請求項2から5では吸熱器10について記載したが、放熱器11も同様の構成となることで、給気ファン17の騒音低減の効果が生じるためより好適である。
【0055】
なお、実施の形態1では、吸熱フィン20および冷媒管18をアルミ製と記載したが、伝熱性を持ち、油に強い材質であればよく、例えば銅やステンレスでもよい。また、吸熱フィン20と冷媒管18の材質が異なってもその効果に差異を生じない。
【0056】
なお、実施の形態1では、吸熱フィン20は、幅方向および奥行き方向に長いものと短いものが交互に冷媒管18によって貫かれる構成としたが、吸熱フィン20の幅方向・奥行き方向のいずれか少なくとも1つの寸法が2種類以上の長さ寸法からなるものであれば効果を得ることができ、吸熱器10の表面の凹凸が大きくなる組み合わせほど好適である。
【0057】
なお、実施の形態1では、排気ファン16に近い側の吸熱フィン20の間隔が、遠い側の間隔よりも狭い構成としたが、排気ファン16に近い側の吸熱フィン20の間隔が、遠い側の間隔よりも広い構成であっても、音の反射回数は増加するため、その効果に差異を生じない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明にかかる熱交換形換気装置は、室内へ伝わる熱交換形換気装置内部で発生した騒音を低減することを可能とするものであるので、例えば家庭の台所や業務用厨房などの空間に浮遊する油を排気する排気流と、室外の空気を室内へ給気する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置等として有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 室内空間
2 室内空気吸込口
3 外気給気口
4 第一接続口
5 第二接続口
6 フード部位
7 天井裏空間
8 室内空気排気口
9 外気吸込口
10 吸熱器
11 放熱器
12 第三接続口
13 第四接続口
14 本体
15 ガスレンジ
16 排気ファン
17 給気ファン
18 冷媒管
19 天井
20 吸熱フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に設置され、室内空気吸込口と外気給気口と第一接続口と第二接続口とを有し、室内空気吸込口と第一接続口が連通し、外気給気口と第二接続口が連通するフード部位を備え、天井裏空間に設置され、本体と排気ファンと給気ファンと室内空気排気口と外気吸込口と吸熱器と放熱器と冷媒管とを有し、第一接続口と連通する第三接続口と第二接続口と連通する第四接続口とを有する本体を備えた熱交換形換気装置であって、第三接続口から本体内部へ吸い込んだ室内の空気が、吸熱器を通過した後に排気ファンを通過して室内空気排気口へ導風され、外気吸込口から本体内部へ吸い込んだ外気が給気ファンを通過した後に放熱器を通過して第四接続口へ導風され、吸熱器と放熱器が冷媒管で接続されている構成を特徴とする熱交換形換気装置。
【請求項2】
吸熱器が少なくとも1本の冷媒管と少なくとも2枚以上の吸熱フィンから構成されており、第三接続口から排気ファンへ導風される室内の空気の風向が、吸熱器内部で屈曲するように吸熱フィンを設けたことを特徴とする構成を特徴とする請求項1記載の熱交換形換気装置。
【請求項3】
吸熱器において吸熱フィンの排気ファンに近い端面が排気ファンに遠い端面より鉛直下方に位置し、第三接続口から吸熱器へ導風される室内の空気の風向が、吸熱器内部で鉛直下方へ曲げられることを特徴とする構成を特徴とする請求項2に記載の熱交換形換気装置。
【請求項4】
吸熱フィンの寸法が少なくとも2種類以上ある構成を特徴とする請求項2または3のいずれか一項に記載の熱交換形換気装置。
【請求項5】
吸熱フィンが互いに平行でないことを特徴とする構成を特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の熱交換形換気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−100952(P2013−100952A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245143(P2011−245143)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)