説明

熱交換形換気装置

【課題】家庭の台所や業務用厨房などにおいて使用される熱交換形換気装置において、換気装置のメンテナンス性の向上を目的とする。
【解決手段】ガスレンジ11の下部に排気経路1と給気経路2とが交差せずに熱交換板7を介して接する顕熱交換部8を備える構成にしたことにより、顕熱交換部8が使用者より下部に来ることでメンテナンスしやすくなり、また、熱交換用の部材が熱交換板7という簡易的な構造のものとできるので、清掃しやすく、メンテナンス性が向上した熱交換形換気装置を得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家庭の台所や業務用厨房などの空間に浮遊する油を排気する排気流と、室外の空気を室内へ給気する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年住宅の高気密化に伴い、家庭の台所や業務用厨房などの換気システムには、汚染空気を浄化して排気するという機能のみならず、排気と同風量の給気を行なうことが求められている。一方で、特に冬または寒冷地においては、室内の暖かい空気を排気し、室外の冷たい空気を給気することで、暖房負荷を増大させるという課題が存在した。
【0003】
これらの要求・課題を解決するために、給排気経路間で熱交換を行う熱交換形換気装置が開発されてきた。従来、この種の熱交換形換気装置は、給気経路と排気経路を備え、給気経路と排気経路の交差する空間に熱交換器を設けているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、特許文献1に示す熱交換形換気装置について、図3を参照しながら説明する。
【0005】
上面に調理器101を配置した調理台102の後方上部に設けた吸込口103を有する通風路104と、通風路104が接続される排気ダクト105と、調理台102の前面下部に設けた吐出口106を有する外気を給気する給気ダクト107を備えている。給気ダクト107と通風路104は交差している交差部位があり、その交差部位に熱交換器108を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平1−247934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の熱交換形換気装置においては、特許文献1に例示したように給気ダクトと排気ダクトの交差する部位に熱交換器が設けられている。
【0008】
そのため、熱交換器は給気経路および排気経路両方の風路を形成することと、給気経路と排気経路との間で熱交換を行なう構成であることが必須条件であり、通常、伝熱板を積層した静止型熱交換器か、円盤状の蓄熱体が回転する回転式熱交換器が備えられている。
【0009】
こういった風路の交差部位に設けられる従来の熱交換器は熱交換機能を持つために熱交換器内部で冷却された排気に含まれる油分が熱交換器に付着しやすく、かつ、排気経路および給気経路をその内部に備えるため構造が複雑である。そのため熱交換器は、油が付着しやすいにもかかわらず付着した油を除去しにくい部品であり、熱交換形換気装置のメンテナンス性を損ねるという課題を有していた。
【0010】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、家庭の台所や業務用厨房などに設置される熱交換形換気装置であって、メンテナンス性の良い熱交換形換気装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、この目的を達成するために、本発明は、加熱調理器具近傍の室内空気を吸引し室外へ排気する排気経路と、外気を室内へ給気する給気経路を備え、前記室内空気を吸引する室内空気吸込口と、吸引した前記室内空気を排気する排気ファンと、前記外気を取り込む給気ファンと、前記外気を室内へ給気する室内給気口とを備え、前記排気経路と前記給気経路とが交差せずに少なくとも1枚の熱交換板を介して接する顕熱交換部を前記加熱調理器具より下部に備え、前記顕熱交換部内で前記排気経路を流れる排気が前記熱交換板へ吹き付けられる構成を特徴とする熱交換形換気装置であり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加熱調理器具近傍の室内空気を吸引し室外へ排気する排気経路と、外気を室内へ給気する給気経路を備え、前記室内空気を吸引する室内空気吸込口と、吸引した前記室内空気を排気する排気ファンと、前記外気を取り込む給気ファンと、前記外気を室内へ給気する室内給気口とを備え、前記排気経路と前記給気経路とが交差せずに少なくとも1枚の熱交換板を介して接する顕熱交換部を前記加熱調理器具より下部に備え、前記顕熱交換部内で前記排気経路を流れる排気が前記熱交換板へ吹き付けられる構成とした。
【0013】
この構成により、顕熱交換部において給気経路と排気経路とが交差していないことから、顕熱交換部を単純な構造、例えば給気経路の一部と排気経路の一部とを同時に構成する1枚の熱交換板でもその効果を得ることができるため、従来の熱交換器に比べて簡易的な形状とすることができる。
【0014】
顕熱交換部において加熱調理器具近傍の室内空気が熱交換板に吹き付けられる際に、室内空気内部を浮遊する油滴が吸熱フィン表面に衝突して捕集される慣性力効果が働くことで、熱交換板表面で油滴が捕集できる。さらに、熱交換板が給気経路に接していることで熱交換板が給気により冷却され、熱交換板表面において室内空気が冷却されることで油滴が凝縮・成長し、熱交換板表面に付着する冷却効果によっても油滴が捕集できる。
【0015】
前述のように顕熱交換部を簡易的な形状とすることで、これら捕集した油滴を除去するために、簡単に熱交換板表面全体を拭くことができるため、メンテナンス性に優れた顕熱交換部を得ることができる。
【0016】
さらに、加熱調理器具上表面より下部に顕熱交換部を備えることで、例えば熱交換板を拭く作業時や熱交換板を取り外す作業時等の、熱交換板に接触する作業時に仰向けになる必要性がなくなるため、作業姿勢が楽になるメンテナンス性に優れた顕熱交換部を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1の熱交換形換気装置を示す断面図
【図2】本発明の実施の形態1における顕熱交換部断面を示す断面図
【図3】従来の熱交換器ユニットを示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の請求項1記載の熱交換形換気装置は、加熱調理器具近傍の室内空気を吸引し室外へ排気する排気経路と、外気を室内へ給気する給気経路を備え、前記室内空気を吸引する室内空気吸込口と、吸引した前記室内空気を排気する排気ファンと、前記外気を取り込む給気ファンと、前記外気を室内へ給気する室内給気口とを備え、前記排気経路と前記給気経路とが交差せずに少なくとも1枚の熱交換板を介して接する顕熱交換部を前記加熱調理器具より下部に備え、前記顕熱交換部内で前記排気経路を流れる排気が前記熱交換板へ吹き付けられる構成を有する。
【0019】
この構成により、顕熱交換部において給気経路と排気経路とが交差していないことから、顕熱交換部を単純な構造、例えば給気経路の一部と排気経路の一部とを同時に構成する1枚の熱交換板でもその効果を得ることができるため、従来の熱交換器に比べて簡易的な形状とすることができる。
【0020】
顕熱交換部において加熱調理器具近傍の室内空気が熱交換板に吹き付けられる際に、室内空気内部を浮遊する油滴が吸熱フィン表面に衝突して捕集される慣性力効果が働くことで、熱交換板表面で油滴が捕集できる。さらに、熱交換板が給気経路に接していることで熱交換板が給気により冷却され、熱交換板表面において室内空気が冷却されることで油滴が凝縮・成長し、熱交換板表面に付着する冷却効果によっても油滴が捕集できる。
【0021】
前述のように顕熱交換部を簡易的な形状とすることで、これら捕集した油滴を除去するために、簡単に熱交換板表面全体を拭くことができるため、メンテナンス性に優れた顕熱交換部を得ることができる。
【0022】
さらに、加熱調理器具上表面より下部に顕熱交換部を備えることで、例えば熱交換板を拭く作業時や熱交換板を取り外す作業時等の、熱交換板に接触する作業時に仰向けになる必要性がなくなるため、作業姿勢が楽になるメンテナンス性に優れた顕熱交換部を得ることができる。
【0023】
また、顕熱交換部が上下に2枚重ねの熱交換板で構成されており、上方の熱交換板の形状が皿状であって、かつ、排気経路内に備えられており、前記顕熱交換部において少なくとも下方の熱交換板により給気経路と排気経路とを仕切る構成としてもよい。
【0024】
この構成により、排気経路を流れる室内空気は、上方の板に衝突して冷却されるので、室内空気に含まれる油は上方の熱交換板に付着する。付着した油は、上方の熱交換板が皿状の構造であることにより、上方の熱交換板の上に油を蓄積させることができる。
【0025】
ここで、下方の熱交換板を給気経路と排気経路とを隔てる壁としたことで、給気経路と排気経路に穴を開けずに上方の熱交換板を取り除けるため、上方の熱交換板を取り出して別の場所で洗浄することが可能となり、メンテナンス性に優れた顕熱交換部を得ることができる。
【0026】
また、室内空気吸込口から吸い込まれた室内空気が、顕熱交換部を通過した後に排気ファンへ吸い込まれ、外気は給気ファンを通過した後に顕熱交換部を通過するように顕熱交換部を備え、前記顕熱交換部の熱交換板の一部に排気経路と給気経路とを接続する開口部を設け、前記給気経路内部の前記開口部縁にレールを設け、前記排気経路及び前記給気経路の外部より前記レールに沿って挿入した挿入板により前記開口部が閉塞する構成であって、前記挿入板が前記レールによって前記給気経路側から前記熱交換板へ押し付けられることで前記開口部が閉塞することを特徴とする構成としてもよい。
【0027】
熱交換板に開口部を設け、その開口部を挿入板で閉塞する構成により、熱交換板に吹き付けられる室内空気に含まれる油は、挿入板にも付着する。挿入板は、開口部縁に設けられたレールに沿って、排気経路外へ取り出すことが可能なため、挿入板を取り出して別の場所で洗浄することが可能となり、メンテナンス性に優れた顕熱交換部を得ることができる。
【0028】
さらに、室内空気吸込口から吸い込まれた室内空気が、顕熱交換部を通過した後に排気ファンへ吸い込まれるよう顕熱交換部を備えた構成としたことで、排気経路内部の顕熱交換部は排気ファンによって吸引され陰圧の空間となる。また、外気は給気ファンを通過した後に顕熱交換部を通過するように顕熱交換部を備えた構成としたことで、給気経路内部の顕熱交換部は給気ファンによって陽圧の空間となる。
【0029】
このため、挿入板を給気経路側から熱交換板へ押し付けて開口部を閉塞する構成としたことで、挿入板は排気経路の陰圧と給気経路の陽圧によって、熱交換板へ押し付けられることとなる。つまり、開口部の閉塞機構がレールのような簡易的なものであっても、換気装置の運転中に挿入板は排気ファン及び給気ファンによって熱交換板開口部へ押し付けられることとなる。この機構によって、換気装置の運転中は開口部を閉塞し、換気装置の運転停止時は挿入板を簡単に外すことができるため、メンテナンス性に優れた顕熱交換部を得ることができる。
【0030】
また、顕熱交換部の近傍の排気経路内壁に透明な材質で作られた窓を設けたことを特徴とする構成としてもよい。
【0031】
前述のように、熱交換形換気装置であって、給気経路と排気経路の交差する部位に搭載される熱交換器は、通常、伝熱板を積層した静止型熱交換器か、円盤状の蓄熱体が回転する回転式熱交換器等の複雑な熱交換器となる。例えば静止型熱交換器は、熱交換のための風路が細く長いため、片側から覗いて風路の奥まで見通すことが難しい。また、例えば回転式熱交換器は、常にその一部が排気経路に存在し、残りの部位が給気経路に存在するため、排気経路に設けた窓から全体を観察することは難しい。
【0032】
しかしながら、本発明ではこの構成により、顕熱交換部内部の熱交換板に付着した油の量を、排気経路内壁に設けられた窓から容易に観察することが出来るため、メンテナンスの必要な時期を判断しやすく、メンテナンス性に優れた顕熱交換部を得ることができる。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0034】
(実施の形態1)
図1に本実施の形態における熱交換形換気装置の断面図を示す。
【0035】
本実施の形態における熱交換形換気装置は、加熱調理器具であるガスレンジ11近傍の室内空気を吸引し室外へ排気する排気経路1と、外気を室内へ給気する給気経路2を備え、室内空気を吸引する室内空気吸込口3と、吸引した室内空気を排気する排気ファン4と、外気を取り込む給気ファン5と、外気を室内へ給気する室内給気口6とを備える。さらに、ガスレンジ11の下部に排気経路1と給気経路2とが交差せずに熱交換板7を介して接する顕熱交換部8を備えている。
【0036】
室内空気は顕熱交換部8の上面から顕熱交換部8へ流れ込み、熱交換板7によって略上方へ風向が変化し、排気ファン4へ吸い込まれる構成となっている。外気は、室外から給気ファン5によって取り込まれ、顕熱交換部8の下面から顕熱交換部8へ流れ込み、熱交換板7によって略下方へ風向が変化し、室内給気口6から室内へ給気される構成となっている。
【0037】
熱交換板7の上にはもう一枚の熱交換板として伝熱性を備えた、例えばステンレス製の、皿状の油受け皿9が備えられており、顕熱交換部8近傍に備えられた透明な素材で作られた窓としてのメンテナンス口10から、排気経路1外部へ取り出すことができる。
【0038】
これらの構成により、熱交換板7両面から室内空気および外気がそれぞれ熱交換板7の各面へ吹き付けられるため、熱交換板7を介して排気経路1と給気経路2との間で熱交換を行うことができる。ここで、室内空気は熱交換板7へ吹き付けられるとともに、熱交換板7を介して給気経路2の冷熱によって冷却されるため、熱交換板7の排気経路1側表面と油受け皿9に油が付着する。
【0039】
油受け皿9が皿状の構造体であり熱交換板7とは別の部品としたことで、油を蓄えたままメンテナンス口10より室内へ取り出すことが可能となるため、油受け皿9を別の場所で洗浄可能であり、熱交換形換気装置のメンテナンス性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0040】
通常、ガスレンジ11は、使用者の頭部よりも下部に設置される。このことから、顕熱交換部8をガスレンジ11よりも下部に備えたことで、油受け皿9は使用者の頭部よりも下方となる。このため、使用者は油受け皿9に溜められた油を目視しながらメンテナンス口10より室内へ取り出すことが可能となるため、油をこぼす危険性が減少し、熱交換形換気装置のメンテナンス性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0041】
また、熱交換板7が単純に一枚の板で構成されており、排気経路1が熱交換板7を挟んで給気経路2よりも上部に位置するため、メンテナンス口10より油受け皿9を取り除くと、同じくメンテナンス口10より簡単に熱交換板7の排気風路側の表面を拭くことができる。このため、熱交換形換気装置のメンテナンス性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0042】
さらに、メンテナンス口10を透明な素材、例えば耐熱ガラス製あるいは耐熱強化ガラス製としたことで、油受け皿9に溜まっている油の量、熱交換板7に付着している油の量を把握することができるため、清掃が必要な時期を、メンテナンス口10を開けずに知ることができる。そのため不必要な熱交換形換気装置の停止回数や、メンテナンス口10の開口回数を減少させられるため、熱交換形換気装置のメンテナンス性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0043】
また、図2に顕熱交換部8の部分拡大図を示したように、熱交換板7に開口部12を備え、熱交換板7の下方の給気経路2内部に、レール13を備え、挿入板14がレール13にそって動き、開口部12を閉塞する構成も挙げられる。
【0044】
この構成により、熱交換板7に吹き付けられる室内空気に含まれる油は、挿入板14にも付着する。挿入板14は、開口部12縁に設けられたレール13に沿って、排気経路1外へ取り出すことが可能なため、挿入板14を取り出して別の場所で洗浄することが可能となり、熱交換形換気装置のメンテナンス性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0045】
さらに、室内空気吸込口3から吸い込まれた室内空気が、顕熱交換部8を通過した後に排気ファン4へ吸い込まれるため、排気経路1内部の顕熱交換部8は排気ファン4によって吸引され陰圧の空間となる。また、外気は給気ファン5を通過した後に顕熱交換部8を通過するため、給気経路2内部の顕熱交換部8は給気ファン5によって陽圧の空間となる。
【0046】
挿入板14を給気経路2側から熱交換板7へ押し付けて開口部12を閉塞することで、挿入板14は排気経路1の陰圧と給気経路2の陽圧によって、熱交換板7へ押し付けられることとなる。つまり、開口部12の閉塞機構がレール13のような簡易的なものであっても、換気装置の運転中に挿入板14は排気ファン4及び給気ファン5によって開口部12へ押し付けられることとなる。この機構によって、換気装置の運転中は開口部12を閉塞し、換気装置の運転停止時は挿入板14を簡単に外すことができるため、熱交換形換気装置のメンテナンス性を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0047】
なお、図1では、加熱調理器具をガスレンジ11としたが、IH調理器等他の油煙を発生させる器具であってもその効果に差異は生じない。
【0048】
なお、図1では、室内空気吸込口3をガスレンジ11の後方に配置したが、側面あるいは上方であってもその効果に差異は生じない。
【0049】
なお、図1では、メンテナンス口10をガスレンジ11の下部に配置したが、排気ファン4近傍に備え、排気ファン4の羽根やモーターのメンテナンスにも使用できるようにすると、メンテナンス口10から清掃可能な範囲が拡大するため、熱交換形換気装置のメンテナンス性を向上させることができより好適である。
【0050】
なお、図1では、顕熱交換部8上方より室内空気が吹き込まれているが、側面や下方から吹き込まれても良い。ただし、側面から室内空気が吹き込まれる場合は油受け皿9の開口部を上面に備える必要がある。また、下方から室内空気が吹き込まれる場合は、油受け皿9を熱交換板7の鉛直下方に備える必要があり、メンテナンス口10から熱交換板7と油受け皿9の両方を清掃可能な構成が望ましい。そして、側面あるいは下方から排気が吹き込まれる場合は、相対する面から外気が熱交換板7へ向けて吹き込まれる構成が望ましい。
【0051】
なお、メンテナンス口10の材質について、ガラスを例としてあげたが、耐油性で耐熱性のプラスチック、例えばAS樹脂やPET樹脂等でもよく、メンテナンス口10のサイズが大きい場合、メンテナンス口10が軽くなるためより好適である。
【0052】
なお、メンテナンス口10を透明な素材としたが、メンテナンス口10の一部が透明な素材で作られ、残る部位は不透明な素材、例えばSUSやABS樹脂等であってもよく、その効果に差異は生じない。
【0053】
なお、図2では、挿入板14は平板で記載したが、皿状の構造体とした場合、排気経路外へ取り出せる油の量が増加するためより好適である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明にかかる熱交換形換気装置は、熱交換部位に付着した油を除去しやすくし、熱交換形換気装置のメンテナンス性を向上することを可能とするものであるので、例えば家庭の台所や業務用厨房などの空間に浮遊する油を排気する排気流と、室外の空気を室内へ給気する給気流との間で熱交換する熱交換形換気装置等として有用である。
【符号の説明】
【0055】
1 排気経路
2 給気経路
3 室内空気吸込口
4 排気ファン
5 給気ファン
6 室内給気口
7 熱交換板
8 顕熱交換部
9 油受け皿
10 メンテナンス口
11 ガスレンジ
12 開口部
13 レール
14 挿入板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器具近傍の室内空気を吸引し室外へ排気する排気経路と、外気を室内へ給気する給気経路を備え、前記室内空気を吸引する室内空気吸込口と、吸引した前記室内空気を排気する排気ファンと、前記外気を取り込む給気ファンと、前記外気を室内へ給気する室内給気口とを備え、前記排気経路と前記給気経路とが交差せずに少なくとも1枚の熱交換板を介して接する顕熱交換部を前記加熱調理器具より下部に備え、前記顕熱交換部内で前記排気経路を流れる排気が前記熱交換板へ吹き付けられる構成を特徴とする熱交換形換気装置。
【請求項2】
顕熱交換部が上下に2枚重ねの熱交換板で構成されており、上方の熱交換板の形状が皿状であって、かつ、排気経路内に備えられており、前記顕熱交換部において少なくとも下方の熱交換板により給気経路と排気経路とを仕切る構成を特徴とする請求項1記載の熱交換形換気装置。
【請求項3】
室内空気吸込口から吸い込まれた室内空気が、顕熱交換部を通過した後に排気ファンへ吸い込まれ、外気は給気ファンを通過した後に顕熱交換部を通過するように顕熱交換部を備え、前記顕熱交換部の熱交換板の一部に排気経路と給気経路とを接続する開口部を設け、前記給気経路内部の前記開口部縁にレールを設け、前記排気経路及び前記給気経路の外部より前記レールに沿って挿入した挿入板により前記開口部が閉塞する構成であって、前記挿入板が前記レールによって前記給気経路側から前記熱交換板へ押し付けられることで前記開口部が閉塞することを特徴とする構成を特徴とする請求項1に記載の熱交換形換気装置。
【請求項4】
顕熱交換部の近傍の排気経路内壁に透明な材質で作られた窓を設けた構成を特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換形換気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−113527(P2013−113527A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261413(P2011−261413)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】