説明

熱可塑性エラストマーブロックを含む新規なコポリマー、その製造方法およびエラストマー組成物におけるその使用

【課題】本発明は、改良されたヒステリシス特性故に、“インフレータブル”物品を意図するエラストマー組成物において、特に、自動車タイヤ用の気密内部ライナーにおいて有利に使用することができる新規な熱可塑性エラストマーを得ることを目的とする。
【解決手段】本発明は、ポリイソブチレンブロック(不飽和基を含む)から構成される線状、分岐エラストマーブロックと、少なくとも1個の末端熱可塑性スチレンブロックとを含むブロックコポリマータイプの新規な熱可塑性エラストマーに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイソブチレンで構成される線状、分岐型または星型エラストマーブロックと少なくとも1個の末端熱可塑性スチレンブロックとを含むブロックコポリマータイプの新規な熱可塑性エラストマーに関する。この熱可塑性エラストマーは、有利なことに、“インフレータブル”物品、即ち、定義によれば、これらの物品を、その気体不透過性故に、空気によってまたは等価の膨張ガスによって膨張させたときにその使用可能な形状となる物品、さらに詳細には、自動車用のインフレータブル物品を意図するエラストマー組成物において使用することができる。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性エラストマー (“TPE”と略記する)は、エラストマーの硬化状態における性質と熱可塑性化合物の特定の性質、特に、溶融状態における容易な加工性の双方の性質を有する化合物である。
【0003】
熱可塑性ポリマーとエラストマーの間の中間の構造体を持たせると、その構造体は、エラストマー軟質ブロック、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(エチレン/ブチレン)またはポリイソブチレンブロックが結合した熱可塑性硬質ブロック、例えば、ポリスチレンから構成される。典型的には、これらのセグメントまたはブロックの各々は、最低限5個よりも多い、一般的には10個よりも多い基本単位を含有する。
【0004】
多くの文献がこのタイプの化合物を記載しており、これらの化合物は、エラストマー化合物と熱可塑性化合物の単純混合物と比較して、当該物質の良好な構造的凝集力の利点を有している。
【0005】
熱可塑性エラストマーブロックコポリマーのうちでは、熱可塑性スチレン(TPSと略記する)エラストマーを挙げることができる。TPSエラストマーは、中心エラストマーブロックと末端スチレンブロックを含む。中心エラストマーブロックがポリイソブチレンであるTPSエラストマーが開発されている。これらの熱可塑性エラストマーは、略称SIBS (スチレン‐イソブチレン‐スチレン)として知られている。
【0006】
合成方法によって調整するこれらのSIBSブロックコポリマーの種々の構造は、従来技術において説明されている。
例えば、特許US 4,946,899号を挙げることができ、この特許は、線状トリブロックSIBSおよびポリイソブチレンが3本の分岐でもって星型化されている3本の分岐でもって星型化されているSIBSを説明している。また、リビングポリイソブチレンを使用しての開始によるスチレンモノマーの重合によるそのようなSIBSの製造方法を記載しているUS 5,428,111号または、リビングスチレンポリマーとテレキーレックポリイソブチレンとの反応によるSIBSの合成を記載しているUS 5,260,383号を挙げることができる。
【0007】
その後、種々の構造を有する他のSIBS、例えば、特に、多分岐星型SIBSまたは超分岐SIBSが、例えば、以下の刊行物において記載されている:J.E. Puskas, C.J. Wilds, J. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. 36, 85 (1998);J.E. Puskas, W. Pattern, P. M. Wetmore, V. Krukonis, Rubber Chem. Technol. 72, 559 (1998);S. Jacob, J.P. Kennedy, Advances in Polym. Sci., 146, 1 (1999); J.E. Puskas, Y. Kwon, P. Antony, A.K. Bhowmick, J. Polym. Sci.:Part A:Polym. Chem. 43, 1811 (2005);または、特許US 5,721,331号。
【0008】
多くの文献は、ある種のSIBSを、これらのエラストマーの特定に性質に関連する種々の用途においては、先ずは生物医学的応用について、次に、TPEエラストマーに特有の種々の用途においては、医療機器、自動車用または家庭用電気器具用の部品、電線用シーズ、弾性部品または密閉用部品のように多様に亘って説明している(例えば、文献 EP 1 431 343号、EP 1 561 783号、EP 1 566 405号、WO 2005/103146号を参照されたい)。
【0009】
さらにまた、“チューブレス”タイプ(即ち、内部チューブを含まないタイプ) の通常の空気式タイヤにおいては、放射状内面は、空気式タイヤを膨張させ圧力下に保つのを可能にする気密層(または、より一般的には上記空気式タイヤのあらゆる膨張ガスに対して不透過性の層)を含む。この層のシーリング特性は、比較的低い圧力低下速度を担保することを可能にし、誇張させたタイヤを通常の作動状態において十分な時間、通常は数週間または数か月間保つことを可能にしている。また、この層は、カーカス補強材をタイヤの内部空間から来る空気の拡散から保護する役割も有する。
【0010】
気密内部層即ち“内部ライナー”のこの役割は、現在のところ、その優れたシーリング特性について永らく知られているブチルゴム(イソブチレン/イソプレンコポリマー)をベースとする組成物によって満たされている。
しかしながら、ブチルゴムまたはエラストマーをベースとする組成物の1つの周知の欠点は、これらの組成物が、さらになお広い温度範囲に亘って、高いヒステリシス損失を有することであり、その欠点は、空気式タイヤの転がり抵抗性を悪化させる。
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、特に、ゴム組成物においてタイヤの気密内部層として使用し得ると共に、当該組成物のヒステリシス特性を改良する新規な材料を提案することである。
研究中、本出願人は、SIBSタイプの新規な熱可塑性エラストマーを見出した。この新規なSIBSは、必要に応じて増量剤オイルによって増量した組成物として使用するとき、驚くべき且つ予期に反した動的特性を上記組成物において誘発させ、これらの特性は、この組成物を、特に自動車タイヤ用の気密内部層の製造において特に適切なものとしている。有利なことに、これらの新規なSIBSは、改良されたヒステリシス特性を有すると共にこれらの内部層に極めて良好なシーリング特性を付与する気密内部層を得ることを可能にする。
【0012】
従って、第1主題によれば、本発明は、特定の構造を有する新規の熱可塑性SIBSエラストマーに関する。
第2主題によれば、本発明は、特定の構造を有するこの新規な熱可塑性SIBSエラストマーの製造方法に関する。
本発明のもう1つの主題は、特定の構造を有するこの新規な熱可塑性SIBSエラストマーを主要量で含むエラストマー組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本説明においては、特に断らに限り、示す百分率(%)は、全て質量%である。
以下の本発明の説明においては、“SIBSエラストマー”、“熱可塑性エラストマーブロックコポリマー”およびブロックコポリマー”なる表現は、等価であり、等しく使用し得る。
さらにまた、“aとbの間”なる表現によって示される値の範囲は、いずれも、aよりも大きくからbよりも小さいに至る値の範囲を示し(即ち、限界値aとbを除き)、一方、“a〜b”なる表現によって示される値の間隔は、いずれも、aからbに至る値の範囲を意味する(即ち、厳格な限定値aおよびbを含む)。
【0014】
従って、本発明の1つの主題は、新規なスチレン熱可塑性エラストマーであって、主として重合させたイソブテンモノマーから構成される少なくとも1つの“ポリイソブチレン”エラストマーブロックと、該ブロックコポリマーの少なくとも1つの末端における、少なくとも1種の重合スチレン化合物で構成されるスチレンブロックとを含むブロックコポリマーの形の前記熱可塑性エラストマーである。この熱可塑性エラストマーブロックコポリマーは、下記の構造的特徴を有する:
1) 上記ポリイソブチレンブロックは、25 000g/モル〜350 000g/モル範囲の数平均分子量(“Mn”)と−20℃以下のガラス転移温度(“Tg”)を有し、また、上記ポリイソブチレンブロックの質量に対して0.5質量%〜6質量%範囲の量のポリマー鎖中に挿入した1種以上の共役ジエンに由来する単位を含む;
2) 上記スチレンブロック(1個以上)は、上記ブロックコポリマーの総質量の多くとも16質量%を示す。
【0015】
従って、ブロックコポリマーの形の上記の新規なスチレン熱可塑性エラストマーは、少なくとも2個のブロックを含む。
本発明の1つの変形によれば、上記熱可塑性エラストマーブロックコポリマーは、線状トリブロック形にある。その場合、上記ブロックコポリマーは、中心ポリイソブチレンブロックと、該ポリイソブチレンブロックの2つの末端の各々における2個の末端スチレンブロックから構成される。
【0016】
本発明のもう1つの変形によれば、上記熱可塑性エラストマーブロックコポリマーは、少なくとも3本の分岐を有する星型の形状にある。その場合、上記ブロックコポリマーは、少なくとも3本の分岐を有する星型の中心ポリイソブチレンブロックと、該ポリイソブチレンの分岐の各々の末端のスチレンブロックから構成される。上記ポリイソブチレンの分岐数は、3〜12本、好ましくは3〜6本で変動する。
【0017】
本発明のもう1つの変形によれば、上記熱可塑性エラストマーブロックコポリマーは、分岐またはデントリマー形にある。その場合、上記ブロックコポリマーは、分岐またはデンドリマー中心ポリイソブチレンブロックと、該デンドリマーポリイソブチレンの各分岐末端のスチレンブロックから構成される。
【0018】
本発明によれば、好ましくは、上記熱可塑性エラストマーブロックコポリマーのガラス転移温度(Tg、ASTM D3418に従って測定した)は、−20℃よりも低い、より好ましくは−40℃よりも低いことが好ましい。これらの最低値よりも高いTg値は、極めて低温での使用中の気密層の性能を悪化させる;そのような使用においては、上記ブロックコポリマーのTgは、さらにより好ましくは−50℃よりも低い。
【0019】
上記ブロックコポリマーの数平均分子量(Mnで示す)は、好ましくは30 000g/モルと500 000g/モルとの間、より好ましくは40 000g/モルと400 000g/モルg/molとの間である。上記の最低値よりも低いと、上記SIBSエラストマーの鎖間の凝集力が、特に必要に応じたその希釈(増量剤オイルの存在下)のために、悪影響を受けるリスクに至る;さらにまた、使用温度の上昇は、機械的性質、特に、破断点特性に影響を与え、従って、“高温”性能の低下をもたらすリスクに至る。さらにまた、高過ぎる分子量Mnは、気密層の可撓性に関して有害であり得る。即ち、50 000g/モル〜300 000g/モルの範囲内の値が、特に空気式タイヤ用の組成物において上記ブロックコポリマーを使用するのに特段に適していることを観察している。
【0020】
上記ブロックコポリマーの多分散性指数Ip値 (注:Ip = Mw/Mn;Mwは重量平均分子量である)は、好ましくは3よりも低く、好ましくは2よりも低く、さらにより好ましくは1.5よりも低い。
【0021】
本発明によれば、上記ブロックコポリマーのポリイソブチレンブロックは、上記TPEに空気式タイヤの内部ライナー用途に適合し得る良好な弾力性と十分な機械的強度を付与するための、25 000g/モル〜350 000g/モル、好ましくは35 000g/モル〜250 000g/モル範囲の数平均分子量(“Mn”)を有する。
また、本発明によれば、上記ブロックコポリマーのポリイソブチレンブロックは、−20℃以下の、より好ましくは−40℃よりも低いガラス転移温度 (“Tg”)を有する。これらの最低値よりも高いTgは、極めて低温での使用中の気密層の性能を悪化し得;そのような使用においては、上記ポリイソブチレンブロックのTgは、さらにより好ましくは−50℃よりも低い。
【0022】
また、本発明によれば、上記ブロックコポリマーのポリイソブチレンブロックは、上記ポリイソブチレンブロックの質量に対して0.5質量%〜6質量%範囲の量の、ポリマー鎖中に挿入した1種以上の共役ジエンに由来する単位を含む。0.5%よりも低いと、本発明のブロックコポリマーを含有する組成物のタイヤ内の隣接ゴム組成物への接着特性が劣化することが観察されている。6%よりも高いと、タイヤに使用する本発明のブロックコポリマーを含有する組成物の熱酸化およびオゾン酸化に対する耐性の低下が観察されている。この量は、好ましくは1.5質量%〜5質量%、さらにより好ましくは2質量%〜4質量%の範囲内である。
【0023】
イソブチレンと共重合させて“ポリイソブチレン”ブロックを形成させることのできる共役ジエンは、C4〜C14共役ジエンである。好ましくは、これらの共役ジエン類は、イソプレン、ブタジエン、1‐メチルブタジエン、2‐メチルブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,4‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、2‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、3‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、4‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン、2‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、3‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、4‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、5‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ヘキサジエン、2‐ネオペンチルブタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,3‐シクロヘキサジエン、1‐ビニル‐1,3‐シクロヘキサジエンまたはそれらの混合物から選択される。より好ましくは、上記共役ジエンは、イソプレンまたはイソプレンを含有する混合物である。
【0024】
上記ポリイソブチレンブロックは、本発明の1つの有利な局面によれば、ハロゲン化してその鎖中にハロゲン原子を含ませ得る。このハロゲン化は、本発明に従うブロックコポリマーを含む組成物の硬化速度を上昇させることを可能にする。このハロゲン化は、空気式タイヤの内部ライナー用途に使用するTPE系組成物の他の構成成分との上記TPEの適合性を改良することを可能にする。ハロゲン化は、臭素または塩素、好ましくは臭素によって、上記ポリイソブチレンブロックのポリマー鎖の共役ジエンに由来する単位上で生じる。これらの単位の一部のみがハロゲンと反応する。とは言え、共役ジエンに由来する単位のこの部分は、ハロゲンと反応していない共役ジエンに由来する単位の量が上記ポリイソブチレンブロックの質量に対して少なくとも0.5質量%であるようでなければならない。
上述した本発明の1つの変形によれば、上記ブロックコポリマーのポリイソブチレンブロックは、少なくとも3本の分岐によって星型化し得る。好ましくは、分岐数は、3本〜6本の範囲内である。
【0025】
本発明によれば、単数または複数の末端スチレンブロックは、上記ブロックコポリマーの総質量の多くとも16質量%、好ましくは15質量%未満を示す。この16質量%の値を越えると、本発明に従うブロックコポリマーを含有する組成物の不十分な高温凝集力を観察している。このことは、特に、この材料の塑性変形をタイヤの成形中に不可能にするモジュラスの上昇をもたらしている。
上記単数または複数のスチレンブロックは、SIBSエラストマーの熱可塑性を保持するに十分な割合で存在しなければならない。上記ブロックコポリマーのスチレンブロックの最低量は、上記コポリマーの使用条件に応じて変動し得る。例えば、上記ブロックコポリマーの総質量の5質量%の最低量をタイヤ用途においては想定し得る。
【0026】
上記スチレンブロックは、1種以上の重合スチレン化合物から構成される。“スチレン化合物”なる表現は、本説明においては、置換されていないまたは置換されたスチレンをベースとする任意のモノマーとして理解すべきである;置換スチレンのうちでは、例えば、以下を挙げることができる:メチルスチレン(例えば、o‐メチルスチレン、m‐メチルスチレンまたはp‐メチルスチレン、α‐メチルスチレン、α,2‐ジメチルスチレン、α,4‐ジメチルスチレンまたはジフェニルエチレン)、ブチルスチレン(例えば、パラ‐tert‐ブチルスチレン)、クロロスチレン(例えば、o‐クロロスチレン、m‐クロロスチレン、p‐クロロスチレン、2,4‐ジクロロスチレン、2,6‐ジクロロスチレンまたは2,4,6‐トリクロロスチレン)、ブロモスチレン(例えば、o‐ブロモスチレン、m‐ブロモスチレン、p‐ブロモスチレン、2,4‐ジブロモスチレン、2,6‐ジブロモスチレンまたは2,4,6‐トリブロモスチレン)、フルオロスチレン(例えば、o‐フルオロスチレン、m‐フルオロスチレン、p‐フルオロスチレン、2,4‐ジフルオロスチレン、2,6‐ジフルオロスチレンまたは2,4,6‐トリフルオロスチレン)、またはパラ‐ヒドロキシスチレン。好ましくは、本発明に従うスチレン化合物は、スチレン、α‐メチルスチレン、ジフェニルエチレン、p‐メチルスチレン、p‐tert‐ブチルスチレン、p‐クロロスチレンまたはp‐フルオロスチレンである。
【0027】
本発明に従うコポリマーは、それ自体既知であり且つ文献、特に、本説明の従来技術の提示において引用した文献に記載されている合成方法によって調製し得る。当業者であれば、適切な重合条件を如何にして選択して、また、重合過程の各種パラメーターを如何にして調節して、本発明のブロックコポリマーの特定の構造的特徴を達成するかは承知していることであろう。
【0028】
幾つかの合成手段を、本発明に従うコポリマーを調製する目的で使用し得る。
第1の手段は、当業者にとって既知の二官能性または多官能性開始剤を使用しての重合すべきモノマーのリビングカチオン重合によって“ポリイソブチレン”ブロックを合成する第1工程、および、その後の、重合すべきスチレンモノマーを上記第1工程において得られたリビング“ポリイソブチレン”に付加することによってスチレンブロックを合成する第2工程から構成されるからなる。そのように、これらの2つの工程は、連続しており、下記の順次の付加を生じる:
上記イソブチレンブロックの総質量の0.5質量%〜6質量%の範囲の量の1種以上の共役ジエンに由来する単位を含む“ポリイソブチレン”ブロックの調製のための、重合すべきモノマーの付加;
スチレンブロックの調製のための、重合すべきモノマーの付加。
【0029】
各工程においては、上記重合すべきモノマー(1種以上)は、下記で説明するようなルイス酸またはルイス塩基の存在または不存在下に、下記で説明するような溶媒中の溶液の形で添加してもまたは添加しなくてもよい。
これらの各工程は、同じ重合反応器内でまたは2個の異なる重合反応器内で実施し得る。好ましくは、これらの2つの工程は、1回で且つ同じ反応器で実施する (“ワンポット”合成)。
上記リビングカチオン重合は、通常、開始剤および補助開始剤(co-initiator)として作用してカルボカチオンをその場で形成する任意構成成分としてのルイス酸を使用して実施する。電子供与化合物を慣例的に添加してリビング特性を上記重合に対して付与する。
【0030】
例えば、本発明に従うコポリマーの調製において使用し得る二官能性または多官能性開始剤は、1,4‐ジ(2‐メトキシ‐2‐プロピル)ベンゼン (または“ジクミルメチルエーテル”)、1,3,5‐トリ(2‐メトキシ‐2‐プロピル)ベンゼン (または“トリクミルメチルエーテル”)、1,4‐ジ(2‐クロロ‐2‐プロピル)ベンゼン (または“ジクミルクロリド”)、1,3,5‐トリ(2‐クロロ‐2‐プロピル)ベンゼン (または“トリクミルクロリド”)、1,4‐ジ(2‐ヒドロキシ‐2‐プロピル)ベンゼン、1,3,5‐トリ(2‐ヒドロキシ‐2‐プロピル)ベンゼン、1,4‐ジ(2‐アセトキシ‐2‐プロピル)ベンゼン、1,3,5‐トリ(2‐アセトキシ‐2‐プロピル)ベンゼン、2,6‐ジクロロ‐2,4,4,6‐テトラメチルヘプタンおよび2,6‐ジヒドロキシ‐2,4,4,6‐ヘプタンから選択される。好ましくは、ジクミルエーテル、トリクミルエーテル、ジクミルハライドまたはトリクミルハライドを使用する。
【0031】
ルイス酸は、一般式MXn (式中、Mは、Ti、Zr、Al、Sn、PおよびBから選択される元素であり;Xは、Cl、Br、FまたはIのようなハライドであり;nは、元素Mの酸化度に相応する)を有する金属ハライドから選択し得る。例えば、TiCl4、AlCl3、BCl3、BF3、SnCl4、PCl3またはPCl5が挙げられる。これらの化合物のうちでは、好ましくは、TiCl4、AlCl3およびBCl3を、さらにより好ましくはTiCl4を使用する。
電子供与化合物は、ピリジン、アミン、アミド、エステル、スルホキシド等のような既知のルイス塩基から選択し得る。これらのうちでは、DMSO (ジメチルスルホキシド)およびDMAc (ジメチルアセトアミド)が好ましい。
【0032】
上記リビングカチオン重合は、非極性不活性溶媒中で或いは非極性不活性溶媒と極性不活性溶媒の混合物中で実施する。
本発明に従うコポリマーの合成において使用し得る非極性溶媒は、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼンまたはトルエンのような脂肪族、脂環式または芳香族の炭化水素系溶媒である。
本発明に従うコポリマーの合成において使用し得る非極性溶媒は、例えば、塩化メチル(またはクロロホルム)、塩化エチル、塩化ブチル、塩化メチレン(またはジクロロメタン)またはクロロベンゼン(モノ‐、ジ‐またはトリ‐クロロ)のようなアルカンハライドのようなハロゲン化溶媒である。
【0033】
当業者であれば、使用すべきモノマー混合物の組成を本発明に従うコポリマーを調製する目的において、さらにまた、適切な温度条件をこれらのコポリマーの分子量特性を得る目的において如何にして選択するかは承知していることであろう。
【0034】
第2の合成手段は、下記:
二官能性または多官能性開始剤を使用してのリビングカチオン重合およびその後の必要に応じての鎖末端での官能化反応によるその鎖末端においてテレキーレック性または官能性である“ポリイソブチレン”ブロック;
例えば、アニオン重合によるリビングスチレンブロック;
を別々に調製し、その後、互いに反応させて本発明に従うコポリマーを得ることからなる。上記ブロックの鎖末端の各々における反応性官能基の性質および上記ブロックに対するリビングスチレンブロックの割合は、当業者であれば、本発明に従うコポリマーを得るために選定し得るであろう。
【0035】
本発明に従うコポリマーのハロゲン化は、当業者に既知の任意の方法、特に、ブチルゴムのハロゲン化において使用する方法に従って実施し、例えば、臭素または塩素、好ましくは臭素を使用して、上記ポリイソブチレンブロックのポリマー鎖の共役ジエンに由来する単位上で生じ得る。
【0036】
SIBSエラストマーを星型化または分岐させている本発明のある種の変形においては、 例えば、Puskasによる論文 J. Polym. Sci Part A: Polymer Chemistry, Vol. 36, pp. 85‐82 (1998) およびPuskasによる論文 J. Polym. Sci Part A: Polymer Chemistry, Vol. 43, pp. 1811‐1826 (2005) に記載されている方法を同様に使用してリビング星型化、分岐型化またはデンドリマー中心“ポリイソブチレン”ブロックを得ることができる。当業者であれば、その場合、使用すべきモノマー混合物の組成を本発明に従うコポリマーを調製する目的において、さらにまた、適切な温度条件をこれらのコポリマーの分子量特性を得る目的において如何にして選択するかは承知していることであろう。
【0037】
好ましくは、本発明に従うコポリマーの調製は、二官能性または多官能性開始剤を使用するリビングカチオン重合によって、さらに、“ポリイソブチレン”ブロックの合成のために重合させるモノマーおよびスチレンブロックの合成のために重合させるモノマーの順次の付加によって実施する。
【0038】
本発明のもう1つの主題は、主要エラストマーとして(質量による)、少なくとも1種の上述したような熱可塑性SIBSエラストマーブロックコポリマーを含むエラストマー組成物である。
上記SIBSエラストマーは、それ自体で、上記エラストマー組成物を構成するか、或いは、この組成物中で他の構成成分と組合せてエラストマーマトリックスを形成し得る。
必要に応じて他のエラストマーをこの組成物において使用する場合、本発明に従うSIBSエラストマーは、質量による主要量のエラストマーを構成する;その場合、上記エラストマーは、エラストマー全体の好ましくは50質量%よりも多くを、より好ましくは70質量%よりも多くを示す。好ましくは少数であるそのようなさらなるエラストマーは、そのミクロ構造の適合性の制約内で、例えば、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンのようなジエンエラストマー、ブチルゴムまたはSIBS以外の熱可塑性スチレン(TPS)エラストマーであり得る。
【0039】
上述したSIBSエラストマーは、それ自体で、インフレータブル物品に関連する気体(インフレータブル物品内に満たすのに使用し得る)に対する不浸透性機能において十分である。
しかしながら、本発明の1つの好ましい実施態様によれば、上記SIBSエラストマーは、可塑剤として増量剤オイル(または可塑化用オイル)も含む組成物において使用する;増量剤オイルの役割は、加工性、特に、モジュラスの低下および気密層の粘着力の増大によるインフレータブル物品中への一体化を容易にすることである。
【0040】
任意の増量剤オイル、好ましくは、オイルエラストマー、特に、熱可塑性エラストマーを増量または可塑化することができる弱い極性を有する増量剤を使用し得る。周囲温度(23℃)において、これらのオイルは、比較的粘稠であり、特に本来固体である樹脂またはゴムとは対照的に、液体である(即ち、注釈すれば、最終的にその容器の形をとる能力を有する物質)。
【0041】
好ましくは、上記増量剤オイルは、ポリオレフィンオイル(即ち、オレフィン、モノオレフィンまたはジオレフィンの重合により得られるオイル)、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル (低または高粘度の)、芳香族オイル、鉱油またはこれらオイルの混合物によって形成される群から選択される。
増量剤オイルの上記SIBSへの添加は上記SIBSの不透過性の損失をもたらし、この損失は、使用するオイルのタイプおよび量に応じて変動することに留意すべきである。好ましくは、ポリブテンタイプのオイル、特に、ポリイソブチレン (PIB) オイルを使用する;このオイルは、試験した他のオイルと比較して、特に、パラフィンタイプの通常のオイルと比較して、諸性質の最良の妥協点を示している。
【0042】
例えば、ポリイオブチレンオイルは、特にUnivar社によって商品名“Dynapak Poly” (例えば、“Dynapak Poly 190”)、INEOS Oligomer社によって商品名“INDOPOL H1200”、BASF社によって商品名“Glissopal” (例えば、“Glissopal 1000”)または“Oppanol” (例えば、“Oppanol B12”)として市販されており;パラフィン系オイルは、例えば、Exxon社によって商品名“Telura 618”またはRepsol社によって商品名“Extensol 51”として市販されている。
【0043】
上記増量剤オイルの数平均分子量(Mn)は、好ましくは200 g/モルと25 000g/モルの間、さらにより好ましくは300 g/モルと10 000g/モルの間である。過度に低いMn分子量においては、オイルが組成物の外に移行するリスクが存在し、一方、過度に高い分子量は、この組成物が剛性になり過ぎる結果となり得る。350g/モルと4000g/モルの間、特に、400g/モルと3000g/モルの間のMn分子量は、意図する用途において、特に、空気式タイヤにおいて使用するのに優れた妥協点であることが判明している。
【0044】
当業者であれば、上記組成物の特定の使用条件に従って、特に、インフレータブル物品の気密エラストマー層として、増量剤オイルの量を如何にして調整するかは承知していることであろう。
【0045】
増量剤オイル含有量は、5phrよりも多いことが好ましく、好ましくは5phrと100phrの間である(phr:総エラストマー(ゴム)、即ち、エラストマー組成物または層中に存在するSIBS+任意の他の可能性あるエラストマーの100質量部当りの質量部)。
上記の最低値よりも低いと、上記エラストマー組成物は、ある種の用途においては高すぎる剛性を有するリスクに至り、一方、推奨する最高値よりも高いと、組成物が不十分な凝集力しか有しないリスクおよび用途次第で悪化し得る不透過性損減のリスクが存在する。
これらの理由により、特に、空気タイヤにおける気密組成物の使用においては、上記増量剤オイル含有量は、好ましくは10phrよりも多く、特に10 phrと90phrの間、さらにより好ましくは20phrよりも多く、特に20 phrと80phrの間である。
【0046】
さらにまた、上述した組成物は、当業者にとって既知の気密層に通常存在する各種添加剤も含み得る。例えば、カーボンブラックまたはシリカのような補強用充填剤;非補強用または不活性充填剤;組成物を着色するのに有利に使用し得る着色剤;不透過性をさらに改良する板状充填剤(例えば、カオリン、タルク、雲母、グラファイト、クレーまたは変性クレー(“オルガノクレー”)のようなフィロケイ酸塩)、上述した増量剤オイル以外の可塑剤;酸化防止剤またはオゾン劣化防止剤のような保護剤;UV安定剤;各種加工助剤または他の安定剤;または、インフレータブル物品の残余の構造体への接着を促進することのできる促進剤が挙げられる。
【0047】
ブチルゴムと比較して、本発明に従う新規なSIBSは、その熱可塑特性故に、溶融(液体)状態にあるときに加工することができるという、従って、上記SIBSを含有するあらゆるエラストマー組成物の簡素化された加工の可能性を提供するという利点を有する。
さらにまた、この新規なSIBSは、このSIBSを含有する組成物において、インフレータブル物品、特に、自動車タイヤ内の上記組成物に隣接するゴムコンポーネントに対する高い接着能力を誘発させる。
【0048】
さらに、この新規なSIBSは、その熱可塑特性にもかかわらず、このSIBSを含有する組成物に、特に150℃〜200℃範囲の温度における良好な高温材料凝集力を付与する。これらの温度は、自動車タイヤの硬化温度に相応する。この高温凝集力は、これらのタイヤを、この新規なSIBSを含有する気密内部ライナーの一体性に悪影響を及ぼすことなく高温で離型するのを可能にする。
【0049】
従って、本発明に従う新規な熱可塑性SIBSエラストマーは、驚くべきことに、このエラストマーを含有するエラストマー組成物の凝集力、特に、高温凝集力とこの組成物のインフレータブル物品内のこの組成物に隣接するゴム組成物に対する接着力という多くの場合相反する性質間で満足し得る妥協点に到達すること可能にしている。さらにまた、上記新規な熱可塑性エラストマーは、このエラストマーを含有する組成物に、ブチルゴムをベースとする組成物と比較して改良されたヒステリシス特性を付与している。
これらの特性は、上記新規なSIBSを含有するエラストマー組成物にシーリング特性と加工特性を付与しながら達成されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性エラストマーブロックコポリマーであって、ポリイソブチレンで構成される少なくとも1つのエラストマーブロックと、該ブロックコポリマーの少なくとも1つの末端において少なくとも1種の重合スチレン化合物で構成されるスチレンブロックとを含み、
3) 前記ポリイソブチレンブロックが、25 000g/モル〜250 000g/モルの範囲の数平均分子量および−20℃以下のガラス転移温度を有し、且つ前記ポリイソブチレンブロックの質量に対して0.5質量%〜6質量%の範囲の量のポリマー鎖中に挿入した1種以上の共役ジエンに由来する単位を含むこと;および、
4) 前記スチレンブロックが前記ブロックコポリマー総質量の多くとも16質量%を示すことを特徴とする前記熱可塑性エラストマーブロックコポリマー。
【請求項2】
前記コポリマーが、線状トリブロック構造を有する、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【請求項3】
前記コポリマーが少なくとも3本の分岐、多くとも12本の分岐を有する星型構造を有し、中心ポリイソブチレンブロックが少なくとも3本の分岐、多くとも12本の分岐を有する星型であり、各分岐がスチレンブロックによって終端している、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【請求項4】
前記コポリマーが、中心ポリイソブチレンブロックが樹枝状であるデンドリマー構造を有し、前記樹枝状ポリイソブチレンの分岐の各々がスチレンブロックによって終端している、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【請求項5】
前記ポリイソブチレンブロックが、前記ポリイソブチレンブロックの質量に対して1.5質量%〜5質量%の範囲の量の前記ポリマー鎖中に挿入した1種以上の共役ジエンに由来する単位を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
【請求項6】
前記ポリイソブチレンブロックが、−50℃以下のガラス転移温度を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
【請求項7】
前記単数または複数の共役ジエンが、イソプレン、ブタジエン、1‐メチルブタジエン、2‐メチルブタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、2,4‐ジメチル‐1,3‐ブタジエン、1,3‐ペンタジエン、2‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、3‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、4‐メチル‐1,3‐ペンタジエン、2,3‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ペンタジエン、1,3‐ヘキサジエン、2‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、3‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、4‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、5‐メチル‐1,3‐ヘキサジエン、2,5‐ジメチル‐1,3‐ヘキサジエン、2‐ネオペンチルブタジエン、1,3‐シクロペンタジエン、1,3‐シクロヘキサジエン、1‐ビニル‐1,3‐シクロヘキサジエンまたはこれらの混合物から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
【請求項8】
前記ポリイソブチレンブロックがハロゲン化されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
【請求項9】
前記スチレンブロックが、前記ブロックコポリマーの総質量の15質量%未満を示す、請求項1〜8のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
【請求項10】
前記スチレン化合物が、スチレン、メチルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレンおよびブロモスチレンから選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
【請求項11】
前記スチレン化合物が、スチレン、α‐メチルスチレン、ジフェニルエチレン、p‐メチルスチレン、p‐tert‐ブチルスチレン、p‐クロロスチレンまたはp‐フルオロスチレンである、請求項10に記載のブロックコポリマー。
【請求項12】
前記スチレン化合物が、スチレンである、請求項11に記載のブロックコポリマー。
【請求項13】
下記の工程を含むことを特徴とする、請求項1〜12に記載のブロックコポリマーの製造方法:
(a) イソブチレンブロックの総質量に対して0.5質量%〜6質量%の範囲の量の1種以上の共役ジエンに由来する単位を含む“ポリイソブチレン”ブロックを合成する第1工程であって、イソブチレンと1種以上の共役ジエンモノマーを含むモノマー混合物を、非極性不活性溶媒中または非極性溶媒と極性不活性溶媒の混合物中で、二官能性または多官能性開始剤と反応させてリビング“ポリイソブチレン”を得る前記工程、;および、
(b) スチレンモノマーを、前記第1工程中に得られた反応媒体へ添加することによりスチレンブロックを合成する第2工程。
【請求項14】
一般式MXn (式中、Mは、Ti、Zr、Al、Sn、PおよびBから選択される元素であり;Xは、Cl、Br、FまたはIのようなハライドであり;nは、元素Mの酸化度に相応する)を有する金属ハライドから選択されるルイス酸を、第1工程の反応媒体に添加する、請求項13に記載のブロックコポリマーの製造方法。
【請求項15】
ルイス塩基を、第1工程の反応媒体に添加する、請求項13または14に記載のブロックコポリマーの製造方法。
【請求項16】
前記組成物が、主要エラストマーとして、請求項1〜12に記載の少なくとも1種の熱可塑性エラストマーブロックコポリマーを含む、エラストマー組成物。
【請求項17】
前記ブロックコポリマーの数平均分子量(Mn)が、30 000 g/モルと500 000g/モルの間である、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、前記エラストマー用の増量剤オイルを含む、請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
前記増量剤オイルが、ポリオレフィンオイル、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族オイル、鉱油およびこれらのオイルの混合物から構成される群から選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、板状充填剤を含む、請求項16〜19のいずれか1項に記載の組成物。

【公表番号】特表2012−509370(P2012−509370A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536767(P2011−536767)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008154
【国際公開番号】WO2010/057611
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(599093568)ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン (552)
【出願人】(508032479)ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム (499)
【Fターム(参考)】