説明

熱可塑性合成樹脂フィルム製品の外装袋への袋詰め包装方法

【課題】
所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品に対する熱可塑性合成樹脂フィルム製の外装袋による袋詰め包装において、余剰寸法の発生を少なくしてルーズな弛みの少ないタイトな袋詰め包装を行うことのできる有益な熱可塑性合成樹脂フィルム製品の外装袋への袋詰め包装方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性合成樹脂製のチューブ状フィルムをその長手方向を横切る方向に熱溶着シール及びカットを所要間隔をおいて施して開口有底の外装袋を形成すると共に、所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品を連続波状に折り曲げ変形させ、その折り曲げ変形させた状態下で前記外装袋内にその開口部から挿入し、挿入後に該開口部を熱溶着シールする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性合成樹脂フィルム製品を同じく熱可塑性合成樹脂フィルム製でなる外装袋に袋詰め包装するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に「ごみ袋」、「資源袋」、「ポリ袋」等と呼ばれて市場に提供されている熱可塑性合成樹脂フィルム製品は、製袋機によって製袋されてなる毎葉の製品をそのサイズに応じてそのまま、或いは適宜に折り畳んでサイズを小さくする等して、これらを所要枚数たとえば10〜50枚まとめて熱可塑性合成樹脂フィルム製の外装袋に袋詰め包装して市場に提供されるのが通例である。
【0003】
従来、このような所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品における外装袋による包装は、シート状の熱可塑性合成樹脂フィルムを二つ折りにしてその間に熱可塑性合成樹脂フィルム製品を挟み置いて、その上で、折り曲げ部を除いた開放側縁となる縦方向及び前後の横方向の三方向を各々に熱溶着シールする所謂三方シールと呼ばれる方法によって行われていた。
【0004】
しかしながら、このような三方シールによる従来の包装方法によると、三方シールの際に熱溶着シールを担うシーラーが被包装物たる熱可塑性合成樹脂フィルム製品の側縁部を不用に踏んだ場合には、外装袋となる当該熱可塑性合成樹脂フィルムに熱可塑性合成樹脂フィルム製品自体が熱溶着して製品不良を発生させるおそれがある。それ故に、かかる製品不良の発生を未然に回避して安全、確実な包装作業を確保するためには、三方シールにおける各々のシールにおいてその都度寸法上の余剰を大きく見込んだ上で熱溶着シールを行わざるを得ない。
【0005】
従って、このような三方シールにより成形されてなる外装袋に包装された従来の所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品は、外装袋が被包装物たる所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品に対して寸法上の余剰が過大で、きわめてルーズな弛みの大きい包装とならざるを得なかったことから、見栄えが悪く商品価値を損なう共に搬送作業上も滑落し易く取扱い難い。のみならず、外装袋に当てるフィルム材料の使用量も嵩むことからコスト高を招き不経済であるという問題があった。
【特許文献1】特開平06−286731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、如上の問題に鑑みてこれを緩和すべく案出したものであって、所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品に対する熱可塑性合成樹脂フィルム製の外装袋による袋詰め包装において、余剰寸法の発生を少なくしてルーズな弛みの少ないタイト感のある袋詰め包装を行うことのできる有益な熱可塑性合成樹脂フィルム製品の外装袋への袋詰め包装方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る熱可塑性合成樹脂フィルム製品の外装袋への袋詰め包装方法は、熱可塑性合成樹脂製のチューブ状フィルムをその長手方向を横切る方向に熱溶着シール及びカットを所要間隔をおいて施して開口有底の外装袋を形成すると共に、所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品を連続波状に折り曲げ変形させ、その折り曲げ変形させた状態下で前記外装袋内にその開口部から挿入し、挿入後に該開口部を熱溶着シールすることを最も主要な特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の包装方法によれば、包装すべき所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品をそれ自体が有する軟質弾性を利用して連続波状に折り曲げ変形させることによって、当該熱可塑性合成樹脂フィルム製品がもつ原状態での端面面積に比してこれを小さく変化させることができ、これによって外装袋への挿入作業を寸法上の余裕を生み出して容易に行うことができると共にその後には、外装袋内において当該熱可塑性合成樹脂フィルム製品は原形状に弾性復元することから、外装袋にその幅方向においてフィットさせることができる。
【0009】
従ってあらかじめ外装袋の幅寸法に過大な余剰寸法を見込む必要がなく、適正サイズの外装袋をあらかじめ選択、使用して幅方向においてルーズな弛みの少ないタイトな外装袋による袋詰め包装を行うことができる。
【0010】
その後に外装袋の開口部を熱溶着シールする必要があることから、縦方向においては依然として余剰寸法の見込みを余儀なくするが、それは該開口部の一箇所のみに過ぎないことから、全体として、ルーズな弛みの少ないタイトな外装袋をもって所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品を袋詰め包装することができ、商品の見栄えを向上させて商品価値を高め得ると共に搬送作業上の取扱い性も向上し、また、外装袋の成形に当てるフィルム材料の使用量を減少させてコスト削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の熱可塑性合成樹脂フィルム製品の外装袋への袋詰め包装方法を実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品の原状態下における端面面積の説明図である。図2は所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品を連続波状に折り曲げ変形した状態下における端面面積の説明図である。
【0013】
本発明において外装袋を成形するために使用する素材は、熱可塑性合成樹脂製のチューブ状フィルムである。該熱可塑性合成樹脂製のチューブ状フィルムは、その長手方向を横切る方向に熱溶着シールを施して袋底を形成すると共に所要間隔をおいて上下をカットすることで有底の外装袋を得ることができる。該外装袋は、後述するように可塑性合成樹脂フィルム製品をその内部に挿入したその後で、上端の開口部を熱溶着シールするものである。
【0014】
本発明は、所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品を上記の外装袋内に挿入するに当たって、該熱可塑性合成樹脂フィルム製品が元来保有する軟質弾性を利用して、該熱可塑性合成樹脂フィルム製品を連続波状に折り曲げ変形させて、その折り曲げ変形の状態下で外装袋内に挿入することを最も特徴とするものである。
【0015】
外装袋により包装する所要枚数まとめられてなる熱可塑性合成樹脂フィルム製品の原状態下での端面形状は、図1に例示するような平板状の矩形状を呈し、その輪郭の全周長は、幅寸法Aの表裏と厚み寸法Bの左右両側を合計したものであり、A×2+B×2となる。
【0016】
このような所定枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品をその軟質弾性を利用して図2に例示するように連続波状に折り曲げ変形させる。すると、その折り曲げ状態下で形造られる変形したその輪郭の全周長は、前記の幅寸法Aがaへと短縮(A>a)変化すると共に前記の厚さ寸法Bがbへと増大(B<b)変化するものであり、a×2+b×2となる。
【0017】
この折り曲げ変形状態下の輪郭の全周長a×2+b×2は、折り曲げ変形させる前の前記図1の原状態下での輪郭の全周長A×2+B×2に比してその長さが短くなる。
【0018】
これは、連続波状に折り曲げたことによって幅寸法Aがaへと短縮するが、その短縮相当分は、厚み側にそのまま転化して厚み寸法をそのまま増大させるものとはならない。その短縮相当分は、連続波状の各々に等分に振り分けられて、その振り分けられた一等分の寸法のみが厚み寸法をBからbへと増大させるに過ぎない。従って、厚み寸法のBからbへの増大分は、幅方向におけるAからaへの短縮相当分の数分の一に過ぎず、それにより、A×2+B×2>a×2+b×2に変化するものであると言える。
【0019】
上記した所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品をその軟質弾性を利用して連続波状に折り曲げ変形させることは、たとえば、複数の丸棒体を所定間隔を置いて並列状に配設し、その上に熱可塑性合成樹脂フィルム製品を乗載し、該熱可塑性合成樹脂フィルム製品における丸棒体相互の間隙に当たる部位を順次に押下させることで実施することができる。
【0020】
以上の次第にて、連続波状に折り曲げ変形することによって熱可塑性合成樹脂フィルム製品における端面の輪郭全周長を短縮化することができ、これによって前記外装袋内にその開口部から寸法上の余裕を生み出して容易に挿入することができる。
【0021】
しかも、外装袋内に挿入された連続波状に折り曲げ変形してなる熱可塑性合成樹脂フィルム製品は、該外装袋内において時間の経過に伴い素材の保有する弾性復元力によって図1に示す原形状に復元するから、一旦短縮化した端面における輪郭の全周長が元の寸法に戻る。これによって、外装袋の幅方向において熱可塑性合成樹脂フィルム製品をフィットさせることができる。
【0022】
しかる後に、外装袋の開口部に熱溶着シールを施し、所要枚数まとめてなる熱可塑性合成樹脂フィルム製品の外装袋への袋詰め包装を行うことができる。
【0023】
ここにおける外装袋の開口部に施す熱溶着シールは、不用な溶着による製品不良を回避する上から依然として余剰の寸法を見込まざるを得ない。
【0024】
このことから、その分だけ外装袋の縦方向においてルーズな弛みを生じさせるが、それは従来に比すれば熱溶着シールの回数が少ないだけに少量であり、全体としてはルーズな弛みの少ないタイトな外装袋をもって所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品を袋詰め包装することを達成できる。
【0025】
これによって、商品の見栄えを向上させ、商品価値を高め得ると共に搬送作業上の取扱い性もよく、また、フィルム材料の使用量を減らしてコスト削減に資することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品の原状態下における端面面積の説明図である。
【図2】所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品を連続波状に折り曲げ変形した状態下における端面面積の説明図である。
【符号の説明】
【0027】
A 幅寸法
B 厚み寸法
a 幅寸法
b 厚み寸法




【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性合成樹脂製のチューブ状フィルムをその長手方向を横切る方向に熱溶着シール及びカットを所要間隔をおいて施して開口有底の外装袋を形成すると共に、所要枚数の熱可塑性合成樹脂フィルム製品を連続波状に折り曲げ変形させ、その折り曲げ変形させた状態下で前記外装袋内にその開口部から挿入し、挿入後に該開口部を熱溶着シールすることを特徴とする熱可塑性合成樹脂フィルム製品の外装袋への袋詰め包装方法。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate