説明

熱可塑性樹脂組成物およびその用途

【課題】 エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の持つ特性を保持したまま、フィルムやシートなどに加工したときに良好な艶消し外観を呈し、加工性、強靭性、ヒートシール性にも優れる熱可塑性樹脂組成物、およびその用途を提供すること。
【解決手段】 不飽和カルボン酸含有量が2〜25重量%で、メルトフローレイトが10〜550g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)およびメルトフローレイトが0.5〜15g/10分のポリオレフィン(B)からなり、(A)と(B)の重量比(A)/(B)が95〜50/50〜5であり、(B)のメルトフローレイトが、(A)のメルトフローレイトより低い熱可塑性樹脂組成物、およびそれからなる艶消し外観を有するフィルムおよびシート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムやシート等に加工したときに良好な艶消し外観を有する熱可塑性樹脂組成物およびその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、分子鎖中に極性基を含んでいるので、強靭性、柔軟性に加えて、ガラス、金属等への接着性、熱安定性、耐候性、吸湿性、包装材適正に優れるとの特長があることが知られている。
【0003】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、このような特長を活かして、押出コーティング、各種成形品、ホットメルト接着剤、金属コーティングなどの用途に汎用的に使用されている。
このようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体をフィルムやシートなどに加工したとき、表面反射光沢がなく、柔らかくてしなやかな感触を望まれることがあった。
このような要望に答えるべく、フィルムやシートなどに加工したときに良好な艶消し外観を有するエチレン・不飽和カルボン酸共重合体を得るために取り組んだ結果、本発明に到達した。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−106645
【特許文献2】特開平2−4846
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の持つ特性を保持したまま、フィルムやシートなどに加工したときに良好な艶消し外観を呈し、加工性(インフレーション成形フィルムの口開き性、滑り性等)、強靭性、ヒートシール性にも優れる熱可塑性樹脂組成物を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、不飽和カルボン酸含有量が2〜25重量%で、メルトフローレイト10〜550g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)およびメルトフローレイトが0.5〜15g/10分のポリオレフィン(B)からなり、(A)と(B)の重量比(A)/(B)が95〜50/50〜5であり、(B)のメルトフローレイトが、(A)のメルトフローレイトより低い熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【0007】
本発明はまた、前記熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムまたはシートを提供する。
【0008】
本発明はさらに、前記熱可塑性樹脂組成物からなる層を、少なくとも表層の一つに用いてなる積層体を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の持つ特性を保持したまま、加工性、強靭性、ヒートシール性にも優れ、良好な艶消し外観を呈するフィルムやシートとなり得る熱可塑性樹脂組成物が提供される。
本発明により、良好な強靭性、ヒートシール性を備え、良好な艶消し外観を呈するフィルムやシートが提供される。
本発明により、前記熱可塑性樹脂組成物からなる層を、少なくとも表層の一つに用いた艶消し外観が良好な積層体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、不飽和カルボン酸含有量が2〜25重量%で、メルトフローレイト10〜550g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)およびメルトフローレイトが0.5〜15g/10分のポリオレフィン(B)からなり、(A)と(B)の重量比(A)/(B)が95〜50/50〜5であり、(B)のメルトフローレイトが、(A)のメルトフローレイトより低い熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【0011】
本発明で用いるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)は、不飽和カルボン酸含有量が2〜25重量%、好ましくは4〜20重量%で、JIS K7210:1999に準拠して、190℃、2,160g荷重で測定したメルトフローレイト(MFR)が10〜550g/10分、好ましくは30〜500g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体である。
【0012】
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などを挙げることができる。中でもアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
【0013】
本発明のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)は、不飽和カルボン酸エステルを0〜40重量%、好ましくは0〜15重量%程度含んでいてもよい。このような不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸ジメチルなどを挙げることができる。
【0014】
本発明で用いるポリオレフィン(B)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの炭素数2〜8のα−オレフィンの単独重合体、またはそれと他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。そのメルトフローレイトは、0.5〜15g/10分、好ましくは2〜8g/10分であることが望ましい。なおメルトフローレイトは、エチレン系樹脂(50重量%以上のエチレン単位を含む樹脂)の場合はJIS K7210:1999に準拠して190℃、2,160g荷重で測定、プロピレン系樹脂(50重量%以上のプロピレン単位を含む樹脂)の場合は温度条件のみ異なり、230℃で測定する。その中でもエチレン系樹脂が好ましい。エチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体や、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。
【0015】
エチレンの単独重合体及びエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体の好ましい例としては、各種触媒系、例えばラジカル重合触媒、高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分からなるチーグラー触媒などのマルチサイト触媒、ジルコニウム化合物を代表例とするメタロセン系触媒成分とアルミノオキサンなどの触媒成分とからなるメタロセン系触媒などのシングルサイト触媒などを用い、各種方法で製造されるエチレンの単独重合体又はエチレンと他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。より具体的には、上記方法で得られ通常ポリエチレンと呼ばれる重合体が好ましく、例えば高圧法ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度直鎖状ポリエチレン、エチレン系エラストマーなどを挙げることができる。
【0016】
エチレンと共重合し得るα−オレフィンとしては、炭素数3以上、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜8のα−オレフィンが好ましく、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどを挙げることができる。
【0017】
本発明において特に好ましく用いられるエチレン系樹脂として、密度が890〜930kg/mの高圧法ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどを挙げることができる。
【0018】
本発明の熱可塑性樹脂組成物におけるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)とポリオレフィン(B)の重量比(A)/(B)は、95〜50/50〜5、好ましくは90〜55/45〜10であることが望ましい。
【0019】
本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、ポリオレフィン(B)のメルトフローレイトが、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)のメルトフローレイト[MFR(A)で表す]より低いことが好ましい。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)のメルトフローレイト[MFR(A)]とポリオレフィン(B)のメルトフローレイト[MFR(B)で表す]が、下記の式を満たすことがより好ましい。
logMFR(A)−logMFR(B)≧0.5
【0020】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、所望により各種添加剤を含む組成物として用いることができる。それらの添加剤としては、酸化防止剤(商品名としては、ヨシノックスBHT(エーピーアイコーポレーション社製)、イルガノックス1010(チバスペシャルティケミカルズ社製)、イルガノックス1076(チバスペシャルティケミカルズ社製)等を例示できる)、耐光安定剤(商品名としては、キマソ−ブ944LD(チバスペシャルティケミカルズ社製)、サノ−ルLD−770(三共)等を例示できる)、紫外線吸収剤(商品名としては、ライザ−(シプロ化成社製)、スミソ−ブ130(住友化学社製)等を例示できる)、帯電防止剤、滑剤、顔料、染料、カ−ボンブラック、樹脂ワックス、加工性改良剤、充填剤、分散剤、発泡剤等が上げられる。所望の性能によって添加量は異なるが、一般的には0〜50,000ppmの範囲にあることが望ましい。
【0021】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は架橋して用いてもよい。架橋方法としては、有機過酸化物、電子線架橋(放射線架橋)、シラン架橋剤などの従来公知の架橋技術を用いることができる。
【0022】
有機過酸化物としては、第3ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(第3ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(2−第3ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ第3ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;第3ブチルパーオキシイソブチレート、第3ブチルパーオキシマレイン酸、第3ブチルパーオキシイソナノエート、第3ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、第3ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、第3ブチルパーオキシアセテート、第3ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ビスパーオキシベンゾエートなどのアルキルパーオキシエステル;1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(第3ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(第3アミルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(第3ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(第3ブチルパーオキシ)バレレート、エチル−3,3−ビス(第3ブチルパーオキシ)ブチレートなどのパーオキシケタールなどを例示することができる。
【0023】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成分(A)と成分(B)および必要により他の配合成分を秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーなどで混合し、樹脂温度100℃〜200℃程度で押出機などを用いて溶融混練する方法などで樹脂組成物を製造することができる。また本発明の熱可塑性樹脂組成物は、インフレーション加工、カレンダー加工、Tダイ加工などにより、樹脂温度100℃〜200℃程度でフィルムまたはシートなどに製造することができる。
【0024】
本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムまたはシートは、表面反射光沢がなく、柔らかくてしなやかな感触を有する良好な艶消し外観を呈するため、高級感やしなやかさ、滑り性、不透明感、取扱い時の消音性、防汚性を要する用途に好適に使用できる。たとえば、本発明の熱可塑性樹脂組成物の特性を活かして、サニタリー用品やオムツなどの包装材料、自動車の表皮材および内外装材、文具、建材などに使用が可能である。
【0025】
本発明により得られる艶消し外観を有するフィルムまたはシートは、60°グロス値が35以下であることが好ましい。
【0026】
多層フィルムまたはシートの場合は共押出によるのが最も効率的である。2層以上の多層フィルムまたはシートは、従来公知の押出ラミネーターを使用することによって製造することができる。
【0027】
多層フィルムまたはシートの場合、最外層である表層を本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる層とすることによって、本発明の熱可塑性樹脂組成物の特性を表面に有する積層体となるので、本発明の好ましい態様である。このような積層体は、特に自動車の表皮材および内外装材、包装材、建材などに好適に使用できる。
【実施例】
【0028】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら制限されるものではない。
【0029】
本発明において諸物性は、下記の測定方法によって測定した。
(1)メルトフローレイト(MFR)
JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2,160g荷重で測定した。
【0030】
(2)引張特性
JIS K6760に準拠し、下記の条件で破断点強度および破断点伸びを測定した。
引張速度500mm/分、チャック間距離:90mm、標線距離:40mm
【0031】
(3)滑り性
ASTM D1890に準拠し、63.5mm角のホルダーにフィルム試験片を装着し、基盤に取り付けた同じフィルム試験片上を150mm/分で引っ張ったときの荷重とホルダーの荷重の比から、滑り摩擦係数を測定した。
【0032】
(4)光学特性
(4−1)HazeおよびGross:JIS K7105に準拠して測定した。なおG
rossは角度20°で測定した。
(4−2)Trans:ASTM D1746に準拠して測定した。
(4−3)60°グロス:JIS Z8741に準拠して測定した。
【0033】
(5)ヒートシール性
JIS Z1707に準拠して、15mm幅のフィルムを剥離した際のシール強度を測定した。なお、測定に使用したサンプルは、140℃に加熱した10mm幅のシールバーで1秒間加圧したものであり、ヒートシールをしてから24時間経過したものを使用した。
【0034】
(6)艶消し外観
目視にて判定し、艶消し外観の有無を下記の基準で評価した。
○:あり(フィルムの透明性および光沢感が低く、艶消し外観が発現した)
×:なし(フィルムの透明性乃至は光沢感が高く、艶消し外観が発現しなかった)
【0035】
(7)インフレーション成形フィルムの口開き性
後述の条件でインフレーション成形した後、筒状フィルムのフィルム間の口開きの容易さを手で開いて判定し、下記の基準で評価した。
○:良 (成形時にフィルム間が容易に口開きした。)
×:不良(成形時にフィルム間が密着し、口開きが不可であった。)
【0036】
実施例及び比較例において使用した原料は、以下のとおりである。
(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
(A−1)エチレン−メタクリル酸共重合体:メタクリル酸含有量=11.0重量%、MFR=100g/10分。
(A−2)エチレン−メタクリル酸共重合体:メタクリル酸含有量=10.5重量%、MFR=35g/10分。
(A−3)エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル共重合体:メタクリル酸含有量=10.0重量%、アクリル酸イソブチル含有量=10.0重量%、MFR=36g/10分。
(A−4)エチレン−メタクリル酸共重合体:メタクリル酸含有量=15.0重量%、MFR=60g/10分。
(A−5)エチレン−メタクリル酸共重合体:メタクリル酸含有量=20.0重量%、MFR=60g/10分。
(A−6)エチレン−メタクリル酸共重合体:メタクリル酸含有量=10.0重量%、MFR=500g/10分。
(A−7)エチレン−メタクリル酸共重合体:メタクリル酸含有量=10.5重量%、MFR=8g/10分。
【0037】
(B)ポリオレフィン
(B−1)ポリエチレン:密度=923kg/m、MFR=3.7g/10分。
(B−2)ポリエチレン:密度=917kg/m、MFR=9.5g/10分。
【0038】
(実施例1〜5、比較例1)
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)とポリオレフィン(B)を、表1に示す割合で溶融混練(樹脂温度130℃〜150℃)し、インフレーションフィルム成形機(50mmφ)を用いて成形(樹脂温度120℃〜140℃)し、50μm厚みのフィルムを得て、その物性を測定した。
引張特定は比較例とあまり差は見られず、滑り性と光学性、60°グロス、艶消し外観、口開き性は比較例よりも良好であった。
【0039】
【表1】

*)滑りが悪く、測定不可
【0040】
(実施例6〜8、比較例2)
(A)成分と(B)成分を、表2に示す割合で溶融混練(樹脂温度110℃〜150℃)し、インフレーションフィルム成形機(30mmφ)を用いて成形(樹脂温度110℃〜150℃)し、50μm厚みのフィルムを得て、その物性を測定した。(A)成分と(B)成分のMFRの差が大きい方が、より良好な艶消し外観を発現した。
【0041】
【表2】

【0042】
(実施例9〜12、比較例3)
(A)成分と(B)成分を、表3に示す割合で溶融混練(樹脂温度120℃〜150℃)し、異形押出成形機を用いて成形(樹脂温度100℃〜130℃)し、60μm厚みのフィルムを得て、その物性を測定した。(B)成分を用い、さらに(A)成分と(B)成分のMFRの差が大きい方が、より良好な艶消し外観を発現した。
【0043】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明により、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の持つ特性を保持したまま、フィルムやシートなどに加工したときに良好な艶消し外観を呈し、加工性(インフレーション成形フィルムの口開き性、滑り性等)、強靭性、ヒートシール性にも優れる熱可塑性樹脂組成物が提供される。
本発明により、良好な強靭性、ヒートシール性を備え、良好な艶消し外観を呈するフィルムやシートが提供される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムまたはシートは、高級感やしなやかさ、滑り性、不透明感、取扱い時の消音性、防汚性を要する用途に好適に使用できる。たとえば、本発明の熱可塑性樹脂組成物の特性を活かして、サニタリー用品やオムツなどの包装材料、自動車の表皮材および内外装材、文具、建材などに使用が可能である。
本発明により、前記熱可塑性樹脂組成物からなる層を、少なくとも表層の一つに用いた艶消し外観が良好な積層体は、特に自動車の表皮材および内外装材、包装材、建材などに好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和カルボン酸含有量が2〜25重量%で、メルトフローレイトが10〜550g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)およびメルトフローレイトが0.5〜15g/10分のポリオレフィン(B)からなり、(A)と(B)の重量比(A)/(B)が95〜50/50〜5であり、(B)のメルトフローレイトが、(A)のメルトフローレイトより低い熱可塑性樹脂組成物。
【請求項2】
前記不飽和カルボン酸が、アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリオレフィンが、エチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)のメルトフローレイト[MFR(A)]とポリオレフィン(B)のメルトフローレイト[MFR(B)]が下記式を満たすものである請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
logMFR(A)−logMFR(B)≧0.5
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムまたはシート。
【請求項6】
前記請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる層を、少なくとも表層の一つに用いてなる積層体。

【公開番号】特開2008−63539(P2008−63539A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246029(P2006−246029)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【出願人】(000174862)三井・デュポンポリケミカル株式会社 (174)
【Fターム(参考)】