説明

熱応答形膨張弁

【目的】 冷房装置内の流れを制御するのに適するとともに熱応答速度を容易に変更可能にすること。
【構成】 冷房装置用の熱応答形膨張弁で、連続流通路(46)内の流れと熱交換関係に配置された中空部材(80)を含むアクチュエータ手段と、流体充填室(90)を含み、流体の圧力の変化に応答してアクチュエータ手段を移動させる圧力応答手段と、中空部材と流体充填室との間の流体連通を減少させ、前記弁の熱応答を変更させる流れ制限手段(92)とを備える。これにより、戻り流の急激な温度変化の影響を緩和する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調及び冷房装置において冷媒流体の流れを制御するために用いられる形式の膨張弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、空調装置、特に自動車の客室の冷房に用いられるものにおいて、膨張弁が、コンデンサから比較的高圧で送られてくる加圧液体冷媒の流れを絞ることによって、比較的低圧の流れを蒸発器へ送り、それからコンプレッサへ戻すことができるようにしている。特に、自動車の空調装置において蒸発器への液体冷媒の流れを制御するために用いられている膨張弁は、「ブロック」形弁として知られている形式のものであり、蒸発器から吐き出された気化冷媒を通過させることによってそれの温度及び圧力の熱感知を行って制御できるようにする独立した戻り流通路が、弁本体またはブロックに設けられている。
【0003】例えば、膨張弁を移動させるためのアクチュエータロッドを設け、コンプレッサに通じる戻り通路内を流れる冷媒にロッドを露出して、その間で熱伝達を実施できるようにすることは公知である。また、ロッドを介した熱伝達を利用してアクチュエータロッドに連結された圧力応答手段を作動させる温度信号を発生することによって、蒸発器から吐き出された冷媒の温度の変化に応答して膨張弁の機能を制御できるようにすることも公知である。
【0004】また、弁アクチュエータロッド制御部材を移動させるため、圧力応答手段であるダイアフラムに作用する加圧流体を入れた流体充填室を設けることが公知であり、またロッドの一部に加圧流体を充填して、それがコンプレッサ入口へ通じた戻り通路を流れる冷媒に対して熱伝達関係になるようにすることも公知である。
【0005】図7に示すように、中空の管状部材1に取り付けられたダイアフラム2が、カプセル3によってダイアフラムの上方に形成された流体充填室内の圧力を感知し、中空のアクチュエータロッドがコンプレッサ戻り通路を貫通して制御弁部材を移動させるようにした冷媒膨張弁を提供することは公知である。
【0006】この後者の形式の弁構造において、中空のアクチュエータロッドは、感知された冷媒温度の急激な変化を受けて、ダイアフラムに作用する流体充填室内の圧力を迅速に変化させることがある。流体充填室内の圧力の急激な変化は、制御弁の流れに対応する変化を発生するため、蒸発器内の冷媒流に過制御または望ましくない振動が生じる。この過渡現象は、エンジン速度の変化、コンデンサまたは蒸発器ファン速度の短時間変化、蒸発器内での蓄積油カスケード等によって発生する。
【0007】この感知温度変化、及びそれによって生じる圧力変化に対する時定数は、一般的に最終変化すなわち漸近限界の63%に達するまでが2秒程度である。しかし、一部の装置では、そのような過渡現象に対する装置の応答を防止するため、時定数を長くすることが必要であることがわかっている。応答時間を長くする必要がある装置では、最低で5秒、最高で約40秒程度の時定数が必要であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】蒸発器から吐き出される冷媒の温度過渡現象の影響を緩和または抑制するため、従来の弁(図7参照)では、アクチュエータロッドをジャケット4で隔離するのが一般的であった。この技法は、制御装置の所望の作用を確実に得るには不十分であり、また乗用車の空調装置用に弁を大量生産できる設計では、そのような隔離をして10秒以上の時定数が必要とされる所望の応答速度を提供するには困難が生じていた。
【0009】このため、自動車の空調装置等の冷房装置内の流れを制御するための望ましい作用を達成できるように熱応答速度を容易に変更できるようにした低コストで製造が簡単なサーモスタット形冷媒膨張弁が望まれていた。
【0010】このような事情に鑑みて、本発明は、冷房または空調装置における冷媒流体の流れを制御するのに特に適した熱応答形膨張弁を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】および
【作用】上記目的を達成するため、本発明は、入口及び出口を備え、その間の流れを制御できるように移動可能な弁部材を有する弁本体が設けられ、装置の蒸発器から吐き出されてコンプレッサ入口へ戻される冷媒が流れるように接続された独立の連続通路が、弁本体に貫設されている。
【0012】弁部材を移動させるアクチュエータは、戻り通路を貫通しているロッドを含み、ロッド内に中空部を形成している。ロッドの先端部は、弁本体の外側の流体充填室内の流体圧力に露出している圧力応答形ダイアフラムに連結している。ロッド内の中空部は、室内の流体と流体連通している。アクチュエータロッドは、連続通路を流れる冷媒戻り流と伝熱すなわち熱伝達関係にある。ロッド内の流体は、戻り通路内の冷媒流の温度変化に応答して、流体充填室内の流体の圧力を変化させる。このため、室内の流体の圧力がダイアフラムに作用して、ダイアフラムに作動連結された弁アクチュエータロッドを移動させることができる。
【0013】ある実施例では流量調整オリフィスを形成する中空管状部材を有し、別の実施例では流量調整オリフィスを形成するプラグを有し、別の実施例では多孔質プラグを有する流れ制限手段が、アクチュエータロッドの中空部分内に設けられて、ダイアフラムに作用する流体が室に流れる流れを減速できるようになっている。流量調整オリフィスは、流体充填室への流体流を減速し、それによってその内部での圧力変化を低速化する機能を有しており、蒸発器から吐き出される冷媒の温度の過渡変化に弁が応答しないようにしている。
【0014】本発明の別の特徴として、製造が簡単であり、圧力応答形ダイアフラム及びアクチュエータロッドのシールが容易であり、また、好ましくは共通溶接でダイアフラム及びアクチュエータに封着固定されるプラグまたは管状部材に流量調整オリフィスが形成されている。
【0015】図7に示されているように、一般的な冷媒充填装置では、一部の濃縮冷媒が、中空部の開放端部内に設けられたスクリーンまたは螺旋ばね5によって中空端部内に保持されている。吸収充填装置では、吸収材を中空部内に保持するためにスクリーンが用いられる。
【0016】
【実施例】図1に示されている弁アセンブリ10は、出口通路14を備える弁本体12を有し、出口通路14には、管に形成されてシール20を圧縮しているフランジ18によって連結された管状の導管16が嵌挿されている。導管16は、冷媒蒸発器へ減圧流れを送るように連結されている。出口通路14は、弁座22に連通している内孔15に連通している。可動弁部材24がそれに対応して設けられ、一般的に球形をしている。弁座及び通路15は、弁本体12の端部の内孔28で形成された入口室26と連通しており、この内孔28は、本体に螺着したプラグ30によって閉鎖されている。プラグ内に中空部分32が形成されており、上端部にキャップ36を整合させたばね34が中空部分に収容され、キャップが弁部材24に当接して、弁部材を弁座22に当接する閉鎖位置へ付勢している。
【0017】弁室26はさらに、交差状に入口通路38にも連通しており、これに導管40がはめ込まれ、好ましくはそれに形成されたフランジ42をシール44に当接させることによって、これを入口通路38内に封着できるようにしている。導管16は、冷媒蒸発器へ減圧流れを送るように連結される。入口導管40は、冷媒コンデンサの出口から比較的高圧の冷媒を受け取るように連結される。
【0018】弁の校正中、プラグ30を回転させることによってばね34を圧縮して、球形の弁部材24に所望の予荷重を加えることができる。ねじは、アネロビック(anerobic)シーラント等の適当な技法によってシールすることができる。
【0019】別の貫通路46が弁本体12に形成されており、その一端部に管または導管48が取り付けられ、導管48の周囲に形成されたフランジ50をシール52に押し付けることによって、導管を通路46内に封着できるようにしている。導管48は、冷房装置のコンプレッサの、蒸発器から吐き出された過熱気化冷媒を受け取る入口に連結されるようになっている。通路46の他端部に管または導管54が取り付けられ、導管に設けられたフランジ56が、通路46の端部の周囲に設けられたシール58を圧縮している。
【0020】導管54は、冷媒蒸発器の吸い込み入口吐き出し側ポートに連結される。導管54、16は、フランジ56、18に当接させることができる形状であって弁本体12にねじ付けるねじ62等の適当な締め付け手段によってそれらに固定できるリテーナ60によって弁本体上に保持されている。同様に、導管48、40は、フランジ50、42に当接させることができる形状であって弁本体12にねじ付けるねじ66等の適当な締め付け手段によってそれらに固定できるリテーナ64によって所定位置に固定保持されている。
【0021】熱応答形アクチュエータ手段68には、弁本体12に取り付けられた凹状の環状下側シェル部分70が設けられている。図1の実施例では、本体材料からなる折り返しフランジ72によってシェル70が固定されている。好ましくは金属材からなる環状の薄い可撓性ダイアフラムが、下側シェル70の周囲に封着されており、上側シェルまたはカバー76の周囲との中間に位置している。上下のシェル及びダイアフラムは、レーザ溶接、抵抗溶接、ろう付け等の適当な溶接で封着接合されている。
【0022】ダイアフラム74にアクチュエータロッド手段78が取り付けられており、この手段に設けられた中空の管状部材が、弁本体12に形成された内孔82内に摺動可能に収容されており、内孔82は上向きに延出して、ダイアフラム74の下方のシェル70内部に開放している。内孔82は下向きに延出して、出口通路14に連通している小径の通路84と交わっており、小径通路84内にピン86が摺動可能に収容されている。ピン86は、管状部材80の下向き移動時に作動して、球形弁部材24に接触してそれを弁座から離脱させる。
【0023】ロッド80の中空内部88は、流れ制限手段92を介してダイアフラム74の上方のシェル76の内部90に連通している。公知のように、室90及びロッド80の中空内部88には、液相及び気相が混ざった冷媒またはシリコーン油等の加圧流体が充填されている。通路46を通る冷媒流の温度変化によって、ロッド80の中空部88内の圧力が増減し、それによってダイアフラム74の上方の室90内の圧力が変化する。
【0024】図1の実施例の流れ制限手段92は、ダイアフラム74に貫設された開口98を貫通して取り付けられたプラグ96に形成された流量調整オリフィス94を有している。現時点で好適な例として、ダイアフラムが「中立平面」上にあり、充填圧力が4気圧程度である時、室90の容積対中空部88の容積の比が約4:1である弁構造の場合、オリフィス94の大きさは0.005 〜0.010 インチ(0.13〜2.5 mm)である。
【0025】プラグは、溶接等の適当な手段でアクチュエータロッド80の端部に封着固定される。環状のバッキングプレート99が、ダイアフラム74の裏面に開口98を取り囲むように設けられている。ワッシャ97が、ダイアフラム74の上表面に設けられている。プラグ96の一部が、プレート99、ダイアフラム開口98及びワッシャ97を貫通して上方に延出して、それの封着固定を容易にしている。現時点で好適な例として、ダイアフラム74、プレート99及びワッシャ97に対するプラグ96の封着固定は、例えばレーザ、抵抗または電子ビーム溶接等の共通溶接によって行われる。しかし、例えば硬ろうまたは溶接素材等の適当なフィラー材で溶接を行ってもよいことを理解されたい。プラグ96には、プレート99の裏面に位置合わせされる肩部を形成するフランジまたは大径部分95が設けられている。
【0026】図2は、制限プラグ95’及びロッド80へのそれの取り付け部分の変更実施例を示している。図2の実施例のプラグ95は、図1の場合と同様にダイアフラムバッキングプレート及びダイアフラムに組み付けられている。しかし、プラグ95’にはロッド80の中空内部88内へ下向きに延出したパイロット部分100 が設けられて、位置決めを行うと共に、それへの溶接を容易にしている。
【0027】図3は、中空アクチュエータロッド80’の構造の変更実施例を示しており、ダイアフラム下側バッキングプレート99’が、ロッド80’の上部に形成された肩部102 にはめ付けられている。図3の実施例では、制限プラグ104 がアクチュエータロッド80’の中空内部88’にはめ込まれており、アクチュエータロッド80’の小径部分106 上にバッキングプレート99’、97’の溶接と共通の溶接でその中に固定されている。
【0028】図4は、アクチュエータロッド/ダイアフラムアセンブリの変更実施例を示しており、例えば深絞り法によってロッド108 が下側ダイアフラムバッキングプレート110 と一体状に成形されている。ダイアフラムには上側バッキングリング112 が設けられており、これは下側バッキングプレートへの共通溶接によってダイアフラムを下側バッキングプレートに固定する。図4の実施例の制限手段は、ロッド108 の中空内部116 内に取り付けられた多孔質プラグ、例えば粉末金属プラグを有している。
【0029】図5は、図4に示されている実施例に類似した別の実施例を示しており、この実施例ではアクチュエータロッド108 ’が下側バッキングプレート110 ’とは別体に形成されて、それに溶接で固着されている。図5R>5の実施例では、制限オリフィス118 が下側ダイアフラムバッキングプレートに形成されており、これは図4の実施例と同様にしてリング112 ’によってプレートに固着されている。
【0030】図6は、本発明の別の実施例を示しており、弁本体と螺合させるねじ付きカラー171 が、下側シェル170 と一体に形成されている。ダイアフラム174 が、下側シェル170 の周縁部分に取り付けられている。カバー176 及びカバーの外縁部は、図1の実施例の構造と同様な適当な溶接によって下側シェル170 の周縁部に取り付けられている。ダイアフラムの中心の開口から一体状に形成された深絞りカップ部分200 が、下側バッキングプレート199 の中央部分内へはめ込まれており、カップ部分200 の下縁部が閉鎖して、中空内部188 を形成している。
【0031】図6の上側ダイアフラムバッキングプレート197 にも深絞り中央カップ部分201 が設けられて中空内部188 に密着状態にはめこまれており、下端部に制限オリフィス194 が形成されている。上側ダイアフラムバッキングプレート197 及び下側プレート199 は、共通溶接によってダイアフラムに封着固定されている。外被またはガイドブッシュ202 が深絞りカップ部分200 の外表面上に被せられており、外被202 は弁本体内でのカップ200 の移動を案内できる寸法になっている。
【0032】このように、本発明は、コンプレッサへ戻る冷媒戻り通路を貫通している熱伝導性の中空弁作動ロッドによって温度が感知される熱応答形冷媒膨張弁の独特な構造を提供している。中空ロッドは、パワーダイアフラムに作用する流体圧力室に連通している。制限オリフィスを介して2室間を連通させることによって、装置内の熱的過渡現象の影響を緩和させ、そのような過渡現象に対する弁の応答をほとんどなくすことができる。
【0033】様々な実施例で、中空の弁作動ロッドの上端部にプラグを設けることによって制限オリフィスが形成されており、ロッド及びプラグを共通溶接によってカラーダイアフラムに共通固着させるための様々な構造が記載されている。他の実施例では、下側ダイアフラムバッキングプレートに溶接されるか、それと一体に形成された深絞りカップによって中空の作動ロッドが形成されている。
【0034】以上に本発明の好適な実施例を説明してきたが、請求の範囲において制限され範囲内で様々な変更を加えることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、連続通路内の流れと熱交換関係に配置された中空部材と流体充填室との間の流体連通を減少させる流れ制御手段を設けたので、熱応答速度を容易に変更でき、中空部内の圧力変化を低速化して、戻り流の急激な温度変化の影響を緩和し、装置内の熱的過渡現象に対する弁の応答をほとんどなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を実施したブロック形式の冷媒膨張弁の断面図である。
【図2】図1の変更実施例における一部拡大図である。
【図3】図1のさらなる変更実施例における一部拡大図である。
【図4】図3と同様な本発明の他の実施例を示す一部拡大図である。
【図5】図3と同様な本発明の他の実施例を示す一部拡大図である。
【図6】流量調整オリフィスを形成する中空の管状部材を用いた本発明に係る図1の弁の一部の1/4を破断した斜視図である。
【図7】図6と同様な形式における従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
12 弁本体
14 出口通路
24 弁部材
38 入口通路
46 連続流通路
80 アクチュエータロッド
90 内部室
92 流れ制限手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷房装置用の熱応答形膨張弁であって、(a)入口(38)及び出口(14)を備え、弁部材(24)が内部を移動して前記入口及び出口間の流れを制御するようにした弁本体(12)と、(b)前記弁本体に貫設された連続流通路(46)と、(c)前記連続流通路内の流れと熱交換関係に配置された中空部材(80)を含み、温度に伴って圧力が変化する熱活性流体を前記中空部材に充填したアクチュエータ手段と、(d)前記流体を充填した室(90)を含み、前記流体の圧力の変化に応答して作動して前記アクチュエータ手段を移動させる圧力応答手段と、(e)前記中空部材(80)と流体充填室(90)との間の流体連通を減少させるように作動し、前記弁の熱応答を変更させる流れ制限手段(92)とを有していることを特徴とする弁。
【請求項2】 流れ制限手段は、中空部材内に流量調整オリフィス(94)を有していることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項3】 流れ制限手段は、多孔質プラグ(114) を有していることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項4】 アクチュエータ手段は、2つの環状部材間に封着された薄い可撓性の環状ダイアフラム(114) を有しており、制限オリフィスを形成する部材が、前記環状部材及びダイアフラムに挿通されており、その組立体が封着固定されていることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項5】 流れ制限手段は、流量調整オリフィスを設けたプラグを含み、前記プラグは中空部材の一端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項6】 前記流体は、気体及び液体の混合物を含み、流れ制限手段は流量調整オリフィスを含むことを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項7】 中空部材は、一端部が閉鎖した管を有しており、流れ制限手段は、流量調整オリフィス(94') を設けたプラグ(100、104)を有しており、前記プラグが前記管の閉鎖端部の反対側の端部にはめ込まれていることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項8】 アクチュエータ部材は、一端部が閉鎖した管状部材を有しており、流れ制限手段は、流量調整オリフィスを設けたプラグを有しており、前記プラグの少なくとも一部分が、前記管状部材の閉鎖端部の反対側の端部にはめ込まれてその中に封着されていることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項9】 圧力応答手段は、金属材からなるダイアフラムを有しており、前記圧力応答手段、中空部材及び流れ制限手段は、溶接によって封着固定されていることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項10】 流れ制限手段は、一部分が中空部材にはめ込まれている管状部材を含み、該管状部材の一端部に流量調整オリフィスが形成されていることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項11】 流れ制限手段は、中空部材にはめ込まれた小径部分を有しかつその一端部に流量調整オリフィスを設けた管状部材を含み、該管状部材に設けられた大径部分が、流体充填室内へ延出して圧力応答手段に取り付けられていることを特徴とする請求項1の膨張弁。
【請求項12】 熱応答式膨張弁を製造する方法であって、(a)熱導電性流体が流れる連続通路を有する弁ブロックを設け、(b)一方側に流体充填空隙部を備えた圧力応答形ダイアフラムを設け、(c)前記連続通路内に中空の弁アクチュエータ部材を配置し、(d)流量調整オリフィスを貫設した制限部材を設けて、該制限部材、ダイアフラム及びアクチュエータ部材の封着、固定及び位置決めを共通に実施する、各ステップを有することを特徴とする方法。
【請求項13】 封着、固定及び位置決めを共通に実施するステップは、溶接によって保持固定するステップを含むことを特徴とする請求項12の方法。
【請求項14】 封着、固定及び位置決めを共通に実施するステップは、ろう付けによって保持固定するステップを含むことを特徴とする請求項12の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開平5−203292
【公開日】平成5年(1993)8月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−303045
【出願日】平成4年(1992)10月15日
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION