説明

熱源装置の動作システム

【課題】利用者が熱源装置に動作を行わせるための操作を正しく行ったことを認識でき、熱源装置が正常に作動したという安心感を得ることができるようにする。
【解決手段】給湯器27等の熱源装置に、離れた場所に設置されたリモコン装置1,2を信号接続する。リモコン装置1,2には熱源装置の動作に応じて生じる動作音の疑似音を、前記動作の行われるタイミングで発する動作音発信手段40を設ける。動作音発信手段40は、例えば、熱源装置において、液体を加熱する加熱部において燃焼手段に供給される燃料への着火音の疑似音を「ボッ」という音で発信したり、燃焼手段の燃焼音の疑似音を「ゴーッ」という音で発信したりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源装置と、該熱源装置に信号接続されるリモコン装置とを備えた、熱源装置の動作システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯器等の様々な熱源装置が用いられており、熱源装置には、湯水等の液体を加熱する加熱部が設けられている。加熱部には、供給される燃料に着火して燃焼させる燃焼手段としての給湯用や追い焚き用のバーナ装置と、該バーナ装置によって加熱される熱交換器、バーナ装置に空気を供給する燃焼ファン等が適宜設けられるが、その配設態様は熱源装置によって様々である。また、加熱部に、電気によって湯水等を温める(加熱する)電気加熱手段を備えた電気温水器の熱源装置も用いられている。通常、熱源装置には、該熱源装置と離れた場所に設置されたリモコン装置が信号接続されており、リモコン装置を操作することによって、例えば前記給湯用のバーナ装置や電気加熱手段によって加熱される給湯の温度や、前記追い焚き用のバーナ装置や電気加熱手段によって加熱される風呂の温度等の設定が行われる。
【0003】
リモコン装置には、表示部が設けられているものが多く、例えば風呂の追い焚きを開始するためにリモコン装置に設けられている追い焚きスイッチをオンすると、前記表示部に、「燃焼」を示す表示(例えば、図3に示す炎マーク48、参照)が点灯すると共に、追い焚き循環通路内の湯水の「循環」を示す表示が点灯するものや、風呂の自動湯張りを開始するためにリモコン装置に設けられている自動スイッチをオンすると、前記表示部に、「燃焼」を示す表示(例えば炎マーク48)が点灯すると共に、「湯張り」を示す表示が点灯するものがある。また、追い焚きスイッチや自動スイッチをオンしたときに、「ピッ」といった電子音が発信されるもの、音声ガイダンスを発信するもの、文字表示を行うもの、も用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−205615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記のように、リモコン装置の表示部への表示による報知では、利用者が表示前後を連続して視認しなければ変化に気づきにくく、気づかなかった場合には、「熱源装置が間違いなく正常に作動した」という安心感や、「操作を正しく行った」という達成感を利用者が得られないといった問題があった。また、「ピッ」といった電子音が発信されても、「ピッ」という音は、複数の操作に共通の音であることが殆どであるから、単に、操作を行ったことが分かるだけであり、「操作を正しく行った」という達成感を得ることはできないし、「お湯張りを開始しました」等、音声で動作を説明しても、意味を伝えるのに時間がかかると共に、言語の意味を解釈する必要があり、実際に熱源装置が動作したかどうかを知ることはできない、または時間がかかるために、「熱源装置が間違いなく正常に作動した」という安心感を迅速に得ることはできなかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、利用者が熱源装置に動作を行わせるための操作を正しく行ったことを認識でき、それにより熱源装置が正常に作動した、という安心感を迅速に得ることができるようにする熱源装置の動作システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、次の構成をもって課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、液体を加熱する加熱部を備えた熱源装置と、該熱源装置と離れた場所に設置されて該熱源装置に信号接続されたリモコン装置とを有し、該リモコン装置には前記熱源装置の動作に応じて生じる動作音の疑似音を前記動作の行われるタイミングで発する動作音発信手段が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0008】
また、第2の発明は、前記第1の発明の構成に加え、前記加熱部には燃料に着火して燃焼させる燃焼手段が設けられ、動作音発信手段は、前記加熱部における燃料への着火音の疑似音を発信することを特徴とする。
【0009】
さらに、第3の発明は、前記第2の発明の構成に加え、前記動作音発信手段は、燃焼手段の燃焼音の疑似音を発信することを特徴とする。
【0010】
さらに、第4の発明は、前記第1または第2または第3の発明の構成に加え、前記熱源装置の加熱部は水を加熱する加熱手段を有し、該加熱手段により加熱されて形成された湯を浴槽に導く湯張り通路が接続され、前記熱源装置はリモコン装置の操作に基づく指令に応じて前記加熱手段で加熱形成した湯を前記湯張り通路に通して浴槽に湯張りする自動湯張り機能を有し、動作音発信手段は、前記自動湯張り機能の湯張り動作時に前記湯張り通路を通して浴槽内に湯が落とし込まれる音の疑似音を発信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、熱源装置と離れた場所に設置されて該熱源装置に信号接続されたリモコン装置には、熱源装置の動作に応じて生じる動作音の疑似音を、その動作の行われるタイミングで発する動作音発信手段が設けられているので、利用者がリモコン装置を操作して熱源装置の動作を行わせると、その動作のタイミングで、その動作音の疑似音を動作音発信手段から発信することができる。そのため、利用者は、リモコン装置から発信される疑似音を聞くことにより、実際にはリモコン装置と離れた場所に熱源装置が設置されているにもかかわらず、リモコン装置のすぐそばで熱源装置の動作が開始されたように感じることができ(あたかも、利用者が熱源装置の前にいるような感覚にすることができ)、かつ、このような感覚は、特に意識しなくても得ることができる。
【0012】
したがって、本発明は、利用者に、熱源装置に動作を行わせるための操作を正しく行ったことを認識させることができ、また、利用者に、熱源装置が正常に作動したという安心感を迅速に与えることができる。また、利用者に視覚的な障害があっても、熱源装置に動作を行わせるための操作を正しく行ったことを認識させることができ、利用者に熱源装置が正常に作動したという安心感を迅速に与えることができる。
【0013】
また、動作音発信手段は、加熱部における燃料への着火音の疑似音を発信したり、燃焼手段の燃焼音(燃焼手段に供給される燃料の燃焼音)の疑似音を発信したりすることにより、これらの燃料への着火や燃料の燃焼といった、熱源装置において行われる頻度の高い動作の開始を、前記の如く利用者に知らせることができ、的確に、熱源装置に動作を行わせるための操作を正しく行ったことを認識させることができるし、利用者に、熱源装置が正常に作動したという安心感を迅速に与えることができる。
【0014】
さらに、熱源装置に、浴槽に接続された湯張り通路を接続し、熱源装置に、リモコン装置の操作に基づく指令に応じて、加熱手段で加熱形成した湯を前記湯張り通路に通して浴槽に湯張りする自動湯張り機能を設けて、この自動湯張り機能の湯張り動作時に、動作音発信手段が、前記湯張り通路を通して浴槽内に湯が落とし込まれる音の疑似音を発信することにより、自動湯張りが開始されることを迅速に利用者に認識させることができ、安心感を迅速に与えることができる。
【0015】
なお、前記特許文献1には、空気清浄器の音がうるさいので、その騒音と異なる音を、その空気清浄器(つまり、同じ装置)から発信する構成が示されており、また、従来の熱源装置において、熱源装置に信号接続されたリモコン装置から、熱源装置の状態を示すために予め設定した音を発信する(例えば装置の異常が生じたときに、その異常を意味する「ピーピーピー」という警報音を発信する)ことなどは行われていたが、本発明のように、動作音の発信源(熱源装置)とは異なる装置(リモコン装置)から、その動作音を発信する構成は提案されていなかった。
【0016】
従来のように、リモコン装置から、熱源装置の状態を示すために予め設定した音を発信する場合、その音が熱源装置のどのような状態を示しているのかを、利用者が予め把握しておく必要があり、熱源装置の説明書を読んでおく等の事前の対応が必要であるが、本発明では、熱源装置の動作音を、その動作のタイミングでリモコン装置から発信するので、利用者は、前記のような事前の対応は不要であり、リモコン装置のすぐそばで熱源装置の動作が開始されたように感じることができるので、熱源装置の動作をそのタイミングで即座に把握でき、前記のような優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る熱源装置の動作システムの一実施例を模式的に示す説明図である。
【図2】実施例の熱源装置の動作システムの制御構成を示すブロック図である。
【図3】実施例に適用される風呂リモコン装置の一例において、表示画面に給湯関連速報が表示されている状態を示す図である。
【図4】実施例に適用される台所リモコン装置の一例において、表示画面に給湯関連情報が表示されている状態を示す図である。
【図5】モデル例の給湯器と風呂用および台所用のリモコン装置との接続使用状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【実施例】
【0019】
図5には、本発明に係る熱源装置の動作システムに適用される熱源装置とリモコン装置との配置例が示されている。リモコン装置は、風呂リモコン装置1および台所リモコン装置2であり、熱源装置は給湯器27である。給湯器27は、建物の外に配置されており、給湯機能と、浴槽26への自動湯張り機能と、追い焚き機能と、足し湯機能と、ぬる湯機能とを具備する。これらの機能による動作を行うために、給湯器27には、給湯バーナ装置10と追い焚きバーナ(風呂バーナ)装置16とを備えた加熱部が設けられており、加熱部は、これらのバーナ装置10,16に供給される燃料に着火して燃焼させ、加熱部に導かれる液体である水を加熱する機能を有する。風呂リモコン装置1と台所リモコン装置2は、例えば2芯の信号線を用いて、給湯器27の燃焼制御回路を有する制御装置3に接続されている。
【0020】
浴槽26は室内に設置され(図1、参照)、給湯器27と浴槽26とは、追い焚き循環路25の戻り管23と往管24によって配管接続されている。風呂リモコン装置1は浴槽26の近くの浴室側壁に設置され、その設置位置は、浴槽26内から風呂リモコン装置1から発信される音声が聞きやすい位置となっている。また、台所リモコン装置2も、台所リモコン装置2から発信される音声が聞きやすい位置に配置される。
【0021】
図3は、風呂リモコン装置1の外観構成例を示すもので、風呂リモコン装置1の筐体ケースの表面側には表示画面32が設けられている。図3においては、表示画面32に、給湯設定温度(41℃)と、湯張り設定温度(41℃)と、現在の時刻(図3ではAM10:00)が示されている。表示画面32の側部には、リモコンの運転をオン、オフする運転スイッチ35と、給湯器27の追い焚き運転を指示する追い焚きスイッチ33と、給湯器27の自動運転を指示する自動スイッチ36と、通話スイッチ38と、スピーカ34とが設けられている。スイッチ35、33、36、38には、例えばLED(発光ダイオード)等により形成されたランプ39が設けられている。
【0022】
表示画面32の下側には、給湯や湯張りの温度と浴槽水位を設定する設定スイッチ28a、28bと、給湯温度、湯張り温度、浴槽水位等の各設定モードとを切り替える選択スイッチ29と、足し湯スイッチ30と、ぬる湯スイッチ31とが設けられている。設定スイッチ28a、28bと選択スイッチ29とを適宜操作することにより、給湯設定温度の設定や湯張り温度の設定が行われる。
【0023】
図4には、台所リモコン装置2の外観構成が示されている。この台所リモコン装置2において、風呂リモコン装置1と共通の構成部分には同一符号を付してある。台所リモコン装置2は、前記した風呂リモコン装置1から、足し湯スイッチ30、ぬる湯スイッチ31、追い焚きスイッチ33を除いた以外は風呂リモコン装置1と同様であるので、その重複説明は省略する。
【0024】
前記風呂リモコン装置1または台所リモコン装置2を用いて、図5に示したような給湯器27の各運転機能の遠隔操作を行うことができる。例えば、いずれかのリモコン装置1,2の運転スイッチ35をオンし、この状態で給湯管路11の給湯先に設けられている給湯栓(図示せず)を開くことにより、給湯機能の動作が開始される。この動作は、加熱部に設けられている給湯バーナ装置10に燃料ガスを供給してその燃料ガスに着火し、入水温度センサ6による入水温と、流量センサ4による給湯量に基づき、給湯温度センサ8による給湯温(出湯温)が給湯設定温度となるように、給湯バーナ装置10の燃焼動作を行い(給湯バーナ装置10に供給される燃料ガスの燃焼を行い)、給湯熱交換器7を通る水を加熱して湯を作成し、給湯管路11を通して台所や浴室等の給湯先へ湯を供給する。
【0025】
給湯器27の自動運転は、自動湯張り機能の動作を行うものであり、具体的には、湯張り機能の動作、追い焚き機能の動作、保温機能の動作を連続的に行うものである。この自動運転は、運転スイッチ35がオンされている状態で、前記自動スイッチ36をオンすることにより開始するものであり、注湯電磁弁13が開かれ、前記給湯機能の動作と同様に給湯熱交換器7を通って加熱された湯が、給湯管路11から注湯路14に入り、戻り管23と往管24を有して構成される追い焚き循環路25を通して浴槽26へ落とし込まれる。なお、このような経路で湯が落とし込まれて湯張りが行われる本実施例において、浴槽26に接続された追い焚き循環路25と、該追い焚き循環路25を介して浴槽26に接続された注湯路14とが湯張り通路と成している。
【0026】
湯張りが完了したときに注湯電磁弁13が閉じられ、風呂温度センサ18によって検出される検出温度が湯張り設定温度(風呂設定温度)よりも低いときには追い焚き機能の動作が行われる。なお、追い焚きスイッチ33が押されたときにも追い焚き機能の動作は行われるものである。この追い焚き機能の動作は、循環ポンプ21が駆動されて浴槽26の湯水が追い焚き循環路25を通して循環されるものである。自動運転の動作においては、引き続き、予め設定された設定時間だけ、浴槽湯水の温度が風呂の設定温度よりも許容範囲を越えて低くならないように、追い焚きバーナ装置16の燃焼動作を行う(追い焚きバーナ装置16に供給される燃料ガスの燃焼を行う)ことによる保温機能の動作が行なわれる。
【0027】
なお、図5において、12は流量センサ、22は流水スイッチ、19は循環ポンプ21の吐出口と追い焚き熱交換器15の入水口を連通接続する管路、17は追い焚きバーナ装置16へのガス通路、49は水量制御弁をそれぞれ示している。
【0028】
また、本実施例の熱源装置の動作システムは、図2に示すように、給湯器27の制御装置3に設けられた燃焼制御手段41と動作音情報発信手段42、リモコン装置1,2に設けられた動作音情報受信手段43、動作音発信手段40を備えた制御構成を有している。
【0029】
燃焼制御手段41は、前記のような給湯機能と、浴槽26への自動湯張り機能と、追い焚き機能の動作を制御する手段である(足し湯機能やぬる湯機能については詳述しないが、これらの動作も制御する)。燃焼制御手段41は、その動作制御を行いながら、給湯器27の各機能の動作時に、その動作タイミングで、動作情報を動作音情報発信手段42に加える。燃焼制御手段41は、例えば、給湯バーナ装置10の着火情報や燃焼情報、追い焚きバーナ装置16の着火情報や燃焼情報、循環ポンプ21の駆動情報、注湯電磁弁13の開閉情報等を、動作音情報発信手段42に加える。
【0030】
動作音情報発信手段42は、燃焼制御手段41からの動作情報を受けて、その動作時に発生する動作音の情報を、動作音情報受信手段43に加える。つまり、給湯バーナ装置10や追い焚きバーナ装置16の着火時には、例えば「ボッ」というような着火音がするので、その着火音の情報を動作音情報受信手段43に加え、給湯バーナ装置10や追い焚きバーナ装置16の燃焼時には、例えば「ゴーッ」というような燃焼音がし、その音量は、燃焼量が大きいほど大きいので、その燃焼音の情報を動作音情報受信手段43に加える。なお、動作音情報受信手段43に加える動作音の情報は、事前に疑似化して情報化した情報として、機器本体(給湯器27等の熱源装置)とリモコン装置の少なくとも一方に保存するようにしてもよいし、リアルタイムで、機器本体や浴室リモコン装置内にある集音マイクで集めた音を使用してもよい。動作音情報受信手段43は、動作音情報発信手段42から加えられる動作音の情報を受信し、動作音発信手段40に加える。
【0031】
動作音発信手段40は、動作音情報受信手段43から加えられた動作音の情報に基づき、例えば図1の模式図に示すように、スピーカ34を通し、給湯バーナ装置10や追い焚きバーナ装置16の着火時の「ボッ」というような着火音の疑似音や、給湯バーナ装置10や追い焚きバーナ装置16の燃焼時の「ゴーッ」というような燃焼音の疑似音を発信するものであり、本実施例は、このように、リモコン装置1,2に動作音発信手段40を設けて、給湯器27の動作に応じて生じる動作音の疑似音を前記動作の行われるタイミングで発することを特徴としている。
【0032】
つまり、本実施例では、例えば前記給湯機能の動作が行われ、給湯栓が開かれて、給湯バーナ装置10の燃焼開始する流量の水が給湯熱交換器7に通され、給湯バーナ装置10に着火が行われたときには、その着火音の疑似音として、前記の如く、「ボッ」という音が、リモコン装置1,2から発信される。そして、この着火によって給湯バーナ装置10の燃焼が行われると、その燃焼音の疑似音として、「ゴーッ」という音が、その燃焼量に応じた音量で、リモコン装置1,2から発信される。
【0033】
また、風呂リモコン装置1の追い焚きスイッチ33のオン操作に基づく追い焚き指令に応じ、給湯器27の追い焚きバーナ装置16が燃焼するときには、追い焚きバーナ装置16に着火が行われたときに、その着火音の疑似音として、前記の如く、「ボッ」という音が、リモコン装置1,2から発信され、この着火によって追い焚きバーナ装置16の燃焼が行われると、その燃焼音の疑似音として、「ゴーッ」という音が、リモコン装置1,2から発信される。なお、この際、循環ポンプ21の回転音の疑似音「ウーン」や「ウィーン」も発信するようにしてもよい。
【0034】
さらに、給湯器27は、リモコン装置1,2の自動スイッチ36のオン操作に基づく自動湯張り開始指令に応じて、前記自動湯張り機能によって浴槽26に湯張りを行うが、この湯張り動作時に、リモコン装置1,2の動作音発信手段40からは、前記湯張り通路(注湯路14と追い焚き循環路25)を通して浴槽26内に湯が落とし込まれる音の疑似音として、例えば「ジョボジョボ」や「ジョー」といった音がスピーカ34を通し、例えば連続して発信される。なお、このような自動スイッチは、電気温水器に取り付けられるリモコン装置にもあるので、電気温水器のリモコン装置から疑似音を出すようにしてもよい。
【0035】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、前記実施例では、熱源装置に風呂リモコン装置1と台所リモコン装置2とを信号接続するようにしたが、風呂リモコン装置1と台所リモコン装置1のいずれか一方のみを設けてもよいし、それ以外の、例えば、居間に配置するリモコン装置や洗面所に配置するリモコン装置を接続してもよく、リモコン装置の配設数や配置態様は適宜設定されるものである。また、リモコン装置は、図2に示したような制御構成を有していれば、その他の制御構成の詳細や外観構成も特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
【0036】
さらに、本発明の熱源装置の動作システムに適用する熱源装置のシステム構成の詳細は、特に限定されるものでなく、例えば、保温機能や保水機能、ぬる湯機能、追い焚き機能は備えていない装置としてもよいし、暖房機能や、太陽熱の集熱機能等の他の機能を備えていてもよい。なお、これらの機能を設けた場合に、暖房の回路や太陽熱の集熱回路において液体を循環させることに対応させて、循環ポンプが断続的に駆動する音の疑似音(例えば「ウーン」や「ウィーン」といった音)を、動作音発信手段40から発信するようにしてもよい。
【0037】
さらに、熱源装置は、例えば前記実施例で設けたガス燃焼を行うバーナ装置の代わりに、石油燃焼用のバーナ装置を設けてもよい。また、熱源装置は、バーナ装置を用いない電気温水器でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、利用者が熱源装置に動作を行わせるための操作を正しく行ったことを認識でき、それにより熱源装置が正常に作動した、という安心感を迅速に得ることができるようにすることができるので、例えば家庭用の熱源装置の動作システムとして利用できる。
【符号の説明】
【0039】
1 風呂リモコン装置
2 台所リモコン装置
3 制御装置
27 給湯器
34 スピーカ
40 動作音発信手段
41 燃焼制御手段
42 動作音情報発信手段
43 動作音情報受信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を加熱する加熱部を備えた熱源装置と、該熱源装置と離れた場所に設置されて該熱源装置に信号接続されたリモコン装置とを有し、該リモコン装置には前記熱源装置の動作に応じて生じる動作音の疑似音を前記動作の行われるタイミングで発する動作音発信手段が設けられていることを特徴とする熱源装置の動作システム。
【請求項2】
加熱部には燃料に着火して燃焼させる燃焼手段が設けられ、動作音発信手段は、前記加熱部における燃料への着火音の疑似音を発信することを特徴とする請求項1記載の熱源装置の動作システム。
【請求項3】
動作音発信手段は、燃焼手段の燃焼音の疑似音を発信することを特徴とする請求項2記載の熱源装置の動作システム。
【請求項4】
熱源装置の加熱部は水を加熱する加熱手段を有し、該加熱手段により加熱されて形成された湯を浴槽に導く湯張り通路が接続され、前記熱源装置はリモコン装置の操作に基づく指令に応じて前記加熱手段で加熱形成した湯を前記湯張り通路に通して浴槽に湯張りする自動湯張り機能を有し、動作音発信手段は、前記自動湯張り機能の湯張り動作時に前記湯張り通路を通して浴槽内に湯が落とし込まれる音の疑似音を発信することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の熱源装置の動作システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−145310(P2012−145310A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6113(P2011−6113)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【Fターム(参考)】