燃料電池スタック
【課題】本発明の目的は、ケースとセル積層体との間のデッドスペースを無くし、ケース内のセルを容易に交換することができる燃料電池積層体を提供することにある。
【解決手段】本発明は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセルが複数積層されたセル積層体と、前記セル積層体を収容するケースと、前記セル積層体のセル積層方向の少なくとも一方端に配置されるエンドプレートと、前記セル積層体を積層方向に固定するテンション部材とを備える燃料電池スタックであって、前記ケースは、本体部とカバー部とを備え、前記本体部は、前記セル積層方向に沿う側面の少なくとも1つの側面及び前記セル積層方向の一方端側の端面が開放され、前記端面の開放部と前記側面の開放部とを仕切る仕切り部を備え、前記カバー部は少なくとも前記端面の開放部及び側面の開放部を覆うものである。
【解決手段】本発明は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセルが複数積層されたセル積層体と、前記セル積層体を収容するケースと、前記セル積層体のセル積層方向の少なくとも一方端に配置されるエンドプレートと、前記セル積層体を積層方向に固定するテンション部材とを備える燃料電池スタックであって、前記ケースは、本体部とカバー部とを備え、前記本体部は、前記セル積層方向に沿う側面の少なくとも1つの側面及び前記セル積層方向の一方端側の端面が開放され、前記端面の開放部と前記側面の開放部とを仕切る仕切り部を備え、前記カバー部は少なくとも前記端面の開放部及び側面の開放部を覆うものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックを構成するセル積層体を収容するケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃料ガス(水素)と酸化ガス(空気)との電気化学反応を利用して発電を行うセル(燃料電池セル)を積層したセル積層体と、セル積層体を収容するケースとを備える燃料電池スタックが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、セル積層体を、セル積層方向に沿う側面の1つが開放されたケースに収容し、積層方向に荷重を加える荷重調整ねじにより、セル積層体を圧縮した燃料電池スタックが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、セル積層体を、セル積層方向の一方端側の端面が開放されたケースに収容した燃料電池スタックが開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献3には、セル積層体に締結荷重を均一にかけるために、セル積層方向にセル積層体の全体に渡って延びたテンションシャフトが設けられた燃料電池スタックが開示されている。
【0006】
また、例えば、特許文献4には、エンドプレートとセル積層方向に対して傾斜した傾斜面を有する固定プレートとの間に、セル積層方向に交差して加わった外力により傾斜面を転動する転動ローラを介在させ、この転動ローラにより、固定プレート間のセル積層体を傾斜面間隔が狭い側に移動させることが可能な燃料電池スタックが開示されている。
【0007】
また、例えば、特許文献5,6には、放水性、防塵性等の目的のために、両端が開口する筒状をなすカバーが、2枚のエンドプレート間のセル積層体を覆うように配置された燃料電池スタックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−134154号公報
【特許文献2】韓国登録特許第875579号公報
【特許文献3】特開2007−184200号公報
【特許文献4】特開2009−59535号公報
【特許文献5】特開2009−170169号公報
【特許文献6】特開2008−159546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような燃料電池スタックでは、セル積層体を圧縮した際に生じるがケース内のデッドスペースを無くすこと、及びケース内のセルの交換が容易であることが求められている。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ケースとセル積層体との間のデッドスペースを無くし、ケース内のセルを容易に交換することができる燃料電池積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセルが複数積層されたセル積層体と、前記セル積層体を収容するケースと、前記セル積層体のセル積層方向の少なくとも一方端に配置されるエンドプレートと、前記セル積層体を積層方向に固定するテンション部材とを備える燃料電池スタックであって、前記ケースは、本体部とカバー部とを備え、前記本体部は、前記セル積層方向に沿う側面の少なくとも1つの側面及び前記セル積層方向の一方端側の端面が開放され、前記端面の開放部と前記側面の開放部とを仕切る仕切り部を備え、前記カバー部は少なくとも前記端面の開放部及び側面の開放部を覆うものである。
【0012】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記テンション部材は、前記セル積層体のセル積層方向に沿って延設され、前記テンション部材の一端が前記エンドプレート側で固定され、前記テンション部材の他端が前記セル積層方向の他方端側の本体部の端面側で固定されることが好ましい。
【0013】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記テンション部材は、前記エンドプレートを前記セル積層方向にスライド可能に固定する固定ピンと、前記本体部に設けられ、前記固定ピンが挿着されるピン固定用溝と、を備えることが好ましい。
【0014】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記本体部のセル積層方向に沿う側面には、前記セル積層方向に沿って、前記セル積層体を支持するガイド部材が形成されることが好ましい。
【0015】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記本体部のセル積層方向に沿う側面を介して前記エンドプレートを固定する固定具を備えることが好ましい。
【0016】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記エンドプレートの前記セル積層体側と反対側の面にざぐり穴が形成され、前記ざぐり穴から前記エンドプレートを介して前記ケースに当接し、前記エンドプレートを固定する固定具を備えることが好ましい。
【0017】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記セル積層方向の他方端側の本体部の端面と前記セル積層方向に沿う側面との角部は、曲率Rを有する溝であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ケースとセル積層体との間のデッドスペースを無くして、燃料電池スタックの小型化を可能とし、また、ケース内のセルを容易に交換することができるというサービス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の一例を示す模式断面図である。
【図2】本実施形態のケースの構成の一例を示す模式斜視図である。
【図3】図1のA−A線における燃料電池スタックの構成の一例を示す模式断面図である。
【図4】本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図5】本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図6】図5のエンドプレートの模式平面図である。
【図7】(A),(B)は、テンション部材の構成の他の一例を示す模式平面図である。
【図8】(A),(B)は、テンション部材の構成の他の一例を示す模式平面図である。
【図9】本体部の構成の一例を示す模式斜視図である。
【図10】(A)〜(C)は、ケースを構成する本体部の構成の他の一例を示す一部模式断面図である。
【図11】ケースを構成する本体部の構成の他の一例を示す一部模式断面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について以下説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の一例を示す模式断面図である。図2は、本実施形態のケースの構成の一例を示す模式斜視図である。図1及び2に示すように、燃料電池スタック1は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセル10が複数積層されたセル積層体12と、セル積層体12を収容するケース14と、セル積層方向の一方端に、セル積層体12側から順に配置されるシム16及びエンドプレート18と、セル積層体12を積層方向に固定するテンション部材20と、を備える。なお、図での説明は省略するが、セル積層体12の両端には、集電板としてのターミナルプレートと、絶縁板としてのインシュレータ等が配置されている。また、シム16はセル積層体12の積層方向の長さを調節する板材であり、必ずしも備える必要はない。
【0022】
セル積層体12を収容するケース14は、本体部22とカバー部(24,26)とを備える。図2に示すように、本体部22は、収容するセル積層体12のセル積層方向(X方向)に沿う側面壁の少なくとも1つの側面壁が開放された側面開放部28及びセル積層方向の一方端側の端面壁が開放された端面開放部30、側面開放部28と端面開放部30とを仕切る柱(以下、仕切り部材32)を備える。側面開放部28は、主に燃料電池スタック1の修理、点検等の際にケース14からセル10を取り出すための空間であるため、作業性の点で、燃料電池スタック1を設置した際に、ケース14の上面となることが好ましい。なお、図での説明は省略するが、本体部22のセル積層方向の他方端側の端面壁には、セル10に燃料ガス及び酸化ガスを供給する配管が接続されている。
【0023】
本体部22は、耐衝撃性、防水性、防塵性等の点で、側面壁同士や側面壁と端面壁に継ぎ目のない一体成型品であることが好ましいが、各側面壁、端面壁をボルト等で固定して構成されるものであってもよい。
【0024】
カバー部(24,26)は、側面開放部28を覆う側面カバー部24及び端面開放部30を覆う端面カバー部26を備える。図1に示すように、側面カバー部24及び端面カバー部26はボルト等の固定具34により本体部22に固定される。また、図1に示すように、本体部22の側面開放部28と端面開放部30とを仕切る仕切り部材32上に、側面カバー部24及び端面カバー部26の一部を配置し、ボルト等の固定具36により固定される。このように、仕切り部材32を設けることにより、カバー部(24,26)の面シールが可能となり防水性、防塵性を十分に確保することができる。
【0025】
本体部22及びカバー部(24,26)の材質は、コスト、強度、製造が容易等の点で、アルミ鋳造等の金属材料であることが好ましい。
【0026】
テンション部材20は、セル積層体12のセル積層方向に沿って延設されている棒状又は板状部材である。テンション部材20の一端はエンドプレート18を介してナット等の固定具38により支持され、他端は本体部22の端面壁を介して板状ナット等の固定具40により支持されている。具体的には、エンドプレート18(及びシム16)、本体部22の端面壁に形成された孔にテンション部材20を挿通し、エンドプレート18及び端面壁の外側から、ナット等の固定具(38,40)により、テンション部材20が固定される。これにより、セル積層体12にセル積層方向の締結荷重が付与され、ケース14に固定される。なお、テンション部材20の固定方法は上記に制限されるものではなく、セル積層体12をセル積層方向に固定することができれば、ケース14にはどのように固定されていてもよい。
【0027】
このように、本体部22に、セル積層方向に沿う側面壁の少なくとも1つの側面壁が開放された側面開放部28及びセル積層方向の一方端側の端面壁が開放された端面開放部30を形成することにより、ケース14内のセル10の取り出しが容易となる(主に側面開放部28から)。また、本体部22の一方端側の端面壁が開放されているため、ケース14とセル10との間にデッドスペースがほとんど存在せず、燃料電池スタック1の小型化が可能となる。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタック1には、エンドプレート18を固定する固定具42を備えることが好ましい。本実施形態のように、端面開放部30及び側面開放部28が形成された本体部22では、エンドプレート18を本体部22により支持することができず、振動等の多い車両等に搭載される場合には、エンドプレート18を固定することが好ましい。具体的には、エンドプレート18に雌ねじ部を形成し、該ボルト穴に係合する本体部22の側面壁の位置に雌ねじ部を形成して、ボルト等の固定具42を本体部22の側面壁及びエンドプレート18の雌ねじ部に螺合することにより、エンドプレート18を本体部22に固定する。
【0029】
図3は、図1のA−A線における燃料電池スタックの構成の一例を示す模式断面図である。図3に示すように、本体部22の側面壁には、セル積層方向に沿ってセル積層体12を支持するガイド部材44が形成されている。ガイド部材44を設けることにより、燃料電池スタック1を組み立てる際、セル10をケース14内に誘導することが容易となり、円滑にセル10の積層化を行うことができる。また、ケース14に衝撃等が加わった場合のセル10の撓みをガイド部材44により抑制することも可能である。本実施形態のガイド部材44はリブ状であるが、セル10に突起部を形成することが可能であれば、ガイド部材44をその突起部に係合する溝としてもよい。
【0030】
図4は、本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の他の一例を示す模式断面図である。図4に示す燃料電池スタック2において、図1に示す燃料電池スタック1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図4に示す固定具46は、イモネジ等の止めネジ等であり、例えば、仕切り部材32に雌ねじ部を形成し、固定具46を仕切り部の雌ねじ部に通して、固定具46の先端をエンドプレート18に当接させ、エンドプレート18を固定する。このようにエンドプレート18に止めネジ等の固定具46を当接させ、エンドプレート18を固定する方法を採用することにより、セル積層体12の積層方向の長さに合わせてエンドプレート18をセル積層方向に移動させることも、また、固定することも可能となるため、シム16の枚数や厚さを減少させること、またはシム16を無くすことができる。
【0031】
本実施形態では、止めネジ等の固定具46を仕切り部材32に形成した雌ねじ部に通して、エンドプレート18を固定しているが、必ずしもこれに制限されるものではなく、例えば、カバー部(24,26)や本体部22の側面壁等に雌ねじ部を形成し、止めネジ等の固定具46を雌ねじ部に通して、固定具46の先端をエンドプレート18に当接させ、エンドプレート18を固定してもよい。
【0032】
図5は、本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の他の一例を示す模式断面図である。また、図6は、図5のエンドプレートの模式平面図である。図5に示す燃料電池スタック3において、図1に示す燃料電池スタック1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5に示す燃料電池スタック3のエンドプレート18には、セル積層体12側の面と反対側の面にざぐり穴48が形成され、また、図6に示すように、エンドプレート18の側辺部には、ざぐり穴48に貫通する雌ねじ部50が形成されている。そして、本実施形態では、止めネジ等の固定具46をざぐり穴48側から、エンドプレート18の側辺部に形成した雌ねじ部50に通して、止めネジ等の固定具46の先端を本体部22やカバー部(24,26)に当接させ、エンドプレート18を固定する。このようにエンドプレート18を固定することにより、本体部22やカバー部(24,26)に止めネジ等の固定具46を通す雌ねじ部50を形成する必要がなくなるため、ケース14の防水性、防塵性を向上させることができる。また、ざぐり穴48はエンドプレート18の強度を確保することができれば、その面積、深さ、数等特に制限されるものではないが、エンドプレート18の軽量化の点では、ざぐり穴48の面積等を大きくすることが好ましい。なお、エンドプレート18を介して止めネジ等の固定具46をケース14に当接させて、エンドプレート18を固定しているため、セル積層体12の積層方向の長さに合わせてエンドプレート18をセル積層方向に移動させることも、また、固定することも可能となるため、シム16の枚数や厚さを減少させること、またはシム16を無くすことができる。
【0033】
図7(A),(B)及び図8(A),(B)は、テンション部材の構成の他の一例を示す模式平面図である。図7(A),(B)に示すテンション部材は、図1に示すテンション部材20に代わるものであり、エンドプレート18をセル積層方向(X方向)にスライド可能に固定する固定ピン52と、固定ピン52が挿着されるピン固定用溝54と、を備える。図9は、本体部の構成の一例を示す模式斜視図である。図9に示すように、ピン固定用溝54は、本体部22の側面壁や仕切り部材32に形成される。
【0034】
図7(A),(B)のテンション部材では、固定ピン52がセル10のセル積層面方向(Y方向)に移動するようにピン固定用溝54が形成されている。このような固定ピン52及びピン固定用溝54が設けられる場合には、固定ピン52と当接するエンドプレート18の端部18aを傾斜状に加工する。そして、図7(B)に示すように、固定ピン52がY方向に移動することにより、エンドプレート18をセル積層方向(X方向)にスライドさせることができる。すなわち、セル枚数の増減によって、セル積層体12のセル積層方向の長さが変動しても、その変動に応じて、固定ピン52を移動させ、エンドプレート18をセル積層方向にスライドさせることにより、セル積層体12にセル積層方向の締結荷重を付与し、且つセル積層体12をケース14に固定することが可能となる。
【0035】
図8(A),(B)のテンション部材では、固定ピン52がセル10の積層面方向(Y方向)に対して傾斜移動するようにピン固定用溝54が形成されている。このような固定ピン52及びピン固定用溝54が設けられる場合には、エンドプレート18の一部を傾斜形状に加工する必要がない。そして、図8(B)に示すように、固定ピン52がY方向に対して傾斜移動することにより、エンドプレート18をセル積層方向にスライドさせることができる。すなわち、セル枚数の増減によって、セル積層体12のセル積層方向の長さが変動しても、その変動に応じて、固定ピン52を傾斜移動させ、エンドプレート18をセル積層方向にスライドさせることにより、セル積層体12にセル積層方向の締結荷重を付与し、且つセル積層体12をケース14に固定することが可能となる。また、シム16の枚数や厚さを減少させること、またはシム16を無くすことも可能となる。
【0036】
固定ピン52及びピン固定用溝54は複数設けられることが好ましいが、エンドプレート18をセル積層方向にスライドさせ、セル積層体12をセル積層方向に固定することができれば、その数は特に制限されるものではない。
【0037】
図10(A)〜(C)は、ケースを構成する本体部の構成の他の一例を示す一部模式断面図である。図10(A)〜(C)に示すように、本体部22の端面壁と側面壁との角部56は、曲率Rを有する溝58であることが好ましい。溝58は、図10(A)に示すように、角部56から側面壁に亘って形成されてもよいし、図10(B)に示すように、角部56から端面壁に亘って形成されてもよいし、図10(C)に示すように、端面壁から側面壁に亘って形成されていてもよい。
【0038】
図11は、ケースを構成する本体部の構成の他の一例を示す一部模式断面である。図11に示すように、通常、本体部22の端面壁と側面壁との角部56に形成される曲率Rにセル10が接触するため、角部56に大きな応力が掛かってしまう。しかし、図9に示すように、角部56を、曲率Rを有する溝58にすることにより、セル10の接触による角部56の応力を緩和することが可能となる。
【0039】
また、図10(A)に示すように、本体部22の強度を確保する点で、溝58を形成することによって減少する本体部22の厚みを補うように、溝58に対応する側壁(又は端面壁)を外側に張り出させる(張り出し部60を形成する)ことが好ましい。
【符号の説明】
【0040】
1〜3 燃料電池スタック、10 セル、12 セル積層体、14 ケース、16 シム、18 エンドプレート、20 テンション部材、22 本体部、24 側面カバー部、26 端面カバー部、28 側面開放部、30 端面開放部、32 仕切り部材、34,36,38,40,42,46 固定具、44 ガイド部材、48 ざぐり穴、50 雌ねじ部、52 固定ピン、54 ピン固定用溝、56 角部、58 溝、60 張り出し部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタックを構成するセル積層体を収容するケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃料ガス(水素)と酸化ガス(空気)との電気化学反応を利用して発電を行うセル(燃料電池セル)を積層したセル積層体と、セル積層体を収容するケースとを備える燃料電池スタックが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、セル積層体を、セル積層方向に沿う側面の1つが開放されたケースに収容し、積層方向に荷重を加える荷重調整ねじにより、セル積層体を圧縮した燃料電池スタックが開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、セル積層体を、セル積層方向の一方端側の端面が開放されたケースに収容した燃料電池スタックが開示されている。
【0005】
また、例えば、特許文献3には、セル積層体に締結荷重を均一にかけるために、セル積層方向にセル積層体の全体に渡って延びたテンションシャフトが設けられた燃料電池スタックが開示されている。
【0006】
また、例えば、特許文献4には、エンドプレートとセル積層方向に対して傾斜した傾斜面を有する固定プレートとの間に、セル積層方向に交差して加わった外力により傾斜面を転動する転動ローラを介在させ、この転動ローラにより、固定プレート間のセル積層体を傾斜面間隔が狭い側に移動させることが可能な燃料電池スタックが開示されている。
【0007】
また、例えば、特許文献5,6には、放水性、防塵性等の目的のために、両端が開口する筒状をなすカバーが、2枚のエンドプレート間のセル積層体を覆うように配置された燃料電池スタックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−134154号公報
【特許文献2】韓国登録特許第875579号公報
【特許文献3】特開2007−184200号公報
【特許文献4】特開2009−59535号公報
【特許文献5】特開2009−170169号公報
【特許文献6】特開2008−159546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような燃料電池スタックでは、セル積層体を圧縮した際に生じるがケース内のデッドスペースを無くすこと、及びケース内のセルの交換が容易であることが求められている。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ケースとセル積層体との間のデッドスペースを無くし、ケース内のセルを容易に交換することができる燃料電池積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセルが複数積層されたセル積層体と、前記セル積層体を収容するケースと、前記セル積層体のセル積層方向の少なくとも一方端に配置されるエンドプレートと、前記セル積層体を積層方向に固定するテンション部材とを備える燃料電池スタックであって、前記ケースは、本体部とカバー部とを備え、前記本体部は、前記セル積層方向に沿う側面の少なくとも1つの側面及び前記セル積層方向の一方端側の端面が開放され、前記端面の開放部と前記側面の開放部とを仕切る仕切り部を備え、前記カバー部は少なくとも前記端面の開放部及び側面の開放部を覆うものである。
【0012】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記テンション部材は、前記セル積層体のセル積層方向に沿って延設され、前記テンション部材の一端が前記エンドプレート側で固定され、前記テンション部材の他端が前記セル積層方向の他方端側の本体部の端面側で固定されることが好ましい。
【0013】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記テンション部材は、前記エンドプレートを前記セル積層方向にスライド可能に固定する固定ピンと、前記本体部に設けられ、前記固定ピンが挿着されるピン固定用溝と、を備えることが好ましい。
【0014】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記本体部のセル積層方向に沿う側面には、前記セル積層方向に沿って、前記セル積層体を支持するガイド部材が形成されることが好ましい。
【0015】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記本体部のセル積層方向に沿う側面を介して前記エンドプレートを固定する固定具を備えることが好ましい。
【0016】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記エンドプレートの前記セル積層体側と反対側の面にざぐり穴が形成され、前記ざぐり穴から前記エンドプレートを介して前記ケースに当接し、前記エンドプレートを固定する固定具を備えることが好ましい。
【0017】
また、前記燃料電池スタックにおいて、前記セル積層方向の他方端側の本体部の端面と前記セル積層方向に沿う側面との角部は、曲率Rを有する溝であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ケースとセル積層体との間のデッドスペースを無くして、燃料電池スタックの小型化を可能とし、また、ケース内のセルを容易に交換することができるというサービス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の一例を示す模式断面図である。
【図2】本実施形態のケースの構成の一例を示す模式斜視図である。
【図3】図1のA−A線における燃料電池スタックの構成の一例を示す模式断面図である。
【図4】本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図5】本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の他の一例を示す模式断面図である。
【図6】図5のエンドプレートの模式平面図である。
【図7】(A),(B)は、テンション部材の構成の他の一例を示す模式平面図である。
【図8】(A),(B)は、テンション部材の構成の他の一例を示す模式平面図である。
【図9】本体部の構成の一例を示す模式斜視図である。
【図10】(A)〜(C)は、ケースを構成する本体部の構成の他の一例を示す一部模式断面図である。
【図11】ケースを構成する本体部の構成の他の一例を示す一部模式断面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態について以下説明する。
【0021】
図1は、本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の一例を示す模式断面図である。図2は、本実施形態のケースの構成の一例を示す模式斜視図である。図1及び2に示すように、燃料電池スタック1は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセル10が複数積層されたセル積層体12と、セル積層体12を収容するケース14と、セル積層方向の一方端に、セル積層体12側から順に配置されるシム16及びエンドプレート18と、セル積層体12を積層方向に固定するテンション部材20と、を備える。なお、図での説明は省略するが、セル積層体12の両端には、集電板としてのターミナルプレートと、絶縁板としてのインシュレータ等が配置されている。また、シム16はセル積層体12の積層方向の長さを調節する板材であり、必ずしも備える必要はない。
【0022】
セル積層体12を収容するケース14は、本体部22とカバー部(24,26)とを備える。図2に示すように、本体部22は、収容するセル積層体12のセル積層方向(X方向)に沿う側面壁の少なくとも1つの側面壁が開放された側面開放部28及びセル積層方向の一方端側の端面壁が開放された端面開放部30、側面開放部28と端面開放部30とを仕切る柱(以下、仕切り部材32)を備える。側面開放部28は、主に燃料電池スタック1の修理、点検等の際にケース14からセル10を取り出すための空間であるため、作業性の点で、燃料電池スタック1を設置した際に、ケース14の上面となることが好ましい。なお、図での説明は省略するが、本体部22のセル積層方向の他方端側の端面壁には、セル10に燃料ガス及び酸化ガスを供給する配管が接続されている。
【0023】
本体部22は、耐衝撃性、防水性、防塵性等の点で、側面壁同士や側面壁と端面壁に継ぎ目のない一体成型品であることが好ましいが、各側面壁、端面壁をボルト等で固定して構成されるものであってもよい。
【0024】
カバー部(24,26)は、側面開放部28を覆う側面カバー部24及び端面開放部30を覆う端面カバー部26を備える。図1に示すように、側面カバー部24及び端面カバー部26はボルト等の固定具34により本体部22に固定される。また、図1に示すように、本体部22の側面開放部28と端面開放部30とを仕切る仕切り部材32上に、側面カバー部24及び端面カバー部26の一部を配置し、ボルト等の固定具36により固定される。このように、仕切り部材32を設けることにより、カバー部(24,26)の面シールが可能となり防水性、防塵性を十分に確保することができる。
【0025】
本体部22及びカバー部(24,26)の材質は、コスト、強度、製造が容易等の点で、アルミ鋳造等の金属材料であることが好ましい。
【0026】
テンション部材20は、セル積層体12のセル積層方向に沿って延設されている棒状又は板状部材である。テンション部材20の一端はエンドプレート18を介してナット等の固定具38により支持され、他端は本体部22の端面壁を介して板状ナット等の固定具40により支持されている。具体的には、エンドプレート18(及びシム16)、本体部22の端面壁に形成された孔にテンション部材20を挿通し、エンドプレート18及び端面壁の外側から、ナット等の固定具(38,40)により、テンション部材20が固定される。これにより、セル積層体12にセル積層方向の締結荷重が付与され、ケース14に固定される。なお、テンション部材20の固定方法は上記に制限されるものではなく、セル積層体12をセル積層方向に固定することができれば、ケース14にはどのように固定されていてもよい。
【0027】
このように、本体部22に、セル積層方向に沿う側面壁の少なくとも1つの側面壁が開放された側面開放部28及びセル積層方向の一方端側の端面壁が開放された端面開放部30を形成することにより、ケース14内のセル10の取り出しが容易となる(主に側面開放部28から)。また、本体部22の一方端側の端面壁が開放されているため、ケース14とセル10との間にデッドスペースがほとんど存在せず、燃料電池スタック1の小型化が可能となる。
【0028】
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタック1には、エンドプレート18を固定する固定具42を備えることが好ましい。本実施形態のように、端面開放部30及び側面開放部28が形成された本体部22では、エンドプレート18を本体部22により支持することができず、振動等の多い車両等に搭載される場合には、エンドプレート18を固定することが好ましい。具体的には、エンドプレート18に雌ねじ部を形成し、該ボルト穴に係合する本体部22の側面壁の位置に雌ねじ部を形成して、ボルト等の固定具42を本体部22の側面壁及びエンドプレート18の雌ねじ部に螺合することにより、エンドプレート18を本体部22に固定する。
【0029】
図3は、図1のA−A線における燃料電池スタックの構成の一例を示す模式断面図である。図3に示すように、本体部22の側面壁には、セル積層方向に沿ってセル積層体12を支持するガイド部材44が形成されている。ガイド部材44を設けることにより、燃料電池スタック1を組み立てる際、セル10をケース14内に誘導することが容易となり、円滑にセル10の積層化を行うことができる。また、ケース14に衝撃等が加わった場合のセル10の撓みをガイド部材44により抑制することも可能である。本実施形態のガイド部材44はリブ状であるが、セル10に突起部を形成することが可能であれば、ガイド部材44をその突起部に係合する溝としてもよい。
【0030】
図4は、本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の他の一例を示す模式断面図である。図4に示す燃料電池スタック2において、図1に示す燃料電池スタック1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図4に示す固定具46は、イモネジ等の止めネジ等であり、例えば、仕切り部材32に雌ねじ部を形成し、固定具46を仕切り部の雌ねじ部に通して、固定具46の先端をエンドプレート18に当接させ、エンドプレート18を固定する。このようにエンドプレート18に止めネジ等の固定具46を当接させ、エンドプレート18を固定する方法を採用することにより、セル積層体12の積層方向の長さに合わせてエンドプレート18をセル積層方向に移動させることも、また、固定することも可能となるため、シム16の枚数や厚さを減少させること、またはシム16を無くすことができる。
【0031】
本実施形態では、止めネジ等の固定具46を仕切り部材32に形成した雌ねじ部に通して、エンドプレート18を固定しているが、必ずしもこれに制限されるものではなく、例えば、カバー部(24,26)や本体部22の側面壁等に雌ねじ部を形成し、止めネジ等の固定具46を雌ねじ部に通して、固定具46の先端をエンドプレート18に当接させ、エンドプレート18を固定してもよい。
【0032】
図5は、本実施形態に係る燃料電池スタックの構成の他の一例を示す模式断面図である。また、図6は、図5のエンドプレートの模式平面図である。図5に示す燃料電池スタック3において、図1に示す燃料電池スタック1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図5に示す燃料電池スタック3のエンドプレート18には、セル積層体12側の面と反対側の面にざぐり穴48が形成され、また、図6に示すように、エンドプレート18の側辺部には、ざぐり穴48に貫通する雌ねじ部50が形成されている。そして、本実施形態では、止めネジ等の固定具46をざぐり穴48側から、エンドプレート18の側辺部に形成した雌ねじ部50に通して、止めネジ等の固定具46の先端を本体部22やカバー部(24,26)に当接させ、エンドプレート18を固定する。このようにエンドプレート18を固定することにより、本体部22やカバー部(24,26)に止めネジ等の固定具46を通す雌ねじ部50を形成する必要がなくなるため、ケース14の防水性、防塵性を向上させることができる。また、ざぐり穴48はエンドプレート18の強度を確保することができれば、その面積、深さ、数等特に制限されるものではないが、エンドプレート18の軽量化の点では、ざぐり穴48の面積等を大きくすることが好ましい。なお、エンドプレート18を介して止めネジ等の固定具46をケース14に当接させて、エンドプレート18を固定しているため、セル積層体12の積層方向の長さに合わせてエンドプレート18をセル積層方向に移動させることも、また、固定することも可能となるため、シム16の枚数や厚さを減少させること、またはシム16を無くすことができる。
【0033】
図7(A),(B)及び図8(A),(B)は、テンション部材の構成の他の一例を示す模式平面図である。図7(A),(B)に示すテンション部材は、図1に示すテンション部材20に代わるものであり、エンドプレート18をセル積層方向(X方向)にスライド可能に固定する固定ピン52と、固定ピン52が挿着されるピン固定用溝54と、を備える。図9は、本体部の構成の一例を示す模式斜視図である。図9に示すように、ピン固定用溝54は、本体部22の側面壁や仕切り部材32に形成される。
【0034】
図7(A),(B)のテンション部材では、固定ピン52がセル10のセル積層面方向(Y方向)に移動するようにピン固定用溝54が形成されている。このような固定ピン52及びピン固定用溝54が設けられる場合には、固定ピン52と当接するエンドプレート18の端部18aを傾斜状に加工する。そして、図7(B)に示すように、固定ピン52がY方向に移動することにより、エンドプレート18をセル積層方向(X方向)にスライドさせることができる。すなわち、セル枚数の増減によって、セル積層体12のセル積層方向の長さが変動しても、その変動に応じて、固定ピン52を移動させ、エンドプレート18をセル積層方向にスライドさせることにより、セル積層体12にセル積層方向の締結荷重を付与し、且つセル積層体12をケース14に固定することが可能となる。
【0035】
図8(A),(B)のテンション部材では、固定ピン52がセル10の積層面方向(Y方向)に対して傾斜移動するようにピン固定用溝54が形成されている。このような固定ピン52及びピン固定用溝54が設けられる場合には、エンドプレート18の一部を傾斜形状に加工する必要がない。そして、図8(B)に示すように、固定ピン52がY方向に対して傾斜移動することにより、エンドプレート18をセル積層方向にスライドさせることができる。すなわち、セル枚数の増減によって、セル積層体12のセル積層方向の長さが変動しても、その変動に応じて、固定ピン52を傾斜移動させ、エンドプレート18をセル積層方向にスライドさせることにより、セル積層体12にセル積層方向の締結荷重を付与し、且つセル積層体12をケース14に固定することが可能となる。また、シム16の枚数や厚さを減少させること、またはシム16を無くすことも可能となる。
【0036】
固定ピン52及びピン固定用溝54は複数設けられることが好ましいが、エンドプレート18をセル積層方向にスライドさせ、セル積層体12をセル積層方向に固定することができれば、その数は特に制限されるものではない。
【0037】
図10(A)〜(C)は、ケースを構成する本体部の構成の他の一例を示す一部模式断面図である。図10(A)〜(C)に示すように、本体部22の端面壁と側面壁との角部56は、曲率Rを有する溝58であることが好ましい。溝58は、図10(A)に示すように、角部56から側面壁に亘って形成されてもよいし、図10(B)に示すように、角部56から端面壁に亘って形成されてもよいし、図10(C)に示すように、端面壁から側面壁に亘って形成されていてもよい。
【0038】
図11は、ケースを構成する本体部の構成の他の一例を示す一部模式断面である。図11に示すように、通常、本体部22の端面壁と側面壁との角部56に形成される曲率Rにセル10が接触するため、角部56に大きな応力が掛かってしまう。しかし、図9に示すように、角部56を、曲率Rを有する溝58にすることにより、セル10の接触による角部56の応力を緩和することが可能となる。
【0039】
また、図10(A)に示すように、本体部22の強度を確保する点で、溝58を形成することによって減少する本体部22の厚みを補うように、溝58に対応する側壁(又は端面壁)を外側に張り出させる(張り出し部60を形成する)ことが好ましい。
【符号の説明】
【0040】
1〜3 燃料電池スタック、10 セル、12 セル積層体、14 ケース、16 シム、18 エンドプレート、20 テンション部材、22 本体部、24 側面カバー部、26 端面カバー部、28 側面開放部、30 端面開放部、32 仕切り部材、34,36,38,40,42,46 固定具、44 ガイド部材、48 ざぐり穴、50 雌ねじ部、52 固定ピン、54 ピン固定用溝、56 角部、58 溝、60 張り出し部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセルが複数積層されたセル積層体と、前記セル積層体を収容するケースと、前記セル積層体のセル積層方向の少なくとも一方端に配置されるエンドプレートと、前記セル積層体を積層方向に固定するテンション部材とを備える燃料電池スタックであって、
前記ケースは、本体部とカバー部とを備え、
前記本体部は、前記セル積層方向に沿う側面の少なくとも1つの側面及び前記セル積層方向の一方端側の端面が開放され、前記端面の開放部と前記側面の開放部とを仕切る仕切り部を備え、
前記カバー部は少なくとも前記端面の開放部及び側面の開放部を覆うものであることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池スタックであって、前記テンション部材は、前記セル積層体のセル積層方向に沿って延設され、
前記テンション部材の一端が前記エンドプレート側で固定され、前記テンション部材の他端が前記セル積層方向の他方端側の本体部の端面側で固定されることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項3】
請求項1記載の燃料電池スタックであって、前記テンション部材は、前記エンドプレートを前記セル積層方向にスライド可能に固定する固定ピンと、前記本体部に設けられ、前記固定ピンが挿着されるピン固定用溝と、を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックであって、前記本体部のセル積層方向に沿う側面には、前記セル積層方向に沿って、前記セル積層体を支持するガイド部材が形成されることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックであって、前記本体部のセル積層方向に沿う側面を介して前記エンドプレートを固定する固定具を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックであって、前記エンドプレートの前記セル積層体側と反対側の面にざぐり穴が形成され、前記ざぐり穴から前記エンドプレートを介して前記ケースに当接し、前記エンドプレートを固定する固定具を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックであって、前記セル積層方向の他方端側の本体部の端面と前記セル積層方向に沿う側面との角部は、曲率Rを有する溝であることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項1】
燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により発電を行うセルが複数積層されたセル積層体と、前記セル積層体を収容するケースと、前記セル積層体のセル積層方向の少なくとも一方端に配置されるエンドプレートと、前記セル積層体を積層方向に固定するテンション部材とを備える燃料電池スタックであって、
前記ケースは、本体部とカバー部とを備え、
前記本体部は、前記セル積層方向に沿う側面の少なくとも1つの側面及び前記セル積層方向の一方端側の端面が開放され、前記端面の開放部と前記側面の開放部とを仕切る仕切り部を備え、
前記カバー部は少なくとも前記端面の開放部及び側面の開放部を覆うものであることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池スタックであって、前記テンション部材は、前記セル積層体のセル積層方向に沿って延設され、
前記テンション部材の一端が前記エンドプレート側で固定され、前記テンション部材の他端が前記セル積層方向の他方端側の本体部の端面側で固定されることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項3】
請求項1記載の燃料電池スタックであって、前記テンション部材は、前記エンドプレートを前記セル積層方向にスライド可能に固定する固定ピンと、前記本体部に設けられ、前記固定ピンが挿着されるピン固定用溝と、を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックであって、前記本体部のセル積層方向に沿う側面には、前記セル積層方向に沿って、前記セル積層体を支持するガイド部材が形成されることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックであって、前記本体部のセル積層方向に沿う側面を介して前記エンドプレートを固定する固定具を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックであって、前記エンドプレートの前記セル積層体側と反対側の面にざぐり穴が形成され、前記ざぐり穴から前記エンドプレートを介して前記ケースに当接し、前記エンドプレートを固定する固定具を備えることを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池スタックであって、前記セル積層方向の他方端側の本体部の端面と前記セル積層方向に沿う側面との角部は、曲率Rを有する溝であることを特徴とする燃料電池スタック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−253730(P2011−253730A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127160(P2010−127160)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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