説明

燃料電池及び燃料電池装置

【課題】 電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内で集電板に十分な加圧力を与えて発電面全体に十分な押圧力をかける。
【解決手段】 上部の支持板12とカソード側集電板21の間に電極軸31を設け、下部の支持板12とアノード側集電板22の間にアノード体16を貫通する貫通電極軸35を設け、電極軸31及び貫通電極軸35によりカソード側集電板21及びアノード側集電板22に十分な加圧力を与え、電極軸31及び貫通電極軸35により電力を外部に取り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池及び水素貯蔵源を備えた燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池として、電解質部材の両面側にカソード側触媒及びアノード側触媒が備えられた固体高分子電解質膜を有し、固体高分子電解質膜の両面側にカソード側集電板及びアノード側集電板が配される構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。カソード側触媒及びアノード側触媒とカソード側集電板及びアノード側集電板の間には、導電性繊維状部材製のガス拡散層が介装されている。
【0003】
カソード側集電板及びアノード側集電板で挟まれた固体高分子電解質膜は、カソード流体が供給されるカソード体及び燃料が供給されるアノード体により固定され、一つのセルが構成されている。そして、単一のセルもしくは積層された複数のセルがエンドプレートにより挟まれ、エンドプレート同士を固定することで燃料電池が形成されている。
【0004】
上述した燃料電池では、カソード体から空気など酸素を含む酸化剤ガスがカソード側触媒に供給され、アノード体から燃料がアノード側触媒に供給される。酸化剤ガス及び燃料が供給されることで、固体高分子電解質膜での電気化学反応により電力が発生する。尚、燃料としては、水素ガスやメタノール、水素化ホウ素化合物の水溶液が適用される。
【0005】
従来から提案されている燃料電池では、エンドプレートの周囲同士を締結することで一つの燃料電池を構成している。このため、セルが面内で均一に締め付けられるように、エンドプレートの中央部位を内側に湾曲させ、エンドプレート同士を締結した時に集電板に十分な加圧力が与えられるようになっている。
【0006】
セルが面内で均一に締め付けられ、集電板に十分な加圧力が与えられることにより、発電面全体に十分な押圧力をかけることができ、面内での発電性能が均一になり、空気や水素の漏れが防止されると共に、安定した導電状態を得ることができる。このため、発電効率を維持して燃料電池の破損を防止することができ、電池寿命を延ばすことが可能になる。
【0007】
特に、カソード側触媒及びアノード側触媒とカソード側集電板及びアノード側集電板との間にガス拡散層が介在している構造では、集電板に十分な加圧力を与えることができ、十分な圧縮荷重がガス拡散層に加わることにより導電性が向上する。従って、セルが面内で均一に締め付けられることにより、電極の役割を効率よく果たすことが可能になり、発電効率を一層向上させることができる。
【0008】
しかし、エンドプレートで押圧力を調整する構成となっているので、複数のセルが積層されている場合、積層されるセルが多くなるほど中央部側のセルの押圧を十分に行えず、集電板の加圧状態にばらつきが生じているのが現状であった。
【0009】
また、カソード側集電板及びアノード側集電板で固体高分子電解質膜が挟まれ、カソード体及びアノード体によりカソード側集電板及びアノード側集電板が固定される燃料電池には、アノード体とアノード側集電板との間に、電気化学反応により生じた水や空気中の不純物(窒素等)を排出するための空間が設けられているものが知られている。
【0010】
このような燃料電池では、エンドプレートで押圧力を調整しても、空間が存在しているので、カソード側集電板及びアノード側集電板を均等に加圧することができず、エンドプレートの中央部位を内側に湾曲させる構造を採用しても中央部には適切な押圧力をかけることができないのが現状である。
【0011】
上述した構造では、例えば、ボス部材をカソード側集電板やアノード側集電板の面に介在させることで、集電板に十分な加圧力を与えてガス拡散層を十分な加圧力で押圧することができる場合がある。一方で、集電板には電力を外部電極に接続する配線の取り回しの構造が必要である。ガス拡散層を十分な加圧力で押圧するためのボス部材を集電板の面に介在させた場合、ボス部材の存在により電力の取り回しの構造が制約され、配線構造等の自由度が低下する虞が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2009−163907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内で集電板に十分な加圧力を与えて発電面全体に十分な押圧力をかけることができる燃料電池を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内で集電板に十分な加圧力を与えて発電面全体に十分な押圧力をかけることができる燃料電池を備えた燃料電池装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の燃料電池は、電気化学反応により発電を行う電解質膜と、前記電解質膜のカソード面側に配され、カソード体に固定されるカソード側集電板と、前記電解質膜のアノード面側に配され、アノード体に固定されるアノード側集電板と、前記アノード体を貫通して前記アノード側集電板に当接し前記アノード側集電板からの電力を外部に導く導電性の支え軸部材とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項1に係る本発明では、電解質膜を挟んでカソード側集電板とアノード側集電板がカソード体及びアノード体に固定された際、支え軸部材により少なくともアノード側集電板に十分な加圧力を与えると同時に、支え軸部材により電力を取り出すことができる。
【0017】
このため、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内で集電板に十分な加圧力を与えて発電面全体に十分な押圧力をかけることが可能になる。
【0018】
そして、請求項2に係る本発明の燃料電池は、請求項1に記載の燃料電池において、前記支え軸部材は、前記アノード側集電板の中央部位に当接するように前記アノード体を貫通していることを特徴とし、支え軸部材がアノード側集電板の中央部位に当接するので、アノード側集電板の中央部位から電力を支え軸部材に送ることができ、通電時の電気抵抗を最小限に抑制することができる。
【0019】
また、請求項3に係る本発明の燃料電池は、請求項1に記載の燃料電池において、前記支え軸部材は、前記アノード側集電板の面方向に対して複数箇所に備えられていることを特徴とし、複数箇所の支え軸部材により電力を取り回すことができる。
【0020】
また、請求項4に係る本発明の燃料電池は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池において、前記カソード側集電板に当接する導電性のカソード支え軸部材を備えたことを特徴とし、カソード側集電板にも十分な加圧力を与えると同時に、支え軸部材により電力を取り出すことができる。
【0021】
また、請求項5に係る本発明の燃料電池は、請求項4に記載の燃料電池において、前記カソード支え軸部材は前記支え軸部材と同軸状態に配置されていることを特徴とし、カソード側集電板及びアノード側集電板を確実に支えることができる。
【0022】
また、請求項6に係る本発明の燃料電池は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池において、前記アノード体の材質は、非導電性部材を含むことを特徴とし、非導電性部材として、例えば、樹脂を用いることで軽量化を図ることができる。
【0023】
また、請求項7に係る本発明の燃料電池は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池において、前記カソード体及び前記アノード体は支持板により挟持され、前記支え軸部材の軸方向の位置が前記支持板で規制されることを特徴とし、支持板により支え軸部材が軸方向に規制されて保持される。
【0024】
また、請求項8に係る本発明の燃料電池は、請求項7に記載の燃料電池において、前記支え軸部材が前記支持板を貫通して外部に臨んでいることを特徴とし、支持板側で支え軸部材を外部電極に接続することができる。
【0025】
また、請求項9に係る本発明の燃料電池は、請求項7に記載の燃料電池において、前記アノード体の面方向に延びる導電部材が前記支え軸部材に接続されていることを特徴とし、支持体の側部側で支え軸部材を外部電極に接続することができる。
【0026】
また、請求項10に係る本発明の燃料電池は、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の燃料電池において、前記電解質膜と前記カソード側集電板との間、及び、前記電解質膜と前記アノード側集電板との間には、導電性繊維製の流体拡散層部材が備えられていることを特徴とし、セルの面内で集電板に十分な加圧力を与え、流体拡散層部材の全体に集電板の十分な押圧力をかけることが可能になる。
【0027】
上記目的を達成するための請求項11に係る本発明の燃料電池装置は、請求項10に記載の燃料電池と、前記燃料電池の発電に用いられる燃料を貯蔵する燃料貯蔵手段と、前記燃料貯蔵手段と前記燃料電池の電解質膜のアノード面とアノード体との間を接続する燃料供給系とを備えたことを特徴とする。
【0028】
請求項11に係る本発明では、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内で集電板に十分な加圧力を与えて発電面全体に十分な押圧力をかけることができる燃料電池を備えた燃料電池装置となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の燃料電池は、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内で集電板に十分な加圧力を与えて発電面全体に十分な押圧力をかけることが可能になる。
【0030】
また、本発明の燃料電池装置は、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内で集電板に十分な加圧力を与えて発電面全体に十分な押圧力をかけることができる燃料電池を備えた燃料電池装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施例に係る燃料電池装置の全体の概略構成図である。
【図2】燃料電池の外観を表す側面図である。
【図3】燃料電池の分解斜視図である。
【図4】燃料電池の断面図である。
【図5】要部拡大図である。
【図6】他の実施例に係る燃料電池の断面図である。
【図7】他の実施例に係る燃料電池の断面図である。
【図8】他の実施例に係る燃料電池の断面図である。
【図9】他の実施例に係る燃料電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1から図5に基づいて燃料電池装置の実施例を説明する。
【0033】
図1には本発明の一実施例に係る燃料電池装置の全体の概略構成、図2には燃料電池の外観を表す側面視、図3には燃料電池の分解斜視状態、図4には燃料電池の断面視、図5には図4中の貫通電極の貫通部の詳細状態を示してある。
【0034】
図1に示すように、燃料電池装置1は、発電セルを備えた燃料電池2と、燃料電池2のアノード側に供給される燃料を貯蔵する燃料貯蔵手段としての燃料貯蔵源3を備えている。燃料としては、水素ガスやメタノール、水素化ホウ素化合物の水溶液を適用することができる。燃料貯蔵源3は、内部で水素を発生させる機能を備えたものや、外部からの水素が貯蔵されるものを適用することが可能である。燃料貯蔵源3は、内部で水素を発生させる機能を備えたものや、外部からの水素が貯蔵されるものを適用することが可能である。
【0035】
燃料貯蔵源3は燃料供給系4により燃料電池2に接続され、詳細は後述するが、燃料電池2の電解質膜のアノード面とアノード体との間に水素が供給されるようになっている。燃料電池装置1には燃料電池2の発電状況及び発電した電力の出力状況を制御する制御回路5が備えられ、燃料電池装置1は、制御回路5を介して使用機器6に接続される。
【0036】
図2、図3に示すように、燃料電池2は、電池セル11が一対の支持板12に挟まれて固定されることで、一つのスタックとして構成されている。即ち、電池セル11の上下に支持板12が配され、支持板12同士が締結部材13(例えば、ボルト、リベット、金属ベルト等)により締結固定され、電池セル11が一対の支持板12に挟まれて保持されることで一つのスタックが構成されている。
【0037】
図3、図4に示すように、電池セル11は、カソード体15とアノード体16の間に電解質膜としての固体高分子膜17が配されて構成されている。固体高分子膜17の両面側にはガス拡散層18が配されている。ガス拡散層18とカソード体15との間にはカソード側集電板21が設けられ、ガス拡散層18とアノード体16との間にはアノード側集電板22が設けられている。
【0038】
カソード体15は、カソード側集電板21の周縁部の固定、及び、固体高分子膜17のカソード側に空気(酸化剤:酸素)を供給するために配置されている。カソード体15の側面には、固体高分子膜17のカソード面に酸素を供給するための孔が形成されている。尚、カソード体15としては、酸化剤が供給される入口と出口のみを有する閉構造で、ファンやポンプを利用して酸化剤を供給する構造でもよい。
【0039】
アノード体16は、中央部が空間にされてアノード側集電板22の周縁部を固定する。つまり、アノード空間に水素だけを供給するようにチャンバー構造とされ、水素が固体高分子膜17のアノード側に均一に行き渡るようにされている。更に、窒素等の不純物や水が移動する空間が確保されている。また、アノード体16は、アノード空間と外部雰囲気とを遮断するため、周縁の固体高分子膜17との接触面に密閉手段が備えられている。
【0040】
固体高分子膜17の両面には、例えば、白金、ルテニウム、コバルトに代表される触媒が担持され、酸化剤が供給される側がカソードとなり、燃料が供給される側がアノードとなる。ガス拡散層18はカーボン製の繊維で構成され、流体(燃料、酸化剤)の流通を阻害しない状態で流体を拡散させるようになっている。そして、ガス拡散層18は、固体高分子膜17の触媒層と接触することにより電子の移動が可能になっている。
【0041】
また、カソード側集電板21及びアノード側集電板22は、ガス拡散層18と接することにより集電を行う。ガス拡散層18は金属製の導電製材料と比べて面方向の電気抵抗が高く電子の面方向の移動が制約されるため、電子を長い距離で移動させるために、カソード側集電板21及びアノード側集電板22が用いられている。
【0042】
また、カソード側集電板21及びアノード側集電板22は、固体高分子膜17の触媒層への酸化剤、燃料の供給を阻害しないために、多孔質の構造となっている。カソード側集電板21及びアノード側集電板22としては、金属製の板に孔を複数空けたものや、発砲金属体等の導電性の部材が用いられる。
【0043】
アノード側集電板22はアノード体16により外部と隔絶されているので、アノード側集電板22と外部負荷(図1に示した使用機器6等)との通電を行うために、アノード体16は、アルミ、SUS等の金属、グラファイト等のカーボン材料が適用されている。
【0044】
上述したように、両面にガス拡散層18が配された固体高分子膜17がカソード側集電板21とアノード側集電板22に挟まれ、カソード側集電板21とアノード側集電板22がカソード体15とアノード体16に挟まれる。そして、支持板12同士が締結されることにより、カソード側集電板21とアノード側集電板22がカソード体15とアノード体16に固定され、ガス拡散層18がカソード側集電板21とアノード側集電板22により所定の押圧力で挟み込まれる。
【0045】
カソード側集電板21の中央部位には、カソード側集電板21と上側の支持板12の内側面とに亘りカソード支え軸部材として電極軸31が設けられ、上側の支持板12の内面側には外部電極32がカソード体15の外側に延びて配されている。電極軸31は、アルミ、SUS等の金属、グラファイト等のカーボン材料で形成され、電極軸31の一端(図中下端)はカソード側集電板21に接触し、電極軸31の他端部位(図中上端)は外部電極32に接触している。
【0046】
図4に示すように、アノード側集電板22の中央部位には、アノード側集電板22と下側の支持板12の内側面とに亘り支え軸部材として貫通電極軸35が電極軸31に対向して設けられ、貫通電極軸35はアノード体16を貫通している。下側の支持板12の内側面には外部電極36がカソード体15の外側に延びて配されている。貫通電極軸35は、アルミ、SUS等の金属、グラファイト等のカーボン材料で形成され、貫通電極軸35の一端(図中上端)はアノード側集電板22に接触し、貫通電極軸35の他端部位(図中下端)は外部電極36に接触している。
【0047】
図4、図5に示すように、貫通電極軸35のアノード体16を貫通する部位には周溝37が形成され、周溝37にはパッキン38が嵌合している。パッキン38により貫通電極軸35が貫通するアノード体16の穴が密閉され、アノード空間と外部雰囲気とが遮断されている。パッキン38としては、例えば、ニトリウムゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等のゴム製材料を適用することができる。
【0048】
尚、パッキン38に代えて接着剤により貫通電極軸35が貫通するアノード体16の穴を密閉することも可能である。また、貫通電極軸35に周溝37を形成したが、アノード体16の穴の内周面に周溝を形成し、穴の内周面の周溝にパッキン38を嵌合し、筒面が平坦な貫通電極軸をアノード体16の穴に貫通させることも可能である。
【0049】
電極軸31及び貫通電極軸35により、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の中央部位が支えられ、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の撓みを低減することができる。これにより、カソード側集電板21及びアノード側集電板22自身の面内変位が阻止され、カソード側集電板21とアノード側集電板22に押圧力を十分に与えることができ、ガス拡散層18が十分な押圧力(固体高分子膜側への押圧力)で押圧され、発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0050】
電極軸31及び貫通電極軸35は、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の面内の中央部位を押圧するため、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の端部と接するカソード体15及びアノード体16の箇所と同一平面上にあるか、それよりも高いことが好ましい。
【0051】
電極軸31及び貫通電極軸35は、外部電極32及び外部電極36に接触しているので、燃料電池で発生した電力は、カソード側集電板21及びアノード側集電板22を支える電極軸31及び貫通電極軸35から、外部電極32及び外部電極36を介して支持板12の側部の外部に取り出される。
【0052】
従って、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内でカソード側集電板21及びアノード側集電板22に十分な押圧力を与えてカソード側集電板21及びアノード側集電板22により発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0053】
そして、燃料電池2で発生した電力を電極軸31及び貫通電極軸35で外部に取り出すことができるので、カソード体15及びアノード体16を通して電力を取り出す必要がなく、カソード体15及びアノード体16を絶縁体(例えば、樹脂)で形成することができる。これにより、電池セル11を軽量化することが可能になる。
【0054】
カソード体15及びアノード体16は一部を絶縁体(例えば、樹脂)で構成することも可能であり、一部を絶縁体にすることにより軽量化を図ることが可能になる。例えば、アノード体16の貫通電極軸35が貫通する部位を樹脂製とすることが可能であり、また、アノード体16の貫通電極軸35が貫通する所望部位を金属製とし、その他の部位を樹脂製とすることが可能である。また、カソード体15及びアノード体16をアルミ、SUS等の金属、グラファイト等のカーボン材料で形成することも可能である。
【0055】
図6から図9に基づいて燃料電池の他の実施例を説明する。
【0056】
図6には支持板側に電極を設けた状態の燃料電池の断面、図7には電極軸及び貫通電極を複数設けた状態の燃料電池の断面、図8、図9には複数の電池セルを積層した燃料電池の断面を示してある。尚、図4に示した実施例の燃料電池と同一部材には同一符号を付してある。
【0057】
図6に示した燃料電池60の電池セル61の構成を説明する。
【0058】
カソード側集電板21の中央部位には、カソード側集電板21と上側の支持板12の内側面とに亘りカソード支え軸部材として電極軸62が設けられ、電極軸62の支持板12側には、支持板12を貫通して外部に臨む外部電極軸63が設けられている。電極軸62の一端(図中下端)はカソード側集電板21に接触し、電極軸62の他端(図中上端)は外部電極軸63に接続している。
【0059】
また、アノード側集電板22の中央部位には、アノード側集電板22と下側の支持板12の内側面とに亘り支え軸部材として貫通電極軸65が設けられ、貫通電極軸65はアノード体16を貫通している。貫通電極軸65の支持板12側には、支持板12を貫通して外部に臨む外部電極軸66が設けられている。貫通電極軸65の一端(図中上端)はアノード側集電板22に接触し、貫通電極軸65の他端部位(図中下端)は外部電極軸66に接触している。
【0060】
電極軸62及び貫通電極軸65により、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の中央部位が支えられ、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の撓みを低減することができる。これにより、カソード側集電板21及びアノード側集電板22自身の面内変位が阻止され、カソード側集電板21とアノード側集電板22に押圧力を十分に与えることができ、ガス拡散層18が十分な押圧力(固体高分子膜側への押圧力)で押圧され、発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0061】
電極軸62及び貫通電極軸65は、外部電極軸63及び外部電極軸66に接触しているので、燃料電池で発生した電力は、カソード側集電板21及びアノード側集電板22を支える電極軸62及び貫通電極軸65から、外部電極軸63及び外部電極軸66を介して支持板12の面部の外側部に取り出される。
【0062】
従って、短い経路による電力の取出しが可能になり、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内でカソード側集電板21及びアノード側集電板22に十分な押圧力を与えてカソード側集電板21及びアノード側集電板22により発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0063】
そして、燃料電池60で発生した電力を電極軸62及び貫通電極軸65で外部に取り出すことができるので、カソード体15及びアノード体16を通して電力を取り出す必要がなく、カソード体15及びアノード体16を絶縁体(例えば、樹脂)で形成することができる。これにより、電池セル61を軽量化することが可能になる。
【0064】
図7に示した燃料電池70の電池セル71の構成を説明する。
【0065】
カソード側集電板21の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、カソード側集電板21と上側の支持板12の内側面とに亘りカソード支え軸部材として電極軸31が設けられ、上側の支持板12の内面側には外部電極32がカソード体15の外側に延びて配されている。それぞれの電極軸31の一端(図中下端)はカソード側集電板21に接触し、それぞれの電極軸31の他端部位(図中上端)は外部電極32に接触している。
【0066】
また、アノード側集電板22の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、アノード側集電板22と下側の支持板12の内側面とに亘り支え軸部材として貫通電極軸35がそれぞれの電極軸31に対向して設けられ、貫通電極軸35はアノード体16を貫通している。下側の支持板12の内側面には外部電極36がカソード体15の外側に延びて配されている。それぞれの貫通電極軸35の一端(図中上端)はアノード側集電板22に接触し、それぞれの貫通電極軸35の他端部位(図中下端)は外部電極36に接触している。
【0067】
複数の電極軸31及び複数の貫通電極軸35により、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の複数箇所の部位が支えられ、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の撓みを低減することができる。これにより、カソード側集電板21及びアノード側集電板22自身の面内変位が確実に阻止され、カソード側集電板21とアノード側集電板22に押圧力を十分に与えることができ、ガス拡散層18が十分な押圧力(固体高分子膜側への押圧力)で押圧され、発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0068】
電極軸31及び貫通電極軸35は、外部電極32及び外部電極36に接触しているので、燃料電池で発生した電力は、カソード側集電板21及びアノード側集電板22を支える電極軸31及び貫通電極軸35から、外部電極32及び外部電極36を介して支持板12の側部の外部に取り出される。
【0069】
従って、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内でカソード側集電板21及びアノード側集電板22に十分な押圧力を確実に与えてカソード側集電板21及びアノード側集電板22により発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0070】
そして、燃料電池70で発生した電力を電極軸31及び貫通電極軸35で外部に取り出すことができるので、カソード体15及びアノード体16を通して電力を取り出す必要がなく、カソード体15及びアノード体16を絶縁体(例えば、樹脂)で形成することができる。これにより、電池セル71を軽量化することが可能になる。
【0071】
図8に示した燃料電池80の電池セル81の構成を説明する。
【0072】
図に示すように、燃料電池80は、3つの電池セル81が一対の支持板12に挟まれて固定されることで、3層構造のスタックとして構成されている。即ち、3つの電池セル81が積層され、積層された3つの電池セル81の層の上下に支持板12が配され、支持板12同士が締結部材13(例えば、ボルト、リベット、金属ベルト等)により締結固定されている。
【0073】
最上部の電池セル81のカソード側集電板21の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、カソード側集電板21と上側の支持板12の内側面とに亘りカソード支え軸部材として電極軸31が設けられ、上側の支持板12の内面側には外部電極32がカソード体15の外側に延びて配されている。それぞれの電極軸31の上端部位は外部電極32に接触している。
【0074】
最下部の電池セル81のアノード側集電板22の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、アノード側集電板22と下側の支持板12の内側面とに亘り支え軸部材として貫通電極軸35がそれぞれの電極軸31に対向して設けられ、貫通電極軸35はアノード体16を貫通している。下側の支持板12の内側面には外部電極36がカソード体15の外側に延びて配されている。それぞれの貫通電極軸35の下端部位は外部電極36に接触している。
【0075】
最上部の電池セル81のアノード側集電板22の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、アノード側集電板22の下面と中段部の電池セル81のカソード側集電板21の上面とに亘り、支え部材及びカソード支え部材としての貫通電極軸82がそれぞれの電極軸31に対向して設けられている。貫通電極軸82は最上部の電池セル81のアノード体16を貫通し、貫通電極軸82の貫通部にはパッキン38が設けられている。
【0076】
最下部の電池セル81のカソード側集電板21の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、カソード側集電板21の上面と中段部の電池セル81のアノード側集電板22の下面とに亘り、支え部材及びカソード支え部材としての貫通電極軸82がそれぞれの貫通電極軸35に対向して設けられている。貫通電極軸82は中段部の電池セル81のアノード体16を貫通し、貫通電極軸82の貫通部にはパッキン38が設けられている。
【0077】
最上部の電池セル81の複数の電極軸31、最下部の電池セル81の複数の貫通電極軸35、及び、中段部の電池セル81の上下に設けられた貫通電極軸82により、3つの電池セル81のカソード側集電板21及びアノード側集電板22の複数箇所の部位が支えられ、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の撓みを低減することができる。
【0078】
これにより、3つの電池セル81のカソード側集電板21及びアノード側集電板22自身の面内変位が確実に阻止され、3つの電池セル81のカソード側集電板21とアノード側集電板22に押圧力を十分に与えることができ、ガス拡散層18が十分な押圧力(固体高分子膜側への押圧力)で押圧され、3つの電池セル81の発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0079】
最上部の電池セル81の電極軸31が外部電極32に接触し、最下部の電池セル81の貫通電極軸35が外部電極36に接触し、更に、最上部の電池セル81のアノード側集電板22と中段部の電池セル81のカソード側集電板21、及び、中段部の電池セル81のアノード側集電板22と最下部の電池セル81のカソード側集電板21が、それぞれ貫通電極軸82で接続されている。
【0080】
これにより、3つの電池セル81で構成される3層構造の燃料電池80で発生した電力は、カソード側集電板21及びアノード側集電板22を支える電極軸31、貫通電極軸35及び貫通電極軸82から、外部電極32及び外部電極36を介して支持板12の側部の外部に取り出される。
【0081】
従って、3層構造の燃料電池80であっても、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内でカソード側集電板21及びアノード側集電板22に十分な押圧力を確実に与えてカソード側集電板21及びアノード側集電板22により発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0082】
そして、燃料電池80で発生した電力を電極軸31及び貫通電極軸35で外部に取り出すことができるので、カソード体15及びアノード体16を通して電力を取り出す必要がなく、カソード体15及びアノード体16を絶縁体(例えば、樹脂)で形成することができる。これにより、電池セル81を軽量化することが可能になる。
【0083】
図9に示した燃料電池90の電池セル91の構成を説明する。
【0084】
図に示すように、燃料電池90は、3つの電池セル91が一対の支持板12に挟まれて固定されることで、3層構造のスタックとして構成されている。即ち、3つの電池セル91が積層され、積層された3つの電池セル91の層の上下に支持板12が配され、支持板12同士が締結部材13(例えば、ボルト、リベット、金属ベルト等)により締結固定されている。
【0085】
最上部の電池セル91のカソード側集電板21の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、カソード側集電板21と上側の支持板12とに亘りカソード支え軸部材として電極ねじ軸92が設けられ、電極ねじ軸92は上側の支持板12を貫通して螺合している。そして、電極ねじ軸92の上端部に形成された頭部92aが支持板12の上部の外側に配されている。頭部92aを介して電極ねじ軸92の支持板12に対する螺合状態を調整することにより、カソード側集電板21に対する電極ねじ軸92の押圧力を調整することができる。
【0086】
最下部の電池セル91のアノード側集電板22の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、アノード側集電板22と下側の支持板12とに亘り支え軸部材として貫通電極ねじ軸95がそれぞれの電極ねじ軸92に対向して設けられ、貫通電極ねじ軸95はアノード体16を貫通し、更に、下側の支持板12を貫通して螺合している。そして、貫通電極ねじ軸95の下端部に形成された頭部95aが支持板12の下部の外側に配されている。頭部95aを介して貫通電極ねじ軸95の支持板12に対する螺合状態を調整することにより、アノード側集電板22に対する貫通電極ねじ軸95の押圧力を調整することができる。
【0087】
最上部の電池セル91のアノード側集電板22の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、アノード側集電板22の下面と中段部の電池セル91のカソード側集電板21の上面とに亘り、支え部材及びカソード支え部材としての貫通電極軸96がそれぞれの電極ねじ軸92に対向して設けられている。貫通電極軸96は最上部の電池セル91のアノード体16を貫通し、貫通電極軸96の貫通部にはパッキン38が設けられている。
【0088】
最下部の電池セル91のカソード側集電板21の複数箇所(図示例では2箇所)の部位には、カソード側集電板21の上面と中段部の電池セル91のアノード側集電板22の下面とに亘り、支え部材及びカソード支え部材としての貫通電極軸96がそれぞれの貫通電極ねじ軸95に対向して設けられている。貫通電極軸96は中段部の電池セル91のアノード体16を貫通し、貫通電極軸96の貫通部にはパッキン38が設けられている。
【0089】
最上部の電池セル91の複数の電極ねじ軸92、最下部の電池セル91の複数の貫通電極ねじ軸95、及び、中段部の電池セル91の上下に設けられた貫通電極軸96により、3つの電池セル91のカソード側集電板21及びアノード側集電板22の複数箇所の部位が支えられ、カソード側集電板21及びアノード側集電板22の撓みを低減することができる。
【0090】
頭部92aを介して電極ねじ軸92の支持板12に対する螺合状態を調整することにより、最上部の電池セル91のカソード側集電板21に対する電極ねじ軸92の押圧力を調整することができ、頭部95aを介して貫通電極ねじ軸95の支持板12に対する螺合状態を調整することにより、最下部の電池セル91のアノード側集電板22に対する貫通電極ねじ軸95の押圧力を調整することができる。
【0091】
これにより、3つの電池セル91のカソード側集電板21及びアノード側集電板22自身の面内変位が確実に阻止され、3つの電池セル91のカソード側集電板21とアノード側集電板22に押圧力を十分に与えることができ、ガス拡散層18が十分な押圧力(固体高分子膜側への押圧力)で押圧され、3つの電池セル91の発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。押圧力の調整は、3つの電池セル91を組み付けた後に、発電面に対する集電板の押圧力の調整を行うことができ、燃料電池90を組み立てた後であっても、燃料電池90の個体差に拘わらず発電性能を最適に調整することができる。
【0092】
最上部の電池セル91の電極ねじ軸92の頭部92a及び最下部の電池セル91の貫通電極ねじ軸95の頭部95aにより電極ねじ軸92及び貫通電極ねじ軸95(最上部の電池セル91のカソード側集電板21及び最下部の電池セル91のアノード側集電板22)が外部と電気的に接続可能とされ、更に、最上部の電池セル91のアノード側集電板22と中段部の電池セル91のカソード側集電板21、及び、中段部の電池セル91のアノード側集電板22と最下部の電池セル91のカソード側集電板21が、それぞれ貫通電極軸96で接続されている。
【0093】
これにより、3つの電池セル91で構成される3層構造の燃料電池90で発生した電力は、カソード側集電板21及びアノード側集電板22を支える電極ねじ軸92、貫通電極軸96及び貫通電極ねじ軸95から、頭部92a及び頭部95aを介して支持板12の面部の外側部に取り出される。
【0094】
従って、3層構造の燃料電池90であっても、短い経路による電力の取出しが可能になり、電力の配線構造に影響を与えることなく、セルの面内でカソード側集電板21及びアノード側集電板22に十分な押圧力を確実に与えてカソード側集電板21及びアノード側集電板22により発電面全体に十分な押圧力をかけることができる。
【0095】
そして、燃料電池90で発生した電力を電極ねじ軸92、貫通電極ねじ軸95及び貫通電極軸96を用いて、電極ねじ軸92の頭部92a及び貫通電極ねじ軸95の頭部95aから外部に取り出すことができるので、カソード体15及びアノード体16を通して電力を取り出す必要がなく、カソード体15及びアノード体16を絶縁体(例えば、樹脂)で形成することができる。これにより、電池セル91を軽量化することが可能になる。
【0096】
上述したように、カソード側集電板21とアノード側集電板22がカソード体15及びアノード体16に固定された際、アノード体16を貫通して電極とされる軸部材により、固体高分子膜17(ガス拡散層18)に対してカソード側集電板21とアノード側集電板22を十分な加圧力で接触させることが可能になる。このため、電力の配線構造に影響を与えることなく、カソード側集電板21とアノード側集電板22に十分な加圧力が与えられ、固体高分子膜17(ガス拡散層18)の面の全体に対して十分な押圧力をかけることが可能になる。
【0097】
このため、電力の配線構造に影響を与えることなく、電池セルの面内での発電性能のばらつきをなくすことができ、燃料電池2の電池性能を向上させることが可能になる。また、電力の配線構造に影響を与えることなく、カソード側集電板21とアノード側集電板22に十分な加圧力が与えられ、固体高分子膜17(ガス拡散層18)の面の全体に対して十分な押圧力をかけることができる燃料電池を備えた燃料電池装置とすることが可能になる。
【0098】
また、カソード側集電板21とアノード側集電板22を十分な加圧力で接触させるための部材が、アノード体16を貫通して電極となる軸部材であるので、アノード体16(含むカソード体15)を絶縁材で形成することができる。これにより、樹脂等でアノード体16(含むカソード体15)を形成することにより、電池セルを軽量化することが可能になり、燃料電池の軽量化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、燃料電池及び燃料電池装置の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 燃料電池装置
2、60、70、80、90 燃料電池
3 燃料貯蔵源
4 燃料供給系
5 制御回路
6 使用機器
11、61、71、81、91 電池セル
12 支持板
13 締結部材
15 カソード体
16 アノード体
17 固体高分子膜
18 ガス拡散層
21 カソード側集電板
31、62 電極軸
32、36 外部電極
35 貫通電極軸
37 周溝
38 パッキン
63、66 外部電極軸
65、82、96 貫通電極軸
92 電極ねじ軸
95 貫通電極ねじ軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学反応により発電を行う電解質膜と、
前記電解質膜のカソード面側に配され、カソード体に固定されるカソード側集電板と、
前記電解質膜のアノード面側に配され、アノード体に固定されるアノード側集電板と、
前記アノード体を貫通して前記アノード側集電板に当接し前記アノード側集電板からの電力を外部に導く導電性の支え軸部材とを備えた
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池において、
前記支え軸部材は、前記アノード側集電板の中央部位に当接するように前記アノード体を貫通している
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項3】
請求項1に記載の燃料電池において、
前記支え軸部材は、前記アノード側集電板の面方向に対して複数箇所に備えられている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池において、
前記カソード側集電板に当接する導電性のカソード支え軸部材を備えた
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項5】
請求項4に記載の燃料電池において、
前記カソード支え軸部材は前記支え軸部材と同軸状態に配置されている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料電池において、
前記アノード体の材質は、非導電性部材を含む
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池において、
前記カソード体及び前記アノード体は支持板により挟持され、前記支え軸部材の軸方向の位置が前記支持板で規制される
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項8】
請求項7に記載の燃料電池において、
前記支え軸部材が前記支持板を貫通して外部に臨んでいる
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項9】
請求項7に記載の燃料電池において、
前記アノード体の面方向に延びる導電部材が前記支え軸部材に接続されている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の燃料電池において、
前記電解質膜と前記カソード側集電板との間、及び、前記電解質膜と前記アノード側集電板との間には、導電性繊維製の流体拡散層部材が備えられている
ことを特徴とする燃料電池。
【請求項11】
請求項10に記載の燃料電池と、前記燃料電池の発電に用いられる燃料を貯蔵する燃料貯蔵手段と、前記燃料貯蔵手段と前記燃料電池の電解質膜のアノード面とアノード体との間を接続する燃料供給系とを備えたことを特徴とする燃料電池装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−64386(P2012−64386A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206579(P2010−206579)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】