説明

燃料電池用膜電極接合体の製造方法

【課題】樹脂製の枠を効率良く設けることが可能な燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、電解質膜2の両面に電極層3を積層した積層体10の周縁10Aに樹脂製の枠7を設けた燃料電池用膜電極接合体1の製造方法であって、樹脂材料塗工用の基材30に積層体10を配置し、この基材30上の積層体10の周縁10Aに液状の樹脂材料を塗工し硬化させて枠7を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周縁に樹脂製の枠を備えた燃料電池用膜電極接合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池用の膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly: MEA)は、電解質膜の両面に電極層を設けた積層体を備えている。電極層の一方はアノード、他方はカソードとなり、アノードに還元剤(燃料)ガス(例えば、水素)が供給され、カソードには酸化剤ガス(例えば、酸素)が供給され、電極層間で電気化学反応に基づいて発電される。電解質膜は両電極層に比べ面積が大きく形成されており、電解質膜の電極層より外側の部分は上記ガスの流路とガスが互いに混合するのを防ぐガスシール部とを兼ねている。このように構成された膜電極接合体においては、製造コストの低減が重要な課題になっている。
【0003】
そこで従来、積層体の周縁に安価な樹脂製の枠を設けることで、電解質膜の面積を小さくし、高価な電解質膜の利用量を減らして膜電極接合体の製造コストを低減した膜電極接合体が知られている(例えば、特許文献1参照)。この膜電極接合体では、枠は接着剤によって電解質膜に接着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−234606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、樹脂製の枠を接着剤によって電解質膜に接着する方法では、枠を形成する工程及び枠を電解質膜に接着する行程を必要とするため、枠の製造に時間が掛かり、生産効率が低いという課題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、樹脂製の枠を効率良く設けることが可能な燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、電解質膜の両面に電極層を積層した積層体の周縁に樹脂製の枠を設けた燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、樹脂材料塗工用の基材に前記積層体を配置し、この基材上の前記積層体の周縁に液状の樹脂材料を塗工し硬化させて前記枠を形成することを特徴とする。
上記構成によれば、枠の形成及び枠の積層体への接着を一度に行うことができる。
【0007】
上記構成において、前記電解質膜は、前記電極層より大きく形成されて当該電極層よりも外側に延出する延出部を備え、前記基材上の前記延出部に対応する位置に液状の樹脂材料を塗工し硬化させて片方の枠を形成し、前記片方の枠を形成した前記基材に前記積層体を配置してもよい。
上記構成によれば、電解質膜が電極層より大きく形成されて当該電極層よりも外側に延出する延出部を備えるため、両電極層間の沿面距離を確保でき、両電極層間の短絡を防止できる。また、枠を片方の枠と他方の枠に分けて形成したため、延出部を覆う枠を容易に形成できるとともに、枠の硬化時間を短縮できる。
【0008】
上記構成において、前記樹脂材料の塗工方法が印刷法であってもよい。
上記構成によれば、液状の樹脂材料を容易に塗工できる。
【0009】
上記構成において、前記基材に前記電極層の周縁より内側に貫通孔を形成し、前記貫通孔から吸引しながら前記基材上に液状の樹脂材料を塗工してもよい。
上記構成によれば、電極層に樹脂材料を含浸させることができるので、電極層と枠とを確実に接着できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、樹脂材料塗工用の基材に積層体を配置し、基材上の積層体の周縁に液状の樹脂材料を塗工し硬化させて枠を形成するため、枠の形成及び枠の積層体への接着を一度に行うことができ、燃料電池用膜電極接合体を効率的に生産できる。
また、電解質膜が電極層よりも外側に延出する延出部を備えるため、両電極層間の沿面距離を確保でき、両電極層間の短絡を防止できる。また、枠を片方の枠と他方の枠に分けて形成したため、延出部を覆う枠を容易に形成できるとともに、枠の硬化時間を短縮できる。
【0011】
また、樹脂材料の塗工方法を印刷法としたため、液状の樹脂材料を容易に塗工できる。
また、基材の電極層の周縁より内側に形成した貫通孔から吸引しながら基材上に液状の樹脂材料を塗工するため、電極層に樹脂材料を含浸させることができるので、電極層と枠とを確実に接着できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る製造方法を適用して製造した膜電極接合体(燃料電池用膜電極接合体)を示す側面図である。
【図2】下枠用の樹脂材料の塗工工程を示す図である。
【図3】下枠用の樹脂材料の硬化工程を示す図である。
【図4】積層体の配置工程を示す図である。
【図5】上枠用の樹脂材料の塗工工程を示す図である。
【図6】上枠用の樹脂材料の硬化工程を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る製造方法を適用して製造した膜電極接合体を示す断面図である。
【図8】膜電極接合体をライン上で製造する場合の製造工程の前段を示す図である。
【図9】膜電極接合体をライン上で製造する場合の製造工程の後段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態に係る膜電極接合体(燃料電池用膜電極接合体)の製造方法を適用して製造した膜電極接合体を示す側面図である。
膜電極接合体1は、電解質膜2の両面に電極層3,3を接合した積層体10を備えている。電解質膜2は、電極層3よりも大きく形成され、電極層3よりも外側に延出する延出部2Aを電解質膜2の全周に亘って有している。この延出部2Aにより、両電極層間の沿面距離を確保でき、両電極層間の短絡を防止できる。電極層3,3は、多孔質の拡散層4と、この拡散層4の一側面に撥水層5を介して形成される触媒電極層6とを有し、触媒電極層6が電解質膜2に接合される。この膜電極接合体1を使用した燃料電池においては、上記電極層3,3の一方がアノード、他方がカソードとなる。
【0014】
電解質膜2としては、パーフルオロスルホン酸高分子等の高分子電解質を好適に用いることができる。拡散層4としては、導電性と耐酸性を兼ね備えた多孔性の材料を用いることができ、例えばカーボンペーパーが好適である。撥水層5は、微細気孔層(micro porous layer: MPL)とも呼ばれ、黒鉛、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素材料とポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンなどの撥水材を混合して構成される。触媒電極層6は、白金もしくはその合金などの触媒または触媒をカーボンなどの担持体に担持させたもの、電解質高分子(例えば、電解質膜2に用いられるもの)、及び上記炭素材料などの導電材を混合して構成される。
【0015】
電極層3の周縁3A(積層体10の周縁)には樹脂製の枠7が設けられている。枠7は、下側に設けられる下枠(片方の枠)7A、及び、この下枠7A上に設けられる上枠(他方の枠)7Bを有する。枠7の樹脂材料には、例えば、熱硬化性樹脂や、光(例えば、紫外線)硬化性樹脂が用いられる。電解質膜2の延出部2Aはこれらの下枠7A及び上枠7Bに覆われている。
枠7は、積層体10を樹脂材料塗工用のシート(基材)30上に配置して形成される。シート30の材料には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene: PTFE)が好適に用いられる。膜電極接合体1は、シート30から剥がされて燃料電池に使用される。ここで、積層体10は、比較的厚みが薄く柔軟であるが、積層体10の周縁3Aに枠7を形成することで、積層体10の取り扱いが容易になる。
【0016】
次に、膜電極接合体1の製造方法について説明する。
図2は、下枠7A用の樹脂材料Pの塗工工程を示す図である。図3は、下枠7A用の樹脂材料Pの硬化工程を示す図である。図4は、積層体10の配置工程を示す図である。図5は、上枠7B用の樹脂材料Pの塗工工程を示す図である。図6は、上枠7A用の樹脂材料Pの硬化工程を示す図である。
まず、図2に示すように、シート30上に液状の樹脂材料Pを印刷法により塗工する。印刷法としては、例えばスクリーン印刷法を用いることができる。
【0017】
スクリーン印刷法で使用される印刷機40は、例えば、スクリーン版41と、スクリーン版41を設置するスクリーン版枠42と、スキージ43とを備えて構成されている。スクリーン版41には、延出部2Aに対応する位置、本実施の形態では、シート30上に配置した積層体10の電極層3の周縁3Aから延出部2Aの縁端より外側の部分までの間に開口部41Aが形成されており、スクリーン版41上に樹脂材料Pを載せ、実線矢印で示すようにスキージ43を移動することにより、流動した樹脂材料Pがスクリーン版41の開口部41Aに流入して、樹脂材料Pがシート30上に塗工される。スクリーン印刷に使用する樹脂材料Pとしては、例えば、スリーボンド社製のTB1152C、太陽インキ製造社製のRCA−2000,TR63067,S−40,A318、石井化学産業社製のST−01,ST06等を用いることができる。スクリーン版41には、樹脂材料Pの固形分率により、例えば、30メッシュ/インチ(目開き250μm)、50メッシュ/インチ(目開き200μm)、70メッシュ/インチ(目開き125μm)等が選定される。
【0018】
次いで、図3に示すように、樹脂材料Pを硬化機50により硬化させることにより下枠7Aを形成する。なお、硬化機50は、樹脂材料Pに熱硬化性樹脂を用いた場合には樹脂材料Pを加熱する加熱機として、樹脂材料Pに光硬化性樹脂を用いた場合には樹脂材料Pに光を照射する光照射機として構成される。
次に、図4に示すように、電解質膜2の両面に電極層3を積層して接合した積層体10を、下枠7Aを形成したシート30上に配置する。
【0019】
そして、図5に示すように、図2と同様に液状の樹脂材料Pを塗工する。ここで使用するスクリーン版44には、延出部2Aに対応する位置に、本実施の形態では、先に形成した下枠7Aより内側であって、シート30上に配置した積層体10の電極層3の周縁3Aから延出部2Aの縁端より外側の部分までの間に開口部44Aが形成されており、スクリーン版44上に樹脂材料Pを載せ、実線矢印で示すようにスキージ43を移動することにより、流動した樹脂材料Pがスクリーン版44の開口部44Aに流入して、樹脂材料Pが延出部2A及び下枠7Aに塗工され、延出部2Aが樹脂材料Pで覆われることとなる。
最後に、図6に示すように、塗工した樹脂材料Pを硬化機50により硬化させることにより上枠7Bを形成する。
【0020】
例えば、枠を射出成形する場合には、射出時の圧力により電解質膜の延出部が折れるおそれがあり、その場合、触媒電極層間の沿面距離を確保できないが、本実施の形態では、樹脂材料Pを塗工することにより枠7を形成するため、延出部2Aが折れることを防止できる。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態によれば、電解質膜2は、電極層3より大きく形成されて電極層3よりも外側に延出する延出部2Aを備え、シート30上の延出部2Aに対応する位置に液状の樹脂材料Pを塗工し硬化させて下枠7Aを形成し、下枠7Aを形成したシート30に積層体10を配置し、延出部2A上に液状の樹脂材料Pを塗工し硬化させて上枠7Bを形成した。このため、延出部2Aによって両電極層間の沿面距離を確保でき、両電極層間の短絡を防止できる。また、枠7を下枠7Aと上枠7Bに分けて形成したため、延出部2Aを覆う枠7を容易に形成できるとともに、枠7の硬化時間を短縮できる。
【0022】
また、本実施の形態によれば、樹脂材料Pの塗工方法が印刷法であるため、液状の樹脂材料Pを容易に塗工できる。
【0023】
なお、本実施の形態では、下枠7A用の樹脂材料Pを塗工し(図2)、硬化させた後に(図3)、シート30に積層体10を配置した(図4)が、図3と図4の工程を入れ替えて、下枠7A用の樹脂材料Pを塗工し、シート30に積層体10を配置した後に、樹脂材料Pを硬化させてもよい。
また、本実施の形態では、下枠7A用の樹脂材料Pを硬化させた(図3)後に上枠7B用の樹脂材料Pを形成したが、図3の工程を省略し、上枠7B用の樹脂材料Pを塗工した後に、下枠7A用及び上枠7B用の樹脂材料Pを硬化させてもよい。
【0024】
また、本実施の形態では、下枠7A及び上枠7Bをそれぞれ1回の塗工で形成したが、下枠7A及び上枠7Bは、複数回に分けて塗工して形成してもよい。この場合、塗工毎に樹脂材料Pを硬化させることで、樹脂材料Pを短時間で硬化させることができるので、枠7の硬化時間を短縮することができる。また、下枠7A及び上枠7Bを複数回に分けて形成することで、液だれすることなく下枠7A及び上枠7Bの厚みを厚くできるので、枠7の厚みを容易に調整できる。
【0025】
<第2の実施の形態>
次に、図7〜図9を参照し、第2の実施の形態に係る膜電極接合体100の製造方法を説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る製造方法を適用して製造した膜電極接合体100を示す断面図である。なお、図7では、図1に示す膜電極接合体1と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
膜電極接合体100の下枠7A及び上枠7Bは、2回に分けて形成されており、それぞれ第1及び第2下枠7A1,7A2、第1及び第2上枠7B1,7B2を有する。
【0026】
この枠7は、積層体10を樹脂材料塗工用のパレット(基材)130上に配置して形成される。パレット130には、電極層3の周縁3Aより内側に、電極層3の周縁3Aの全周に亘って貫通孔130Aが形成されている。この貫通孔130Aから吸引しながらパレット130上に液状の樹脂材料を塗工することで、電極層3には、周縁3A内側に、樹脂材料が拡散層4、撥水層5及び触媒電極層6に含浸した含浸部3Bが形成される。膜電極接合体100は、パレット130から剥がされて燃料電池に使用される。
【0027】
図8は膜電極接合体100を製造ライン60で製造する場合の製造工程の前段を示す図であり、図9は膜電極接合体100の製造工程の後段を示す図である。
製造ライン60は、パレット130を搬送するコンベヤー61と、真空チャンバー62と、複数(本実施の形態では、4つ)の印刷機40と、複数(本実施の形態では、4つ)の硬化機50と、を備えている。なお、図8及び図9では、各印刷機40に印刷機40A〜40Dと符号を付して各々を区別し、また、硬化機50についても、硬化機50A〜50Dと符号を付して各々を区別して表記するものとする。
【0028】
真空チャンバー62は第1室62A〜第5室62Eに5つに区画されており、コンベヤー61は第1室62A〜第5室62E内に亘って設けられている。第1室62A及び第2室62B内には、第1室62A及び第2室62B内を移動可能な印刷機40Aが配置されている。第2室62B〜第4室62Dは、パレット130に形成された貫通孔130Aから吸引することで、内部を減圧可能に構成されている。第5室62E内には、硬化機50Aが配置されている。真空チャンバー62の下流側には、印刷機40B〜40Dと硬化機50B〜50Dとが交互に配置されている。
【0029】
このように構成された製造ライン60では、まず、パレット130に積層体10が設置され(行程S1)、積層体10が設置されたパレット130がコンベヤー61上に配置される(行程S2)。コンベヤー61上に配置されたパレット130は、真空チャンバー62の第1室62Aに移動し、印刷機40Aにより樹脂材料Pの塗工が開始される(行程S3)。印刷機40Aはパレット130とともに移動するように構成されており、パレット130は樹脂材料Pを塗工されながら第2室62Bに移動し、減圧が開始される(行程S4)。ここで、貫通孔130Aから吸引され、第2室62Bに矢印で示すように、印刷機40Aから流下する液状の樹脂材料Pが電極層3に含浸して含浸部3Bが形成されるとともに、樹脂材料Pに含まれる空気等の気体が取り除かれる。
【0030】
パレット130は、第3室62Cに移動すると減圧がさらに高められ(行程S5)、第4室62Dでは減圧が低められ(行程S6)、第5室62Eで大気開放されるとともに、硬化機50Aにより樹脂材料Pが硬化されて、第1下枠7A1が形成される(行程S7)。
パレット130は、真空チャンバー62を出ると、印刷機40B〜40Dと硬化機50B〜50Dによって樹脂材料Pの塗工及び硬化がさらに3回行われ、第2下枠7A2、第1及び第2上枠7B1,B2が形成される(行程S8〜S13)。このように、下枠7A及び上枠7Bを複数回に分けて形成することで、液だれすることなく下枠7A及び上枠7Bの厚みを厚くできるので、枠7の厚みを容易に調整できる。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態によれば、パレット130に電極層3の周縁3Aより内側に貫通孔130Aを形成し、貫通孔130Aから吸引しながらパレット130上に液状の樹脂材料Pを塗工する。このため、電極層3に樹脂材料Pを含浸させることができるので、電極層3と枠7とを確実に接着できる。
【0032】
但し、上記第1及び第2の実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、上枠は、樹脂材料を延出部上及び延出部の外側の下枠上に塗工し、延出部よりも大きく形成したが、樹脂材料を延出部上だけに塗工して上枠を形成してもよい。この場合、樹脂材料が液状であるため、延出部上に塗工された樹脂材料が下枠上に流れ、延出部が下枠及び上枠に覆われることとなる。
【0033】
また、上記実施の形態では、電解質膜が電極層より大きく形成されて電極層よりも外側に延出する延出部を備えていたが、電解質膜を電極層と略同一の大きさに形成してもよい。この場合、下枠及び上枠に分けずに1回の塗工で枠を形成してもよい。
また、上記実施の形態では、樹脂材料の塗工方法は、スクリーン印刷法であったが、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
1 膜電極接合体(燃料電池用膜電極接合体)
2 電解質膜
2A 延出部
3 電極層
3A 周縁
4 拡散層
6 触媒電極層
7 枠
7A 下枠(片方の枠)
7B 上枠(他方の枠)
10 積層体
30 シート(基材)
130 パレット(基材)
130A 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質膜の両面に電極層を積層した積層体の周縁に樹脂製の枠を設けた燃料電池用膜電極接合体の製造方法であって、
樹脂材料塗工用の基材に前記積層体を配置し、この基材上の前記積層体の周縁に液状の樹脂材料を塗工し硬化させて前記枠を形成することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
【請求項2】
前記電解質膜は、前記電極層より大きく形成されて当該電極層よりも外側に延出する延出部を備え、
前記基材上の前記延出部に対応する位置に液状の樹脂材料を塗工し硬化させて片方の枠を形成し、
前記片方の枠を形成した前記基材に前記積層体を配置し、
前記延出部上に液状の樹脂材料を塗工し硬化させて他方の枠を形成することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂材料の塗工方法が印刷法であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
【請求項4】
前記基材に前記電極層の周縁より内側に貫通孔を形成し、
前記貫通孔から吸引しながら前記基材上に液状の樹脂材料を塗工することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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