説明

燃焼器具用芯

【課題】灯油に水が混入していたことを容易に判断できる燃焼器具用芯を提供する。
【解決手段】
吸上部2と、吸上部2の上部に継部3を介して縫糸5によって接合した耐熱燃焼部4とからなり、吸上部2と耐熱燃焼部4が一体となった状態で、更に突き合わせ部6を縫糸7で接合して円筒状に形成した燃焼器具用芯の吸上部2下部の全周部分に、水と反応すると発色する水混入表示部10を設けたので、灯油の中に水が混入していた場合、油と一緒に吸い上げられた水が水混入表示部10に達すると、水混入表示部10の下方から発色材料が水に反応して発色し、これにより燃焼器具用芯1を目で確認するだけで灯油に水が混入していたかを判断することが出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、石油燃焼器具に使用される燃焼器具用芯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものに於いては、芯昇降式の石油ストーブなどの石油燃焼器具では、芯案内筒を構成する芯案内内筒と芯案内外筒との間で燃焼器具用芯を昇降し、両案内筒上端よりガラス繊維などで構成された燃焼器具用芯を突出させ、この燃焼器具用芯に点火することにより、燃焼器具用芯から灯油を気化させ、燃焼筒内で完全燃焼させるものである。
【0003】
この燃焼器具用芯は、普通、ガラス繊維など耐熱性のある繊維でできた燃焼部と、灯油を吸上げる目的で綿布や不織布でできた吸上げ部とが縫製などで接合されて作られていた。
(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】登録実用新案第3036601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、使用者が燃焼器具に灯油を供給する際、水が混入していた灯油を供給してしまうと、点火不良や燃焼不良が発生してしまうが、その点火不良や燃焼不良が水が混入していた灯油を供給したことが原因ということが燃焼器具用芯を見ても簡単にわからないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明はこの点に着目し上記課題を解決する為、特にその構成を請求項1では、不織布からなり油を吸い上げる吸上部と、該吸上部の上部に継部を介して縫糸によって接合したガラス繊維等からなる耐熱燃焼部とからなり、該吸上部と耐熱燃焼部が一体となった状態で更に突き合わせ部を縫糸で接合して円筒状に形成した燃焼器具用芯において、前記吸上部の下部の全周部分に水と反応すると発色する水混入表示部を設けたものである。
【0006】
又請求項2に係る燃焼器具用芯では、特にその構成を、不織布からなり油を吸い上げる吸上部と、該吸上部の上部に継部を介して縫糸によって接合したガラス繊維等からなる耐熱燃焼部とからなり、該吸上部と耐熱燃焼部が一体となった状態で更に突き合わせ部を縫糸で接合して円筒状に形成した燃焼器具用芯において、吸上部の下部の全周部分に設けた水平方向表示部と、吸上部の下部から耐熱燃焼部の上端に達するように垂直方向に設けた垂直方向表示部とにより、水と反応すると発色する水混入表示部を形成したものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の請求項1によれば、灯油の中に水が混入していた場合、灯油と一緒に水が油タンクから屈伸部に吸い上げられ、それが屈伸部内を上昇して吸上部と屈伸部との境部分の全周方向に形成される水平方向表示部に達すると、水平方向表示部の下方から徐々に発色材料が水に反応して発色し、吸上部と屈伸部との境部分の全周方向に発色部分が生じ、これにより燃焼器具用芯を目で確認するだけで水が混入していた灯油を供給したかどうかを判断することが出来、点火不良や燃焼不良の原因が水が混入していた灯油を供給したためと容易に判断できるものである。
【0008】
又本発明の請求項2に記載の燃焼器具用芯によれば、灯油の中に水が混入していたままの状態であると、灯油と一緒に油タンクから屈伸部に吸い上げられた水がそのまま上昇し、それにより垂直方向表示部の下方から徐々に発色材料が水に反応して発色し、燃焼器具用芯の縦方向に発色部分が生じ、垂直方向表示部の発色部分が耐熱燃焼部の上端付近にまで達すると、燃焼器具用芯を燃焼器具から取り外さなくても火力調整つまみを操作するだけで容易に垂直方向表示部の発色部分を確認することが出来、これにより燃焼器具用芯を燃焼器具から取り外さなくても、使用者自身が簡単な操作で水が混入していた灯油を供給したかどうかを判断することができる出来、点火不良や燃焼不良の原因が水が混入していた灯油を供給したためと容易に判断できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明一実施例を付した燃焼器具用芯の斜視図。
【図2】同水が混入された灯油を吸い上げた時の燃焼器具用芯の斜視図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明に係る発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は燃焼器具用芯で、不織布からなり油を吸い上げる吸上部2の上部に、継部3を介してガラス繊維等からなる耐熱燃焼部4を縫糸5によって接合し、さらに突き合わせ部6を縫糸7で接合して円筒状に形成されているものである。
【0011】
前記吸上部2の下部の全周には、縦方向に複数の切条部8が設けられ、それにより吸上部2の下部に屈伸部9が形成され、該屈伸部9が油タンク(図示せず)内に浸されるものである。
【0012】
10は水混入表示部で、吸上部2と屈伸部9との境部分の全周方向に形成される水平方向表示部11と、該水平方向表示部11から垂直方向に形成され、先端が耐熱燃焼部4の上端に達する垂直方向表示部12とからなるものである。
【0013】
前記水混入表示部10は水と反応すると発色する発色材料、例えば水溶性のインクなどが吸上部2や耐熱燃焼部4に印刷や浸透させているもので、灯油の中に水が混入していた場合、灯油と一緒に水が油タンクから屈伸部9に吸い上げられ、それが屈伸部9内を上昇して吸上部2と屈伸部9との境部分の全周方向に形成される水平方向表示部11に達すると、水平方向表示部11の下方から徐々に発色材料が水に反応して発色し、吸上部2と屈伸部9との境部分の全周方向に発色部分が生じてくるものである。
【0014】
これにより燃焼器具用芯1を目で確認するだけで水が混入していた灯油を供給したかどうかを判断することが出来、点火不良や燃焼不良の原因が水が混入していた灯油を供給したためと容易に判断できるものである。
【0015】
また、灯油の中に水が混入していたままの状態であると、灯油と一緒に油タンクから屈伸部9に吸い上げられた水がそのまま上昇し、それにより垂直方向表示部12の下方から徐々に発色材料が水に反応して発色し、燃焼器具用芯1の縦方向に発色部分が生じてくるものである。
【0016】
燃焼器具用芯1は燃焼器具の火力調整つまみ(図示せず)を操作することにより、通常の状態でその先端部分を約10mmほど露出させることができるので、垂直方向表示部12の発色部分が耐熱燃焼部4の上端付近にまで達すると、燃焼器具用芯1を燃焼器具から取り外さなくても火力調整つまみを操作するだけで容易に垂直方向表示部12の発色部分を確認することが出来るものである。
【0017】
これにより燃焼器具用芯1を燃焼器具から取り外さなくても、使用者自身が簡単な操作で水が混入していた灯油を供給したかどうかを判断することができる出来、点火不良や燃焼不良の原因が水が混入していた灯油を供給したためと容易に判断できるものである。
【符号の説明】
【0018】
1 燃焼器具用芯
2 吸上部
3 継部
4 耐熱燃焼部
5 縫糸
6 突き合わせ部
7 縫糸
10 水混入表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布からなり油を吸い上げる吸上部と、該吸上部の上部に継部を介して縫糸によって接合したガラス繊維等からなる耐熱燃焼部とからなり、該吸上部と耐熱燃焼部が一体となった状態で更に突き合わせ部を縫糸で接合して円筒状に形成した燃焼器具用芯において、前記吸上部の下部の全周部分に水と反応すると発色する水混入表示部を設けたことを特徴とする燃焼器具用芯。
【請求項2】
不織布からなり油を吸い上げる吸上部と、該吸上部の上部に継部を介して縫糸によって接合したガラス繊維等からなる耐熱燃焼部とからなり、該吸上部と耐熱燃焼部が一体となった状態で更に突き合わせ部を縫糸で接合して円筒状に形成した燃焼器具用芯において、吸上部の下部の全周部分に設けた水平方向表示部と、吸上部の下部から耐熱燃焼部の上端に達するように垂直方向に設けた垂直方向表示部とにより、水と反応すると発色する水混入表示部を形成したことを特徴とする燃焼器具用芯。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−153791(P2011−153791A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16699(P2010−16699)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)