爆発行程を有する蒸気タービン
【課題】高い熱効率や大きな動力が得られる蒸気タービンを提供する。
【解決手段】高温高圧の過熱蒸気の代わりに、１００℃以上の高温高気圧水を、一気に飽和圧力点（沸点）を越える減圧、または大気圧（１気圧）内に噴射し、このことに因り、高温高圧の水は高圧から一瞬に解放され、沸点が急激に下がることに因り、一瞬に沸騰し、体積が約１６００−１７００倍の水蒸気になることにより水蒸気爆発を起こす。例えば図２の点Ａは２００℃／２０気圧から一気に大気圧の点Ｂに解放された状況を示してある。沸点が１００℃の大気圧内で、２００℃の水は存在することが出来ず、一瞬に沸騰し水蒸気へと相が転移し、水蒸気爆発を起こす。
【解決手段】高温高圧の過熱蒸気の代わりに、１００℃以上の高温高気圧水を、一気に飽和圧力点（沸点）を越える減圧、または大気圧（１気圧）内に噴射し、このことに因り、高温高圧の水は高圧から一瞬に解放され、沸点が急激に下がることに因り、一瞬に沸騰し、体積が約１６００−１７００倍の水蒸気になることにより水蒸気爆発を起こす。例えば図２の点Ａは２００℃／２０気圧から一気に大気圧の点Ｂに解放された状況を示してある。沸点が１００℃の大気圧内で、２００℃の水は存在することが出来ず、一瞬に沸騰し水蒸気へと相が転移し、水蒸気爆発を起こす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、水蒸気爆発のエネルギーを利用した、蒸気タービンに関する。
【背景技術】
【０００２】
最近は蒸気機関を見なくなった。この様な外燃機関は内燃機関と比較した場合、熱源が外部にあるため燃料の形態（気体・液体・固体）による選択肢が広く、最適な条件で燃焼させられるため、大気汚染物質の排出を抑えやすい。しかし、付帯設備（ボイラーや復水器など）が大掛かりになり、大きな空間を占めて大重量となり、現在ではほとんど用いられていない。しかし、発電分野である火力発電や原子力発電の分野では蒸気を利用した蒸気タービンが中心的役割を果たしている。
【先行技術文献】
【０００３】
【特許文献１】 特開２００８−２９２１１９号広報
【特許文献２】 特開２００８−２４８８２号広報
【特許文献３】 特開２００６−２４２５２２号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
外燃機関であるピストン運動の蒸気機関や羽根車（タービン）の回転運動の蒸気タービンは、その言葉どおりに、既存の蒸気タービンや公開されている特許文献等、すべて例外なく、蒸気を使っている。しかし、蒸気の質量は小さく、運動効率はよくない。その為更なる熱効率や大きな動力を得るために、過熱・加圧器等で高温高圧の過熱蒸気を生成する必要がある。例えば６００℃、２５０気圧の高温高圧化のためには装置や施設そのものが複雑・大型化しコストが増し、経済的ではない。
【０００５】
また高温高圧を得るため、最近は１５００℃の超高温のガスタービンも開発されている。これらの燃料の選択肢は限られていて、装置共々高価である。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
既存の蒸気タービンは高温高圧の水蒸気（過熱蒸気）をタービン室内に噴射し、水蒸気の膨張圧力エネルギーを利用する。しかし、本蒸気タービンは高温高圧の過熱蒸気の代わりに、１００℃以上の高温高気圧水を、一気に飽和圧力点（沸点）を越える減圧、または大気圧内に噴射し、このことに因り、高温高圧の水は高圧から一瞬に解放され、沸点が急激に下がることに因り（図２ｂ）、一瞬に沸騰し、体積が約１６００−１７００倍の水蒸気になることにより水蒸気爆発を起こす。例えば図２ｂの点Ａは２００℃／２０気圧から一気に大気圧の点Ｂに解放された状況を示してある。沸点が１００℃の大気圧内で、２００℃の水は存在することが出来ず、一瞬に沸騰し水蒸気へと相が転移し、水蒸気爆発を起こす。
【発明の効果】
【０００７】
蒸気タービンであるが、ガスタービンのような燃焼・爆発エネルギーを、水蒸気爆発により得ることが出るが、ガスタービンのような高温高圧の燃焼エネルギーを必要とはしない。
【０００８】
従来の高温高圧の過熱蒸気を用いる蒸気タービンに比べ、低温低圧であるため装置や設備は単純・小型化することができ、産業化のための経済負担は非常に小さくて済む。また燃料の選択肢は広く、例えば各自治体のごみ焼却炉の熱エネルギーを簡単に再利用でき、二酸化炭素の排出削減に寄与する。
【０００９】
発電用外燃機関以外に船舶用機関としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】（ａ）高温高圧水（過熱水）を用いた本蒸気タービンの概念図。（ｂ）高温高圧蒸気（過熱蒸気）を用いた従来の蒸気タービンの概念図。
【図２】（ａ）水の蒸気圧曲線を示した表（１） （ｂ）水の蒸気圧曲線（２）で、高温高圧水の一瞬の圧力解放を示す。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
図１ａは本発明の蒸気タービンの概念を示す。ボイラー１内上部には高温高圧の蒸気２があり、同下部には高温高圧水３がある。この状態では飽和状態であるが、過熱・加圧装置４で飽和温度よりも更に高温高圧にし、ノズル５より、一気にタービン内６に噴射し、高温高圧水を一気に飽和圧力点（沸点）以下に減圧したり、または大気圧中に噴射し、該高温高圧水の圧力を一瞬に押し下げる。例えば大気中に一瞬に解放された１００℃以上の高温水は水の相を維持できず、一瞬に水蒸気に相を変移する。その瞬間には水の体積に比べ、水蒸気の体積は約１６００−１７００倍に膨張し、爆発する。この爆発エネルギーを連続的に利用すれば、ガスタービンや、ジェットエンジンのように大きなエネルギーを得て、タービンを高速回転することが出来る。
【００１２】
該タービン内に高温高圧水を噴射するときに、過熱蒸気や高温空気を併用し噴射することも出来る。
【記号の説明】
【００１３】
１ ボイラー
２ 高温高圧蒸気
３ 高温高圧水
４ 過熱・加圧装置
５ ノズル
６ タービン
７ 水蒸気爆発
【技術分野】
【０００１】
この発明は、水蒸気爆発のエネルギーを利用した、蒸気タービンに関する。
【背景技術】
【０００２】
最近は蒸気機関を見なくなった。この様な外燃機関は内燃機関と比較した場合、熱源が外部にあるため燃料の形態（気体・液体・固体）による選択肢が広く、最適な条件で燃焼させられるため、大気汚染物質の排出を抑えやすい。しかし、付帯設備（ボイラーや復水器など）が大掛かりになり、大きな空間を占めて大重量となり、現在ではほとんど用いられていない。しかし、発電分野である火力発電や原子力発電の分野では蒸気を利用した蒸気タービンが中心的役割を果たしている。
【先行技術文献】
【０００３】
【特許文献１】 特開２００８−２９２１１９号広報
【特許文献２】 特開２００８−２４８８２号広報
【特許文献３】 特開２００６−２４２５２２号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
外燃機関であるピストン運動の蒸気機関や羽根車（タービン）の回転運動の蒸気タービンは、その言葉どおりに、既存の蒸気タービンや公開されている特許文献等、すべて例外なく、蒸気を使っている。しかし、蒸気の質量は小さく、運動効率はよくない。その為更なる熱効率や大きな動力を得るために、過熱・加圧器等で高温高圧の過熱蒸気を生成する必要がある。例えば６００℃、２５０気圧の高温高圧化のためには装置や施設そのものが複雑・大型化しコストが増し、経済的ではない。
【０００５】
また高温高圧を得るため、最近は１５００℃の超高温のガスタービンも開発されている。これらの燃料の選択肢は限られていて、装置共々高価である。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
既存の蒸気タービンは高温高圧の水蒸気（過熱蒸気）をタービン室内に噴射し、水蒸気の膨張圧力エネルギーを利用する。しかし、本蒸気タービンは高温高圧の過熱蒸気の代わりに、１００℃以上の高温高気圧水を、一気に飽和圧力点（沸点）を越える減圧、または大気圧内に噴射し、このことに因り、高温高圧の水は高圧から一瞬に解放され、沸点が急激に下がることに因り（図２ｂ）、一瞬に沸騰し、体積が約１６００−１７００倍の水蒸気になることにより水蒸気爆発を起こす。例えば図２ｂの点Ａは２００℃／２０気圧から一気に大気圧の点Ｂに解放された状況を示してある。沸点が１００℃の大気圧内で、２００℃の水は存在することが出来ず、一瞬に沸騰し水蒸気へと相が転移し、水蒸気爆発を起こす。
【発明の効果】
【０００７】
蒸気タービンであるが、ガスタービンのような燃焼・爆発エネルギーを、水蒸気爆発により得ることが出るが、ガスタービンのような高温高圧の燃焼エネルギーを必要とはしない。
【０００８】
従来の高温高圧の過熱蒸気を用いる蒸気タービンに比べ、低温低圧であるため装置や設備は単純・小型化することができ、産業化のための経済負担は非常に小さくて済む。また燃料の選択肢は広く、例えば各自治体のごみ焼却炉の熱エネルギーを簡単に再利用でき、二酸化炭素の排出削減に寄与する。
【０００９】
発電用外燃機関以外に船舶用機関としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】（ａ）高温高圧水（過熱水）を用いた本蒸気タービンの概念図。（ｂ）高温高圧蒸気（過熱蒸気）を用いた従来の蒸気タービンの概念図。
【図２】（ａ）水の蒸気圧曲線を示した表（１） （ｂ）水の蒸気圧曲線（２）で、高温高圧水の一瞬の圧力解放を示す。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
図１ａは本発明の蒸気タービンの概念を示す。ボイラー１内上部には高温高圧の蒸気２があり、同下部には高温高圧水３がある。この状態では飽和状態であるが、過熱・加圧装置４で飽和温度よりも更に高温高圧にし、ノズル５より、一気にタービン内６に噴射し、高温高圧水を一気に飽和圧力点（沸点）以下に減圧したり、または大気圧中に噴射し、該高温高圧水の圧力を一瞬に押し下げる。例えば大気中に一瞬に解放された１００℃以上の高温水は水の相を維持できず、一瞬に水蒸気に相を変移する。その瞬間には水の体積に比べ、水蒸気の体積は約１６００−１７００倍に膨張し、爆発する。この爆発エネルギーを連続的に利用すれば、ガスタービンや、ジェットエンジンのように大きなエネルギーを得て、タービンを高速回転することが出来る。
【００１２】
該タービン内に高温高圧水を噴射するときに、過熱蒸気や高温空気を併用し噴射することも出来る。
【記号の説明】
【００１３】
１ ボイラー
２ 高温高圧蒸気
３ 高温高圧水
４ 過熱・加圧装置
５ ノズル
６ タービン
７ 水蒸気爆発
【特許請求の範囲】
【請求項１】
爆発行程を有する蒸気タービン。
【請求項２】
請求項１の蒸気タービンであって、１００℃以上の高温高圧水を一気に飽和圧力点（沸点）を越える減圧、または大気圧中への噴射による水蒸気爆発を発生させる行程を有する蒸気タービン。
【請求項３】
請求項２の蒸気タービンであって、過熱蒸気または／及び高温空気を併用してタービンに噴射する蒸気タービン。
【請求項１】
爆発行程を有する蒸気タービン。
【請求項２】
請求項１の蒸気タービンであって、１００℃以上の高温高圧水を一気に飽和圧力点（沸点）を越える減圧、または大気圧中への噴射による水蒸気爆発を発生させる行程を有する蒸気タービン。
【請求項３】
請求項２の蒸気タービンであって、過熱蒸気または／及び高温空気を併用してタービンに噴射する蒸気タービン。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１１−９４６０１（Ｐ２０１１−９４６０１Ａ）
【公開日】平成２３年５月１２日（２０１１．５．１２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２６６８０１（Ｐ２００９−２６６８０１）
【出願日】平成２１年１１月２日（２００９．１１．２）
【出願人】（５０５０９７４０２）有限会社サンワールド (14)
【公開日】平成２３年５月１２日（２０１１．５．１２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１１月２日（２００９．１１．２）
【出願人】（５０５０９７４０２）有限会社サンワールド (14)
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