説明

牛の発情管理装置

【課題】コストが安価であり、手間がかからずに簡単な操作で牛が発情時期にあるか否かを把握可能な牛の発情管理装置を提供する。
【解決手段】牛の発情管理装置1は、牛90の足90aに装着され、牛90の歩数を時系列に計測し、この計測した牛90の計測信号を無線方式で自動発信する歩数計10と、牛舎3等の牛90から近い場所に設置され、歩数計10から発信される歩数の計測信号を受信し、この受信した計測信号から、牛90の歩数を時系列に表示するとともに牛90の発情開始時刻を判断して表示する受信表示装置30とを有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛の発情管理装置に関し、特に、牛の歩数を計測した計測信号を無線方式で発信する歩数計と、歩数計から発信された無線方式の計測信号を受信する受信表示装置とを備える牛の発情管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような牛の発情管理装置には、特許文献1に記載されているように、牛の首等に装着されて加速度を検知し、この検出された加速度データを時系列で記憶し、この記憶された時系列の加速度データを解析した歩数データを所定時間毎に出力する管理装置と、牛の首等に装着されて管理装置で出力された解析データを無線方式で送信する送信装置と、牛から離れた場所(例えば、管理センター)に設置されて送信装置から送信された解析データを受信する受信装置と、受信装置と有線で接続されて受信装置で解析された歩数データを表示するパーソナルコンピュータとを有してなる。
【0003】
パーソナルコンピュータには、専属の解析ソフトが記憶されており、日当たりの歩数が所定値を超えて顕著に増加しているときに、牛が発情期であると判断するとともに、歩数が極端に減少したとき、又は低レベルで長期間推移すると、病気と判断して警報を発するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−56146号公報(図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来の発情管理装置では、牛の発情時期を管理する場合、作業者がパーソナルコンピュータを起動して専属の解析ソフトで牛が発情時期であるか否かを解析する必要があり、コンピュータの立ち上げの手間や操作が煩わしい。
【0006】
また受信装置は、牛から離れた場所(例えば、管理センター)に設置されるので、管理装置から出力された無線方式の信号を確実に受信することができるような設備が必要になる場合がある。また受信装置とコンピュータの設置位置が離れていると、これらを電気的に接続するための配線が必要になる。このため、従来の発情管理装置は設備投資が大きくなり、小規模農家にとってはこの設備投資の負担が大きく、導入する農家は中規模以上の専業的農家が大部分であるのが現状であった。
【0007】
本発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、コストが安価であり、手間がかからずに簡単な操作で牛が発情時期にあるか否かを把握することができる牛の発情管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するため、本発明は、牛の足に装着され、牛の歩数を時系列に計測し、この計測した牛の計測信号を無線方式で自動発信する歩数計と、牛舎等の牛から近い場所に設置され、歩数計から発信される歩数の計測信号を受信し、この受信した計測信号から、牛の歩数を時系列に表示するとともに牛の発情開始時刻を判断して表示する受信表示装置とを有することを特徴とする(請求項1)。
【0009】
歩数計は、牛の歩数を時系列に計測し、この計測した牛の歩数の計測信号を所定時間毎に無線方式で自動発信するものである、具体的には、歩行時の振動を検知してカウントし、累積されたカウント値を所定時間毎に無線方式で自動発信するものである。
【0010】
本発明の「牛舎等の牛から近い場所」とは、歩数計から発信される計測信号を確実に受信できる場所であり、具体的には、牛舎の他に、牛舎に隣接した家屋等も含まれる。
【0011】
受信表示装置は、歩数計から発信される歩数の計測信号を受信する受信機能と、牛の歩数を時系列に表示するとともに牛の発情開始時刻を表示する表示機能と、牛の発情開始時刻を判断する判断機能を備える。
【0012】
受信表示装置は、複数の牛のそれぞれに装着された歩数計から無線方式で発信される歩数の計測信号を受信可能であり、この受信した各牛の計測信号に基づいて、牛の歩数を時系列に表示するとともに牛の発情開始時刻を、牛毎に切り替え可能に表示することを特徴とする(請求項2)。
【0013】
また、受信表示装置は、歩数計から発信される歩数の計測信号を時系列で記憶する記憶部と、記憶部に記憶された時系列の歩数の計測信号に基づいて、直近計測時間帯の歩数と直近計測時間帯よりも前の計測時間帯の歩数との比を算出し、また牛の歩数が直近の歩数に対して増加するとともに所定値を超えているか否かを判断する演算判断部と、牛の歩数を時系列に表示するとともに、演算判断部により算出された比が閾値を超え、又は牛の歩数が直近の歩数に対して増加するとともに所定値を超えると、牛が発情していることを表示する表示部とを有することを特徴とする(請求項3)。
【0014】
本発明の「閾値」は、所定の値に設定してもよいし、任意の値に変更可能に設定できるようにしてもよい。
【0015】
受信表示装置には、スイッチ操作によって所定値を任意に変更可能な変更スイッチが設けられていることを特徴とすることを特徴とする(請求項4)。牛の発情時期は、牛の飼養形態によって大きく変化することが知られている。このため、飼養形態に応じて所定値を変更することで、牛の発情時期をより確実に知ることができる。
【0016】
変更スイッチは、スイッチ操作が可能なものであればよく、具体的には、タッチパネルに表示されるものや、表示部とは別個に設けられてスイッチ操作が可能なスイッチ機構部を備えるものでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係わる牛の発情管理装置によれば、牛の足に装着され、牛の歩数を時系列に計測し、この計測した牛の計測信号を無線方式で自動発信する歩数計と、牛舎等の牛から近い場所に設置され、歩数計から発信される歩数の計測信号を受信し、この受信した計測信号から、牛の歩数を時系列に表示するとともに牛の発情開始時刻を判断して表示する受信表示装置とを有することで、受信表示装置が受信した計測信号から牛の発情開始時刻を判断するので、コンピュータやこれに記憶される専属のソフトが不要となり、また受信表示装置は牛に近い牛舎等に設置されるので、計測信号を確実に受信するための設備も不要である。このため、設備コストを安価にすることができる。また発情開始時刻を判断するための操作が不要であるので、手間をかけずに牛が発情時期にあるか否かを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる牛の発情管理装置の説明図を示す。
【図2】牛の発情管理装置の一部である歩数計のブロック図を示す。
【図3】牛の発情管理装置の一部である受信表示装置のブロック図を示す。
【図4】この受信表示装置の表示部に表示される表示内容の一例を示す。
【図5】本発明の一実施の形態に係わる歩数計で計測された牛の歩数を時系列で示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係わる牛の発情管理装置の好ましい実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。牛の発情管理装置1は、図1に示すように、牛90の足に装着された歩数計10と、牛舎3に設置された受信表示装置30とを有してなる。
【0020】
歩数計10は、牛90の足90aに装着され、牛90の歩行時の振動を検知してカウントし、累積されたカウント値を所定時間毎に無線方式で自動発信するように構成されている。歩数計10は、歩行の邪魔にならない大きさを有した本体部11をベルト27を介して牛90の足90aに巻き付けて装着される。
【0021】
本体部11内には、図2に示すように、牛の歩行時の振動を検知して牛の歩数を計測する計測部13と、計測部13で計測された牛の歩数を時系列に記憶する記憶部15と、記憶部15に記憶された時系列の牛の歩数の計測信号を無線方式で出力する出力部17と、計測部13で計測された牛の歩数を時系列に記憶部15に記憶させる指令を出し、また記憶部15に記憶された時系列の牛の歩数を出力部17から発信させる指令を出す制御部19と、電力を歩数計10に供給する電源21と、歩数計10への電力供給を接続又は遮断する電源スイッチ23とが設けられている。
【0022】
出力部17にはアンテナ18が接続されている。アンテナ18は、出力部等が実装される電子基板上に形成されている。出力部17は、時系列の牛の歩数の計測信号を出力する際に、歩数計10のID情報を付加して計測信号とともに出力する。このため、歩数計10が装着された牛の特定が可能である。
【0023】
電源スイッチ23は、牛の歩行時にスイッチがon・off操作されることがないように本体部11内に設けられている。なお、電源21を本体部11内に装着すると、電力が歩数計10に供給されるように構成すれば、電源スイッチ23を省略することができる。
【0024】
一方、受信表示装置30は、図1に示すように、歩数計10が装着された牛90を管理する牛舎3の壁4や柱等に設置される。なお、図1では、受信表示装置30は牛舎3の壁4に設置された場合を示している。受信表示装置30の設置位置は、歩数計10からの電波を確実に受信可能であれば牛舎3に限るものではなく、牛舎3内の牛から近い距離にある家屋内等に設置してもよい。
【0025】
受信表示装置30は、正面視において矩形状に形成された枠体部31に設けられた表示部50に牛90の歩数を時系列に表示させるとともに牛90の発情開始時刻を表示するように構成されている。
【0026】
受信表示装置30は、図3に示すように、通信部35、主制御部37、記憶部39、演算判断部41、表示制御部43、表示部50、電源45、電源スイッチ47、変更スイッチ49を備えている。通信部35は、アンテナ36を介して、歩数計10からの電波を受信し、復調し、歩数計10からの電波に載せられた牛の歩数情報とID情報を主制御部37に送る。なお、受信表示装置30は複数の歩数計10からの電波を受信可能である。本実施例では、受信表示装置30は、5つの歩数計10からの電波が受信できるように構成されている。
【0027】
主制御部37は、ID情報とともに牛の歩数情報を時系列に記憶部39に記憶させる。また主制御部37は、記憶部39に記憶された時系列の歩数情報に基づいて、直近計測時間帯(例えば、現時点から24時間前の間の時間帯)の歩数と直近計測時間帯よりも前の計測時間帯(例えば、現時点から25時間前の時から96時間前の間の時間帯)の歩数との比、また直近計測時間帯よりも前の計測時間帯における牛の歩数の平均値、また牛の歩数が直近の歩数に対して増加するとともに所定値を超えているか否か、即ち牛が発情しているか否かを、演算判断部41に判断させるための指令を出す。
【0028】
また、主制御部37は、記憶部39に記憶されたた直近計測時間帯(例えば、現時点から24時間前の間の時間帯)の歩数やその時系列、演算判断部41によって算出された牛の歩数の平均値、直近計測時間帯の歩数と直近計測時間帯よりも前の計測時間帯の歩数との比、牛が発情しているか否かを表示部50に表示させるための指令を表示制御部43に送る。
【0029】
表示制御部43は、主制御部37からの指令に応じて表示部50を駆動させる。表示部50は、図4に示すように、その中央部の下側に多数のLED51aを上下左右方向に所定距離を有して配設して牛の歩数の時系列を表示可能なグラフ表示部51を備える。グラフ表示部51の左端には、牛の歩数を表示するための歩数表示部52、52'が上下方向に所定距離を有して2つ設けられている。これらの歩数表示部52、52'は任意の数字を表示可能に構成され、後述する変更スイッチ49の操作によって、歩数表示部52、52'に表示される数字を変更することができる。
【0030】
ここで、下側に設けられた歩数表示部52'に表示される数字は、牛の発情開始時刻を判断する際の牛の歩数の閾値としての意味を持つ。このため、牛の歩数が直近の歩数に対して増加するとともに下側の歩数表示部52'に表示される数字を超えると、演算判断部41(図3参照)によって牛が発情していると判断される。
【0031】
なお、図5は縦軸が牛の歩数を示し、横軸が経過時間を示したグラフであり、図5に示すように、横軸の2日14時頃から歩数が急激に増加していることがわかる。このため、歩数表示部52'に表示される歩数を900程度に設定すると、演算判断部41(図3参照)によって牛が発情していることを判断することができるとともに、発情開始時刻が2日14時頃と判断することができる。
【0032】
ところで、牛の人工授精において、受胎させるのに最も適した精液の注入時期を授精適期というが、この授精適期は、卵子の受精能保有時間、精子の受精能獲得に要する時間、精子の受精能保有時間によって決まり、牛の場合、発情開始から12〜24時間後が授精適期であると言われている(家畜人工授精講習会テキスト)。
【0033】
しかしながら、日常的な飼養管理において発情開始時間を正確に捉えることは困難であった。そこで、本発明の牛の発情管理装置1の受信表示装置30には、発情開始時刻を判断する機能が設けられている。なお、本実施形態の受信表示装置30は、発情開始時刻や発情開始時刻から算出した授精適期時刻を表示するようには構成されていないが、これらを表示するように、表示部50に発情開始時刻表示部や授精適期時刻表示部を設けてもよい。
【0034】
また、牛の発情時期は、乳・肉用牛経営農家の飼養形態によって異なると考えられる。そこで、飼養形態毎に、繁殖牛の日常歩数と発情時の歩数を測定した。なお、想定される飼養形態は、群飼(パドックや運動場における比較的広いスペースでの飼育)、単房(4m×4mの単房における個別飼育)および単房における繋ぎ飼い(1.5mのロープで繋養)の三つとした。
【0035】
その結果を下記の表に示す。
【表1】


群飼では1時間当たりの平均歩数が147歩、単房では67.2歩、単房における繋ぎ飼いでは30.5歩となり、活動できる面積が小さくなるにつれて1時間当たりの平均歩数が少なくなった。また、発情時における1時間当たりの最大歩数は、群飼、単房、繋ぎ飼いそれぞれ、1260歩、320歩、245歩となり、活動できる面積を反映する結果となった。このため、飼養形態に応じて最大歩数に近い歩数を下側に設けられた歩数表示部52'に表示させることで、発情時期をより正確に判断することができる。
【0036】
さて、図4に示すように、グラフ表示部51の下端には、左右方向に所定距離を有して配設されて時間を時系列的に表示可能な複数の時間表示部53が設けられている。この時間表示部53に表示される時間は、グラフ表示部51に表示される牛の歩数の時系列の内容に応じて自動的に表示される。具体的には、時間表示部53は、過去72時間分の時間を時系列的に表示可能である。
【0037】
グラフ表示部51の上方には、複数の牛のそれぞれに装着された歩数計10に対応するランプ55a、55bが設けられている。本実施例では、上下に2段に配設されたランプ郡55が表示部50の幅方向に所定距離を有して5つ配設されている。ランプ郡55のうち上側に配設されたランプ55aはグラフ表示部51に表示されたグラフがどの歩数計10に対応するかを識別するためのものであり、グラフ表示部51にグラフが表示されると、このグラフに対応するランプ55aが点灯する。
【0038】
ランプ郡55のうち下側に配設されたランプ55bは、グラフ表示部51に表示されたグラフに対応する歩数計10が装着された牛が発情しているときに、この牛の発情を知らせるためのものであり、牛の発情時に点滅する。
【0039】
各ランプ郡55の上方にはグラフ表示部51に表示されたグラフに対応する番号を表示する識別表示部57が設けられている。具体的には、識別表示部57には、1〜5の番号のいずれかが表示される。
【0040】
識別表示部57の上方には、表示部50の左側から右側に直近計測時間帯(現時点から24時間前の間の時間帯)の累積歩数を表示する歩数表示部59と、直近計測時間帯よりも前の計測時間帯(現時点から25時間前の時から96時間前の間の時間帯)の歩数の平均値を表示する平均値表示部61と、直近計測時間帯と直近計測時間帯よりも前の計測時間帯の歩数との比を表示する倍率表示部63が設けられている。
【0041】
これら歩数表示部59、平均値表示部61および倍率表示部63に表示される数字から、牛が発情時期にあるか否かを予測することができる。例えば、倍率表示部63に表示された倍率が急に大きくなると、牛が発情したと予測することができる。
【0042】
なお、前述した実施の形態では、倍率表示部63は直近計測時間帯と直近計測時間帯よりも前の計測時間帯の歩数との比を表示したが、発情時の歩数と非発情時の歩数の比を表示するようにしてもよい。これは、牛の行動パターンは、飼養環境や群編成で大きく異なり、牛の発情時歩数についても、非発情時歩数と比較して著しく増加する牛もいれば、僅かな増加しか示さない牛も存在する。したがって、行動量から発情検知するためには、ある一定の定数を用いるよりも発情時/非発情時の倍率で評価する方がより正確に発情を検知できる場合があると考えられるからである。
【0043】
記憶部39は、図3に示すように、歩数計10のID情報とともに牛の歩数情報を時系列に記憶するものであるが、受信表示装置30の電源45が落とされた状態でも記憶したデータが消えないように内部電源を備えている。なお、記憶部39は内部電源を必要としないフラッシュメモリを有して構成されたものでもよい。
【0044】
変更スイッチ49は、図4に示すように、表示部50のグラフ表示部51の右側に表示されたタッチパネル方式のスイッチである。この変更スイッチ49は、これが表示された表示部50に指が触れると、複数の歩数計10のいずれかを選択することができ、また歩数表示部52の数値を変更することができ、さらに長く触れると、記憶部39に記憶されたデータを消去してリセット状態にすることができるように構成されている。なお、変更スイッチ49は、表示部50内に設けられた個別のスイッチでもよい。
【0045】
電源45は、電力を受信表示装置30に供給するものであり、電源スイッチ47のon・off操作によって受信表示装置30への電力供給を接続又は遮断する。
【0046】
このように、本発明の牛の発情管理装置1は、図1に示すように、牛90の足に装着されて牛90の歩数を時系列に計測しこの計測した牛90の計測信号を無線方式で自動発信する歩数計10と、牛舎3に設置され、歩数計10から発信される歩数の計測信号を受信し、この受信した計測信号から、牛90の歩数を時系列に表示するとともに牛90の発情開始時刻を判断して表示する受信表示装置30とを有することで、受信表示装置30が受信した計測信号から牛90の発情開始時刻を判断するので、コンピュータやこれに記憶される専属のソフトが不要となり、また受信表示装置30は牛90に近い牛舎3に設置されるので、計測信号を確実に受信するための設備も不要である。このため、本発明の発情管理装置1は、設備コストを安価にすることができる。また牛の発情開始時刻を受信表示装置30が自動的に判断するので、手間をかけずに牛が発情時期にあるか否かを知ることができる。
【0047】
このため、小規模農家にとって本発明の発情管理装置1の導入がし易くなり、牛の発情管理装置1を普及させることができる。従って、発情見逃し等の人的要因による分娩間隔の遅延が少なくなり、畜産経営における生産率の向上による生産費の減縮や生産頭数の増大による売り上げ増加が見込まれるとともに、地域としてのセリ出荷頭数の増加による生産地の基板強化と安定化に結びつくことから、畜産の益々の発展に寄与できると考えられる。
【符号の説明】
【0048】
1 牛の発情管理装置
3 牛舎
10 歩数計
30 受信表示装置
39 記憶部
41 演算判断部
49 変更スイッチ
50 表示部
90 牛
90a 足

【特許請求の範囲】
【請求項1】
牛の足に装着され、牛の歩数を時系列に計測し、この計測した牛の歩数の計測信号を無線方式で自動発信する歩数計と、
牛舎等の牛に近い場所に設置され、前記歩数計から発信される歩数の計測信号を受信し、この受信した計測信号から、牛の歩数を時系列に表示するとともに牛の発情開始時刻を判断して表示する受信表示装置と
を有することを特徴とする牛の発情管理装置。
【請求項2】
前記受信表示装置は、複数の牛のそれぞれに装着された歩数計から無線方式で発信される歩数の計測信号を受信可能であり、この受信した各牛の計測信号に基づいて、牛の歩数を時系列に表示するとともに牛の発情開始時刻を、牛毎に切り替え可能に表示することを特徴とする請求項1に記載の牛の発情管理装置。
【請求項3】
前記受信表示装置は、前記歩数計から発信される歩数の計測信号を時系列で記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された時系列の歩数の計測信号に基づいて、直近計測時間帯の歩数と前記直近計測時間帯よりも前の計測時間帯の歩数との比を算出し、また牛の歩数が直近の歩数に対して増加するとともに所定値を超えているか否かを判断する演算判断部と、牛の歩数を時系列に表示するとともに、前記演算判断部により算出された比が閾値を超え、又は牛の歩数が直近の歩数に対して増加するとともに所定値を超えると、前記牛が発情していることを表示する表示部と
を有することを特徴とする請求項2に記載の牛の発情管理装置。
【請求項4】
前記受信表示装置には、スイッチ操作によって前記所定値を任意に変更可能な変更スイッチが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の牛の発情管理装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−130253(P2012−130253A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282614(P2010−282614)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(391011700)宮崎県 (63)
【出願人】(302017078)株式会社 コムテック (5)