説明

物品保持具

【課題】従来の2ヶ月見カレンダーは月替わりがすると下に今月分が表示され上に来月分が表示されることがあり、違和感を生じることがあった。又、一般の名刺入れは取り出し易さにおいて不十分なものであった。特に複数種類の名刺を携える人には不満を与えるものであった。これらの原因は、各板体のカード保持順序は天地を変えずに容易に変えることが出来なかったためである。
【解決手段】カード保持部を有する一対の板体同士を複数の紐丁番を用いて繋ぎ合わせることにより、各板体のカード保持順序が天地を変えずに容易に変えることが出来、違和感が解消される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整理分類あるいは視認性向上を図ったカード類の物品保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の2ヶ月見カレンダーとしては特許文献1に提示されたものが存在する。
【0003】
又、名刺やカード類を入れるものとして、種々の名刺入れが市販されている。
【0004】
更に紐丁番機構を利用したカレンダーが従来技術(図7)として特許文献2に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録3070761号 公報
【0006】
【特許文献2】特許4219973号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のカレンダーは月替わりがすると下に今月分が表示され上に来月分が表示されて、違和感を生じることがあった。
【0008】
又、一般の名刺入れは取り出し易さにおいて不十分なものであった。特に複数種類の名刺を携える人には不満を与えるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は一対の板体が複数の紐丁番により、からくり屏風の様に繋ぎ合わされてなり、各板体において、該複数の紐丁番の各板体への固定部間の部分が位置する面とは反対側の面にはカードあるいは薄板体を保持するカード保持部が形成されていることを特徴とする物品保持具である。
【0010】
本発明において『紐丁番』とは通称『ぺたくた』『パタパタ』と称されるからくり紐丁番を指す。(『スクリーンのからくり紐丁番』、建築雑誌 105(1294)pp.10 19900120日本建築学会刊 参照)
【0011】
本発明においては、紐丁番が帯状になされ、透視可能な部材で構成されても良い。
【0012】
本発明においては、紐丁番が線材で構成されても良い。
【0013】
本発明においては、上記板体における紐丁番の固定された周縁部の内、一方から立ち上がり辺が設けられ、該立ち上がり辺の端部から相対向する他方の周縁部に向けて略三角形状の縁部が延設されていても良い。
【0014】
本発明においては、一方の板体のカード保持部に奇数月のカレンダー紙葉または奇数頁の紙葉が保持され、他方のカード保持部に偶数月のカレンダー紙葉または偶数頁の紙葉が保持されていても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明は紐丁番構造により一対の板体の二つのカード保持部と保持させたカード(例えばカレンダー紙葉)の上下、左右の順番を容易に入れ替える事が出来る。
【0016】
その為、本発明を用いたカレンダーやスケジュール表では、上下または左右に順序良く連続表示でき使い勝手が良い。
【0017】
本発明を用いたホワイトボードや黒板では、記述済みの板書内容を片面に書き残しながら用いるのが容易であり、閲覧する者の理解を助ける。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明物品保持具の一例を示す斜視図
【図2】図1の物品保持具の背面図
【図3】図1の物品保持具の縦断面図
【図4】本発明物品保持具の他の例を示す背面図
【図5】本発明物品保持具の更に他の例を示す正面図
【図6】本発明物品保持具の他の例の斜視図
【図7】本発明物品保持具の更に他の例の斜視図
【図8】図7の物品保持具の変形例を示す斜視図
【図9】図1の物品保持具の展開例を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
【0020】
図1は本発明物品保持具101の一例を示す斜視図であり、図2はその背面図である。又、図3は図2のA−A‘断面図(a)、B−B’断面図(b)である。
【0021】
物品保持具101は、一対の板体102、103からなり、それらが帯状の紐丁番104・・・、105・・・、により結合されている。紐丁番104、105の板体102、103に対する固定の様子は図3の断面図により示される。
【0022】
即ち、紐丁番104は図3(a)において一端が板体102の上縁部表面側に固定され、板体102の裏面を経て、板体103の上縁部表面側に他端部が固定されている。また、紐丁番105は図3(b)において一端が板体102の下縁部表面側に固定され、板体103の裏面を経て、板体103の下縁部表面側に他端部が固定されている。116は目隠し板であり、紐丁番104,105の端部を覆って目隠しとなる。106はゴム製のコーナーストラップであり4つのコーナーストラップ106、106、・・・によって物品保持部107を構成している。コーナーストラップ106は、通孔115を通じて板体表面に現れる。または板体裏面にも同様にコーナーストラップ106として現れる。108はカードの一種のカレンダー紙葉であり、例えば1月を表示している。
【0023】
このカレンダー紙葉108は、奇数月1、3、5,7,9,11月をグループとして板体102の物品保持部107にセットされている。又、偶数月2,4,6,8,10,12月のグループは、板体103の物品保持部107にセットされ全体として2ヶ月見のカレンダーとして使用できる。
【0024】
尚、板体102、103の上縁部に通孔110、110を設けることにより、壁のフックに掛けてカレンダーとして使用することも可能となる。
【0025】
上記においては物品保持具101をカレンダーに使用した場合を説明したが、保持するカードとしてホワイトボードや黒板を使用する場合、メモボードや学習用教材として使う事が出来る。即ち、一方のホワイトボードに板書した内容を残したまま他方のホワイトボードにその展開や解答例を書くことも出来る。
【0026】
図4は本発明物品保持具の他の例201を示す背面図である。
【0027】
物品保持具201は、一対の板体202、203からなり、それらが帯状になされた透明な紐丁番204・・・、205・・・、により結合されている。
【0028】
即ち、紐丁番204・・・、205・・・は、図3(a)(b)と同様に板体202、203に結合されている。
【0029】
図4に示すように、板体202、203の裏面もカード保持部として用い、予備あるいは過ぎてしまったカレンダー紙葉を保持しながら、尚且つ透視して確認できる。
【0030】
尚、他の部位の構造、機能は図1〜3の例と同様なので省略する。
【0031】
図5は本発明物品保持具の更に他の例301を示す正面図である。
【0032】
物品保持具301は、一対の板体302、303からなり、それらが線材の紐丁番304・・・、305・・・、により結合されている。紐丁番304、305の板体302、303に対する固定の様子は図3の断面図(a)(b)と同様である。
【0033】
図5の例では、裏面に予備あるいは過ぎてしまったカレンダー紙葉308、308を保持した場合、殆どそのまま視認できる。
【0034】
尚、他の部位の構造、機能は図1〜3の例と同様なので省略する。
【0035】
図6は本発明物品保持具の他の例401を示す斜視図である。図6は立ち上がり辺411が設けられた例であって、板体402、403の下縁部から立ち上がり辺411が設けられ、立ち上がり辺411の両端から板体402,403の上縁部に向けて三角形状の縁部412、412が設けられている。
【0036】
この物品保持具401では板体402、403を合わせた時に中に収容部が出来、他の物品を収納する事も可能となる。又、カレンダー紙葉408等のカードを多数保持する余裕も生じる。
【0037】
尚、他の部位の構造、機能は図1〜3の例と同様なので省略する。
【0038】
図7は本発明物品保持具の更に他の例501を示す斜視図であり、図7(a)は板体502,503を閉じた状態、図7(b)はそれを開いた状態を示す。図7の物品保持具501は名刺入れとして使用した例である。名刺入れの場合、2種類の名刺を分けて保持し、その取り出しも容易である。
【0039】
この物品保持具501では板体502、503を合わせた時に中に収容部が出来、他の物品を収納する事も可能となる。又、カレンダー紙葉408等のカードを多数保持する余裕も生じる。
【0040】
尚、他の部位の構造、機能は図1〜3の例と同様なので省略する。
【0041】
図8の物品保持具601は図7の物品保持具501の変形例であって、三角形状の縁部612、612が曲線をもって形成され、名刺入れの場合、名刺の取り出しが更に簡便になる。
【0042】
この物品保持具601では板体602、603を合わせた時に中に収容部が出来、他の物品を収納する事も可能となる。又、カレンダー紙葉608等のカードを多数保持する余裕も生じる。
【0043】
尚、他の部位の構造、機能は図1〜3の例と同様なので省略する。
【0044】
図9(a)→(b)→(c)→(d)→(e)→(f)→(g)→(h)は物品保持具101の展開の例を示している。
【0045】
図9(a)は本体を脚立状に自立させ、一方の板体を主に表示させる状態である。
【0046】
図9(b)は上記(a)の状態から本体を開き平置きした状態であり、2つの板体面に記述可能な状態でもある。
【0047】
図9(c)は、例えば2月に入った為、1月のカレンダー紙葉を取り外した状態である。1月のカレンダー紙葉の下に3月のカレンダー紙葉が控えている。更に、本体を脚立状に自立させ、2月の板体を主に表示する為に2月の板体を3月の裏側に移動し始めるところを示す。
【0048】
図9(d)は2月の板体を3月の裏側に移動する過程を示す。
【0049】
図9(e)は2月の板体が3月の裏側を経て、更に3月の手前の位置に移動し始める様子を示す。
【0050】
図9(f)は2月の板体が3月の手前に位置し始める様子を示す。
【0051】
図9(g)は上記(f)の状態から本体を開き平置きした状態であり、2つの板体面に記述可能な状態でもある。
【0052】
図9(h)は本体を脚立状に自立させ、一方の板体を主に表示させる状態である。
【符合の説明】
【0053】
101、201,301、401,501,601 物品保持具
102、202、302、402、502、602 板体
103、203、303、403、503、603 板体
104、204,304,404,504,604 紐丁番
105,205,305,405,505,605 紐丁番
106,206、306,406,506,606 コーナーストラップ
107,207,307,407,507,607 物品保持部
108,208,308,408,508,608 カレンダー紙葉
110,210,310,410,510,610 通孔
411、511,611 立ち上がり辺
412、512,612 三角形状の縁部
115、215,315、415、515,615 コーナーストラップ通孔
116,216,316,416,516,616 目隠し板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の板体が複数の紐丁番により、からくり屏風の様に繋ぎ合わされてなり、各板体において、該複数の紐丁番の各板体への固定部間の部分が位置する面とは反対側の面にはカードあるいは薄板体を保持するカード保持部が形成されていることを特徴とする物品保持具。
【請求項2】
上記紐丁番が帯状になされ、透視可能な部材で形成されてなることを特徴とする、請求項1に記載の物品保持具。
【請求項3】
上記紐丁番が線材で形成されてなることを特徴とする、請求項1に記載の物品保持具。
【請求項4】
上記板体における紐丁番の固定された周縁部の内、一方から立ち上がり辺が設けられ、該立ち上がり辺の端部から相対向する他方の周縁部に向けて略三角形状の縁部が延設されている、請求項1〜3いずれかに記載の物品保持具。
【請求項5】
請求項1記載の一方の板体のカード保持部に、奇数月のカレンダー紙葉または奇数頁の紙葉が保持され、他方のカード保持部に偶数月のカレンダー紙葉または偶数頁の紙葉が保持されてなることを特徴とする、請求項1〜4いずれかに記載の物品保持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−126260(P2011−126260A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299451(P2009−299451)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(510011880)
【Fターム(参考)】