説明

物品取得ゲーム機及び物品展示具

【課題】 所定重量或いは所定サイズを超える景品を懸吊することができる物品取得ゲーム機及びその物品展示具を提供する。
【解決手段】 長尺部材33aの一端に取り付けられたターゲット部材33bと、前記長尺部材33aを係止する係止部材32と、物品を懸吊可能な第1状態から物品を懸吊不能な第2状態への移行が可能な懸吊部材34とを備え、前記ターゲット部材33bが所定の方向に牽引されたときに、前記懸吊部材34が前記第1状態から前記第2状態に移行し、前記懸吊部材34に懸吊された物品が落下する物品展示具において、前記懸吊部材34の前記第1状態から前記第2状態への移行を阻止する付勢力を作用させる第1付勢手段Cを更に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者により移動操作される係止解除部材の牽引動作によりゲーム機内で懸吊されている物品(景品)が落下して払い出される物品取得ゲーム機に関し、より詳細には、所定重量或いは所定サイズを超える物品を懸吊することができる物品取得ゲーム機及びその物品展示具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アミューズメント施設に設置され、遊技者により移動操作される係止解除部材の下降動作によりゲーム機内に懸吊されている景品が落下して払い出される物品取得ゲーム機が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
上記特許文献1、2の物品取得ゲーム機では、ボールチェーンのボールを係止できるサイズの係止孔が形成された弾性材料製の係止片(「チップ」とも呼ばれる)が棚部材の円錐溝に嵌合され、当該係止片の係止孔で保持されたボールチェーンにより景品が懸吊されており、係止解除部材によってボールチェーンを下方に引っ張ることでボールチェーンのボールが順次係止孔を通過し、最後のボール(最上端のボール)が係止孔を抜けた場合には、当該ボールチェーンに懸吊された景品が落下して景品払出口から払い出されるようになっている。
【0004】
しかしながら、上記方式の係止片では、係止孔での係止力が極く限られており、ある程度以上の重量の景品を懸吊した場合には、景品の重量だけで、或いは、極く弱い力でボールチェーンを下方に引っ張るだけで係止片による係止が解除されて景品が払い出されることになり、運用に耐えない状況となる。
【0005】
また、所定サイズ(高さや幅など)を超える景品を懸吊した場合にも、当該景品のサイズによっては、上述の係止解除部材の移動時に、当該係止解除部材と景品とが接触してその両者或いはいずれか一方が損傷する等の問題が生じ得る。
【0006】
また、懸吊する景品のサイズや形状等によっては、景品と係止解除部材とを係合させることが極めて容易となる場合があり、そのような場合には、景品の取得が容易になり過ぎる問題が生じ得る。
【0007】
このように、特許文献1、2の物品取得ゲーム機では、懸吊できる景品の重量やサイズに制限があり、例えば、高さが17(cm)、直径が6(cm)以下のサイズであり、重量が100g未満の景品であれば支障無く懸吊して物品取得ゲーム機を運用することができるが、これを越えるサイズ及び/又は重量の景品を懸吊すると上記のような問題を生じるため、「中型のぬいぐるみ」や「中型の人形」などの遊技者により魅力的な景品ではあるけれども上記のサイズ及び/又は重量を越える景品を懸吊して物品取得ゲーム機を運用することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3675566号公報
【特許文献2】特許第3899548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
【0010】
即ち、本発明の目的は、遊技者により移動操作される係止解除部材の牽引動作により物品取得ゲーム機内に懸吊された物品(景品)が落下して払い出されるようにされた物品取得ゲーム機において、物品の重量のみによって物品が落下し、係止解除部材と物品とが接触してその両者或いはいずれか一方が損傷し、或いは、物品取得ゲーム機の設置者、運営者の意図を越えて物品取得が容易になるなどの不都合を生じることなく、所定重量及び/又は所定サイズを超える物品を懸吊することができる物品取得ゲーム機及び物品展示具を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、遊技者により移動操作される係止解除部材の牽引動作により物品取得ゲーム機内に懸吊された物品が落下して払い出されるようにされた物品取得ゲーム機において、所定重量及び/又は所定サイズを超える物品を懸吊することができるとともに、所定重量及び/又は所定サイズ未満の小型の物品を懸吊した特許文献1、2の物品取得ゲーム機における物品取得の場合と同様の態様、難易度、及び/又は、ゲーム性をもって物品を取得することができる物品取得ゲーム機及び物品展示具を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、遊技者により移動操作される係止解除部材の牽引動作により物品取得ゲーム機内に懸吊された物品が落下して払い出されるようにされた物品取得ゲーム機において、ゲーム機に加えられた振動などによって、ゲーム機内に懸吊された物品が誤って払い出されるなどの不都合を防止できる物品取得ゲーム機及び物品展示具を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、遊技者により移動操作される係止解除部材の牽引動作により物品取得ゲーム機内に懸吊された物品が落下して払い出されるようにされた物品取得ゲーム機において、景品を装着する際の作業性等を向上させ、運営者の作業負担を軽減することができる物品取得ゲーム機及び物品展示具を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、遊技者により移動操作される係止解除部材の牽引動作により物品取得ゲーム機内に懸吊された物品が落下して払い出されるようにされた物品取得ゲーム機において、物品取得の難易度の調整を容易に行うことが可能であり、及び/又は、物品取得の難易度を目で見て判断することが可能な物品取得ゲーム機及び物品展示具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記課題を解決したものであり、長尺部材の一端に取り付けられたターゲット部材と、前記長尺部材を係止する係止部材と、物品を懸吊可能な第1状態から物品を懸吊不能な第2状態への移行が可能な懸吊部材とを備え、前記ターゲット部材が所定の方向に牽引されたときに、前記懸吊部材が前記第1状態から前記第2状態に移行し、前記懸吊部材に懸吊された物品が落下する物品展示具であって、前記懸吊部材の前記第1状態から前記第2状態への移行を阻止する付勢力を作用させる第1付勢手段を更に備えることを特徴とする物品展示具(請求項1)又は、当該物品展示具と、当該物品展示具が備えるターゲットに対して牽引力を作用させることが可能な係止解除部材とを有することを特徴とする物品取得ゲーム機(請求項6)である。
【0016】
本発明では、係止部材に係止した長尺部材に物品(景品)を懸吊するのではなく、係止部材には係止解除部材などによる牽引の目標となるターゲット部材が取り付けられた長尺部材が係止され、物品は係止部材とは別個の懸吊部材に懸吊する構成とされている。
【0017】
従って、係止部材における係止力の高低とは無関係に、懸吊部材における懸吊可能重量を自由に設定することが可能であり、そのために、従来懸吊することができなかった所定重量以上の物品を懸吊することができる物品展示具及び物品取得ゲーム機を実現することが可能である。
【0018】
また、係止部材と懸吊部材が別個の部材とされているために、係止解除部材による牽引可能な位置に長尺部材及び/又はターゲット部材を配置する一方で、係止解除部材が接近、当接等できない位置において物品を懸吊することが可能となる。そのために、係止解除部材と物品とが接触してその両者又はいずれか一方が損傷し、或いは、物品取得ゲーム機の設置者、運営者の意図を越えて物品取得が容易になるなどの不都合を生じることなく、従来よりもサイズの大きい物品を懸吊できる物品展示具及び物品取得ゲーム機を実現することが可能である。
【0019】
更に本発明の物品展示具は、懸吊部材の第1状態から第2状態への移行を阻止する付勢力を作用させる第1付勢手段を有しているため、物品展示具又は物品取得ゲーム機に振動が加えられるなどによって懸吊された物品が誤って払い出されるなどの不都合を防止することが可能である。また、第2状態への移行を阻止する付勢力が作用する結果、物品の懸吊状態が安定することとなり、物品の装着等に係る作業性が向上し、運営者の作業負担を軽減することが可能となる。
【0020】
本発明では、前記係止部材が、相互に離間した開状態と、相互に当接又は近接した閉状態との間での移行が可能な1対の挟持片と、前記挟持片を前記閉状態に付勢する第2付勢手段とを有し、前記挟持片は、前記閉状態のときに前記1対の挟持片の間に所定サイズの前記長尺部材を係止可能な係止孔を形成する切欠を有し、前記挟持片を相互に離間させる方向への外力が加わった際に、前記挟持片が離間して前記係止孔のサイズが拡大するように構成され、前記長尺部材に牽引力が加えられた場合には、前記挟持片が相互に離間して前記係止孔のサイズが拡大し、前記長尺部材の牽引が可能となること(請求項2)が好ましい。
【0021】
本発明では、ターゲット部材を取り付けられた長尺部材が所定サイズの係止孔により係止され、ターゲット部材を牽引することで懸吊部材に懸吊された物品が落下するよう構成されているため、特許文献1、2の物品取得ゲーム機の場合と同様の長尺部材(ボールチェーン)を使用することにより、物品取得の態様、難易度、及び/又は、ゲーム性を特許文献1、2の物品取得ゲーム機と同様のものとすることが可能である。
【0022】
更に本発明では、長尺部材に牽引力が加えられた場合には、第2付勢手段による付勢力に抗して挟持片が相互に離間し、係止孔のサイズを拡大することで長尺部材の牽引(移動)が可能となり、長尺部材への牽引力が無くなると、第2付勢手段による付勢力によって係止孔のサイズは当初のサイズ(挟持片が閉状態のときのサイズ)に復帰することになる。
【0023】
このように、挟持片が閉状態のときの係止孔のサイズは第2付勢手段の付勢力によって一定に維持されるため、使用による係止孔の係止力の低下をより小さくすることが可能であり、より長期間に渡って係止部材を取り替えることなく使用することが可能である。
【0024】
なお、本発明では、長尺部材への牽引力によって挟持片を開方向に付勢する力が発生することが必要であることから、本発明の物品展示具に使用する長尺部材としては、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する複数のボールと、ボールを連結するボールよりも小径のリンク部により構成されるボールチェーンや、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する長尺部材であって、外周からの締付力により縮径可能な長尺部材を好適に使用することができる。
【0025】
本発明では、前記懸吊部材を支持する支持部材を更に備え、前記ターゲット部材が牽引されたときに、前記懸吊部材が前記支持部材による支持を失うことで前記懸吊部材が前記第1状態から前記第2状態に移行すること(請求項3)が好ましく、これにより、懸吊部材の安定な支持と、懸吊部材の第1状態から第2状態への安定な移行とを実現することが可能である。
【0026】
本発明では、前記長尺部材の他端に取り付けられたトリガ部材を更に備え、前記懸吊部材が、前記支持部材により支持される懸吊体と、前記トリガ部材を通過させないサイズ及び/又は形状を有する挿通孔であって、前記長尺部材の前記他端を所定長挿通させた挿通孔が形成された懸吊解除部材とから構成され、前記トリガ部材が前記挿通孔に当接して前記懸吊解除部材を所定方向に移動させることにより、前記懸吊体が前記支持部材による支持を失って、前記懸吊部材が前記第1状態から前記第2状態に移行すること(請求項4)が好ましい。
【0027】
本発明では、挿通孔への長尺部材の挿通長(挿通孔からトリガ部材までの距離)が長い場合には、その長さだけ長尺部材を牽引しなければ物品は落下しないし、逆に挿通孔からトリガ部材までの距離が短ければ、物品を落下させるために長尺部材を牽引しなければならない距離も短くなる。
【0028】
従って、挿通孔からトリガ部材までの距離によって容易に物品取得の容易性を調節することが可能である。また、遊技者は、挿通孔からトリガ部材までの距離を見るだけで物品取得の難易性を把握することが可能であり、或いは、挿通孔からトリガ部材までの距離を調節することで、遊技者をゲームに誘引する等の効果を得ることも可能である。
【0029】
本発明では、前記長尺部材における前記係止部材による係止位置から前記挿通孔(又は前記トリガ部材)への挿通位置に至る部分が視認可能とされていること(請求項5)が好ましい。
【0030】
かかる発明では、遊技者は、係止部材から前記挿通孔(又はトリガ部材)までの長尺部材における弛みの有無などを容易に確認することが可能であるため、遊技者を欺く仕掛けがないことを遊技者にアピールし、遊技者に安心感、信頼感を与えることが可能である。
【0031】
本発明の物品展示具は、遊技者により移動操作される係止解除部材によるターゲット部材の牽引によりゲーム機内に懸吊される物品が落下して所定の物品払出口から払い出される物品取得ゲーム機に特に好適に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係る物品取得ゲーム機の構成を示す説明図
【図2】取付壁及びその取付壁に取り付けられる棚部材の構成を示す説明図
【図3】棚部材の外観構成を示す説明図
【図4】第1物品展示具の構成を示す説明図
【図5】係止部材の構成を示す説明図
【図6】小型景品がフック部材に懸吊されている第1物品展示具が棚部材に装着された一態様を示す説明図
【図7】第2物品展示具の外観構成及び一部切り欠きの構成を示す説明図
【図8】第2物品展示具が棚部材に装着された一態様を示す説明図
【図9】変形形態の第2物品展示具の構成を示す説明図
【図10】本実施形態に係る係止解除部材の構成を示す説明図
【図11】物品取得ゲーム機におけるシステム構成を示す説明図
【図12】物品取得ゲーム機において実行される処理の流れを示す説明図
【図13】1つの棚部材に第1物品展示具及び第2物品展示具の両者を装着した様子を示す説明図
【図14】フック部材の詳細な構成及びそのフック部材に対する小型景品の特殊取付の態様を示す説明図
【図15】変形形態の第1物品展示具及びフック部材の構成を示す説明図
【図16】変形形態のフック部材の構成を示す説明図
【図17】変形形態の第2物品展示具の構成を示す説明図
【図18】変形形態の第2物品展示具の構成を示す説明図
【図19】変形形態の第2物品展示具の構成を示す説明図
【図20】変形形態の第2物品展示具の構成を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0034】
図1は、本発明を適用した物品取得ゲーム機1の外観構成を示す図である。この物品取得ゲーム機1は、後述の主制御基板80などが収容されるゲーム機本体部2と、小型景品G1や中型景品G2などの種々の景品(「プライズ」ともいう)が複数懸吊展示された物品取得ゲームを実施するためのゲーム空間Rが形成される景品室3とを主体に構成される。
【0035】
なお、本実施形態の物品取得ゲーム機1では、例えば、上記小型景品G1には、高さが17(cm)で直径が6(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g未満の景品が採用され、具体的には、上記景品としては、例えば、包装/否包装の「小型のぬいぐるみ」や「小型の人形」などに備え付けられたボールチェーン、リング、紐等、或いは、包装台紙などに形成された孔などを介して懸吊されるキーホルダー式の景品がある。
【0036】
また、上記中型景品G2には、高さが25(cm)で幅が15(cm)で奥行きが15(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g以上の箱型景品や、高さが35(cm)で幅が30(cm)で奥行きが15(cm)程度のサイズ内で且つ重量が100g以上のぬいぐるみ景品などが採用され、具体的には、上記景品としては、例えば、包装/否包装の「中型のぬいぐるみ」や「中型の人形」などに備え付けられたボールチェーンや紐、或いは、包装箱などに形成された孔などを介して懸吊される据え置き式或いは抱っこ式の景品がある。
【0037】
ここで、景品室3の室壁は、例えば、背面壁3a及び左右壁3bが不透明な金属などの板部材で形成され、正面壁3cが、外部から景品室3内の小型景品G1、中型景品G2を視認できるように透明なアクリル或いはガラスなどの板部材で形成された錠前部材付きの2つの引き戸で形成されている。
【0038】
また、景品室3の内部には、小型景品G1、中型景品G2が懸吊される複数の棚部材4(図2参照)と、それら複数の棚部材4が取り付けられる取付壁5(1P及び2P用別にそれぞれ1つずつの計2つ)(図2参照)と、棚部材4から景品を落下させるために用いられる係止解除部材6と、落下した小型景品G1、中型景品G2を室内から外部に排出させるための景品落下口7と、ゲーム空間Rをライトアップさせるための蛍光灯などの照明装置8とが備えられている。
【0039】
なお、図2に示されるように、1つの取付壁5には、横一列に最大3つの棚部材4が配置でき、更に、縦方向において任意の高さ位置に、且つ、複数の棚部材4を配置できるように、棚部材4の背面側に形成された係合片43を係合して棚部材4を当該取付壁5に係止するための係合孔51が複数形成されている。
【0040】
これにより、当該物品取得ゲーム機1が導入されるアミューズメント施設においては、小型景品G1、中型景品G2をその大きさに関わらず種々のレイアウトにより配置することが可能である。例えば、図2に示されるように、左側(1P側)の取付壁5には、小型景品G1が懸吊された棚部材4のみを配置し、他方、右側(2P側)の取付壁5には、中型景品G2が懸吊された棚部材4のみを配置することができる。左側(1P側)の取付壁5は小型景品G1のみを懸吊するため、中型景品G2のみを配置した右側(2P側)の取付壁5に比して各棚部材4の縦方向の間隔が狭くなるように配置されている。また、図示していないが、一つの取付壁5において棚部材4の配置間隔を変えることで、小型景品G1が懸吊された棚部材4と、中型景品G2が懸吊された棚部材4の両者を混在させた状態で配置することもできるし、更には、一つの取付壁5において、各棚部材4が斜めに位置するように配置することもできる。
【0041】
ゲーム機本体部2は、その正面側に、遊技者からの操作入力を受け付け、係止解除部材6をゲーム空間R内で移動操作するための上昇ボタン9a、横走行ボタン9bを備えた操作パネル9と、ゲーム料金を受け入れるための硬貨投入口10と、景品落下口7と連通した景品払出口11と、BGMなどのゲーム音声を出力するためのスピーカ12とを有している。また、ゲーム機本体部2の収容扉13内には係止解除部材6の動作条件を設定し、難易度の調整を行うための不図示の設定パネルが収容されている。
【0042】
なお、図示の例では、二人の遊技者が同時にプレイできるように、係止解除部材6、景品落下口7、操作パネル9、硬貨投入口10、景品払出口11等が左右にそれぞれ2組設けられている形態を示しているが、一人用或いは三人以上用の物品取得ゲーム機とする場合は、これらを1組又は3組以上としても構わない。
【0043】
図3は、図2に示される棚部材4の構成を示す説明図であり、図3(a)、(c)には、それぞれ、棚部材4を上方、下方から見た斜視図が示されており、図3(b)には、第1装着部41の拡大斜視図が示されている。
【0044】
図3(a)、(c)に示されるように、棚部材4は、小型景品G1を懸吊展示する後述の第1物品展示具20(図4参照)が着脱自在に装着される複数の第1装着部41と、中型景品G2を懸吊展示する後述の第2物品展示具30(図7参照)が着脱自在に装着される複数の第2装着部42と、取付壁5に形成された係合孔51と係合して当該棚部材4を取付壁5に取り付けるための係合片43と、ストック用或いは展示用の小型景品G1、中型景品G2等を載置するためのトレー部44とを主体に形成され、第1装着部41に連設された前方上面F1が前方に向って下向きに傾斜した態様の棚状部材である。なお、棚部材4は、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0045】
そして図3(b)に示されるように、第1装着部41は、第1物品展示具20の係止部材21を嵌合収容するための構造が形成された収容空間41dを有している。即ち、収容空間41dには、係止部材21の係合片214を嵌合して横(左右)方向の移動を規制する規制溝41aと、係合爪215が嵌装される嵌装孔41bと、規制溝212に嵌合して係止部材21の縦(上下)方向の移動を規制する係合片41cなどが形成されている。更に、収容空間41dの斜め上方には、本発明の長尺部材であるボールチェーン22dの上端側を収容して位置決めするチェーン溝41eが形成されている。
【0046】
第2装着部42は、棚部材4の裏面側で縦(上下)方向に垂設された係合板45に形成され、後述の第2物品展示具30の係合爪31aが嵌装される嵌装孔42aと、棚部材4の背面板46に穿設され、第2物品展示具30の懸吊体35の解放端側の所定長を挿通支持する支持孔42bなどから構成される。
【0047】
本実施形態の棚部材4には、図2に示す態様のスロープ部材SLを装着することも可能である。スロープ部材SLは、トレー部44の空間を覆い隠す態様で着脱自在に装着される前方に向かって下降する滑り台状の傾斜面F2が上部に設けられた透明又は不透明な部材である。このスロープ部材SLを透明な部材で形成することによりトレー部44に載置された景品をゲーム機1の外部から視認可能に展示することができる。
【0048】
上記スロープ部材SLを装着した棚部材4であれば、上方の棚部材4から落下した小型景品G1や中型景品G2が下方の棚部材4のトレー部44に入り込むのを防止し、落下した景品を前方上面F1及び傾斜面F2で滑らせて景品落下口7に落下させることができる。
【0049】
図4は、第1物品展示具20の構成を示す説明図であり、図4(a)には、後述の係止部材21によってフック部材22に設けられたボールチェーン22dが係止されている状態の第1物品展示具20が、図4(b)には、係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除された状態の第1物品展示具20が示されている。
【0050】
図4に示されるように、第1物品展示具20は、第1装着部41に着脱自在に装着されてボールチェーン22dを任意の位置で係止することが可能な係止部材21と、小型景品G1を懸吊できるフック部材22と、係止部材21とフック部材22とを連索する繊維や軟質プラスチックなどで形成された紐状の連索部材23とを主体に構成される。
【0051】
ここで、フック部材22は、本体壁部22aと、その本体壁部22aの前方側に突起する鉤状に折り曲げられた円柱形状のフック部22bと、本体壁部22aの上方側に形成され、係止解除部材6のフォーク部材61が係合し得る形状、サイズを有する円盤状のターゲット部材22cと、ターゲット部材22cに一端が固定され、その上端側を上方に突出した態様で係止部材21の係止孔H1に挿通されて係止されるボールチェーン22dとを主体に構成されている。なお、このフック部材22は、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0052】
図5は、係止部材21の構成を示す説明図であり、図5(a)、(b)には、係止部材21を上方、下方から見た場合のそれぞれの分解斜視図が、図5(c)、(d)には、挟持片21a、21bが互いに接近(又は当接)した閉状態、及び、挟持片21a、21bが離間した開状態の係止部材21を上方から見た場合の平面図が示されている。
【0053】
図5(a)、(b)に示されるように、係止部材21は、ヒンジ部Hgを基点として開放口O側を離間させる態様で選択バサミ式に開閉自在とされた左右一対の挟持片21a、21bと、挟持片21a、21bを相互に接近させる閉方向に付勢する金属製バネなどの付勢部材21cとを主体に構成されている。なお、左右一対の挟持片21a、21bは、例えば、合成樹脂などで成型することができる。
【0054】
上記挟持片21aは、挟持片21bに向かい合う辺上に切欠211を有しており、上記挟持片21bは、挟持片21aに向かい合う辺上に切欠(不図示)を有しており、挟持片21a、21bが相互に接近した閉状態(図5(c))では、上記2つの切欠により所定サイズの係止孔H1が形成されるようになっている。
【0055】
係止孔H1は、挟持片21a、21bが相互に接近した閉状態(図5(c))において、ボールチェーン22dのボールよりも小さいサイズであり、開放口O側からボールチェーン22dを挿入し、ボールを係止孔H1に係止させる態様でボールチェーン22dを保持することが可能である。
【0056】
また、ボールチェーン22dに対して係止解除部材6などによる下方向への牽引力が作用すると、係止孔H1のサイズより大きいボールが通過しようとするために挟持片21a、21bを相互に離間させる方向の力が作用することとなり、これにより係止部材21は、図5(d)に示すように、挟持片21a、21bが相互に離間した開状態となる。
【0057】
開状態では、係止孔H1のサイズが閉状態のときよりも大きくなるために、ボールは容易に係止孔H1を通過できることになる。従って、ボールチェーン22dに下方向への牽引力を掛け続けることで、ボールチェーン22dの全体を係止孔H1から引き抜き、係止部材21による係止を解除することが可能である。
【0058】
なお、挟持片21a、21bの上面には、係止孔H1から上方に突出したボールチェーン22dの回転や曲げを許容するようすり鉢状の形状が与えられている。
【0059】
また、挟持片21a、21bには、棚部材4の係合片41cが嵌合する規制溝212、付勢部材21cが嵌合する嵌合溝213、棚部材4の規制溝41aに嵌合する係合片214、棚部材4の嵌装孔41bに嵌装される係合爪215が形成されており、挟持片21bの上面には、係止孔H1から上方に突出したボールチェーン22dを傾斜した状態で固定乃至保持し、チェーン溝41eに案内するための傾斜保持部材216が突設されている。
【0060】
なお、上記ボールチェーン22dとしては、一般的に良く知られている金属製や樹脂製のボールチェーンを使用することができるのはもちろんのこと、それ以外の形状を有する長尺状の部材も使用することができる。即ち、一対の挟持片が閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する複数の凸部(球、円柱や四角柱などの立体状の凸部材)と、隣接する2つの凸部間に配置され凸部よりも小さい外径を有する凹部(複数の凸部が取り付けられる長尺部材の一部分や、2つの凸部間を連結する円柱状のリンクなどの凹部材)などから構成されるボールチェーン状部材も使用することができる。
【0061】
また、上述のボールチェーン状部材の他にも、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有する長尺部材であって、外周からの締付力により縮径可能な長尺部材を使用することもできる。
【0062】
図6は、上述の第1物品展示具20が棚部材4に装着された一態様を示す説明図である。
【0063】
図示の例では、4つの第1物品展示具20の係止部材21が棚部材4における4カ所の第1装着部41に装着され、左側の3つの第1物品展示具20では、それぞれのボールチェーン22dがそれぞれの係止部材21で係止され、それぞれのフック部材22で小型景品(小型の「くまのぬいぐるみ」)G1を懸吊しており、他方、右端の第1物品展示具20では、遊技者により操作された係止解除部材6などにより係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除され、フック部材22に懸吊されていた小型景品(小型の「くまのぬいぐるみ」)G1が落下した様子を示している。
【0064】
以上のように、上記第1物品展示具20では、ボールチェーン22dを係止する係止孔H1のサイズが、付勢部材21cの付勢力により維持されるように構成されているため、長期間の使用の間における係止孔H1における係止力の低下をより小さくすることが可能であり、長期間に渡って交換することなく使用することが可能な物品展示具を提供することが可能である。また、想定以上の長期間に渡り使用をしたことで係止力が低下した場合であっても、第1物品展示具20全てを交換するのではなく付勢部材21cを新しいものに交換することで、新品と同程度の係止力を取り戻すことができる。このため運用に係るコストを最小限に抑えることが可能となる。
【0065】
また、上記第1物品展示具20では、鉤状のフック部22bを有するために、金属製のリングR、リング状にされたボールチェーンや紐などを取り付けられた景品、或いは、孔Hが形成された箱等に包装された景品等を簡単に懸吊することが可能である。
【0066】
また、アイキャッチなどを考慮して好ましいと考えられる方向に景品を向けて吊り下げた状態で、ボールチェーン22dを傾斜させて傾斜保持部材216において保持することにより、或いは更に、ボールチェーン22dをチェーン溝41eに収容することにより、景品の上記方向を固定することが可能であり、係止解除部材6が景品に当接する程度では、景品の方向が変わってしまわないようにすることも可能である。また、上記のようにボールチェーン22dの上端側を傾斜した状態で保持し、或いは更に、チェーン溝41eに収容することにより、上方の棚部材4から落下した景品が下方の棚部材4のボールチェーン22dに引っ掛かって払い出されないなどの不都合を防止するとの効果も達成することができる。
【0067】
また、上記第1物品展示具20では、係止部材21はその係合片214や係合爪215等によって棚部材4に装着された状態にあり、フック部材22は連索部材23により係止部材21と連索されている。従って、係止解除部材6の操作等によって景品が落下した場合でも、係止部材21及びフック部材22が景品とともに落下、散乱等することが防止され、従って、繰り返し再利用可能な第1物品展示具20を提供することが可能である。
【0068】
そして、第1物品展示具20が繰り返し再利用可能であるが故に、従来の使い捨て要素の高かったフック部202と比べて、フック部の長さを長くしたり、フック部の径を太くして耐久性を上げるなど、より高級で係止が外れ難いフック部22bを設けることが可能であり、景品がフック部22bから外れて落下しないようにするために従来必要であった景品をフック部22bに接着テープ(AT)で留める作業を不要とすることが可能である。
【0069】
なお、上記では、フック部材22に複数のボールと、ボール同士を連結するボールよりも外形の小さいリンク部材により構成されるボールチェーン22dが取り付けられている場合を例として示したが、これに替えて、挟持片21a、21bが閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する長尺部材であって、外周からの外力により縮径可能な樹脂繊維等の材料で形成された長尺部材を使用することも可能である。
【0070】
図7は、第2物品展示具30の構成を示す説明図であり、図7(a)〜(c)には、それぞれ、第2物品展示具30を上方から見た斜視図が示されており、特に、図7(a)には、懸吊部材34が景品を懸吊展示することが可能な第1状態にある第2物品展示部30が示されており、図7(b)には、図7(a)の構成の一部が切り欠いた状態が示されており、図7(c)には、懸吊部材34が景品を懸吊不能な第2状態にある物品展示部30が示されている。
【0071】
図示されるように、第2物品展示具30は、第2装着部42の嵌装孔42aに着脱自在に装着される係合爪31aと、棚部材4の収容空間41dに収容嵌合される嵌合片31bとが形成され、棚部材4の裏面側で固定される本体部31と、その本体部31の前方側に着脱自在に取り付けられて後述の駆動部材33を挟持する係止部材32と、係止解除部材6などによる牽引を受ける駆動部材33と、景品を懸吊展示するための懸吊部材34とを主体に構成される。
【0072】
ここで、本体部31は、左右一対の筐体片311、312を主体に構成される。そして、この本体部31には、左右一対の筐体片311、312を組み立てた場合の前方側に、上述の第1装着部41における規制溝41a、嵌装孔41b、係合片41c、収容空間41dと同様の構成を有する装着部313が形成されるとともに、その後方側には、懸吊解除部材36を回動可能に支持する回動軸S1が一体的に形成され、更に、その内部には、後述の駆動部材33の長尺部材33aを案内支持する円弧状の案内面314{図7(b)参照}が形成されている。
【0073】
係止部材32は、上述の第1物品展示具20における係止部材21と同一の構成を有するものであり、本体部31前方の装着部313に装着固定されるとともに、係止部材32を構成する開閉自在の一対の挟持片の間に所定サイズの係止孔が形成され、当該係止孔において長尺部材33aを係止するものである。
【0074】
駆動部材33は、遊技者により操作される係止解除部材6によって駆動される部材であり、長尺部材33aと、その長尺部材33aの一端側に取り付けられたターゲット部材33bと、長尺部材33aの他端側に取り付けられたトリガ部材33cとを主体に構成されている。ターゲット部材33bには、係止解除部材6のフォーク部材61と係合し、フォーク部材61による下方への牽引を受け得るサイズ及び/又は形状が付与され、トリガ部材33cには、後述の懸吊解除部材36に形成された挿通孔H2を通過できないサイズ及び/又は形状が付与される。そして、上記長尺部材33aは、中間の適宜の位置が上記係止部材32の係止孔に係止され、その一端は当該係止孔から垂下され、他端は案内面314の上面を経て挿通孔H2に導かれ、当該挿通孔H2からトリガ部材33cを垂下させている。
【0075】
長尺部材33aの係止部材32から案内面314の上部を経て挿通孔H2に至る部分、或いは更にトリガ部材33cに至る部分は、ゲーム機1の外部から遊技者が視認できるように、本体部31、棚部材4等を透明な部材で構成することが好ましい。
【0076】
懸吊部材34は、懸吊体35と懸吊解除部材36から構成されている。
【0077】
懸吊体35は、一端を棚部材4の支持孔42bに挿通させて支持孔42bに支持され、他端に設けられた回動軸S2が懸吊解除部材36に回動自在に支持される棒状の部材である。
【0078】
懸吊解除部材36は、その上端が本体部31の後方側に設けられた回動軸S1で回動自在に軸支されたL字状の部材であり、その前方には、長尺部材33aは余裕をもって挿通することができるがトリガ部材33cは通過できないサイズ及び/又は形状の挿通孔H2が形成され、その後方には、懸吊体35の回動軸S2を軸支する軸支孔H3が形成されている。
【0079】
なお、本体部31、ターゲット部材33b、トリガ部材33c、懸吊体35、懸吊解除部材36などは、例えば、合成樹脂などで成型することができる。また、長尺部材33aには、係止部材32の挟持片が閉状態のとき(図5(c)参照)の係止孔のサイズより大きい外径寸法を有し、外周からの外力が作用することでその外形寸法を縮小する樹脂繊維等の適宜の材料で形成された紐状の部材が使用されている。
【0080】
従って、ターゲット部材33bに下方向への牽引力が作用しない場合には、長尺部材33aを係止部材32の係止孔で締め付ける態様で係止し、ターゲット部材33bに下方向への牽引力が作用した場合には、係止孔よりも大きい外径の長尺部材33aが係止孔を通過しようとするために、係止部材32を構成する1対の挟持片が離間して係止孔のサイズが大きくなり(図5(d)参照)、長尺部材33aを下方に引き抜いていくことが可能である。
【0081】
図8は、上述の第2物品展示具30の棚部材4における装着態様及び動作態様を示す説明図である。
【0082】
図8(a)では、第2物品展示具30の懸吊部材34は、懸吊体35の開放端が棚部材4の支持孔42bにより概略水平に支持された第1状態にあり、中型景品(中型の人形等が入った箱)G2などの景品を懸吊展示することが可能である。
【0083】
この状態において遊技者が操作する係止解除部材6などによりターゲット部材33bを下方に牽引すると、長尺部材33aが上記態様で係止部材32から引き抜かれ、他端側のトリガ部材33cが上昇していくことになる。
【0084】
そして、トリガ部材33cが懸吊解除部材36の挿通孔H2に当接して更に上昇した場合には、懸吊解除部材36は回動軸S1の周りに回転して懸吊体35を前方側に牽引し、やがて懸吊体35が支持孔42bから抜けると懸吊体35は支持孔42bによる支持を失って、回動軸S2の周りで下方に回転する。これにより懸吊部材34は景品を懸吊不能な第2状態(図8(b))に移行する。
【0085】
なお、本実施形態では、挟持片が閉状態のときの係止孔よりも大きい外径を有し、外周からの外力により縮径可能な長尺部材33aが使用される場合を例として示したが、これに代えて、第1物品展示具20におけるボールチェーン22dと同様のボールチェーンを使用することも可能である。或いは、ボールチェーン以外の形状を有する長尺状の部材も使用することができる。即ち、一対の挟持片が閉状態のときの係止孔H1よりも大きい外径を有する複数の凸部(球、円柱や四角柱などの立体状の凸部材)と、隣接する2つの凸部間に配置され凸部よりも小さい外径を有する凹部(複数の凸部が取り付けられる長尺部材の一部分や、2つの凸部間を連結する円柱状のリンクなどの凹部材)などから構成されるボールチェーン状部材も使用することができる。
【0086】
上記第2物品展示具30では、係止解除部材6による牽引の対象となる駆動部材33(ターゲット部材33b)を係止する係止部材32と、物品を懸吊する懸吊部材34(懸吊体35)とがそれぞれ別個の部材とされている。従って、係止部材32の係止力の大小とは無関係に懸吊部材34において懸吊可能な景品の重量を自由に設定することが可能であり、それ故に、第2物品展示具30では第1物品展示具20に懸吊出来ない重量の大きい景品を懸吊することが可能である。また、係止部材32と懸吊部材34(懸吊体35)が別部材であるために、係止部材32及びこれに係止される長尺部材33a(及びターゲット部材33b)を係止解除部材6のフォーク部材61が接触可能な位置(ガイドレール72やガイドポール81から近い位置)に配置する一方で、懸吊体35(及び景品)を係止解除部材6のフォーク部材61が接触できない位置(ガイドレール72やガイドポール81から遠い位置)に配置することが可能である。それ故に、第2物品展示具30では第1物品展示具20に懸吊できない程度にサイズの大きい景品を懸吊することが可能である。
【0087】
加えて、第2物品展示具30は、第1物品展示具20の係止部材21と同構成の係止部材32により長尺部材33aを係止する構成であるため、第2物品展示具30における長尺部材33aの係止解除のための操作の態様、難易度、及び/又は、ゲーム性を第1物品展示具20におけるボールチェーン22dの係止解除のためのそれと同様のものとすることが可能である。
【0088】
図9は、第2物品展示具30の変形形態に係る第2物品展示具30Aを示す一部切欠側面図であり、第2物品展示具30と同様の部材には同様の符号が付されている。
【0089】
図示のように、第2物品展示具30Aは、回動軸S1に懸吊解除部材36を後方(図中の矢印方向)に向けて付勢する付勢部材Cを追加的に有する点を除いて第2物品展示具30と実質的に同様の構成を有している。なお、図では付勢部材Cとしてひげバネを用いた例が示されているが、板バネ、トーションバー、スプリングなど、懸吊解除部材36に後方への付勢力を作用させることができる他の任意の手段で付勢部材Cを構成することが可能である。
【0090】
第2物品展示具30Aでは、付勢部材Cにより懸吊解除部材36を後方に向けて付勢しているため、第2物品展示具30について上記した効果を達成することに加え、ゲーム機1に加えられた前後方向への振動などによって懸吊体35が支持孔42bから抜け落ちて懸吊部材34が第2状態に移行し、誤って景品が落下して払い出されるなどの不都合を防止することが可能となる。また、付勢部材Cからの付勢力によって景品の懸吊状態が安定するため、ゲーム機1を設置する施設の運営者等が第2物品展示具30Aに景品を装着等する際の作業性が向上し、ゲーム機1の運営に係る作業負担を軽減することが可能となる。
【0091】
図1に戻って、本実施形態の係止解除部材6は、遊技者による上昇ボタン9a及び横走行ボタン9bの操作に応じて操作面(図1におけるXY面)で移動する部材であり、棚部材4に装着された第1物品展示具20、第2物品展示具30にそれぞれ係止されているターゲット部材22c、35bを下方に牽引することで、小型景品G1、中型景品G2を落下させるために用いられる部材である。なお、本実施形態の係止解除部材6は、例えば、特許文献1(特許第3675566号公報)に開示される公知の係止解除部材(5)や係止解除部材(120)などと同様の構成とすることができる。
【0092】
図10は、本実施形態の係止解除部材6の構成を示す説明図であり、図10(a)が、係止解除部材6の駆動機構の斜視を示す説明図であり、図10(b)が、上記駆動機構の一部を省略した要部側面を示す説明図である。
【0093】
即ち、この係止解除部材6では、上記操作面で移動する本体部(ケース)60と、その本体部60に設けられて該本体部60の前方側から突出可能で前後方向(図1におけるZ方向)に伸縮自在の部材であり、第1、第2物品展示具20、30、30Aのターゲット部材22c、33b(又はこれら及び長尺部材22d、33a)と係合して下方向に牽引するための楔状の切り込み61aが先端に形成されたフォーク部材61とを主体に構成されている。
【0094】
そして、この係止解除部材6では、後述の係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御されるソレノイド833aの駆動によって、ワイヤーWRが上下方向(Y方向)に駆動することにより、スプリングSPにより付勢されるプーリーPの前後方向(Z方向)の移動に伴う揺動バー62の揺動により、上記ワイヤーWRの駆動方向に応じてフォーク部材61が前後方向(Z方向)における前方向又は後方向に移動する。
【0095】
また、この係止解除部材6では、後述の係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御される水平移動用モータ832a(図10に不図示)の回動によって、ネジ棒71a及びネジ棒71bが回動することにより、ガイドレール72a、ガイドレール72bにそれぞれ案内されるスライダー73a、スライダー73b及びガイドポール81とともに本体部60が上記回動方向に応じて左右方向(X方向)における左方向又は右方向に移動する。
【0096】
また、この係止解除部材6では、係止解除部材制御部83(83A、83B)で制御される鉛直移動用モータ831aの回動によって、ネジ棒82が回動することにより、ガイドポール81に案内されるスライダー83とともに本体部60が上記回動方向に応じて上下方向(Y方向)における上方向又は下方向に移動する。
【0097】
なお、この係止解除部材6は、ゲーム開始前における本体部60のホームポジションが決められており、左側の係止解除部材6では、左下方の隅が本体部60のホームポジションとされ、右側の係止解除部材6では、右下方の隅が本体部60のホームポジションとされている。
【0098】
そして、本実施形態では、遊技者などによって硬貨投入口10に所定のゲーム料金が投入された場合などのゲーム開始条件が成立した場合に、遊技者などによる上昇ボタン9aの操作及び上昇ボタン9aの操作後の横走行ボタン9bの操作を受け付ける態様となっており、本実施形態の係止解除部材6では、上記ゲーム開始条件が成立した場合に遊技者により上昇ボタン9aが押下され続けている間だけ本体部60が上昇し、上昇ボタン9aの押下が解除された場合に本体部60の上昇が停止し、続いて、遊技者により横走行ボタン9bが押下され続けている間だけ本体部60が横方向(左又は右)に走行し、横走行ボタン9bの押下が解除された場合に本体部60の横走行が停止する。その後、本体部60の横走行が停止した場合に、フォーク部材61が前方向に所定長だけ自動的に伸長し、所定長の伸長が完了した場合に、フォーク部材61が伸長した状態のまま本体部60が所定ストロークだけ自動的に下降する。その後、所定ストロークの下降が完了した場合に、フォーク部材61が元の位置に戻され、その後、本体部60が上述のホームポジションに戻される。
【0099】
なお、本実施形態の係止解除部材6では、フォーク部材61を駆動する駆動手段としてソレノイド833aを使用する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、フォーク部材61を駆動する駆動手段として、上記ソレノイドに替えてモータを使用することもできる。
【0100】
図11は、物品取得ゲーム機1におけるシステム構成を示す説明図である。
【0101】
図示されるように、本実施形態では、主制御基板80に、I/F80d及び信号線を介して設定受付部81、操作受付部82(82A、82B)、係止解除部材制御部83(83A、83B)、照明・音響制御部84、硬貨処理部85などが電気的に接続されている。
【0102】
ここで、主制御基板80は、物品取得ゲーム機1全体を統括的に制御する部分であり、CPU80aと、周辺装置を制御するための各種プログラム及びデータが格納されるROM80bと、演算用の作業データなどを一時記憶するRAM80cと、CPU80aと周辺装置との間における各種信号の授受を行うためのI/F80dと、それらを相互に接続するためのバス80eとから構成されている。
【0103】
設定受付部81は、設定パネルにおいて設定された各設定値を主制御基板80に伝達するためのインターフェイスである。即ち、上記設定値に基づいて、主制御基板80の制御のもと係止解除部材6の前後方向(Z方向)における到達位置や戻り位置、自動下降距離などの調節が行われる。
【0104】
操作受付部82A、82Bは、操作パネル9の上昇ボタン9a、横走行ボタン9bからの信号を主制御基板80に伝達するためのインターフェイスであり、上昇ボタン9aへの操作が検知された場合には、係止解除部材6を基準位置から上方に駆動すべき旨の信号を主制御基板80に送信し、当該上昇ボタン9aへの操作が解除された場合には、係止解除部材6の上方への駆動を停止するべき旨の信号を主制御基板80に送信し、他方、横走行ボタン9bへの操作が検知された場合には、係止解除部材6を横方向に走行させるべき旨の信号を主制御基板80に送信し、当該横走行ボタン9bへの操作が解除された場合には、係止解除部材6の横方向への走行を停止するべき旨の信号を主制御基板80に送信する。
【0105】
係止解除部材制御部83A、83Bは、主制御基板80からの制御信号に従って、係止解除部材6の制御を実行するものである。即ち、主制御基板80から係止解除部材6の上昇動作を指示する信号を受信した場合には、モータドライバ831は、鉛直移動用モータ831aの駆動制御を行うことにより、係止解除部材6に上昇動作を実行させる。また、主制御基板80から係止解除部材6の横方向への走行を指示する信号を受信した場合には、モータドライバ832は、水平移動用モータ832aの駆動制御を行うことにより、係止解除部材6を横方向へ走行させる処理を実行する。
【0106】
硬貨処理部85は、硬貨投入口10に投入された硬貨の識別処理を実行し、予め定められた額の正当な硬貨の投入を検知した場合に、硬貨検知信号を主制御基板80に送信する処理を実行し、照明・音響制御部84は、主制御基板80からの制御信号に従って、ゲームの進行状況等に応じた演出照明や効果音を出力するべく、照明装置8、スピーカ12等の制御を実行する。
【0107】
図12は、物品取得ゲーム機1において実行される処理の流れを示す説明図である。
【0108】
図示されるように、まず、ステップS1において、遊技者により所定のゲーム料金が硬貨投入口10に投入されると、ゲーム開始可能な状態に遷移し(ステップS1:YES)、続いて、ステップS2において、遊技者により上昇ボタン9aが押下されると(ステップ2:YES)、押下されている間中、鉛直移動用モータ831aの駆動により係止解除部材6が上昇し(ステップS3)、続いて、ステップS4において、遊技者により上昇ボタン9aの押下が解除されると(ステップS4:YES)、係止解除部材6の上昇が停止する。
【0109】
続いて、ステップS5において、遊技者により横走行ボタン9bが押下されると(ステップS5:YES)、押下されている間中、水平移動用モータ832aの駆動により係止解除部材6が横(右など)に走行し(ステップS6)、ステップS7において、遊技者により横走行ボタン9bの押下が解除されると(ステップS7:YES)、係止解除部材6の横走行が停止する。
【0110】
こうして遊技者による操作で移動した係止解除部材6が停止すると、ステップS8において、自動的にソレノイド833aを駆動してフォーク部材61を伸長し、続いて、ステップS9において、設定されている降下量だけ係止解除部材6とともにフォーク部材61を下降する。
【0111】
その後、ステップS10において、フォーク部材61を収縮し、続いて、ステップS11において、鉛直移動用モータ831a、水平移動用モータ832aを駆動して係止解除部材6を所定のホームポジションに帰還させ、その後、処理をステップS1に復帰させる。
【0112】
なお、上記実施形態では、1つの棚部材4には、第1物品展示具20或いは第2物品展示具30のいずれか一種類のみを装着する形態について説明したが、これ以外にも、例えば、図13に示すように、一つの棚部材4に、第1物品展示具20及び第2物品展示具30の両者を装着するような形態で使用することも可能である。
【0113】
また、上記実施形態では、ボールチェーンや紐などの環状部材で本体部分(ぬいぐるみや人形の部分)が懸吊される小型景品G1を第1物品展示具20で懸吊する場合、上記環状部材をフック部22bに引っ掛ける態様で小型景品G1を懸吊する形態(図6参照)について説明したが、この形態では、上記環状部材が長い場合に、フック部材22と小型景品G1の本体部分の間に無駄なスペースL1(図6参照)が生じてしまい、上下方向Yにおける棚部材4の取付数が少なくなってしまうなどの不都合が生じる。
【0114】
そこで、上述のような不都合を解消するためのフック部材22の構成及び当該フック部材22に対する小型景品G1の特殊取付の態様について図14を用いて説明する。
【0115】
図14(a)は、上述のフック部材22の側面視を示す説明図であり、図14(b)は、上述のフック部材22の背面を上方から見た斜視を示す説明図であり、図14(c)〜(e)は、フック部材22に対する小型景品G1の特殊取付の一態様、及び、当該小型景品G1の係止解除の一態様を示す説明図である。
【0116】
上述の図4に示したフック部材22は、図14(a)、(b)などに良く示されているように、当該フック部材22の底部に、小型景品G1の本体部分(ぬいぐるみや人形の部分)を懸吊するボールチェーンBCや紐などの環状部材を係合する浅めの溝が形成された係合溝201を備えるとともに、その係合溝201に係合された上記環状部材を本体壁部22aの背面側から正面側に案内係合する案内係合面202とを更に備えている。これにより、図14(c)に示される態様で小型景品G1がフック部材22に懸吊される。なお、図14(c)の懸吊態様においては、ボールチェーンBCを係合溝201と案内係合面202に係合させる際に、本体壁部22aの背面側に配置される中央板部材203の左右いずれか一方の側においてボールチェーンBCと案内係合面202の間に連索部材23が配置される態様で係合させる。これにより、連索部材23が小型景品G1の落下を妨げずに済む。
【0117】
そして、上記図14(c)の状態で、遊技者により移動操作される係止解除部材6の下降動作により係止部材21によるボールチェーン22dの係止が解除された場合には、上記図14(a)の態様で懸吊された小型景品G1の重量によってフック部材22が連索部材23との連結部分を軸として、ターゲット部材22cが前方下方に倒れるように回転し、ターゲット部材22cが下方に配置され、底部が上方に配置される態様となることによって、まず、図14(d)に示されるように、係合溝201とボールチェーンBCの係合が解除され、続いて、図14(e)に示されるように、案内係合面202とボールチェーンBCの係合が解除されてボールチェーンBCのリング内からフック部材22に設けられたボールチェーン22dが抜けて小型景品G1が落下する。
【0118】
即ち、上記形態によれば、割りと長めのボールチェーンや紐などの環状部材で懸吊される小型景品G1を第1物品展示具20で懸吊する場合においても、環状部材をフック部材22の背面側に回し込むことによって、フック部材22と小型景品G1の本体部分(ぬいぐるみや人形の部分)との間のスペースを少なくすることができ、これにより、上下方向Yにおける棚部材4の取付数を増加させることができる。
【0119】
以下、上記実施形態の各種変形形態について説明する。
【0120】
上記実施形態の第1物品展示具20では、ボールチェーン22dを傾斜保持部材216で傾斜状態に保持することで、フック部22bに懸吊された小型景品G1の回転を抑止す場合について説明したが、この実施形態では、景品を適切と思う方向に向けて懸吊した状態を保ったまま、ボールチェーン22dを傾斜させてこれを傾斜保持部材216によって保持する作業が必要であるが、ボールチェーン22dを傾斜させ、或いは、これを傾斜保持部材216によって保持している途中で景品の向きが変わってしまう場合もあり、人によってはこの作業を面倒と感じる場合もある。
【0121】
そこで、上記の作業を一層容易化するために、第1物品展示具20の変形形態である第1物品展示具20Aを替わりに利用することもできる。
【0122】
図15(a)は、当該第1物品展示具20Aの側面視を示す説明図である。
【0123】
図示されるように、この第1物品展示具20Aでは、上述の係止部材21と同一構成の係止部材21と、上述のフック部材22に、ボールチェーン22dの一端を回動自在に支持する第1支持部材22eと、後述の連索部材23Aの一端に一体的に形成された筒状の回動部材23aを螺子状の回動軸S3を介して回動自在に支持する第2支持部材22fとを新たに追加したフック部材22Aと、上記回動部材23aが一端側に一体的に形成されるとともに、他端側が上記係止部材21Aの係合片214に固定される連索部材23Aとから構成される。
【0124】
即ち、この変形形態の第1物品展示具20Aを採用すれば、小型景品G1を係止部材21から吊り下げた状態のまま、或いは、更に傾斜保持部材216でボールチェーン22dを傾斜保持した状態のまま小型景品G1の方向を調節することができ、アイキャッチの良い方向で景品を懸吊するための作業を極めて簡単に行うことが可能になる。
【0125】
なお、本変形形態に係る第1物品展示具20Aにおいては、螺子状の回動軸S3の締め具合を調節することにより、回動部材23aの回動をし易くしたり、逆に回動しづらくすることが可能である。従って、回動部材23aの回動をある程度渋くすることにより、小型景品G1を正面に向けるようにフック部22bを回動させた後に、係止解除部材6との接触等で何らかの力が働いた場合にフック部22bが回転して小型景品G1が横を向いてしまうなどを防止することが可能である。
【0126】
また、上記変形形態以外にも、上述の第1物品展示具20において、フック部材22に固定されていたボールチェーン22dの一端を、当該ボールチェーン22dが軸回転できるように取り付ける形態としても良いし、また、上記回動にある程度の負荷を必要とするような形態としても良い。このような構成によれば、上述した変形形態と同様の効果を達成できる。
【0127】
また、第2物品展示具30においても、中型景品G2の態様に関係無く、中型景品G2を簡単に正面に向けることが可能な機構を追加的に備えることも可能である。このような構成によれば、第2物品展示具30においても、上述した変形形態と同様の効果を達成できる。
【0128】
また、上記実施形態の第1物品展示具20におけるフック部材22では、ジョイントやコネクタなどと呼ばれる連結部材によりリング状にされたボールチェーンで吊り下げられる態様の小型景品G1を懸吊した場合に、当該リングチェーンの連結部材の部分で小型景品G1をフック部22bに係合すると、連結部材の幅よりフック部材の幅が狭いなどの理由から連結部材におけるボールの連結が解除され、それにより、小型景品G1が落下してしまうなどの不都合が発生する可能性がある。
【0129】
そこで、上述のような不都合を解消するために、第1物品展示具20のフック部材22の変形形態であるフック部材22Bを替わりに利用することもできる。
【0130】
図15(b)は、当該フック部材22Bの上方斜視を示す説明図である。
【0131】
図示されるように、このフック部材22Bは、上述のフック部材22に、小型景品G1のボールチェーンが連結部材の部分で係合した場合の当該連結部材における連結解除を阻止するための台座22gを新たに追加した構成となっており、その他の構成は、フック部材22と同様なものである。より具体的には、台座22gは、連結部材の幅と同じか或いはそれ以上の幅Wを有する態様で形成されている。
【0132】
即ち、この変形形態のフック部材22Bを採用すれば、連結部材におけるボールの連結が解除されることを未然に防ぐことができるので、従来のように、連結部材におけるボールの連結が解除されて景品払出口11に落下した小型景品G1が遊技をしない遊技者などの第三者に持っていかれることによる施設側の損失を防ぐことが可能となるとともに、上述のような連結部材の解除により小型景品G1が景品払出口11に落下しているか否かなどのスタッフによる確認作業を無くすことができるので、スタッフの負担を軽減することも可能である。
【0133】
また、上記図4及び図15に示した実施形態に係るフック部材22、22A、22Bでは、小型景品G1に取り付けられたボールチェーン、リング、紐等、或いは、包装台紙などに形成された孔などをフック部材22に係合させる態様で小型景品G1を懸吊する形態が一般的である場合について説明したが、この形態では、例えば、径の大きいリングが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合には、径の大きいリングをフック部22bに引っ掛けるとリングの大部分(例えば、約3/4)が下方に露出してしまい、フック部22b或いは台座22gを軸に前後に揺動し易くなって安定しないなどの不都合が生じる。また、上述のようにリングの大部分が露出することで、その露出した部分を遊技者によりターゲットとして直接狙われてしまうことにより物品取得ゲーム機の設置者、運営者の意図を越えて景品取得が容易になるなどの不都合を生じる。
【0134】
そこで、上述のような不都合を解消するために、上記フック部材22、22A及び22Bの変形形態であるフック部材22Cを替わりに利用することもできる。
【0135】
図16(a)は、当該フック部材22Cの上方斜視を示す説明図である。
【0136】
図示されるように、このフック部材22Cは、上述のフック部材22Bに、小型景品G1のリングRの大部分を本体壁部22aの前方面に当接させる態様で係合する先端が鉤状に折り曲げられた形状の係合突起部22hを新たに追加した構成となっており、その他の構成は、フック部材22Bと同様なものである。
【0137】
即ち、この変形形態のフック部材22Cを採用すれば、例えば、径の大きいリングRが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合において、リングRを係合突起部22hに係合させる態様で小型景品G1を懸吊させることにより、リングRの大部分(例えば、約3/4)が本体壁部22aの前方面に当接し、リングRが前後方向に揺動し難くなるため、小型景品G1の安定性を高めることができる。また、フック部22bより下方に露出するリングRの露出部分が少なくなることで、遊技者により上記露出部分をターゲットとして狙われることを防ぐことができるため、物品取得ゲーム機の設置者、運営者の意図を越えて景品取得が容易になってしまうなどの不都合を未然に防ぐことができる。
【0138】
なお、上述したフック部材22Cによれば、ボールチェーン、紐などが取り付けられた小型景品G1を懸吊させる場合においても、上述したのと同様の効果を得ることができる。
【0139】
また、上述した種々のフック部材22、22A、22B及び22C以外にも、例えば、上述の本体壁部22a及びフック部22b及びターゲット部材22cなどの部材を必要最低限備え、各フック部材22、22A、22B及び22Cにおける種々の構成要素のいずれかを組み合わせた態様のフック部材を利用することも可能である。
【0140】
また、上記実施形態の第2物品展示具30、30Aでは、係止解除部材6により駆動部材33が牽引された場合に、懸吊解除部材36が回動軸S1の周りに回動することにより懸吊体35が前方側に牽引されて支持孔42bから抜け落ちる形態について説明したが、これ以外にも、例えば、図17〜20に示す他の変形形態に係る第2物品展示具30B〜30Eを採用することも可能である。
【0141】
図17(a)に示される第2物品展示具30Bは、係合爪111aなどにより棚部材4に取り付けられる本体部111と、第2物品展示具30と同様の係止部材112と、係止解除部材6などによる牽引を受ける駆動部材113と、景品を懸吊するための懸吊部材114を主体に構成されている。
【0142】
上記駆動部材113は、係止部材112に係止されるボールチェーンなどよりなる長尺部材113a及びその下端に取り付けられたターゲット部材113bを有している。
【0143】
また、第2物品展示具30Bの懸吊部材114は、上方の所定部位を本体部111に設けられた回動軸S4に回動自在に取り付けられ、中間位置に係合片116aを有する懸吊解除部材116と、一端を係合片116aにより支持され、他端を棚部材4に設けられた回動軸S5により回動自在に支持される懸吊体115から構成されており、懸吊解除部材116の下端は、案内ローラR1に案内されるロープ116bによりターゲット部材113bと連結されている。
【0144】
上記物品展示部30Bの懸吊部材114は、懸吊体115が係合片116aにより支持されている間は懸吊体115が概略水平である第1状態にあり、景品を懸吊展示することが可能である。そして、遊技者により操作される係止解除部材6によるターゲット部材113bへの牽引などによって係止部材112での長尺部材113aの係止が解除されてターゲット部材113bが落下した場合には、ロープ116bに引かれて懸吊解除部材116が前方に向けて回動し、懸吊体115は係合片116aの支持を失って回動軸S5の周りで下方に回転する。これにより懸吊部材114は景品を懸吊不能な第2状態となり、懸吊部材114に懸吊されていた景品は落下して景品払出口11に払い出される。
【0145】
図17(b)に示される第2物品展示具30Cは、係合爪121aなどにより棚部材4に取り付けられる本体部121と、第2物品展示具30と同様の係止部材122と、係止解除部材6による牽引を受ける駆動部材123と、景品を懸吊するための懸吊部材124を主体に構成され、第2物品展示具30の懸吊解除部材36やトリガ部材33cなどは省略されている。
【0146】
上記駆動部材123は、係止部材122に係止されるボールチェーンなどよりなる長尺部材123a及びその下端に取り付けられたターゲット部材123bを有しており、棒状の部材である懸吊部材124は、その一端が本体部121の支持底面121bに支持され、他端は棚部材4の支持孔42bに所定長Lだけ挿通されて支持されている。また、懸吊部材124の一端には、長尺部材123aが直接取り付けられている。
【0147】
上記物品展示部30Cの懸吊部材124は、懸吊部材124が支持孔42bに挿通支持されている間は概略水平の第1状態にあり、景品を懸吊展示することが可能である。そして、遊技者により操作される係止解除部材6などによってターゲット部材123bが下方に牽引されると、長尺部材123aに引かれて懸吊部材124は図面左方に移動することになる。そして、懸吊部材124が所定長L以上移動すると、懸吊部材124は支持孔42bによる支持を失って落下し、景品を懸吊不能な第2状態となり、懸吊部材124に懸吊されていた景品は落下して景品払出口11に払い出される。
【0148】
図18は、更に他の実施形態に係る第2物品展示具30Dを示す説明図であり、図18(a)には第2物品展示具30Dの斜視図が示され、図18(b)にはそのカバー137を取り去った状態が示されている。
【0149】
図示されるように、第2物品展示具30Dは、本体部131、係止部材132、駆動部材133、懸吊部材134及びカバー137を主体に構成されている。
【0150】
本体部131は、基部131aと、基部131aの後方に設けられ、棚部材4又は取付壁5に第2物品展示具30Dを固定し、或いは更にカバー137を嵌合保持するための係止片131bと、基部131aから前方に張り出した腕部131cと、腕部131c前端に設けられた円弧状の案内面131dを有し、案内面131dの後部には、長尺部材133aは挿通できるが懸吊解除部材136は通過できない通孔131eが設けられている。
【0151】
上記案内面131dの前端には、互い違いの位置に前後して立設された2本の突起片132a、132bからなる係止部材132が形成されており、所定の係止力(摩擦力)をもって長尺部材133aを係止することが可能となっている。
【0152】
駆動部材133は、長尺部材133a及びその一端に取り付けられたターゲット部材133bから構成され、長尺部材133aの中間の適宜の部位は係止部材132により係止され、その他端側は、案内面131d及び通孔131eを経て懸吊部材134に導かれている。また、長尺部材133aは、通孔131eと懸吊部材134の間である程度のたわみを持たされている。
【0153】
懸吊部材134は、前方に向かって下降するように基部131aに取り付けられた棒状の懸吊体135と、懸吊体135に係合固定される懸吊解除部材136から構成されている。
【0154】
図18(c)及び(d)は、それぞれ、懸吊体135及び懸吊解除部材136を拡大して示す説明図である。
【0155】
図示のように、懸吊体135は、その中間位置に刻設された溝部135aと当該溝部135aから起立する突起135bを有している。一方、懸吊解除部材136は、円盤体136aと円盤体136aを貫通するように取り付けられた係合体136bから構成されている。係合体136bは、円盤体136aを挟んだ一方側に、U字状の切欠136c及び凹陥136dが形成されており、切欠136c及び凹陥136dをそれぞれ溝部135a及び突起135bに係合させることにより、懸吊解除部材136は懸吊体135に取り付けられる。また、懸吊解除部材136の円盤体136aを挟んだ他方側には開口136eが形成され、当該開口136eには、長尺部材133aの一端が結わえ付けられる。
【0156】
上記第2物品展示具30Dでは、懸吊解除部材136が懸吊体135に係合した第1状態(図18(a)、(b))では、懸吊体135に懸吊された景品の滑りを懸吊解除部材136により停止させることができるため、景品を懸吊展示することが可能である。
【0157】
一方、係止解除部材6などによりターゲット部材133bが下方に牽引されると、ターゲット部材133bは、係止部材132の係止力に抗して下降し、それにつれて長尺部材133aのたわみは少なくなっていく。そして、たわみが無くなった状態から更にターゲット部材133bが下方に牽引されると、溝部135aと切欠136c及び/又は突起135bと凹陥136dの係合が外れ、懸吊解除部材136は懸吊体135から引き抜かれることになる。これにより懸吊部材134は、景品を懸吊不能な第2状態(図18(e))となり、懸吊体135に懸吊されていた景品は、懸吊体135の傾斜で滑り落ちて景品払出口11に払い出される。
【0158】
第2物品展示具30Dでは、係止部材132と懸吊部材134が別個の部材とされているために、より大きい重量及び/又はより大きいサイズの景品を懸吊展示できるなど、第2物品展示具30と同様の効果が達成できる。
【0159】
加えて、第2物品展示具30Dでは、通孔131eと懸吊部材134の間での長尺部材133aのたわみ量を調整することで景品取得の難易度を容易に調整可能であり、遊技者は、たわみ量から景品取得の難易度を容易に知ることができる。
【0160】
更に、図18(e)のように懸吊部材134が第2状態に移行した場合でも懸吊解除部材136が通孔131eを通過できない構成であるため、景品の落下に伴って駆動部材133や懸吊解除部材136などが一緒に落下して紛失等する不都合も防止することが可能である。
【0161】
なお、第2物品展示具30Dでは、可撓性を有する長尺紐状の任意の部材を長尺部材131aに使用することができる。また、第2物品展示具30、30A〜30Cと同様に、長尺部材としてボールチェーンや外周からの締付力により縮径可能な紐状の部材が使用することができる。
【0162】
図19は、更に他の実施形態に係る第2物品展示具30Eを示す説明図であり、図19(a)には、第2物品展示具30Eの斜視図が示され、図19(b)にはそのカバー147を取り去った状態が示されている。
【0163】
図示されるように、第2物品展示具30Eは、本体部141、係止部材142、駆動部材143、懸吊部材144及びカバー147を主体に構成されている。
【0164】
本体部141は、基部141aと、基部141aの後方に設けられ、棚部材4又は取付壁5に第2物品展示具30Eを固定し、或いは更にカバー147を嵌合保持するための係止片141bと、基部141aから前方に張り出した腕部141cと、腕部141c前端に突設された回動軸141dを有している。
【0165】
懸吊部材144は、前方に向かって下降するように基部141aに取り付けられた棒状の懸吊体145と、懸吊体145に係合固定される懸吊解除部材146から構成されている。
【0166】
図19(c)及び(d)は、それぞれ、懸吊体145及び懸吊解除部材146を拡大して示す説明図である。
【0167】
図示のように、懸吊体145は、その前端付近の左右両面に溝部145aが刻設されている。一方、懸吊解除部材146は、懸吊体145を収容できる空間146bが形成された中空の胴部146aを有し、胴部146aの左右内面には溝部145aに勘合する突起146cが形成されており、懸吊体145を胴部146aに収容して突起146cを溝部145aに係合させることにより、懸吊解除部材146は懸吊体145に取り付けられる。
【0168】
また、懸吊解除部材146は、前後方向の中間位置で、本体部141の回動軸141dに回動自在に支持されており、当該回動軸141dよりも前側には、係止部材142が取り付けられた前腕部146dが延びている。
【0169】
駆動部材143は、所定径を有する長尺部材143aと、長尺部材143aと概略同径の孔を有するターゲット部材143bから構成されており、長尺部材143aは所定の摩擦力をもってターゲット部材143bの孔に挿通され、ターゲット部材143bは、その摩擦力により長尺部材143aの中間の適宜の位置に停止している。また、長尺部材143aには、その上下端にストッパー143c、143dが取り付けられており、長尺部材143aは挿通させるがストッパー143cは通過させないサイズ及び/又は形状の孔が形成れた係止部材142により長尺部材143aの上端が係止されている。
【0170】
上記第2物品展示具30Eでは、懸吊解除部材146が懸吊体145に係合した第1状態(図19(a)、(b))では、懸吊体145に懸吊された景品の滑りを懸吊解除部材146により停止させることができるため、景品を懸吊展示することが可能である。
【0171】
一方、係止解除部材6などによりターゲット部材143bが下方に牽引されると、ターゲット部材143bは、長尺部材143aとの摩擦力に抗して下降し、やがてはターゲット部材143bは長尺部材143a下端のストッパー143dに当接する。そして、その状態から更にターゲット部材143bが下方に牽引されると、その牽引力が長尺部材143aを介して前腕部146dに伝達され、懸吊解除部材146はその牽引力により回動軸141dの周りで回転して懸吊体145との係合が外れる。これにより懸吊部材144は第2状態に移行し、懸吊体145に懸吊されていた景品は、懸吊体145の傾斜で滑り落ちて景品払出口11に払い出される。
【0172】
第2物品展示具30Eでは、係止部材142と懸吊部材144が別個の部材とされているために、より大きい重量及び/又はより大きいサイズの景品を懸吊展示できるなど、第2物品展示具30と同様の効果が達成できる。
【0173】
また、第2物品展示具30Eでは、長尺部材143a上におけるターゲット部材143bの停止位置即ち、ターゲット部材143bからストッパー143cまでの距離を調整することで景品取得の難易度を容易に調整可能であり、遊技者は、上記停止位置から景品取得の難易度を容易に知ることができる。
【0174】
更に、図19(e)のように懸吊部材144が第2状態に移行した場合でも、懸吊解除部材146は回動軸141dに軸支されたままであり、景品の落下に伴って第2物品展示具30Eを構成する部品が一緒に落下して紛失等する不都合も防止することが可能である。
【0175】
なお、第2物品展示具30Eの長尺部材143aには、ボールチェーンや外周からの締付力により縮径可能な紐状の部材だけでなく、可撓性を有する長尺紐状の任意の部材を使用することが可能であり、更には、可撓性を有しない(剛直性の)長尺の棒状部材を使用することも可能である。
【0176】
図20は、更に他の実施形態に係る第2物品展示具30Fを示す説明図であり、図20(a)にはその斜視図が、図20(b)には一部切欠側面図が示されている。
【0177】
図示されるように、第2物品展示具30Fは、本体部151、係止部材152、駆動部材153及び懸吊部材154を主体に構成されている。
【0178】
本体部151は、箱状体151aと、箱状体151aから前上方に張り出した腕部151bを有し、腕部151bの先端には、円柱状の係止部材152が取り付けられている。
【0179】
駆動部材153は、可撓性の長尺部材153aと、長尺部材153aの一端に取り付けられたターゲット部材153bと、他端に取り付けられたトリガ部材153cから構成されており、係止部材152は長尺部材153aとの摩擦により長尺部材153aを係止している。
【0180】
懸吊部材154は、側面視Z状に形成された弾性体よりなる板部材であり、その前上端には長尺部材153aは挿通できるがトリガ部材153cは通過できないサイズの孔154aが形成され、その第1屈曲部154bは本体部151に設けられた回動軸151cに回動自在に軸支され、その後下端には、本体部151に形成された開口151dに挿通して係合する係合爪154dが形成されている。
【0181】
上記第2物品展示具30Fでは、懸吊部材154の係合爪154dが開口151dに係合した第1状態では、懸吊部材154の第2屈曲部154cと係合爪154dの間の部分で景品を懸吊することが可能である。
【0182】
一方、係止解除部材6などによりターゲット部材153bが下方に牽引されると、ターゲット部材153bは、係止部材152と長尺部材153aの摩擦力に抗して下降し、やがてはトリガ部材153cが懸吊部材154の孔154aに当接する。そして、その状態から更にターゲット部材153bが下方に牽引されると、その牽引力が懸吊部材154に作用し、一定以上の懸吊力が作用すると、係合爪154dの係合が外れる。これにより懸吊部材は回動軸151cの周りで上方に回転した第2状態(図20(c))に移行し、懸吊部材154に懸吊されていた景品は落下して景品払出口11に払い出される。
【0183】
第2物品展示具30Fでは、係止部材152と懸吊部材154が別個の部材とされているために、より大きい重量及び/又はより大きいサイズの景品を懸吊展示できるなど、第2物品展示具30と同様の効果が達成できる。
【0184】
加えて、第2物品展示具30Fでは、孔154aからトリガ部材153cの距離を調整することで景品取得の難易度を容易に調整可能であり、遊技者は、その距離から景品取得の難易度を容易に知ることができる。
【0185】
更に、図20(c)のように懸吊部材154が第2状態に移行した場合でも、懸吊部材154は回動軸151cに軸支されたままであり、景品の落下に伴って第2物品展示具30Fを構成する部品が一緒に落下して紛失等する不都合も防止することが可能である。
【0186】
なお、第2物品展示具30Fの長尺部材153aには、ボールチェーンや外周からの締付力により縮径可能な紐状の部材の他、可撓性を有する長尺紐状の任意の部材を使用することができる。
【0187】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
【0188】
例えば、上記種々の実施形態及び変形形態において相互に対応する部品又は要素は、動作に支障を来さない範囲で交互に交換することが可能である。例えば、第2物品展示具30D〜30Fにおける係止部材132、142、152に代えて第2物品展示具30、30A〜30cにおける係止部材32、112を使用することも可能である。
【0189】
また、上記実施形態では、棚部材4と第2物品展示具30、30A〜Fが別部材であり、第2物品展示具30、30A〜Fが棚部材4又は取付壁5に取付可能とされた場合を例として説明したが、棚部材4と第2物品展示具30、30A〜Fを一体に構成することも可能である。
【0190】
その他、上記実施形態における物品取得ゲーム機1や棚部材4、物品展示具20、20A、30、30A〜30F等の形状、寸法、材質、物品取得ゲーム機1或いはその構成部材の動作態様などは単なる例として記載したものであり、これらは特許請求の範囲の記載内において任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0191】
1・・・物品取得ゲーム機、2・・・ゲーム機本体部、3・・・景品室、4・・・棚部材、41・・・第1装着部、42・・・第2装着部、43・・・係合片、5・・・取付壁、6・・・係止解除部材、7・・・景品落下口、8・・・照明装置、9・・・操作パネル、10・・・硬貨投入口、11・・・景品払出口、12・・・スピーカ、13・・・収容扉、20、20A・・・第1物品展示具、21、21A・・・係止部材、21a、21b・・・挟持片、216・・・傾斜保持部材、H1・・・係止孔、21c・・・付勢部材、22、22A、22B・・・フック部材、22a・・・本体壁部、22b・・・フック部、22c・・・ターゲット部材、22d・・・ボールチェーン、22g・・・台座、23、23A・・・連索部材、30、30A〜30F・・・第2物品展示具、31・・・本体部、32・・・係止部材、33・・・駆動部材、33a・・・長尺部材、33b・・・ターゲット部材、33c・・・トリガ部材、34・・・懸吊部材、35・・・懸吊体、36・・・懸吊解除部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺部材の一端に取り付けられたターゲット部材と、
前記長尺部材を係止する係止部材と、
物品を懸吊可能な第1状態から物品を懸吊不能な第2状態への移行が可能な懸吊部材とを備え、
前記ターゲット部材が所定の方向に牽引されたときに、前記懸吊部材が前記第1状態から前記第2状態に移行し、前記懸吊部材に懸吊された物品が落下する物品展示具であって、
前記懸吊部材の前記第1状態から前記第2状態への移行を阻止する付勢力を作用させる第1付勢手段を更に備えることを特徴とする物品展示具。
【請求項2】
前記係止部材が、
相互に離間した開状態と、相互に当接又は近接した閉状態との間での移行が可能な1対の挟持片と、
前記挟持片を前記閉状態に付勢する第2付勢手段とを有し、
前記挟持片は、前記閉状態のときに前記1対の挟持片の間に所定サイズの前記長尺部材を係止可能な係止孔を形成する切欠を有し、
前記挟持片を相互に離間させる方向への外力が加わった際に、前記挟持片が離間して前記係止孔のサイズが拡大するように構成され、
前記長尺部材に牽引力が加えられた場合には、前記挟持片が相互に離間して前記係止孔のサイズが拡大し、前記長尺部材の牽引が可能となることを特徴とする請求項1に記載の物品展示具。
【請求項3】
前記懸吊部材を支持する支持部材を更に備え、
前記ターゲット部材が牽引されたときに、前記懸吊部材が前記支持部材による支持を失うことで前記懸吊部材が前記第1状態から前記第2状態に移行すること特徴とする請求項1又は2に記載の物品展示具。
【請求項4】
前記長尺部材の他端に取り付けられたトリガ部材を更に備え、
前記懸吊部材が、前記支持部材により支持される懸吊体と、前記トリガ部材を通過させないサイズ及び/又は形状を有する挿通孔であって、前記長尺部材の前記他端を所定長挿通させた挿通孔が形成された懸吊解除部材とから構成され、
前記トリガ部材が前記挿通孔に当接して前記懸吊解除部材を所定方向に移動させることにより、前記懸吊体が前記支持部材による支持を失って、前記懸吊部材が前記第1状態から前記第2状態に移行することを特徴とする請求項3に記載の物品展示具。
【請求項5】
前記長尺部材における前記係止部材による係止位置から前記挿通孔への挿通位置に至る部分が視認可能とされていることを特徴とする請求項4に記載の物品展示具。
【請求項6】
長尺部材の一端に取り付けられたターゲット部材と、
前記長尺部材を係止する係止部材と、
物品を懸吊可能な第1状態から物品を懸吊不能な第2状態への移行が可能な懸吊部材とを備え、
前記ターゲット部材が所定の方向に牽引されたときに、前記懸吊部材が前記第1状態から前記第2状態に移行し、前記懸吊部材に懸吊された物品が落下する物品展示具であって、
前記懸吊部材の前記第1状態から前記第2状態への移行を阻止する付勢力を作用させる第1付勢手段を更に備える物品展示具と、
前記ターゲットに対して牽引力を作用させることが可能な係止解除部材とを有することを特徴とする物品取得ゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−187713(P2010−187713A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32013(P2009−32013)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)