説明

物品管理装置及び管理ホルダ

【課題】表示部による表示対象をより正確に把握できるようにすること。
【解決手段】物品管理装置は、物品を保持する管理ホルダ70と、前記管理ホルダ70を挿脱可能なホルダ収納部42と、ホルダ収納部42に挿入された前記管理ホルダ70をロック可能なホルダロック部60とを有する管理装置本体とを備える。前記ホルダ収納部42に、発光部53A、53Bが設けられると共に、前記管理ホルダ70に、管理ホルダ70が前記ホルダ収納部42に挿入された状態で、前記発光部53Aからの光を外部から視認可能な位置に導く導光路(例えば、導光部材90)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鍵等の物品を保管及び管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鍵を保管及び管理する技術として、特許文献1に開示のものがある。
【0003】
特許文献1では、鍵が取付けられた鍵管理部材と、鍵管理部材が挿入される鍵管理部材挿入部とを備えている。鍵管理機本体には、複数の鍵管理部材挿入部が設けられ、各鍵管理部材挿入部の錠部に鍵管理部材の挿入状態を表示する鍵使用状態表示部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−167146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、鍵管理部材挿入部がある程度狭い間隔で並んでいるため、鍵使用状態表示部と鍵管理部材挿入部との対応関係を把握し難い。
【0006】
そこで、本発明は、表示部による表示対象をより正確に把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る物品管理装置は、物品を保持する管理ホルダと、前記管理ホルダを挿脱可能なホルダ収納部と、前記ホルダ収納部に挿入された前記管理ホルダをロック可能なホルダロック部とを有する管理装置本体とを備え、前記ホルダ収納部に、発光部が設けられると共に、前記管理ホルダに、前記管理ホルダが前記ホルダ収納部に挿入された状態で、前記発光部からの光を外部から視認可能な位置に導く導光路が設けられた。
【0008】
第2の態様は、第1の態様に係る物品管理装置であって、前記導光路は、前記管理ホルダに組込まれ、前記発光部の光を内部反射させつつ外部から視認可能な位置に導く導光部材によって形成されている。
【0009】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る物品管理装置であって、前記導光路は、前記発光部からの光を外部から視認可能な複数の位置に導く。
【0010】
また、上記課題を解決するため、第4の態様に係る管理ホルダは、物品を保持した状態で、ホルダ収納部に挿脱可能な管理ホルダであって、前記ホルダ収納部に挿入された状態で、前記ホルダ収納部に設けられた発光部からの光を外部から視認可能な位置に導く導光路が設けられている。
【発明の効果】
【0011】
第1の態様に係る物品管理装置によると、ホルダ収納部に設けられた発光部からの光は、管理ホルダの導光路を通って外部から視認可能な位置に導かれる。これにより、管理ホルダ自体が発光表示するため、表示部による表示対象をより正確に把握できる。
【0012】
第2の態様によると、発光部からより多くの光を導いて、明るく発光表示させることができる。
【0013】
第3の態様によると、複数位置で発光表示されるため、発光表示をより認識し易い。
【0014】
第4の態様に管理ホルダによると、前記ホルダ収納部に挿入された状態で、前記ホルダ収納部に設けられた発光部からの光を外部から視認可能な位置に導く導光路が設けられているため、管理ホルダ自体が発光表示することになり、表示部による表示対象をより正確に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係る鍵管理装置を示す正面図である。
【図2】鍵管理装置を示す平面図である。
【図3】実施形態に係る鍵管理装置を示す正面図である。
【図4】ホルダセット部及び管理ホルダを示す側面図である。
【図5】管理ホルダを示す側面図である。
【図6】管理ホルダを示す平面図である。
【図7】管理ホルダを示す背面図である。
【図8】管理ホルダの分解側面図である。
【図9】ホルダ分割部材の組合わせによる凹凸部の形成例を示す図である。
【図10】ホルダ分割部材の組合わせによる凹凸部の形成例を示す図である。
【図11】ホルダセット部の内部構造を示す断面図である。
【図12】図11のXII−XII線における部分断面図である。
【図13】ホルダセット部における挿入規制部46を示す分解斜視図である。
【図14】ホルダセット部に管理ホルダを挿入した状態を示す説明図である。
【図15】鍵管理装置の制御構造を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1及び図3は実施形態に係る鍵管理装置20を示す正面図であり、図2は鍵管理装置20を示す平面図である。図1は扉28を閉じた状態を示し、図3は扉28を開いた状態を示している。なお、本実施形態では、物品管理装置が鍵を管理する鍵管理装置20である例で説明するが、その他のカード等の貴重品を管理する場合にも適用可能である。
【0017】
鍵管理装置20は、管理装置本体22と、管理ホルダ70とを備えており、物品としての鍵10を保持した管理ホルダ70が管理装置本体22に挿脱可能に装着されることで、当該鍵10が保管及び管理されるようになっている。
【0018】
すなわち、管理装置本体22は、筺状の本体24と、扉28と、複数のホルダセット部40とを備えている。
【0019】
本体24の正面の一部である上部には操作パネル26が設けられ、本体24の正面の一部である高さ方向中間部及び下部には鍵10等を保管するための保管スペース27が設けられている。
【0020】
操作パネル26には、カードリーダ部26a、入力キー26b、表示部26cが設けられている。カードリーダ部26aは、かざされたカードの情報を読取り可能な装置である。カードリーダ部26aとしては、磁気方式、光学方式、無線方式等の各種方式によってカードの情報を読取る装置が想定され、従って、読取り可能なカードとしては、磁気カード、ICカード等が想定される。入力キー26bは、いわゆるテンキー等であり、暗証番号等を受付けることができる。表示部26cは、液晶表示パネル等によって構成され、本管理装置本体22の諸状態を表示するために用いられる。
【0021】
保管スペース27内には、ホルダセット部40が複数設けられている。ここでは、複数のホルダセット部40が上下2列設けられている。各列では、複数のホルダセット部40は隣設した状態で横方向に並ぶように設けられている。そして、それぞれのホルダセット部40に対して管理ホルダ70が挿脱可能にセットされるようになっている。
【0022】
扉28は、上記管理装置本体22にヒンジを介して連結されており、保管スペース27の前方開口を開閉可能に閉塞するように設けられている。
【0023】
なお、扉28は、管理装置本体22に組込まれた扉ロック部29によって、閉状態にロックされ、或は、開可能な状態にロック解除される。
【0024】
図4は、ホルダセット部40及び管理ホルダ70を示す側面図である。
【0025】
管理ホルダ70は、物品の一例である鍵10を保持可能に構成されている。ホルダセット部40は、ホルダ収納部42と、ホルダロック部60とを備えている。ホルダ収納部42には、管理ホルダ70を挿脱可能なホルダ挿入凹部43が形成されており、前記管理ホルダ70を挿脱可能に構成されている。また、ホルダロック部60は、前記ホルダ収納部42に挿入された管理ホルダ70を、抜けないようにロック可能に構成されている。そして、鍵10が保持された管理ホルダ70が、ホルダ収納部42に挿入されてロックされることで、当該鍵10の個別管理がなされるようになっている。
【0026】
上記管理ホルダ70とホルダセット部40とは1対1で対応づけられている。管理ホルダ70は、対応するホルダセット部40に対しては奥まで挿入できるが、対応しないホルダセット部40に対しては奥まで挿入できないようになっている。ここでは、管理ホルダ70に、挿入規制用の凹凸部74が形成されると共に、ホルダ収納部42にも、ホルダ側の挿入規制用の凹凸部74に対応する形状の凹凸部47が形成されている。そして、この両凹凸部47、74の対応一致或は不一致によって、管理ホルダ70を、対応するホルダセット部40のみに対して奥まで挿入できるようになっている。
【0027】
以下、各部についてより具体的に説明する。
【0028】
ここでは、管理ホルダ70について説明してから、ホルダセット部40について説明する。
【0029】
図5は管理ホルダ70を示す側面図であり、図6は管理ホルダ70を示す平面図であり、図7は管理ホルダ70を示す背面図であり、図8は管理ホルダ70の分解側面図である。
【0030】
管理ホルダ70は、ホルダ本体部72と、カバー部材80と、導光部材90とを備えている。
【0031】
ホルダ本体部72は、ホルダ収納部42に挿入可能な板状に形成されている。
【0032】
ここでは、ホルダ本体部72は、長方形状の板形状に形成されており、ホルダ収納部42の両端部がホルダ収納部42に挿入可能な挿入端部73に形成されている。そして、両端側の挿入端部73の外周部に、ホルダ側挿入規制用の凹凸部74が形成されている。なお、ホルダ収納部42の一端部のみが挿入端部73に形成されていてもよい。
【0033】
このホルダ本体部72は、組合わせ部材として、その厚み方向に2分割されたホルダ分割部材74A、74Bを有している。なお、ホルダ分割部材74A、74Bは、凹凸部74を形成する部分を除いて、同形状に形成されていてもよいし、異なる形状に形成されていてもよい。
【0034】
ホルダ分割部材74A、74Bの一端部の一主面(突き合せ面とは反対側の外向き側面)には、凹凸部74を形成するための凹凸形状を付与するために、管理ホルダ70の挿入方向に沿って延びる溝74aが少なくとも1つ形成されている。そして、両ホルダ分割部材74A、74Bを組合わせた状態で、それぞれのホルダ分割部材74A、74Bの一端部の挿入端部73に形成された溝74aによって、当該一端部の挿入端部73の挿入規制用の凹凸部74が形成される。ここでは、一方側のホルダ分割部材74Aの一端部の一主面に、間隔を有して7つの溝74aが形成され、他方側のホルダ分割部材74Aの一端部の一主面に間隔を有して4つの溝74aが形成されている。そして、両ホルダ分割部材74A、74Bが合体されることにより、図9に示すように、それらの溝74aによって所定の凹凸形状を呈する凹凸部74が形成される。
【0035】
ホルダ分割部材74A、74Bの他端部の一主面(突き合せ面とは反対側の外向き面)にも、管理ホルダ70の挿入方向に沿って延びる溝74aが少なくとも1つ形成されている。そして、両ホルダ分割部材74A、74Bを組合わせた状態で、それぞれのホルダ分割部材74A、74Bの他端部の挿入端部73に形成された溝74aによって、当該他端部の挿入端部73の挿入規制用の凹凸部74が形成される。ここでは、一方側のホルダ分割部材74Aの他端部の一主面に、間隔を有して2つの溝74aが形成され、他方側のホルダ分割部材74Aの他端部の一主面に間隔を有して4つの溝74aが形成されている。そして、両ホルダ分割部材74A、74Bが合体されることにより、図10に示すように、それらの溝74aによって所定の凹凸形状を呈する凹凸部74が形成される。
【0036】
上記各挿入端部73の凹凸部74の凹凸形状は、組合わされるホルダ分割部材74A、74Bに形成された溝74aの位置、数等によって決定される。よって、ホルダ分割部材74A、74Bとして、溝74aの位置、数等が異なるものを複数種準備しておき、ホルダ分割部材74A、74Bの組合わせを変更することによって、挿入端部73の凹凸部74の形状を異ならせることができる。例えば、ホルダ分割部材74Aとして溝74aの位置、数等が異なるものをn種類、ホルダ分割部材74Bとして溝74aの位置、数等が異なるものをm種類製作しておけば、ホルダ分割部材74A、74Bの組合わせに応じて、挿入端部73の凹凸部74の形状を(n×m)種に異ならせることができる。勿論、溝74aの位置、形状だけではなく、その深さ等を変えてもよいし、また、他の突条部分を形成してもよい。
【0037】
また、管理ホルダ70の一側部(図5の上側の側部)には、ロック用凹部75が形成され、管理ホルダ70の他側部(図5の下側の側部)には位置決め凹部76が形成されている。本実施形態では、ロック用凹部75及び位置決め凹部76は、管理ホルダ70の両端に挿入端部73が設けられていることに対応して、それぞれ2つ設けられている。また、管理ホルダ70の両端縁部には、凹部77が形成されている。
【0038】
また、ホルダ分割部材74A、74Bの突き合せ面には、管理ホルダ70の挿入方向に沿って導光用溝部78が形成されている。ここでは、ホルダ分割部材74A、74Bの幅方向中央に、その長手方向に沿って延びる導光用溝部78が形成されている。
【0039】
また、上記ホルダ分割部材74A、74Bの突き合せ面には、位置決め凸部78a及び位置決め凹部78bが形成されている。そして、位置決め凸部78aが位置決め凹部78bに嵌め込まれることによって、両ホルダ分割部材74A、74Bが相互に位置決めされた状態で合体される。両ホルダ分割部材74A、74Bの合体状態は、接着剤、嵌合構造、ねじ止等の各種構成によって維持することができる。
【0040】
カバー部材80は、ホルダ本体部72のいずれか一方側の挿入端部73を覆う部材である。すなわち、カバー部材80には、挿入端部73を挿入可能な収容凹部82が形成されている。カバー部材80、いずれか一方側の挿入端部73を、ホルダセット部40に挿入不能な状態で覆う構成であればよい。
【0041】
ここでは、カバー部材80は、扁平な直方体形状に形成され、その一端部に開口する収容凹部82が形成されている。そして、収容凹部82にホルダ本体部72のいずれか一方側の挿入端部73が挿入された状態で、接着剤、嵌合構造、ねじ止等の各種構成によって挿入状態が維持される。また、カバー部材80のうち開口側端部とは異なる側の端部には、環部84が形成されており、環状ワイヤ等が本環部84及び鍵10の孔に通されることで、鍵10が管理ホルダ70に保持される。また、カバー部材80の開口側端部は、ホルダ本体部72の挿入方向に対して直交する方向から斜めに延びている。また、カバー部材80の外周部には、ホルダ本体部72の挿入方向に対して直交する方向に延びる滑り止め突条部86が形成されている。
【0042】
また、カバー部材80のうち開口側端部とは異なる側の端部には、導光用凹部88が形成されている。ここでは、導光用凹部88は、カバー部材80のうち開口側端部とは異なる側の端部の中央部から上記環部84とは反対側に延びる凹部として形成されている。また、この導光用凹部88の基端部は、上記収容凹部82と連通している。そして、次述する導光部材90が本導光用凹部88及び導光用溝部78内に収容される。
【0043】
導光部材90は、管理ホルダ70がホルダ挿入凹部43に挿入された状態で、後述する発光部53A、53Bからの光を、管理ホルダ70の外面であって外部から視認可能な位置に導くように構成されている。ここでは、導光部材90は、アクリル樹脂等の透明樹脂によって、L字状の部材に形成されており、光を内部反射によって外部から視認可能な位置に導く。導光部材90のうちの一端側の直線部分91は上記カバー部材80の導光用凹部88内に収容され、導光部材90のうち他端側の直線部分92は導光用凹部88から導光用溝部78を通って配設される。この状態では、一端側の直線部分91の外側側面91aは、管理ホルダ70のカバー部材80の外面側に露出している。また、当該一端側の直線部分91の外側側面91aは、他端側の直線部分92に対して離れる方向に外向き傾斜している。また、導光部材90の他端面は管理ホルダ70のいずれか一方側において露出する挿入端部73の端面に露出している。そして、管理ホルダ70において露出する挿入端部73に光が照射されると、その光は導光部材90の他端面から導光部材90内に入射し、導光部材90の他端側の直線部分92を通って導光部材90の一端側の直線部分91に案内される(図14参照)。この際、光は、主として導光部材90の他端側の直線部分92延長上に導かれると共に、前記外側側面91aで内部反射して前記直線部分91の端部にも導かれる。光は、これらの間にも案内される。これにより、これにより、前記外側側面91aが、その両端部を最も明るく光らせつつ、全体が光るようになっている。従って、管理ホルダ70を外部から見ると、その背面側部分が比較的広い範囲に亘って光るようになっている。
【0044】
次に、ホルダセット部40について説明する。図11はホルダセット部40の内部構造を示す断面図であり、図12は図11のXII−XII線における部分断面図であり、図13はホルダセット部40における挿入規制部46を示す分解斜視図であり、図14はホルダセット部40に管理ホルダ70を挿入した状態を示す説明図である。
【0045】
ホルダセット部40は、上記したようにホルダ収納部42と、ホルダロック部60とを備えている。
【0046】
ホルダ収納部42には、管理ホルダ70を挿脱可能なホルダ挿入凹部43が形成されている。ここでは、ホルダ収納部42は、樹脂等で形成された部材であり、その一主面側に開口するようにしてホルダ挿入凹部43が形成されている。ホルダ収納部42のうちホルダ挿入凹部43の開口部43aは、カバー部材80の開口部の傾斜形状に対応する傾斜開口形状に形成されている。
【0047】
また、ホルダ収納部42のうちホルダ挿入凹部43の下部に対応する位置に、位置決め棒部材44が設けられている。位置決め棒部材44は、ホルダ収納部42に形成された長孔に挿通支持されることで、ホルダ挿入凹部43内に突出する突出位置と当該ホルダ挿入凹部から退避する退避位置との間で移動可能に支持されると共に、バネ等の付勢部材44Sによって突出位置に向けて付勢されている。そして、管理ホルダ70がホルダ挿入凹部43内に挿入される際には、位置決め棒部材44は管理ホルダ70の一側面に当接してホルダ挿入凹部43から退避する位置に押される。また、管理ホルダ70の位置決め凹部76の位置が位置決め棒部材44の配設位置に達するまで(ここでは、管理ホルダ70をホルダ挿入凹部43の奥まで押込んだ状態)、管理ホルダ70がホルダ挿入凹部43内に挿入されると、付勢部材44Sの付勢力によって位置決め棒部材44が突出位置に移動して、管理ホルダ70の位置決め凹部76に嵌め込まれる。これにより、管理ホルダ70の挿入作業者は、管理ホルダ70を十分に奥まで挿入できたことを感触として知覚することができ、また、管理ホルダ70を位置決め凹部76に奥まで押込んだ状態を仮保持できる。
【0048】
また、ホルダ挿入凹部43の奥部には、上記管理ホルダ70の凹部77に対応する位置に突起部45が設けられており、管理ホルダ70を正常姿勢でホルダ挿入凹部43の奥に挿入した状態で、突起部45が凹部77に嵌め込まれるようになっている。
【0049】
また、このホルダ収納部42には、上記挿入端部73の外周部に形成されたホルダ側挿入規制用の凹凸部74に対応して受側挿入規制用の凹凸部47が形成された挿入規制部46が設けられている。つまり、この凹凸部47は、上記凹凸部74の凹凸形状とは逆の凹凸形状を呈している。従って、所定のホルダセット部40に対応する管理ホルダ70をホルダ挿入凹部43に挿入する場合には、凹凸部74の凹凸形状と凹凸部47の凹凸形状とがうまく嵌め込まれ合って、管理ホルダ70をホルダ挿入凹部43の奥に挿入することができる。一方、所定のホルダセット部40に対応しない管理ホルダ70をホルダ挿入凹部43に挿入しようとすると、管理ホルダ70の挿入端部73が凹凸部47に達した時点で、凹凸部74の凹凸形状と凹凸部47の凹凸形状とが干渉し合い、それより奥側への挿入が妨げられる。
【0050】
ここでは、挿入規制部46の凹凸部47は、組合わせ部材として、挿入規制板部材48A、48Bを複数組合わせることにより構成されている。
【0051】
より具体的には、挿入規制板部材48A、48Bは、管理ホルダ70を挿入可能なホルダ通過孔49が形成された板状に形成されている。ここでは、挿入規制板部材48A、48Bは方形板状であるが必ずしもその必要はない。また、複数の挿入規制板部材48A、48Bは、同形状に形成されていが、それぞれ異なる形状に形成されていてもよい。
【0052】
各ホルダ通過孔49の内周部には、上記溝74aを挿通可能な突起部49aが形成されている。そして、複数の挿入規制板部材48A、48Bを、管理ホルダ70の挿入方向に沿って並べて配設することで、各突起部49aの組合わせによって受側挿入規制用の凹凸部47が形成される。ここでは、2枚の挿入規制板部材48A、48Bが重ね合された状態で用いられる。一方の挿入規制板部材48Aのホルダ通過孔49の一側部には、一方側のホルダ分割部材74Aのいずれか一方側の挿入端部73の溝74aの位置及び数に応じた突起部49aが設けられている。また、他方の挿入規制板部材48Bのホルダ通過孔49の他側部には、他方側のホルダ分割部材74Bのいずれか一方側の挿入端部73の溝74aの位置及び数に応じた突起部49aが設けられている。そして、両挿入規制板部材48A、48Bが重ね合されることにより、各突起部49aによって前記いずれか一方側の挿入端部73の凹凸部74の形状に対応する凹凸形状を呈する凹凸部47が形成される。
【0053】
なお、挿入規制板部材48A、48Bには、それらを重ね合せ状態で相互位置決めするための位置決め部として、一方側の位置決め凸部48aが形成され、他方側に位置決め凹部48bが形成されている。そして、位置決め凸部48aが位置決め凹部48bに嵌め込まれることによって、挿入規制板部材48A、48Bが重ね合せ状態で位置決めされる。
【0054】
また、両挿入規制板部材48A、48Bは、重ね合された状態で、次のようにしてホルダ収納部42に組込まれている。
【0055】
すなわち、ホルダ挿入凹部43の両側外方位置であって、ホルダ収納部42の両側部に、挿入規制板部材48A、48Bを挿入可能な取付孔43hが形成されている。一方側の取付孔43hの外方位置には、挿入規制板部材48A、48Bを受止める受片43pが突設されている。そして、一対の挿入規制板部材48A、48Bが重ね合された状態で、他方側の取付孔43hからホルダ挿入凹部43を横切って一方側の取付孔43hに挿通され、前記受片43pで受止められる。この状態で、両挿入規制板部材48A、48Bのホルダ通過孔49がホルダ挿入凹部43内に配設される。これにより、ホルダ挿入凹部43内に挿入される管理ホルダ70が、ホルダ通過孔49を通過できるようになる。
【0056】
なお、3枚以上の挿入規制板部材が組合わされてもよいし、また、複数の挿入規制板部材は互いに離れていてもよい。
【0057】
また、上記ホルダ収納部42のうち上記ホルダ挿入凹部43の奥側に、基板収容凹部50が形成され、この基板収容凹部50に基板51が取付けられている。基板51の取付は、ねじ止、接着剤による固定等により行われる。
【0058】
基板51には、ホルダ検知部52と、発光部53A、53Bが取付けられている。
【0059】
ホルダ検知部52は、管理ホルダ70がホルダ挿入凹部43内に完全に挿入された状態を検知するものであり、ここでは、マイクロスイッチにより構成されている。すなわち、ホルダ検知部52は、押動操作可能な操作部52aを有しており、操作部52aが押されることによりオンオフ切替るようになっている。このホルダ検知部52は、上記操作部52aをホルダ検知部52に突出させた位置及び姿勢で上記基板51に固定されている。ここでは、操作部52aは、ホルダ挿入凹部43の奥部において管理ホルダ70の挿入方向とは逆側に突出するように設けられている。そして、管理ホルダ70がホルダ挿入凹部43内に完全に挿入されることで、管理ホルダ70の先端部が操作部52aに当接して当該操作部52aを押込む。これにより、ホルダ検知部52がオンオフ切替り、その切替りに応じた信号を、ホルダ検知信号として出力するようになっている。
【0060】
発光部53A、53Bは、発光ダイオード等によって構成されており、ホルダ挿入凹部43の奥側であって、当該ホルダ挿入凹部43内に挿入された管理ホルダ70の先端部で導光部材90の端面に対向する位置で、上記基板51に固定されている。そして、ホルダ挿入凹部43内に管理ホルダ70が挿入された状態で、発光部53A、53Bからの光が管理ホルダ70の先端部で導光部材90の端面内に入射するようになっている。なお、2つの発光部53A、53Bは、管理ホルダ70の挿入方向にずらして配置することで、管理ホルダ70の挿入方向から見て重複するように固定されている。これにより、発光部53A、53Bの実際の大きさ(幅)の制約をあまり受けずに、発光部53A、53Bの発光ポイントをより狭い領域に配設することができる。このように2つの発光部53A、53Bを、導光部材90の端面に対向して配設することで、2つの発光部53A、53Bの切替による2色の選択的な発光が可能となる。
【0061】
また、基板51にはコネクタ54も固定されており、ホルダ検知部52、発光部53A、53Bとコネクタ54とは、基板51上で配線材55を介して電気的に接続されている。上記ホルダ検知部52、発光部53A、53Bは、コネクタ54に接続された外部コネクタ54aを介して制御回路等に電気的に接続される。
【0062】
上記基板51に対するホルダ検知部52、発光部53A、53Bの固定は、ハンダ付け固定であってもよいし、接着剤であってもよい。また、ホルダ検知部52、発光部53A、53Bとコネクタ54との電気的な接続は、基板51に銅箔等で形成された配線パターンによって行われてもよいし、或は、導電線等によって構成されたジャンパ線等によって行われてもよい。
【0063】
ホルダロック部60は、ホルダ挿入凹部43に挿入された管理ホルダ70をロック可能に構成されている。ここでは、ホルダロック部60は、ロック用駆動部61と、ロックレバー63とを備えている。
【0064】
ロック用駆動部61は、ホルダ挿入凹部43の奥底部よりも、奥側(管理ホルダ70の挿入方向側)に設けられており、進退駆動可能なロッド部62を有している。ここでは、ロック用駆動部61は、内蔵されたソレノイドの励磁、消磁により前記ロッド部62を進退駆動するソレノイド装置により構成されている。
【0065】
ロックレバー63は、上記ホルダ挿入凹部43の奥底部とロック用駆動部61との間を通る直線上にある(図14等ではホルダ挿入凹部43の奥底部とロック用駆動部61との間の上側)軸部63a周りに回転可能に支持された長尺状の部材である。ロックレバー63の一端部は、ホルダ挿入凹部43に向けて突出する爪状の係止部64に形成されている。また、ロックレバー63の他端部は、上記ロック用駆動部61のロッド部62に連結されている。そして、ロック用駆動部61のロッド部62の退避駆動により、係止部64をホルダ挿入凹部43の外方に退避させた非ロック姿勢(図14の実線参照)に姿勢変更する。また、ロック用駆動部61のロッド部62の進出駆動により、係止部64をホルダ挿入凹部43内に突出させたロック姿勢(図14の2点鎖線参照)に姿勢変更する。この状態では、管理ホルダ70がホルダ挿入凹部43内に完全に奥まで挿入されると、係止部64が管理ホルダ70のロック用凹部75内に嵌め込まれ、管理ホルダ70の抜止めが図られるようになっている。
【0066】
図15は、鍵管理装置20の制御構造を模式的に示すブロック図である。すなわち、鍵管理装置20は、カードリーダ部26a、入力キー26b、ホルダ検知部52から与えられる情報に基づいて、制御部100が、表示部26c、扉ロック部29、ホルダロック部60(ロック用駆動部61)、発光部53A、53B等の駆動制御を行う。
【0067】
例えば、制御部100は、鍵10の貸出しに際してカードリーダ部26aにより使用者用カードの情報を読み取り、予め設定された利用権限情報に基づいて、当該使用者が利用可能と判断された場合には、扉ロック部29をアンロック状態にして扉28を開ける状態にする。
【0068】
また、例えば、扉28が開かれた後、使用対象となる鍵10の特定及び暗証番号の入力がなされると、制御部100は、予め設定された利用権限情報に基づいて、当該使用者が利用可能と判断された場合には、ホルダロック部60(ロック用駆動部61)をアンロック状態にして、管理ホルダ70を取出せる状態にする。また、ホルダセット部40に管理ホルダ70がセットされると、ホルダロック部60(ロック用駆動部61)をロック状態にして、管理ホルダ70を取出せない状態にする。
【0069】
これらの動作に際して、制御部100は、ホルダ検知部52の検知信号に基づいて管理ホルダ70の装着状態を監視する。また、ホルダセット部40における管理ホルダ70の装着状態、ホルダロック部60のロック状態等を、発光部53A、53Bの発光色、発光態様(点灯状態か点滅状態か等)で表示する。
【0070】
以上のように構成された鍵管理装置20及び管理ホルダ70によると、ホルダ収納部42に設けられた発光部53A、53Bからの光は、管理ホルダ70の導光部材90を通って外部から視認可能な位置に導かれる。これにより、管理ホルダ70自体が発光表示されるため、表示対象をより正確に把握できる。
【0071】
また、管理ホルダ70自体には、発光ダイオード等の発光部品等を組込む必要がなくなり、部品代の節約等が可能となる。なお、管理ホルダ70自体には、認証等を行うためのICタグ機構等が組込まれていてもよい。
【0072】
また、導光部材90として透明材料により形成されたものを用いているため、簡易な構成で光を内部反射させて外部から視認可能な位置に導いて明るく発光表示させることができる。
【0073】
また、導光部材90は、光を複数の位置に導くため、多方向からみて発光表示をより認識し易い。
【0074】
{変形例}
なお、上記実施形態では、導光路が導光部材90によって構成されている例で説明したが、管理ホルダ70に単なる孔が形成され、光が当該孔を通って導光されるものであってもよい。
【0075】
また、導光部材90は直線状の全体形状を有していてもよい。また、光を1箇所に導くものであってもよい。
【0076】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0077】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0078】
10 鍵
20 鍵管理装置
22 管理装置本体
40 ホルダセット部
42 ホルダ収納部
43 ホルダ挿入凹部
53A、53B 発光部
60 ホルダロック部
70 管理ホルダ
90 導光部材
91 直線部分
91a 外側側面
92 直線部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保持する管理ホルダと、
前記管理ホルダを挿脱可能なホルダ収納部と、前記ホルダ収納部に挿入された前記管理ホルダをロック可能なホルダロック部とを有する管理装置本体と、
を備え、
前記ホルダ収納部に、発光部が設けられると共に、
前記管理ホルダに、前記管理ホルダが前記ホルダ収納部に挿入された状態で、前記発光部からの光を外部から視認可能な位置に導く導光路が設けられた、物品管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の物品管理装置であって、
前記導光路は、前記管理ホルダに組込まれ、前記発光部の光を内部反射させつつ外部から視認可能な位置に導く導光部材によって形成されている、物品管理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の物品管理装置であって、
前記導光路は、前記発光部からの光を外部から視認可能な複数の位置に導く、物品管理装置。
【請求項4】
物品を保持した状態で、ホルダ収納部に挿脱可能な管理ホルダであって、
前記ホルダ収納部に挿入された状態で、前記ホルダ収納部に設けられた発光部からの光を外部から視認可能な位置に導く導光路が設けられた、管理ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−19175(P2013−19175A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153532(P2011−153532)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)