説明

物品陳列装置

【課題】物品の飛び出しを防止するとともに、スライダによる物品の送り出しを円滑にする。
【解決手段】複数の物品Aを並列して収容可能な収容部2を備えたケース1と、前記ケース1に前記並列方向に沿って形成されたガイド部4と、前記ガイド部4に前記並列方向に沿って移動自在に設けられたスライダ10と、前記スライダ10を前記並列方向の一端から他端に向かって付勢する弾性部材6とを備え、前記収容部2内の他端の物品Aを取り出した際に、前記スライダ10が、前記弾性部材6の付勢力によって、残りの物品Aを押圧して他端側へ送り出す物品陳列装置において、前記並列方向に連続する複数の前記物品Aを、前記並列方向に交差する方向へ同時に押圧する幅規制手段20を、前記ケース1に備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、前方から後方に向かって並列して陳列された複数の物品のうち、手前に位置する物品を取り出す毎に、残りの物品を後方から前方へ押し出す機能を有する物品陳列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
店舗や倉庫、事業所等において、各種物品を陳列、保管する際に、手前に位置する物品が取り出された際に、残りの物品を後方から前方へ向かって押し出す機能を有する物品陳列装置が用いられる場合がある。
【0003】
この種の物品陳列装置として、例えば、特許文献1、特許文献2に示すものがある。この物品陳列装置は、例えば、タバコや菓子、飲み物、医薬品等の各種物品を陳列、保管するために用いられ、ケースの底部に前方から後方へ向かって溝やスリット等からなるガイド部を設け、そのガイド部に、スライダが前後方向に移動自在に設けられる。
【0004】
また、スライダの背面側には、渦巻状に巻回された帯状の板バネが配置され、その板バネの一端が、ガイド部に沿って前方へ導かれて、ケースの前端に固定されている。
【0005】
スライダの前面は、ケース内に前後方向に並列して収容した複数の物品のうち、最も後方に位置する物品の背面に当接し、そのスライダは、板バネの弾性力によって、並列する物品群を前方へ押圧するようになっている。
【0006】
この押圧により、手前に位置する物品を取り出した際に、残りの物品が順次前方へ送り出されるので、物品群は常にケース内の手前側に位置し、物品の取出しが容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4303162号公報
【特許文献2】特開2007−135875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この種の物品陳列装置では、取り扱う物品の幅(前記並列方向に交差する方向の幅)に応じて、その物品に対応した専用の物品陳列装置を用いなければならない。このため、多くの種類の物品陳列装置を用意しなければならないという問題がある。
【0009】
また、その物品に対応した専用の物品陳列装置であっても、ケースの内面と物品の側面(前記並列方向に交差する方向の側面)との間には隙間が設定される。このため、ケース内に収容された物品が、前後方向に綺麗に整列しない場合もある。ケース内に収容された物品は、前後方向に整列した状態、すなわち、各物品の幅方向中心線が前後方向に一直線上に並ぶ状態になっていることが望ましい。位置ずれは物品の美観を損ね、また、物品のスムーズな送り出しを阻害するからである。
【0010】
しかし、このような位置ずれを防止するために、仮に、ケースの収容部の幅(前記並列方向に直交する方向の幅)を狭くすると、物品の出し入れや、スライダによる送り出しに支障をきたす恐れがある。すなわち、物品の幅方向端部の側面とケースの収容部の内側面との摩擦が大きくなるから、例えば、物品を収容する際に強く押し込む必要が生じる。また、物品を手で取り出す際に、より強く上方へ引かなければならず、その結果、意図しない物品までが追随してケース外へ飛び出してしまったり、あるいは、スライダによって物品を前方へ送り出す際に、物品がケースの内面に噛み込んで動かなくなってしまうことがあるからである。
【0011】
また、従来の物品陳列装置では、ケースの収容部内の物品の残数を把握しにくいという問題がある。すなわち、ケースの前方側から、ケースの収容部の奥の方(後方側)の様子が視認しにくいため、物品の残数が少なくなっているにもかかわらず、その補充のタイミングを逸してしまうという問題がある。
【0012】
そこで、この発明は、幅(前記並列方向に交差する方向の幅)の異なる物品に対応できるようにするとともに、スライダによる物品の送り出しを円滑にすることを第一の課題とし、ケース内に収容された物品の残数が少なくなった際にそれを把握しやすくすることを第二の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の第一の課題を解決するために、この発明は、複数の物品を並列して収容可能な収容部を備えたケースと、前記ケースに前記並列方向に沿って形成されたガイド部と、前記ガイド部に前記並列方向に沿って移動自在に設けられたスライダと、前記スライダを前記並列方向の一端から他端に向かって付勢する弾性部材とを備え、前記収容部内の他端の物品を取り出した際に、前記スライダが、前記弾性部材の付勢力によって、残りの物品を押圧して他端側へ送り出す物品陳列装置において、前記ケースは幅規制手段を備え、その幅規制手段は、前記収容部内で前記並列方向に交差する方向へ移動することによりその収容部の前記並列方向に交差する方向への幅を調整可能であることを特徴とする物品陳列装置を採用した。
【0014】
この構成によれば、取り扱う物品の幅(前記並列方向に交差する方向の幅)に応じて、幅規制手段を移動させることで、その物品に対応した収容部の幅に設定できる。このため、幅の異なる物品にも共通で使用できるようになる。
また、幅規制手段によって収容部の幅が調節可能であるので、ケースの内面と物品の側面(前記並列方向に交差する方向の側面)との間の隙間を任意に設定できる。このため、適切な隙間を適宜設定することにより、物品が前後方向に整列した状態に設定しやすい。また、隙間が適当であれば、物品のスムーズな送り出しを阻害しない。
【0015】
この幅規制手段は、前記並列方向に交差する方向に対して、前記物品を挟んで両側に設けられる構成を採用することができる。すなわち、幅規制手段が物品の幅方向両側にあれば、幅規制手段を片側のみに設けた場合と比較して、物品の出し入れ、送り出しはさらにスムーズになる。
【0016】
これらの各構成において、前記幅規制手段は、前記並列方向に連続する複数の前記物品を、前記並列方向に交差する方向へ同時に押圧する構成を採用することができる。
幅規制手段が、並列する物品を同時に押圧するので、ケース内に収容された物品を前後方向により綺麗に整列させることが可能となる。また、幅規制手段が物品を押圧するので、その物品の幅に対し、それを収容するケースの収容部の幅を過度に広く確保する必要がない。
【0017】
また、物品を収容する際及び取り出す際には、その物品の動きによって幅規制手段による押圧力が逃げる、すなわち、押圧力に抗して幅規制手段を押し広げるので、物品が固定の壁面と摺動する時のような大きな摩擦を生じさせない。このため物品の収容及び取出しが摩擦によって阻害されにくく、物品の出し入れがスムーズである。
したがって、物品を手で取り出す際に強く上方へ引く必要がなく、その取出し時に、隣接する商品の飛び出しが防止される。また、スライダによる物品の送り出しも円滑になる。
【0018】
なお、幅規制手段による物品の押圧は、物品の並列方向に交差する方向であればよいが、物品の並列方向に直交する方向であることが望ましい。
【0019】
また、幅規制手段による物品の押圧は、並列方向に連続する複数の物品のうち、その一部分であってもよいし、全部であってもよい。特に、一部分の場合には、収容部内の最も他端側に位置する物品を含んでいることが望ましい。物品を取り出すのは、収容部内の最も他端側に位置する物品だからである。
【0020】
これらの各構成において、幅規制手段は、その自重でもって収容部の内側へ向かって、すなわち、物品に当接する方向へ向かって移動するようにしてもよいし、その幅規制手段とケースとの間に設けたバネ等の弾性部材の弾性力によって、収容部の内側へ向かって付勢され、その付勢により同方向へ移動するようにしてもよい。
なお、その幅規制手段を一定の位置で保持してそれ以上内側に移動しないようにする保持部を備えてもよい。保持部があれば幅規制手段が一定の位置で保持されるので、収容部に物品を補充する際に幅規制手段が邪魔にならないようにできる。
【0021】
また、これらの各構成において、前記幅規制手段は、前記並列方向に連続する当接部を有し、その当接部は、前記物品に対し前記並列方向に沿って線接触する構成を採用することができる。線接触であれば、押圧力が1点に集中せず、物品の取出しを阻害しない。また、その線接触が物品の並列方向であるので、物品の送り出しも阻害しない。
【0022】
これらの各構成において、前記当接部は、前記収容部内の最も他端側に位置する前記物品の一端側に隣接する前記物品に対し、その最も他端側に位置する前記物品に対する当接位置よりも内側で当接する押圧突部を備える構成を採用することができる。
物品を取り出すのは、収容部内の最も他端側に位置する一つの物品である場合が多いから、追随してケース外へ飛び出してしまう可能性が最も高いのは、その最も他端側に位置する物品の一端側に隣接する物品、すなわち、他端側から2番目の物品である。このため、その2番目の物品を、他よりもやや強く押圧することが望ましい。2番目の物品が収容部内にしっかりと保持されていれば、3番目以降の物品も保持される。
【0023】
これらの各構成において、前記幅規制手段は、その下端に前記収容部への接続部を有し、その接続部が前記収容部に設けた支持部に揺動自在に支持され、その揺動により、前記当接部が前記物品に当接及び離反する方向へ移動する構成を採用することができる。
【0024】
また、このとき、幅規制手段は、物品に当接する方向に揺動することでその物品を押圧でき、離反する方向に揺動することで、その物品に対する押圧力が解放又は低減される構成とすることができる。その押圧の際に、幅規制手段は、前述のように、その自重でもって物品に当接する方向に揺動して物品に押圧力を付与するようにしてもよいし、その幅規制手段とケースとの間に設けたバネ等の弾性部材の弾性力によって、物品に押圧力を付与するようにしてもよい。
【0025】
これらの各構成において、前記収容部の底面に、前記並列方向に沿って伸びる案内突条を備え、前記物品の送り出しの際に、前記物品は前記案内突条に摺接する構成を採用することができる。このようにすれば、収容部の底面と物品との摩擦が低減され、スライダによる物品の送り出しがさらに円滑になる。
【0026】
その案内突条は、前記収容部内の最も他端側に位置する前記物品に対し、その最も他端側に位置する前記物品よりも一端側に位置する前記物品に対する当接位置よりも上方で当接する隆起部を備える構成を採用することができる。
物品を取り出すのは、収容部内の最も他端側に位置する物品であり、隆起部によって、その取り出すべき物品が他の物品より上方へ突出する。このため、物品を手で取り出す際に、上方へ引く作業がスムーズであり、結果的に、意図しない隣接する商品の飛び出しが防止される。
【0027】
また、その案内突条は、スライダのガイドとして利用することもできる。すなわち、前記スライダは、前記案内突条によって、前記並列方向への移動がガイドされる構成である。
【0028】
さらに、前記ケースは、前記スライダが前記弾性部材の付勢力によって他端側に移動するのを規制するストッパを、前記収容部の一端側に備える構成を採用することができる。
収容部の一端側にストッパがあれば、スライダが収容部の他端側に移動して来ないように保持できるので、物品の補充の際に便利である。
【0029】
また、上記第二の課題を解決するために、この発明は、複数の物品を並列して収容可能な収容部を備えたケースと、前記ケースに前記並列方向に沿って形成されたガイド部と、前記ガイド部に前記並列方向に沿って移動自在に設けられたスライダと、前記スライダを前記並列方向の一端から他端に向かって付勢する弾性部材とを備え、前記収容部内の他端の物品を取り出した際に、前記スライダが、前記弾性部材の付勢力によって、残りの物品を押圧して他端側へ送り出す物品陳列装置において、前記ケースは、前記収容部の他端に表示部材を備え、その表示部材は前記並列方向に沿って移動可能、又は、前記収容部に設けた支持軸周りに揺動自在に前記ケースに支持されており、前記表示部材は、前記スライダが前記並列方向所定の位置よりも一端側に位置する場合は前記ケースの他端側端面部材から離れた位置にあり、前記スライダが他端側へ移動して前記並列方向所定の位置に達すると、前記並列方向への移動又は前記支持軸周りの揺動により、前記ケースの他端側端面部材に接近して、前記ケースの外側から視認可能となることを特徴とする物品陳列装置を採用した。
【0030】
この構成によれば、スライダが所定の位置に達した際に、ケースの外側から表示部材が視認できるようになるので、その視認によって、物品の残数が少なくなっていることを視覚的に確認できる。
【0031】
なお、スライダが所定の位置に達した際に、表示部材がケースの他端側端面部材に接近してケースの外側から視認可能となるのであり、スライダが所定の位置に達する前の状態において、表示部材の位置は、前記接近状態よりも相対的に一端側の位置にある。この一端側の位置にある時、表示部材がケースの外側からある程度見えていることを排除するものではないが、少なくとも、その表示部材のケースの他端側端面部材に対する接近、離反により、表示部材が、相対的に、他端側端面部材に接近した時の方が離反した時(前記一端側の位置にある時)よりも視認しやすいものであれば、その表示部材が前記接近状態にあると認識できるので、その認識によって、物品の残数が少なくなっていることを視覚的に確認できる。
【0032】
このとき、ケースの他端側端面部材の一部又は全部が透明又は半透明であれば、表示部材は、その透明又は半透明な部分を透過して視認することができ、また、ケースの他端側端面部材に内外を貫通する開口や切欠きが設けられていれば、表示部材は、その開口や切欠きと介して視認することができる。
【0033】
この構成において、前記収容部の前記並列方向所定の位置に、前記スライダの基部に設けた作用部が当接する検知部材を設け、前記検知部材と前記表示部材とはリンク機構によって接続されており、前記表示部材の前記並列方向への移動又は前記支持軸周りの揺動は、前記スライダの作用部が前記検知部材を他端側へ押圧することにより前記リンク機構を介して行う構成を採用することができる。
【0034】
なお、物品に対するスライダの押圧力を効果的に物品に作用させるために、以下の構成からなる物品陳列装置を採用し得る。
【0035】
すなわち、その構成は、複数の物品を並列して収容可能な収容部を備えたケースと、前記ケースに前記並列方向に沿って形成されたガイド部と、前記ガイド部に前記並列方向に沿って移動自在に設けられたスライダと、前記スライダを前記並列方向の一端から他端に向かって付勢する弾性部材とを備え、前記収容部内の他端の物品を取り出した際に、前記スライダが、前記弾性部材の付勢力によって、残りの物品を押圧して他端側へ送り出す物品陳列装置において、前記ガイド部は、前記収容部の底部を形成する底板部材に形成された長手状のスリットであり、前記スライダは、前記物品に当接する物品押圧部と、その物品押圧部から下方に伸びて前記スリット内に入り込む基部と、前記底板部材の上面に摺接する保持部とを備え、前記基部は、前記スリットの下方でそのスリットの幅方向の縁よりも外側に突出する張出部を有し、前記張出部は前記底板部材の下面に摺接し、前記保持部及び前記張出部は、前記スライダが前記弾性部材の付勢力によって前記物品を押圧する際に、前記スライダが前記弾性部材の付勢力を受けない場合よりも、前記物品押圧部の上端が他端側へ傾斜することを許容する形状となっている構成を採用することができる。
【0036】
スライダが弾性部材の付勢力によって物品を押圧する際に、スライダが弾性部材の付勢力を受けない場合よりも、物品押圧部の上端が他端側へ傾斜することによって、物品に対して押圧力を効果的に作用させることができる。
【0037】
なお、特に、物品押圧部の物品側に向く面(他端側の面)がフラット面である場合においては、前記傾斜によって、物品押圧部の上端が物品に当接するように設定できる。このため、物品に対する押圧力が作用点の位置が高くなり、物品の送り出しがよりスムーズとなる。
【発明の効果】
【0038】
この発明は、幅の異なる物品に対応することができるとともに、スライダによる物品の送り出しを円滑にすることができ、また、ケース内に収容された物品の残数が少なくなった際に、それを把握しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の一実施形態を示し、(a)は分解斜視図、(b)は一部切断斜視図
【図2】同実施形態を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(b)のC−C断面図
【図3】同実施形態を示し、(a)は要部拡大断面図、(b)は幅規制手段の作用を示す断面図
【図4】同実施形態を示し、(a)は要部拡大平面図、(b)は要部拡大断面図、(b)は要部拡大斜視図
【図5】同実施形態のスライダの詳細を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は(b)において弾性部材との位置関係を示すD−D断面図、(e)は背面図、(f)は底面図、(g)は弾性部材との位置関係を示し前面側から見た斜視図、(h)は背面側から見た斜視図
【図6】幅規制手段の変形例を示し(a)は正面図、(b)はケースに組み込んだ状態を示す要部拡大断面図
【図7】他の実施形態を示し、(a)は要部拡大斜視図、(b)は(a)における表示部材及びリンク機構の説明図、(c)は要部拡大斜視図、(d)は(c)における表示部材及びリンク機構の説明図
【図8】(a)はスライダが所定位置に達する前の状態を示す平面図、(b)はスライダが所定位置に達した後の状態を示す平面図
【図9】他の実施形態のスライダの詳細を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は(b)において弾性部材との位置関係を示すD−D断面図、(e)は背面図、(f)は底面図、(g)は弾性部材との位置関係を示し前面側から見た斜視図、(h)は背面側から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0040】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態は、コンビニエンスストア等の店舗において、タバコ(以下、物品Aと称する)を陳列する際に用いられる物品陳列装置である。手前に位置する物品Aが取り出された際に、残りの物品Aが後方から前方へ向かって押し出され、物品Aは、常に手前側の取りやすい位置に配置される。
【0041】
物品陳列装置の構成は、図1(a)(b)に示すように、複数の物品Aを前後方向に並列して収容可能な収容部2を備えたケース1と、そのケース1に、物品Aの並列方向に沿って形成されたガイド部4と、そのガイド部4に、物品Aの並列方向に沿って移動自在に設けられたスライダ10とを備えている。
【0042】
ケース1は、凹状を成す収容部2の底部を形成する底板部材5と、その底板部材5の周囲に立ち上がる端面部材7,7、側面部材8,8を備える。各側面部材8,8に設けられた切欠き8aは、物品Aを取り出す際に、その物品Aの幅方向側面に指を宛がいやすくするためのものである。
【0043】
また、そのケース1には、スライダ10を、物品Aの並列方向の一端から他端に向かって付勢する弾性部材6を備えている。ケース1の一端は、物品陳列装置を店舗等に配置した状態で、物品の取出しをする者の位置から見て後方に位置し、他端は、物品の取出しをする者の位置から見て手前側、すなわち、前方に位置する。
【0044】
この実施形態では、ガイド部4は、底板部材5に形成された長手状のスリット34である。スリット34は、長手方向に沿って等幅に形成され、その一端にやや幅広の取付孔を備える。
【0045】
スライダ10は、物品Aに当接する物品押圧部11と、その物品押圧部11から下方に伸びてスリット34内に入り込む基部12と、底板部材5の上面5aに摺接する保持部13とを備える。
【0046】
前記基部12は、スリット34の下方でそのスリット34の幅方向の縁34aよりも外側に突出する張出部12aを、その幅方向両側に有する断面T字型である。幅方向両側の張出部12aが、底板部材5の下面5bに当接することで、スライダ10は、上方へ抜け止めされる。
【0047】
この実施形態では、弾性部材6は、従来例と同様、渦巻状に巻回された帯状の板バネを採用している。
【0048】
板バネの渦巻状に巻回された部分(以下、巻回部6aと称する)が、スライダ10の背面側に設けた対の縦リブ15,15間に配置され、その板バネの一端6bが、スライダ10の横リブ16に設けたスリット16aから下方に引き出され、ガイド部4に沿って前方へ導かれて、ケース1の前端の係止部33に固定されている。
【0049】
板バネは、係止部33に向かって直線状に引き出された部分が、巻回部6aに引込まれる方向に変形しようとし、その変形により、スライダ10の物品押圧部11の背面を一端側から他端側へと押圧する。この押圧により、収容部2内の物品Aを一端側から他端側へと押圧する。
【0050】
このため、収容部2内の他端の物品Aが一個あるいは複数個取り出された際に、スライダ10が、弾性部材6の付勢力によって、その取り出された後にできる空間を埋めるように、残りの物品Aを押圧して他端側へ送り出す。
【0051】
このとき、図3(a)に矢印Vで示すように、弾性部材6は、スライダ10の横リブ16を上方へ持ち上げるように付勢力を作用させる。横リブ16のスリット16aの前方側(他端側)の縁を上方へ押し上げるからである。
【0052】
この付勢力により、スライダ10は、前方側(他端側)と後方側(一端側)とに位置する二つの保持部13、すなわち、前部保持部13aと後部保持部13bのうち、前部保持部13aを支点として、スライダ10を図中の矢印Wの方向へ傾斜させる。
【0053】
物品押圧部11の物品A側に向く面(他端側の面)はフラット面であり、その傾斜によって、物品押圧部11の上端のみが物品Aに当接するので、物品Aに対する押圧力Fが作用点の位置が高くなり、物品Aの送り出しがよりスムーズとなる。
【0054】
このような傾斜を許容するため、保持部13(前部保持部13aと後部保持部13b)及び張出部12aの形状は、スライダ10が弾性部材6の付勢力によって物品Aを押圧する際に、そのスライダ10が弾性部材6の付勢力を受けない場合よりも、物品押圧部11の上端が他端側へ傾斜する形状となっている。
【0055】
すなわち、図5(c)に示すように、スライダ10の前部保持部13aと後部保持部13bとを結ぶ線、すなわち、スライダ10が付勢力を受けない状態において、スライダ10が底板部材5の上面に当接する箇所を結ぶラインL1に対し、スライダ10が弾性部材6の付勢力によって物品Aを押圧する際に、そのスライダ10が、底板部材5の下面5bに当接する箇所を結ぶラインL2(この実施形態では、張出部12aの上面に一致)との間隔が、前方での間隔W1よりも後方での間隔W2の方がやや広くなるように設定されていることで、この傾斜が許容されている。
【0056】
このように、スライダ10が弾性部材6の付勢力によって物品Aを押圧する際に、スライダ10が弾性部材6の付勢力を受けない場合よりも、物品押圧部11の上端が他端側へ傾斜することによって、物品Aに対して押圧力Fを効果的に作用させることができるのである。
【0057】
なお、スライダ10の前部保持部13aは、物品Aをケース1に収容する際に、そのスライダ10が他端側へ移動してこないようにするストッパの役割も果たしている。スライダ10がケースの一端側にある際に、その前部保持部13aが、ケース1の底板部材5に設けた孔からなるストッパ32に入り込むことで、そのスライダ10は他端側へ移動しないように保持される。スライダ10が収容部2の他端側に移動して来ないように保持できるので、物品Aの補充の際に便利である。
【0058】
また、ケース1には、収容部2内に収容されている全ての物品Aを、その並列方向に直交する方向へ同時に押圧する幅規制手段20を備えている。幅規制手段20は、その物品Aの並列方向に直交する方向に対して、その物品Aを挟んで両側に設けられる。
【0059】
この実施形態では、幅規制手段20は、ケースの側面部材8に沿う板状部材(フラップ)24で構成され、その下端に、収容部2への接続部22を有している。その接続部22が、収容部2の底部に設けた支持部23に揺動自在に支持されている。
【0060】
この実施形態では、接続部22は、各幅規制手段20に3箇所設けられ、それに対応するケース1側の支持部23も同数設けられる。
【0061】
幅規制手段20の一端側と他端側に設けられる接続部22aは、ケース1の一端側と他端側に設けられた孔からなる支持部23aに差込まれ、接続部22aの内面に設けた溝22cに接続部23aの爪23cが噛み込んで抜け止めされる。また、幅規制手段20の中央に設けられる接続部22bは、ケース1の中央に設けられた孔からなる支持部23bに差込まれ、その接続部の外側に設けられた爪22dが、支持部23bの孔の縁に噛み込んで抜け止めされる。
【0062】
この状態で、幅規制手段20は、板状部材24の下端がケースに支持され、板状部材24の上端が物品Aの並列方向に対して直交する方向に揺動可能である。この揺動により、その板状部材24の上部に設けた当接部21が、物品Aの幅方向側面に当接及び離反する。
【0063】
当接部21が物品Aに近づく方向(当接する方向)へ板状部材24が揺動することで、その当接部21で物品Aを押圧でき、物品Aから遠ざかる方向(離反する方向)に揺動することで、その物品Aに対する押圧力が解放又は低減される。
この押圧の際に、幅規制手段20は、その自重でもって物品Aに当接する方向に揺動して物品Aに押圧力を付与するようになっているが、例えば、図6(a)(b)に示すように、その幅規制手段20とケース1との間に設けたバネ等の弾性部材22eの弾性力によって、その幅規制手段20を収容部2の内側へ向かって付勢し、その付勢によって、物品A側に押圧力を付与するようにしてもよい。
【0064】
なお、弾性部材22eの一例として示した図6(a)(b)において、板状部材24の接続部22aに設けたバネ受け部22dに、弾性部材22eとして用いたネジリコイルバネのコイル部が嵌めて固定されており、そのコイル部から張り出したバネの端部が、底板部材5の下面5bと板状部材24の外面とに触れて、その板状部材24を内側に付勢している。
【0065】
このように、幅規制手段20が、並列する物品Aを同時に押圧するので、ケース1内に収容された物品Aを前後方向に整列させることが可能となる。
【0066】
また、物品Aを収容する際及び取り出す際には、その物品Aの動きによって、押圧力に抗して幅規制手段20を物品Aから遠ざかる方向へ押し広げるので、物品Aが固定の壁面と摺動する時のような大きな摩擦を生じさせない。このため物品Aの収容及び取出しが摩擦によって阻害されにくく、物品の出し入れがスムーズである。
【0067】
また、この実施形態では、当接部21は、図3(b)に示すように、板状部材24に設けられた断面円形を成す部分が、内側に突出する直線状の突条となっている。この突条が、並列する物品Aに対して線接触する。線接触であれば、押圧力が1点に集中せず、物品の取出しを阻害しない。また、その線接触が物品の並列方向であるので、物品の送り出しも阻害しない。
【0068】
なお、この実施形態では、ケース1の一端と他端に設けた規制部材9a,9bの上端に凹凸からなる保持部9cが設けられている。また、幅規制手段20の一端と他端には、位置決め手段として突起25が設けられている。
【0069】
この突起25が、保持部9cの凹凸のいずれかに入り込むことで、幅規制手段20の向き、すなわち、図3(b)に示す当接部21の各位置のいずれかに板状部材24を保持できる。板状部材24が保持されることで、物品Aを収容する際に、幅規制手段20がそれ以上内側に倒れ込まないので、幅規制手段20が物品Aに支障することがない。なお、物品Aを収容する際に、両幅規制手段20の当接部21間の距離が、物品Aの幅よりも広くなるように、その両幅規制手段20を押し広げてその位置で保持しておけば、さらにその収納がスムーズである。
【0070】
また、この実施形態では、当接部21は、収容部2内の最も他端側に位置する物品Aの一端側に隣接する物品Aに対し、その最も他端側に位置する物品Aに対する当接位置よりも内側で当接する押圧突部21aを備えている。
【0071】
物品Aを取り出すのは、収容部2内の最も他端側に位置する一つの物品Aである場合が多いから、その物品Aを上方へ引き上げた際に、追随してケース1外へ飛び出してしまう可能性が最も高いのは、その最も他端側に位置する物品Aの一端側に隣接する物品A、すなわち、他端側から2番目の物品Aである。このため、その2番目の物品Aを、他よりもやや強く押圧することが望ましい。2番目の物品Aが収容部2内にしっかりと保持されていれば、3番目以降の物品も保持される。押圧突部21aは、前後の当接部21よりもやや物品側に突出して設けられているので、2番目の物品Aに対する押圧力を他よりも高めることができる。
【0072】
また、ケース1の底板部材5の上面5a(収容部2の底面)には、物品Aの並列方向に沿って伸びる2本の案内突条31を備えている。案内突条31は、底板部材5の上面5aから上方へ突出し、それが、スリット34を挟んで両側に設けられる。
【0073】
スライダ10による物品Aの送り出しの際に、物品Aは、その2本の案内突条31に摺接するので、底板部材5と物品Aとの摩擦が低減され、スライダ10による物品の送り出しがさらに円滑になる。
【0074】
また、その案内突条31は、収容部2内の最も他端側に位置する物品Aに対し、その最も他端側に位置する物品Aよりも一端側に位置する物品Aに対する当接位置よりも上方で当接する隆起部31aを備える。
【0075】
物品Aを取り出すのは、収容部内の最も他端側に位置する一つの物品Aである場合が多いから、隆起部31aによって、その取り出すべき物品Aが他の物品Aより上方へ突出する。このため、物品Aを手で取り出す際に、上方へ引く作業がスムーズであり、結果的に、意図しない隣接する物品Aの飛び出しが防止される。
【0076】
また、その案内突条31は、スライダ10のガイドとしても利用されている。すなわち、スライダ10は2本の案内突条31の内側にあって、その案内突条31によって、幅方向(物品Aの並列方向に直交する方向)への移動が規制される。このため、そのスライダ10の、物品Aの並列方向への移動がガイドされる。
【0077】
この実施形態では、前記幅規制手段20は、前記並列方向に連続する複数の物品Aを、その並列方向に直交する方向へ同時に押圧するものとしたが、幅規制手段20が物品Aを押圧しない構成を採用することもできる。
【0078】
このとき、幅規制手段20は、取り扱う物品Aの幅(前記並列方向に交差する方向の幅)に応じて、その幅規制手段20を移動させることで、その物品Aに対応した収容部2の幅に設定できる機能を有し、物品Aの陳列状態において、必ずしもその物品Aを押圧していなくてもよい。すなわち、幅規制手段20は、物品Aを常時押圧するものでなくとも、その幅規制手段20の移動により(板状部材24の揺動により)、収容部2の幅を調整する機能を発揮し得る。このとき、幅規制手段20に対する収容部2の内側への付勢はあってもなくてもよい。
【0079】
ただし、幅規制手段20が収容部2の内側へ向かって付勢されていれば、物品Aを収容する際及び取り出す際に、その物品Aが幅規制手段20に触れれば(板状部材24に触れれば)、その幅規制手段20を(板状部材24を)付勢力に抗して物品Aから遠ざかる方向へ押し広げるので、物品Aが固定の壁面と摺動する時のような大きな摩擦を生じさせないという効果が期待できる。このため物品Aの収容及び取出しが摩擦によって阻害されにくく、物品の出し入れがスムーズである。
【0080】
他の実施形態を、図7乃至図9に示す。この実施形態は、ケース1の収容部2内の物品Aの残数が少なくなった際に、それを把握しやすくするための警告手段40を設けたものである。
【0081】
ケース1、スライダ10及び幅規制手段20等の主たる構成は、前述の実施形態と同様であるので説明を省略し、警告手段40の表示部材41及びそれを動作させるための機構を中心に説明する。
【0082】
ケース1は、収容部2の他端側の端面部材7近くに、表示部材41を備えている。その表示部材41は、収容部2の底板部材5に設けた上下方向の支持軸41a周りに揺動自在に支持されている。
【0083】
また、収容部2内において、物品Aの並列方向所定の位置に、スライダ10の基部12に設けた作用部14が当接可能な検知部材42が設けられている。その検知部材42は、収容部2の底板部材5に設けた上下方向の支持軸42a周りに揺動自在に支持されている。
【0084】
検知部材42と表示部材41とはリンク機構43によって接続されている。リンク機構43は、図8に示すように、表示部材41と検知部材42とを結ぶ連動部材43aと、その連動部材43aと表示部材41とを接続する上下方向のピン43c、連動部材43aと検知部材42とを接続する上下方向のピン43bとを有する。連動部材43aと表示部材41とはピン43c周りに回転可能に接続され、連動部材43aと検知部材42とはピン43b周りに回転可能に接続されている。これらの検知部材42、表示部材41、リンク機構43は、底板部材5の下方に設けられている。
【0085】
物品Aの取出しとともに、スライダ10が徐々に他端側へと移動し、物品Aの残数が所定の数に達した際に、そのスライダ10の基部12に設けた作用部14が、検知部材42に当接するとともに、その検知部材42を、図8(a)に示す位置から、図8(b)に示す矢印X方向へと一定角度揺動させる。
【0086】
作用部14が、検知部材42を揺動させることにより、リンク機構43を介して表示部材41が支持軸41a周りに矢印Y方向へと一定角度揺動する。表示部材41の前部には、赤色に着色された警告部41bが備えられており、表示部材41が揺動することで、この警告部41bがケース1の端面部材7に接近する。
この接近により、警告部41bはケース1の外側から明確に視認できるようになり、収容部2内の物品Aの残数が少なくなっていることが把握できる。
【0087】
すなわち、表示部材41の警告部41bは、スライダ10が、物品Aの並列方向所定の位置よりも一端側に位置する場合は、ケース1の他端側端面部材7から離れた位置にあり、
ケース1の外側から視認できないか、あるいは、明確に視認できない状態にある。
スライダ10が他端側へ移動して、そのスライダ10が、物品Aの並列方向所定の位置に達すると、表示部材41の警告部41bは、ケース1の他端側端面部材7に接近して、ケース1の外側から明確に視認可能な状態となる。
【0088】
なお、表示部材41は、その警告部41bのみが、前述のように赤色、その他適宜の色で着色されることで、その警告部41bがケース1の端面部材7に接近した際に、警告部41bがケース1の外側から視認できるようになっていてもよいし、表示部材41の全体が赤色、その他適宜の色で着色されていてもよい。
これらの着色は、警告部41bやその警告部41bを含む表示部材41の表面に、色の付いたテープ等を貼り付けることで行ってもよいし、警告部41bの素材や、あるいは、その警告部41bを含む表示部材41の素材そのものを、色付きの素材で形成してもよい。
【0089】
ここで、検知部材42が設けられる前記並列方向所定の位置とは、残数が少なくなっていることを警告するべき物品Aの残数に対応した位置とする。
【0090】
すなわち、警告をするべき物品Aの残数が、例えば、「残り3」である場合は、収容部2内の物品Aの残数がそれよりも一つ多い「残り4」である際に、他端の物品Aを少なくとも一つ取り出した後、スライダ10が他端側へ移動して物品Aの送り込みを完了するまでの間に、作用部14が検知部材42に当接してその検知部材42を最後まで揺動させるように設定する。したがって、「残り3」となった場合に初めて警告部41bが視認できる状態となる。
【0091】
なお、この実施形態では、ケース1の他端側端面部材7の一部又は全部を、透明又は半透明の部材で形成することで、表示部材41の警告部41bは、その透明又は半透明の部材を透過して視認することができるようになっている。他の構成としては、例えば、ケース1の他端側端面部材7に内外を貫通する開口や切欠きを設け、表示部材41の警告部41bは、その開口や切欠きと介してケース1の外側から視認できるようにしてもよい。
【0092】
収容部2内に物品Aを補充する際には、弾性部材6の付勢力に抗して、スライダ10を他端から一端に移動させる。このとき、スライダ10の作用部14が、検知部材42を図8(b)に実線で示す状態から、図8(a)に示す状態へと前述の矢印X、Yの作用と逆の動きを行い、表示部材41の警告部41bは、ケース1の他端側端面部材7から離脱し、警告は解除される。
【0093】
表示部材41と検知部材42とを連動させる機構は、この実施形態のリンク機構43には限定されず、他の構成からなるリンク機構を採用してもよい。また、リンク機構以外の構成からなる連動機構を採用してもよい。
【0094】
例えば、ケース1は、収容部2の他端に表示部材41を、物品Aの並列方向に沿って平行移動可能に支持し、検知部材42も、物品Aの並列方向に沿って平行移動可能に支持する。
【0095】
スライダ10が、物品Aの並列方向所定の位置よりも一端側に位置する場合は、表示部材41の警告部41bは、ケース1の他端側端面部材7から離れた位置にあり、ケース1の外側から視認できないか、あるいは、明確に視認できない状態にある。
スライダ10が他端側へ移動して、そのスライダ10が、物品Aの並列方向所定の位置に達すると、表示部材41の警告部41bは、ケース1の他端側端面部材7に接近して、ケース1の外側から明確に視認可能な状態となる構成が考えられる。
【符号の説明】
【0096】
1 ケース
2 収容部
4 ガイド部
5 底板部材
6 弾性部材
7 端面部材
8 側面部材
9a,9b 規制部材
9c 保持部
10 スライダ
11 物品押圧部
12 基部
12a 張出部
13,13a,13b 保持部
14 作用部
15 縦リブ
16 横リブ
20 幅規制手段
21 当接部
22 接続部
23 支持部
24 板状部材
25 突起
31 案内突条
32 ストッパ
33 係止部
34 スリット
40 警告機構
41 表示部材
41b 警告部
42 検知部材
43 リンク機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品(A)を並列して収容可能な収容部(2)を備えたケース(1)と、前記ケース(1)に前記並列方向に沿って形成されたガイド部(4)と、前記ガイド部(4)に前記並列方向に沿って移動自在に設けられたスライダ(10)と、前記スライダ(10)を前記並列方向の一端から他端に向かって付勢する弾性部材(6)とを備え、前記収容部(2)内の他端の物品(A)を取り出した際に、前記スライダ(10)が、前記弾性部材(6)の付勢力によって、残りの物品(A)を押圧して他端側へ送り出す物品陳列装置において、
前記ケース(1)は幅規制手段(20)を備え、その幅規制手段(20)は、前記収容部(2)内で前記並列方向に交差する方向へ移動することによりその収容部(2)の前記並列方向に交差する方向への幅を調整可能であることを特徴とする物品陳列装置。
【請求項2】
前記幅規制手段(20)は、前記並列方向に交差する方向に対して、前記物品(A)を挟んで両側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の物品陳列装置。
【請求項3】
前記幅規制手段(20)は、前記並列方向に連続する複数の前記物品(A)を、前記並列方向に交差する方向へ同時に押圧することを特徴とする請求項1又は2に記載の物品陳列装置。
【請求項4】
前記幅規制手段(20)は、弾性部材(22e)によって前記収容部(2)の内側へ向かって付勢されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の物品陳列装置。
【請求項5】
前記幅規制手段(20)は、前記並列方向に連続する当接部(21)を有し、その当接部(21)は、前記物品(A)に対し前記並列方向に沿って線接触することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の物品陳列装置。
【請求項6】
前記当接部(21)は、前記収容部(2)内の最も他端側に位置する前記物品(A)の一端側に隣接する前記物品(A)に対し、その最も他端側に位置する前記物品(A)に対する当接位置よりも内側で当接する押圧突部(21a)を備えることを特徴とする請求項5に記載の物品陳列装置。
【請求項7】
前記幅規制手段(20)は、その下端に前記収容部(2)への接続部(22)を有し、その接続部(22)が前記収容部(2)に設けた支持部(23)に揺動自在に支持され、その揺動により、前記当接部(21)が前記物品(A)に当接及び離反する方向へ移動することを特徴とする請求項5又は6に記載の物品陳列装置。
【請求項8】
前記収容部(2)の底面に、前記並列方向に沿って伸びる案内突条(31)を備え、前記物品(A)の送り出しの際に、前記物品(A)は前記案内突条(31)に摺接することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の物品陳列装置。
【請求項9】
前記案内突条(31)は、前記収容部(2)内の最も他端側に位置する前記物品(A)に対し、その最も他端側に位置する前記物品(A)よりも一端側に位置する前記物品(A)に対する当接位置よりも上方で当接する隆起部(31a)を備えることを特徴とする請求項8に記載の物品陳列装置。
【請求項10】
前記スライダ(10)は、前記案内突条(31)によって、前記並列方向への移動がガイドされることを特徴とする請求項8又は9に記載の物品陳列装置。
【請求項11】
前記ケース(1)は、前記スライダ(10)が前記弾性部材(6)の付勢力によって他端側に移動するのを規制するストッパ(32)を、前記収容部(2)の一端側に備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の物品陳列装置。
【請求項12】
複数の物品(A)を並列して収容可能な収容部(2)を備えたケース(1)と、前記ケース(1)に前記並列方向に沿って形成されたガイド部(4)と、前記ガイド部(4)に前記並列方向に沿って移動自在に設けられたスライダ(10)と、前記スライダ(10)を前記並列方向の一端から他端に向かって付勢する弾性部材(6)とを備え、前記収容部(2)内の他端の物品(A)を取り出した際に、前記スライダ(10)が、前記弾性部材(6)の付勢力によって、残りの物品(A)を押圧して他端側へ送り出す物品陳列装置において、
前記ケース(1)は、前記収容部(2)の他端に表示部材(41)を備え、その表示部材(41)は前記並列方向に沿って移動可能、又は、前記収容部(2)に設けた支持軸周りに揺動自在に前記ケース(1)に支持されており、前記表示部材(41)は、前記スライダ(10)が前記並列方向所定の位置よりも一端側に位置する場合は前記ケース(1)の他端側端面部材(7)から離れた位置にあり、前記スライダ(10)が他端側へ移動して前記並列方向所定の位置に達すると、前記並列方向への移動又は前記支持軸周りの揺動により、前記ケース(1)の他端側端面部材(7)に接近して、前記ケース(1)の外側から視認可能となることを特徴とする物品陳列装置。
【請求項13】
前記収容部(2)の前記並列方向所定の位置に、前記スライダ(10)の基部(12)に設けた作用部(14)が当接する検知部材(42)を設け、前記検知部材(42)と前記表示部材(41)とはリンク機構(43)によって接続されており、前記表示部材(41)の前記並列方向への移動又は前記支持軸周りの揺動は、前記スライダ(10)の作用部(14)が前記検知部材(42)を他端側へ押圧することにより前記リンク機構(43)を介して行うことを特徴とする請求項12に記載の物品陳列装置。
【請求項14】
複数の物品(A)を並列して収容可能な収容部(2)を備えたケース(1)と、前記ケース(1)に前記並列方向に沿って形成されたガイド部(4)と、前記ガイド部(4)に前記並列方向に沿って移動自在に設けられたスライダ(10)と、前記スライダ(10)を前記並列方向の一端から他端に向かって付勢する弾性部材(6)とを備え、前記収容部(2)内の他端の物品(A)を取り出した際に、前記スライダ(10)が、前記弾性部材(6)の付勢力によって、残りの物品(A)を押圧して他端側へ送り出す物品陳列装置において、
前記ガイド部(4)は、前記収容部(2)の底部を形成する底板部材(5)に形成された長手状のスリット(34)であり、前記スライダ(10)は、前記物品(A)に当接する物品押圧部(11)と、その物品押圧部(11)から下方に伸びて前記スリット(34)内に入り込む基部(12)と、前記底板部材(5)の上面(5a)に摺接する保持部(13)とを備え、前記基部(12)は、前記スリット(34)の下方でそのスリット(34)の幅方向の縁(34a)よりも外側に突出する張出部(12a)を有し、前記張出部(12a)は前記底板部材(5)の下面(5b)に摺接し、前記保持部(13)及び前記張出部(12a)は、前記スライダ(10)が前記弾性部材(6)の付勢力によって前記物品(A)を押圧する際に、前記スライダ(10)が前記弾性部材(6)の付勢力を受けない場合よりも、前記物品押圧部(11)の上端が他端側へ傾斜することを許容する形状となっていることを特徴とする物品陳列装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−40070(P2012−40070A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181675(P2010−181675)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(392006639)株式会社アイナック (7)