説明

物干装置

【課題】簡単な構造で取り付け強度が高く、アーム部材の角度を大きく変えることができる物干装置を提供する。
【解決手段】建築物に取り付けられるベース部材12と、ベース部材12に取り付けられるアーム部材38から成る。ベース部材12には、アーム部材38を取り付ける垂直な取付面20,24と、取付面20,24のやや上方寄りの位置に設けられアーム部材12へ突出する上方突起26を備える。上方突起26の下方には、アーム部材38へ突出する下方突起34を有する。アーム部材38には、ベース部材12の取付面20,24に摺動可能に取り付けられる環状の嵌合部40を備える。嵌合部40には、内周面に上方突起26が差し込まれる上方突起凹部42が円周に沿って形成され、外周面に下方突起34が差し込まれる下方突起凹部46が円周に沿って形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の壁面やベランダの手摺等に取り付けられ、物干し竿を掛け渡して使用する物干装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物のべランダ等に固定された物干装置として、建築物に取り付けられたベース部材に、アーム部材を垂直面内で回動可能に取り付け、アーム部材を水平状態あるいは斜め上状態や斜め下状態で固定して使用し、不使用時には鉛直下方に回動して収納することができる物干装置があった。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されている物干装置は、アーム部材に軸部と爪部が形成され、ベース部材には軸受け部と被係合部が設けられている。アーム部材の軸部はベース部材の軸受け部に保持され、このときアーム部材には自重により軸部を中心として回転する力が働く。この力に抗して、ベース部材の被係合部にアーム部材の爪部が当接されて所定角度に保持されるものである。
【特許文献1】特開2003−103099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術の場合、構造が複雑であり別部材のピンが必要であり、組立工程が多くコストも掛かるものであった。アーム部材は、軸部と爪部の2箇所でベース部材に係止されているため、取付強度があまり高くなかった。また、アーム部材を保持する角度が3箇所に限定され、周囲の状況に合わないおそれもあった。
【0005】
この発明は、上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で取り付け強度が高く、アーム部材の角度を大きく変えることができる物干装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、建築物に取り付けられるベース部材と、前記ベース部材に取り付けられるアーム部材が設けられた物干装置である。前記ベース部材には、前記アーム部材を取り付ける垂直な取付面と、前記取付面のやや上方寄りの位置に設けられ前記アーム部材へ突出する上方突起と、前記上方突起の下方に形成され前記アーム部材へ突出する下方突起が設けられている。前記アーム部材には、前記ベース部材の前記取付面に摺動可能に取り付けられる環状の嵌合部が設けられ、前記嵌合部は内周面に前記上方突起が差し込まれる上方突起凹部が円周に沿って形成され、外周面に前記下方突起が差し込まれる下方突起凹部が円周に沿って形成されている。そして、前記嵌合部は前記取付面の上方突起の外側と前記一対の下方突起の中側を通過し、前記アーム部材は前記嵌合部が前記取付面に沿って上下方向に摺動可能であり、上方に位置するとき、前記嵌合部の上記上方突起凹部と下方突起凹部は、上方突起と下方突起から上方に離れて係合が解除され、下方に位置するとき、前記嵌合部の上記上方突起凹部には上方突起が差し込まれ、下方突起凹部には前記下方突起が差し込まれ、保持される。これにより、係止と解除が行われる。
【0007】
また、前記物干装置には、前記アーム部材の外側に設けられ前記ベース部材との間に前記アーム部材を挟持して固定するキャップ部材が設けられ、前記ベース部材と前記キャップ部材には互いに連通するボルト用透孔と、前記連通されたボルト用透孔に挿通されるボルトが設けられている。
【0008】
また、前記ベース部材と前記キャップ部材には、互いに対面してつながる台部が設けられ、前記台部は前記アーム部材の嵌合部の中空部分に挿通されている。また、前記台部の上方に一つの前記上方突起が設けられ、前記台部の下方には、左右等しい距離はなれた位置に形成され、前記アーム部材へ突出する一対の前記下方突起が設けられている。
【0009】
また、前記アーム部材の前記嵌合部には合成樹脂製のカバー部材が設けられ、前記カバー部材には、前記嵌合部に形成された前記上方突起凹部と前記下方突起凹部に沿う凹部が設けられている。前記カバー部材は、前記嵌合部の前記ベース部側と前記キャップ部材側に2分割されている。
【0010】
また、前記ベース部材と前記キャップ部材の間には、前記アーム部材の前記嵌合部の水平方向に隣接して位置する左右一対のガイド突起が設けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の物干装置は、簡単な構造で取り付け強度が高く、確実に竿を保持することができる。アーム部材の角度を所定角度ごとに大幅に変えることができ、周囲の状況に合わせて適した角度に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1〜図3はこの発明の一実施形態を示すもので、この実施形態の物干装置10は、建築物に取り付けられるベース部材12を備えている。ベース部材12はアルミニウムまたはその合金で一体に鋳造され、建築物に当接する細長い板状の取付部14が設けられている。取付部14の両端部付近に各々ボルトを挿通して建築物に固定するための透孔16が形成されている。
【0013】
また、取付部14の中央には、円板状の第一台部18が設けられている。第一台部18は、取付部14の長手方向に、第一台部18の直径方向が一致して設けられ、取付部14よりも厚みがあり、取付部14から突出している。取付部14から突出した取付部14に対して平行な面は、後述するアーム部材38を取り付ける第一取付面20となる。
【0014】
取付面20の中心には、取付面20から突出する円柱状の第二台部22が設けられている。第二台部22の、取付部14に対して平行な先端面は後述するキャップ部材62を取り付ける第二取付面24となる。第一取付面20の、取付部14の長手方向に一致する部分には、上方突起26が設けられている。上方突起26は、第二台部22よりも高く突出し、第一取付面20に平行な断面形状は、取付部14の長手方向に一致した長い長丸である。上方突起26は、第一取付面20の中心よりも一方の周縁部に近い部分に位置し、上方突起26の、第一取付面20の周縁部側の端部26aは第二台部22と第一取付面20周縁部との間に位置し、他方の端部26bは第二台部22の内側に位置し、第二取付面24から突出している。端部26b付近には、ボルト用透孔28が第二取付面24、第一取付面20を貫通して設けられている。
【0015】
第二台部22の第二取付面24の、上方突起26と反対側には、第二台部22の周縁部に一致して係合凸部30が設けられている。係合凸部30は、第二取付面24から上方突起26と同じ高さに突出し、第二取付面24に平行な断面形状は、第二台部22の周縁部に沿う曲線と第二取付面24の中心側へ膨出する曲線で形成されている。係合凸部30の中心には、ボルト用透孔28が設けられている。第二取付面24の周縁部には、上方突起26と係合凸部30の中間付近に、一対の係合凹部32が設けられている。係合凹部32は、第二取付面24から第一取付面20に達しない深さにくぼんで形成され、第二台部22の側周面に連通し、係合凹部32の底部は第一取付面20に対して平行な面で形成され、底部の中心にはボルト用透孔28が設けられている。
【0016】
第一取付面20の、上方突起26と反対側の周縁部には、上方突起26の下方の延長線上の両脇に、左右等しい距離はなれた位置に一対の下方突起34が設けられている。下方突起34は、第二台部22よりも低い高さに突出し、第一取付面20に平行な断面形状は、第一取付面20の周縁部に沿う曲線と、第一取付面20の中心側へ膨出する曲線で形成されている。
【0017】
ベース部材12には、アーム部材38が設けられている。アーム部材38はアルミニウムまたはその合金で一体に鋳造され、アーム部材38の一端部には、ベース部材12の第一取付面20に摺動可能に取り付けられる環状の嵌合部40が一体に設けられている。嵌合部40は、ベース部材12の第一台部18より僅かに小さい直径の短い円筒で作られ、嵌合部40の内周面40aには、上方突起26の端部26aが円筒の内側から差し込まれる上方突起凹部42が設けられている。上方突起凹部42は上方突起26の端部26aが嵌合される半円筒形に設けられ、嵌合部40の内周面40aに沿って等間隔に8個形成されている。
【0018】
嵌合部40の、内周面40aに対して直角な両側面40bには、内周面40aの周縁部を一周する段部44が設けられている。段部44は、側面40bから僅かに高く突出し、段部44の外周面44aには、ベース部材12の下方突起34が外側から差し込まれる下方突起凹部46が設けられている。下方突起凹部46は下方突起34が嵌合される半円筒形に設けられ、段部44の外周面44aに沿って等間隔に8個形成されている。下方突起凹部46は、上方突起凹部42と放射線上に一致しない位置にずらして形成されている。
【0019】
嵌合部40の反対側の側面40bにも同様に段部44が設けられ、一対の側面40bの段部44は、下方突起凹部46の位置が一致して設けられている。
【0020】
嵌合部40の外周面40cの一部には、腕部48が連続して一体に設けられている。腕部48は、長尺の板体であり、嵌合部40から少し離れた部分で山形に折り曲げられ、その先端は直線で側方に延出している。腕部48の内側には長手方向に沿って薄肉部50が形成され、薄肉部50には長手方向に沿って等間隔に円形の透孔である竿受部52が5個形成されている。
【0021】
アーム部材38の嵌合部40の両側には、合成樹脂製のカバー部材54が設けられている。カバー部材54は、2個の同形のものを、嵌合部40のベース部材12側と反対側にそれぞれ取り付けて、嵌合部40を被っている。カバー部材54は、嵌合部40の側面40bに重ねられる中空の円板状の本体56から成り、本体56の内周面56aは、嵌合部40の内周面40aに差し込まれる円筒であり、上方突起凹部42に沿う凹部58が8個設けられている。本体56の外周面56cは、アーム部材38の嵌合部40の段部44外周面44aに一致し、外周面44aを被う短い円筒である。外周面56cには、下方突起凹部46に沿う凹部60が8個設けられている。
【0022】
アーム部材38の、ベース部材12と反対側には、キャップ部材62が設けられている。キャップ部材62は、嵌合部40よりも僅かに大きくベース部材12の第一台部18とほぼ同じ直径の円板である本体64が設けられ、本体64のアーム部材38側の側面64aには、ベース部材12の第二台部22と同形のキャップ台部66が設けられている。キャップ台部66は、第二台部22に対向する位置に設けられ、側面64aに対して平行な面は取付面68となり、物干装置10の組み立て状態でベース部材12の第二台部22の第二取付面24に当接する。
【0023】
本体64の側面64aには、ベース部材12の上方突起26に対向する上方突起70が設けられている。上方突起70の断面形状は上方突起26と同じであり、側面64aからの高さは取付面68よりも低く、組み立て状態で上方突起26に当接する。キャップ台部66の取付面68の、上方突起70と反対側には、ベース部材12の係合凸部30に対向する係合凹部72が設けられている。係合凹部72は、取付面68からくぼんで形成され、組み立て状態で係合凸部30が差し込まれて係合凹部72の底部に当接する。キャップ台部66の周縁部には、ベース部材12の係合凹部32に対向する一対の係合凸部74が設けられている。係合凸部74は、取付面68から突出し、ベース部材12の係合凹部32に差し込まれて係合凹部32の底部に当接する。上方突起70、係合凹部72、係合凸部74には、ベース部材12のボルト用透孔28に連通するボルト用透孔76が設けられている。ボルト用透孔76は、本体64を貫通しない深さに設けられている。
【0024】
側面64aの、上方突起70と反対側の周縁部近傍には、ベース部材12の下方突起34に対向する一対の下方突起78が設けられている。下方突起78は、第二台部22よりも低い高さに突出している。本体64の側面64aの周縁部には、上方突起70と下方突起78の間に、ガイド壁部80が設けられている。ガイド壁部80は、カバー部材54の本体56の外周面56cにゆとりを有して左右から当接する彎曲した板状であり、ガイド壁部80の先端はアーム部材38の嵌合部40側面40bに当接している。下方突起78とおなじ突出量である。
【0025】
次に、物干装置10の組み立て方法について説明する。まず、アーム部材38の嵌合部40に、一対のカバー部材54を両側から当て、嵌合部40を被う。この状態でアーム部材38の嵌合部40の一方の側面40bをベース部材12の第一取付面20に当て、アーム部材38の他方の側面40bにキャップ部材62を当てる。ここでベース部材12の4個のボルト用透孔28とキャップ部材62の4個のボルト用透孔76が連通する。そこへベース部材12の、第一台部18の第一取付面20と反対側から、図示しないボルトを螺合させて、ベース部材12、アーム部材38、キャップ部材62を連結し、組み立てる。このとき、ベース部材12の第二台部22の第二取付面24は、キャップ部材62のキャップ台部66の取付面68に当接し、上方突起26が上方突起70に当接し、係合凸部30が係合凹部72に、係合凹部32が係合凸部74に互いに嵌合される。
【0026】
そして、ベース部材12を建築物、例えばマンションの壁面やベランダの手摺等に、ベース部材12とアーム部材38、キャップ部材62を一組として取り付ける。取付方法は、建築物にベース部材12の取付部14を当接させ、取付部14の透孔16にコンクリート用のボルトを差し込み固定する。このとき、ベース部材12の上方突起26が上方に位置し、一対の下方突起34が下方に位置するように取り付ける。アーム部材38の山形に折り曲げられた向きは、左右どちらでもよい。そして、一対のアーム部材38の竿受部52に各々竿を掛け渡す。このとき、竿や洗濯物の重みでアーム部材38に下向きの力がかかる。図1においてアーム部材38の嵌合部40が下方及び時計回りに向かって力がかかり、嵌合部40の上方突起凹部42に差し込まれた上方突起26に保持され係止される。上方突起26は放射方向に長く形成され、時計回りの力を受ける面が広く、確実に係止される。そして嵌合部40の下方突起凹部46に差し込まれた一対の下方突起34にも保持され、下方突起34は上方突起26の下方の左右に等しい距離はなれて設けられ、上方からの力を均等に保持する。
【0027】
次に、この実施形態の物干装置10の、アーム部材38の角度を変える操作について図2に基づいて説明する。図2は、キャップ部材62を描かずにアーム部材38の嵌合部40を見やすいように示したものである。カバー部材54は省略している。ここで、図2(a)に示すように、アーム部材38の腕部48が水平に保持されている状態から、(d)に示すように時計回りに45度回転させる場合について説明する。まず、(a)に示す状態からアーム部材38を上方に上げるように力を加えると、(b)に示すようにアーム部材38の嵌合部40はベース部材12の第一取付面20から垂直上方へ摺動し、アーム部材38の上方突起凹部42と下方突起凹部46が、ベース部材12の上方突起26と下方突起34から離れ、係合が解除される。嵌合部40の中空部には、ベース部材12の第二台部22とキャップ部材62のキャップ台部66がゆとりを有して挿通されているため、アーム部材38は一定以上移動すると嵌合部40の内周面40aが第二台部22、キャップ台部66に当接するため、移動が制限される。なお、左右方向には、キャップ部材62のガイド壁部80により移動が制限されている。次にアーム部材38を、嵌合部40を中心に時計回りに回転させると、(c)に示すように、(a)で係止されていた上方突起凹部42の反時計周りに隣接する次の上方突起凹部42がベース部材12の上方突起26の上方に位置する。そして(a)で係止されていた一対の下方突起凹部46の、図面右側に係止されていた下方突起凹部46が左の下方突起34の上方に位置し、その反時計周りに隣接する次の下方突起凹部46が、右の下方突起34の上方に位置する。そして、アーム部材38を下方に下ろすと、アーム部材38の上方突起凹部42と下方突起凹部46が、ベース部材12の上方突起26と下方突起34に係止され、アーム部材38は45度時計回りに回転した方向で保持される。
【0028】
なお、アーム部材38は45度ごとに、360度移動する。アーム部材38を90度や135度変える場合も同様の操作で行う。また、反時計周りに変える場合も同様の操作である。
【0029】
アーム部材38の角度を変える操作は、一対のアーム部材38に竿を掛け渡した状態で、竿を上に引き上げたり、降ろしたりすることで、一対のアーム部材38のベース部材12に対する係合や係合解除、位置の変更を同時に行うこともできる。
【0030】
この実施形態の物干装置10によれば、簡単な構造で取り付け強度が高く、確実に竿を保持することができる。アーム部材の角度を45度刻みに360度移動することができ、周囲の状況に合わせて適した角度に設定することができる。
【0031】
アーム部材38は、1個の上方突起凹部42と2個の下方突起凹部46でベース部材12に保持されているため、接触面積が広く、確実に保持される。また、アーム部材38の角度を決めるピンなどの別体の部材が不要であり、構造がシンプルで組立工程が容易である。アーム部材38の嵌合部40には、カバー部材54が取り付けられているため、ベース部材12との間にがたつきが生じることが無く、騒音を抑えることができる。アーム部材38の、ベース部材12に対する係合と解除の切替は、アーム部材38を持ち上げると係合が解除され降ろすと係合される簡単なものであり、操作性が良好である。
【0032】
なお、この発明の物干装置10は、図4に示すようにベース部材12に取付部14がなく、直接建築用の柱82に取り付けるものでもよい。柱82の、物干装置10の取り付け位置にはボルト用透孔84が形成されている。ベース部材12の第一台部18は、柱82に取り付けられる面を第三取付面21とし、第三取付面21には、柱82の溝部に嵌合される突起86が設けられている。第一台部18の中心には、第一台部18と第二台部22、突起86を貫通するボルト用透孔88が設けられている。キャップ部材62の中心には、本体64とキャップ台部66を貫通するボルト用透孔90が設けられている。
【0033】
この物干装置10の組み立て方法について説明する。まず、アーム部材38にカバー部材54を取り付けた状態で、ベース部材12とキャップ部材62を当て、ベース部材12のボルト用透孔28とキャップ部材62のボルト用透孔76を一致させて図示しないボルトを螺合させて連結し、組み立てる。そしてベース部材12をフレーム82に当て、フレーム82のボルト用透孔84と、ベース部材12のボルト用透孔88、キャップ部材62のボルト用透孔90に、図示しないボルトを挿通させ、平座金92を介して袋ナット94で固定する。
【0034】
これにより、物干装置10を建築用のフレーム82に直接取り付けることができる。柱82に当接する突起86は、柱82の形状に合わせて適宜変更可能である。
【0035】
なお、この発明の物干装置は上記実施の形態に限定されるものではなく、ベース部材の取付位置や取付箇所も壁以外に天井部分や支柱等適宜選択可能である。さらにベース部材とアーム部材の形状、またはアーム部材の上方突起凹部と下方突起凹部の数も適宜変更可能である。アーム部材の上方突起凹部と下方突起凹部の数は、自由に変更可能であり、上方突起凹部と下方突起凹部の数により保持される角度の間隔を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の一実施形態の物干装置の分解斜視図である。
【図2】この実施形態の物干装置のアーム部材の角度を変更する工程を示す概略図である。
【図3】この実施形態の物干装置の正面図である。
【図4】この実施形態の物干装置の変形例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
10 物干装置
12 ベース部材
14 取付部
18 第一台部
20 第一取付面
22 第二台部
24 第二取付面
26,70 上方突起
28,76 ボルト用透孔
34,78 下方突起
38 アーム部材
40 嵌合部
42 上方突起凹部
46 下方突起凹部
54 カバー部材
62 キャップ部材
80 ガイド壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物に取り付けられるベース部材と、前記ベース部材に取り付けられるアーム部材が設けられ、前記ベース部材には、前記アーム部材を取り付ける垂直な取付面と、前記取付面のやや上方寄りの位置に設けられ前記アーム部材へ突出する上方突起と、前記上方突起の下方に形成され前記アーム部材へ突出する下方突起が設けられ、前記アーム部材には前記ベース部材の前記取付面に摺動可能に取り付けられる環状の嵌合部が設けられ、前記嵌合部は内周面に前記上方突起が差し込まれる上方突起凹部が円周に沿って形成され、外周面に前記下方突起が差し込まれる下方突起凹部が円周に沿って形成されていることを特徴とする物干装置。
【請求項2】
前記物干装置には、前記アーム部材の外側に設けられ前記ベース部材との間に前記アーム部材を挟持して固定するキャップ部材が設けられ、前記ベース部材と前記キャップ部材には互いに連通するボルト用透孔と、前記連通されたボルト用透孔に挿通されるボルトが設けられていることを特徴とする請求項1記載の物干装置。
【請求項3】
前記ベース部材と前記キャップ部材には、互いに対面してつながる台部が設けられ、前記台部は前記アーム部材の嵌合部の中空部分に挿通され、前記台部の上方に一つの前記上方突起が設けられ、前記台部の下方に、左右等しい距離はなれた位置に形成され前記アーム部材へ突出する一対の前記下方突起が設けられていることを特徴とする請求項2記載の物干装置。
【請求項4】
前記アーム部材の前記嵌合部には合成樹脂製のカバー部材が設けられ、前記カバー部材には、前記嵌合部に形成された前記上方突起凹部と前記下方突起凹部に沿う凹部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の物干装置。
【請求項5】
前記ベース部材と前記キャップ部材の間には、前記アーム部材の前記嵌合部の水平方向に隣接して位置する左右一対のガイド突起が設けられていることを特徴とする請求項2記載の物干装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−307101(P2008−307101A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155196(P2007−155196)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(591006117)株式会社ナガエ (16)