説明

物干装置

【課題】角度位置を変更する操作が簡単であり、なおかつ組立も簡単であり、低コストで外観も良好であること。
【解決手段】腕杆2の先端を、支持体1の後面の開口部19から挿入し、基端部の軸部22・22を軸受部14・14の先端に当接させて、腕杆2を支持体1前面の開口部19から突出させた状態にする。係止具3の操作部材5を支持体1の後面の開口部19から挿入し、軸部29・29を軸受部16・16の先端に当接させると共に、操作部30を支持体1の筐体10の底板12に設けた孔17から突出させ、係止具3の係止部材4を支持体1の後面の開口部19から挿入し、連係突部27を操作部材5の連係凹部31と連係させながら、軸部25・25を軸受部15・15の先端に当接させる。係止部材4の係止部26・26を、腕杆2のいずれか2箇所の係合部20・20に係合させ、裏蓋7を後面の開口部19に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓の両側壁面等に取り付けて、物干竿を挿通して使用する物干装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特願2007−122390号(特開2008−272354号)発明が提案されており、この従来例においては、台座14の開口部20からアーム部材36を取付部16の建築物12側の面から差し込み、台座14の開口部20からスペーサ26を入れ、アーム部材36の連結部42にスペーサ26を取り付ける。これにより、アーム部材36の軸部44は、台座14のスペーサ収容部24とスペーサ26の軸部収容部34で囲まれた範囲内で移動できるように、アーム部材36は、台座14に取り付けられるものである。
【0003】
また、特願平3−23285号(特開平4−261953号)発明が提案されており、この従来例においては、手摺1(物干竿として使用)を軸9aで支持部9内で回動可能に支持され、支持部9内部にストッパピン11が軸11aに軸支されている。そして、ストッパピン11の係合爪11bと手摺1基端部の係合部1cとが係合・解除できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−272354号公報
【特許文献2】特開平4−261953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の従来例においては、アーム部材36を台座14の中で移動させてその角度を変える構造であるが、その移動のさせ方がアーム部材36を単に回動させるだけではなく、軸部44をずらしてから回動する必要があり複雑でその操作が難しいという問題があり、上記特許文献2記載の従来例においては、手摺1と軸9a、ストッパピン11と軸11aをそれぞれ順に組み立てなければならず、部品数が多く組立に時間がかかりコストが高くなるし軸が露出して外観が悪いという問題があり、本発明は、これらの問題を解決することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するための物干装置であり、請求項1においては、筐体を有する支持体と、竿受部を有する腕杆を具備し、支持体に腕杆を回動可能に取り付けて成る物干装置において、筐体は、上下左右に上板、底板及び両側板を有し、前面及び後面に開口部を設けてある略箱状で、腕杆は、先端部を後面の開口部から筐体に挿入して、後部を筐体の両側板の内面間に軸支して成り、さらに腕杆の後面の開口部から、係止部材と操作部材を有する係止具を筐体に挿入し、後面の開口部に裏蓋を、係止具および腕杆が離脱しないように取り付けて組み立てて成り、腕杆は、後端部に係合部を設けて成り、係止具の係止部材は、腕杆の係合部に係合する係止部を設けると共に、係止部より上方の位置で支持体に回動可能に軸支され、操作部材は、支持体の外部から操作可能な操作部を設けると共に、支持体に回動可能に軸支され、係止部材と操作部材は連係しており、操作部材を回動することによって係止部材を回動することができるように構成し、係止具の操作部材を操作することによって係止部材は回動してその係止部が係合部と係脱可能となり、腕杆の係合部と係止具の係止部材の係止部は、少なくともいずれか一方を複数設けて、腕杆を複数の角度位置に変更することができることを特徴とする物干装置であり、請求項2においては、筐体を有する支持体と、竿受部を有する腕杆を具備し、支持体に腕杆を回動可能に取り付けて成る物干装置において、筐体は、上下左右に上板、底板及び両側板を有し、前面及び後面に開口部を設けてある略箱状で、腕杆は、先端部を後面の開口部から筐体に挿入して、後部を筐体の両側板の内面間に軸支して成り、さらに腕杆の後面の開口部から係止具を筐体に挿入し、後面の開口部に裏蓋を、係止具および腕杆が離脱しないように取り付けて組み立てて成り、腕杆は、後端部に係合部を設けて成り、係止具は、腕杆の係合部に係合する係止部と外部から操作可能な操作部を設けると共に、係止部より上方の位置で支持体に回動可能に軸支され、操作部を回動することによって係止具を回動することができるように構成し、係止具の操作部を操作することによって係止部は回動して係合部と係脱可能となり、腕杆の係合部と係止具の係止部は、少なくともいずれか一方を複数設けて、腕杆を複数の角度位置に変更することができることを特徴とする物干装置である。
【発明の効果】
【0007】
以上のように本発明によれば、係止具の操作部材の操作部又は係止具の操作部を操作して腕杆を回動すれば角度位置を変更することができるので、腕杆の軸をずらす必要がなくその操作が簡単でわかりやすく、なおかつ組立も簡単であり、低コストで外観も良好であるという効果がある。
【0008】
また、請求項1の発明においては、係止具の係止部材は、腕杆の係合部に係合する係止部より上方の位置で支持体に回動可能に軸支されているので、腕杆の係合部が係止具の係止部材の係止部に係合し、腕杆に洗濯物を干す等下向きの力がかかった時に、係止具の係止部材が腕杆の係合部から軸支部分に下方から上向きの力がかかり、係止具の係止部材の係止部が変形して外れる方向に回動しにくく、容易に腕杆が使用中に下方に回動してしまうことがないという効果がある。
【0009】
また、請求項2の発明においては、係止具は、腕杆の係合部に係合する係止部より上方の位置で支持体に回動可能に軸支されているので、腕杆の係合部が係止具の係止部に係合し、腕杆に洗濯物を干す等下向きの力がかかった時に、係止具が腕杆の係合部から軸支部分に下方から上向きの力がかかり、係止具が外れる方向に回動しにくく、容易に腕杆が使用中に下方に回動してしまうことがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の腕杆が水平の使用状態を示す側面図である。
【図2】実施例1の腕杆が水平の使用状態を示す要部拡大断面図である。
【図3】実施例1の係止具を操作して係止部と係合部を離脱させた状態の要部拡大断面図である。
【図4】図3の状態から腕杆を下方に回動して、係止具の係止部が腕杆の案内突部に当接している状態の要部拡大断面図である。
【図5】実施例1の腕杆が斜め下向きの使用状態を示す要部拡大断面図である。
【図6】実施例1の全体分解斜視図である。
【図7】実施例1の要部分解斜視図である。
【図8】実施例2の腕杆が水平の使用状態を示す要部拡大断面図である。
【実施例1】
【0011】
図1〜図7に基づいて本発明の実施例1を説明する。
本発明の物干装置は、窓の両側壁面等に固定される支持体1に、腕杆2を回動可能に取り付けると共に、腕杆2の下方への回動を不能にする係止部材4と操作部材5とから成る係止具3を回動可能に取り付けてある。
【0012】
支持体1は、全体を金属で製してあり、略直方体で前面と後面に開口部18・開口部19を設けてある筐体10を有している。筐体10の両側の側板13・13は、上板11及び底板12よりも少し前方に突出し、その内面には、中間部に相対向するように、後面の開口部19に開放し前方に向かって徐々に幅が狭くなっていき前面の開口部18の手前で円弧状になっている凹溝状の軸受部14・14を設けると共に、上部に相対向するように、後面の開口部19に開放している略円弧状で凹溝状の軸受部15・15及び下部に相対向するように、後面の開口部19に開放している略円弧状で凹溝状の軸受部16・16を設けてある。また、底板12の基端部には、孔17を設けてある。
【0013】
腕杆2は、全体を金属で製してあり、複数の竿受部21・・・21を設けると共に、基端部両面に水滴状で厚さ方向に突出する軸部22・22を設け、基端縁には、ラチェット用の歯車溝である複数の係合部20・・・20を設け、一側面に、ラチェット用の歯車の先端面と略同一面に、腕杆2の回動中心を中心とする円弧状の摺接部23を設けてある。さらに、最下部の係合部20の一部を塞ぐように外方に突出している案内突部24を設けてある。摺接部23は、係合部20・・・20を挟むように両側面に設けてもよい。また、腕杆2の基端部両面には、軸部22の部分を切り欠いた扇形状で合成樹脂製のスペーサー8・8を取り付けてある。このスペーサー8・8は、腕杆2が回動する時に、金属製の支持体1と腕杆2との間に位置し、摩擦を軽減し消音するためのものである。
【0014】
係止具3は、係止部材4と操作部材5とから成り、係止部材4は、上端部に両側外面に突出する円柱状の軸部25・25を設けると共に、下端部に一方側外面に突出する円柱状の連係突部27を設け、下部前面にラチェット用の歯車突起である2つの係止部26・26を上下に設けてある。図7に示すように、下方に位置する係止部26の厚さbは、上方に位置する係止部26の厚さaよりも厚さが四分の一程度切り欠いて薄くなっており、腕杆2の案内突部24に当接せず通過できるようになっている。さらに、係止部材4には、下部に一方側外面に突出する縦長長方形の角柱状の制限突部28を設けてある。
【0015】
操作部材5は、略中央に両側外面に突出する円柱状の軸部29・29を設け、上端部に略U字状の連係凹部31を設けると共に、下端部に支持体1の筐体10の孔17から突出する操作部30を設けてある。なお、操作部30は、筐体10から突出していなくても、支持体1の外部から操作することができるものであればよい。
【0016】
裏蓋7は、縦長板状の前面に縦方向に2条の突条32・32を間隔をあけて設け、さらにその上下部にそれぞれ円弧状に凹んでいる軸押さえ部33・33及び軸押さえ部34・34を設けてあり、支持体1の後面に上下部を固定され、後面の開口部19を塞ぐものである。
【0017】
本実施例の物干装置の組立方法を説明する。
スペーサー8・8を取り付けた腕杆2の先端を、支持体1の後面の開口部19から挿入し、基端部の軸部22・22を凹溝状の軸受部14・14の先端に当接させて、腕杆2を支持体1前面の開口部19から突出させた状態にする。腕杆2は、水滴状の軸部22・22が軸受部14・14の上下端に当接する範囲内で回動が可能な状態である。
【0018】
次に、係止具3の操作部材5を支持体1の後面の開口部19から挿入し、軸部29・29を凹溝状の軸受部16・16の先端に当接させると共に、操作部30を支持体1の筐体10の底板12に設けた孔17から突出させ、係止具3の係止部材4を支持体1の後面の開口部19から挿入し、連係突部27を操作部材5の連係凹部31と連係させながら、軸部25・25を凹溝状の軸受部15・15の先端に当接させる。
【0019】
そして、係止部材4前面の係止部26・26を、腕杆2のいずれか2箇所の係合部20・20に係合させ、係止部材4後面にばね6を当接させて、そのばね6を縮めるようにして裏蓋7を、後面の開口部19に固定する。すると、係止具3の操作部材5の前面が腕杆2の後端縁に当接し、裏蓋7の突条32・32の軸押さえ部33・33及び軸押さえ部34・34が係止部材4の軸部25・25及び操作部材5の軸部29・29に当接する状態になる。この状態では、軸部25・25及び軸部29・29は軸受部15・15及び軸受部16・16の中に収納されることになり、係止具3の係止部材4は、支持体1の中で軸部25・25を中心に、係止具3の操作部材5は、支持体1の中で軸部29・29を中心に、それぞれ回動が可能な状態となる。
【0020】
本実施例の物干装置を使用するには、以上のように腕杆2が取り付けられた支持体1を、窓の両側壁面等に2つ一組にして取付ボルト9・・・9で固着して、それぞれの竿受部21・・・21に物干竿を挿架すればよい。
【0021】
腕杆2の角度位置を変更するには、腕杆2を少し持ち上げて回動してから、係止具3の操作部材5の操作部30を上方へ押して後方へ回動させることによって、連係凹部31が連係突部27を押して係止具3の係止部材4を、制限突部28が裏蓋7の突条32に当接するまで、ばね6に抗して後方へ回動させる。すると、係止部26・26が腕杆2の係合部20・20から離脱し(図3の状態)、腕杆2を上方又は下方へ回動させて、操作部30を放して係止具3の係止部材4をばね6の力で戻して、係止部26・26を腕杆2の別の係合部20・20に係合させればよい(例えば図5の状態)。
【0022】
腕杆2は、操作部30を上方へ押して係止部26・26が腕杆2の係合部20・20から離脱している状態では、摺接部23が係止具3の操作部材5に摺接しながら回動するので、その動きがスムーズである。なお、本実施例では、腕杆2の係合部20・20と係止具3の係止部26・26は、ラチェット機構になっており、腕杆2を上方へ回動すると、係止具3の係止部材4はばね6の力に抗して後方へ回動して係合部20・20と係止部26・26との係合は外れるようになっているので、腕杆2を上方へ角度位置を変更するには、単に腕杆2を上方へ回動するだけでよい。
【0023】
係止部26・26が腕杆2の係合部20・20から離脱した状態で、腕杆2を下方へ回動すると、図4に示すように、上方の係止部26が腕杆2の案内突部24に当接して(上述したように下方の係止部26は、厚さが四分の一程度切り欠いて薄くなっており、腕杆2の案内突部24に当接せず通過できるようになっている)、係止部26・26は、腕杆2の最も下方に位置する2つの係合部20・20に案内されて係合する(図5参照)。
【実施例2】
【0024】
図8に基づいて本発明の実施例2を説明する。
この実施例では、係止具43が一部材で、筐体47の上板48の基端部に設けた孔53から操作部63を突出させてあるものである。
【0025】
支持体41は、全体を金属で製してあり、略直方体で前面と後面に開口部54・開口部55を設けてある筐体47を有している。筐体47の両側の側板50・50は、上板48及び底板49よりも少し前方に突出し、その内面には、中間部に相対向するように、後面の開口部55に開放し前方に向かって徐々に幅が狭くなっていき前面の開口部54の手前で円弧状になっている凹溝状の軸受部51・51を設けると共に、上部に相対向するように、後面の開口部に開放している略円弧状で凹溝状の軸受部52・52を設けてある。また、上板48の基端部には、孔53を設けてある。
【0026】
腕杆42は、全体を金属で製してあり、複数の竿受部(図示せず)を設けると共に、基端部両面に水滴状で厚さ方向に突出する軸部57・57を設け、基端縁には、ラチェット用の歯車溝である複数の係合部56・・・56を設け、一側面に、ラチェット用の歯車の先端面と略同一面に、腕杆2の回動中心を中心とする円弧状の摺接部58を設けてある。さらに、最下部の係合部56の一部を塞ぐように外方に突出している案内突部59を設けてある。摺接部58は、係合部56・・・56を挟むように両側面に設けてもよい。また、腕杆42の基端部両面には、軸部57の部分を切り欠いた扇形状で合成樹脂製のスペーサー46・46を取り付けてある。このスペーサー46・46は、腕杆42が回動する時に、金属製の支持体41と腕杆42との間に位置し、摩擦を軽減し消音するためのものである。
【0027】
係止具43は、一部材で、略中央に両側外面に突出する円柱状の軸部60・60を設け、上端部に支持体41の筐体47の孔53から突出する操作部63を設け、さらには下部前面にラチェット用の歯車突起である2つの係止部61・61を上下に設けてある。図示しないが実施例1と同様に、下方に位置する係止部61は、上方に位置する係止部61よりも厚さが四分の一程度切り欠いて薄くなっており、腕杆42の案内突部59に当接せず通過できるようになっている。さらに、係止具43には、下部に一方側外面に突出する縦長長方形の角柱状の制限突部62を設けてある。なお、操作部63は、筐体47から突出していなくても、支持体41の外部から操作することができるものであればよい。
【0028】
裏蓋45は、縦長板状の前面に縦方向に2条の突条64・64を間隔をあけて設け、さらにその上部に円弧状に凹んでいる軸押さえ部65・65を設けてあり、支持体41の後面に上下部を固定され、後面の開口部55を塞ぐものである。
【0029】
本実施例の物干装置の組立方法を説明する。
スペーサー46・46を取り付けた腕杆42の先端を、支持体41の後面の開口部55から挿入し、基端部の軸部57・57を凹溝状の軸受部51・51の先端に当接させて、腕杆42を支持体41前面の開口部54から突出させた状態にする。腕杆42は、水滴状の軸部57・57が軸受部51・51の上下端に当接する範囲内で回動が可能な状態である。
【0030】
次に、係止具43を支持体41の後面の開口部55から挿入し、軸部60・60を凹溝状の軸受部52・52の先端に当接させると共に、操作部63を支持体41の筐体47の上板48に設けた孔53から突出させる。
【0031】
そして、係止具43前面の係止部61・61を、腕杆42のいずれか2箇所の係合部56・56に係合させ、係止具43後面にばね44を当接させて、そのばね44を縮めるようにして裏蓋45を、後面の開口部55に固定する。すると、係止具43の前面が腕杆42の後端縁に当接し、裏蓋45の突条64・64の軸押さえ部65・65が係止具43の軸部60・60に当接する状態になる。この状態では、軸部60・60は軸受部52・52の中に収納されることになり、係止具43は、支持体41の中で軸部60・60を中心に回動が可能な状態となる。
【0032】
本実施例の物干装置を使用するには、以上のように腕杆42が取り付けられた支持体41を、窓の両側壁面等に2つ一組にして取付ボルト(図示せず)で固着して、それぞれの竿受部(図示せず)に物干竿を挿架すればよい。
【0033】
腕杆42の角度位置を変更するには、腕杆42を少し持ち上げて回動してから、係止具43の操作部63を下方へ押して、係止具43を制限突部62が裏蓋45の突条64に当接するまで、ばね44に抗して後方へ回動させる。すると、係止部61・61が腕杆42の係合部56・56から離脱し、腕杆42を上方又は下方へ回動させて、操作部63を放して係止具43をばね44の力で戻して、係止部61・61を腕杆42の別の係合部56・56に係合させればよい。
【0034】
腕杆42は、操作部63を下方へ押して係止部61・61が腕杆42の係合部56・56から離脱している状態では、摺接部58が係止具43に摺接しながら回動するので、その動きがスムーズである。なお、本実施例でも、腕杆42の係合部56・56と係止具43の係止部61・61は、ラチェット機構になっており、腕杆42を上方へ回動すると、係止具43はばね44の力に抗して後方へ回動して係合部56・56と係止部61・61との係合は外れるようになっているので、腕杆42を上方へ角度位置を変更するには、単に腕杆42を上方へ回動するだけでよい。
【0035】
係止部61・61が腕杆42の係合部56・56から離脱した状態で、腕杆42を下方へ回動すると、上方の係止部61が腕杆42の案内突部59に当接して(上述したように下方の係止部61は、厚さが四分の一程度切り欠いて薄くなっており、腕杆42の案内突部59に当接せず通過できるようになっている)、係止部61・61は、腕杆42の最も下方に位置する2つの係合部56・56に案内されて係合する。
【符号の説明】
【0036】
1 支持体
2 腕杆
3 係止具
4 係止部材
5 操作部材
7 裏蓋
10 筐体
11 上板
12 底板
13 側板
18 開口部
19 開口部
20 係合部
21 竿受部
26 係止部
30 操作部
41 支持体
42 腕杆
43 係止具
45 裏蓋
47 筐体
48 上板
49 底板
50 側板
54 開口部
55 開口部
56 係合部
61 係止部
63 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を有する支持体と、竿受部を有する腕杆を具備し、支持体に腕杆を回動可能に取り付けて成る物干装置において、筐体は、上下左右に上板、底板及び両側板を有し、前面及び後面に開口部を設けてある略箱状で、腕杆は、先端部を後面の開口部から筐体に挿入して、後部を筐体の両側板の内面間に軸支して成り、さらに腕杆の後面の開口部から、係止部材と操作部材を有する係止具を筐体に挿入し、後面の開口部に裏蓋を、係止具および腕杆が離脱しないように取り付けて組み立てて成り、腕杆は、後端部に係合部を設けて成り、係止具の係止部材は、腕杆の係合部に係合する係止部を設けると共に、係止部より上方の位置で支持体に回動可能に軸支され、操作部材は、支持体の外部から操作可能な操作部を設けると共に、支持体に回動可能に軸支され、係止部材と操作部材は連係しており、操作部材を回動することによって係止部材を回動することができるように構成し、係止具の操作部材を操作することによって係止部材は回動してその係止部が係合部と係脱可能となり、腕杆の係合部と係止具の係止部材の係止部は、少なくともいずれか一方を複数設けて、腕杆を複数の角度位置に変更することができることを特徴とする物干装置。
【請求項2】
筐体を有する支持体と、竿受部を有する腕杆を具備し、支持体に腕杆を回動可能に取り付けて成る物干装置において、筐体は、上下左右に上板、底板及び両側板を有し、前面及び後面に開口部を設けてある略箱状で、腕杆は、先端部を後面の開口部から筐体に挿入して、後部を筐体の両側板の内面間に軸支して成り、さらに腕杆の後面の開口部から係止具を筐体に挿入し、後面の開口部に裏蓋を、係止具および腕杆が離脱しないように取り付けて組み立てて成り、腕杆は、後端部に係合部を設けて成り、係止具は、腕杆の係合部に係合する係止部と外部から操作可能な操作部を設けると共に、係止部より上方の位置で支持体に回動可能に軸支され、操作部を回動することによって係止具を回動することができるように構成し、係止具の操作部を操作することによって係止部は回動して係合部と係脱可能となり、腕杆の係合部と係止具の係止部は、少なくともいずれか一方を複数設けて、腕杆を複数の角度位置に変更することができることを特徴とする物干装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−75671(P2012−75671A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223469(P2010−223469)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000148070)株式会社川口技研 (48)