物質の送達のための系および方法
薬物およびその他の生物活性物質を例とする放出物質(release materials)を送達するための系および方法。CYCキャリアと称される結晶性ポリマー系が、化学的結合または物理的会合を介して放出物質と会合している。CYCキャリアの結晶性は、長鎖n‐アルキル部分を例とする結晶性側鎖の存在に起因しており、それによって、比較的低く狭い溶融温度がもたらされる。CYSCポリマーと称される1つのクラスのCYCキャリアでは、結晶性側鎖の大部分がポリマー主鎖からペンダント状にぶらさがった形となっている。ECCポリマーと称される別のクラスのCYCキャリアでは、結晶性側鎖の大部分がポリマー主鎖の末端ユニットに結合した形となっている。ECCポリマーは、例えば、PLGAポリマーの修飾によって得ることができる。非ポリマー性である別のクラスのCYCキャリア。CYC集合体(CYC assemblies)と称されるいくつかのCYCキャリアは、結晶性部分を持つポリマーと結晶性部分を持つモノマーとの間を例とする、異なる種類の分子中に存在する結晶性部分間の物理的会合の結果としてより高い結晶性を有する。いくつかの用途において、特に薬物の送達では、生崩壊性(bioerodable)CYCキャリアを用いることが好ましい。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
CYCキャリアおよび前記CYCキャリアと会合した薬物を含む医薬製剤であって、前記CYCキャリアは、ECCポリマーであって、
(A)以下の式、
−Yterm−b−Cy (2)
を持つ末端ユニットを含むバックボーンを有する複数のポリマー分子であって、
ここで、Ytermは、前記バックボーンの末端の部分であり、
bは、結合もしくはCy部分をYtermへ連結する部分であり、および
Cyは、その他のCy部分と会合して前記CYCポリマーに結晶性を付与する部分であり;
前記末端ユニット中のCy部分は、前記ポリマー分子のCy部分の少なくとも50重量%を提供する、
複数のポリマー分子を含み、ならびに、
(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度、Tp、が少なくとも0℃であり、融解熱、ΔH、が少なくとも3J/gであり、TpおよびΔHは、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定される、
ECCポリマーである、医薬製剤。
【請求項2】
前記の末端ユニットが、以下の式、
−Qx(−b−Cy)q (Q2)
を有する部分を含み、
ここで、Qxは、少なくとも(q+1)の結合価を有する部分であり、qは、少なくとも2である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
qが、3、4、5、または6である、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
前記のバックボーンが、生崩壊性であり、以下の式、
−Dnd−Q−Ene− (Q1)
を有する結合を含み、
ここで、
Qは、−O−、−NH−、または−S−であり、
ndは、0または1であり、
neは、0または1であり、
Dは、−CO−であり、および
Eは、−CO−または−CO−O−である、
請求項1または2に記載の製剤。
【請求項5】
前記ECCポリマーが、
(A)複数のポリマー分子を含み、その各々は、
(i)以下の式、
−CF1F2−CO−O− (1)
を有する複数の繰り返しユニットを含むポリマーバックボーンであって、
ここで、F1は水素であり、F2は水素またはメチルであり、前記繰り返しユニットは同一または異なっている、ポリマーバックボーン、および、
(ii)以下の式、
−b−Cy (2)
を有する少なくとも1つの末端ユニットであって、
ここで、Cyは、18〜24個の炭素原子を含むn‐アルキル部分であり、bは、結合、もしくは少なくとも2の結合価を有し、前記Cy部分を前記ポリマーバックボーンへ連結し、所望される場合は1もしくは2つ以上の追加のCy部分を含んでいてもよい部分である、少なくとも1つの末端ユニット、
から実質的に構成され、
(B)少なくとも40℃である結晶溶融温度Tp、(Tp−To)の値がTp0.7未満となる溶融温度の開始点To、および、少なくとも5J/gである融解熱を有し、Tp、To、およびΔHは、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定され、
(C)10,000未満である上述のように測定される数平均分子量Mnを有する、
請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
前記薬物がリスペリドンまたはジクロフェナクナトリウムである、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
少なくともいくつかのポリマー分子が、少なくとも3つのCy部分を含み、および前記ポリマーが少なくとも10J/gの融解熱を有する、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
前記Cy部分の少なくとも1つがポリオキシアルキレン部分を含む、請求項5に記載の製剤。
【請求項9】
前記薬物および前記ポリマーは、これらが上記の実施例で述べた手順によって薄く平らなディスク形状の放出サンプルに製剤されて、上記の実施例で述べた2つの放出試験の各々で試験される場合に、前記薬物が、前記2つの試験のうちの少なくとも1つにおいて、以下の段落(a)〜(c)の少なくとも1つ、
(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度、および30%未満の全量、
(b)最初の10日間にわたって30%未満の全量、ならびに、
(c)最初の10日間にわたって実質的に一定の速度、および最初の20日間にわたって20%未満の全量、
に従って放出されるものである、請求項5に記載の製剤。
【請求項10】
(i)前記製剤が、pH5.5に維持されるバッファー溶液に曝露される放出試験によって試験される場合、以下の段落(a)〜(c)、
(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度、および30%未満の全量、
(b)最初の10日間にわたって30%未満の全量、ならびに、
(c)最初の10日間にわたって実質的に一定の速度、および最初の10日間にわたって20%未満の全量、
の少なくとも1つに従って前記薬物を放出し;または、
(ii)前記製剤が、pH7.4に維持されるバッファー溶液に曝露される放出試験によって試験される場合、
(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度で、および最初の20日間にわたって30%未満の全量で、ならびに、
(b)最初の20日間にわたって30%未満の全量で、
前記薬物を放出する、
請求項5に記載の製剤。
【請求項11】
前記ECCポリマーが、
(A)複数のポリマー分子から実質的に構成され、その各々は、
(i)以下の式、
−CH2−CO−O− (1A)
を有する複数の繰り返しユニット、および以下の式、
−CH(CH3)−CO−O− (1B)
を有する複数の繰り返しユニットから実質的に構成されるポリマーバックボーン、ならびに、
(ii)以下の式、
−b−Cy (2)
を各々が有する複数の末端ユニットであって、
ここで、Cyは、18〜24個の炭素原子を含むn‐アルキル部分であり、bは、結合、もしくは少なくとも2の結合価を有し、前記Cy部分を前記ポリマーバックボーンへ連結し、所望される場合は追加のCy部分を含んでいてもよい部分である、複数の末端ユニット、
から実質的に構成され;
(B)少なくとも40℃である結晶溶融温度Tp、(Tp−To)の値が10℃未満となる溶融温度の開始点To、および、少なくとも5J/gである融解熱を有し、Tp、To、および融解熱は、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定され;
(C)8,000未満である上述のように測定される数平均分子量Mnを有する、
請求項5に記載の製剤。
【請求項12】
前記ポリマーが、以下の特徴、
(i)5,000未満の分子量を有する、
(ii)2〜30モルパーセントの末端ユニットを含む、
(iii)10〜40重量%のCy部分を含む、
(iv)少なくとも1つの末端ユニットが、
(2A)−Cy
(2B)−CO−O−Cy
(2C)−Rpbalc−CO−Cy
から成る群より選択される少なくとも1つの式を有し、
ここで、Rpbalcは、ポリオールの残基である、
(v)少なくとも1つの末端ユニットが、
−CH2−CH(OH)−CH2−O−CO−Cy、および、
−CH2−CH(O−CO−Cy)−CH2−O−CO−Cy
から成る群より選択される少なくとも1つの式を有する、
(vi)前記ポリマー分子の少なくともいくつかが、少なくとも3つのCy部分を含む、ならびに、
(vii)前記式(1A)および(1B)の繰り返しユニットの数が170個未満である、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項11に記載の製剤。
【請求項13】
薬物を、請求項1から12のいずれか1項で定めるECCポリマーと混合することを含む、医薬製剤の作製方法。
【請求項14】
前記薬物が、損傷を受けずに曝露可能である最高温度を有し、および前記薬物が、前記ポリマーが液体であり、前記最高温度よりも低い温度にて前記ポリマーと混合される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記混合が、前記ポリマー以外のいかなる液体も存在しない状態にて行われる、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
CYCキャリアおよび前記CYCキャリアと会合した放出物質(release material)を含む放出組成物(release composition)であって、前記CYCキャリアは、CYCポリマー、CYC化合物、およびCYC集合体、ならびにこれらの1もしくは2つ以上の混合物から成る群より選択され、
CYCポリマーは、
(A)バックボーンを有し、ならびに
(i)式−b−Cyを有し、および
(ii)
(A)前記バックボーンの繰り返しユニットの一部分を形成して、前記繰り返しユニットが以下の式(1)を有し、
ここで、Ychは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、または、
(B)前記バックボーンの末端ユニットの一部分を形成して、前記末端ユニットが以下の式(2)を有し、
−Yterm−b−Cy (2)
ここで、Ytermは、前記バックボーンの末端の部分であり、bおよびCyは、式(1)で定める通りである、
少なくとも1つの部分を含む、ポリマー分子を含み;ならびに、
(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gである、
ポリマーとして定義され;
CYC化合物は、
(A)
Q(−b−Cy)q (4)
の式を有し、
ここで、qは、少なくとも2、例えば、3〜8であり、
Qは、少なくともqの結合価を有する部分であり、
bは、結合または前記Cy部分を前記Q部分と連結する部分であり、および、
Cyは、式(1)で定める通りであり、ならびに、
(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gである、
非ポリマー化合物として定義され;ならびに、
CYC集合体は、(i)少なくとも0℃のTpおよび少なくとも4J/gのΔHを必ずしも有しないこと以外は上記で定める通りであるCYCポリマーであるポリマーと、(ii)Cy部分を含み、前記ポリマーと密接に混合されるが前記ポリマーと共有結合による連結はしない化合物、との集合体であり、前記集合体は、前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gであるとして定義される、
放出組成物。
【請求項17】
前記放出組成物および前記CYCキャリアが、単相、または均一な2相混合物を形成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
CYSCポリマーであるCYCポリマーを含み、CYSCポリマーが、少なくとも50重量%の前記Cy部分が式(1)の繰り返しユニット内に存在するCYCポリマーとして定義される、請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも90重量%の前記Cy部分が式(1)の繰り返しユニット内に存在する、請求項16から18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記CYSCポリマーのバックボーンが、以下の式(3)、
を有する繰り返しユニットを含み、
ここで、Zは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、Rzは、親水性部分を含み、Cy部分を含まない部分を表す、請求項18または19に記載の放出組成物。
【請求項21】
ECCポリマーであるCYCポリマーを含み、ECCポリマーが、少なくとも50重量%の前記Cy部分が式(2)の末端ユニット内に存在するCYCポリマーとして定義される、請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも90重量%の前記Cy部分が式(2)の末端ユニット内に存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
SSPポリマーであるCYCポリマーを含み、SSPポリマーが、
(1)少なくとも25℃、例えば27〜100℃である結晶溶融温度Tp、および、少なくとも5J/gであるΔHを有し;ならびに、
(2)バックボーンを有するポリマー分子であって、
(a)親水性部分を含まず、以下の式(1)を有し、
ここで、
Ychは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、
bは、結合もしくは前記Cy部分をYchと連結する部分であり、および
Cyは、その他のCy部分と会合して前記SSPポリマーに結晶性を付与する部分である、
繰り返しユニット;
(b)以下の式(2zphil)を有し、
ここで、Zは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、および
Rzphilは、親水性部分を含む、
繰り返しユニット;
を含み、
式(2zphil)のユニットの式(1)のユニットに対するモル比が少なくとも2.5:1であるバックボーンを有するポリマー分子、を含むポリマーとして定義される、請求項16に記載の組成物。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか1項に記載の放出組成物から放出物質を放出させる方法であって、前記組成物を、前記放出物質と前記CYCキャリアとの会合を変化させる条件に付すことを含む、方法。
【請求項25】
前記放出物質が、前記放出物質が送達される標的部位に対して改良、保存、識別、または損傷をもたらす、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1から23のいずれか1項に記載の放出組成物を作製する方法であって、前記放出物質とECCキャリアとを混合することを含み、ここで、前記放出物質が、損傷を受けずに曝露可能である最高温度を有し、および前記薬物が、前記ポリマーが液体であり、前記最高温度よりも低い温度にて前記ポリマーと混合される、方法。
【請求項27】
前記混合が、前記ポリマー以外のいかなる液体も存在しない状態にて行われる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項23で定めるSSPポリマー。
【請求項29】
本明細書で開示される新規なCYCキャリア。
【請求項1】
CYCキャリアおよび前記CYCキャリアと会合した薬物を含む医薬製剤であって、前記CYCキャリアは、ECCポリマーであって、
(A)以下の式、
−Yterm−b−Cy (2)
を持つ末端ユニットを含むバックボーンを有する複数のポリマー分子であって、
ここで、Ytermは、前記バックボーンの末端の部分であり、
bは、結合もしくはCy部分をYtermへ連結する部分であり、および
Cyは、その他のCy部分と会合して前記CYCポリマーに結晶性を付与する部分であり;
前記末端ユニット中のCy部分は、前記ポリマー分子のCy部分の少なくとも50重量%を提供する、
複数のポリマー分子を含み、ならびに、
(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度、Tp、が少なくとも0℃であり、融解熱、ΔH、が少なくとも3J/gであり、TpおよびΔHは、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定される、
ECCポリマーである、医薬製剤。
【請求項2】
前記の末端ユニットが、以下の式、
−Qx(−b−Cy)q (Q2)
を有する部分を含み、
ここで、Qxは、少なくとも(q+1)の結合価を有する部分であり、qは、少なくとも2である、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
qが、3、4、5、または6である、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
前記のバックボーンが、生崩壊性であり、以下の式、
−Dnd−Q−Ene− (Q1)
を有する結合を含み、
ここで、
Qは、−O−、−NH−、または−S−であり、
ndは、0または1であり、
neは、0または1であり、
Dは、−CO−であり、および
Eは、−CO−または−CO−O−である、
請求項1または2に記載の製剤。
【請求項5】
前記ECCポリマーが、
(A)複数のポリマー分子を含み、その各々は、
(i)以下の式、
−CF1F2−CO−O− (1)
を有する複数の繰り返しユニットを含むポリマーバックボーンであって、
ここで、F1は水素であり、F2は水素またはメチルであり、前記繰り返しユニットは同一または異なっている、ポリマーバックボーン、および、
(ii)以下の式、
−b−Cy (2)
を有する少なくとも1つの末端ユニットであって、
ここで、Cyは、18〜24個の炭素原子を含むn‐アルキル部分であり、bは、結合、もしくは少なくとも2の結合価を有し、前記Cy部分を前記ポリマーバックボーンへ連結し、所望される場合は1もしくは2つ以上の追加のCy部分を含んでいてもよい部分である、少なくとも1つの末端ユニット、
から実質的に構成され、
(B)少なくとも40℃である結晶溶融温度Tp、(Tp−To)の値がTp0.7未満となる溶融温度の開始点To、および、少なくとも5J/gである融解熱を有し、Tp、To、およびΔHは、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定され、
(C)10,000未満である上述のように測定される数平均分子量Mnを有する、
請求項1に記載の製剤。
【請求項6】
前記薬物がリスペリドンまたはジクロフェナクナトリウムである、請求項5に記載の製剤。
【請求項7】
少なくともいくつかのポリマー分子が、少なくとも3つのCy部分を含み、および前記ポリマーが少なくとも10J/gの融解熱を有する、請求項5に記載の製剤。
【請求項8】
前記Cy部分の少なくとも1つがポリオキシアルキレン部分を含む、請求項5に記載の製剤。
【請求項9】
前記薬物および前記ポリマーは、これらが上記の実施例で述べた手順によって薄く平らなディスク形状の放出サンプルに製剤されて、上記の実施例で述べた2つの放出試験の各々で試験される場合に、前記薬物が、前記2つの試験のうちの少なくとも1つにおいて、以下の段落(a)〜(c)の少なくとも1つ、
(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度、および30%未満の全量、
(b)最初の10日間にわたって30%未満の全量、ならびに、
(c)最初の10日間にわたって実質的に一定の速度、および最初の20日間にわたって20%未満の全量、
に従って放出されるものである、請求項5に記載の製剤。
【請求項10】
(i)前記製剤が、pH5.5に維持されるバッファー溶液に曝露される放出試験によって試験される場合、以下の段落(a)〜(c)、
(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度、および30%未満の全量、
(b)最初の10日間にわたって30%未満の全量、ならびに、
(c)最初の10日間にわたって実質的に一定の速度、および最初の10日間にわたって20%未満の全量、
の少なくとも1つに従って前記薬物を放出し;または、
(ii)前記製剤が、pH7.4に維持されるバッファー溶液に曝露される放出試験によって試験される場合、
(a)最初の20日間のうちの少なくとも10日間の期間にわたって実質的に一定の速度で、および最初の20日間にわたって30%未満の全量で、ならびに、
(b)最初の20日間にわたって30%未満の全量で、
前記薬物を放出する、
請求項5に記載の製剤。
【請求項11】
前記ECCポリマーが、
(A)複数のポリマー分子から実質的に構成され、その各々は、
(i)以下の式、
−CH2−CO−O− (1A)
を有する複数の繰り返しユニット、および以下の式、
−CH(CH3)−CO−O− (1B)
を有する複数の繰り返しユニットから実質的に構成されるポリマーバックボーン、ならびに、
(ii)以下の式、
−b−Cy (2)
を各々が有する複数の末端ユニットであって、
ここで、Cyは、18〜24個の炭素原子を含むn‐アルキル部分であり、bは、結合、もしくは少なくとも2の結合価を有し、前記Cy部分を前記ポリマーバックボーンへ連結し、所望される場合は追加のCy部分を含んでいてもよい部分である、複数の末端ユニット、
から実質的に構成され;
(B)少なくとも40℃である結晶溶融温度Tp、(Tp−To)の値が10℃未満となる溶融温度の開始点To、および、少なくとも5J/gである融解熱を有し、Tp、To、および融解熱は、上述のように示差走査熱量計(DSC)にて測定され;
(C)8,000未満である上述のように測定される数平均分子量Mnを有する、
請求項5に記載の製剤。
【請求項12】
前記ポリマーが、以下の特徴、
(i)5,000未満の分子量を有する、
(ii)2〜30モルパーセントの末端ユニットを含む、
(iii)10〜40重量%のCy部分を含む、
(iv)少なくとも1つの末端ユニットが、
(2A)−Cy
(2B)−CO−O−Cy
(2C)−Rpbalc−CO−Cy
から成る群より選択される少なくとも1つの式を有し、
ここで、Rpbalcは、ポリオールの残基である、
(v)少なくとも1つの末端ユニットが、
−CH2−CH(OH)−CH2−O−CO−Cy、および、
−CH2−CH(O−CO−Cy)−CH2−O−CO−Cy
から成る群より選択される少なくとも1つの式を有する、
(vi)前記ポリマー分子の少なくともいくつかが、少なくとも3つのCy部分を含む、ならびに、
(vii)前記式(1A)および(1B)の繰り返しユニットの数が170個未満である、
のうちの少なくとも1つを有する、請求項11に記載の製剤。
【請求項13】
薬物を、請求項1から12のいずれか1項で定めるECCポリマーと混合することを含む、医薬製剤の作製方法。
【請求項14】
前記薬物が、損傷を受けずに曝露可能である最高温度を有し、および前記薬物が、前記ポリマーが液体であり、前記最高温度よりも低い温度にて前記ポリマーと混合される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記混合が、前記ポリマー以外のいかなる液体も存在しない状態にて行われる、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
CYCキャリアおよび前記CYCキャリアと会合した放出物質(release material)を含む放出組成物(release composition)であって、前記CYCキャリアは、CYCポリマー、CYC化合物、およびCYC集合体、ならびにこれらの1もしくは2つ以上の混合物から成る群より選択され、
CYCポリマーは、
(A)バックボーンを有し、ならびに
(i)式−b−Cyを有し、および
(ii)
(A)前記バックボーンの繰り返しユニットの一部分を形成して、前記繰り返しユニットが以下の式(1)を有し、
ここで、Ychは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、または、
(B)前記バックボーンの末端ユニットの一部分を形成して、前記末端ユニットが以下の式(2)を有し、
−Yterm−b−Cy (2)
ここで、Ytermは、前記バックボーンの末端の部分であり、bおよびCyは、式(1)で定める通りである、
少なくとも1つの部分を含む、ポリマー分子を含み;ならびに、
(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gである、
ポリマーとして定義され;
CYC化合物は、
(A)
Q(−b−Cy)q (4)
の式を有し、
ここで、qは、少なくとも2、例えば、3〜8であり、
Qは、少なくともqの結合価を有する部分であり、
bは、結合または前記Cy部分を前記Q部分と連結する部分であり、および、
Cyは、式(1)で定める通りであり、ならびに、
(B)前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gである、
非ポリマー化合物として定義され;ならびに、
CYC集合体は、(i)少なくとも0℃のTpおよび少なくとも4J/gのΔHを必ずしも有しないこと以外は上記で定める通りであるCYCポリマーであるポリマーと、(ii)Cy部分を含み、前記ポリマーと密接に混合されるが前記ポリマーと共有結合による連結はしない化合物、との集合体であり、前記集合体は、前記Cy部分の会合の結果として、結晶溶融温度Tpが少なくとも0℃であり、ΔHが少なくとも3J/gであるとして定義される、
放出組成物。
【請求項17】
前記放出組成物および前記CYCキャリアが、単相、または均一な2相混合物を形成する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
CYSCポリマーであるCYCポリマーを含み、CYSCポリマーが、少なくとも50重量%の前記Cy部分が式(1)の繰り返しユニット内に存在するCYCポリマーとして定義される、請求項16または17に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも90重量%の前記Cy部分が式(1)の繰り返しユニット内に存在する、請求項16から18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記CYSCポリマーのバックボーンが、以下の式(3)、
を有する繰り返しユニットを含み、
ここで、Zは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、Rzは、親水性部分を含み、Cy部分を含まない部分を表す、請求項18または19に記載の放出組成物。
【請求項21】
ECCポリマーであるCYCポリマーを含み、ECCポリマーが、少なくとも50重量%の前記Cy部分が式(2)の末端ユニット内に存在するCYCポリマーとして定義される、請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも90重量%の前記Cy部分が式(2)の末端ユニット内に存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
SSPポリマーであるCYCポリマーを含み、SSPポリマーが、
(1)少なくとも25℃、例えば27〜100℃である結晶溶融温度Tp、および、少なくとも5J/gであるΔHを有し;ならびに、
(2)バックボーンを有するポリマー分子であって、
(a)親水性部分を含まず、以下の式(1)を有し、
ここで、
Ychは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、
bは、結合もしくは前記Cy部分をYchと連結する部分であり、および
Cyは、その他のCy部分と会合して前記SSPポリマーに結晶性を付与する部分である、
繰り返しユニット;
(b)以下の式(2zphil)を有し、
ここで、Zは、前記バックボーンの一部分を形成する部分であり、および
Rzphilは、親水性部分を含む、
繰り返しユニット;
を含み、
式(2zphil)のユニットの式(1)のユニットに対するモル比が少なくとも2.5:1であるバックボーンを有するポリマー分子、を含むポリマーとして定義される、請求項16に記載の組成物。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか1項に記載の放出組成物から放出物質を放出させる方法であって、前記組成物を、前記放出物質と前記CYCキャリアとの会合を変化させる条件に付すことを含む、方法。
【請求項25】
前記放出物質が、前記放出物質が送達される標的部位に対して改良、保存、識別、または損傷をもたらす、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1から23のいずれか1項に記載の放出組成物を作製する方法であって、前記放出物質とECCキャリアとを混合することを含み、ここで、前記放出物質が、損傷を受けずに曝露可能である最高温度を有し、および前記薬物が、前記ポリマーが液体であり、前記最高温度よりも低い温度にて前記ポリマーと混合される、方法。
【請求項27】
前記混合が、前記ポリマー以外のいかなる液体も存在しない状態にて行われる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項23で定めるSSPポリマー。
【請求項29】
本明細書で開示される新規なCYCキャリア。
【図1a】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図1b】
【図2】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2011−505420(P2011−505420A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536926(P2010−536926)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/013335
【国際公開番号】WO2009/073192
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(398040734)ランデック コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/013335
【国際公開番号】WO2009/073192
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(398040734)ランデック コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】
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