説明

特にコンテナ運搬のための運搬用車両

本発明は、運搬用車両(1)の車両フレーム(8)上に配されて昇降用駆動手段(10)によって低位の運搬位置から高位の移転位置まで持ち上げられたりその反対に下げられたりすることが可能な、少なくとも一つの昇降プラットフォーム(7)、を伴うコンテナ運搬のための運搬用車両(1)に関する。コンテナが拾い上げられたり積載されたりする改良されたプラットフォームは、昇降プラットフォーム(7)が少なくとも一つのトグルレバー(19a,19b)を介して車両フレーム(8)に固定され、当該少なくとも一つのトグルレバー(19a,19b)を介して昇降プラットフォーム(7)が昇降可能とされ、当該少なくとも一つのトグルレバー(19a,19b)に昇降用駆動手段(10)が作用し、そして、運搬用車両(1)上において昇降プラットフォーム(7)が昇降動作のためにガイドされることにより、実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬用車両の車両フレーム上に配されて昇降用駆動手段により低位の運搬位置から高位の移転位置まで持ち上げられたりその反対に下げられたりすることが可能な、少なくとも一つの昇降プラットフォーム、を伴う特にコンテナ運搬のための運搬用車両に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶に対するコンテナの積み降ろしのためのシステムは、欧州特許EP0302569B1から既に知られている。このシステムは、ドックに係留されたコンテナ船に対するコンテナの積み降ろしのための少なくとも一台のドッククレーンを含む。コンテナはドッククレーンによって運搬用車両から拾い上げられるか、或は、コンテナは当該運搬用車両に積載される。この運搬用車両は、レールにガイドされることなくドック内を整然と移動可能とされ、制御システムによって自動的に運転される。コンテナは、移転ステーションにおいて、運搬用車両から荷降ろしされたり、運搬用車両から拾い上げられる。この移転ステーションは、据え付けの複数のサポートテーブルから主になり、このサポートテーブルにコンテナが積載され、また、このサポートテーブルからコンテナが拾い上げられる。これらサポートテーブルは、それぞれサポートアームの断面形状を有し、コンテナの縦長の箇所にて当該コンテナを下から支持する。したがって、相対向するサポートテーブルの間の離隔距離はコンテナの幅より小さい。サポートテーブル上のコンテナを受け取ったりサポートテーブル上にコンテナを載置すべく、運搬用車両はコンテナ運搬用のプラットフォームを有し、コンテナを移転するために運搬用車両全体またはプラットフォームだけが持ち上げられ、そして、プラットフォームにコンテナを受け取った運搬用車両は、サポートテーブルゾーンから出るように運転される。昇降可能なプラットフォームを使用する場合、プラットフォームは、運搬用車両をその後に運転するために再び下げられる必要がある。サポートテーブルへのコンテナの載置は、逆の順序で行われる。運搬用車両が移転ステーションからコンテナを受け取ることができるように、昇降プラットフォームは、相対向するサポートテーブルの間の離隔距離より小さい幅を有する。この移転ステーションから、自動操作されるガントリークレーンによってコンテナは拾い上げられ、そして、ガントリークレーンによって当該コンテナはコンテナ貯蔵所などに置かれる。コンテナ貯蔵所における、海側ガントリークレーンとは反対側の端には、別の内陸側ガントリークレーンが設けられている。当該ガントリークレーンは、コンテナ貯蔵所内では自動モードで、コンテナ貯蔵所外では手動モードで操作可能である。この内陸側ガントリークレーンは、コンテナを90度回転させて、貯蔵所内外に運送したりガントリークレーンからコンテナを受け取るための地上車両にコンテナを渡すために、ターンテーブルを有する。
【0003】
加えて、運搬用車両に関し、機械式、空圧式、または液圧式の昇降用駆動手段によってプラットフォームを昇降できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0302569号明細書
【発明の概要】
【0005】
上記の従来技術に端を発して、本発明の基本的な課題は、貨物、特にコンテナが拾い上げられたり積載されたりするための改良されたプラットフォームを備える特にコンテナのための自動運転車両を、得ることにある。
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を伴う自動運転車両で解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項2から14に示される。
【0007】
本発明によると、運搬用車両の車両フレーム上に配されて昇降用駆動手段によって低位の運搬位置から高位の移転位置まで持ち上げられたりその反対に下げられたりすることが可能な少なくとも一つの昇降プラットフォーム、を伴うコンテナ運搬のための運搬用車両において、コンテナが拾い上げられたり積載されたりする改良されたプラットフォームは、昇降プラットフォームが少なくとも一つのトグルレバーを介して車両フレームに固定され、当該少なくとも一つのトグルレバーを介して昇降プラットフォームが昇降可能とされ、当該少なくとも一つのトグルレバーに昇降用駆動手段が作用し、そして、運搬用車両上において昇降プラットフォームが昇降動作のためにガイドされることにより、実現される。トグルレバーの使用は、一方で、車両フレーム上での昇降プラットフォームの安定な支持を実現し、他方で、基本的に車両運転方向に作用するスラスト力の向きを変えて持ち上げ力にするという利点がある。加えて、昇降手段の全体について、構造上低背化し得て、且つ、運搬用車両の車両フレーム上であって、下側が開口している箱形の昇降プラットフォームの下方ないし中に、配置することが可能となる。
【0008】
好ましくは、昇降プラットフォームごとに、運搬用車両の運転方向に沿って二つのトグルレバーが設けられる。このような構成では、持ち上げ力は、プラットフォームに対してより均等に作用するように伝達される。運搬用車両の運転方向において、昇降プラットフォームごとに第1トグルレバーが前方に配置され且つ第2トグルレバーが後方に配置される。
【0009】
昇降プラットフォームについての特に安定した支持は、運搬用車両の運転方向に見て各トグルレバーが昇降プラットフォームの幅の50%以上に広がり、特に75%以上に広がることによって、実現される。加えて、このような構成によると、支持の充分な安定化のために必要とされるトグルレバーの数を2に制限することができる。
【0010】
構造上の設計に関し、各トグルレバーは、第1トグルレバーアームおよび第2トグルレバーアームを有し、これらはトグルジョイントによって接続される。第1トグルレバーアームは、トグルジョイントから遠い方の端部に位置する軸を介して車両フレームに取り付けられ、また、第2トグルレバーアームは、トグルジョイントから遠い方の端部に位置する軸を介して昇降プラットフォームに取り付けられている。
【0011】
昇降プラットフォームの昇降を可能にするために、下側の軸、即ちヒンジ様のトグルジョイントにとっての軸と、上側の軸とは、互いに平行に延びる。昇降プラットフォームが移転位置から休止の運搬位置まで動作するときにトグルジョイントが互いに突き出る動作をするように、二つのトグルレバーは昇降プラットフォームと車両フレームの間に配置されている。
【0012】
昇降方向において昇降プラットフォームをガイドするために、昇降プラットフォームは車両フレーム上の少なくとも一本の縦長コントロールアームによってガイドされ、当該縦長コントロールアームはその第1端部において第1軸によって関節様に昇降プラットフォームに連結され、当該縦長コントロールアームはその第2端部において第2軸によって関節様に車両フレームに連結される。運搬用車両の運転方向に見て、昇降プラットフォームと並んでその左右に一本の縦長コントロールアームが配置され、二本の縦長コントロールアームは平行に配されている。
【0013】
加えて、昇降プラットフォームの昇降を可能にするために、第1軸および第2軸は、互いに平行であり、且つ、前記下側の軸、即ちヒンジ様のトグルジョイントにとっての軸、および前記上側の軸とも、平行である。
【0014】
更に加えて、好ましい形態では、二つの昇降プラットフォームが、運搬用車両の運転方向に見て一方が他方のすぐ後ろに隙間を空けて位置するように、設けられる。複数の昇降プラットフォームは、運搬用車両の運転方向に見て20フィートのコンテナを各昇降プラットフォームに積載可能か、或は、運搬用車両の運転方向に見て40フィートのコンテナまたは45フィートのコンテナを二つの昇降プラットフォームにわたって積載可能な、寸法を有する。したがって、運搬用車両の用途は多様化する。
【0015】
好ましい設計においては、昇降用駆動手段は、運搬用車両上に配されてアクチュエーティングスクリュー伝動機構を介してトグルレバーに作用する駆動モータからなる。或は、昇降用駆動手段は、運搬用車両上に配されてトランスミッションおよび二つのアクチュエーティングスクリュー伝動機構を介して二つのトグルレバーに作用する駆動モータからなる。
【0016】
以下、本発明について、図面に示された実施形態に即して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、移転ステーションにおける自動運転車両の斜視図である。
【図2】図2は、移転ステーション外における図1の車両の斜視図である。
【図3】図3は、図1の一正面図であり、本図では、車両の昇降プラットフォームが上げられている。
【図4】図4は、図3において昇降プラットフォームが下げられた図である。
【図5】図5は、図2において昇降プラットフォームと昇降用駆動手段が一部だけ示された図である。
【図6】図6は、上げられた位置にある昇降プラットフォームの側面図である。
【図7】図7は、図2の昇降プラットフォームの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、自動運転車両1が移転ステーション2内にある状態の斜視図である。当該移転ステーションは、自動運転車両1と別の運搬手段とのインタフェースとして機能できる。別の運搬手段としては、貨物受取手段としてのスプレッダフレームを伴うガントリークレーンや、高脚であってドライバによって操作される、通常はストラドルキャリアと呼称されるコンテナ運搬用車両が挙げられる。
【0019】
移転ステーション2は、基本的に据え付けのサポートフレーム3からなり、サポートフレーム3は、垂直方向に起立する構造をとる複数の脚部3a、および、脚部3aに固定された複数のサポートレール3bを有する。脚部3aは、その下側の端部が、港湾区域では通常は波止場の一部であるフロア4の上に据え置かれて、設置される。フロア4とは反対側の端部において、脚部3aは、内方に僅かに屈曲しており、車両運転方向に見てL字型をしているように見える。サポートレール3bは、脚部3aの上側端部において略垂直方向に広がっている端部表面3cに固定されている。全部で6本の脚部3aが設けられており、運転方向Fに見て左右のそれぞれに、3本の脚部が、相互に離隔し、且つ、移転ステーション2に入った車両1から離隔して、配されている。また、左右で相対向するように脚部3aは配されている。相対向する脚部3aの離隔距離aについては、車両1が入り込むことを許容するために、車両1の幅bよりも大きく設定されている。本実施形態では、離隔距離aは、幅bよりも100mm程度大きく設定されている。脚部3aの端部表面3cに固定され且つ相対置されている複数のサポートレール3bは、運転方向Fに見てL字型の横断面を有し、その長い方の部位は、脚部3aの端部表面3cに固定され、且つ、その短い方の部位は、これに積載されるコンテナ5のための、水平的で内方に延びる支持面3dをなす。コンテナ5が車両1または他の運搬手段によって二本のサポートレール3bの支持面3d上に積載されたとき、コンテナ5は好ましくはその下位側の角部に堅固な角部用鋳物5aが配された状態にあり、また、コンテナ5は、その下位側の長手方向側面5bがサポートレール3bの支持面3d上に位置する状態にある。
【0020】
車両1は、昇降プラットフォーム7を有し、これは、支持面3d上にコンテナ5を積載したり、支持面3d上からコンテナ5を拾い上げるために、車両1の車両フレーム8に対して垂直に昇降可能である。昇降プラットフォーム7による持ち上げ高さは600mm程度である。図1に示されるように、第1昇降プラットフォーム7aおよび第2昇降プラットフォーム7bは、車両1の運転方向Fに見て一方が他方の後ろに位置するように、車両フレーム8上に配されている。単一の昇降プラットフォーム7a,7bは、その上に20フィートのコンテナを乗せて運搬できるように、長さについて設定されている。また、第1昇降プラットフォーム7aおよび第2昇降プラットフォーム7bは、これらが同期して昇降される場合、互いに補完し合って、40フィートのコンテナや45フィートのコンテナでさえ上に乗せて運搬できる大きな昇降プラットフォームをなす。
【0021】
図1において、車両1は、ちょうど移転ステーション2に入り込んだところである。通常、これは自動操作で実現され、そのため、サポートフレーム3における相対向する脚部3aの間に幅aを伴う入路6は、車両1の幅bより僅かに大きくなければならない。移転ステーション2に車両1が入る前、車両1は、一時的に停車され、第1昇降プラットフォーム7aおよび第2昇降プラットフォーム7bは、それらの上のコンテナ5を伴って、低位の運搬位置から高位の持ち上げ位置まで持ち上げられる。この持ち上げ位置では、コンテナ5が載置されている各昇降プラットフォーム7a,7bの昇降面7cは、サポートレール3bの、内方に延びる支持面3dを、垂直方向において超えた位置にある。昇降プラットフォーム7a,7bは、運転方向Fに見て、サポートフレーム3における相対向する脚部3aの支持面3dの間の離隔距離dより小さな幅cを有する。したがって、昇降プラットフォーム7a,7bが持ち上げ位置まで持ち上げられた車両1は、昇降プラットフォーム7a,7bがサポートレール3bに接触することなく移転ステーション2に入ることが可能である。昇降プラットフォーム7a,7bの昇降面7cが支持面3dより上位にあるために、車両1が移転ステーション2に入ったとき、コンテナ5の下側表面5c(図3参照)特に角部用鋳物5aも、支持面3dより上位に位置する。車両1が移転ステーション2内の所望の位置まで入り込んだとき、昇降プラットフォーム7a,7bがその運搬位置まで下げられて、コンテナ5は、その角部用鋳物5aおよび長手方向側面5bがサポートレール3bの支持面3d上に載るように置かれる。この後、車両1は、昇降プラットフォーム7a,7bが下げられた状態で、サポートフレーム3上にコンテナ5を残して移転ステーション2から再び外に出ることができる。本実施形態では、ガイド面9aは、車両1の運転方向Fに対して平行である。
【0022】
図2は、図1における車両1の斜視図であり、本図では、昇降プラットフォーム7a,7bの機能を説明すべく、左側の第1昇降プラットフォーム7aが低位の運搬位置にあり且つ右側の第2昇降プラットフォーム7bが高位の持ち上げ位置にある状態を示す。低位の運搬位置にある状態では、第1昇降プラットフォーム7aは、その全領域が自動運転車両1の車両フレーム8上に横たわっている。図示の過程では低位の運搬位置にある各昇降プラットフォーム7a,7bへのコンテナ5の積載を助けるために、車両運転方向Fに見て車両フレーム8の左右において昇降プラットフォーム7a,7bの始端領域および終端領域に隣接した位置に、じょうご形状のガイド要素9が設けられている。ガイド要素9は、昇降プラットフォーム7a,7b側の内側に向くガイド面9aを有する。このガイド面9aは、車両フレーム8側から上側にかけて広がっており、昇降プラットフォーム7a,7bが下げられる際、昇降プラットフォーム7a,7b上にてコンテナ5を横方向に誘導し得る。
【0023】
また、図1および図2に示されるように、車両1は、レール車両でなく、タイヤ1aを伴う車両1aである。
【0024】
図3は、車両1の運転方向Fに見た図1の一正面図であり、本図では、車両1は移転ステーション2内に停車されている。図3に示されるコンテナ5および昇降プラットフォーム7bは、図1にも示されているように、高位の持ち上げ位置にある。コンテナ5の角部用鋳物5aは、サポートレール3bの支持面3dから距離e隔てた上方に位置することが分かる。この距離eは、コンテナ5の荷積み状態やタイヤ1aの充填圧力に応じて、50〜150mmの範囲で変化し得る。
【0025】
図4は、昇降プラットフォーム7bが低位の運搬位置にあってコンテナ5から離れた状態にあること以外は、図3と同じ図である。コンテナ5は、その角部用鋳物5aおよび長手方向側面5bがサポートレール3bの支持面3dの上に位置するように載置されている。
【0026】
図5は、車両1の斜視図であり、本図では、昇降プラットフォーム7a,7bについて図中奥側の一部のみが示され、また、昇降プラットフォーム7a,7bのための昇降用駆動手段10の一部のみが示されている。図6は、持ち上げられた昇降プラットフォーム7bおよび昇降用駆動手段10を表す側面図である。
【0027】
昇降用駆動手段10は、駆動モータ11を有する。駆動モータ11は、電気式または液圧式のものでよく、動力伝達分配機能を担う伝動装置12を伴い、当該駆動モータ11の駆動により、第1カルダンジョイント14a,14bはカルダンシャフト13a,13bに作用することとなる。カルダンシャフト13a,13bは、通常は車両1の長手方向に対応している車両1の運転方向Fに対して、略平行に延びる。カルダンシャフト13a,13bにおける、伝動装置12から遠い方の端部は、二重のカルダン式構成を伴うカルダンジョイント15a,15bを介して、アクチュエーティングスクリュー伝動機構16a,16bに対して作用する。アクチュエーティングスクリュー伝動機構16a,16bのそれぞれは、通常、アクチュエーティングスクリュー16c,16dを有し、これらは、カバーで隠され、且つ、車両フレーム8上にて連結されて回転可能な軸受台17に対して取り付けられている。アクチュエーティングスクリュー16c,16dに取り付けられ且つ同様にカバーで隠されているのは、調整ナット16e,16fであり、これらは、ねじれ動作しないアクチュエーティングレバー16g,16hに接続されている(図6を参照)。アクチュエーティングレバー16g,16hは、アクチュエーティングスクリュー伝動機構16a,16bから遠い方の端部において、略水平の軸18によってトグルレバー19に対して関節様に連結されている。昇降プラットフォーム7a,7bごとに、一対のトグルレバー19a,19bが、運転方向Fに見て一方は前方で他方は後方にて昇降プラットフォーム7a,7bに連結するように、設けられている。このようなトグルレバー19a,19bは、トグルジョイント19e,19fによって第2トグルレバーアーム19g,19hと連結された第1トグルレバーアーム19c,19dを有する。アクチュエーティングレバー16g,16hは、下側の第1トグルレバーアーム19c,19dに連結されている。第2トグルレバーアーム19g,19hにおける、トグルジョイント19e,19fから遠い方の端部は、別の水平な軸20a,20bによって昇降プラットフォーム7a,7bに対して関節様に連結されている。トグルレバー19a,19bに関し、図5からは、各昇降プラットフォーム7a,7bの幅の4分の3程度の幅を、トグルレバー19a,19bが有することが分かる。トグルレバー19a,19bの幅は、昇降プラットフォーム7a,7bの幅の好ましくは50%以上であり、特に好ましくは75%以上である。
【0028】
図5においては、既に説明されているように、昇降プラットフォーム7a,7bのそれぞれは、低位の運搬位置にある状態で示されている。したがって、トグルレバー19a,19bは、垂直方向の高さが小さい屈曲状態姿勢にある。また、屈曲状態姿勢では、トグルレバー19a,19bのトグルジョイント19e,19fは、互いに突き出ている。加えて、トグルレバーアーム19c,19dにおける、トグルジョイント19e,19fから遠い方の端部は、略水平な軸21a,21bによって車両フレーム8上に連結されている。
【0029】
一方、図6では、昇降プラットフォーム7bは、高位の移転位置にある状態で示されている。したがって、トグルレバー19a,19bは、図5に示される屈曲状態姿勢にあるときよりも、垂直方向において高さが大きい伸長状態姿勢にある。更に、図6からは、図示されている昇降プラットフォーム7bは、図示されていない昇降プラットフォーム7aと同様に、車両1のフレーム8に連結された二本のコントロールアーム22a,22bによってもガイドされることが分かる。コントロールアーム22a,22bは、本質的にはその長手方向寸法が車両1の運転方向Fに沿うように延び、昇降プラットフォーム7a,7bが高位の移転位置にある状態では、車両の停車状態に依存しつつ本質的に水平に配された車両フレーム8に対して僅かに立ち上がり、昇降プラットフォーム7a,7bが運搬位置にある状態では車両フレーム8側に僅かに下がる。更に、二本のコントロールアームのそれぞれが、昇降プラットフォーム7a,7bの長手方向寸法に対して平行であって昇降プラットフォーム7a,7bに沿う。また、二本のコントロールアームは、昇降プラットフォーム7a,7bよりも少し短い長さを有し、且つ、僅かな空隙を介して昇降プラットフォーム7a,7bに沿う。縦長コントロールアーム22a,22bの第1端部23aは、本質的に水平で運転方向Fに対して横に延びる軸24aによって関節様に連結されている。縦長コントロールアーム22a,22bにおける反対の第2端部23bは、対応するガイド要素9の内側であって、コンテナ5を誘導するためのガイド要素9のガイド面9aより下位にて、本質的に水平で車両1の運転方向Fに対して基本的に直交する方向に延びる軸24bによって関節様に連結されている。これらの二つの縦長コントロールアーム22a,22bは、車両フレーム8上において第2トグルレバーアーム19g,19hに対して各昇降プラットフォーム7a,7bが固定されているトグルレバー19a,19bを安定化する機能を担い、これにより、トグルレバー19a,19bの伸長屈曲動作は、昇降プラットフォーム7a,7bの昇降動作に変換され、昇降プラットフォーム7a,7bの不要な動作が生じなくなる。昇降プラットフォーム7a,7bに対する縦長コントロールアーム22a,22b、および、車両フレーム8における各ガイド要素9、の構成については、低位の休止の位置および高位の移転位置にある昇降プラットフォーム7a,7bが、車両1の運転方向Fに見た場合の長手方向および横方向の位置取りに関して同じ位置にあるように、設定される。移転位置と休止位置の間において、昇降プラットフォーム7a,7bは、トグルレバー19a,19bの結合構造に起因したり、昇降プラットフォーム7a,7bに対する縦長コントロールアーム22a,22bおよび車両フレーム8における各ガイド要素9の構成に起因して、僅かにカーブした軌跡を描いて動作し、垂直方向に直線的にのみ動作するのではない。昇降過程にある昇降プラットフォームの、移動方向Fまたはその反対方向への変位最大値は、数ミリメートルすなわち2〜10mmの範囲で変化する。昇降プラットフォーム7a,7bの持ち上げ高さは、およそ600mm台にある。移転位置および休止位置において、昇降プラットフォーム7a,7bの両位置は、車両1の運転方向Fやこれに対して横断する方向に見て、一致する。
【0030】
図7は、図6に示す昇降プラットフォーム7bの上面図である。特に分かることは、縦長コントロールアーム22a,22bが、昇降プラットフォーム7bに近接して車両1の運転方向Fに見て左右に配され、昇降プラットフォーム7bの長手方向軸心に対して平行に延び、且つ、縦長コントロールアーム22a,22bの幅と略同じ距離だけ昇降プラットフォーム7bから離隔していることである。縦長コントロールアームの構成にとって重要なことは、昇降プラットフォーム7bおよびガイド要素9に対する軸24a,24bを介した縦長コントロールアーム22a,22bの二つの関節様連結部は、互いに反対側に配されていることである。また、各ガイド要素9が、その内側の側面内に相対向するガイド面9aを有していることも、本図から明白に分かる。
【0031】
本発明は、コンテナ運搬のための運搬用車両に即して説明された。基本的に、鋳造所、製鋼作業所、または圧延操作所におけるスラブやコイルなどのような他の重量物を運搬するのも可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 自動運転車両
1a タイヤ
2 移転ステーション
3 サポートフレーム
3a 脚部
3b サポートレール
3c 端部表面
3d 支持面
4 フロア
5 コンテナ
5a 角部用鋳物
5b 長手方向側面
5c 下側表面
6 入路
7 昇降プラットフォーム
7a 第1昇降プラットフォーム
7b 第2昇降プラットフォーム
8 車両フレーム
9 ガイド要素
9a ガイド面
10 昇降用駆動手段
11 駆動モータ
12 トランスミッション
13a,13b カルダンシャフト
14a,14b 第1カルダンジョイント
15a,15b 第2カルダンジョイント
16a,16b アクチュエーティングスクリュー伝動機構
16c,16d アクチュエーティングスクリュー
16e,16f 調整ナット
16g,16h アクチュエーティングレバー
17 軸受台
18 軸
19,19a,19b トグルレバー
19c,19d 第1トグルレバーアーム
19e,19f トグルジョイント
19g,19h 第2トグルレバーアーム
20a,20b 上側の軸
21a,21b 下側の軸
22a,22b 縦長コントロールアーム
23a 第1端部
23b 第2端部
24a 軸
24b 軸
a 離隔距離
b 幅
c 幅
d 離隔距離
e 距離
F 運転方向
f 離隔距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬用車両(1)の車両フレーム(8)上に配されて昇降用駆動手段(10)によって低位の運搬位置から高位の移転位置まで持ち上げられたりその反対に下げられたりすることが可能な、少なくとも一つの昇降プラットフォーム(7)、を伴うコンテナ運搬のための運搬用車両(1)であって、前記昇降プラットフォーム(7)は、少なくとも一つのトグルレバー(19a,19b)を介して前記車両フレーム(8)に固定され、前記昇降プラットフォーム(7)は前記少なくとも一つのトグルレバー(19a,19b)を介して昇降可能とされ、前記少なくとも一つのトグルレバー(19a,19b)に前記昇降用駆動手段(10)が作用し、運搬用車両(1)上において前記昇降プラットフォーム(7)が昇降動作のためにガイドされることを特徴とする、運搬用車両。
【請求項2】
前記昇降プラットフォーム(7)ごとに、運搬用車両(1)の運転方向(F)に沿って二つのトグルレバー(19a,19b)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の運搬用車両。
【請求項3】
運搬用車両(1)の前記運転方向(F)において、前記昇降プラットフォームごとに第1トグルレバー(19a)が前方に配置され且つ第2トグルレバー(19b)が後方に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の運搬用車両。
【請求項4】
運搬用車両(1)の前記運転方向(F)に見て、前記各トグルレバー(19a,19b)は、前記昇降プラットフォーム(7)の幅の50%以上好ましくは50%以上に広がり、前記昇降プラットフォーム(7)の幅の特に75%以上に広がることを特徴とする、請求項1または2に記載の運搬用車両。
【請求項5】
前記各トグルレバー(19,19a,19b)は、トグルジョイント(19e,19f)によって連結された第1トグルレバーアーム(19c,19d)および第2トグルレバーアーム(19g,19h)を有し、前記第1トグルレバーアーム(19c,19d)は、前記トグルジョイント(19e,19f)から遠い方の端部に位置する下側の軸(21a,21b)を介して前記車両フレーム(8)に取り付けられ、前記第2トグルレバーアーム(19g,19h)は、前記トグルジョイント(19e,19f)から遠い方の端部に位置する上側の軸(20a,20b)を介して前記昇降プラットフォーム(7)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の運搬用車両。
【請求項6】
前記下側の軸(21a,21b)、即ちヒンジ様の前記トグルジョイント(19e,19f)にとっての軸と、前記上側の軸(20a,20b)とは、互いに平行に延びることを特徴とする、請求項5に記載の運搬用車両。
【請求項7】
前記昇降プラットフォーム(7)が前記移転位置から休止の前記運搬位置まで動作するときに前記トグルジョイント(19e,19f)が互いに突き出る動作をするように、前記二つのトグルレバー(19,19a,19b)は、前記昇降プラットフォーム(7)と前記車両フレーム(8)の間に配置されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の運搬用車両。
【請求項8】
前記昇降プラットフォーム(7)は、前記車両フレーム(8)上の少なくとも一本の縦長コントロールアーム(22a,22b)によってガイドされ、当該縦長コントロールアーム(22a,22b)は、その第1端部(23a,23b)において第1軸(24a)によって前記昇降プラットフォーム(7)に連結され、且つ、その反対の第2端部(24a,24b)において第2軸(24b)によって前記車両フレーム(8)に連結されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つに記載の運搬用車両。
【請求項9】
前記第1軸(24a)および前記第2軸(24b)は、互いに平行であり、且つ、前記下側の軸(21a,21b)、即ち前記ヒンジ様の前記トグルジョイント(19e,19f)にとっての軸、および前記上側の軸(20a,20b)と平行であることを特徴とする、請求項8に記載の運搬用車両。
【請求項10】
運搬用車両(1)の前記運転方向(F)に見て、前記昇降プラットフォーム(7)と並んでその左右に一本の前記縦長コントロールアーム(22a,22b)が配置され、当該二本の縦長コントロールアーム(22a,22b)は平行に配されていることを特徴とする、請求項8または9に記載の運搬用車両。
【請求項11】
二つの前記昇降プラットフォーム(7a,7b)が、運搬用車両(1)の前記運転方向(F)に見て一方が他方のすぐ後ろに隙間を空けて位置するように設けられていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一つに記載の運搬用車両。
【請求項12】
前記複数の昇降プラットフォーム(7a,7b)は、運搬用車両(1)の前記運転方向(F)に見て20フィートのコンテナ(8)を各昇降プラットフォーム(7a,7b)に積載可能か、或は、運搬用車両(1)の前記運転方向(F)に見て40フィートのコンテナ(8)または45フィートのコンテナ(8)を二つの昇降プラットフォーム(7a,7b)にわたって積載可能な、寸法を有することを特徴とする、請求項11に記載の運搬用車両。
【請求項13】
前記昇降用駆動手段(10)は、運搬用車両(1)上に配されてアクチュエーティングスクリュー伝動機構(16a,16b)を介して前記トグルレバー(19a,19b)に作用する、駆動モータ(11)を有することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一つに記載の運搬用車両。
【請求項14】
前記昇降用駆動手段(10)は、運搬用車両(1)上に配されてトランスミッション(12)および二つのアクチュエーティングスクリュー伝動機構(16a,16b)を介して二つのトグルレバー(19a,19b)に作用する、駆動モータ(11)を有することを特徴とする、請求項2から13のいずれか一つに記載の運搬用車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−506785(P2010−506785A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532756(P2009−532756)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060323
【国際公開番号】WO2008/046728
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(504346570)ゴットヴァルト ポート テクノロジー ゲーエムベーハー (14)
【氏名又は名称原語表記】GOTTWALD PORT TECHNOLOGY GMBH
【住所又は居所原語表記】Forststrasse 16,40597 Dusseldorf,Germany