説明

特にスポーツにおいて用いられる携帯型計測装置

携帯型計測装置、特にスポーツ用であって、センサ(34)と、受信器(27)と、送信器および処理ユニット(26)と、が設けられたハウジング(6)を有している。前記ハウジングは、前記ハウジングのセンサ(34)から到来した信号を、ユーザに身に付けられるべき遠隔表示器に送信するようになっており、さらに、ユーザに身に付けられるべき遠隔検出器から到来した信号を受信して、これらの信号を遠隔表示器に送信する中継器として機能するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にスポーツにおいて用いられる携帯型計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツでは、歩数計や心拍計形式の計測装置を使用することができる。それらは、一般的に、適当なセンサと、取得された計測結果を読むための表示画面が設けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのデバイスは、特定の使用形態のために提供されており、同じスポーツであれ異なるスポーツであれ、他の計測手段と協働して他の使用形態に用いることはできない。
【0004】
本発明は、特に歩数計を形成するための加速度計などのセンサが設けられて、他の遠隔計測手段と協働する使用形態に適した、特にスポーツ用多目的携帯型計測装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような携帯型計測装置は、特にスポーツにおいて用いられ、センサと、受信器と、送信器および処理ユニットと、が設けられたハウジング(boitier)を有する。前記ハウジングは、前記ハウジングのセンサから到来した信号を、ユーザに身に付けられるべき遠隔表示器に送信するようになており、さらに、ユーザに身に付けられるべき遠隔検出器から到来した信号を受信して、これらの信号を遠隔表示器に送信することで、中継器として機能するにようになっている。
【0006】
ハウジングがセンサを備えていることで、スポーツの動作に関する計測結果を取得することを可能とする。ハウジングは、適切な計測位置に配置されたハウジングから、容易に読むことができるように好適な位置に配置された表示器へ、信号を遠隔的に送信することを可能とする。さらには、ハウジングが中継送信器として機能するようになっていることで、ユーザに身に付けられ、ハウジングおよび表示器から離間した適切な計測位置にある検出器を提供することを可能とし、この検出器からの信号を受信して、容易に読むことができる遠隔表示器に適切な方法で再送信することを可能とする。
【0007】
ハウジングが、加速度計を有していることが好ましい。この場合、前記ハウジングは、前記加速度計と接続した処理手段が設けられており、これらの手段は、歩数計を形成するようになっている。
【0008】
1つの実施形態では、前記ハウジングは表示画面を有している。遠隔デバイスから到来した、または加速度計から到来した、信号に変換されたデータは、ハウジング上に直接表示することができる。歩数計を形成するハウジングは、歩数計に関連するデータを前記表示画面に直接表示するか、前記データを遠隔表示器に送信するように適用可能となっている。
【0009】
処理ユニットが、計測信号および第2の識別コードが変換された第2の信号を供給することができることが好ましい。第2の信号を送信するに先がけて、計測信号に第2の信号を付加することで、無線送信の最中の干渉を防止することを可能とする。
【0010】
1つの実施形態では、装置は、表示画面と第2の受信器とを有する遠隔表示器を有する。
【0011】
表示器は、第2の信号のフレームに挿入された第2の識別コードに応じて、第2の信号を判別することができる第2の処理器を有していることが好ましい。
【0012】
1つの実施形態では、本装置は、センサと第1の送信器とを有する遠隔検出器を有する。センサから到来した、計測結果が変換された信号は、第1の送信器によってハウジングに送信される。信号に変換されたデータは、ハウジング上に直接表示されるか、遠隔表示器に再送信されることができる。
【0013】
前記検出器は処理器を有し、前記処理器は、前記センサの計測信号および第1の識別コードとが変換された第1の信号を供給することができることがより好ましい。
【0014】
好ましくは、前記ハウジングは、脱着可能な固定具が設けられている。前記表示器は、適切な固定手段を用いて、ユーザに直接身に付けられることができ、自転車のフレームのようなユーザの装備品のアイテムに配置されることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明および本発明の効果は、非限定的な例として挙げられ、添付図で示される実施形態の詳細な説明を検討することで、より明確に理解されるであろう。
【0016】
図1では、スケータ1は、直列に配置された車輪4が装着された、ローラースケートブーツ2および3を履いている。
【0017】
ローラースケート2は、検出器(図示せず)が設けられた、図1において陰を付した計器付き車輪5を有し、検出器は、計器付き車輪5の回転パラメータの少なくとも1つを表す計測信号を供給することができるセンサと、計測結果に応じた第1信号を送信するための第1の送信器と、が設けられている。後に詳述するハウジング6は、スケート靴2の最上部に固定されている。スケータ1は、リストストラップ(図1では見えていない)とデータ表示画面7aとが設けられた表示器7を、自身の手首に付けている。
【0018】
折れ線8,9で表されているように、ハウジング6は、計器付き車輪5の検出器の第1の送信器から送信された第1の無線信号を受信することができ、表示器7は、ハウジングリレー(boitier relais)6から送信された第2の無線信号を受信することができる。
【0019】
図2では、図1における要素と同じ要素に付す番号が再度用いられており、スケート2は、靴またはブーツ10を有しており、その靴またはブーツ10の底部11の下には台12が固定されている。その台12には、後端部にブレーキ13が、そして、この場合4つが示されている補助車輪4が設けられており、補助車輪4は、直列状に配されており、それぞれの車輪は、車軸14を介することにより台12に装着されている。
【0020】
図2において陰を付した計器付き車輪5は、センサおよび第1の送信器の形態で提供される検出器(図示せず)が設けられており、検出器は、台12に計器付き車輪5を回転可能な状態で固定するための車軸15によって支えられている。車軸15および計器付き車輪5の、構造および取り付け状態、および検出器の配置状態、などに関するさらなる詳細については、例えば、文献FR 2 820 476を参照することができるであろう。
【0021】
ブーツ10は、フラップ(languettes)16の形態で、締め付け、固定手段が設けられている。ハウジング6は,フラップ16の1つに固定されて、キックする位置におけるブーツ10の最上部に配されている。ハウジング6は、その固定のために、弾性バンド17を有しており、弾性バンド17は、伸長されてトング16の下側を通り、ハウジング6のブーツ10に面する表面とは反対側の表面に設けられた溝18に入れられている。このようにして、弾性バンド17は、ハウジング6を、靴10上に固定する。溝18は、弾性バンド17を同位置に保つことを可能とする。溝18は、弾性バンド17を、ハウジング6の溝と反対の側の要素に強固に巻きつけて保持するに適した断面形状を有しており、弾性バンドの端は、引き上げられて溝18に入れられる。
【0022】
図3では、先の図における要素と同じ要素に付す番号が再度用いられており、ハウジング6が、非装着の状態で示されている。
【0023】
ハウジング6は、溝18とオン/オフ電源ボタン19とが、その上面側に設けられている。ハウジング6は、また、溝18と離間した位置に固定された弾性バンド17を有している。
【0024】
ハウジング6は、バッテリーや蓄電池を用いる公知の手法によって駆動力を得る。
【0025】
図4では、先の図における要素と同じ要素に付す番号が再度用いられており、計測装置は、車輪に内蔵されるか、または、例えば車輪の回転軸などの車輪の固定要素に据え付けられる検出器20と、ハウジングリレー6と、読取部7とを有しており、これらは互いに離間している。
【0026】
検出器20は、第1の無線送信器23の処理器22に装着されたセンサ21を有しており、処理器22は、それ自体、第1の送信器23の無線アンテナ24と接続されている。
【0027】
ハウジング6は、処理ユニット26を有しており、処理ユニット26は、受信アンテナの形態の第1の無線受信器27、および、送信アンテナの形態の第2の無線送信器28と接続されている。処理ユニット26は、マイクロプロセサ(図示しない)と、マイクロプロセサにより用いられるプログラムが少なくと1つ記憶されている記憶手段(図示しない)とを有している。
【0028】
リレーハウジング6は、また、演算ユニット26と接続された加速度計34を有している。加速度計34は、記憶手段に記憶された、適切な処理ソフトウェアに関連付けられており、処理ソフトウェアは、演算ユニット26のマイクロプロセサに用いられることができ、歩数計を得ることを可能とする。
【0029】
表示器7は、第2の無線受信器30を有しており、第2の無線受信器30は、第2の受信器30の第2の処理器32と接続された第2の受信アンテナ31を有しており、第2の処理器32は、それ自体、液晶表示画面を例示することができる表示デバイス33と接続されている。
【0030】
ハウジング6は、歩数計モードまたはリレーモードのいずれかのモードで動作する。
【0031】
リレーモードとして動作する際、センサ21はアナログの計測信号を送信し、この計測信号は第1の処理器22に送信され、第1の処理器22は、計測信号および第1の識別コードが変換されたデジタルの第1の信号を、定期的または継続的に供給する。処理器22はアンテナ24のための無線回路の形態をなしており、第1の信号は第1のアンテナ24に作用して、第1のアンテナ24は、折れ線8で概略的に表された無線周波電波を送信する。
【0032】
無線周波電波8は、ハウジング6の第1の受信器27によって受信されて、処理ユニット26に送信され、処理ユニット26は、第1の信号の第1の識別コードに基づいて、リレーハウジング26に関連する検出器20から到来した第1の信号を、判別することができる。第1の識別コードが判別された場合、処理ユニット26は、第1の信号から変換された計測信号のフレームを取り出し、計測信号および第2の識別コードが変換された、第2のデジタル信号を形成する。
【0033】
処理ユニット26は、第2の送信器28が折れ線9で図示された無線高周波電波の放射を起こすための、無線回路を形成している。表示器7の第2受信アンテナ31は、無線電波9を受信する。第2の処理器32は、第2の識別コードに基づいて信号を判別する。信号が、表示器29に関連する中間のハウジング25から到来したものとして有効とされた場合、処理器32は、計測信号を取り出して、センサ21により提供された最初の計測信号に対応したデータの、表示器用の信号を、表示デバイス33へ送信する。
【0034】
ハウジングリレー6が歩数計として動作する際、人物の下肢か歩行靴に固定されることが好ましい。加速度計34は、計測信号を処理ユニット26に送信し、処理ユニット26が、加速度計の計測信号および第2の識別コードとが変換された第2の信号の送信を起こし、第2の信号が、第2の送信器28によって表示器7へ送信される。表示部7を備えているユーザは、かくして、歩いた歩数を確実に知ることができる。
【0035】
ユーザのために計測信号を適切な量(移動距離、瞬時速度、平均速度)に変換するための、計測信号の処理動作が、検出器20の処理器によって実行されてもよい。好ましくは、ハウジング6の処理ユニット26、または、歩数計として使用される場合は検出器とは独立して用いられる表示器7の処理器32によって実行されてもよい。
【0036】
第1および第2の識別コードを用いることで、近隣で使用されている同様のシステムの無線高周波との干渉を防止することができる。実際、第1の受信器27または第2の受信器30で受信される、適切な識別コードを含まない無線高周波については、処理は実施されない。さらに、第1および第2の識別コードを、それぞれ異なる識別コードとしておくことで、第1の無線高周波放射および第2の無線高周波放射間での干渉を防止することができる。
【0037】
図1および図2においてより明確にわかるように、ハウジングは計器付き車輪に近接している。その結果、無線電波を短距離の範囲で送信する第1の送信器を提供することができる。そのため、第1の送信器が無線電波を送信するために必要な電力は小さい。第1の送信器とハウジング6の第1の受信器との間を物が遮蔽する危険性は低い。
【0038】
一方、ハウジングと表示器との間の距離は大きい。しかしながら、ハウジングリレーの第2の送信器のアンテナは、利用できる空間に制限がないので、第1の送信器のアンテナよりも大きな寸法が与えられている。加えて、第2の送信器のアンテナは、無線電波の送信を阻害するいかなる金属部分も被覆されていない。表示器による受信は、このようにして向上する。
【0039】
好ましくは、ハウジング6は、歩数計モードでの動作か、ハウジングリレーモード(mode boitier-relais)での動作か、を選択するための、図示しない選択ボタンを備えることができる。
【0040】
図5および図6に示す実施形態は、ハウジング6が、さらに、図6に示す表示画面35を備えていることで、前述の実施形態と異なっている。
【0041】
この場合、図5に示すように、図1〜4における要素と同じ要素に付す番号が再度用いられており、ハウジング6は、スケータが読み取り易いように、締め付け用のフラップ16に装着されて、ブーツ10の前部に配置されている。
【0042】
ハウジング6は、第1受信器(見えていない)によって受信された、計器付き車輪5に内蔵された計測器(見えていない)から到来したデータ、または、加速度計の計測結果に応じたデータを、直接表示することを可能とする。
【0043】
歩数計モードでは、ハウジング6は、ブーツか、脚や腕などの身体要素上に固定されることができる。
【0044】
ローラースケートの車輪に内蔵された検出器に関連した計測装置としての使用について、非限定的な例として述べられてきた。スケートボードや自転車への適用が容易に想到できる。計測装置は、当然、計測装置のハウジングへ計測信号を送信する送信器が備えられて提供される限りにおいて、あらゆる種類の検出器とともに使用されることができる。センサとしては、加速度計について述べてきたが、他の種類のセンサであってもよい。
【0045】
本発明によれば、スポーツにおいて用いることができ、さらには、離間した検出器からの計測信号を受け取ることができる計測装置を得ることができる。計測信号は、直接表示されるか、または、遠隔表示器に送信されることができ、この場合、計測装置が、通信品質の向上のために、通信の中継を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一態様である、センサユニットを使用したスケータの概略図である。
【図2】本発明の一態様である、計測装置が設けられたローラースケートブーツの概略図である。
【図3】本発明の一態様である、ハウジングリレーの上面図である。
【図4】本発明の一態様である、携帯型計測装置の機能を示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態である、計測装置が設けられたローラースケートブーツの概略図である。
【図6】図5に示す計測装置の上面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 スケータ
2 スケート靴
4 補助車輪
5 計器付き車輪
6 ハウジング
7 表示器
7a データ表示画面
10 ブーツ
11 底部
12 台
13 ブレーキ
15 車軸
16 フラップ
17 弾性バンド
18 溝
19 オン/オフ電源ボタン
20 検出器
21 センサ
22 処理器
23 第1の無線送信器
24 無線アンテナ
26 処理ユニット
27 第1の無線受信器
28 第2の無線送信器
30 第2の無線受信器
32 第2の処理器
33 表示デバイス
34 加速度計
35 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型計測装置、特にスポーツ用であって、
センサ(34)と、受信器(27)と、送信器および処理ユニット(26)と、が設けられたハウジング(boitier)(6)を有し、
前記ハウジングは、前記ハウジングのセンサ(34)から到来した信号を、ユーザに身に付けられるべき遠隔表示器に送信するようになっており、さらに、ユーザに身に付けられるべき遠隔検出器から到来した信号を受信して、これらの信号を遠隔表示器に送信する中継器として機能するようになっていることを特徴とする携帯型計測装置。
【請求項2】
前記ハウジングは、加速度計が設けられていることを特徴とする請求項1記載の携帯型計測装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記加速度計と接続した処理手段を有し、
この手段は、歩数計を形成するようになっていることを特徴とする請求項2記載の携帯型計測装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、表示画面(35)を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の携帯型計測装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、歩数計に関連するデータを前記表示画面に直接表示する、または、このデータを遠隔表示器に送信するようになっていることを特徴とする請求項3および4記載の携帯型計測装置。
【請求項6】
前記処理ユニット(26)が、計測信号および第2の識別コードが変換された第2の信号を供給することができることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の携帯型計測装置。
【請求項7】
表示画面(7a)と第2の受信器(30)とを有する遠隔表示器(7)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の携帯型計測装置。
【請求項8】
前記表示器(7)は、第2の信号のフレームに挿入された第2の識別コードに応じて、第2の信号を判別することができる第2の処理器(32)を有していることを特徴とする請求項7記載の携帯型計測装置。
【請求項9】
センサ(21)と第1の送信器(23)とを有する遠隔検出器(20)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の携帯型計測装置。
【請求項10】
前記検出器(20)は、前記センサの計測信号および第1の識別コードとが変換された第1の信号を供給することができる処理器(22)を有することを特徴とする請求項9記載の携帯型計測装置。
【請求項11】
前記ハウジング(6)は、脱着可能な固定具(17、18)を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の携帯型測定器。
【請求項12】
前記表示器は、ユーザ、および/または自転車のフレームのようなユーザの装備品の一部に直接固定する手段が設けられていることを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の携帯型計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−521548(P2006−521548A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505722(P2006−505722)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000602
【国際公開番号】WO2004/087279
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(503163435)アクティエボラゲット エスケーエフ (3)
【Fターム(参考)】