説明

特に修正のための手動ストリップアプリケータ

本発明は、把持可能なケーシング(2)と、ケーシングに対して移動可能であり且つ使用形態においてケーシングから突出する付着ヘッド(3)と、基材に実装される部材を支持する支持ストリップ(5)と、ケーシング(2)内に配置され且つ付着ヘッドの上をストリップを移動させるようにデザインされたストリップ移動デバイス(6)と、ケーシングと付着ヘッドとに接続されたリターンデバイス(8)と、を含み、リターンデバイスは使用形態においてケーシングに対して近位位置と遠位位置との間でヘッドが移動されることを可能にしているストリップアプリケータ(1)に関する。リターンデバイス(8)は、使用形態においてヘッド(3)を遠位位置へと移動させる復元力を負荷するようにデザインされ、この目的のために2つの磁石部材(A,M)を含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基材上に部材を移送することが可能なストリップまたはリボンを備えた装置に関する。より詳細には、本発明は手動ストリップアプリケータに関し、把持可能なケーシングと、ケーシングに対して移動し且つ使用形態においてケーシングから突出する可動式の付着ヘッドと、基材に実装される部材を支持する支持ストリップと、ケーシング内に配置され且つ付着ヘッドの上をストリップを移動させるようにデザインされたストリップ移動デバイスと、を具備している。そのようなデバイスは一般的に片手で使用可能であり、筆箱に格納されることが可能である。
【背景技術】
【0002】
このタイプのアプリケータは修正フィルム、ペーストまたは基材に接着される他の材料を塗付するために周知である。あるモデルは退避可能なヘッドを備え、使用しない場合にはヘッドを保護している。
【0003】
一例として、特許文献1は付着ヘッドを突出させるボタンを具備したアプリケータを記載している。本体の内側に配置されたバネは退避位置に向かう弾性力を要素に負荷している。ヘッドが前進した場合バネは圧縮される。ヘッドが、使用するための突出位置に到達した場合、ヘッドはロック機構によって所定の位置にロックされる。付着ヘッドの退避はロック解除機構によって素早く行われることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−182082号公報
【特許文献2】特開平11−227386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ストリップアプリケータの利点は、塗付される部材の最終的な状況がしばしば所望の通りでないことである。これは特に修正フィルムの移送の場合に当てはまる。ユーザがサポートに対する圧力を緩和した場合、フィルムはサポートに正確に接着されない。塗付の終了の場合にも問題が存在する。フィルムは短すぎまたは長すぎて、正確に切断されないかもしれない。
【0006】
したがって、このタイプのアプリケータ装置には、きれいな文書を獲得するために、フィルムの移送においてより正確性を望む使用者にとってある種の取り扱いの困難性が存在している。
【0007】
他のタイプのアプリケータが公知であり、それは特にストリップ移動デバイスの回転を制限することによって供給されるストリップの長さが制限されるようにデザインされており、単一の移送動作の際に付着ヘッドの上を移動するサポートストリップはあらかじめ定められたものとなっている。特許文献2はこのタイプのアプリケータを開示しており、移送はスタンプを押すことに類似したスタンピングによって、孤立した規則においてのみ実行することが可能である。このストリップの長さの制限はこのアプリケータの利点を減少している。さらに、このタイプのアプリケータは正確な移送が可能でない。なぜならば、一般的に長方形の付着ヘッドは大きな面を覆い、したがって、目標の領域において可視性が減少しているためである。
【0008】
本発明の目的は、基材上への部材の塗付の精度を改良した手動のストリップアプリケータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、
把持可能なケーシングと、
ケーシングに対して移動し且つ使用形態においてケーシングから突出する可動式の付着ヘッドと、
基材に実装される部材を支持する支持ストリップと、
ケーシング内に配置され且つ付着ヘッドの上をストリップを移動させるようにデザインされたストリップ移動デバイスと、
を具備した手動ストリップアプリケータであって、
アプリケータはケーシングと付着ヘッドとに接続されたリターンデバイスを追加的に具備し、
リターンデバイスは、使用形態において付着ヘッドのケーシングに関連した近位位置と遠位位置との間の変位を可能とし、使用形態において実装ヘッドを遠位位置へと移動させる復元力を負荷するように形成された手動ストリップアプリケータを提案している。
【0010】
そのようなリターンデバイスの実現は、基板上への部材の塗付の質、特に、紙のシート上への修正フィルムの貼り付けを概略改良することが見受けられる。したがって、基材の滑らかさおよび被覆さえも容易に得られる。ストリップアプリケータが持ち上げられる位置近傍である、フィルム材料の終端における塗付の欠陥の大幅な減少が見られ、材料が切断される同じ位置においての欠陥も減少している。
【0011】
発明者は、この改良された結果および付着ヘッドの基材からのより急激な持ち上げによってデバイスが基材から持ち上げられるときの改良された使用の容易性を説明している。ユーザがストリップアプリケータを起こす動作を始めたとき、付着ヘッドは、付着ヘッドからケーシングから可能な限り遠い遠位位置に到達するまで接触したままである。ちょうどその瞬間、ユーザの手はその動作の開始時よりも速く移動しており、結果的に手はより素早く基材を離れる。このことはフィルム材料の切断を促進するか、またはサポートストリップ上のパッチに供給された材料に関係して、付着ヘッドによる支持に部分的にのみ対抗した場合でさえも完全に離れることを促進する。
【0012】
本発明の特別な特徴によれば、ストリップ移動デバイスは、単に部材の実装の際に付着ヘッドにおいて負荷された圧力によって移動される。したがって、付着ヘッドが移送面の上を移動したときのみ、部材(コーティングフィルムまたは類似の部材)はサポートストリップから受容面へと移送される。ストリップは現実に巻き出され、付着ヘッドによって受容面に平行な付着ヘッドの変位の効果の下で当該受容面に対して押圧される。この付着ヘッドは薄い端部を備え、その端部の周りにサポートストリップが曲がるようになっている。
【0013】
好適に、遠位位置と近位位置との間の付着ヘッドの変位の振幅が2〜10mmの間、好適に6〜8mmの間である。実施された第1の試験によれば、これらの数値は部材、特に修正フィルムの端部の塗付品質、と使用の容易性と、の間の良好な譲歩を提供している。低い数値はあるユーザにとってフィルムの切断の品質を低下させ、一方で高い数値は使用形態において固定されたヘッドを備えたアプリケータデバイスに慣れたユーザにとって不快な感覚を創造し得る。
【0014】
好適に、遠位位置と近位位置との間における付着ヘッドの近位位置に向かう復元力は0.5〜12Nの間、好適に1〜8Nの間であり、近位位置に接近したときに非常に顕著に増大する。
【0015】
「非常に顕著に」との表現は、力の増加が遠位位置と近位位置との間の金属コイルバネから得られる力のような正比例のものよりもより大きいということを示唆している。これらの力の数値は、付着ヘッドを持ち上げるときの突発的な動作を改良するための使用の際にヘッドのある反応に関しての必要性と、ユーザに内側に後退したヘッドの不快な感覚を与えるであろう低すぎる数値と、の間の有利な妥協点を示唆している。
【0016】
別の特別な特徴によれば、リターンデバイスは少なくとも第1磁石部材と第2磁石部材とを具備し、第1および第2磁石部材は使用形態において互いに概略対面して、この形態において反対方向に磁力線を発生するように配置されている。この配置は磁気的反発力を最適化している。バネの反発力と異なって、磁気的反発力は付着ヘッドの変位に伴って線形に変化しない(磁気抵抗は磁気システムの2つの端部が近傍に引き寄せられたときに増大する)。特にこのことはヘッドが使用の際に過剰に後退することを防止している。
【0017】
別の特別な特徴によれば、第2磁石部材はストリップ移動デバイスに一体的に取り付けられ、使用形態において付着ヘッドの変位の方向に略平行な磁力線を発生するようにデザインされている。この配置は付着ヘッドの変位を容易にしている。
【0018】
別の特別な特徴によれば、ケーシングはストリップ移動デバイスの並進運動をガイドするための部材を備え、部材は付着ヘッドに近位位置において第2磁石部材が第1磁石部材とほぼ接触するようにデザインされている。近位位置に接近したとき、反発力は非常に大きく(バネ力よりもはるかに大きく)なり、ヘッドをさらに引き戻す磁気抵抗が得られる。
【0019】
別の特別な特徴において、第1磁石部材は第1磁石部材の回転を第1位置と第2位置との間で制御するようにデザインされた手動式作動部材に接続されており、第1位置は、アプリケータが付着ヘッドの使用形態にあり、第2位置は、アプリケータが付着ヘッドの退避位置にある。したがって、例えばノブの形状の作動部材の配置は、プッシュボタンと追加のロック解除要素とを使用するシステムに比較して簡素化されることが可能である。付着ヘッドとストリップとは退避位置において有利に保護され、アプリケータを突発的に作動する危険性は制限されている。
【0020】
別の特別な特徴によれば、第1磁石部材および第2磁石部材の各々は、使用形態および退避形態において互いに対面した略平坦な側面をそれぞれ備えている。したがって、誘引力と反発力とは磁石の間で接近すると友により強力になる。しかしながら、これらの平坦面は第1磁石部材の回転を妨げない。
【0021】
別の特別な特徴によれば、第1磁石部材は2つの反対側の端部に単極の面を備え、磁石部材の回転は付着ヘッドの変位の方向に直交した軸の周りに行われる。この配置は、磁石の1つの面が可動式のストリップ移動デバイスの一体部品である磁石に磁気的に取り付けられたとき、第1磁石部材を変位するために負荷されなければならない力を最小化している。
【0022】
別の特別な特徴によれば、第2磁石部材は、少なくとも双極性で第1磁石部材に面したほぼ平坦な面を備え、第1磁石部材は付着ヘッドの変位の方向に平行な回転軸を備えている。回転と磁石の面における2つの領域(例えば2つの隣接領域)の間の極性の相違によって、この配置は付着ヘッドの位置を変化させるために負荷される力を有利に減少している。この配置は、互いに磁石を移動させて離す必要がないため、コンパクトでもある。
【0023】
別の特別な特徴によれば、付着ヘッドとストリップ移動デバイスとは一体的に取り付けられ、ケーシングのガイド部材によって並進移動においてガイドされており、リターンデバイスはケーシングに固定された第1磁石部材と、ストリップ移動デバイスに固定された第2磁石部材と、を具備している。したがって、リターンデバイスはストリップ移動デバイスの延伸内に配置されることが可能であり、ストリップ移動デバイスはストリップリールを形成し、アプリケータの前部の体積を特に小さくなるように形成することが可能である。このことは、アプリケーションヘッドの反対面で発生し得るユーザのための動作を簡素化している。
【0024】
別の特別な特徴によれば、使用形態において、付着ヘッドの変位の方向に沿って第1磁石部材の位置を調節するための部材を具備している。したがって、反発力はユーザによって当該ユーザがヘッドの後退を望む圧力に対抗するように調節されることが可能である。
【0025】
本発明の別の目的は、ユーザによって容易に作動される可動式付着ヘッドを備えたより簡易なデザインのアプリケータである。
【0026】
この目的のために、本発明は、
把持可能なケーシングと、
ケーシングに対して移動し且つ使用形態においてケーシングから突出する可動式の付着ヘッドと、
基材に実装される部材を支持する支持ストリップと、
ケーシング内に配置され且つ付着ヘッドの上をストリップを移動させるようにデザインされたストリップ移動デバイスと、
を具備した手動ストリップアプリケータであって、
アプリケータはケーシングに接続された第1磁石部材と付着ヘッドに接続された第2磁石部材とを具備した磁石デバイスを備え、磁石デバイスは付着ヘッドを退避形態に対応したケーシング内の位置から、使用形態に対応した突出位置まで移動させるアプリケータを提案している。
【0027】
したがって、移送ヘッドの可動性はユーザがバネ圧縮機構を作動させることなく得られる。それは、磁石または類似の部品の位置を変化させることで十分であり、一般的に小さいサイズの磁石部品の使用を試みることなく実行され得る。付着ヘッドの変位の両方の方向は有利に同一の作動部材の操作に依存している。
【0028】
本実施形態の特別な特徴によれば、磁石デバイスは2つの調節設定を備えた手動の作動部材を具備し、第1磁石部材は手動の作動部材に接続され、第2磁石部材はストリップ移動デバイスに一体的に取り付けられている。したがって、例えば、退避位置は有利に磁気的誘引の効果によって維持されており、移送ヘッドをケーシング内部に維持することを可能にし、衝撃から保護している。
【0029】
本発明の他の特徴および利点は、添付図を参照して非限定的な実施例として提供された以下のいくつかの実施形態の記載から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の好適な第1実施形態による、使用形態におけるアプリケータの内部を示した断面図である。
【図2】退避形態における図1のアプリケータを示した図である。
【図3】図1および2の実施形態によるアプリケータの外観を示した図である。
【図4】図1のアプリケータの正面の詳細を示した図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるアプリケータの内部を示した断面図である。
【図6】図5のアプリケータの上面を示した図である。
【図7】第3実施形態によるアプリケータの上面を示した図である。
【図8A】図7に示されたようなアプリケータ内に統合されたリターンデバイスの、2つの磁石部材の間の誘引の位置を示した図である。
【図8B】図7に示されたようなアプリケータ内に統合されたリターンデバイスの、2つの磁石部材の間の反発の位置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
異なった図において、同一の参照符号は同一のまたは類似の部材を示している。
【0032】
アプリケータ1は部材をシートまたは他の基材上に正確に置くことを可能にしている。それが矯正用である場合、部材の付着は瞬間的であり、乾燥時間が無い。使用される部材は、例えばシート紙のような基材へのその接着特性に基づいて選択され、本発明はこの部材に特に関係するものではないので、ここでは詳細に述べていない。アプリケータ1はもちろん、例えば基材の着色またはカバーなど、他の用途において使用されることが可能である。
【0033】
図1、2、5および6を参照すると、アプリケータ1は、例えば互いに固定された相補的なシェル2a、2bから成るケーシング2を形成した本体を具備している。ケーシング2は好適に把持可能で小サイズであり、例えば長さLは16cmよりも小さく、好適に11cmよりも小さい構造である。幅はおおむね一定であり、厚さは4cmを超えず、平均的な幅は0.6〜2cmであって、手中に保持するために好適である。ケーシング2の最大高さは6cmを超えない。
【0034】
図1を参照すると、付着ヘッド3はケーシング2の最前部に形成された開口4を通じて突出しており、アプリケータ1の構造を決定している。ケーシング2に関連したこの付着ヘッド3の組み立ては、ヘッド3がケーシング2の長手軸に沿ってスライドすることを可能にしている。
【0035】
図2に見られているように、アプリケーションヘッド3は退避することも可能であり、例えば完全に退避して、ケーシング2の内部において保護される。したがって、ストリップ5は損傷または破壊から保護されている。ケーシング2内で巻き取られたストリップ5は、移送される部材のフィルムのためまたはパッチのための支持として寄与している。ストリップ5はアプリケーションヘッド3の端部3aの周囲を包んでいる。
【0036】
ストリップ移動デバイス6は公知であり、ケーシング2の内部に収容されて、付着ヘッド3の上をストリップ5を移動することが可能である。非限定的な実施例である図1および2において、付着ヘッド3とストリップ移動デバイス6とは一体に取り付けられている。ストリップリール機能は異なった規則において達成されることが可能であることが理解され、ここではさらに詳細に記載されていない。ストリップ移動デバイス6は、付着ヘッド3の経路の後に続いたストリップ5を巻くためのギア、ベルトまたは類似の部材を備えている。デバイス6は直接駆動タイプのデバイスである。ストリップ5は任意の幅であり、例えば修正用アプリケータである場合、おおよそ1cmよりも小さい。
【0037】
図1および5はアプリケータ1の構造を示しており、付着ヘッド3はケーシング2から突出している。この位置において、部材はサポートストリップ5からシートまたは他の任意の適切な基材(図示略)上へと移送されることが可能である。ストリップがケーシング2から突出する長さは、使用形態においてはショートポジションに限定されている。このショートポジションはケーシング2から一般的には曲げ戻して突出しており、曲げ戻される位置の前の付着ヘッド3の底部3aに沿ってガイドされた送出部と、曲げ戻された後の付着ヘッド3の頂部3bに沿ってガイドされた送入部と、に細分化されている。ストリップ5は、部材の付着の際、付着ヘッド3の薄い端部3aによって周知の方式において支持されている。
【0038】
図1〜7に示されたような本発明の好適な実施形態において、アプリケータ1の付着ヘッド3はケーシング2に対して移動する。この移動はガイド部材7によって制限されており、付着ヘッド3の変位を使用形態に相当する前進位置と後退位置との間で可能にしたリターンデバイス8によって制御されている。リターンデバイス8は例えばケーシング2と付着ヘッド3とに接続されており、使用形態において付着ヘッド3の変位をケーシング2に対して近位位置と遠位位置の間で可能にしている。ストリップ5はケーシング2に接続された1つ以上の補助ローラまたは補助シリンダRによって移動の際にガイドされている。
【0039】
図1、2および5の実施例において、リターンデバイス8は、ケーシング2に固定された第1部分とストリップ移動デバイス6に固定された第2部分とを具備している。非限定的な方式において、付着ヘッド3の変位は直線的である。使用形態において、リターンデバイス8の2つの部分は離れて移動するが、変位の制限された幅において互いに接近するように移動し、2つの部分のための初期位置が存在するように、変位の制限内で互いに相互作用する。
【0040】
より具体的には、リターンデバイス8はケーシング2に接続された部分を介して基準位置xを形成しており、その位置は付着ヘッド3の変位の際に固定されている。リターンデバイス8の可動部は、基準位置xに対して離間された2つの位置xとxとの間で移動する。図1および5の非限定的な実施例において、磁石Mを具備したこの部分は、例えば部材が付着される基材によって付着ヘッド3に力が負荷されたとき、最小離間位置xに向かって移動する。その後、リターンデバイス8はその2つの部分の間で反力を発生し、最大離間位置である位置xに向かって可動部を移動させる。位置xはアプリケータ1の使用態様において付着ヘッド3の初期位置に相当している。
【0041】
上述の発明は、圧縮または近接の増大に反する反力を伴っている。あまり好ましくない変化形において、反力は牽引に反応して発生され得る。したがって、使用形態における付着ヘッド3の初期位置は、基準位置xに対するデバイス8の可動部の最小離間の位置に相当している。この場合、反力は最小離間の位置に向かって移動するように発生される。
【0042】
リターンデバイス8の実施形態の形態に関わらず、アプリケータ1を移送の端部において基材から引き上げるとき、突然の挙動を得ることが理解されるため、このリターンデバイス8は付着ヘッド3の遠位端に向かって反力を負荷する用にデザインされている。リターンデバイスは異なった構造を備え、リターンデバイス8によって負荷された力はより適切な構造に向かって発展する傾向に帰結する。
【0043】
負荷された力は、例えばリターンデバイス8の2つの磁石部材AおよびMの間磁石の反発力に相当する。この場合、これら2つの磁石部材の第1部材Aは例えば1つ以上の磁石10、11を具備し、ケーシング2に接続されており、一方で、第2磁石部材Mは付着ヘッド3とストリップ移動デバイス6とを具備した可動要素12に接続されている。要素12のケーシング2内における位置はリターンデバイス8によって有利に制御され、リターンデバイス8の手動操作部によって調節されている。
【0044】
第1実施形態は図1〜4を参照してここに記載されている。
【0045】
図1および2に見られているように、要素12はケーシング2内においてスライドするように組み立てられている。第2磁石部材は例えば磁石Mであり、支持構造14のサポート14aを利用してストリップ移動デバイス6の後部に取り付けられている。変化形として、付着ヘッド3のより複雑なおよび/もしくは回転または他の適切な移動となる変位は、ケーシング2内において適切なガイドが存在する限り、得られることも可能である。
【0046】
第1磁石部材Aは2つの調節設定とともに作動アセンブリ内に配置されている。図1〜3に示されたように、作動部材23は磁場の方向に直交した軸の周りに回転するノブに相当し、その磁場は作動アセンブリAの少なくとも1つの磁石10、11と付着ヘッド3に接続された磁石Mとの間で形成され得る。ノブは手動で回転されて調節し、且つたとえば2つの作動位置の間で180°回転することが可能である。より一般的には、作動部材23は、使用形態を稼動させた第1位置と、退避形態を稼動させた第2一と、の間において手動で移動されることが可能である。作動部材23は回転するように記載されているが、その変位は並進または並進と回転との組み合わせ、例えば螺旋移動に対応することも可能である。
【0047】
図1および2を参照すると、サポート14aは磁石Mを受容するためのハウジングを形成し、ケーシング2に接続された磁石部材Aに関連した凸面と接触することが可能な凹面を備えている。ハウジングは要素12の外側に配置され、その長さを減じている。したがって、ハウジングは要素12が延在している方向とローラ軸の方向とによって定義された平面の外側に配置されている。ケーシング2は、後部において手中に容易に把持される湾曲を有する。
【0048】
この第1実施形態において、付着ヘッド3に接続された磁石Mは付着ヘッド3に向かい合った側において正反対の極を備えている。図1および2の実施例において、磁石MはN極を備え、それは付着ヘッド3の変位の方向に平行であり、磁石部材Aに向かって面している。
【0049】
図1に示された使用形態において、作動アセンブリ内に載置された磁石10はN極を備え、同一の極(N極)を備えた磁石Mの後側に面している。言い換えると、磁石10およびMは互いに面して配置され、この方式において磁力線は向かい合った方向に発生している。したがって、磁力線は付着ヘッド3にほぼ平行に形成されている。結果的に反発力は付着ヘッド3をケーシング2に対して遠位位置に向かって移動させる。実際に、磁石10およびMの過度の接近はこの場合特にリターンデバイス8の不安定な構造につながる。この反発力は例えば0.5〜12Nの間であり、好適には遠位位置と近位位置との間で1〜8Nの間である。
【0050】
磁石とともに、この力はさらに近位位置の接近を増大させる。あまり好適でない変化形において(図示略)、リターンデバイス8は磁石10およびMの代わりにバネ、特に金属コイルバネを使用して、弾性復元力を負荷してもよい。この場合、バネは一端においてケーシング2に、他端において付着ヘッド3に接続されている。復元力はバネ定数に直接的に正比例する。したがって、図1に示された磁石緩衝を備えた使用形態の多数の利点は、付着ヘッド3の遠位位置に向かって負荷された類似の反発力を備えた弾性緩衝を使用することで得られる。
【0051】
図1および2を参照すると、付着ヘッド3の変位の振幅は遠位位置と近位位置との間、例えば2〜10mmの間であり、好適に約7mmである。したがって、基材に対するアプリケータ1の押圧の際の付着ヘッド1の後退動作は、アプリケータ1の押圧が中断されるとき、すなわちユーザがアプリケータ1を持ち上げたときに、突然動く原因となるのに十分である。退避形態と使用形態との間の付着ヘッド3の変位の振幅dは、緩衝の際の変位の振幅よりも約1mm大きくすることが可能である。
【0052】
図1および2に見られているように、ストリップ移動デバイス6は使用の際にストリップ5を巻き付かせ、且つ前進させる。ストリップ5が巻き付くことが可能な1つまたは複数のローラは支持構造14内に組み立てられており、要素12が延在した方向に直交している。支持構造14は複数の平坦な壁を備え、ストリップ5の巻き着けをガイドしている。これらの壁の1つは部分15の中間部に相当し、後端においてサポート14aと、前端において付着ヘッド3と、を具備している。要素12のスライドは複数の平行なガイド部材7によって前端と後端とにおいてガイドされ、ストリップ移動デバイス6内においてストリップ5の経路に対して側方にオフセットされている。アプリケータ1の使用形態において、要素12は後方に向かってスライドし、前方に向かった要素12の復元はケーシング2の1つ以上の停止部16によって制限されており、停止部は例えば開口4の近傍に配置されたガイド部材7の後端に形成されている。
【0053】
図4を参照すると、ステム17は付着ヘッド3を要素12の残りの部分に接続している。このステム17はフィン18または他の突出部材を備え、ケーシング2の一部として形成された2つの平行なガイド部材7の間に形成されたスリットと係合することが可能である。
【0054】
さらに図4を参照すると、付着ヘッド3は自由端において平坦とすることが可能であり、ストリップの曲げ戻しを容易にしている。付着ヘッド3は、付着ヘッドの自由端近傍において1つ以上の上向きまたは下向きの(スライドの方向に直交した)突起19を備えている。アプリケータ1の退避形態に相当した図2の非限定的な実施例において、突起19はケーシング2内に形成された少なくとも1つの停止面と係合する。ここで、付着ヘッド3の両側部に形成された2つの突起19はガイド部材7のプレート上の前面を押圧し、付着ヘッド3の後退を制限している。
【0055】
アプリケータ1が図2に示したように退避形態にある場合、作動アセンブリ内の磁石11は付着ヘッド3に接続された磁石Mの後側に面したほぼ平坦な面を備えている。作動アセンブリのためのノブの回転軸Xが付着ヘッド3の変位に直交しており且つ磁石Mの後側に平行であるとき、ノブの回転によって達成される磁力的な取り外しは磁石11の引張力に打ち勝たなければならないことよりも容易である。ストリップ移動デバイス6はガイド手段、例えばケーシング2内の横溝22(図1)および要素12に配置された側方リブまたは類似のものと関わりを持つ。これらのガイド手段は、付着ヘッド3の近位位置(図2)において磁石Mが磁石11とほとんど接触するようにデザインされている。したがって、突起19はガイド部材7の対応した停止面7aと接触する。この場合、磁石11およびMは互いから約1または2mmの短い距離とすることが可能である。代替的に、これらの2つの磁石11およびMはアプリケータ1の退避形態において並ぶことが可能である。
【0056】
磁石11のS極は磁石MのN極を磁力的に引き付けるので、要素12は使用形態から退避形態へと単純にノブの回転によって移動することが可能である。したがって、要素12は退避形態において維持される。使用形態への復元は、ユーザが作動部材13を作動させて、磁石部材AのS極が磁石MのN極と面しなくなった場合にのみ可能とされている。
【0057】
図示された磁石10、11、Mは円筒形であり、例えば15mmよりも小さい径であるが、もちろんケーシング2内に収容可能な任意の形状の磁石は均等に適切である。
【0058】
付着ヘッド3はここでは磁石Mと同一の可動性を備えているので、図2に示されたような、軸Xの周りにノブを回転させて磁気的誘引モードから磁気的反発モードへと変化させる磁石11の変位は、付着ヘッド3を退避位置から突出位置へと変位させる動作に相当することが理解されるだろう。それに類似して、図1に示したような、軸Xの周りにノブを回転させて磁気的反発モードから磁気的誘引モードへと変化させる磁石10の変位は、付着ヘッド3を退避位置から突出位置へと変位させる動作に相当することが理解されるだろう。
【0059】
第1実施形態において、一方がN極を形成し且つ他方がS局を形成した明確に識別される2つの面が存在するために、回転的調整動作アセンブリ内における1つ以上の磁石10、11の配列は、付着ヘッド3に接続された磁石Mによって負荷された磁気的引力から開放されるために負荷されなければならない力を最小化している。回転軸の両側にそれぞれが配列された2つの磁石10、11の配列は、共通の且つ安価な商用磁石の使用を可能にしている。これらの2つの磁石10、11はそれぞれが回転軸に対向した磁極化された面を備え、1つは磁石Mの誘引のためであり、他は磁石Mの反発のためである。もちろん、1つ以上の磁石の他の任意の配列が作動アセンブリ内において使用可能である。
【0060】
図1〜4の非限定的な実施例において、ノブまたは類似の要素の180°の回転は退避形態から使用形態へと変化させる。ノブの2つの位置の各々はケーシング2と、ノブおよび/またはノブの軸要素と、のあいだの固体接点に関係付けられている。このことは、磁石10に負荷された磁気的反発力にもかかわらず、ノブを固定位置に維持することを可能にしている。また、ノブはケーシング2の内部に大部分が収容されることが可能である。図3に示されたように、接触部24はケーシング2の上部開口25を通じて突出し、最大でも作動の部の周囲の4分の1を現している。
【0061】
第2実施形態が図5および6に関連してここに記載されている。
【0062】
この第2実施形態において、アプリケータ1は付着ヘッドの遠位部に向かって付着ヘッド3を連続的に進めるリターンデバイス8を具備している。このために、磁石10、Mは互いに同一の磁極が面している。第1実施形態と比較して、デバイス8は、磁石20が付着ヘッド3に接続された磁石Mに対向した磁石部材を形成し、反発位置に向かって付着ヘッド3を移動させるための部材が存在していない点において異なっている。磁石Mに磁気的反発力を負荷するために、磁石20はケーシング2に対して固定された所定の位置において単に維持されている。
【0063】
反発力を調節するための機構は、磁石20と磁石Mとの間の距離を調節することを可能にしている。図5および6に示された実施例において、調節機構の可動部材31は、磁石20の一調節に使用するために、例えばケーシング2内において横に延在し、磁石20に一体に取り付けられている。ここで、可動部材31はケーシングの外側に突出した自由端を備えている。したがって、ユーザは要素12に負荷された前向きの力を減少または増大させる。
【0064】
第2実施形態の残りは上述された第1実施形態と全体的に類似している。特に、反発力は同じ力の数値範囲内とされることが可能である。また、停止部16は付着ヘッド3の遠位位置を位置付けている。
【0065】
第3実施形態は図7ならびに8Aおよび8Bに関連してここに記載されている。
【0066】
この第3実施形態において、要素12はこれまでに記載された2つの実施形態と後端部を除いて同一とすることが可能である。サポート14Aは、付着ヘッド3に接続された磁石Mの後面を越えて延在していない(図示されていない)サポートと置き換えられることが可能である。さらに、磁石Mは後面F(両極面)において1つよりも多い磁極を備えることが可能である。
【0067】
したがって、図8Aおよび8Bに見られているように、付着ヘッド3に接続された磁石Mは作動部材23に接続された回転磁石30の双極面に面した双極面を備えている。回転磁石30は、使用形態および退避形態の両方の形態において、付着ヘッド3に接続された磁石Mに面した同一の面を備えている。
【0068】
この回転磁石の面は外向きの力線(N極)と内向きの力線(S極)との両方を備えている。特に、回転磁石30は磁石30の回転軸X´に対して角度方向にオフセットされた少なくとも2つの異なった領域を備え、その一方はN曲煮対応しており、他方はS極に対応している。図8Aに示されたように、図2に示された位置に類似した退避位置は、回転磁石30が磁石Mの後面Fの力線の方向と反対の力線を備えた場合に得られる。
【0069】
図8Aに示されたように、回転磁石30は2つの磁石30およびMを通った幾何学的軸X´の回りに回転する。この配置を伴って、ユーザは左から右へのまたは右から左への回転動作によって一の形態から他の形態へと変化させることが可能である。このツイスト動作によって、磁石30の2つの面を分離して使用形態とすることが容易になる。これは、反対の極性の領域が各々の磁石30およびMにおいて隣接し、磁気的誘引力を打ち壊すことが磁石を引き離すよりもより容易であることによるものである。
【0070】
図4および8Bに対応した使用形態において、磁石30と磁石Mとの間の力線の対極性は、付着ヘッド3の近位位置を不安定にしている。したがって、リターンデバイス8は、磁石30と磁石Mとの間の最大距離によってより安定した構造となる。この離間は停止部16の存在のために(図1参照)制限されたままである。離間は付着ヘッド3の変位の振幅dに対応することが可能である。
【0071】
本発明の利点の1つは、使用形態における付着ヘッド3の可動性にあり、それは基材上への部材の実装の質を改良するために役に立っている。実際のところ、付着ヘッド3の前進位置/遠位位置に向かった復元動作は材料の開放を容易にすることが可能である(結果的に急な動作は移送の端部において接着剤のフィルムの破壊に積極的に寄与している)。このことは、使用形態においてデバイスを機械的にロックするための任意の機構を排除することも可能にしている。本発明の別の利点は、可動付着ヘッド3を備えたアプリケータ1のデザインが簡素化されることが可能なことである。
【0072】
上述の実施形態の形状および詳細は一体にまたは分離して使用されることが可能であることが理解されるだろう。本発明は特許請求の範囲の発明の範囲を逸脱することなく他の多くの特別な形状とすることが可能であることが、当業者には明確である。特に、フィルムまたはパッチを形成した材料は少なくとも1つのコーティング材料に対応し、それは白もしくは別の色、または半透明(もしくは透明)である。
【0073】
リターンデバイス8がアプリケータ1の後部に配置されたとして図示されているが、デバイスの他の配置が可能であり、デバイス8は後端よりもむしろ前端に近い位置を占めることが可能である。また、デバイス8はストリップ5に直交した支持構造14の中間面に対して側方にオフセットされることが可能である。いくつかの変化した実施形態において、デバイス8はケーシング2の外側に大部分が配置されることが可能である。
【0074】
磁石を使用した実施形態において、サポート14aは磁石Mの取り外し可能な取付部品とすることが可能である。追加的にまたは代替的に、サポート14aは支持構造14から分離されることが可能である。したがって、ほかの要素12が、ユーザがケーシング2から除去可能な互換性のあるカートリッジを形成しているので、ストリップ5を交換することが可能である。このカートリッジを除去するために、ケーシング2は手動で取り外し可能な部品を備え、その部品はほかのケーシング2に素早く取り付けることが可能である。
【0075】
図示された実施形態において、復元機能が存在し、結果的に作動部材23が使用形態へと自動的に移動する。しかしながら、復元機能の動作とは無関係に、磁石部材も退避形態から使用形態へと変化させることが可能である。例示されたとおり、第1作動部材は付着ヘッド3の退避または突出に単独で寄与し、一方で追加的な第2作動部材は使用形態において復元機能の動作を可能にしている。例えば、そのような第2作動部材は使用形態において復元力と磁気緩衝とを備えた第1モードと、付着ヘッド3の固定化を伴った第2モードと、の間の選択に関して寄与することが可能である。この第2モードは、アプリケータ装置に成れたユーザによる使用の際に、使用形態においてヘッドを固定するために好適である。
【符号の説明】
【0076】
1 ・・・アプリケータ、 2 ・・・ケーシング、 3 ・・・付着ヘッド、 4 ・・・開口、 5 ・・・ストリップ、 6 ・・・ストリップ移動デバイス、 7 ・・・ガイド部材、 8 ・・・リターンデバイス、 10,11,20 ・・・磁石、 12 ・・・可動要素、 13 ・・・作動部材、 14 ・・・支持構造、 17 ・・・ステム、 18 ・・・フィン、 22 ・・・横溝、 23 ・・・作動部材、 24 ・・・接触部、 30 ・・・回転磁石、 31 ・・・可動部材、 A,M ・・・磁石部材、 R ・・・ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持可能なケーシング(2)と、
該ケーシングに対して移動し且つ使用形態において該ケーシング(2)から突出する可動式の付着ヘッド(3)と、
基材に実装される部材を支持する支持ストリップ(5)と、
前記ケーシング(2)内に配置され且つ前記付着ヘッド(3)の上を前記ストリップ(5)を移動させるようにデザインされたストリップ移動デバイス(6)と、
を具備した手動ストリップアプリケータ(1)において、
該アプリケータ(1)は前記ケーシング(2)と付着ヘッド(3)とに接続されたリターンデバイス(8)を追加的に具備し、
前記リターンデバイスは少なくとも第1磁石部材(A)と第2磁石部材(M)とを具備し、該第1および第2磁石部材は使用形態において互いに概略対面して反対方向に磁力線を発生するように配置されており、
前記リターンデバイスは、使用形態において前記付着ヘッド(3)のケーシング(2)に関連した近位位置と遠位位置との間の変位を可能とし、使用形態において前記実装ヘッド(3)を前記遠位位置へと移動させる復元力を負荷するように形成されていることを特徴とするアプリケータ。
【請求項2】
前記第2磁石部材(M)は前記ストリップ移動デバイス(6)に一体的に取り付けられ、使用形態において前記付着ヘッド(3)の変位の方向に略平行な磁力線を発生するようにデザインされていることを特徴とする請求項1に記載のアプリケータ。
【請求項3】
前記ケーシング(2)は前記ストリップ移動デバイス(6)の並進運動をガイドするための部材(22)を備え、該部材は前記付着ヘッド(3)に近位位置において前記第2磁石部材(M)が前記第1磁石部材(A)とほぼ接触するようにデザインされていることを特徴とする請求項1または2に記載のアプリケータ。
【請求項4】
前記第1磁石部材(10,11;30)は前記第1磁石部材(A)の回転を第1位置と第2位置との間で制御するようにデザインされた手動式作動部材(23)に接続されており、前記第1位置は、前記アプリケータ(1)が前記付着ヘッド(3)の使用形態にあり、前記第2位置は、前記アプリケータが前記付着ヘッドの退避位置にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項5】
前記第1磁石部材および第2磁石部材(M)の各々は、使用形態および退避形態において互いに対面した略平坦な側面をそれぞれ備えていることを特徴とする請求項4に記載のアプリケータ。
【請求項6】
前記第1磁石部材(A)は2つの反対端に単極の面を備え、前記磁石部材(A)の回転は前記付着ヘッド(3)の変位の方向に直交した軸(X)の周りに行われることを特徴とする請求項5に記載のアプリケータ。
【請求項7】
前記第2磁石部材(M)は、少なくとも双極性で前記第1磁石部材(A)に面したほぼ平坦な面(F)を備え、前記第1磁石部材は前記付着ヘッド(3)の変位の方向に平行な回転軸(X´)を備えていることを特徴とする請求項5に記載のアプリケータ。
【請求項8】
前記付着ヘッド(3)とストリップ移動デバイス(6)とは一体的に取り付けられ、前記ケーシング(2)のガイド部材(7,22)によって並進移動においてガイドされており、前記リターンデバイス(8)は前記ケーシング(2)に固定された第1磁石部材(A)と、前記ストリップ移動デバイス(6)に固定された第2磁石部材(M)と、を具備していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項9】
使用形態において、前記付着ヘッド(3)の変位の方向に沿って前記第1磁石部材(A)の位置を調節するための部材(31)を具備していることを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項10】
前記遠位位置と近位位置との間の前記付着ヘッド(3)の変位の振幅(d)が2〜10mmの間、好適に6〜8mmの間であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項11】
前記遠位位置と近位位置との間における前記付着ヘッド(3)の近位位置に向かう復元力は0.5〜12Nの間、好適に1〜8Nの間であり、前記近位位置に接近したときに非常に顕著に増大することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のアプリケータ。
【請求項12】
把持可能なケーシング(2)と、
該ケーシングに対して移動し且つ使用形態において該ケーシング(2)から突出する可動式の付着ヘッド(3)と、
基材に実装される部材を支持する支持ストリップ(5)と、
前記ケーシング(2)内に配置され且つ前記付着ヘッド(3)の上を前記ストリップ(5)を移動させるようにデザインされたストリップ移動デバイス(6)と、
を具備した手動ストリップアプリケータ(1)において、
該アプリケータは前記ケーシング(2)に接続された第1磁石部材(A)と前記付着ヘッド(3)に接続された第2磁石部材(M)とを具備した磁石デバイスを備え、該磁石デバイスは前記付着ヘッド(3)を退避形態に対応した前記ケーシング内の位置から、使用形態に対応した突出位置まで移動させることを特徴とするアプリケータ。
【請求項13】
前記磁石デバイスは2つの調節設定を備えた手動の作動部材(23)を具備し、前記第1磁石部材(A)は前記手動の作動部材(23)に接続され、前記第2磁石部材(M)は前記ストリップ移動デバイス(6)に一体的に取り付けられていることを特徴とする請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項14】
把持可能なケーシング(2)と、
該ケーシングに対して移動し且つ使用形態において該ケーシング(2)から突出する可動式の付着ヘッド(3)と、
基材に実装される部材を支持する支持ストリップ(5)と、
前記ケーシング(2)内に配置され且つ前記付着ヘッド(3)の上を前記ストリップ(5)を移動させるようにデザインされたストリップ移動デバイス(6)と、
前記ケーシング(2)と付着ヘッド(3)とに接続されたリターンデバイス(8)と、
を具備した手動ストリップアプリケータ(1)において、
前記ストリップ移動デバイス(6)は、単に前記部材の実装の際に前記付着ヘッド(3)において負荷された圧力によって移動され、
前記リターンデバイスは、使用形態において前記付着ヘッド(3)のケーシング(2)に関連した近位位置と遠位位置との間の変位を可能とし、使用形態において前記実装ヘッド(3)を前記遠位位置へと移動させる復元力を負荷するように形成されていることを特徴とするアプリケータ。
【請求項15】
前記付着ヘッド(3)は薄い端部(3a)を備え、前記支持ストリップ(5)は該薄い端部の周りに曲がるようになっていることを特徴とする請求項14に記載のアプリケータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公表番号】特表2012−527362(P2012−527362A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511324(P2012−511324)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050960
【国際公開番号】WO2010/133799
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(501325048)ソシエテ・ビック (24)