説明

特に電気的に調整可能な病院用および介護用ベッドのための電気ハンドコントローラ

【課題】従来より優れた密封を可能にする、簡素化された構造のハンドコントローラを提供する。
【解決手段】特に電気的に調整可能な病院用および介護用ベッドのための電気ハンドコントローラは、底および側壁を持つ単一の桶形シェルとして構成された筐体(1)を備え、筐体内にスイッチ付きプリント回路(2)が装着され、スイッチの上に舌片様の形状のキーを持つプレートがあり、最後に、キーの表示を持つカバー箔(6)がシェルの側面の上縁に固定されている。筐体は単一シェルであるので、第一に、2つの異なる部品の製造が回避され、加えて、組立て工程におけるこれらの組立てが回避され、最終的に、漏れの危険性のある組立てが回避される。プリント回路およびプラグ(12a)付きケーブルを具備することによって、組立ては容易になる。これに関連して、スパウトを通してケーブルの端部のプラグを引き込むことができるように、スパウト(10)に楕円形の貫通穴を設けることが好都合である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に記載された、特に電気的に調整可能な病院用および介護用ベッドのための電気ハンドコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなハンドコントローラは、結合されて密閉筐体を構成する2つのプラスチックシェルから形成される。組立ては、ねじ、接着剤、または超音波溶接によって行なうことができる。シェルを接合する前に、スイッチが付いており、かつハンドコントローラの後部のスパウトを通して導かれたケーブルがはんだ付けされた、プリント回路が挿入される。上部プラスチックシェルには、一般的にばね性舌片の形のキーがあり、キーの位置およびそれらの機能を特定するグラフィック付き箔が頂面上に取り付けられる。病院用および介護用ベッドによって、ハンドコントローラは、特にその目的のために設計された洗浄トンネルでベッドと共に洗浄および消毒されるので、防湿性かつ防水性であることが要求される。その点に関し、2つのプラスチックシェルの接合を適切に防水性にすることはかなり難しい。
【発明の開示】
【0003】
本発明の目的は、より優れた密封を可能にする、簡素化された構造のハンドコントローラを提供することである。
【0004】
これは、本発明に従って、請求項1に記載するハンドコントローラを構築することによって達成される。筐体を1つだけのシェルとして構築することにより、第一に、2つの部品の製造が回避され、加えて、組立て工程中のこれらの接合が回避され、最終的に、密でない危険性のある接合が回避される。部品をシェル内に配置し、最後にそれをカバー箔で閉じることによって、組立ては簡単に行なわれる。
【0005】
シェルの側壁の上縁の下段の段板にカバー箔を装着することによって、カバー箔の縁は意図しない損傷が防止され、かつ同時に、段部の縁がカバー箔の一意的な安定した位置決めに寄与するので、固定が容易になる。箔が接着剤で取り付けられるときに、少し余分に使用することができ、それは箔と段部の縁との間の交差部に集まり、あるいは少なくとも接着剤が縁に到達することを確実にする。既述の通り、ハンドコントローラは時々洗浄する必要があり、その目的のために、シェルの側壁の間隔は、好ましくはハンドコントローラの1端で、カバー箔の頂面と同じ高さになる。これは、開口から汚れを効果的に拭き取ることができるのと全く同様に、ハンドコントローラの頂面に水が溜まるのを防止する。開口はカバー箔の容易な取付けにも寄与することが注目される。
【0006】
プリント回路およびキー付きプレートは様々な方法で筐体に固定することができるが、プリント回路を何らかの支持リブ上に緩く配置する一方で、プレートを相互作用スナップロック接続により筐体内に保持することが好都合である。ねじの使用、特にカバー箔の穴を擦過摩耗させ得るプレートの頂面におけるねじの使用は、それによって回避される。要するに、最小限の割込で平坦かつ平滑な表面が達成され、それはカバー箔の適正で長持ちする取付けを確実にする。
【0007】
プレートが単一工程で、硬質プラスチックのキーを構成する対応するブリックと共に成形することができ、キーが好ましくはストリングにより、可撓性プラスチック材料のプレートの周辺部に接続されるように、2成分プラスチック材料から作られるキー付きプレートを構築することによって、複数の利点が得られる。ロック機能を持つハンドコントローラの実施形態では、すなわち回転ボタン付きスイッチが非作動状態になるハンドコントローラの場合、回転ノブに対して封止を形成するように、可撓性プラスチック材料から回転ボタンが配置されるプレートの開口の縁を作ることによって、回転ボタンは同じ2成分プラスチック材料で封着される。2成分材料はまた、プリント回路を保持するための足を持つプリント回路の頂面に載置される脚をプレートに具備することによって、プリント回路およびプレートを固定するときにも使用することができる。足も弾性プラスチック材料から作られ、それは第一に、製造公差が弾性足に吸収され、加えて、足の弾性が前述のスナップロック接続をばね力によって確実な噛合状態に保持させるという利点を有する。最後に、ハンドコントローラがバックグラウンド照明を具備する場合、透明なプラスチック材料をプレートに使用することが有利である。したがってプリント回路に発光ダイオードを搭載することができ、光は、透明なプレートを通して、かつ一般的にキー用のマーキングとしてカバー箔の選択された完全にまたは部分的に透明な領域を通して、配光される、
【0008】
ケーブル接続されるハンドコントローラに関係する場合、ケーブルは適正な密閉の基礎を提供する筐体の穴を通して導入される。筐体に楕円形の断面を持つ穴を形成することによって、プラグ付きケーブルの引込みが容易になり、同時により広幅のプラグを使用することができる。カバー箔の固定を阻害するおそれがあり、かつ封止することが困難になり得る側壁の頂部の切込みは、それによって回避される。筐体の穴は優れた密封面である管状にすることができ、ケーブルのスパウトにはシールリングを具備することができる。歪み取りとしてスパウトは外端近くにカラーを具備することができ、それは筐体内に導入されたときに、筐体の側壁の内面に押し当てられる。物流的には、かつ組立ての観点からは、ケーブルをソケットでプリント回路に固定することが有利である。組立て工程で長いケーブルがはんだ付けされたプリント回路のような取扱い難い部品への対処が回避される。物流的には、ケーブルの長さを個別に調整することは容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のさらなる特徴について、本発明の実施形態に関連して、添付の図面を参照しながら以下でさらに詳しく説明する。
【0010】
実施形態は、バックレストおよびレッグレストを上昇および下降させ、かつベッド全体をも上昇および下降させるためのアクチュエータを持つ、電気的に調整可能な介護用および病院用ベッドのためのハンドコントローラに関する。この目的のために、ハンドコントローラは対で配置されたキーを具備し、一方のキーが上昇をもたらし、他方が下降をもたらす。
【0011】
ハンドコントローラは桶形のプラスチック筐体1を含み、接触スイッチ3を持つプリント回路2がその中に搭載され、舌片様の形状のキー5を持つプレート4がその上に存在する。筐体の頂面は、キーの位置およびそれらの機能を特定するグラフィックス3´付きのカバー箔6を具備する。特殊な実施形態として、問題のハンドコントローラはスイッチ3用のロック機能を有し、ロックは回転ノブ7により行なわれる。直径方向に対向する2つの脚を持つ回転ノブが電気接点を各々作動させ、それにより相互に対向して配置された2つのスイッチの回路が遮断されることで、ロックが行なわれる。
【0012】
組立て時に、プレート4の頂面は、筐体の側壁の上縁における下段または凹所8の段板の頂面と整列される。カバー箔6はプレート4上に、かつ凹所8の頂面およびさらに直立縁8aに導入される。カバー箔は接着され、それは周知の通り、湿気および水しぶきに対して非常に優れた密封をもたらすことが明らかになった。筐体の後部では、カバー箔の頂面の縁が、排水および乾燥用開口8bの形成のために、間隔全体にわたって除去される。
【0013】
筐体1の後部の楕円形の穴9には、ワイヤ11のスパウト10が固定され、前記ワイヤは平形雄プラグ12aを具備し、それはプリント2のソケット12bによって受容される。スパウトには、楕円形の穴9の内壁に対して封着するためのリップシール13が付いている。スパウトの端には、穴内に導入し易いようにカラーの端に向かって傾斜した縁を持つカラー14がある。カラー14が穴に導入されると、筐体から離れるようにスパウトを軽く引くことによって、表面14aが筐体の側壁の内面に押し当てられ、このようにしてケーブルの第1の歪み取りが確立される。ケーブルは、筐体のほぼ中央部に、ケーブルの周りに押し込まれた湾曲金属ブシュの形のさらなる歪み取りを有し、それはプラスチックシェルの底部の1組の直立壁15の間に受容され保持される。形状の問題として、ケーブルは図1〜3には図示されず、図4に部分的に示されるだけであることに注意されたい。組立て時に、ケーブルはプリント回路2の下を、これの頂端まで走る。
【0014】
プレート4は2成分プラスチック材料から作られる。プレートは主に剛性プラスチック材料から作られるが、選択された領域は、以下でさらに述べるように、軟質プラスチック材料から作られる。プレートは、筐体内部の突出節部17の介在により、スナップロック脚16で筐体1に固定される。節部はスナップロック脚16用のガイドとして働く2つの帯片に関連して作られ、節部は、スナップロック脚16を導入し易くするために傾斜した頂面を有する。プレートの下面には、より軟質の可撓性プラスチック材料の幾つかの管状脚18がある。これらの脚18は、筐体の底部で1組のリブ19上に緩く配置されたプリント2を支持する。プレートが筐体内の所定の位置に配置されたときに、脚はわずかに変形し、それによってプリント2を保持し、追加的製造公差を吸収する。変形によってこれらの脚18に生じるばね力は、プレートを上方に押し上げようとし、それによりスナップロック16は押圧され、筐体の節部と確実な噛合状態になる。回転ノブ7用の穴9の周囲の縁部領域19もまた軟質弾性プラスチック材料から作られ、回転ノブの外周に対する封着を形成する。キー5は主としてブリックであり、それは軟質可撓性プラスチック材料の3つの帯20により、プレート4の残部に接続される。ブリックの下には、同じく軟質可撓性プラスチック材料から作られたパッド21がある。このパッド21は、接触スイッチ3の起動キー3aがその極端まで押し下げられたときに、キーのアフターマイグレーションを可能にする。これにより快適な操作圧力がもたらされ、キーの損傷を引き起こしかねないキーの粗雑な操作が阻止される。さらに、プレート4は透明な2成分プラスチックから作られるので、キーのバックグラウンド照明付きハンドコントローラのバージョンを希望する場合に、プリント回路3に発光ダイオードを簡単に搭載することができる。プレート4は、カバー箔6の下の光の均等な拡散のために光拡散装置として働く。プレートを単一の物体として一体的に整形することができ、かつ示した機能を備えることができることは、明らかな利点である。
【0015】
ハンドコントローラは、平形雄プラグ12a付きワイヤをスパウト10を介して引き込み、これを筐体1内に固定し、プリント2を載置し、プリント上のソケット12bに平形雄プラグ12aを固定することによって組み立てられる。キー付きプレート4もまた筐体1内のプリントの上に配置され、最後に箔6が装着される。本実施形態では、回転ノブ7をロック機能に同様に装着しなければならない。したがって、ハンドコントローラの組立てはかなり単純であり、2つのシェルの組立てラインは回避される。
【0016】
ハンガをハンドコントローラの片側から案内路に挿入することによって、ハンドコントローラの裏面にハンガ22を取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、上から見たハンドコントローラの正面斜視図である。
【図2】図2は、ハンドコントローラの縦断面図である。
【図3】図3は、ハンドコントローラの横断面図である。
【図4】図4は、ハンドコントローラの分解組立て図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(1)と、
前記筐体内に配置された、複数のスイッチ(3)を持つ電気回路のプリント回路(2)と、
前記スイッチの起動のために前記スイッチの上に配置された複数のキー(5)と、
前記キーの表示付きカバー箔(6)と、を備えた、電気的に調整可能な病院用および介護用ベッドのための電気ハンドコントローラにおいて、
前記筐体(1)が、底部と上縁のある包囲側壁とを持つ、単一の桶形シェルとして作成されること、
前記プリント回路(6)が前記シェル内に保持されること、
プレートの頂面が前記シェルの前記側壁の前記上縁と同じ高さまたは本質的に同じ高さになるように、前記プリント回路(2)上に装着されかつ前記シェル内に固定される前記プレート(4)に前記キー(5)が構築されること、および
前記カバー箔(6)が前記シェルの前記側壁の前記上縁に装着されること、を特徴とするハンドコントローラ。
【請求項2】
前記シェルの前記側壁の前記上縁が下段(8)を有し、その上に前記カバー箔(6)が装着されることを特徴とする請求項1に記載のハンドコントローラ。
【請求項3】
前記シェルの前記側壁の間隔部(8b)が、好ましくは前記ハンドコントローラの1端で、前記カバー箔(6)の頂面と同じ高さになることを特徴とする請求項2に記載のハンドコントローラ。
【請求項4】
前記キー(5)付き前記プレート(4)および前記筐体(1)が、前記プレートを前記筐体に固定するための相互作用スナップロック接続(16、17)を有することを特徴とする請求項1に記載のハンドコントローラ。
【請求項5】
前記キー(5)付き前記プレート(4)が2成分プラスチック材料から作られ、前記キーが硬質プラスチック材料のブリック状に形成されて、弾性プラスチック材料の帯(20)を持つ前記プレートの残部に接続されること、および前記プレートの前記残部が前記キーと同じ材料から作られることを特徴とする請求項1に記載のハンドコントローラ。
【請求項6】
前記スイッチ(3)をロックするための回転ノブ(7)を具備し、前記回転ノブが前記カバー箔の開口(19)を介して導入されること、および前記プレート(4)の前記開口に接する前記縁部(19a)も、前記回転ノブ(7)に対し封止を形成するように、弾性プラスチック材料から作られることを特徴とする請求項1に記載のハンドコントローラ。
【請求項7】
前記プレート(4)が、前記プリント回路を保持するために、足と共に前記プリント回路(2)の頂面に載置する脚(18)を有し、かつ少なくとも前記足が弾性プラスチック材料から作られることを特徴とする請求項1または4に記載のハンドコントローラ。
【請求項8】
前記プレート(4)が透明なプラスチック材料製であることを特徴とする請求項1に記載のハンドコントローラ。
【請求項9】
ケーブル(11)が前記筐体(1)の穴(10)を通して引き込まれ、前記プリントに接続されることを特徴とする請求項1に記載のハンドコントローラ。
【請求項10】
前記ケーブル(11)がプラグ(12a、12b)により前記プリントに固定されることを特徴とする請求項9に記載のハンドコントローラ。
【請求項11】
穴(10)が前記プラグ(12a)付きケーブルを導入するために楕円形の断面を有することを特徴とする請求項10に記載のハンドコントローラ。
【請求項12】
前記ケーブルが前記穴(10)の内面に押し当てるためのシール(13)付きのスパウト(10)を具備すること、および歪み取りとしての前記スパウトが、前記筐体の前記側壁の前記内面に押し当てるためのカラー(14)をさらに有することを特徴とする請求項9に記載のハンドコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−514621(P2009−514621A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539249(P2008−539249)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000618
【国際公開番号】WO2007/054093
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(594167956)リナック エー/エス (27)
【Fターム(参考)】