特大の高速充填開口を有するスプレーガン貯蔵器
スプレーガン貯蔵器は、一端に特大の中央開口130を有し、それにより、液体を、こぼれる危険性を低減して高速充填するように貯蔵器に追加することができる。貯蔵器にはキャップ部材132が接続可能であり、それは、スプレーガンに接続するための、開口130に対してサイズが小さい流体出口を提供する注ぎ口115を有する。貯蔵器に液体を追加することが望まれると、貯蔵器をキャップ部材132から脱着することができる。このように、使用時に貯蔵器を充填することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーガン等の噴霧装置で使用する液体供給アセンブリにおけるまたはそれに関連する改良に関する。より詳細には、本発明は、噴霧される液体を収容する貯蔵器がスプレーガンに取り付けられる液体供給アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
スプレーガンは、種々の業界で基板に液体を噴霧するために広く使用されている。既知のスプレーガンでは、液体はガンに取り付けられた貯蔵器に収容され、そこからスプレーノズルに供給される。液体は、スプレーノズルから出てくると、ノズルに供給される圧縮空気により霧化され噴霧を形成する。液体は、重力供給または吸引供給される場合があり、あるいは、より最近では、圧縮空気ラインから貯蔵器にまたはさらにはスプレーガン自体から抽気ラインによって加圧供給される場合がある。
【0003】
スプレーガンの一般的な適用は、車体修理店において、事故の後に修理された車両に再吹付けする場合である。典型的な塗装仕上げでは、下塗剤、ベースコート、トップコートおよびクリアラッカーを塗布する必要のある場合がある。従来、貯蔵器は剛性ポットであり、スプレーガンおよびポットにおける相補的なねじ山を係合することによりスプレーガンに脱着可能に取り付けられる。噴霧される液体を変更する場合、仕上げに悪影響を与える可能性のある二次汚染を回避するために、スプレーガンおよびポットを徹底的に清掃しなければならない。これは、特に、色を隣接する車体の既存の色に正確に一致させるように車両の一部に噴霧する場合に重要である。スプレーガンおよびポットの清掃は時間がかかり、しばしば、費用がかかり作業者に対し健康上危険である可能性がある溶剤を使用する必要がある。
【0004】
本出願人は先に、国際公開第98/32539号パンフレットにおいて、液体が使い捨ての蓋/ライナアセンブリに収容される貯蔵器を提案した。ライナは、外側剛性ポットの内部に密接嵌合する上部開口容器の形態であり、蓋は、ポットの上にねじ込まれるカラーによりライナの開口端の上に固定される。貯蔵器は、蓋に一体化し使用時に液体が貯蔵器から引き出される時に通る注ぎ口により、スプレーガンに離脱可能に接続される。
【0005】
このように、噴霧後、貯蔵器をスプレーガンから脱着し、カラーを離脱し、蓋/ライナアセンブリを外側ポットから取り外して捨てることができる。そして、外側ポットおよびカラーを、スプレーガンに異なる液体を供給するための新たな清潔なライナおよび蓋とともに再使用することができる。その結果、必要な清掃の量が大幅に低減され、スプレーンガンを、簡単な方法で異なる液体を塗布するように容易に適合させることができる。
【0006】
スプレーガンの適用によっては、貯蔵器が保持することができる量より多くの液体の量が必要とされる場合がある。たとえば、広い面積に塗装するか、もしくは、下塗剤またはラッカー仕上げを使用する場合等、同じかまたは異なる車両に同じ液体のいくつかのコートを塗布する場合である。この場合、貯蔵器をガンから脱着し、カラーを離脱し、蓋を取り外して液体をライナに追加することができるようにすることができる。そして、貯蔵器を再度組み立ててスプレーガンに再度取り付ける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
貯蔵器の分解および再組立ては、時間がかかり、また、それにより、特に蓋をライナから取り外す場合に液体がこぼれることになる可能性がある。また、蓋を取り外してライナにさらなる液体を追加することにより、他の汚染源、たとえば塵または汚物により汚染される危険性が増大する。
【0008】
分解しないようにするために蓋の注ぎ口を通して貯蔵器に液体を追加するという別法は、注ぎ口がスプレーガンへの接続に適合する小型のサイズであって注ぎ口を通して液体を貯蔵器内に自由に注ぐことができないため、時間がかかる。また、使用時に貯蔵器から引き出される液体に含まれる任意の望ましくない固体粒子を除去するために、注ぎ口にフィルタが含まれる場合があり、または蓋において注ぎ口の内端を横切ってフィルタが配置される場合がある。フィルタに接触するためには、貯蔵器を分解する必要があり、かかるフィルタが存在することにより、注ぎ口を通して貯蔵器に液体を追加するのにさらに時間がかかる。
【0009】
さらに、液体が固体粒子を含む場合、これらは、フィルタの裏側に捕捉されることになる。その結果、貯蔵器をスプレーガンに再度取り付ける時、粒子が、貯蔵器から引き出される液体とともに拾い上げられスプレーガンまで進む可能性がある。これにより、スプレーガン内に閉塞がもたらされる可能性がある。あるいはまたはさらに、粒子は、噴霧されている面に液体とともに塗布される可能性があり、その結果その面を再噴霧しなければならなくなる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、本出願人による既存のシステムをさらに改良し、ユーザに対しさらなる利益および利点を提供することが意図されている。
【0011】
より詳細には、本発明の少なくとも1つの実施形態は、液体を簡単な方法で追加することができるようにする、スプレーガンで使用される液体供給アセンブリを提供する。
【0012】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、空でまたは液体を事前に充填して提供することができる、スプレーガンで使用される液体供給アセンブリを提供する。
【0013】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、必要な清掃の量を低減するために使用後に捨てることができる、スプレーガンで使用される液体供給アセンブリを提供する。
【0014】
本発明の他の利益および利点については、本明細書において後に言及する。
【0015】
第1態様によれば、本発明は、噴霧される液体の貯蔵器を備えるスプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、貯蔵器が、第1端と、第1端から間隔が空けられた第2端と、第1端における端壁と、端壁から第2端まで延在する側壁と、端壁における側壁の内方への開口と、貯蔵器の開口周囲に離脱可能に固定されるキャップ部材と、を有し、キャップ部材が、開口を通して貯蔵器と連通する流体出口を提供する注ぎ口を有し、注ぎ口が、貯蔵器をスプレーガンの流体入口に接続するためにスプレーガンに接続可能であり、貯蔵器が、開口を通して流体を貯蔵器に追加するためにキャップ部材から脱着されることが可能である、液体供給アセンブリを提供する。
【0016】
本明細書で使用する「液体」という用語は、材料の特性および/または意図された用途に応じて霧化されたまたは霧化されていない形態で塗布することができる、塗料、下塗剤、ベースコート、ラッカー、ニスおよび類似の塗料状材料と、接着剤、シーラ、充填剤、パテ、粉末コーティング、黒色火薬、研磨用スラリー、離型剤および鋳物用仕上げ剤等の他の材料と、を含む(限定しない)、スプレーガンを使用してある面に塗布することができるすべての形態の流動性材料(その面を着色するように意図されているか否かに係らず)をいい、「液体」という用語はそれに従って解釈されるべきである。
【0017】
本発明によって、貯蔵器に離脱可能に固定される別個のキャップ部材の注ぎ口により、貯蔵器の流体出口が提供される。その結果、貯蔵器の開口を、流体出口に対して特大にすることができ、貯蔵器を、分解することなく開口を通して貯蔵器に液体を追加するために、キャップ部材から脱着することができる。このように、液体を簡単な方法で貯蔵器に追加することができ、それにより、液体がこぼれる危険性および/または液体の汚染の危険性を低減することができる。
【0018】
これは、貯蔵器の容量が、特定の用途に必要な液体の容量を下回る場合に特に有益である。たとえば、広い面積に噴霧する場合、ユーザは、貯蔵器をキャップ部材から脱着して貯蔵器に追加の液体を補給し、貯蔵器をキャップ部材に再度取り付けることができる。
【0019】
それはまた、噴霧されている液体を希釈したい場合にも有益である。たとえば、ラッカー等の仕上げクリアコートを塗布している場合、ユーザは、貯蔵器をキャップ部材から脱着して貯蔵器に溶剤を追加することにより、「ぼかしまたは混合」のためのクリアコートの粘度を低減し、貯蔵器をキャップ部材に再度取り付けることができる。
【0020】
貯蔵器は、液体が引き出されると崩壊可能であってもよい。たとえば、貯蔵器を軸方向に第2端から第1端に向かって崩壊させるように変形させることができるように、側壁が端壁に比較して可撓性であってもよい。端壁は、側壁に対して比較的剛性であることにより、安定性を提供し、貯蔵器をキャップ部材に取り付けキャップ部材から脱着する時にユーザが貯蔵器を崩壊させることなく握持することができるようにすることが好ましい。好ましい構成では、貯蔵器の第2端に比較的剛性な基部を設けることにより、端壁の開口を通して液体を追加するために貯蔵器を逆転させて基部で起立させることができる。
【0021】
貯蔵器を一体的に形成してもよい。たとえば、貯蔵器は、ブロー成形品等の成形品であってもよい。或いは、基部と側壁とを一体的に形成し、端壁を、側壁に固定される別個の部分として形成してもよい。たとえば、基部および側壁は、上部開口容器を形成してもよく、側壁は、容器の蓋を形成してもよい。蓋を、容器に永久的に固定してもよい。たとえば、蓋を、容器に溶接しまたは接着接合してもよい。或いは、蓋を、容器に離脱可能に固定してもよい。たとえば、蓋を、容器にクランプしてもよい。
【0022】
キャップ部材を、貯蔵器にねじ嵌合してもよい。或いは、キャップ部材を、他の任意の適当な手段、たとえばスナップ嵌合により貯蔵器に離脱可能に固定してもよい。好ましい構成では、キャップ部材は、貯蔵器の開口の境界を画する雄ねじスピゴットを受容する雌ねじを有するソケットを画定する基部を備え、注ぎ口は、貯蔵器から離れる方向にソケットの基部から延在する。
【0023】
注ぎ口は、スプレーガン入口に接続するために、貯蔵器の端壁における開口に対してサイズが小さい。たとえば、注ぎ口の直径は、貯蔵器の端壁の開口の直径の半分未満であってもよく、開口の直径の1/3未満であることがより好ましく、開口の直径の1/4未満であることがより好ましい。一実施形態では、開口の直径は50〜60mmであり、好ましくは53mm(約2インチ)であり、注ぎ口の直径は10〜15mm(約1/2インチ)である。
【0024】
開口は、端壁の中央に配置されることが好ましい。このように、開口のサイズを、貯蔵器を高速に充填するために最大化することができる。スプレーガンに接続された時に貯蔵器がスプレーガンの中央長手方向軸線に位置合せされるように、キャップ部材の注ぎ口が開口と同軸であることが有利である。その結果、スプレーガンの平衡、取扱いが、貯蔵器とその中の液体との重量によって悪影響を受けない。
【0025】
キャップ部材が、噴霧装置に離脱可能に接続されるように適合されることが有利である。たとえば、キャップ部材と噴霧装置とに、協働する差込型の構造を設けてもよい。このように、ユーザによる必要な労力または手の器用さが最小限である簡単な動作で、貯蔵器を取り付けるか否かに係らず、キャップ部材を噴霧装置に接続し噴霧装置から離脱することができる。
【0026】
スプレーガンに、注ぎ口を受容するソケットを設け、差込型構造がソケットにおいて注ぎ口を保持するように係合可能であることが好ましい。ソケットは、スプレーガンの一体部分であってもよく、またはスプレーガンに固定される別個の部品であってもよい。たとえば、ソケットを、スプレーガンに固定される入口アダプタによって形成してもよい。
【0027】
一構成では、差込型構造は、ソケット内で係合可能である。たとえば、注ぎ口の自由端に、ソケットの差込溝に受容される対向する差込ラグを設けてもよい。別の構成では、差込型構造は、ソケットの外部で係合可能である。たとえば、ソケットは、注ぎ口の両側においてキャップ部材の基部から延在する一対のフック部材と協働可能な外部フランジを有してもよい。
【0028】
差込構成は、スプレーガンに対してキャップ部材を完全に1回転させることなく係合可能/解除可能であり、キャップ部材と貯蔵器との間の離脱可能な接続は、キャップ部材をスプレーガンに接続し/スプレーガンから分離する時に貯蔵器がキャップ部材から分離しないように構成されることが好ましい。たとえば、キャップ部材が貯蔵器にねじ嵌合する場合、ねじ山は、貯蔵器をキャップ部材に固定し/キャップ部材から離脱するために、貯蔵器をキャップ部材に対して完全な1回を超える回転を必要とする場合がある。或いはまたはさらに、キャップ部材および貯蔵器のねじ山を逆転させることにより、キャップ部材をスプレーガンに接続するために使用する方向とは反対の方向にねじって外すことにより、キャップ部材を貯蔵器から離脱してもよい。
【0029】
キャップ部材は、貯蔵器から引き出される液体に含まれる任意の望ましくない固体粒子を除去するフィルタを有してもよい。たとえば、フィルタを、注ぎ口に設けてもよい。或いは、フィルタを、ソケットの基部に着座させることにより、開口を横切って注ぎ口に延在させてもよい。このように、任意の固体粒子を除去するために濾過することなく、開口を通して液体を貯蔵器に追加することができる。さらに、使用時にフィルタが閉塞した場合、キャップ部材を交換することができる。
【0030】
或いは、貯蔵器に追加される液体を、任意の固体粒子を除去するように濾過してもよく、それにより、使用時に貯蔵器から引き出される液体の濾過が不要になる。このように、キャップのフィルタを省略してもよい。
【0031】
貯蔵器を、ユーザが液体で充填し貯蔵器をスプレーガンに接続するためにキャップ部材を取り付けるように空で提供してもよい。貯蔵器は、崩壊可能である場合、貯蔵および輸送のために小型形態まで崩壊してもよい。
【0032】
或いは、貯蔵器を、液体で事前に充填して提供してもよく、液体を使用することが望まれるまで開口を密封してもよい。たとえば、開口を、取外し可能なクロージャまたはキャップ部材が貯蔵器に取り付けられると破壊する破断可能な膜を使用して密封してもよい。別の構成では、液体を使用することが望まれるまで、キャップ部材を、開口を密封するように適合させてもよい。たとえば、キャップ部材のソケットの基部に、注ぎ口を閉鎖する取外し可能なシールを設けてもよい。或いは、注ぎ口の端部を横切って、注ぎ口がスプレーガンに取り付けられると破壊する破断可能な膜を設けてもよい。
【0033】
必要になるまで劣化することなくパッケージ化し貯蔵することができる液体に対し、事前充填を採用してもよい。このため、事前充填は、すぐに使用できるように(すなわち、色を既存の色に一致させるように変更する必要なく)提供することができる液体に対して特に有用であり得る。たとえば、非活性化形態で供給し必要な場合に光(紫外線)源または電気エネルギー源への露出による等適当な手段によって活性化する(必要な場合)ことができる、指定された色合いの標準色のベースコートおよび/または下塗剤またはラッカーである。いずれの構成を採用する場合であっても、使用時に、貯蔵器をキャップ部材から脱着し、開口を通して液体を追加し、貯蔵器をキャップ部材に再び取り付けることにより、貯蔵器を再充填することができる。
【0034】
第2態様によれば、本発明は、噴霧される液体の貯蔵器を備えるスプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、貯蔵器が、第1端と、第1端から間隔が空けられた第2端と、第1端における端壁と、端壁から第2端まで延在する側壁と、端壁における側壁の内方への開口と、基部および注ぎ口を有するキャップ部材と、を有し、キャップ部材が、基部と開口周囲の端壁とにおける相補的なねじ山の係合によって貯蔵器に離脱可能に固定され、注ぎ口が、貯蔵器から離れる方向に基部から延在し、注ぎ口が、開口に対して断面が小さい流体出口を提供し、貯蔵器をスプレーガンに接続するためにスプレーガンの流体入口に接続可能であり、貯蔵器が、開口を通して流体を貯蔵器に追加するためにキャップ部材から脱着されることが可能である、液体供給アセンブリを提供する。
【0035】
使用時に液体が引き出されると貯蔵器は崩壊可能であることが好ましい。たとえば、端壁が、側壁に対して比較的剛性であってもよい。このように、端壁は、安定性を提供し、貯蔵器をキャップ部材に取り付けキャップ部材から脱着する時に、貯蔵器を崩壊させることなく握持することができるようにし、使用時に貯蔵器から液体が引き出される際に、側壁は軸方向に端壁に向かって崩壊可能である。
【0036】
一構成では、キャップ部材は、端壁の開口の周囲に延在するスピゴットの雄ねじに係合可能な雌ねじが設けられたソケットを有する。別の構成では、開口の周縁は、キャップ部材の雄ねじに係合可能な雌ねじを有する。
【0037】
本発明のさらなる態様によれば、液体をスプレーガン等に供給する貯蔵器と、貯蔵器をスプレーガンに接続するキャップ部材と、の組合せが提供され、貯蔵器は、第1端と、第1端から間隔が空けられた第2端と、第1端における端壁と、端壁から第2端まで延在する側壁と、端壁における側壁の内方への高速充填開口であって、それを通して液体を貯蔵器に追加することができ、使用時に貯蔵器がスプレーガンに接続された場合に流量要件に対して特大である開口と、基部および注ぎ口を有するキャップ部材と、を有し、キャップ部材は、基部と開口周囲の端壁とにおける相補的な構造の係合によって貯蔵器に離脱可能に固定され、注ぎ口は、貯蔵器から離れる方向に基部から延在し、注ぎ口は、開口に対して断面が低減した流体出口を提供し、貯蔵器をスプレーガンに接続するためにスプレーガンの流体入口に接続可能であり、貯蔵器は、開口を通して流体を貯蔵器に追加するためにキャップ部材から脱着されることが可能である。
【0038】
貯蔵器に、特大の高速充填開口を設けることにより、貯蔵器への液体の追加が、こぼれる危険性を低減する簡単な方法で容易になる。
【0039】
ここで、本発明を、添付図面を参照して単に例としてより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図面の図1は、参照により開示内容が本明細書に援用されたものとする、国際公開第98/32539号パンフレットとして公開された本出願人による同時係属中の特許出願に開示された、従来技術による重力供給タイプのスプレーガン1を示す。
【0041】
ガン1は、本体2と、本体の後端から下方に延在するハンドル3と、本体の前端にあるスプレーノズル4と、を備える。ガン1は、ガンの両側に枢着される引金5によって手動で操作される。
【0042】
ガンによって放出される塗料(または同様の材料)を収容する塗料ポット6は、本体2の上部に配置され、ガンを通ってノズル4まで延在する内部通路(不可視)と連通する。
【0043】
使用時、ガン1を、ハンドル3の下端においてコネクタ7を介して圧縮空気源(図示せず)に接続し、ユーザが引金5を引くと圧縮空気がガンを通してノズル4まで供給されるようにする。その結果、重力下でポット6からノズル4まで供給された塗料が、ノズル4を離れる時に霧化され、ノズル4から出る圧縮空気とともに噴霧を形成する。
【0044】
ここで図面の図面の図2〜図4を参照すると、塗料ポット6は、外側容器8と、使い捨てライナ9と、使い捨て蓋10と、カラー11と、を有する。ライナ9は、形状が容器8の内側に対応し(かつ密接嵌合し)、開口端において容器8の上縁に位置する幅の狭いリム12を有する。
【0045】
蓋10は、周縁において、ライナ9の開口端に押込嵌合する、垂下するスカート13と、中央開口14と、を有し、その中央開口14から、流体出口を形成する注ぎ口15が延在する。注ぎ口15の自由端には、差込接続の一方の部分を形成する外側への拡張部16が設けられている。開口14は、注ぎ口15の内端において、スカート13に押込嵌合してもよくまたは蓋10の一体部分であってもよいフィルタメッシュ17によって覆われる。或いは、フィルタは、注ぎ口15において押込嵌合してもよい。
【0046】
蓋10は、蓋10の上部において容器8上にねじ込まれる環状カラー11により、容器8上の適所に堅固に保持される。組み立てられた状態では、ライナ9と蓋10とは、注ぎ口15を介してノズル4に供給される塗料または他の液体を収容する貯蔵器を形成する。
【0047】
塗料ポット6は、図6および図7において塗料ポット6から分離して示すアダプタ18を使用することによりスプレーガン1に取り付けられる。アダプタ18は、管状部品であり、一端において内部に、蓋10の注ぎ口15に取り付けるための差込接続の他方の部分を有するソケット19を備えるように形成される。他端20において、アダプタ18は、スプレーガン塗料ポットの標準取付具(通常、ねじ山)に適合するような形状を有する。
【0048】
塗料ポット6の容器8は、プラスチック材料、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンから形成され、半透明(図2に示すように)または不透明であってもよく、任意の適当なサイズであってもよい。塗料スプレーガンで使用する場合、通常、容量が250、500または800mlである容器8を使用する可能性があるが、必要な場合は他のサイズを使用してもよい。
【0049】
本実施形態では、容器8は、一端8Aにおいて閉鎖された略円柱形状である。他端は開放しており、側壁8Bは、雄ねじ8Cを有するように形成される。基部8Aは、容器8が平坦面上に支持なしで起立することができるように平坦であり、中央通気孔8Dを有するように形成される。内部において、側壁8Bは、開口端から基部8Aに向かって内方にわずかにテーパにされている。
【0050】
ライナ9は、透明であることが好ましく、プラスチック材料、好ましくはポリエチレンまたはポリプロピレンの単一部分から熱成形される。ライナ9の形状は、容器8の内部形状によって決まり、かつそれに一致する。ライナ9は、容器8の内側のように一端9Aにおいて閉鎖した略円柱形状であり、側壁9Bは口から閉鎖端9Aに向かって内方にわずかにテーパにされている。
【0051】
基部または閉鎖端9Aは、比較的剛性であるが、側壁9Bは可撓性であり、崩壊することができる。それにも係らず、ライナ9は、図2〜図4に示すように側壁9Bが伸張し直立して、基部9Aで支持なしに起立することができる。
【0052】
ライナ9が崩壊する時、図5に示すように、比較的剛性な基部9Aはその形状を保持するが、側壁9Bの崩壊の結果、リム部12に向かって移動する。側壁9Bは、プラスチックバッグと同様に破断する(たとえば、割れる、裂けるまたはひび割れることにより)ことなく崩壊する。
【0053】
蓋10もまた、プラスチック材料、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンから形成され、射出成形工程によって形成されてもよい。蓋10は、半透明または不透明であってもよく、着色されていてもよい。カラー11は、成形プラスチック部品であってもよく、または機械加工された金属(たとえばアルミニウム)部品であってもよい。アダプタ18は、金属またはプラスチック要素であってもよく、たとえば、アルミニウムから形成され陽極酸化またはメッキされてもよい。
【0054】
塗料ポット6を使用するために、アダプタ18をスプレーガンの端部20に取り付け、適所に配置しておく。そして、図2に示すように塗料ポット6を分解して、ライナ9を容器8内部に押し込む。そして、塗料をライナ9内に入れ、必要な場合は他のぼかし剤、硬化剤および希釈剤(溶剤)と混合させる。そして、蓋10を適所に押し込み、カラー11を下方に堅固にねじ込むことにより蓋10を適所に保持する。
【0055】
そして、図4に示すように、ライナ9の上部を、蓋10のスカート13と容器8の側壁8Bとの間で捕捉し、ライナ9のリム12を、容器8の上縁とカラー11との間で捕捉する。
【0056】
そして、スプレーガン1を図1に示すその通常の動作位置から逆転させることにより、注ぎ口15の端部をアダプタ18に取り付けることができるようにし、その後、スプレーガン1を、通常のように使用するためのその通常の動作位置まで戻すことができる。
【0057】
ライナ9内から塗料が取り除かれるに従い、ライナ9の側壁9Bは、ライナ9内の圧力が低減する結果として崩壊する。より剛性であるライナ9の基部9Aはその形状を保持し、そのためライナ9は、横方向ではなく長手方向において崩壊する傾向があり、それにより、塗料のポケットがライナ9に捕捉される可能性が低減する。
【0058】
ユーザは、スプレーガン1を操作する前にライナ9内から空気を抜くように選択してもよいが、それは必須ではない。しかしながら、それにより、塗料ポット6からスプレーガン1に空気が入る危険性がないため、スプレーガン1が十分に機能する角度の範囲が増大する。ライナ9内から空気を抜くために、スプレーガン1がまだ逆さになった位置にある間に、スプレーガン1の引金5を作動させなければならない。
【0059】
使用後、スプレーガン1を清掃する場合、スプレーガン1を図1に示すその動作位置から逆転させ、送気管を分離し、引金5を短く作動させてスプレーガン1内の塗料がポット6のライナ9内に再び排出されるようにすることができる。そして、スプレーガン1上に残っているアダプタ18から注ぎ口15を脱着することにより、ポット6をスプレーガン1から取り外す。
【0060】
カラー11を容器8から取り外し、その後、図5に示すように、崩壊したライナ9とともに蓋10を引き出す。蓋10(フィルタ17を含む)とライナ9とを破棄し、容器8およびカラー11を清浄にしておき、かつ新たなライナ9および蓋10を用いてすぐに再使用できるようにしておく。清掃するのはスプレーガン1自体のみであればよいため、使用される溶剤の量が実質的に低減する結果となる。
【0061】
蓋10を適所に配置してライナ9を幾分か崩壊した状態で取り外し破棄するため、未使用の塗料がポット6からこぼれる危険性もまた実質的に低減する。さらに、ライナ9を崩壊した状態で破棄するため、使用済みライナ9の収集に必要な空間の量が最小化する。
【0062】
上述した説明から明らかとなるように、噴霧される塗料または他の液体を収容する貯蔵器を形成する使い捨てライナ9および蓋10の構成により、噴霧される液体を変更する場合、または作業日の最後にスプレーガン1を片付ける場合に必要な清掃の量が大幅に低減する。
【0063】
しかしながら、塗装される領域が、貯蔵器が保持することができる容量より大きい容量の塗料を必要とする場合があり得る。これらの環境では、ユーザは、スプレーガン1からポット6を取り外し、カラー11を離脱し、貯蔵器に補給することができるように蓋10を取り外さなければならない。そして、蓋10をライナ9の開口端に再び配置し、カラー11を再び取り付け、ユーザが噴霧し続けることができるようにポット6をスプレーガン1に再度取り付けなければならない。これには時間がかかり、蓋10を取り外した時に塗料がこぼれかつ/または汚染される危険性がある。
【0064】
ユーザによっては、注ぎ口15を通して貯蔵器を最充填しようとする場合があるが、注ぎ口15のサイズが小さくフィルタ17があるため、こぼれる危険性が増大するとともにさらに時間がかかる。また、注ぎ口15を通して最充填する時にフィルタ17によって捕捉された任意の固体粒子が、貯蔵器をスプレーガン1に再度取り付ける時にフィルタ17の裏側にある。その結果、これらの粒子が、スプレーガンに供給される液体に混入し、これにより、スプレーガン内における閉塞がもたらされ、または粒子で汚染された任意の表面仕上げのやり直しが必要となる可能性がある。
【0065】
これらの問題を回避するために、ユーザによっては、広い面積に噴霧する場合に、スプレーガンに取り付けることができる2つ以上の貯蔵器に同じ液体を充填する。これにより、ユーザは、貯蔵器を取り換えて同じ液体で噴霧し続けることができる。しかしながら、いくつかの貯蔵器を充填し組み立てるには時間がかかり、作業コストが加算される。このため、各貯蔵器は、噴霧後に破棄される使い捨てライナおよび蓋を有し、同じ液体のためのいくつかの貯蔵器を使用することは、かかる使い捨て品を無駄にし、ユーザが貯蔵器を組み立てるために十分な数のポットおよびカラーを入手できることを必要とする。
【0066】
ここで図面の図8〜図12を参照すると、ユーザが貯蔵器を分解することなく貯蔵器に塗料を追加することができるようにする、本発明の第1実施形態が示されている。便宜上、100番代の同様の参照数字を通して使用することにより図1〜図7に対応する部分を示し、類似する部分の構成および動作は、上記説明から理解されるため、それ以上詳細には説明しない。
【0067】
図示するように、塗料ポット106は、先の実施形態と同様に組み立てられる、外部容器108と、使い捨てライナ109と、使い捨て蓋110と、カラー111と、を有する。本発明によれば、蓋110は、外部管状スピゴット131によって境界が画される中央開口130を有し、ポット106をスプレーガン(図示せず)に接続するために、別個のキャップ部材132が提供される。開口130を中央に配置することにより、所与の利用可能な空間に対し、開口130のサイズを最大化することができる。
【0068】
キャップ部材132は、キャップ部材132を蓋110に流体密封して離脱可能に固定するように、スピゴット131上の相補的な雄ねじ136と係合可能な雌ねじ135を備えたソケット134を有する基部133を備える。必要な場合は漏れを防止するために追加の密封手段を設けてもよい、ということが理解されよう。たとえば、スピゴット131の外端は、キャップ部材132内に配置されるOリング(図示せず)と係合してもよい。
【0069】
キャップ部材132はまた、基部133から延在し、スプレーガンに離脱可能に固定される入口アダプタ(図示せず)を介してスプレーガン101の流体入口に接続される流体出口を提供する、注ぎ口115も有する。本実施形態では、注ぎ口115の差込構造116を入口アダプタの相補的な差込構造(図示せず)と係合させることにより、キャップ部材132を入口アダプタに離脱可能に固定する。
【0070】
差込構造では、貯蔵器を固定/離脱するために、入口アダプタに対してキャップ部材132を完全に1回転させる必要はないが、キャップ部材132およびスピゴット131のねじ山では、貯蔵器を接続/分離するために、貯蔵器に対しキャップ部材132を完全に1回を超えて回転させる必要がある。このように、キャップ部材132をスプレーガンに取り付け/スプレーガンから脱着する場合に、キャップ部材132から貯蔵器が偶発的にまたは無意図的に離脱しなくなる。
【0071】
図10および図12から分かるように、注ぎ口115の内径は、貯蔵器の蓋110の中央開口130の直径より大幅に小さい。たとえば、本実施形態では、注ぎ口115の内径は10〜15mm(およそ1/2インチ)であり、中央開口130の内径は53mm(およそ2インチ)である。スプレーガンに接続された時に貯蔵器がスプレーガンの中央長手方向軸線に位置合せされるように、注ぎ口115は中央開口130と同軸である。その結果、貯蔵器とその中の液体とは均一に分散され、そのためスプレーガンの平衡、取扱いが悪影響を受けない。
【0072】
開口130は、貯蔵器がスプレーガンに接続された時、必要な流量に対して特大であり、ポット106がキャップ部材132から分離されると、開口130を通して追加される液体により貯蔵器を高速充填することができるようにする。その結果、使用時に貯蔵器を補給することが望まれる場合、スピゴット131とキャップ部材132との間の接続をねじって外すことにより、ポット106をキャップ部材132から脱着して開口130に接触できるようにすることができる。そして、開口130を通して貯蔵器に液体を追加し、ポット106を、スプレーガン101のキャップ部材132に再度接続することができる。
【0073】
このように、液体を特大の中央開口130を通して貯蔵器に注ぐことにより、貯蔵器の高速充填が可能である。このように、貯蔵器への液体の追加を、ポット106を分解することなく、かつ液体がこぼれるかまたは汚染される危険性を低減して、比較的容易に行うことができる。理解されるように、使用時に貯蔵器を補給する場合か、または噴霧を開始する前に貯蔵器を最初に充填する場合に、中央開口130を使用して液体を貯蔵器に追加してもよい。
【0074】
また、開口130により、蓋110をライナ109に固定するようにポット106が組み立てられた後に、貯蔵器の中身を攪拌する工具を挿入することができ、それにより貯蔵器内で混合を行うことができるようにもなり得る。このように、こぼれる危険性がさらに低減する。
【0075】
液体内の固体粒子等、任意の汚染物質を除去するために、キャップ部材132にフィルタ(図示せず)を設けてもよい。たとえば、蓋110がキャップ部材132に接続された時に、フィルタを、注ぎ口115の内端を横切って延在するように注ぎ口115にまたはソケット134に配置してもよい。このように、使用時にフィルタが閉塞した場合、キャップ部材132を交換してもよい。
【0076】
或いは、液体を貯蔵器に追加する場合に、中央開口130に取外し可能なフィルタ(図示せず)を配置してもよい。フィルタは任意のタイプであってもよく、貯蔵器への液体の追加がそれほど著しく低減しないように広い表面積を有することが好ましい。このように、キャップ部材132にフィルタを設けることを不要にすることができ、それにより、使用時にフィルタが閉塞するために液体のスプレーガンへの流れにおける妨害または低減の危険性が低減する。
【0077】
ここで図13を参照すると、本発明の第2実施形態が示されており、そこでは、200番代の同様の参照数字を使用することにより先の実施形態に対応する部分を示し、類似する部分の構成および動作は、上述した説明から理解されるため、それ以上詳細には説明しない。
【0078】
本第2実施形態では、ライナ209と蓋210とは、互いに永久的に接合されている。たとえば、ライナ209と蓋210とを、ブロー成形により一体的に形成してもよい。或いは、ライナ209と蓋210とを、成形により別個に形成し、溶接、接着またはそれらの間の永久的な接合を形成する他の適当な手段により互いに接続してもよい。
【0079】
ライナ209と蓋210とを永久的に接合することによって形成される貯蔵器を、先の実施形態の外部容器およびカラーなしに使用してもよい。或いは、ライナ209を保護し、液体を貯蔵器に追加する場合の、かつ貯蔵器がスプレーガン(図示せず)に接続された時の使用時の安定性を向上させるために、ライナ209のための何らかの形態の外部支持体を設けてもよい。支持体(図示せず)は、上述したように、外部容器とカラーとを備えてもよく、或いは、蓋210を、支持体スリーブまたはケージを、ライナ209を包囲するように離脱可能に固定してもよい外部フランジ(図示せず)または同様の構造有するように形成してもよい。
【0080】
貯蔵器を、ユーザが貯蔵器をスプレーガンに接続する前に蓋210の中央開口230を通して充填するように、空で提供してもよい。或いは、貯蔵器を液体で事前に充填して提供してもよく、蓋210の中央開口230を、ねじキャップ238またはホイルストリップ等の破断可能な膜等の取外し可能なクロージャにより密封してもよい。破断可能な膜が設けられる場合、それを、キャップ部材232が貯蔵器に取り付けられた時に破壊してもよい。
【0081】
事前充填は、劣化することなく貯蔵することができる液体に対し、かつ/または下塗剤塗料またはオーバーコートラッカー等の正確な色の一致を必要としない液体に対し、有利であり得る。また、蓋210の開口230をねじキャップ238(設けられる場合)または他の任意の適当なクロージャで再度密封することにより、スプレーガンから貯蔵器を取り外す際に任意の未使用の液体を一時的に貯蔵することを可能としてもよい。これにより、貯蔵器をスプレーガンに再度取り付けることにより、液体を後に使用することが可能となり得、これは、最初に使用した後の比較的短期間内に硬化しない液体に対して有益である可能性がある。ねじキャップ238を取り付ける前に、任意の空気を除去するために貯蔵器を崩壊させてもよい。このように、貯蔵される液体の使用期間を延長することができる。
【0082】
ここで図14および図15を参照すると、本発明の貯蔵器で使用する代替キャップ部材と入口アダプタとが示されている。便宜上、300番代の同様の参照数字を使用することにより先の実施形態に対応する部分を示し、類似する部分の構成および動作は、上述した説明から理解されるため、それ以上詳細には説明しない。
【0083】
本第3実施形態では、貯蔵器(図示せず)をスプレーガン(図示せず)に接続するキャップ部材332に、注ぎ口315から別個の離脱可能なコネクタ手段を設ける。コネクタ手段は、両側に配置され注ぎ口315から間隔が空けられた一対のフック部材339、340を備える。各フック部材339、340は類似しており、アンダーカットされたリブ341b、342bで終端する面取り面341a、342aを夫々備える拡大頭部341、342を有する。
【0084】
スプレーガンの入口アダプタ318は、外端において、ソケット319に受容される注ぎ口315を備えたスプレーガンに貯蔵器を離脱可能に固定するフック部材338、339と協働する外部フランジ343を有する。本実施形態では、注ぎ口315は、ソケット319内に流体密封シールを提供する外部環状リブ344を有する。しかしながら、ソケット319内にかつ/または注ぎ口315に1つまたは複数のOリング等の任意の適当な密封手段を設けてもよい、ということが理解されよう。
【0085】
図15に示すように、フランジ343は、外部周縁部の周囲に円周方向に一様に間隔を空けて配置された4つの弓形凹部345、346、347、348を備え、凹部345、347は互いに対向し、凹部346、348は互いに対向する。
【0086】
各凹部345、346、347、348は、右回り方向に(図15に示すように)凹部345、346、347、348の端部のカムローブ345a、346a、347a、348aを介して当接部349a、350a、351a、352aで終端する平面部349、350、351、352に至る。
【0087】
使用時、キャップ部材332を入口アダプタ318に固定するために、フック部材338、339は、フランジ343において一対の対向する凹部345、347または346、348と位置合せされる。そして、注ぎ口315をソケット319に押し込むことにより、フック部材338、339の遠位端における拡大頭部341、342が、位置合せされた凹部345、347または346、348を通過する。
【0088】
そして、キャップ部材332を入口アダプタ318に対して回転させることにより、フック部材338、339がカムローブ345a、347aまたは346a、348aの上に乗り、ヘッド341、342のロックリブ341b、342bを平面部349、351または350、352の後方に配置する。このように、キャップ部材332を入口アダプタ318に固定し、キャップ部材332が入口アダプタ318から軸方向に分離するのを阻止する。上の操作を逆に行うことにより、キャップ部材332を入口アダプタ318から脱着することができる。
【0089】
図14に示すように、キャップ部材332の基部におけるソケットの雌ねじ335を、貯蔵器の蓋310の中央開口330を包囲するスピゴット331の雄ねじ335と係合させることにより、キャップ部材332を貯蔵器に固定してもよい。蓋310とライナ309とを、図8〜図12に示すように互いに離脱可能に固定してもよく、または図13に示すように永久的に接続してもよい。
【0090】
ここで図16および図17を参照すると、キャップ部材を貯蔵器に離脱可能に固定する2つの代替構成が示されている。便宜上、400および500番代の同様の参照数字を使用することにより先の実施形態に対応する部分を示す。
【0091】
図16に示すように、蓋410の開口430には、雌ねじ450が設けられており、キャップ部材432の基部は、キャップ部材432を貯蔵器に離脱可能に固定するためにねじ山450と係合可能な雄ねじ452を備えたスピゴット451を有する。
【0092】
図17において、蓋510とキャップ部材532とには、キャップ部材532を貯蔵器の開口530の周囲に離脱可能に固定するためにスナップ作用と係合可能な相補的構造が設けられている。本実施形態では、相補的構造は、スピゴット531における外部リブ560と、ソケット534における内部溝561と、を備える。しかしながら、任意の適当な構造を採用してもよい、ということが理解されよう。
【0093】
キャップ部材を貯蔵器に離脱可能に固定する他の構成は、当業者には明らかとなろう。
【0094】
ここで理解されるように、本発明は、特大の高速充填中央開口を有する貯蔵器と貯蔵器に接続可能な別個のキャップ部材とを有し、キャップ部材がスプレーガンに接続するための流体出口を提供する注ぎ口を備える、スプレーガンで使用する液体供給装置を提供する。このように、貯蔵器をキャップ部材から脱着することができ、それにより、液体を、こぼれる危険性を低減して簡単な方法で中央開口を通して貯蔵器に追加することができる。さらに、利用可能な空間の中央に開口を配置することにより、開口のサイズを最大化することができる。さらに、キャップ部材の出口を開口と同軸に配置することにより、貯蔵器は、スプレーガンの平衡、取扱いが悪影響を受けないようにスプレーガンの中央長手方向軸線と位置合せされる。
【0095】
また、本明細書で説明した例示的な実施形態は、本発明の種々の範囲および適用を例示することが意図されており、実施形態の特徴を、別個に採用しても、あるいは同じかまたは異なる実施形態の他の任意の特徴と組合せて採用してもよい、ということも理解されよう。
【0096】
さらに、説明し図示した例示的な実施形態は、現時点で出願人に既知である最良の手段を表すものと考えられるが、本発明はそれに限定されず、本明細書において概略的に説明したような本発明の精神および範囲内で、さまざまな変更および改良を行うことができる、ということが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】従来技術によるスプレーガンの斜視図である。
【図2】図1に示す塗料貯蔵器の構成要素の組立分解等角図である。
【図3】図2に示す組み立てられた塗料貯蔵器の斜視図である。
【図4】図3に示す塗料貯蔵器の縦断面図である。
【図5】使用後の図3の塗料貯蔵器の構成要素の分解を示す。
【図6】塗料貯蔵器をスプレーガンに接続するためのアダプタの斜視図である。
【図7】図6に示すアダプタの縦断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態による塗料貯蔵器の構成要素を示す、図2に類似する組立分解等角図である。
【図9】図8の組み立てられた塗料貯蔵器を示す、図3に類似する斜視図である。
【図10】図9の塗料貯蔵器の縦断面図である。
【図11】図8〜図10の貯蔵器で使用するキャップ部材の斜視図である。
【図12】図8〜図10の貯蔵器に取り付けられる図11のキャップ部材を示す縦断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による貯蔵器およびキャップ部材の斜視図である。
【図14】図8〜図10または図13の貯蔵器で使用する代替キャップ部材の斜視図である。
【図15】貯蔵器をスプレーガンに接続するために図14のキャップ部材で使用する代替アダプタの平面図である。
【図16】キャップ部材と貯蔵器との間の代替接続を示す、図12に類似する縦断面図である。
【図17】キャップ部材と貯蔵器との間のさらなる代替接続を示す、図12に類似する縦断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーガン等の噴霧装置で使用する液体供給アセンブリにおけるまたはそれに関連する改良に関する。より詳細には、本発明は、噴霧される液体を収容する貯蔵器がスプレーガンに取り付けられる液体供給アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
スプレーガンは、種々の業界で基板に液体を噴霧するために広く使用されている。既知のスプレーガンでは、液体はガンに取り付けられた貯蔵器に収容され、そこからスプレーノズルに供給される。液体は、スプレーノズルから出てくると、ノズルに供給される圧縮空気により霧化され噴霧を形成する。液体は、重力供給または吸引供給される場合があり、あるいは、より最近では、圧縮空気ラインから貯蔵器にまたはさらにはスプレーガン自体から抽気ラインによって加圧供給される場合がある。
【0003】
スプレーガンの一般的な適用は、車体修理店において、事故の後に修理された車両に再吹付けする場合である。典型的な塗装仕上げでは、下塗剤、ベースコート、トップコートおよびクリアラッカーを塗布する必要のある場合がある。従来、貯蔵器は剛性ポットであり、スプレーガンおよびポットにおける相補的なねじ山を係合することによりスプレーガンに脱着可能に取り付けられる。噴霧される液体を変更する場合、仕上げに悪影響を与える可能性のある二次汚染を回避するために、スプレーガンおよびポットを徹底的に清掃しなければならない。これは、特に、色を隣接する車体の既存の色に正確に一致させるように車両の一部に噴霧する場合に重要である。スプレーガンおよびポットの清掃は時間がかかり、しばしば、費用がかかり作業者に対し健康上危険である可能性がある溶剤を使用する必要がある。
【0004】
本出願人は先に、国際公開第98/32539号パンフレットにおいて、液体が使い捨ての蓋/ライナアセンブリに収容される貯蔵器を提案した。ライナは、外側剛性ポットの内部に密接嵌合する上部開口容器の形態であり、蓋は、ポットの上にねじ込まれるカラーによりライナの開口端の上に固定される。貯蔵器は、蓋に一体化し使用時に液体が貯蔵器から引き出される時に通る注ぎ口により、スプレーガンに離脱可能に接続される。
【0005】
このように、噴霧後、貯蔵器をスプレーガンから脱着し、カラーを離脱し、蓋/ライナアセンブリを外側ポットから取り外して捨てることができる。そして、外側ポットおよびカラーを、スプレーガンに異なる液体を供給するための新たな清潔なライナおよび蓋とともに再使用することができる。その結果、必要な清掃の量が大幅に低減され、スプレーンガンを、簡単な方法で異なる液体を塗布するように容易に適合させることができる。
【0006】
スプレーガンの適用によっては、貯蔵器が保持することができる量より多くの液体の量が必要とされる場合がある。たとえば、広い面積に塗装するか、もしくは、下塗剤またはラッカー仕上げを使用する場合等、同じかまたは異なる車両に同じ液体のいくつかのコートを塗布する場合である。この場合、貯蔵器をガンから脱着し、カラーを離脱し、蓋を取り外して液体をライナに追加することができるようにすることができる。そして、貯蔵器を再度組み立ててスプレーガンに再度取り付ける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
貯蔵器の分解および再組立ては、時間がかかり、また、それにより、特に蓋をライナから取り外す場合に液体がこぼれることになる可能性がある。また、蓋を取り外してライナにさらなる液体を追加することにより、他の汚染源、たとえば塵または汚物により汚染される危険性が増大する。
【0008】
分解しないようにするために蓋の注ぎ口を通して貯蔵器に液体を追加するという別法は、注ぎ口がスプレーガンへの接続に適合する小型のサイズであって注ぎ口を通して液体を貯蔵器内に自由に注ぐことができないため、時間がかかる。また、使用時に貯蔵器から引き出される液体に含まれる任意の望ましくない固体粒子を除去するために、注ぎ口にフィルタが含まれる場合があり、または蓋において注ぎ口の内端を横切ってフィルタが配置される場合がある。フィルタに接触するためには、貯蔵器を分解する必要があり、かかるフィルタが存在することにより、注ぎ口を通して貯蔵器に液体を追加するのにさらに時間がかかる。
【0009】
さらに、液体が固体粒子を含む場合、これらは、フィルタの裏側に捕捉されることになる。その結果、貯蔵器をスプレーガンに再度取り付ける時、粒子が、貯蔵器から引き出される液体とともに拾い上げられスプレーガンまで進む可能性がある。これにより、スプレーガン内に閉塞がもたらされる可能性がある。あるいはまたはさらに、粒子は、噴霧されている面に液体とともに塗布される可能性があり、その結果その面を再噴霧しなければならなくなる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、本出願人による既存のシステムをさらに改良し、ユーザに対しさらなる利益および利点を提供することが意図されている。
【0011】
より詳細には、本発明の少なくとも1つの実施形態は、液体を簡単な方法で追加することができるようにする、スプレーガンで使用される液体供給アセンブリを提供する。
【0012】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、空でまたは液体を事前に充填して提供することができる、スプレーガンで使用される液体供給アセンブリを提供する。
【0013】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、必要な清掃の量を低減するために使用後に捨てることができる、スプレーガンで使用される液体供給アセンブリを提供する。
【0014】
本発明の他の利益および利点については、本明細書において後に言及する。
【0015】
第1態様によれば、本発明は、噴霧される液体の貯蔵器を備えるスプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、貯蔵器が、第1端と、第1端から間隔が空けられた第2端と、第1端における端壁と、端壁から第2端まで延在する側壁と、端壁における側壁の内方への開口と、貯蔵器の開口周囲に離脱可能に固定されるキャップ部材と、を有し、キャップ部材が、開口を通して貯蔵器と連通する流体出口を提供する注ぎ口を有し、注ぎ口が、貯蔵器をスプレーガンの流体入口に接続するためにスプレーガンに接続可能であり、貯蔵器が、開口を通して流体を貯蔵器に追加するためにキャップ部材から脱着されることが可能である、液体供給アセンブリを提供する。
【0016】
本明細書で使用する「液体」という用語は、材料の特性および/または意図された用途に応じて霧化されたまたは霧化されていない形態で塗布することができる、塗料、下塗剤、ベースコート、ラッカー、ニスおよび類似の塗料状材料と、接着剤、シーラ、充填剤、パテ、粉末コーティング、黒色火薬、研磨用スラリー、離型剤および鋳物用仕上げ剤等の他の材料と、を含む(限定しない)、スプレーガンを使用してある面に塗布することができるすべての形態の流動性材料(その面を着色するように意図されているか否かに係らず)をいい、「液体」という用語はそれに従って解釈されるべきである。
【0017】
本発明によって、貯蔵器に離脱可能に固定される別個のキャップ部材の注ぎ口により、貯蔵器の流体出口が提供される。その結果、貯蔵器の開口を、流体出口に対して特大にすることができ、貯蔵器を、分解することなく開口を通して貯蔵器に液体を追加するために、キャップ部材から脱着することができる。このように、液体を簡単な方法で貯蔵器に追加することができ、それにより、液体がこぼれる危険性および/または液体の汚染の危険性を低減することができる。
【0018】
これは、貯蔵器の容量が、特定の用途に必要な液体の容量を下回る場合に特に有益である。たとえば、広い面積に噴霧する場合、ユーザは、貯蔵器をキャップ部材から脱着して貯蔵器に追加の液体を補給し、貯蔵器をキャップ部材に再度取り付けることができる。
【0019】
それはまた、噴霧されている液体を希釈したい場合にも有益である。たとえば、ラッカー等の仕上げクリアコートを塗布している場合、ユーザは、貯蔵器をキャップ部材から脱着して貯蔵器に溶剤を追加することにより、「ぼかしまたは混合」のためのクリアコートの粘度を低減し、貯蔵器をキャップ部材に再度取り付けることができる。
【0020】
貯蔵器は、液体が引き出されると崩壊可能であってもよい。たとえば、貯蔵器を軸方向に第2端から第1端に向かって崩壊させるように変形させることができるように、側壁が端壁に比較して可撓性であってもよい。端壁は、側壁に対して比較的剛性であることにより、安定性を提供し、貯蔵器をキャップ部材に取り付けキャップ部材から脱着する時にユーザが貯蔵器を崩壊させることなく握持することができるようにすることが好ましい。好ましい構成では、貯蔵器の第2端に比較的剛性な基部を設けることにより、端壁の開口を通して液体を追加するために貯蔵器を逆転させて基部で起立させることができる。
【0021】
貯蔵器を一体的に形成してもよい。たとえば、貯蔵器は、ブロー成形品等の成形品であってもよい。或いは、基部と側壁とを一体的に形成し、端壁を、側壁に固定される別個の部分として形成してもよい。たとえば、基部および側壁は、上部開口容器を形成してもよく、側壁は、容器の蓋を形成してもよい。蓋を、容器に永久的に固定してもよい。たとえば、蓋を、容器に溶接しまたは接着接合してもよい。或いは、蓋を、容器に離脱可能に固定してもよい。たとえば、蓋を、容器にクランプしてもよい。
【0022】
キャップ部材を、貯蔵器にねじ嵌合してもよい。或いは、キャップ部材を、他の任意の適当な手段、たとえばスナップ嵌合により貯蔵器に離脱可能に固定してもよい。好ましい構成では、キャップ部材は、貯蔵器の開口の境界を画する雄ねじスピゴットを受容する雌ねじを有するソケットを画定する基部を備え、注ぎ口は、貯蔵器から離れる方向にソケットの基部から延在する。
【0023】
注ぎ口は、スプレーガン入口に接続するために、貯蔵器の端壁における開口に対してサイズが小さい。たとえば、注ぎ口の直径は、貯蔵器の端壁の開口の直径の半分未満であってもよく、開口の直径の1/3未満であることがより好ましく、開口の直径の1/4未満であることがより好ましい。一実施形態では、開口の直径は50〜60mmであり、好ましくは53mm(約2インチ)であり、注ぎ口の直径は10〜15mm(約1/2インチ)である。
【0024】
開口は、端壁の中央に配置されることが好ましい。このように、開口のサイズを、貯蔵器を高速に充填するために最大化することができる。スプレーガンに接続された時に貯蔵器がスプレーガンの中央長手方向軸線に位置合せされるように、キャップ部材の注ぎ口が開口と同軸であることが有利である。その結果、スプレーガンの平衡、取扱いが、貯蔵器とその中の液体との重量によって悪影響を受けない。
【0025】
キャップ部材が、噴霧装置に離脱可能に接続されるように適合されることが有利である。たとえば、キャップ部材と噴霧装置とに、協働する差込型の構造を設けてもよい。このように、ユーザによる必要な労力または手の器用さが最小限である簡単な動作で、貯蔵器を取り付けるか否かに係らず、キャップ部材を噴霧装置に接続し噴霧装置から離脱することができる。
【0026】
スプレーガンに、注ぎ口を受容するソケットを設け、差込型構造がソケットにおいて注ぎ口を保持するように係合可能であることが好ましい。ソケットは、スプレーガンの一体部分であってもよく、またはスプレーガンに固定される別個の部品であってもよい。たとえば、ソケットを、スプレーガンに固定される入口アダプタによって形成してもよい。
【0027】
一構成では、差込型構造は、ソケット内で係合可能である。たとえば、注ぎ口の自由端に、ソケットの差込溝に受容される対向する差込ラグを設けてもよい。別の構成では、差込型構造は、ソケットの外部で係合可能である。たとえば、ソケットは、注ぎ口の両側においてキャップ部材の基部から延在する一対のフック部材と協働可能な外部フランジを有してもよい。
【0028】
差込構成は、スプレーガンに対してキャップ部材を完全に1回転させることなく係合可能/解除可能であり、キャップ部材と貯蔵器との間の離脱可能な接続は、キャップ部材をスプレーガンに接続し/スプレーガンから分離する時に貯蔵器がキャップ部材から分離しないように構成されることが好ましい。たとえば、キャップ部材が貯蔵器にねじ嵌合する場合、ねじ山は、貯蔵器をキャップ部材に固定し/キャップ部材から離脱するために、貯蔵器をキャップ部材に対して完全な1回を超える回転を必要とする場合がある。或いはまたはさらに、キャップ部材および貯蔵器のねじ山を逆転させることにより、キャップ部材をスプレーガンに接続するために使用する方向とは反対の方向にねじって外すことにより、キャップ部材を貯蔵器から離脱してもよい。
【0029】
キャップ部材は、貯蔵器から引き出される液体に含まれる任意の望ましくない固体粒子を除去するフィルタを有してもよい。たとえば、フィルタを、注ぎ口に設けてもよい。或いは、フィルタを、ソケットの基部に着座させることにより、開口を横切って注ぎ口に延在させてもよい。このように、任意の固体粒子を除去するために濾過することなく、開口を通して液体を貯蔵器に追加することができる。さらに、使用時にフィルタが閉塞した場合、キャップ部材を交換することができる。
【0030】
或いは、貯蔵器に追加される液体を、任意の固体粒子を除去するように濾過してもよく、それにより、使用時に貯蔵器から引き出される液体の濾過が不要になる。このように、キャップのフィルタを省略してもよい。
【0031】
貯蔵器を、ユーザが液体で充填し貯蔵器をスプレーガンに接続するためにキャップ部材を取り付けるように空で提供してもよい。貯蔵器は、崩壊可能である場合、貯蔵および輸送のために小型形態まで崩壊してもよい。
【0032】
或いは、貯蔵器を、液体で事前に充填して提供してもよく、液体を使用することが望まれるまで開口を密封してもよい。たとえば、開口を、取外し可能なクロージャまたはキャップ部材が貯蔵器に取り付けられると破壊する破断可能な膜を使用して密封してもよい。別の構成では、液体を使用することが望まれるまで、キャップ部材を、開口を密封するように適合させてもよい。たとえば、キャップ部材のソケットの基部に、注ぎ口を閉鎖する取外し可能なシールを設けてもよい。或いは、注ぎ口の端部を横切って、注ぎ口がスプレーガンに取り付けられると破壊する破断可能な膜を設けてもよい。
【0033】
必要になるまで劣化することなくパッケージ化し貯蔵することができる液体に対し、事前充填を採用してもよい。このため、事前充填は、すぐに使用できるように(すなわち、色を既存の色に一致させるように変更する必要なく)提供することができる液体に対して特に有用であり得る。たとえば、非活性化形態で供給し必要な場合に光(紫外線)源または電気エネルギー源への露出による等適当な手段によって活性化する(必要な場合)ことができる、指定された色合いの標準色のベースコートおよび/または下塗剤またはラッカーである。いずれの構成を採用する場合であっても、使用時に、貯蔵器をキャップ部材から脱着し、開口を通して液体を追加し、貯蔵器をキャップ部材に再び取り付けることにより、貯蔵器を再充填することができる。
【0034】
第2態様によれば、本発明は、噴霧される液体の貯蔵器を備えるスプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、貯蔵器が、第1端と、第1端から間隔が空けられた第2端と、第1端における端壁と、端壁から第2端まで延在する側壁と、端壁における側壁の内方への開口と、基部および注ぎ口を有するキャップ部材と、を有し、キャップ部材が、基部と開口周囲の端壁とにおける相補的なねじ山の係合によって貯蔵器に離脱可能に固定され、注ぎ口が、貯蔵器から離れる方向に基部から延在し、注ぎ口が、開口に対して断面が小さい流体出口を提供し、貯蔵器をスプレーガンに接続するためにスプレーガンの流体入口に接続可能であり、貯蔵器が、開口を通して流体を貯蔵器に追加するためにキャップ部材から脱着されることが可能である、液体供給アセンブリを提供する。
【0035】
使用時に液体が引き出されると貯蔵器は崩壊可能であることが好ましい。たとえば、端壁が、側壁に対して比較的剛性であってもよい。このように、端壁は、安定性を提供し、貯蔵器をキャップ部材に取り付けキャップ部材から脱着する時に、貯蔵器を崩壊させることなく握持することができるようにし、使用時に貯蔵器から液体が引き出される際に、側壁は軸方向に端壁に向かって崩壊可能である。
【0036】
一構成では、キャップ部材は、端壁の開口の周囲に延在するスピゴットの雄ねじに係合可能な雌ねじが設けられたソケットを有する。別の構成では、開口の周縁は、キャップ部材の雄ねじに係合可能な雌ねじを有する。
【0037】
本発明のさらなる態様によれば、液体をスプレーガン等に供給する貯蔵器と、貯蔵器をスプレーガンに接続するキャップ部材と、の組合せが提供され、貯蔵器は、第1端と、第1端から間隔が空けられた第2端と、第1端における端壁と、端壁から第2端まで延在する側壁と、端壁における側壁の内方への高速充填開口であって、それを通して液体を貯蔵器に追加することができ、使用時に貯蔵器がスプレーガンに接続された場合に流量要件に対して特大である開口と、基部および注ぎ口を有するキャップ部材と、を有し、キャップ部材は、基部と開口周囲の端壁とにおける相補的な構造の係合によって貯蔵器に離脱可能に固定され、注ぎ口は、貯蔵器から離れる方向に基部から延在し、注ぎ口は、開口に対して断面が低減した流体出口を提供し、貯蔵器をスプレーガンに接続するためにスプレーガンの流体入口に接続可能であり、貯蔵器は、開口を通して流体を貯蔵器に追加するためにキャップ部材から脱着されることが可能である。
【0038】
貯蔵器に、特大の高速充填開口を設けることにより、貯蔵器への液体の追加が、こぼれる危険性を低減する簡単な方法で容易になる。
【0039】
ここで、本発明を、添付図面を参照して単に例としてより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図面の図1は、参照により開示内容が本明細書に援用されたものとする、国際公開第98/32539号パンフレットとして公開された本出願人による同時係属中の特許出願に開示された、従来技術による重力供給タイプのスプレーガン1を示す。
【0041】
ガン1は、本体2と、本体の後端から下方に延在するハンドル3と、本体の前端にあるスプレーノズル4と、を備える。ガン1は、ガンの両側に枢着される引金5によって手動で操作される。
【0042】
ガンによって放出される塗料(または同様の材料)を収容する塗料ポット6は、本体2の上部に配置され、ガンを通ってノズル4まで延在する内部通路(不可視)と連通する。
【0043】
使用時、ガン1を、ハンドル3の下端においてコネクタ7を介して圧縮空気源(図示せず)に接続し、ユーザが引金5を引くと圧縮空気がガンを通してノズル4まで供給されるようにする。その結果、重力下でポット6からノズル4まで供給された塗料が、ノズル4を離れる時に霧化され、ノズル4から出る圧縮空気とともに噴霧を形成する。
【0044】
ここで図面の図面の図2〜図4を参照すると、塗料ポット6は、外側容器8と、使い捨てライナ9と、使い捨て蓋10と、カラー11と、を有する。ライナ9は、形状が容器8の内側に対応し(かつ密接嵌合し)、開口端において容器8の上縁に位置する幅の狭いリム12を有する。
【0045】
蓋10は、周縁において、ライナ9の開口端に押込嵌合する、垂下するスカート13と、中央開口14と、を有し、その中央開口14から、流体出口を形成する注ぎ口15が延在する。注ぎ口15の自由端には、差込接続の一方の部分を形成する外側への拡張部16が設けられている。開口14は、注ぎ口15の内端において、スカート13に押込嵌合してもよくまたは蓋10の一体部分であってもよいフィルタメッシュ17によって覆われる。或いは、フィルタは、注ぎ口15において押込嵌合してもよい。
【0046】
蓋10は、蓋10の上部において容器8上にねじ込まれる環状カラー11により、容器8上の適所に堅固に保持される。組み立てられた状態では、ライナ9と蓋10とは、注ぎ口15を介してノズル4に供給される塗料または他の液体を収容する貯蔵器を形成する。
【0047】
塗料ポット6は、図6および図7において塗料ポット6から分離して示すアダプタ18を使用することによりスプレーガン1に取り付けられる。アダプタ18は、管状部品であり、一端において内部に、蓋10の注ぎ口15に取り付けるための差込接続の他方の部分を有するソケット19を備えるように形成される。他端20において、アダプタ18は、スプレーガン塗料ポットの標準取付具(通常、ねじ山)に適合するような形状を有する。
【0048】
塗料ポット6の容器8は、プラスチック材料、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンから形成され、半透明(図2に示すように)または不透明であってもよく、任意の適当なサイズであってもよい。塗料スプレーガンで使用する場合、通常、容量が250、500または800mlである容器8を使用する可能性があるが、必要な場合は他のサイズを使用してもよい。
【0049】
本実施形態では、容器8は、一端8Aにおいて閉鎖された略円柱形状である。他端は開放しており、側壁8Bは、雄ねじ8Cを有するように形成される。基部8Aは、容器8が平坦面上に支持なしで起立することができるように平坦であり、中央通気孔8Dを有するように形成される。内部において、側壁8Bは、開口端から基部8Aに向かって内方にわずかにテーパにされている。
【0050】
ライナ9は、透明であることが好ましく、プラスチック材料、好ましくはポリエチレンまたはポリプロピレンの単一部分から熱成形される。ライナ9の形状は、容器8の内部形状によって決まり、かつそれに一致する。ライナ9は、容器8の内側のように一端9Aにおいて閉鎖した略円柱形状であり、側壁9Bは口から閉鎖端9Aに向かって内方にわずかにテーパにされている。
【0051】
基部または閉鎖端9Aは、比較的剛性であるが、側壁9Bは可撓性であり、崩壊することができる。それにも係らず、ライナ9は、図2〜図4に示すように側壁9Bが伸張し直立して、基部9Aで支持なしに起立することができる。
【0052】
ライナ9が崩壊する時、図5に示すように、比較的剛性な基部9Aはその形状を保持するが、側壁9Bの崩壊の結果、リム部12に向かって移動する。側壁9Bは、プラスチックバッグと同様に破断する(たとえば、割れる、裂けるまたはひび割れることにより)ことなく崩壊する。
【0053】
蓋10もまた、プラスチック材料、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンから形成され、射出成形工程によって形成されてもよい。蓋10は、半透明または不透明であってもよく、着色されていてもよい。カラー11は、成形プラスチック部品であってもよく、または機械加工された金属(たとえばアルミニウム)部品であってもよい。アダプタ18は、金属またはプラスチック要素であってもよく、たとえば、アルミニウムから形成され陽極酸化またはメッキされてもよい。
【0054】
塗料ポット6を使用するために、アダプタ18をスプレーガンの端部20に取り付け、適所に配置しておく。そして、図2に示すように塗料ポット6を分解して、ライナ9を容器8内部に押し込む。そして、塗料をライナ9内に入れ、必要な場合は他のぼかし剤、硬化剤および希釈剤(溶剤)と混合させる。そして、蓋10を適所に押し込み、カラー11を下方に堅固にねじ込むことにより蓋10を適所に保持する。
【0055】
そして、図4に示すように、ライナ9の上部を、蓋10のスカート13と容器8の側壁8Bとの間で捕捉し、ライナ9のリム12を、容器8の上縁とカラー11との間で捕捉する。
【0056】
そして、スプレーガン1を図1に示すその通常の動作位置から逆転させることにより、注ぎ口15の端部をアダプタ18に取り付けることができるようにし、その後、スプレーガン1を、通常のように使用するためのその通常の動作位置まで戻すことができる。
【0057】
ライナ9内から塗料が取り除かれるに従い、ライナ9の側壁9Bは、ライナ9内の圧力が低減する結果として崩壊する。より剛性であるライナ9の基部9Aはその形状を保持し、そのためライナ9は、横方向ではなく長手方向において崩壊する傾向があり、それにより、塗料のポケットがライナ9に捕捉される可能性が低減する。
【0058】
ユーザは、スプレーガン1を操作する前にライナ9内から空気を抜くように選択してもよいが、それは必須ではない。しかしながら、それにより、塗料ポット6からスプレーガン1に空気が入る危険性がないため、スプレーガン1が十分に機能する角度の範囲が増大する。ライナ9内から空気を抜くために、スプレーガン1がまだ逆さになった位置にある間に、スプレーガン1の引金5を作動させなければならない。
【0059】
使用後、スプレーガン1を清掃する場合、スプレーガン1を図1に示すその動作位置から逆転させ、送気管を分離し、引金5を短く作動させてスプレーガン1内の塗料がポット6のライナ9内に再び排出されるようにすることができる。そして、スプレーガン1上に残っているアダプタ18から注ぎ口15を脱着することにより、ポット6をスプレーガン1から取り外す。
【0060】
カラー11を容器8から取り外し、その後、図5に示すように、崩壊したライナ9とともに蓋10を引き出す。蓋10(フィルタ17を含む)とライナ9とを破棄し、容器8およびカラー11を清浄にしておき、かつ新たなライナ9および蓋10を用いてすぐに再使用できるようにしておく。清掃するのはスプレーガン1自体のみであればよいため、使用される溶剤の量が実質的に低減する結果となる。
【0061】
蓋10を適所に配置してライナ9を幾分か崩壊した状態で取り外し破棄するため、未使用の塗料がポット6からこぼれる危険性もまた実質的に低減する。さらに、ライナ9を崩壊した状態で破棄するため、使用済みライナ9の収集に必要な空間の量が最小化する。
【0062】
上述した説明から明らかとなるように、噴霧される塗料または他の液体を収容する貯蔵器を形成する使い捨てライナ9および蓋10の構成により、噴霧される液体を変更する場合、または作業日の最後にスプレーガン1を片付ける場合に必要な清掃の量が大幅に低減する。
【0063】
しかしながら、塗装される領域が、貯蔵器が保持することができる容量より大きい容量の塗料を必要とする場合があり得る。これらの環境では、ユーザは、スプレーガン1からポット6を取り外し、カラー11を離脱し、貯蔵器に補給することができるように蓋10を取り外さなければならない。そして、蓋10をライナ9の開口端に再び配置し、カラー11を再び取り付け、ユーザが噴霧し続けることができるようにポット6をスプレーガン1に再度取り付けなければならない。これには時間がかかり、蓋10を取り外した時に塗料がこぼれかつ/または汚染される危険性がある。
【0064】
ユーザによっては、注ぎ口15を通して貯蔵器を最充填しようとする場合があるが、注ぎ口15のサイズが小さくフィルタ17があるため、こぼれる危険性が増大するとともにさらに時間がかかる。また、注ぎ口15を通して最充填する時にフィルタ17によって捕捉された任意の固体粒子が、貯蔵器をスプレーガン1に再度取り付ける時にフィルタ17の裏側にある。その結果、これらの粒子が、スプレーガンに供給される液体に混入し、これにより、スプレーガン内における閉塞がもたらされ、または粒子で汚染された任意の表面仕上げのやり直しが必要となる可能性がある。
【0065】
これらの問題を回避するために、ユーザによっては、広い面積に噴霧する場合に、スプレーガンに取り付けることができる2つ以上の貯蔵器に同じ液体を充填する。これにより、ユーザは、貯蔵器を取り換えて同じ液体で噴霧し続けることができる。しかしながら、いくつかの貯蔵器を充填し組み立てるには時間がかかり、作業コストが加算される。このため、各貯蔵器は、噴霧後に破棄される使い捨てライナおよび蓋を有し、同じ液体のためのいくつかの貯蔵器を使用することは、かかる使い捨て品を無駄にし、ユーザが貯蔵器を組み立てるために十分な数のポットおよびカラーを入手できることを必要とする。
【0066】
ここで図面の図8〜図12を参照すると、ユーザが貯蔵器を分解することなく貯蔵器に塗料を追加することができるようにする、本発明の第1実施形態が示されている。便宜上、100番代の同様の参照数字を通して使用することにより図1〜図7に対応する部分を示し、類似する部分の構成および動作は、上記説明から理解されるため、それ以上詳細には説明しない。
【0067】
図示するように、塗料ポット106は、先の実施形態と同様に組み立てられる、外部容器108と、使い捨てライナ109と、使い捨て蓋110と、カラー111と、を有する。本発明によれば、蓋110は、外部管状スピゴット131によって境界が画される中央開口130を有し、ポット106をスプレーガン(図示せず)に接続するために、別個のキャップ部材132が提供される。開口130を中央に配置することにより、所与の利用可能な空間に対し、開口130のサイズを最大化することができる。
【0068】
キャップ部材132は、キャップ部材132を蓋110に流体密封して離脱可能に固定するように、スピゴット131上の相補的な雄ねじ136と係合可能な雌ねじ135を備えたソケット134を有する基部133を備える。必要な場合は漏れを防止するために追加の密封手段を設けてもよい、ということが理解されよう。たとえば、スピゴット131の外端は、キャップ部材132内に配置されるOリング(図示せず)と係合してもよい。
【0069】
キャップ部材132はまた、基部133から延在し、スプレーガンに離脱可能に固定される入口アダプタ(図示せず)を介してスプレーガン101の流体入口に接続される流体出口を提供する、注ぎ口115も有する。本実施形態では、注ぎ口115の差込構造116を入口アダプタの相補的な差込構造(図示せず)と係合させることにより、キャップ部材132を入口アダプタに離脱可能に固定する。
【0070】
差込構造では、貯蔵器を固定/離脱するために、入口アダプタに対してキャップ部材132を完全に1回転させる必要はないが、キャップ部材132およびスピゴット131のねじ山では、貯蔵器を接続/分離するために、貯蔵器に対しキャップ部材132を完全に1回を超えて回転させる必要がある。このように、キャップ部材132をスプレーガンに取り付け/スプレーガンから脱着する場合に、キャップ部材132から貯蔵器が偶発的にまたは無意図的に離脱しなくなる。
【0071】
図10および図12から分かるように、注ぎ口115の内径は、貯蔵器の蓋110の中央開口130の直径より大幅に小さい。たとえば、本実施形態では、注ぎ口115の内径は10〜15mm(およそ1/2インチ)であり、中央開口130の内径は53mm(およそ2インチ)である。スプレーガンに接続された時に貯蔵器がスプレーガンの中央長手方向軸線に位置合せされるように、注ぎ口115は中央開口130と同軸である。その結果、貯蔵器とその中の液体とは均一に分散され、そのためスプレーガンの平衡、取扱いが悪影響を受けない。
【0072】
開口130は、貯蔵器がスプレーガンに接続された時、必要な流量に対して特大であり、ポット106がキャップ部材132から分離されると、開口130を通して追加される液体により貯蔵器を高速充填することができるようにする。その結果、使用時に貯蔵器を補給することが望まれる場合、スピゴット131とキャップ部材132との間の接続をねじって外すことにより、ポット106をキャップ部材132から脱着して開口130に接触できるようにすることができる。そして、開口130を通して貯蔵器に液体を追加し、ポット106を、スプレーガン101のキャップ部材132に再度接続することができる。
【0073】
このように、液体を特大の中央開口130を通して貯蔵器に注ぐことにより、貯蔵器の高速充填が可能である。このように、貯蔵器への液体の追加を、ポット106を分解することなく、かつ液体がこぼれるかまたは汚染される危険性を低減して、比較的容易に行うことができる。理解されるように、使用時に貯蔵器を補給する場合か、または噴霧を開始する前に貯蔵器を最初に充填する場合に、中央開口130を使用して液体を貯蔵器に追加してもよい。
【0074】
また、開口130により、蓋110をライナ109に固定するようにポット106が組み立てられた後に、貯蔵器の中身を攪拌する工具を挿入することができ、それにより貯蔵器内で混合を行うことができるようにもなり得る。このように、こぼれる危険性がさらに低減する。
【0075】
液体内の固体粒子等、任意の汚染物質を除去するために、キャップ部材132にフィルタ(図示せず)を設けてもよい。たとえば、蓋110がキャップ部材132に接続された時に、フィルタを、注ぎ口115の内端を横切って延在するように注ぎ口115にまたはソケット134に配置してもよい。このように、使用時にフィルタが閉塞した場合、キャップ部材132を交換してもよい。
【0076】
或いは、液体を貯蔵器に追加する場合に、中央開口130に取外し可能なフィルタ(図示せず)を配置してもよい。フィルタは任意のタイプであってもよく、貯蔵器への液体の追加がそれほど著しく低減しないように広い表面積を有することが好ましい。このように、キャップ部材132にフィルタを設けることを不要にすることができ、それにより、使用時にフィルタが閉塞するために液体のスプレーガンへの流れにおける妨害または低減の危険性が低減する。
【0077】
ここで図13を参照すると、本発明の第2実施形態が示されており、そこでは、200番代の同様の参照数字を使用することにより先の実施形態に対応する部分を示し、類似する部分の構成および動作は、上述した説明から理解されるため、それ以上詳細には説明しない。
【0078】
本第2実施形態では、ライナ209と蓋210とは、互いに永久的に接合されている。たとえば、ライナ209と蓋210とを、ブロー成形により一体的に形成してもよい。或いは、ライナ209と蓋210とを、成形により別個に形成し、溶接、接着またはそれらの間の永久的な接合を形成する他の適当な手段により互いに接続してもよい。
【0079】
ライナ209と蓋210とを永久的に接合することによって形成される貯蔵器を、先の実施形態の外部容器およびカラーなしに使用してもよい。或いは、ライナ209を保護し、液体を貯蔵器に追加する場合の、かつ貯蔵器がスプレーガン(図示せず)に接続された時の使用時の安定性を向上させるために、ライナ209のための何らかの形態の外部支持体を設けてもよい。支持体(図示せず)は、上述したように、外部容器とカラーとを備えてもよく、或いは、蓋210を、支持体スリーブまたはケージを、ライナ209を包囲するように離脱可能に固定してもよい外部フランジ(図示せず)または同様の構造有するように形成してもよい。
【0080】
貯蔵器を、ユーザが貯蔵器をスプレーガンに接続する前に蓋210の中央開口230を通して充填するように、空で提供してもよい。或いは、貯蔵器を液体で事前に充填して提供してもよく、蓋210の中央開口230を、ねじキャップ238またはホイルストリップ等の破断可能な膜等の取外し可能なクロージャにより密封してもよい。破断可能な膜が設けられる場合、それを、キャップ部材232が貯蔵器に取り付けられた時に破壊してもよい。
【0081】
事前充填は、劣化することなく貯蔵することができる液体に対し、かつ/または下塗剤塗料またはオーバーコートラッカー等の正確な色の一致を必要としない液体に対し、有利であり得る。また、蓋210の開口230をねじキャップ238(設けられる場合)または他の任意の適当なクロージャで再度密封することにより、スプレーガンから貯蔵器を取り外す際に任意の未使用の液体を一時的に貯蔵することを可能としてもよい。これにより、貯蔵器をスプレーガンに再度取り付けることにより、液体を後に使用することが可能となり得、これは、最初に使用した後の比較的短期間内に硬化しない液体に対して有益である可能性がある。ねじキャップ238を取り付ける前に、任意の空気を除去するために貯蔵器を崩壊させてもよい。このように、貯蔵される液体の使用期間を延長することができる。
【0082】
ここで図14および図15を参照すると、本発明の貯蔵器で使用する代替キャップ部材と入口アダプタとが示されている。便宜上、300番代の同様の参照数字を使用することにより先の実施形態に対応する部分を示し、類似する部分の構成および動作は、上述した説明から理解されるため、それ以上詳細には説明しない。
【0083】
本第3実施形態では、貯蔵器(図示せず)をスプレーガン(図示せず)に接続するキャップ部材332に、注ぎ口315から別個の離脱可能なコネクタ手段を設ける。コネクタ手段は、両側に配置され注ぎ口315から間隔が空けられた一対のフック部材339、340を備える。各フック部材339、340は類似しており、アンダーカットされたリブ341b、342bで終端する面取り面341a、342aを夫々備える拡大頭部341、342を有する。
【0084】
スプレーガンの入口アダプタ318は、外端において、ソケット319に受容される注ぎ口315を備えたスプレーガンに貯蔵器を離脱可能に固定するフック部材338、339と協働する外部フランジ343を有する。本実施形態では、注ぎ口315は、ソケット319内に流体密封シールを提供する外部環状リブ344を有する。しかしながら、ソケット319内にかつ/または注ぎ口315に1つまたは複数のOリング等の任意の適当な密封手段を設けてもよい、ということが理解されよう。
【0085】
図15に示すように、フランジ343は、外部周縁部の周囲に円周方向に一様に間隔を空けて配置された4つの弓形凹部345、346、347、348を備え、凹部345、347は互いに対向し、凹部346、348は互いに対向する。
【0086】
各凹部345、346、347、348は、右回り方向に(図15に示すように)凹部345、346、347、348の端部のカムローブ345a、346a、347a、348aを介して当接部349a、350a、351a、352aで終端する平面部349、350、351、352に至る。
【0087】
使用時、キャップ部材332を入口アダプタ318に固定するために、フック部材338、339は、フランジ343において一対の対向する凹部345、347または346、348と位置合せされる。そして、注ぎ口315をソケット319に押し込むことにより、フック部材338、339の遠位端における拡大頭部341、342が、位置合せされた凹部345、347または346、348を通過する。
【0088】
そして、キャップ部材332を入口アダプタ318に対して回転させることにより、フック部材338、339がカムローブ345a、347aまたは346a、348aの上に乗り、ヘッド341、342のロックリブ341b、342bを平面部349、351または350、352の後方に配置する。このように、キャップ部材332を入口アダプタ318に固定し、キャップ部材332が入口アダプタ318から軸方向に分離するのを阻止する。上の操作を逆に行うことにより、キャップ部材332を入口アダプタ318から脱着することができる。
【0089】
図14に示すように、キャップ部材332の基部におけるソケットの雌ねじ335を、貯蔵器の蓋310の中央開口330を包囲するスピゴット331の雄ねじ335と係合させることにより、キャップ部材332を貯蔵器に固定してもよい。蓋310とライナ309とを、図8〜図12に示すように互いに離脱可能に固定してもよく、または図13に示すように永久的に接続してもよい。
【0090】
ここで図16および図17を参照すると、キャップ部材を貯蔵器に離脱可能に固定する2つの代替構成が示されている。便宜上、400および500番代の同様の参照数字を使用することにより先の実施形態に対応する部分を示す。
【0091】
図16に示すように、蓋410の開口430には、雌ねじ450が設けられており、キャップ部材432の基部は、キャップ部材432を貯蔵器に離脱可能に固定するためにねじ山450と係合可能な雄ねじ452を備えたスピゴット451を有する。
【0092】
図17において、蓋510とキャップ部材532とには、キャップ部材532を貯蔵器の開口530の周囲に離脱可能に固定するためにスナップ作用と係合可能な相補的構造が設けられている。本実施形態では、相補的構造は、スピゴット531における外部リブ560と、ソケット534における内部溝561と、を備える。しかしながら、任意の適当な構造を採用してもよい、ということが理解されよう。
【0093】
キャップ部材を貯蔵器に離脱可能に固定する他の構成は、当業者には明らかとなろう。
【0094】
ここで理解されるように、本発明は、特大の高速充填中央開口を有する貯蔵器と貯蔵器に接続可能な別個のキャップ部材とを有し、キャップ部材がスプレーガンに接続するための流体出口を提供する注ぎ口を備える、スプレーガンで使用する液体供給装置を提供する。このように、貯蔵器をキャップ部材から脱着することができ、それにより、液体を、こぼれる危険性を低減して簡単な方法で中央開口を通して貯蔵器に追加することができる。さらに、利用可能な空間の中央に開口を配置することにより、開口のサイズを最大化することができる。さらに、キャップ部材の出口を開口と同軸に配置することにより、貯蔵器は、スプレーガンの平衡、取扱いが悪影響を受けないようにスプレーガンの中央長手方向軸線と位置合せされる。
【0095】
また、本明細書で説明した例示的な実施形態は、本発明の種々の範囲および適用を例示することが意図されており、実施形態の特徴を、別個に採用しても、あるいは同じかまたは異なる実施形態の他の任意の特徴と組合せて採用してもよい、ということも理解されよう。
【0096】
さらに、説明し図示した例示的な実施形態は、現時点で出願人に既知である最良の手段を表すものと考えられるが、本発明はそれに限定されず、本明細書において概略的に説明したような本発明の精神および範囲内で、さまざまな変更および改良を行うことができる、ということが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】従来技術によるスプレーガンの斜視図である。
【図2】図1に示す塗料貯蔵器の構成要素の組立分解等角図である。
【図3】図2に示す組み立てられた塗料貯蔵器の斜視図である。
【図4】図3に示す塗料貯蔵器の縦断面図である。
【図5】使用後の図3の塗料貯蔵器の構成要素の分解を示す。
【図6】塗料貯蔵器をスプレーガンに接続するためのアダプタの斜視図である。
【図7】図6に示すアダプタの縦断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態による塗料貯蔵器の構成要素を示す、図2に類似する組立分解等角図である。
【図9】図8の組み立てられた塗料貯蔵器を示す、図3に類似する斜視図である。
【図10】図9の塗料貯蔵器の縦断面図である。
【図11】図8〜図10の貯蔵器で使用するキャップ部材の斜視図である。
【図12】図8〜図10の貯蔵器に取り付けられる図11のキャップ部材を示す縦断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による貯蔵器およびキャップ部材の斜視図である。
【図14】図8〜図10または図13の貯蔵器で使用する代替キャップ部材の斜視図である。
【図15】貯蔵器をスプレーガンに接続するために図14のキャップ部材で使用する代替アダプタの平面図である。
【図16】キャップ部材と貯蔵器との間の代替接続を示す、図12に類似する縦断面図である。
【図17】キャップ部材と貯蔵器との間のさらなる代替接続を示す、図12に類似する縦断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧される液体の貯蔵器を備えるスプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、該貯蔵器が、第1端と、該第1端から離間した第2端と、該第1端における端壁と、該端壁から該第2端まで延在する側壁と、該端壁に設けられる該側壁の内方への開口と、該開口の周囲で該貯蔵器に離脱可能に固定されるキャップ部材とを有し、該キャップ部材が、該開口を通して該貯蔵器と連通する流体出口を提供する注ぎ口を有し、該注ぎ口が、該貯蔵器を該スプレーガンの流体入口に接続するために該スプレーガンに接続可能であり、該貯蔵器が、該開口を通して流体を該貯蔵器に追加するために該キャップ部材から脱着可能である、アセンブリ。
【請求項2】
前記貯蔵器の前記開口が、前記注ぎ口に対して特大である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記貯蔵器が、液体を抜き出すに従い、つぶすことができる、請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記側壁が、前記端壁に比較して可撓性を有し、それにより、前記貯蔵器を軸方向に前記第2端から前記第1端に向かってつぶすように変形できる、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記貯蔵器の前記第2端に比較的剛性の高い基部が設けられ、それにより、前記端壁の前記開口を通して液体を追加するために、前記貯蔵器を反転させて該基部を下に立たせることができる、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記貯蔵器が一体に形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記基部および側壁が一体に形成され、前記端壁が、該側壁に固定される別個の部分として形成される、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記基部および側壁が上部開口容器を形成し、前記端壁が該容器の蓋を形成する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記蓋が前記容器に永久的に固定される、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記蓋が前記容器に溶接されるかまたは接着接合される、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記蓋が前記容器に離脱可能に取り付けられる、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記蓋が前記容器にクランプされる、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記キャップ部材が前記貯蔵器に螺着される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記キャップ部材が前記貯蔵器にスナップ嵌めされる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記キャップ部材が、ソケットを形成する基部を備え、該ソケットが、前記貯蔵器の前記開口に隣接する雄ねじ付きスピゴットと係合可能な雌ねじを有する、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記貯蔵器の前記開口が雌ねじを有し、前記キャップ部材が、該雌ねじと係合可能な雄ねじ部分を備えた基部を有する、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記注ぎ口の直径が、前記開口の直径の半分未満である、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記注ぎ口の直径が、前記開口の直径の1/3未満である、請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記注ぎ口の直径が、前記開口の直径の1/4未満である、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記開口の直径が50〜60mmであり、前記注ぎ口の直径が10〜15mmである、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記貯蔵器が中央の長手方向軸線を有し、前記開口が該長手方向軸線上で中心配置される、請求項1〜20のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記注ぎ口が前記開口と同軸である、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記キャップ部材が、前記噴霧装置に離脱可能に接続できる、請求項1〜22のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記キャップ部材および噴霧装置が、互いに協働する複数の差込型構造を備える、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記噴霧装置が、前記注ぎ口を受容するソケットを備え、前記差込型構造が、該ソケットに該注ぎ口を保持するように係合可能である、請求項24に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記差込型構造が、前記ソケットの内部に係合可能である、請求項25に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記注ぎ口が、その自由端に、前記ソケットの差込溝に受容される両側の差込ラグを備える、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記差込型構造が、前記ソケットの外部に係合可能である、請求項25に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記ソケットが、前記注ぎ口の両側において前記キャップ部材から延在する一対のフック部材と協働可能な外部フランジを有する、請求項28に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記キャップ部材が、前記貯蔵器から抜き出される前記液体に含まれる望ましくない固体粒子を除去するフィルタを有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記フィルタが前記注ぎ口に配置される、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記フィルタが、前記注ぎ口の内端を横切って延在するように前記キャップ部材に配置される、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記貯蔵器が、液体を事前に満たして提供され、前記液体の使用が要求されるまで前記開口が密封される、請求項1〜32のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記開口が、取外し可能なクロージャまたは破断可能な膜を使用して密封される、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記キャップ部材が前記貯蔵器に取り付けられるときに、前記膜が破壊される、請求項34に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記キャップ部材が、前記液体の使用が要求されるまで前記開口を密封するようになっている、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記キャップ部材が、前記注ぎ口を閉鎖する取外し可能な要素を備える、請求項36に記載のアセンブリ。
【請求項38】
破断可能な膜が、前記注ぎ口の前記外端を横切って設けられる、請求項36に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記注ぎ口が前記噴霧装置に取り付けられるときに、前記膜が破断する、請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項40】
噴霧される液体の貯蔵器を備えるスプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、該貯蔵器が、第1端と、該第1端から離間した第2端と、該第1端における端壁と、該端壁から該第2端まで延在する側壁と、該端壁に設けられる該側壁の内方への開口と、基部および注ぎ口を有するキャップ部材とを有し、該キャップ部材が、該開口の周囲で該基部との該端壁とに設けた相補的ねじ部の係合によって該貯蔵器に離脱可能に固定され、該注ぎ口が、該貯蔵器から離れる方向に該基部から延在し、該注ぎ口が、該開口に比して断面が小さい流体出口を提供するとともに、該貯蔵器を該スプレーガンに接続するために該スプレーガンの流体入口に接続可能であり、該貯蔵器が、該開口を通して流体を該貯蔵器に追加するために該キャップ部材から脱着可能である、アセンブリ。
【請求項41】
前記貯蔵器が、使用時に液体を抜き出すに従い、つぶすことができる、請求項40に記載のアセンブリ。
【請求項42】
前記貯蔵器が中央の長手方向軸線を有し、前記開口および注ぎ口が、該長手方向軸線に対して同軸に配置される、請求項40または41に記載のアセンブリ。
【請求項43】
前記貯蔵器およびキャップ部材の前記ねじ部が、該貯蔵器を固定するために1回転を超える完全な回転を必要とし、該キャップ部材が、完全な1回転を必要としない手段によって前記スプレーガンに離脱可能に接続できる、請求項40〜42のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項44】
液体をスプレーガン等に供給するための貯蔵器と、該貯蔵器を該スプレーガンに接続するためのキャップ部材との組合せであって、該貯蔵器が、第1端と、該第1端から離間した第2端と、該第1端における端壁と、該端壁から該第2端まで延在する側壁と、該端壁に設けられる該側壁の内方への高速充填開口であって、それを通して液体を該貯蔵器に追加することができるとともに、使用時に該貯蔵器を該スプレーガンに接続したときに流量要件に対して特大である開口と、基部および注ぎ口を有するキャップ部材とを有し、該キャップ部材が、該開口の周囲で該基部と該端壁とに設けた相補的構造の係合によって該貯蔵器に離脱可能に固定され、該注ぎ口が、該貯蔵器から離れる方向に該基部から延在し、該注ぎ口が、該開口に比して断面が小さい流体出口を提供するとともに、該貯蔵器を該スプレーガンに接続するために該スプレーガンの流体入口に接続可能であり、該貯蔵器が、該開口を通して流体を該貯蔵器に追加するために該キャップ部材から脱着可能である、組合せ。
【請求項45】
前記貯蔵器が、液体を抜き出すに従いつぶすことができる、請求項44に記載の組合せ。
【請求項46】
前記貯蔵器が前記第2端に基部を有し、該基部で自立する、請求項44または45に記載の組合せ。
【請求項47】
前記基部、側壁および端壁が、互いに永久的に接合される、請求項46に記載の組合せ。
【請求項1】
噴霧される液体の貯蔵器を備えるスプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、該貯蔵器が、第1端と、該第1端から離間した第2端と、該第1端における端壁と、該端壁から該第2端まで延在する側壁と、該端壁に設けられる該側壁の内方への開口と、該開口の周囲で該貯蔵器に離脱可能に固定されるキャップ部材とを有し、該キャップ部材が、該開口を通して該貯蔵器と連通する流体出口を提供する注ぎ口を有し、該注ぎ口が、該貯蔵器を該スプレーガンの流体入口に接続するために該スプレーガンに接続可能であり、該貯蔵器が、該開口を通して流体を該貯蔵器に追加するために該キャップ部材から脱着可能である、アセンブリ。
【請求項2】
前記貯蔵器の前記開口が、前記注ぎ口に対して特大である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記貯蔵器が、液体を抜き出すに従い、つぶすことができる、請求項1または2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記側壁が、前記端壁に比較して可撓性を有し、それにより、前記貯蔵器を軸方向に前記第2端から前記第1端に向かってつぶすように変形できる、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記貯蔵器の前記第2端に比較的剛性の高い基部が設けられ、それにより、前記端壁の前記開口を通して液体を追加するために、前記貯蔵器を反転させて該基部を下に立たせることができる、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記貯蔵器が一体に形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記基部および側壁が一体に形成され、前記端壁が、該側壁に固定される別個の部分として形成される、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記基部および側壁が上部開口容器を形成し、前記端壁が該容器の蓋を形成する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記蓋が前記容器に永久的に固定される、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記蓋が前記容器に溶接されるかまたは接着接合される、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記蓋が前記容器に離脱可能に取り付けられる、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記蓋が前記容器にクランプされる、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記キャップ部材が前記貯蔵器に螺着される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記キャップ部材が前記貯蔵器にスナップ嵌めされる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記キャップ部材が、ソケットを形成する基部を備え、該ソケットが、前記貯蔵器の前記開口に隣接する雄ねじ付きスピゴットと係合可能な雌ねじを有する、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記貯蔵器の前記開口が雌ねじを有し、前記キャップ部材が、該雌ねじと係合可能な雄ねじ部分を備えた基部を有する、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記注ぎ口の直径が、前記開口の直径の半分未満である、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記注ぎ口の直径が、前記開口の直径の1/3未満である、請求項17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記注ぎ口の直径が、前記開口の直径の1/4未満である、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記開口の直径が50〜60mmであり、前記注ぎ口の直径が10〜15mmである、請求項19に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記貯蔵器が中央の長手方向軸線を有し、前記開口が該長手方向軸線上で中心配置される、請求項1〜20のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記注ぎ口が前記開口と同軸である、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項23】
前記キャップ部材が、前記噴霧装置に離脱可能に接続できる、請求項1〜22のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記キャップ部材および噴霧装置が、互いに協働する複数の差込型構造を備える、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記噴霧装置が、前記注ぎ口を受容するソケットを備え、前記差込型構造が、該ソケットに該注ぎ口を保持するように係合可能である、請求項24に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記差込型構造が、前記ソケットの内部に係合可能である、請求項25に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記注ぎ口が、その自由端に、前記ソケットの差込溝に受容される両側の差込ラグを備える、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記差込型構造が、前記ソケットの外部に係合可能である、請求項25に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記ソケットが、前記注ぎ口の両側において前記キャップ部材から延在する一対のフック部材と協働可能な外部フランジを有する、請求項28に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記キャップ部材が、前記貯蔵器から抜き出される前記液体に含まれる望ましくない固体粒子を除去するフィルタを有する、請求項1〜29のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記フィルタが前記注ぎ口に配置される、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記フィルタが、前記注ぎ口の内端を横切って延在するように前記キャップ部材に配置される、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記貯蔵器が、液体を事前に満たして提供され、前記液体の使用が要求されるまで前記開口が密封される、請求項1〜32のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記開口が、取外し可能なクロージャまたは破断可能な膜を使用して密封される、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記キャップ部材が前記貯蔵器に取り付けられるときに、前記膜が破壊される、請求項34に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記キャップ部材が、前記液体の使用が要求されるまで前記開口を密封するようになっている、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記キャップ部材が、前記注ぎ口を閉鎖する取外し可能な要素を備える、請求項36に記載のアセンブリ。
【請求項38】
破断可能な膜が、前記注ぎ口の前記外端を横切って設けられる、請求項36に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記注ぎ口が前記噴霧装置に取り付けられるときに、前記膜が破断する、請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項40】
噴霧される液体の貯蔵器を備えるスプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、該貯蔵器が、第1端と、該第1端から離間した第2端と、該第1端における端壁と、該端壁から該第2端まで延在する側壁と、該端壁に設けられる該側壁の内方への開口と、基部および注ぎ口を有するキャップ部材とを有し、該キャップ部材が、該開口の周囲で該基部との該端壁とに設けた相補的ねじ部の係合によって該貯蔵器に離脱可能に固定され、該注ぎ口が、該貯蔵器から離れる方向に該基部から延在し、該注ぎ口が、該開口に比して断面が小さい流体出口を提供するとともに、該貯蔵器を該スプレーガンに接続するために該スプレーガンの流体入口に接続可能であり、該貯蔵器が、該開口を通して流体を該貯蔵器に追加するために該キャップ部材から脱着可能である、アセンブリ。
【請求項41】
前記貯蔵器が、使用時に液体を抜き出すに従い、つぶすことができる、請求項40に記載のアセンブリ。
【請求項42】
前記貯蔵器が中央の長手方向軸線を有し、前記開口および注ぎ口が、該長手方向軸線に対して同軸に配置される、請求項40または41に記載のアセンブリ。
【請求項43】
前記貯蔵器およびキャップ部材の前記ねじ部が、該貯蔵器を固定するために1回転を超える完全な回転を必要とし、該キャップ部材が、完全な1回転を必要としない手段によって前記スプレーガンに離脱可能に接続できる、請求項40〜42のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項44】
液体をスプレーガン等に供給するための貯蔵器と、該貯蔵器を該スプレーガンに接続するためのキャップ部材との組合せであって、該貯蔵器が、第1端と、該第1端から離間した第2端と、該第1端における端壁と、該端壁から該第2端まで延在する側壁と、該端壁に設けられる該側壁の内方への高速充填開口であって、それを通して液体を該貯蔵器に追加することができるとともに、使用時に該貯蔵器を該スプレーガンに接続したときに流量要件に対して特大である開口と、基部および注ぎ口を有するキャップ部材とを有し、該キャップ部材が、該開口の周囲で該基部と該端壁とに設けた相補的構造の係合によって該貯蔵器に離脱可能に固定され、該注ぎ口が、該貯蔵器から離れる方向に該基部から延在し、該注ぎ口が、該開口に比して断面が小さい流体出口を提供するとともに、該貯蔵器を該スプレーガンに接続するために該スプレーガンの流体入口に接続可能であり、該貯蔵器が、該開口を通して流体を該貯蔵器に追加するために該キャップ部材から脱着可能である、組合せ。
【請求項45】
前記貯蔵器が、液体を抜き出すに従いつぶすことができる、請求項44に記載の組合せ。
【請求項46】
前記貯蔵器が前記第2端に基部を有し、該基部で自立する、請求項44または45に記載の組合せ。
【請求項47】
前記基部、側壁および端壁が、互いに永久的に接合される、請求項46に記載の組合せ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2006−517462(P2006−517462A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564817(P2004−564817)
【出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/033855
【国際公開番号】WO2004/060574
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/033855
【国際公開番号】WO2004/060574
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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