説明

特性推定装置、特性推定システム、特性推定方法および特性推定プログラム

【課題】ユーザの通信ネットワークにおける嗜好特性を精度よく推定すること。
【解決手段】教師ユーザ特性特定部16bは、アンケート送受信制御部16aが教師ユーザ端末30からのアンケート質問データに基づいて、教師ユーザの特性を特定する。そして、アクセス履歴収集部16cは、ユーザのアクセス履歴を収集し、行動データ生成部16dは、教師ユーザのアクセス履歴から、履歴・行動対応テーブル記憶部15dの履歴・行動対応テーブルを用いて、教師ユーザの行動データを生成し、特性推定モデル生成部16eは、教師ユーザの特性および行動データから特性推定モデルを生成し、行動データ生成部16dは、推定ユーザのアクセス履歴から、履歴・行動対応テーブルを用いて、推定ユーザの行動データを生成し、推定ユーザ特性推定部16fは、推定ユーザの行動データと特性推定モデルとから推定ユーザの特性を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザの嗜好特性を推定するための特性推定装置、特性推定システム、特性推定方法および特性推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インターネットなどの通信ネットワークにおいて提供される情報量は、爆発的な増加傾向にあり、また、インターネットなどの通信ネットワークにおいて利用可能なサービスおよび購入可能な商品の多様性も、増加傾向にある。このため、通信ネットワークを利用するユーザが、自身の目的とする情報やサービスや商品を能動的に探すことが困難になってきており、ユーザの嗜好特性に応じて情報やサービスや商品を提供する技術の実現が必要となっている。
【0003】
ユーザの嗜好特性に応じて情報やサービスや商品を提供するためには、ユーザの嗜好特性を数値化したり、テキスト(例えば、「SF好き」など)で表現したりするなど、客観的に推定することが必要となる。現在、ユーザの嗜好特性を客観的に推定する手法としては、以下に述べる2つの手法が知られている。
【0004】
第一の手法は、ユーザに対してアンケートなどを行なうことにより、ユーザから直接的あるいは間接的に嗜好特性を聞き出す手法であり、第二の手法は、情報やサービスや商品などへのユーザのアクセス履歴を分析することで、嗜好特性を推定する手法である。
【0005】
しかし、第一の手法は、ユーザに対して、アンケートなどに入力してもらう負担をかけさせてしまうため、ユーザに負荷をかけずにユーザの嗜好特性を受動的に推定する第二の手法の重要性が高まっている。
【0006】
ここで、第二の手法においては、例えば、ユーザの商品情報に対するアクセス履歴やユーザの購買履歴、あるいは、ユーザの情報に対するアクセス頻度などをパラメータとして嗜好特性を推定する。
【0007】
なお、嗜好特性の分類例としては、イノベータ理論に基づく分類がある(例えば、非特許文献1参照)。イノベータ理論は、ロジャースが1962年に提唱したイノベーション(技術革新)の普及に関する理論であり、イノベータ理論においてロジャースは、商品の新規性や話題性に対するユーザの特性(革新性)に基づいて、ユーザを5つのグループに分類している。
【0008】
すなわち、イノベータ理論は、ユーザの「革新性」に基づいて、ユーザの嗜好特性を、イノベータ(Innovators:革新者)、アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)、アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)、レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)、ラガード(Laggards:遅滞者)の5つのグループに分類している。
【0009】
イノベータは、冒険心にあふれイノベーションを進んで採用するユーザであり、アーリーアダプターは、流行に敏感で情報収集を自ら行なってイノベーションを採用するか否かを判断するユーザであり、アーリーマジョリティは、比較的慎重派ではあるが、平均より早くイノベーションを取り入れるユーザであり、レイトマジョリティは、比較的懐疑的であり、周囲の大多数が試している場面を見てから同じイノベーション選択をするユーザであり、ラガードは、最も保守的であり流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統になるまで採用しないユーザである。
【0010】
ここで、イノベータ理論において、イノベータは、重視するポイントがイノベーションの新しさそのもので、イノベーションがもたらす利点にあまり注目していない一方、アーリーアダプターは、イノベーションがもたらす新しい利点に注目し、他のユーザへの影響力が大きいことから、イノベーションが普及するための重要なオピニオンリーダーとされている。
【0011】
しかし、インターネットなどの通信ネットワークにおいては、イノベーションのサイクルが早いため、新規の商品情報に対していち早くアクセスするイノベータのほうがオピニオンリーダーとしての機能があると考え、イノベータとして推定されたユーザのアクセス履歴に基づいて、イノベータ以外のユーザに情報を推薦する手法が知られている(非特許文献1参照)。
【0012】
また、購入を前提とした検索や閲覧、商品の購入履歴を用いて、アンケートなどの入力情報から推定されたユーザの嗜好特性を更新する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、P2P(Peer to Peer)のネットワークに特化したユーザの利用履歴から、ユーザの情報受容性および情報発信能力などの特性を推定する手法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0013】
【非特許文献1】石川雅之、森田武史、和泉憲明、山口高平:共有コンテンツのアクセス履歴分析に基づく情報推進エンジン、第21回人工知能学会全国大会、3G8−2、2007
【特許文献1】再公表特許W01/067319号公報
【特許文献2】特開2004−362208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、上記した従来の技術は、ユーザの通信ネットワークにおける嗜好特性を精度よく推定することは困難であるという問題点があった。
【0015】
実際、インターネット上での商品へのアクセス履歴を用いて、ユーザグループが既知のユーザの商品へのアクセス履歴からユーザグループとアクセス時期の相関を算出したら、相関が見られない。したがって、新規の商品情報へのアクセス時期が早いことからイノベータとして推定されたユーザのアクセス履歴に基づいてイノベータ以外のユーザに情報を推薦したとしても、イノベータであるユーザの推定精度が低いために、ユーザへの推薦適合率が低い。
【0016】
また、購入を前提とした検索や閲覧、商品の購入履歴を用いて、ユーザの嗜好特性を更新する場合、更新される嗜好特性は、アンケートなどのユーザ入力情報から推定されたものであり、嗜好特性をユーザに負荷をかけることなく推定することができない。
【0017】
また、P2Pのネットワークの利用履歴から、ユーザの情報受容性と情報発信能力とを推定する場合、利用履歴の種類は、P2Pのネットワークにおける履歴に限定されてしまうので、通信ネットワークにおけるユーザの特性を推定することができない。
【0018】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、ユーザの通信ネットワークにおける嗜好特性を精度よく推定することが可能になる特性推定装置、特性推定システム、特性推定方法および特性推定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この装置は、通信ネットワークを利用するユーザの特性を推定する特性推定装置であって、アクセス履歴を構成するアクセス情報と、前記アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴行動対応情報を保持する履歴行動対応情報保持手段と、前記特性が予め特定されたユーザである特性特定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手段が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記特性特定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記特性特定ユーザの行動情報と前記特性特定ユーザの予め特定された特性とから、前記特性を推定するための特性推定モデルを生成する特性推定モデル生成手段と、前記特性の推定対象となるユーザである推定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手段が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記推定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記推定ユーザの行動情報と、前記特性推定モデル生成手段によって生成された前記特性推定モデルとを用いて前記推定ユーザの特性を推定する特性推定手段と、を備えたことを要件とする。
【0020】
また、このシステムは、通信ネットワークを介したサービスを提供するサーバ、または当該サーバに接続される接続装置と、前記サーバから提供される前記サービスを利用するユーザの端末とを含んで構成され、前記ユーザが前記通信ネットワークを利用する際の特性を推定する特性推定システムであって、前記サーバ、または前記接続装置は、アクセス履歴を構成するアクセス情報と、前記アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴行動対応情報を保持する履歴行動対応情報保持手段と、前記特性が予め特定されたユーザである特性特定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手段が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記特性特定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記特性特定ユーザの行動情報と前記特性特定ユーザの予め特定された特性とから、前記特性を推定するための特性推定モデルを生成する特性推定モデル生成手段と、を備え、前記端末は、前記特性の推定対象となるユーザである推定ユーザの端末である推定ユーザ端末である場合に、前記サーバ、または前記接続装置から前記履歴行動対応情報保持手段が保持する前記履歴行動対応情報および前記特性推定モデル生成手段によって生成された前記特性推定モデルを取得する取得手段と、前記推定ユーザのアクセス履歴と、前記取得手段によって取得された前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記推定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記推定ユーザの行動情報と、前記取得手段によって取得された前記特性推定モデルとを用いて前記推定ユーザの特性を推定する特性推定手段と、を備えたことを要件とする。
【0021】
また、この方法は、通信ネットワークを利用するユーザの特性を推定する特性推定方法であって、アクセス履歴を構成するアクセス情報と、前記アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴行動対応情報を保持する履歴行動対応情報保持ステップと、前記特性が予め特定されたユーザである特性特定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持ステップが保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記特性特定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記特性特定ユーザの行動情報と前記特性特定ユーザの予め特定された特性とから、前記特性を推定するための特性推定モデルを生成する特性推定モデル生成ステップと、前記特性の推定対象となるユーザである推定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持ステップが保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記推定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記推定ユーザの行動情報と、前記特性推定モデル生成ステップによって生成された前記特性推定モデルとを用いて前記推定ユーザの特性を推定する特性推定ステップと、を含んだことを要件とする。
【0022】
また、このプログラムは、通信ネットワークを利用するユーザの特性を推定する特性推定方法をコンピュータに実行させる特性推定プログラムであって、アクセス履歴を構成するアクセス情報と、前記アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴行動対応情報を保持する履歴行動対応情報保持手順と、前記特性が予め特定されたユーザである特性特定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手順が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記特性特定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記特性特定ユーザの行動情報と前記特性特定ユーザの予め特定された特性とから、前記特性を推定するための特性推定モデルを生成する特性推定モデル生成手順と、前記特性の推定対象となるユーザである推定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手順が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記推定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記推定ユーザの行動情報と、前記特性推定モデル生成手順によって生成された前記特性推定モデルとを用いて前記推定ユーザの特性を推定する特性推定手順と、をコンピュータに実行させることを要件とする。
【発明の効果】
【0023】
開示の装置、システム、方法およびプログラムによれば、ユーザの通信ネットワークにおける嗜好特性を精度よく推定することが可能になる。また、ユーザのアンケートへの入力負担をかけることなく嗜好特性を推定することができるとともに、ユーザの嗜好特性が動的に変化する場合にも対応して嗜好特性を推定することができ、さらに、大規模環境へも対応して、多数のユーザの嗜好特性を推定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る特性推定装置、特性推定システム、特性推定方法および特性推定プログラムの実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0025】
以下に説明する実施例1では、この発明に係る特性推定装置の機能を、通信ネットワークを介したサービスを提供する「サーバ」に搭載した場合について説明する。
【0026】
なお、以下では、「サーバ」を介してインターネットなどの通信ネットワークを利用するユーザであり、特性(インターネットにおける嗜好特性)の推定対象となるユーザを「推定ユーザ」と記述する。また、「推定ユーザ」が所有し、「推定ユーザ」の入力情報に基づいて、インターネットなどネットワークを介したサービスを「サーバ」に要求する端末装置を「推定ユーザ端末」として記述する。
【0027】
まず、実施例1におけるサーバを含む特性推定システムの全体構成について説明する。図1は、実施例1におけるサーバを含む特性推定システムの全体構成を説明するための図である。
【0028】
図1に示すように、実施例1におけるサーバ10は、推定ユーザ端末20と接続され、推定ユーザ端末20を所有する推定ユーザの特性を推定することを概要とする。ここで、実施例1におけるサーバ10は、さらに「教師ユーザ」の端末である教師ユーザ端末30と接続される。
【0029】
例えば、図1に示すように、実施例1におけるサーバ10は、教師ユーザ1の教師ユーザ端末30、教師ユーザ2の教師ユーザ端末30といったように、複数個の教師ユーザ端末30と接続される。ここで、「教師ユーザ」とは、推定ユーザの特性を推定する前に、通信ネットワークにおける特性が教師ユーザ端末30から取得した情報に基づいて予め特定されるユーザのことである。なお、「教師ユーザ」は、特許請求の範囲に記載の「特性特定ユーザ」に対応する。
【0030】
また、推定ユーザ端末20や教師ユーザ端末30としては、例えば、パーソナルコンピュータやPDA、あるいは携帯電話やPHSなどの通信機能を備えた装置が挙げられ、Webブラウザなど、ネットワークを利用するための専用のアプリケーションを備える。
【0031】
そして、実施例1におけるサーバ10は、教師ユーザの予め特定された特性を用いることで、推定ユーザのインターネットなどの通信ネットワークにおける嗜好特性を精度よく推定することが可能になることに主たる特徴がある。
【0032】
この主たる特徴について、図2〜図9を用いて説明する。図2は、教師ユーザ端末の構成を示すブロック図であり、図3は、実施例1におけるサーバの構成を示すブロック図であり、図4は、教師ユーザ特性特定部を説明するための図であり、図5は、アクセス履歴管理記憶部を説明するための図であり、図6は、履歴・行動対応テーブル記憶部を説明するための図であり、図7は、行動データ生成部による教師ユーザの行動データ生成を説明するための図であり、図8は、行動データ生成部による推定ユーザの行動データ生成を説明するための図であり、図9は、特性推定モデル生成部を説明するための図である。
【0033】
まず、教師ユーザ端末30について説明する。図2に示すように、サーバ10に接続される教師ユーザ端末30は、入力部31と、出力部32と、通信部33と、入出力制御I/F部34と、記憶部35と、処理部36とを備える。なお、記憶部35および処理部36は、図2に示す機能ブロック以外にも、例えば、パーソナルコンピュータとしての機能を実行するための各種機能ブロックを備えている。
【0034】
入力部31は、各種の情報を入力し、キーボードやマウスなどを備えて構成され、特に本発明に密接に関連するものとしては、サーバ10から受信したアンケート質問データに対する教師ユーザの回答を、例えば、キーボードから受け付けて入力する。
【0035】
出力部32は、各種の情報を出力し、モニタやスピーカを備えて構成され、特に本発明に密接に関連するものとしては、サーバ10から受信したアンケート質問データを、モニタの画面に表示したりする。
【0036】
通信部33は、ネットワークを通じて送受信されるデータの通信を行ない、特に本発明に密接に関連するものとしては、サーバ10からアンケート質問データを受信して、受信したアンケート質問データを後述するアンケート記憶部35aに転送したり、後述するアンケート記憶部35aに格納された入力済みのアンケート質問データをサーバ10に送信したりする。
【0037】
入出力制御I/F部34は、入力部31、出力部32および通信部33と、記憶部35および処理部36との間におけるデータ転送を制御する。
【0038】
記憶部35は、処理部36による各種処理に用いるデータや、処理部36による各種処理結果を記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、アンケート記憶部35aを備える。
【0039】
アンケート記憶部35aは、サーバ10から通信部33が受信し、入出力制御I/F部34から転送されたアンケート質問データを記憶し、さらに、後述するアンケート入力処理部36aが受け付けた入力済みのアンケート質問データを記憶する。
【0040】
処理部36は、入出力制御I/F部34から転送されたデータに基づき各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図2に示すように、アンケート入力処理部36aを備える。
【0041】
アンケート入力処理部36aは、アンケート記憶部35aが記憶するアンケート質問データを出力部32が備えるモニタにて表示するように制御する。さらに、アンケート入力処理部36aは、出力部32が備えるモニタに表示されたアンケート質問データを参照した教師ユーザの回答を、入力部31を介して受け付け、回答が入力された入力済みのアンケート質問データをアンケート記憶部35aに格納する。
【0042】
また、アンケート入力処理部36aは、教師ユーザから入力部31を介してアンケート質問データの入力完了通知を受け付けた場合に、アンケート記憶部35aが記憶する入力済みのアンケート質問データを、入出力制御I/F部34を介して通信部33に転送し、通信部33は、転送された入力済みのアンケート質問データを、サーバ10に送信する。
【0043】
続いて、サーバ10について説明する。図3に示すように、教師ユーザ端末30および推定ユーザ端末20と接続されるサーバ10は、入力部11と、出力部12と、通信部13と、入出力制御I/F部14と、記憶部15と、処理部16とを備える。なお、記憶部15および処理部16は、図3に示す機能ブロック以外にも、サーバとしての機能を実行するための各種機能ブロックを備えている。
【0044】
入力部11は、各種の情報を入力し、キーボードやマウスなどを備えて構成され、特に本発明に密接に関連するものとしては、後述するアンケート管理記憶部15aに格納され教師ユーザ端末30に送信されるアンケート質問データや、後述する履歴・行動対応テーブル記憶部15dに格納される履歴・行動対応テーブルや、推定ユーザの特性を推定する時機(以下、特性推定時機と記述する)などを、サーバ10の管理者から受け付けて入力する。
【0045】
出力部12は、各種の情報を出力し、モニタやスピーカを備えて構成され、特に本発明に密接に関連するものとしては、教師ユーザ端末30から受信した入力済みアンケート質問データや、後述する教師ユーザ特性特定部16bによって特定された教師ユーザの特性や、後述する推定ユーザ特性推定部16fによって推定された推定ユーザの特性などをモニタの画面に表示したりする。
【0046】
通信部13は、ネットワークを通じて送受信されるデータの通信を行ない、特に本発明に密接に関連するものとしては、教師ユーザ端末30に後述するアンケート管理記憶部15aが記憶するアンケート質問データを送信したり、教師ユーザ端末30から入力済みのアンケート質問データを受信して、受信した入力済みのアンケート質問データを後述するアンケート管理記憶部15aに転送したり、後述するアクセス履歴収集部16cの制御に基づいて教師ユーザ端末30や推定ユーザ端末20のアクセス履歴を受信して、受信したアクセス履歴を後述するアクセス履歴管理記憶部15cに転送したりする。
【0047】
入出力制御I/F部14は、入力部11、出力部12および通信部13と、記憶部15および処理部16との間におけるデータ転送を制御する。
【0048】
記憶部15は、処理部16による各種処理に用いるデータや、処理部16による各種処理結果を記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図3に示すように、アンケート管理記憶部15aと、教師ユーザ特性記憶部15bと、アクセス履歴管理記憶部15cと、履歴・行動対応テーブル記憶部15dと、行動データ記憶部15eと、特性推定モデル記憶部15fと、推定ユーザ特性記憶部15gとを備える。
【0049】
アンケート管理記憶部15aは、後述するアンケート送受信制御部16aの制御に基づいて教師ユーザ端末30に送信されるアンケート質問データを記憶するとともに、教師ユーザ端末30から受信した入力済みのアンケート質問データを後述するアンケート送受信制御部16aの制御に基づいて、教師ユーザに割り振られた識別子(ユーザID)に対応付けて記憶する。
【0050】
教師ユーザ特性記憶部15bは、後述する教師ユーザ特性特定部16bによって特定された教師ユーザの特性を記憶し、アクセス履歴管理記憶部15cは、後述するアクセス履歴収集部16cが収集した教師ユーザや推定ユーザのアクセス履歴を記憶し、行動データ記憶部15eは、後述する行動データ生成部16dによって生成された教師ユーザや推定ユーザの行動データを記憶し、特性推定モデル記憶部15fは、後述する特性推定モデル生成部16eによって生成された特性推定モデルを記憶し、推定ユーザ特性記憶部15gは、後述する推定ユーザ特性推定部16fによって推定された推定ユーザの特性を記憶する。
【0051】
また、履歴・行動対応テーブル記憶部15dは、アクセス履歴を構成するアクセス情報と、アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴・行動対応テーブルを記憶する。なお、履歴・行動対応テーブルは、特許請求の範囲に記載の「履歴行動対応情報」に対応し、履歴・行動対応テーブル記憶部15dは、同じく「履歴行動対応情報保持手段」に対応する。
【0052】
なお、これら記憶部15が備える各機能ブロックが記憶する内容については、後に詳述する。
【0053】
処理部16は、入出力制御I/F部14から転送されたデータに基づき各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図3に示すように、アンケート送受信制御部16aと、教師ユーザ特性特定部16bと、アクセス履歴収集部16cと、行動データ生成部16dと、特性推定モデル生成部16eと、推定ユーザ特性推定部16fとを備える。ここで、行動データ生成部16dおよび特性推定モデル生成部16eは、特許請求の範囲に記載の「特性推定モデル生成手段」に対応し、行動データ生成部16dおよび推定ユーザ特性推定部16fは、同じく「特性推定手段」に対応する。
【0054】
アンケート送受信制御部16aは、アンケート管理記憶部15aが記憶するアンケート質問データを、サーバ10の管理者の指示に基づいて教師ユーザ端末30に通信部13を介して送信するように制御する。また、アンケート送受信制御部16aは、教師ユーザ端末30から送信された入力済みのアンケート質問データを、通信部13を介して受信し、受信した入力済みのアンケート質問データを、教師ユーザごとに割り振られたユーザIDと対応付けてアンケート管理記憶部15aに格納するように制御する。
【0055】
教師ユーザ特性特定部16bは、アンケート管理記憶部15aに格納された入力済みのアンケート質問データに基づいて、教師ユーザごとの特性を特定する。
【0056】
例えば、教師ユーザ特性特定部16bは、入力済みのアンケート質問データを解析して、図4に示すように、教師ユーザごとに、「革新性」などに基づく特性を特定する。
【0057】
すなわち、教師ユーザ特性特定部16bは、入力済みのアンケート質問データを解析して、教師ユーザそれぞれを、図4に示すように、イノベータ、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードのいずれかの「革新性」に基づく特性グループに分類して特定する。また、教師ユーザ特性特定部16bは、教師ユーザそれぞれを、「革新性」以外に基づく特性グループ、例えば、図4に示すように、性別、年齢、職業などのデモグラフィックな情報に基づく特性グループや、高級志向などの革新性以外のサイコグラフィックな情報に基づく特性グループなどに分類して特定する。これにより、図4に示すように、教師ユーザごと(ユーザID:ku0001、ku0002、・・・ごと)に、革新性やデモグラフィック情報や革新性以外のサイコグラフィック情報などに基づく特定が特定される。
【0058】
そして、教師ユーザ特性特定部16bは、特定した教師ユーザごとの特性を、教師ユーザごとに割り振られたユーザIDに対応付けて、教師ユーザ特性記憶部15bに格納する。
【0059】
図3に戻って、アクセス履歴収集部16cは、サーバ10の管理者が設定した特性推定時機に基づいて、教師ユーザ端末30から教師ユーザのアクセス履歴を収集し、推定ユーザ端末20から推定ユーザのアクセス履歴を収集する。そして、アクセス履歴収集部16cは、収集したアクセス履歴を、教師ユーザおよび推定ユーザごとに割り振られたユーザIDに対応付けて、アクセス履歴管理記憶部15cに格納する。
【0060】
例えば、アクセス履歴管理記憶部15cは、図5に示すように、教師ユーザ1がアクセスした「URL:http://www.example.com/search?key=xxx」およびアクセスした「日時:2008/3/28 12:30」などのアクセス履歴を、教師ユーザ1に割り振られたユーザIDである「ku0001」に対応付けて記憶する。なお、本実施例では、教師ユーザおよび推定ユーザのアクセス履歴を収集する対象が、教師ユーザ端末30および推定ユーザ端末20である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、教師ユーザおよび推定ユーザにサービスを提供するサーバ10、あるいは、サーバ10以外のサーバが、教師ユーザおよび推定ユーザのアクセス履歴の収集対象である場合であってもよい。
【0061】
図3に戻って、行動データ生成部16dは、アクセス履歴管理記憶部15cが記憶するアクセス履歴と、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルとに基づいて、教師ユーザおよび推定ユーザの行動データを生成する。なお、行動データは、特許請求の範囲に記載の「行動情報」に対応する。
【0062】
ここで、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルについて、改めて図6を用いて詳細に説明する。上述したように、履歴・行動対応テーブルは、アクセス履歴を構成するアクセス情報と、アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた情報であり、具体的には、アクセス履歴を構成するアクセス情報としてのURLの種類ごとに、行動IDを対応付け、さらに、各行動IDを、種類ごとに大別した行動グループを対応付けた情報である。
【0063】
例えば、履歴・行動対応テーブル記憶部15dは、図6に示すように、ユーザがアクセスしたURLの種類が、ユーザがポータルサイト「http://www.example.com/」にアクセスし、当該ポータルサイトにてキーワードを入力して検索を実行したことを示す「http://www.example.com/search?key=<keyword>」であるならば、「行動ID:A01」に対応し、さらに「行動ID:A01」を、「行動グループ:検索」に大別される「ID:A」に対応する行動IDであるとする履歴・行動対応テーブルを記憶する。
【0064】
また、履歴・行動対応テーブル記憶部15dは、図6に示すように、「行動グループ:閲覧」に大別される「ID:B」に対応する「行動ID:B01」などを、特定のポータルサイトにおけるページを閲覧したことを示すURLの種類ごとに対応付けて記憶し、「行動グループ:購買」に大別される「ID:C」に対応する「行動ID:C01」などを、特定のポータルサイトを利用して商品を購入したことを示すURLの種類ごとに対応付けて記憶した履歴・行動対応テーブルを記憶する。なお、履歴・行動対応テーブル記憶部15dは、図6に示す以外にも、「ID:D」として「情報収集に対する積極性」、「ID:E」として「他者からのお薦めに対する受容性」、「ID:F」として「話題性(人気)に対する敏感度」、「ID:G」として「新商品に対する敏感度」、「ID:H」として「評価に対する敏感度」、「ID:I」として「情報発信に対する積極性」、「ID:J」として「価格に対する敏感度」などに大別される「行動グループ」それぞれについて、URLの種類ごとに「行動ID」が対応付けられた履歴・行動対応テーブルを記憶する。
【0065】
図3に戻って、行動データ生成部16dは、まず、特性推定時機においてアクセス履歴収集部16cが収集しアクセス履歴管理記憶部15cに格納した教師ユーザのアクセス履歴と、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルとに基づいて、教師ユーザの行動データを生成する。なお、行動データ生成部16dは、管理者などが予め定めた量や集計期間のアクセス履歴を用いて、行動データを生成する。
【0066】
具体的には、行動データ生成部16dは、教師ユーザ1の教師ユーザ端末30(ユーザID:ku0001)のアクセス履歴における「URL:http://www.example.com/search?key=xxx」(図5参照)を、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブル(図6参照)から、「行動ID:A01」であると特定する。
【0067】
そして、行動データ生成部16dは、教師ユーザのアクセス履歴を構成する「URL」の情報ごとに行動IDを特定して行動IDごとの頻度を算出する。さらに、行動データ生成部16dは、同じ行動グループを構成する行動IDすべての頻度を合計して、『「ID:A」の合計頻度、「ID:B」の合計頻度、「ID:C」の合計頻度、・・』からなる教師ユーザごとの行動データを生成し、その結果を、行動データ記憶部15eに格納する。
【0068】
例えば、図7に示すように、行動データ生成部16dは、ユーザIDが「ku0001」の教師ユーザのアクセス履歴の「URL」を解析して、「行動グループ:検索」に大別される「ID:A」の合計頻度を「1」とし、「行動グループ:閲覧」に大別される「ID:B」の合計頻度を「0」とし、「行動グループ:購買」に大別される「ID:C」の合計頻度を「0」とする教師ユーザ1の行動データを生成する。なお、行動データ生成部16dは、図7には示さないが、教師ユーザのアクセス履歴の「URL」を解析して、上記した「ID:D」〜「ID:J」についても合計頻度を算出し、「ID:D」〜「ID:J」に関する教師ユーザごとの行動データも生成する。
【0069】
なお、行動データ生成部16dによる推定ユーザの行動データ生成処理については、後述する。
【0070】
図3に戻って、特性推定モデル生成部16eは、行動データ記憶部15eが記憶する教師ユーザごとの行動データと、教師ユーザ特性記憶部15bが記憶する教師ユーザごとの特性グループとから、特性を推定するための特性推定モデルを生成し、その結果を、特性推定モデル記憶部15fに格納する。
【0071】
具体的には、特性推定モデル生成部16eは、「革新性」に基づく特性グループを目的変数とし、行動グループのIDごとの合計頻度を説明変数として、特性を推定するための特性推定モデルを、線形判別分析などのパターン認識手法を用いて生成する。
【0072】
例えば、特性推定モデル生成部16eは、「革新性」に基づく特性グループを目的変数「Y」とし、「ID:A」の合計頻度を説明変数「X1」とし、「ID:B」の合計頻度を説明変数「X2」とし、「ID:C」の合計頻度を説明変数「X3」とし、「ID:D」の合計頻度を説明変数「X4」とし、「ID:E」の合計頻度を説明変数「X5」とし、「ID:F」の合計頻度を説明変数「X6」とし、「ID:G」の合計頻度を説明変数「X7」とし、「ID:H」の合計頻度を説明変数「X8」とし、「ID:I」の合計頻度を説明変数「X9」と、「ID:J」の合計頻度を説明変数「X10」したうえで、判別関数「Y=aX1+bX2+cX3+dX4+eX5+fX6+gX7+hX8+iX9+jX10」を設定し、教師ユーザごとの『「革新性」に基づく特性および行動グループごとの合計頻度』から、線形判別分析により最適なパラメータ「a,b,c,d,e,f,g,h,i,j」を算出することにより、特性推定モデルを生成する。
【0073】
また、特性推定モデル生成部16eは、教師ユーザ特性特定部16bによって特定された教師ユーザごとのデモグラフィック情報に基づく特性グループや、革新性以外のサイコグラフィック情報に基づく特性グループそれぞれについても、これらを目的変数とした特性推定モデルを同様に生成する。
【0074】
ここで、行動データ生成部16dは、特性推定モデル生成部16eによって生成された特性推定モデルが特性推定モデル記憶部15fに格納されると、特性推定時機においてアクセス履歴収集部16cが収集しアクセス履歴管理記憶部15cに格納した推定ユーザごとのアクセス履歴と、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルとに基づいて、推定ユーザごとの行動データを生成する。そして、行動データ生成部16dは、生成した推定ユーザごとの行動データを行動データ記憶部15eに格納する。なお、行動データ生成部16dは、管理者などが予め定めた量や集計期間のアクセス履歴を用いて、行動データを生成する。
【0075】
例えば、図8に示すように、行動データ生成部16dは、ユーザIDが「su0001」の推定ユーザ1のアクセス履歴の「URL」を、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブル(図6参照)を用いて解析することで、「行動グループ:検索」に大別される「ID:A」の合計頻度を「1」とし、「行動グループ:閲覧」に大別される「ID:B」の合計頻度を「1」とし、「行動グループ:購買」に大別される「ID:C」の合計頻度を「0」と推定ユーザ1の行動データを生成する。なお、行動データ生成部16dは、図8には示さないが、推定ユーザのアクセス履歴の「URL」を解析して、上記した「ID:D」〜「ID:J」についても合計頻度を算出し、「ID:D」〜「ID:J」に関する推定ユーザごとの行動データも生成する。
【0076】
図3に戻って、推定ユーザ特性推定部16fは、特性推定モデル記憶部15fが記憶する特性推定モデルと、行動データ記憶部15eが記憶する推定ユーザごとの行動データとを用いて推定ユーザごとの特性を推定し、その結果を、推定ユーザ特性記憶部15gに格納する。
【0077】
具体的には、推定ユーザ特性推定部16fは、推定ユーザの行動データにおける行動グループごとの合計頻度を、特性推定モデルとして生成された判別関数に代入して算出された値に基づいて、推定ユーザの特性を推定する。
【0078】
例えば、推定ユーザ特性推定部16fは、図9に示すように、ユーザIDが「su0001」の推定ユーザ1の「革新性」に基づく嗜好特性を、「革新性」を目的変数とする特性推定モデルにより「イノベータ」として推定する。また、推定ユーザ特性推定部16fは、デモグラフィック情報に基づく特性グループや、革新性以外のサイコグラフィック情報に基づく特性グループを目的変数とする特性推定モデルによっても、推定ユーザ1の特性を推定する。同様に、推定ユーザ特性推定部16fは、ユーザIDが「su0002」の推定ユーザ2などの特性も推定する。なお、特定される教師ユーザの特性および推定される推定ユーザの特性は、上記した特性に限定されるものではなく、本発明は、これ以外にも様々な種類の嗜好特性について適用することが可能である。
【0079】
なお、推定ユーザ特性推定部16fによって推定された特性に基づいて、自動的、あるいは手動的に様々な処理が行なわれる。例えば、サーバ10によって自動的に、あるいはサーバ10の管理者によって手動的に、インターネットなどの通信ネットワーク上で提供されるサービスの中から、推定された特性に基づいて推定ユーザそれぞれにとって嗜好が合致するサービスが抽出され、抽出されたサービスが各推定ユーザに推薦される。または、商品開発の担当者によって、推定された特性に基づいたマーケティング調査が行なわれる。
【0080】
また、上述した特性推定時機は、所定の条件に基づく時機が、サーバ10の管理者によって設定され、特性推定時機になると、「アクセス履歴収集部16cによる教師ユーザおよび推定ユーザのアクセス履歴の収集」と、「行動データ生成部16dによる教師ユーザの行動データの生成および特性推定モデル生成部16eによる特性推定モデルの生成」と、「行動データ生成部16dによる推定ユーザの行動データの生成および推定ユーザ特性推定部16fによる推定ユーザの特性推定」とからなる一連の特性推定処理が行なわれる。
【0081】
ここで、特性推定処理は、サーバ10の管理者によって設定された1つの特性推定時機において実行される場合であってもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、動的なユーザの特性変化に対応するため、複数の特性推定時機が設定され、複数の特性推定時機ごとに特性推定処理を繰り返して行うことにより、推定ユーザの特性を随時更新して推定する場合であってもよい。
【0082】
例えば、サーバ10の管理者によって指定された複数の時刻を「複数の特性推定時機」として設定する場合や、サーバ10の管理者によって指定された所定の時間間隔ごと(例えば、1ヶ月ごと)の時刻を「複数の特性推定時機」として設定する場合であってもよい。あるいは、アクセス履歴収集部16cが、推定ユーザ端末20のアクセス履歴を監視しておき、アクセス履歴における蓄積量の増加量が、所定の値となった時機ごとを、「複数の特性推定時機」として設定する場合であってもよい。
【0083】
次に、図10を用いて教師ユーザ端末30による処理の手順について説明する。図10は、教師ユーザ端末による処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0084】
図10に示すように、教師ユーザ端末30は、サーバ10からアンケート質問データを受信すると(ステップS1001肯定)、受信したアンケート質問データをアンケート記憶部35aに格納し、アンケート入力処理部36aは、アンケート記憶部35aが記憶するアンケート質問データを出力部32が備えるモニタにて表示するように制御する(ステップS1002)。
【0085】
そして、アンケート入力処理部36aは、教師ユーザから入力部31を介してアンケート質問データの入力完了通知を受け付けることにより、アンケート質問データの入力が完了したと判断すると(ステップS1003肯定)、入力済みのアンケート質問データを、サーバ10に送信し(ステップS1004)、処理を終了する。
【0086】
続いて、図11を用いてサーバ10による教師ユーザの特性特定処理の手順について説明する。図11は、サーバによる教師ユーザの特性特定処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0087】
図11に示すように、サーバ10は、管理者からアンケート質問データの送信指示を受け付けると(ステップS1101肯定)、アンケート送受信制御部16aは、アンケート管理記憶部15aが記憶するアンケート質問データを、教師ユーザ端末30に通信部13を介して送信するように制御する(ステップS1102)。
【0088】
そして、アンケート送受信制御部16aは、教師ユーザ端末30から入力済みアンケート質問データを受信すると(ステップS1103)、受信した入力済みアンケート質問データをアンケート管理記憶部15aに格納し、教師ユーザ特性特定部16bは、アンケート管理記憶部15aに格納された入力済みのアンケート質問データに基づいて、教師ユーザごとの特性を特定し(ステップS1104)、処理を終了する。
【0089】
続いて、図12を用いてサーバ10による推定ユーザの特性推定処理の手順について説明する。図12は、サーバによる推定ユーザの特性推定処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【0090】
図12に示すように、サーバ10は、管理者によって設定された特性推定時機となると(ステップS1201肯定)、アクセス履歴収集部16cは、教師ユーザおよび推定ユーザのアクセス履歴を収集し(ステップS1202)、行動データ生成部16dは、アクセス履歴収集部16cによって収集された教師ユーザのアクセス履歴から、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルを用いて、教師ユーザの行動データを生成する(ステップS1203)。
【0091】
そして、特性推定モデル生成部16eは、教師ユーザ特性特定部16bによって特定された教師ユーザの特性と、行動データ生成部16dによって生成された教師ユーザの行動データとから特性推定モデルを生成する(ステップS1204)。
【0092】
そののち、行動データ生成部16dは、アクセス履歴収集部16cによって収集された推定ユーザのアクセス履歴から、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルを用いて、推定ユーザの行動データを生成する(ステップS1205)。
【0093】
続いて、推定ユーザ特性推定部16fは、行動データ生成部16dによって生成された推定ユーザの行動データと、特性推定モデル生成部16eによって生成された特性推定モデルとから推定ユーザの特性を推定し(ステップS1206)、処理を終了する。なお、図12に示す特性推定処理は、特性推定時機となるたびに繰り返して実行することにより、動的なユーザの特性変化に対応することができる。
【0094】
上述してきたように、実施例1では、アンケート送受信制御部16aは、教師ユーザ端末30から入力済みアンケート質問データを受信し、教師ユーザ特性特定部16bは、入力済みのアンケート質問データに基づいて、教師ユーザごとの特性を特定する。そして、特性推定時機となると、アクセス履歴収集部16cは、教師ユーザおよび推定ユーザのアクセス履歴を教師ユーザ端末30および推定ユーザ端末20から収集し、行動データ生成部16dは、教師ユーザのアクセス履歴から、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルを用いて、教師ユーザの行動データを生成し、特性推定モデル生成部16eは、教師ユーザ特性特定部16bによって特定された教師ユーザの特性を目的変数とし、行動データ生成部16dによって生成された教師ユーザの行動データを説明変数とする特性推定モデルを生成する。
【0095】
そして、行動データ生成部16dは、アクセス履歴収集部16cによって収集された推定ユーザのアクセス履歴から、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルを用いて、推定ユーザの行動データを生成し、推定ユーザ特性推定部16fは、行動データ生成部16dによって生成された推定ユーザの行動データと、特性推定モデル生成部16eによって生成された特性推定モデルとから推定ユーザの特性を推定する。
【0096】
このようなことから、実際にインターネットなどの通信ネットワークにおける嗜好特性が特定されたユーザのアクセス履歴から生成されたモデルに基づいて推定対象のユーザの特性を推定できるので、上記した主たる特徴の通り、推定ユーザのインターネットなどの通信ネットワークにおける嗜好特性を精度よく推定することが可能になる。
【0097】
また、推定ユーザの特性を推定する際に必要となるのは、当該推定ユーザのアクセス履歴のみであるので、簡易に推定ユーザのインターネットなどの通信ネットワークにおける嗜好特性を推定することが可能になる。
【0098】
また、推定ユーザにアンケート質問データの入力負担をかけることなく、嗜好特性を推定できる。これにより、推定ユーザは、自身の嗜好特性に基づき最適化されたサービスを、受動的に利用することが可能になる。
【0099】
また、推定ユーザのアクセス履歴の収集処理を繰り返して行なうだけで、当該推定ユーザの特性を更新して推定することができるので、動的に変化する嗜好特性を追従することが可能になる。
【0100】
なお、本実施例では、推定ユーザ端末20がサーバ10に接続される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、推定ユーザのアクセス履歴を収集することができるのであれば、推定ユーザ端末20がサーバ10に接続されない場合であってもよい。
【0101】
また、本実施例では、特性推定時機においてアクセス履歴を収集して推定ユーザの特性を推定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクセス履歴を予め収集しておき、特性推定時機において推定ユーザの特性を推定する場合であってもよい。また、新規の推定ユーザが設定された時機も特性推定時機とし、既に生成された特性推定モデルを用いて新規の推定ユーザの特性を推定する場合であってもよい。
【実施例2】
【0102】
上述した実施例1では、特性推定装置としてのサーバ10が、特性推定処理を一括して実行する場合について説明したが、実施例2では、サーバ10と推定ユーザ端末20とが、特性推定処理を分担して実行する場合について、図13および図14を用いて説明する。図13は、実施例2におけるサーバの構成を示すブロック図であり、図14は、実施例2における推定ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【0103】
なお、実施例2におけるサーバ10を含んで構成される特性推定システムは、図1に示す実施例1におけるサーバ10を含んで構成される特性推定システムと同様の構成となる。
【0104】
まず、実施例2におけるサーバ10について説明する。図13に示すように、実施例2におけるサーバ10は、図3に示す実施例1におけるサーバ10と比較すると、推定ユーザ特性推定部16fが削除される。
【0105】
ここで、実施例2におけるサーバ10は、アンケート送受信制御部16aによるアンケート質問データの送受信処理と、教師ユーザ特性特定部16bによる教師ユーザの特性特定処理とを、実施例1におけるサーバ10と同様に実行する。
【0106】
しかし、実施例2におけるサーバ10は、アクセス履歴収集部16cによるアクセス履歴収集処理において、特性推定時機に教師ユーザのアクセス履歴のみを収集し、行動データ生成部16dによる行動データ生成処理において、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルを用いて教師ユーザの行動データのみを生成する。
【0107】
そして、実施例2におけるサーバ10は、実施例1におけるサーバ10と同様に、特性推定モデル生成部16eによる特性推定モデルの生成処理を実行する。
【0108】
なお、実施例2における記憶部15の各機能ブロックが記憶する内容は、アクセス履歴管理記憶部15cがアクセス履歴収集部16cによって収集された教師ユーザのアクセス履歴のみを記憶し、行動データ記憶部15eが行動データ生成部16dによって生成された教師ユーザの行動データのみを記憶する以外は、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0109】
続いて、実施例2における推定ユーザ端末20について説明する。実施例1における推定ユーザ端末20は、通信機能を備えた装置として一般的な装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であったが、実施例2における推定ユーザ端末20は、自身を所有するユーザ(推定ユーザ)の特性を推定するために、新たな機能を備えた装置となる。
【0110】
すなわち、実施例2における推定ユーザ端末20は、図14に示すように、サーバ10に接続され、入力部21と、出力部22と、通信部23と、入出力制御I/F部24と、記憶部25と、処理部26とを備える。なお、記憶部25および処理部26は、図14に示す機能ブロック以外にも、例えば、パーソナルコンピュータとしての機能を実行するための各種機能ブロックを備えている。
【0111】
入力部21は、各種の情報を入力し、キーボードやマウスなどを備えて構成され、出力部22は、各種の情報を出力し、モニタやスピーカを備えて構成される。
【0112】
通信部23は、ネットワークを通じて送受信されるデータの通信を行ない、特に本発明に密接に関連するものとしては、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルをサーバ10から受信して、後述する履歴・行動対応テーブル記憶部25bに転送したり、特性推定モデル生成部16eによって生成された特性推定モデルをサーバ10から受信して、後述する特性推定モデル記憶部25dに転送したりする。なお、通信部23は、特許請求の範囲に記載の「取得手段」に対応する。
【0113】
ここで、通信部23は、サーバ10から履歴・行動対応テーブルを、特性推定処理を実行する前に、予め受信する。また、通信部23は、特性推定モデル生成部16eによって特性推定モデルが生成されるごとに、サーバ10から特性推定モデルを受信する。
【0114】
入出力制御I/F部24は、入力部21、出力部22および通信部23と、記憶部25および処理部26との間におけるデータ転送を制御する。
【0115】
記憶部25は、処理部26による各種処理に用いるデータや、処理部26による各種処理結果を記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図14に示すように、アクセス履歴管理記憶部25aと、履歴・行動対応テーブル記憶部25bと、行動データ記憶部25cと、特性推定モデル記憶部25dと、推定ユーザ特性記憶部25eとを備える。
【0116】
アクセス履歴管理記憶部25aは、後述するアクセス履歴収集部26aが収集したアクセス履歴を記憶する。
【0117】
履歴・行動対応テーブル記憶部25bは、通信部23が受信した履歴・行動対応テーブル、すなわち、サーバ10の履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルと同一の情報を記憶する。
【0118】
行動データ記憶部25cは、後述する行動データ生成部26bによって生成された行動データを記憶する。
【0119】
特性推定モデル記憶部25dは、通信部23が受信した特性推定モデル、すなわち、サーバ10の特性推定モデル生成部16eが生成して特性推定モデル記憶部15fに格納した特性推定モデルを記憶する。
【0120】
推定ユーザ特性記憶部25eは、後述する推定ユーザ特性推定部26cによって推定された推定ユーザの特性を記憶する。
【0121】
処理部26は、入出力制御I/F部24から転送されたデータに基づき各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図3に示すように、アクセス履歴収集部26aと、行動データ生成部26bと、推定ユーザ特性推定部26cとを備える。
【0122】
アクセス履歴収集部26aは、サーバ10の管理者が設定した特性推定時機に基づいて、自身が備えられる推定ユーザ端末20を所有する推定ユーザのアクセス履歴を収集し、その結果をアクセス履歴管理記憶部25aに格納する。
【0123】
行動データ生成部26bは、アクセス履歴管理記憶部25aが記憶するアクセス履歴と、履歴・行動対応テーブル記憶部25bが記憶する履歴・行動対応テーブルとに基づいて、自身が備えられる推定ユーザ端末20を所有する推定ユーザの行動データを生成し、その結果を行動データ記憶部25cに格納する。
【0124】
推定ユーザ特性推定部26cは、特性推定モデル記憶部25dが記憶する特性推定モデルと、行動データ記憶部25cが記憶する行動データとを用いて、自身が備えられる推定ユーザ端末20を所有する推定ユーザの特性を推定し、その結果を、推定ユーザ特性記憶部25eに格納する。
【0125】
すなわち、実施例1においては、サーバ10が各推定ユーザの特性を一括して推定していたが、実施例2においては、各推定ユーザの推定ユーザ端末20が、自身を所有する推定ユーザの特性を推定する。
【0126】
なお、推定ユーザ特性推定部26cによって推定された特性に基づいて、自動的、あるいは手動的に様々な処理が行なわれる。例えば、推定ユーザ端末20、あるいは推定ユーザ端末20から推定された特性を取得したサーバ10によって自動的に、あるいは、推定ユーザ端末20から推定された特性を取得したサーバ10の管理者によって手動的に、インターネットなどの通信ネットワーク上で提供されるサービスから、推定ユーザにとって嗜好が合致するサービスが抽出され、抽出したサービスが推定ユーザに推薦される。または、商品開発の担当者によって、推定された特性に基づいたマーケティング調査が行なわれる。
【0127】
また、特性推定時機は、実施例1において説明したように、動的なユーザの特性変化に対応するため、複数の特性推定時機が設定され、複数の特性推定時機ごとに特性推定処理を繰り返して行うことにより、推定ユーザの特性を随時更新して推定してもよい。
【0128】
また、本実施例では、履歴・行動対応テーブルをサーバ10から予め受信して履歴・行動対応テーブル記憶部25bに格納したうえで、行動データを生成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ10に履歴・行動対応テーブルの情報を問い合わせながら、推定ユーザのアクセス履歴から行動データを生成する場合であってもよい。
【0129】
次に、図15を用いて実施例2におけるサーバ10による特性モデル生成処理の手順について説明する。図15は、実施例2におけるサーバによる特性モデル生成処理の手順を説明するためのフローチャートである。なお、実施例2における教師ユーザ端末30の処理の手順および実施例2におけるサーバ10の教師ユーザの特性特定処理の手順は、実施例1において図10および図11を用いて説明した処理の手順と同様であるので説明を省略する。
【0130】
図15に示すように、サーバ10は、管理者によって設定された特性推定時機となると(ステップS1501肯定)、アクセス履歴収集部16cは、教師ユーザのアクセス履歴を収集して、行動データ生成部16dは、アクセス履歴から、履歴・行動対応テーブル記憶部15dが記憶する履歴・行動対応テーブルを用いて、教師ユーザの行動データを生成する(ステップS1502)。
【0131】
そして、特性推定モデル生成部16eは、教師ユーザ特性特定部16bによって特定された教師ユーザの特性と、行動データ生成部16dによって生成された教師ユーザの行動データとから特性推定モデルを生成する(ステップS1503)。ここで、特性推定モデル生成部16eは、生成した特性推定モデルを特性推定モデル記憶部15fに格納する。
【0132】
そののち、通信部13は、特性推定モデル記憶部15fに格納された特性推定モデルを推定ユーザ端末20に送信し(ステップS1504)、処理を終了する。
【0133】
続いて、図16を用いて実施例2における推定ユーザ端末20による処理の手順について説明する。図16は、実施例2における推定ユーザ端末による処理を説明するためのフローチャートである。
【0134】
図16に示すように、実施例2における推定ユーザ端末20は、サーバ10から特性推定モデルを受信すると(ステップS1601肯定)、アクセス履歴収集部26aは、自身が備えられる推定ユーザ端末20を所有する推定ユーザのアクセス履歴を収集して、行動データ生成部26bは、アクセス履歴から、履歴・行動対応テーブル記憶部25bが記憶する履歴・行動対応テーブルを用いて、行動データを生成する(ステップS1602)。
【0135】
そして、推定ユーザ特性推定部26cは、行動データ生成部26bによって生成された行動データと、特性推定モデル記憶部25dが記憶する特性推定モデルとから、推定ユーザの特性を推定し(ステップS1603)、処理を終了する。なお、本実施例では、特性推定時機においてアクセス履歴を収集して推定ユーザの特性を推定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクセス履歴を予め収集しておき、特性推定時機において推定ユーザの特性を推定する場合であってもよい。また、自身を所有するユーザが新規の推定ユーザとして設定された時機も特性推定時機とし、推定ユーザ端末20が、既に生成された特性推定モデルを取得して、自身を所有するユーザの特性を推定する場合であってもよい。
【0136】
上述してきたように、実施例2では、推定ユーザ端末20によって推定ユーザの特性を推定するので、端末側で分散してアクセス履歴の分析および特性推定を行うことができ、大規模環境にも対応することが可能になる。
【0137】
なお、上記した実施例1では、サーバ10が特性推定処理を一括して実行し、実施例2では、サーバ10が特性推定モデルの生成処理を実行する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ10に接続される接続装置が、実施例1や実施例2で説明したサーバ10の処理を実行する場合であってもよい。
【0138】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。例えば、特性推定時機を、常に、サーバ10の管理者によって手動で設定する場合であってもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0139】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、行動データ生成部16dを、教師ユーザの行動データ生成用の処理部と、推定ユーザの行動データ生成用の処理部とに分散する場合であってもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0140】
なお、本実施例で説明した特性推定方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0141】
以上のように、本発明に係る特性推定装置、特性推定システム、特性推定方法および特性推定プログラムは、通信ネットワークを利用するユーザの特性を推定する場合に有用であり、特に、ユーザの通信ネットワークにおける嗜好特性を精度よく推定することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】実施例1におけるサーバを含む特性推定システムの全体構成を説明するための図である。
【図2】教師ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【図3】実施例1におけるサーバの構成を示すブロック図である。
【図4】教師ユーザ特性特定部を説明するための図である。
【図5】アクセス履歴管理記憶部を説明するための図である。
【図6】履歴・行動対応テーブル記憶部を説明するための図である。
【図7】行動データ生成部による教師ユーザの行動データ生成を説明するための図である。
【図8】行動データ生成部による推定ユーザの行動データ生成を説明するための図である。
【図9】特性推定モデル生成部を説明するための図である。
【図10】教師ユーザ端末による処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図11】サーバによる教師ユーザの特性特定処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図12】サーバによる推定ユーザの特性推定処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施例2におけるサーバの構成を示すブロック図である。
【図14】実施例2における推定ユーザ端末の構成を示すブロック図である。
【図15】実施例2におけるサーバによる特性モデル生成処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図16】実施例2における推定ユーザ端末による処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0143】
10 サーバ
11 入力部
12 出力部
13 通信部
14 入出力制御I/F部
15 記憶部
15a アンケート管理記憶部
15b 教師ユーザ特性記憶部
15c アクセス履歴管理記憶部
15d 履歴・行動対応テーブル記憶部
15e 行動データ記憶部
15f 特性推定モデル記憶部
15g 推定ユーザ特性記憶部
16 処理部
16a アンケート送受信制御部
16b 教師ユーザ特性特定部
16c アクセス履歴収集部
16d 行動データ生成部
16e 特性推定モデル生成部
16f 推定ユーザ特性推定部
20 推定ユーザ端末
30 教師ユーザ端末
31 入力部
32 出力部
33 通信部
34 入出力制御I/F部
35 記憶部
35a アンケート記憶部
36 処理部
36a アンケート入力処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを利用するユーザの特性を推定する特性推定装置であって、
アクセス履歴を構成するアクセス情報と、前記アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴行動対応情報を保持する履歴行動対応情報保持手段と、
前記特性が予め特定されたユーザである特性特定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手段が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記特性特定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記特性特定ユーザの行動情報と前記特性特定ユーザの予め特定された特性とから、前記特性を推定するための特性推定モデルを生成する特性推定モデル生成手段と、
前記特性の推定対象となるユーザである推定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手段が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記推定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記推定ユーザの行動情報と、前記特性推定モデル生成手段によって生成された前記特性推定モデルとを用いて前記推定ユーザの特性を推定する特性推定手段と、
を備えたことを特徴とする特性推定装置。
【請求項2】
前記特性推定手段は、所定の条件に基づく時機ごとに前記推定ユーザの特性を更新して推定することを特徴とする請求項1に記載の特性推定装置。
【請求項3】
通信ネットワークを介したサービスを提供するサーバ、または当該サーバに接続される接続装置と、前記サーバから提供される前記サービスを利用するユーザの端末とを含んで構成され、前記ユーザが前記通信ネットワークを利用する際の特性を推定する特性推定システムであって、
前記サーバ、または前記接続装置は、
アクセス履歴を構成するアクセス情報と、前記アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴行動対応情報を保持する履歴行動対応情報保持手段と、
前記特性が予め特定されたユーザである特性特定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手段が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記特性特定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記特性特定ユーザの行動情報と前記特性特定ユーザの予め特定された特性とから、前記特性を推定するための特性推定モデルを生成する特性推定モデル生成手段と、
を備え、
前記端末は、
前記特性の推定対象となるユーザである推定ユーザの端末である推定ユーザ端末である場合に、
前記サーバ、または前記接続装置から前記履歴行動対応情報保持手段が保持する前記履歴行動対応情報および前記特性推定モデル生成手段によって生成された前記特性推定モデルを取得する取得手段と、
前記推定ユーザのアクセス履歴と、前記取得手段によって取得された前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記推定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記推定ユーザの行動情報と、前記取得手段によって取得された前記特性推定モデルとを用いて前記推定ユーザの特性を推定する特性推定手段と、
を備えたことを特徴とする特性推定システム。
【請求項4】
前記特性推定手段は、所定の条件に基づく時機ごとに前記推定ユーザの特性を更新して推定することを特徴とする請求項3に記載の特性推定システム。
【請求項5】
通信ネットワークを利用するユーザの特性を推定する特性推定方法であって、
アクセス履歴を構成するアクセス情報と、前記アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴行動対応情報を保持する履歴行動対応情報保持ステップと、
前記特性が予め特定されたユーザである特性特定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持ステップが保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記特性特定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記特性特定ユーザの行動情報と前記特性特定ユーザの予め特定された特性とから、前記特性を推定するための特性推定モデルを生成する特性推定モデル生成ステップと、
前記特性の推定対象となるユーザである推定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持ステップが保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記推定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記推定ユーザの行動情報と、前記特性推定モデル生成ステップによって生成された前記特性推定モデルとを用いて前記推定ユーザの特性を推定する特性推定ステップと、
を含んだことを特徴とする特性推定方法。
【請求項6】
通信ネットワークを利用するユーザの特性を推定する特性推定方法をコンピュータに実行させる特性推定プログラムであって、
アクセス履歴を構成するアクセス情報と、前記アクセス情報から抽出されるユーザの行動情報とを対応付けた履歴行動対応情報を保持する履歴行動対応情報保持手順と、
前記特性が予め特定されたユーザである特性特定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手順が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記特性特定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記特性特定ユーザの行動情報と前記特性特定ユーザの予め特定された特性とから、前記特性を推定するための特性推定モデルを生成する特性推定モデル生成手順と、
前記特性の推定対象となるユーザである推定ユーザのアクセス履歴と、前記履歴行動対応情報保持手順が保持する前記履歴行動対応情報とに基づいて、前記推定ユーザの行動情報を抽出し、抽出された前記推定ユーザの行動情報と、前記特性推定モデル生成手順によって生成された前記特性推定モデルとを用いて前記推定ユーザの特性を推定する特性推定手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする特性推定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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