説明

特異的免疫グロブリンクラスG抗体の検出方法

本発明は、洗浄工程を行うことなく1工程形態で行われうるアッセイによるサンプル中のアナライトの測定方法に関する。該方法は、該アナライトに対する少なくとも1つの結合点を含有する第1のアナライト特異的受容体(例えば、粒子上の数個の抗体)、および該第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子を含む配置物に選択的に結合できる第2のアナライト特異的受容体を含む。検出が電気化学発光に基づくものである抗体サンドイッチイムノアッセイが記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄工程を伴わずに1工程形態で行われうるアッセイによるサンプル中のアナライトの測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳類生物の免疫系は、外来物質の侵入に対する応答として、免疫グロブリンとしても知られる抗体を産生する。それらは、抗原とも称される外来物質に対する防御として働く。免疫グロブリンは5つの異なるクラスに分類可能であり、M、G、A、EおよびDクラスの免疫グロブリン間で区別がなされる。これらの5つの免疫グロブリンクラスは、それぞれμ、γ、α、εおよびδ鎖と称される重鎖の組成において異なる。
【0003】
各免疫グロブリンクラスは、生物において、異なる機能を有する。クラスM免疫グロブリンは抗原との最初の接触中に生じ、これは初回免疫と称される。しかし、これらの免疫グロブリンの濃度は、感染が進行するにつれて急速に減少する。クラスG免疫グロブリンは最初は初回免疫中にゆっくり生成し、同じ抗原による2回目の感染において大量に生じる。クラスA免疫グロブリンは生物の粘膜の表面上で見出され、局所防御過程をもたらす。クラスE免疫グロブリンは主としてアレルギー反応を引き起こす。クラスD免疫グロブリンの厳密な機能は現在のところ不明である。
【0004】
個々の免疫グロブリンクラスは、非常に異なる濃度で血中に存在する。すなわち、クラスG免疫グロブリン(IgG)は、正常ヒト血清中に最も豊富に存在するクラスであり、その割合は約75%であり、これは8〜18mg/mlの血清中含量に相当する。2番目に多い免疫グロブリンはIgAであり、その平均血清濃度は0.9〜4.5mg/mlである。クラスM免疫グロブリンは0.6〜2.8mg/mlの濃度で存在し、クラスD免疫グロブリンは0.03〜0.4mg/mlの濃度で存在する。IgE抗体の比率は最も低く、それは血清中に0.02〜0.05μg/mlの濃度で存在するに過ぎない。
【0005】
抗原に特異的な特定クラスの抗体を検出するための種々の方法が先行技術において記載されている。すなわち、サンプル中の特定クラスの抗原特異的抗体の検出は、しばしば、該特異的抗原でコーティングされた固相に特異的抗体を結合させることにより行われる。該抗原に特異的であり今や該固相に結合した免疫グロブリン(Ig)は、検出すべきIg分子に対する特定クラスのヒトIgに特異的に向けられた抗体の結合により検出される。ヒトIgに対する抗体には、検出を行うための標識が付される。しかし、そのような試験法(間接試験形態)は、ヒトIgに対するクラス特異的標識抗体との反応の前に、全ての非特異的未結合Igが洗浄により除去される場合にのみ可能である。したがって、自動化システムにしばしば必要とされるような1工程試験法はこの形態では不可能である。
【0006】
いわゆる架橋試験は、1工程試験において抗体検出を行う可能性を切り開くものである。架橋試験の概念はEP-A-0 280 211に記載されている。この方法においては、測定すべき抗体に特異的に結合しうる第1の結合パートナー(例えば、抗原)を固相に結合させる。測定する抗体は該固相結合抗原に結合する。標識が付された別の特異的抗原も該試験混合物中に存在する。該標識を利用して該抗体を検出する。異なるクラスであるが同じ特異性の免疫グロブリンがサンプル中に存在する場合、該試験はそれらの異なるクラス間を区別しない。
【0007】
EP 0 944 838 B1は、同じ特異性のIgM抗体をも含有するサンプル中の抗原特異的IgG抗体の選択的測定を可能にする架橋試験検出方法を開示している。この場合、該抗原を単量体形態で使用する。該単量体抗原は、同じ特異性を有するIgM抗体が該抗原と反応できないかまたは弱くしか反応できないという効果を有する。
【0008】
特異的抗体試験は感染血清学において特に重要であり、その試験では病原体の抗原性構造に対する免疫応答が検出される。病原体の抗原を得るための様々な起源(原核系および真核系における組換え発現;病原体の制御培養、天然源からの抗原の単離)は最新技術であるが、1工程形態のIgG選択的イムノアッセイを続いて行うための単量体形態の抗原を得ることが常に可能なわけではない。
【0009】
EP 0 957 360 B1は、アナライトの測定方法におけるフック効果を低減するためのリウマチ因子の使用を記載している。
【0010】
EP 1 098 198 A1はヒトIgG抗体の測定のためのイムノアッセイを記載している。この場合、抗原に結合したヒトIgGのFcフラグメントのコンホメーションエピトープに対する特定のモノクローナル抗体を使用する。この抗体はIgGの選択的検出のために使用され、抗原に結合するIgGと、いずれの抗原にも結合しないIgGとを識別しうる。しかし、未結合IgGの存在が障害となり、シグナルの減少を招く。
【0011】
EP 1 653 233 A1は、IgGクラスの抗原特異的抗体の測定のための試験方法を記載しており、この方法では、抗原が結合している固相と、サンプルを接触させる。この方法においては、固相に非特異的に結合した免疫グロブリンと、抗原に結合した免疫グロブリンとを識別するモノクローナル抗体を使用する。サンプルを固相に接触させた後、それを洗浄し、ついで該モノクローナル抗体を適用する。
【0012】
自動分析装置を使用して行われうる1工程形態で抗原特異的免疫グロブリンGを検出するためのイムノアッセイが特許出願WO 99/15898(Chienら)に記載されている。この場合、ヒト免疫グロブリンGの定常部に特異的な抗体を使用する。このアッセイにおいては、遊離IgGと複合体化IgGとの間の十分な識別がされず、遊離非特異的IgGによる有意な干渉が生じる。
【0013】
したがって、IgGの検出のための先行技術の1工程方法は遊離IgGと結合IgGとを適切に識別できない。同じ特異性のIgGおよびIgMを識別するためには、抗原は単量体でなければならず、これは、しばしば達成され得ない要件である。
【0014】
したがって、本発明の目的は、自動化システムで有利に用いられうるよう1工程方法で行われうる、サンプル中のアナライト、特に、免疫グロブリンクラスGの抗原特異的抗体の検出方法を開発することであった。また、本発明は、先行技術の欠点を少なくとも部分的に克服するという目的を有する。このためには、遊離アナライトと結合アナライトとを適切に識別することが必要である。
【発明の概要】
【0015】
第1の態様において、本発明は、サンプル中のアナライトの測定方法であって、以下の工程:
(a)第1のアナライト特異的受容体および第2のアナライト特異的受容体と該サンプルを接触させる工程であって、それらの2つの受容体の一方は固相に結合しているか、または固相に結合することができ、もう一方の受容体はシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができる工程、ならびに
(b)該固相上の該シグナル生成基を測定することにより、該アナライトの存在および/または量を検出する工程
を含んでなり、ここで第1のアナライト特異的受容体が該アナライトに対する少なくとも2つの結合部位を含有し、第2のアナライト特異的受容体が、該第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子の配置物に選択的に結合することができる、方法に関する。
【0016】
驚くべきことに、サンプル中のリウマチ因子の存在は本発明の方法を妨げないことが判明した。
【0017】
本発明の方法はサンプル中の任意のアナライトの検出に適している。アナライトは抗原特異的抗体、例えば、G、M、A、Dおよび/またはEクラスの抗原特異的抗体であることが好ましい。アナライトは、より好ましくは、Gクラスの抗原特異的抗体、例えば、病原体、腫瘍抗原および/または自己抗原に対するGクラスの抗原特異的抗体である。
【0018】
アナライトを含有するサンプルは、好ましくは、液体サンプルである。液体サンプルは任意の液体サンプル、例えば水性サンプルでありうる。サンプルは生物学的サンプルおよび/または臨床サンプル、例えば体液、例えば血液、血清、尿、喀痰、膿などでありうる。サンプルは、より好ましくは、リウマチ因子を含有しうる。
【0019】
好ましい実施形態においては、第1および第2のアナライト特異的受容体は互いに異なる。
【0020】
本発明の方法においては、第2の受容体は、第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子の配置物に選択的に結合しうる。「少なくとも2つのアナライト分子の配置物」は、少なくとも2つのアナライト分子が一緒になって、第2の受容体が選択的に結合可能な(すなわち、第2の受容体により認識されうる)構造を有していることを意味し、ここで、第2の受容体は、単独のアナライト分子、特に、第1の受容体に結合していない単独のアナライト分子を識別しうるものである。また、「選択的に結合しうる」とは、第2の受容体が、少なくとも2つのアナライト分子の配置物に、単独のアナライト分子への結合よりも強力に結合しうることを意味する。配置物はまた、第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子(特に抗体)を含む免疫複合体でありうる。第1の受容体は、少なくとも2つのエピトープを有する抗原を含みうる。
【0021】
「配置物(Anordnung)」は、好ましくは、互いに「凝集」しており第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子を含有する。本発明の意義における「凝集している」または「凝集する」は、該受容体に結合したアナライト分子が、第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子に第2のアナライト特異的受容体が結合するよう選ばれる特定距離を互いに隔てて存在することを意味する。したがって、第1の受容体に結合したそれらのアナライト分子は互いに空間的に接近している。第1の受容体に結合したアナライト分子間の距離は該受容体内の結合部位間の距離により決定される。本発明の意義における「凝集している」または「凝集する」は、第1の受容体に結合したアナライト分子が互いに化学的に結合していない、あるいは互いの間に化学結合、例えば共有結合または非共有結合、例えば水素結合もしくは抗原-抗体結合を有することを含む。
【0022】
第1のアナライト特異的受容体はアナライトに対する少なくとも2つの結合部位を含有する。第1のアナライト特異的受容体は、少なくとも2つの異なる結合部位、少なくとも2つの同一の結合部位、または異なる及び同一のアナライト結合部位の組合せ、を含有しうる。
【0023】
さらにもう1つの好ましい実施形態においては、第1の受容体はオリゴマー受容体または多量体受容体である。本発明の意義における「オリゴマー」または「多量体」は、第1の受容体がアナライトに対する複数の結合部位、好ましくは、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50または少なくとも100個の結合部位を含有することを意味する。第1の受容体は、好ましくは、200個まで、100個まで、50個まで、20個まで、10個まで、または5個までの結合部位を含有する。本発明の意義における「オリゴマー」または「多量体」は、第1の受容体がビルディングブロック(該ビルディングブロックのそれぞれは結合部位を有さないまたは1個の結合部位もしくは複数の結合部位を有するものであってよい)のオリゴマーまたは多量体でありうるという意味をも含む。「オリゴマー」または「多量体」は「オリゴ価」または「多価」をも含む。
【0024】
もう1つの好ましい実施形態においては、第1の受容体は受容体前駆体の形態で提供される。好ましくは、少なくとも2つの受容体前駆体が提供される。該受容体前駆体は、好ましくは、互いに会合し、または互いに結合して、第1の受容体を形成する。該受容体前駆体は、本発明の方法の工程(a)において互いに会合または結合して第1の受容体を形成することができる性質のものでありうる。それらはまた、本発明の方法の工程(a)の前に互いに会合または結合しうる性質のものでありうる。前記の少なくとも2つの受容体前駆体は、該受容体前駆体のいずれか一方がアナライトに対する全結合部位を含むか、または両方の受容体前駆体がアナライトに対する少なくとも1つの結合部位を含むという性質のものでありうる。
【0025】
前記の少なくとも2つの受容体前駆体は化学結合により互いに会合または互いに結合することが可能であって、該結合は共有結合または非共有結合でありうる。当業者に公知の任意の結合系が該会合または結合のために用いられうる。本明細書に記載されているX/抗X結合系、例えば、アビジン/ストレプトアビジンビオチン系が好ましい。したがって、前記の少なくとも2つの受容体前駆体の一方はビオチン基を含有することが可能であり、もう一方の受容体前駆体はアビジンまたはストレプトアビジン基を含有する。例えば、アナライトに対する少なくとも1つの結合部位を含有するペプチドのようなビオチン化分子は、アビジンまたはストレプトアビジンでコーティングされたビーズとの結合または会合により第1の受容体を形成することが可能であり、この場合、該受容体はアナライトに対する少なくとも2つの結合部位を含有する。該ビーズはビオチン化されうるが、少なくとも1つの結合基を含有する分子はアビジンまたはストレプトアビジンと結合してもよい。
【0026】
したがって、第1の受容体は、アナライトに対する少なくとも2つの結合部位の配置物を含有するビーズを含みうる。第1の受容体は、少なくとも10個、少なくとも50個または少なくとも100個の結合部位を含むビーズを含むことが好ましい。
【0027】
本発明の方法の更にもう1つの好ましい実施形態においては、第1の受容体は、アナライトに対する結合部位として少なくとも2つのエピトープを含有する抗原を含む。この実施形態においては、アナライトは抗体、好ましくは、G、M、A、Dおよび/またはEクラスの抗体、より一層好ましくは、Gクラスの抗体である。
【0028】
本発明の抗原はオリゴマー抗原または多量体抗原でありうる。前記の少なくとも2つのエピトープは同一であっても異なっていてもよい。該抗原は、少なくとも2つの異なるエピトープ、少なくとも2つの同一のエピトープ、または同一の及び異なるエピトープの組合せを含みうる。該抗原は反復エピトープを含みうる。該抗原は複数のエピトープ、好ましくは、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個または少なくとも50個のエピトープを含有しうる。該抗原は100個まで、50個まで、20個まで、10個まで、または5個までのエピトープを含有しうる。
【0029】
本発明の抗原は、異なる構造的特徴および組成を有する任意のエピトープを有しうる。該抗原は微生物、細胞、細胞オルガネラ、細胞区画またはライセート、またはその調製物、例えば膜調製物を含みうる。該抗原は、天然源から単離された抗原、あるいは原核生物および/もしくは真核生物における組換え発現ならびに/または化学合成により産生された抗原でありうる。該抗原のオリゴマー化または多量体化は、場合によっては、自然集合または凝集により、あるいは標的化吸着結合または共有結合により、あるいは吸着または共有結合により生じうる。
【0030】
もう1つの好ましい実施形態においては、第2のアナライト特異的受容体は抗体を含む。好ましくは凝集化またはオリゴマー化免疫グロブリンには結合できるが単独の免疫グロブリンには結合できないリウマチ因子様特性を有する抗体がより好ましい。
【0031】
第2の受容体は、アナライトの結合に対する低いアフィニティを有する抗体を含むことが同様に好ましい。本発明の抗体のアフィニティは抗体上の個々の抗原結合部位と個々のエピトープとの間の全ての非共有的相互作用の強度として定義される。低いアフィニティを有する抗体は弱く結合し迅速に解離し、一方、高いアフィニティの抗体はより強く結合し、より長期にわたって結合を維持できる。
【0032】
結合部位におけるアフィニティは、抗原-抗体相互作用(例えば、アナライト分子、例えば抗原特異的抗体が結合する少なくとも2つのエピトープを有する第1の受容体としての本発明の抗原と、例えば、第2の受容体としての複数の結合部位を有する抗体との間の相互作用)の実際の強度を常に反映するわけではない。1つの部位における抗体の抗原結合部位と抗原との間の相互作用は、相互作用相手の架橋をもたらしうる、同じ抗体の第2の抗原結合部位における反応の可能性を増加させる。多価抗体と抗原との間のそのような複数の相互作用の強度はアビディティと称される。これに関して、例えば五量体免疫グロブリンIgMの場合のように、高いアビディティは低いアフィニティを補償する。
【0033】
好ましい実施形態においては、第2の受容体は、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、特に好ましくは10個またはそれ以上のパラトープを含む抗体である。
【0034】
本発明においては、第2の受容体は、より好ましくは、アナライトに対する低いアフィニティおよび高いアビディティの抗体、例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、特に好ましくは10個またはそれ以上のパラトープを含む抗原特異的抗体を含む。より一層好ましい第2の受容体は、互いに架橋された免疫グロブリンクラスIgMまたはIgG免疫グロブリンの抗原特異的抗体である。抗体<h-agg.IgG>IgMが最も強く好ましい。
【0035】
本発明の低アフィニティ抗体は好ましくは、10-8M以上、好ましくは10-7M以上、より好ましくは10-6M以上のアフィニティ係数を有する。
【0036】
第2の受容体としての本発明の低アフィニティ抗体は、好ましくは、アナライト分子、特に、配置物において例えば十分な密度でおよび/または凝集物として第1の受容体に結合した抗原特異的抗体を認識する。未結合アナライト分子、または第1の受容体に非特異的に結合し疎かつ不規則に分布したアナライト分子は、好ましくは、認識されないか、または無視しうる程度でしか認識されない。したがって、本発明のそのような第2のアナライト特異的受容体は、少なくとも2つのアナライト分子が結合した第1の受容体に、選択的に結合しうる。
【0037】
IgMクラスの抗体は一般的なリウマチ抗体クラスの特性を有する。すなわち、それらは、好ましくは、免疫グロブリンクラスIgGの抗原特異的結合抗体に結合する。なぜなら、それらは、イムノアッセイの多量体抗原上に十分に密に詰まった抗原特異的抗体を認識するに過ぎないからである。該抗原に特に特異的ではない未複合体化遊離免疫グロブリンGは認識されないか、または無視しうる程度でしか認識されない。
【0038】
このように、例えば、同一抗原特異性を有する他のクラスの免疫グロブリンの存在下、そしてまた、非特異的IgGの存在下で、アッセイを損なう感度低下を起こすことなく抗原特異的IgGを検出することが可能である。本発明の第2の受容体の使用は、抗原特異的結合免疫グロブリンGと非抗原特異的遊離IgGとの間で高度な識別が達成されることを可能にする。さらに、本発明の第2の受容体は、好ましくは、本発明における抗原上で互いに特異的に結合し互いに隣接して位置しオリゴマー化されうる免疫グロブリン分子を認識するが、それは遊離非複合体化抗原特異的免疫グロブリンを認識しないか、または無視しうる程度でしか認識しない。
【0039】
したがって、過剰に存在する天然の非抗原特異的IgG分子の存在下でのサンプル中のクラスGの抗原特異的免疫グロブリンの1工程形態での検出が保証される。
【0040】
「1工程方法」は、本発明の反応物とのアナライトの反応が1つの反応混合物中で実施可能であり、特に、該混合物の成分を1以上の洗浄工程により互いから分離する必要がないことを意味すると理解される。
【0041】
「1工程方法」または「1つの反応混合物中での反応」は、反応混合物(サンプル)に反応物を同時に/連続的に加える可能性、および/または他の補助物質(例えば、バッファー、塩など)を同時に/連続的に加える可能性を含む。
【0042】
好ましい「1工程方法」は、洗浄工程を伴うことなく行われる。
【0043】
別の好ましい実施形態においては、本発明の方法における工程(a)は、洗浄工程を行うことなく1つの反応混合物中で行われる。より好ましくは、工程(a)および(b)は、洗浄工程を行うことなく1つの反応混合物中で行われる。本発明の方法は、免疫グロブリンクラスGの抗原特異的抗体が1工程形態で検出されることを可能にする。これらの抗体試験は感染症および自己免疫疾患のin vitro診断において特に重要である。
【0044】
他の実施形態においては、本発明の方法は洗浄工程を含みうる。
【0045】
最も好ましい実施形態においては、本発明の方法における第1の受容体は本発明における抗原であり、第2の受容体はリウマチ因子様抗体、特に、Mクラスの免疫グロブリンであり、アナライトは抗原特異的免疫グロブリンGである。したがって、抗原結合相手への複数の特異的免疫グロブリンGの結合が可能であり、そしてそれはIgG分子のオリゴマー化をもたらしうる。すなわち、2以上のIgGが互いに空間的に接近し、その結果、リウマチ因子様受容体に結合可能となりうる。
【0046】
さらにもう1つの好ましい実施形態においては、本発明の方法は診断方法、特に、生物学的サンプル、特に臨床サンプル中の抗体の検出のための診断方法である。本発明の診断方法においては、例えば、病原体、例えばウイルスもしくは微生物、腫瘍抗原および/または自己抗体に対する抗体を検出することが可能である。特に、ウイルス、例えば風疹、CMV、HAV、HBV、HCVに対する抗体を検出することが可能である。
【0047】
本発明の方法においては、抗体フラグメントも受容体として使用されうる。抗体のフラグメント化は当業者に公知であり、通常の技術により行われる。タンパク質分解切断および/または組換え法により製造されるフラグメントの具体例には、Fab、F(ab')2、Fab'、Fvおよび一本鎖抗体(scFv)(これはペプチドリンカーと共にV[L]および/またはV[H]ドメインを含有する)が含まれる。scFv'は、2以上の結合部位を有する抗体を形成するよう共有結合または非共有結合しうる。本発明の抗体は、組換え生産されうるポリクローナル、モノクローナル、キメラまたはヒト化抗体でありうる。第2の受容体はモノクローナル抗体であることが好ましい。
【0048】
本発明の抗体は、好ましくは、モノクローナル抗体、特に、IgG(特にヒトIgG)に対する低いアフィニティおよび高いアビディティという特性を有するIgMクラスのモノクローナル抗体である。高いアビディティを用いて、この抗体は、多点結合により複合化状態のヒトIgGの認識を選択的に確保しうる。
【0049】
本発明においては、それらの2つの受容体の一方は固相に結合しているか、または固相に結合することができ、それらの2つの受容体のもう一方はシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができる。好ましい実施形態においては、第1の受容体は固相に結合しているか、または固相に結合することができ、第2の受容体はシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができる。別の好ましい実施形態においては、第2の受容体は固相に結合しているか、または固相に結合することができ、第1の受容体はシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができる。
【0050】
当業者によく知られている全てのシグナル生成基がシグナル生成基として使用されうる。好ましくは、直接的に検出可能な基、例えば、化学発光、蛍光または放射性基、あるいは金属ソール(sole)、ラテックスまたは金粒子が使用される。該シグナル生成基は、当業者に公知の方法で検出されうる。
【0051】
結合しうる第1のまたは第2の受容体は、好ましくは、可溶性であり、好ましくは、該受容体に結合するよう働く標識を含有する。X/抗X結合系のパートナー、例えば、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、ビオチン/抗ビオチン、ハプテン/抗ハプテン、抗体のFcフラグメントおよびこのFcフラグメントに対する抗体、抗-抗体または糖鎖およびレクチンから選ばれる組合せのパートナーが標識として好ましい。該結合系のもう一方の反応相手は担体またはシグナル生成基に結合している。該結合系のパートナー(相手)は、当業者に公知の通常の方法により結合されうる。これに関しては、共有結合および吸着結合が適している。
【0052】
もう1つの実施形態においては、標識は、本明細書に記載されているシグナル生成基である。好ましくは、直接的に検出可能な基が標識として使用される。受容体を標識するための方法は先行技術として公知である。標識は、シグナル生成基を測定することにより自体公知の方法で直接的に検出される。
【0053】
標識は間接的方法によっても検出されうる。この場合、もう1つの結合相手(そしてこれ自体はシグナル生成基に結合している)が該受容体、該受容体上の標識、該抗原、および/または該抗原上の標識に特異的に結合する。
【0054】
本発明の方法の最も好ましい実施形態は、1工程形態のイムノアッセイによりサンプル中の免疫グロブリンクラスGの抗原特異的抗体を検出するための方法であって、以下の工程:
(a)抗原に特異的である免疫グロブリンクラスGの抗体を含有するサンプルを、抗原、その抗原に特異的に結合した免疫グロブリンGおよび第2の受容体からなる免疫複合体が形成される条件下、オリゴマー形態または多量体形態の抗原を含みシグナル生成基を含有する第1の受容体、および抗原結合凝集免疫グロブリンGに選択的に結合し標識を含有する第2の受容体と接触させる工程、
(b)(a)からの反応混合物を、第2の受容体の標識に対する固定化結合相手を含有する固相と、(a)からの免疫複合体が第2の受容体を介して該固相に結合する条件下で接触させる工程、
(c)該シグナル生成基を利用して(b)から結合複合体を検出する工程
を含んでなる方法である。
【0055】
本発明の方法の別の最も好ましい実施形態は、1工程形態のイムノアッセイによりサンプル中の免疫グロブリンクラスGの抗原特異的抗体を検出するための方法であって、以下の工程:
(a)抗原に特異的である免疫グロブリンクラスGの抗体を含有するサンプルを、抗原、その抗原に特異的に結合した免疫グロブリンGおよび第2の受容体からなる免疫複合体が形成される条件下、オリゴマー形態または多量体形態の抗原を含み標識を含有する第1の受容体、および抗原結合凝集免疫グロブリンGに選択的に結合しシグナル生成基を含有する第2の受容体と接触させる工程、
(b)(a)からの反応混合物を、第1の受容体の標識に対する固定化結合相手を含有する固相と、(a)からの免疫複合体が第1の受容体を介して該固相に結合する条件下で接触させる工程、
(c)該シグナル生成基を利用して(b)から結合複合体を検出する工程
を含んでなる方法である。
【0056】
本発明のもう1つの主題は、好ましい実施形態を含む本明細書に記載されている本発明の方法における使用に適したキットである。
【0057】
好ましいキットは第1のアナライト特異的受容体および第2のアナライト特異的受容体を含み、それらの2つの受容体の一方は固相に結合しているか、または固相に結合することができ、もう一方の受容体はシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができ、ここで第1のアナライト特異的受容体はアナライトに対する少なくとも2つの結合部位を含有し、第2のアナライト特異的受容体は、第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子の配置物に選択的に結合することができるものである。
【0058】
より好ましい本発明のキットにおいては、第1のアナライト特異的受容体および第2のアナライト特異的受容体は、1つの反応混合物中で使用されるように製剤化されている。
【0059】
更に好ましい実施形態は、第1の受容体が固相に結合しているか、または固相に結合することができ、第2の受容体がシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができるキットに関する。
【0060】
もう1つの同様に更に好ましい実施形態は、第2の受容体が固相に結合しているか、または固相に結合することができ、第1の受容体がシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができる、キットに関する。
【0061】
もう1つの好ましい実施形態においては、第1の受容体はまた、本発明のキットにおいて、受容体前駆体の形態で提供されうる。受容体前駆体は、本発明の方法との関連で本明細書に記載されている。特に、該キットは受容体前駆体としてのビーズ、および追加的受容体前駆体、例えばペプチドを含有しうる。
【0062】
本発明のキットはまた、少なくとも10個、少なくとも50個または少なくとも100個の結合部位を含む第1の受容体としてのビーズをも含みうる。
【0063】
本発明のもう1つの態様は、サンプル中のアナライトの測定方法における、アナライトに対する少なくとも2つの結合部位を含有するアナライト特異的受容体の使用に関する。この方法は、好ましくは、本明細書に記載されている方法、より好ましくは、本明細書に記載されている診断方法である。
【0064】
本発明は以下の実施例により説明される。該実施例のそれぞれは、本発明によるデータ、および先行技術の方法を用いて得られた比較データを含む。
【0065】
実施例
【実施例1】
【0066】
本発明の方法によるヒト血清中の抗風疹特異的免疫グロブリンGの検出、および洗浄工程を伴う間接試験形態の先行技術のイムノアッセイと本発明の方法との感度の比較
1.1 本発明の方法
Elecsys(登録商標)2010自動分析装置(Roche Diagnostics GmbH)を使用して、天然血清中の抗風疹IgGを免疫学的に検出した。本発明の抗体を捕捉抗体として使用して測定を行った。この抗体のビオチンコンジュゲートをストレプトアビジンコート化磁気ビーズの表面上に固定化した。したがって、それはサンプルからの多量体風疹様粒子(RLP)に結合した抗風疹IgGに結合する。RLPに結合したルテニウム化モノクローナル抗体により、該複合体を検出した。Elecsys(登録商標)2010におけるシグナル検出は電気化学発光に基づくものであった。
【0067】
該発色性ルテニウム複合体を、特異的免疫グロブリンアナライトの存在下、固相に結合させたところ、白金電極上での励起後、620nmの光を放出した。該光シグナルは任意の単位で示される。該測定は、混合力価を有するパネルおよび2つのセロコンバージョンパネルからの抗風疹IgG陽性サンプルを使用して行った。
【0068】
1.2 先行技術
比較のために、先行技術の2工程イムノアッセイ(Cobas Core, 風疹IgG recomb II)を行った。
【表1】

【0069】
【表2】

【0070】
セロコンバージョンパネルにおける陽性力価は、該1工程方法においては、それぞれ第21日および第18日に検出できたが、該2工程方法においては、それぞれ第28日および第24日まで検出できなかった。
【0071】
本発明のイムノアッセイ形態は先行技術の2工程イムノアッセイより高感度である。なぜなら、陽性力価の検出が、より早い時点で可能だからである。
【実施例2】
【0072】
本発明の特性(低アフィニティ、凝集ヒトIgGへの選択的結合)を有する抗ヒトIgG抗体受容体と、先行技術の特性(高アフィニティ、凝集および未凝集IgGへの同等に強力な結合)を有する抗ヒトIgG抗体受容体との性能の比較
実施例1の免疫学的方法を用いて、マスター・キャリブレータ(master calibrator)(MC)、陰性および陽性血清を抗風疹IgG抗体に関して試験した。
【表3】

【0073】
この実施例においては、遊離IgGによる本発明の試験の阻害に対する感受性を調べた。左側の結果の欄は、ヒト血清サンプル中に常に存在する遊離IgGが該試験を阻害することなく、高い試験感度が達成されることを示している。低いアフィニティを有する、ヒト凝集IgGに対する捕捉抗体は、遊離IgGに結合しないか、または無視しうる程度でしか結合しない。したがって、凝集IgGのみが固相に結合し、そしてこれが次に、多量体/多価風疹抗原(「風疹様粒子」)への結合およびルテニウム化抗風疹MABによる検出により、抗風疹特異的IgGとして検出されうる。
【0074】
これとの対比として、先行技術による試験方法に関する結果が実施例2における右側の欄に示されている。該先行技術においては、捕捉抗体は凝集IgGと未凝集(すなわち、遊離)IgGとを識別しない。したがって、凝集IgGだけでなく遊離IgGも固相に結合する。それに続く風疹抗原の結合および検出反応において、これは該試験の感度を明らかに低下させる。サンプルMC4は本発明の試験方法では24.79の値を有するが、同じサンプルは先行技術の方法では1.71の値にしか達しない(すなわち、カットオフ指数1をかろうじて超えているに過ぎない)。
【0075】
その相違は、該結果の表の最後の2行、特に最後の1行において、非常にはっきりとする。血清「陽性1851」は本発明の方法においては明らかに抗風疹陽性(値: 8.07)であるが、該先行技術の方法は同じサンプルを陰性、すなわち、偽陰性(値0.47、すなわち、カットオフ指数1未満)に分類している。
【0076】
このように、該先行技術の方法の感度の不足は致命的な結果をもたらしうる。なぜなら、陽性サンプルが誤って陰性として検出されるからである。
【0077】
これらの結果は、本発明の受容体抗体の使用が、先行技術の受容体抗体の場合より高感度な、抗風疹抗体の検出を可能にすることを明らかに示している。
【実施例3】
【0078】
リウマチ因子を含有するヒト血清サンプル中の抗風疹IgG抗体の検出
リウマチ因子を含有する市販のヒト血清サンプル(Bioclinical Partners)を、実施例1に記載されている本発明の方法を用いて、抗風疹IgG抗体に関して試験した。
【0079】
先行技術の2工程イムノアッセイ(Cobas Core, 風疹IgG recomb II)を、比較実験として行った。
【表4】

【0080】
該結果は、リウマチ因子の存在にもかかわらず、本発明の方法がサンプルを正確に分類していることを明らかに示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル中のアナライトの測定方法であって、以下の工程:
(a)第1のアナライト特異的受容体および第2のアナライト特異的受容体と該サンプルを接触させる工程であって、それらの2つの受容体の一方は固相に結合しているか、または固相に結合することができ、もう一方の受容体はシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができる工程、ならびに
(b)該固相上の該シグナル生成基を測定することにより、該アナライトの存在および/または量を検出する工程
を含んでなり、ここで第1のアナライト特異的受容体が該アナライトに対する少なくとも2つの結合部位を含有し、第2のアナライト特異的受容体が、該第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子の配置物に選択的に結合することができる、方法。
【請求項2】
該アナライトが、抗原特異的抗体、特に、免疫グロブリンクラスGの抗原特異的抗体である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該第1の受容体が該固相に結合しているか、または該固相に結合することができ、該第2の受容体が該シグナル生成基を含有するか、または該シグナル生成基に結合することができる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
該第2の受容体が該固相に結合しているか、または該固相に結合することができ、該第1の受容体が該シグナル生成基を含有するか、または該シグナル生成基に結合することができる、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
該第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子が凝集している、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
該第1の受容体が該アナライトに対する少なくとも2つの異なる結合部位、少なくとも2つの同一の結合部位、または異なる及び同一の結合部位の組合せ、を含有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
該第1の受容体がオリゴマー受容体または多量体受容体である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
第1の受容体が、該アナライトに対する結合部位として少なくとも2つのエピトープを含有する抗原を含む、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
該第1の受容体がビーズを含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
該第1の受容体が受容体前駆体の形態で提供される、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
該受容体前駆体が、工程(a)の途中または前に互いに会合するかまたは互いに結合して該第1の受容体を形成するという性質を有する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
該第2の受容体がリウマチ因子様抗体である、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
該第2の受容体が、少なくとも2つのパラトープを有する抗体である、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
該第2の受容体が免疫グロブリンクラスMの抗体である、請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
該第2の受容体が、該アナライトに対する低いアフィニティおよび高いアビディティを有する抗体である、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
該第2の受容体がモノクローナル抗体である、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
工程(a)を、洗浄工程を行うことなく1つの反応混合物中で行う、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
診断方法である、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
第1のアナライト特異的受容体および第2のアナライト特異的受容体を含んでなるキットであって、それらの2つの受容体の一方が固相に結合しているか、または固相に結合することができ、もう一方の受容体がシグナル生成基を含有するか、またはシグナル生成基に結合することができ、第1のアナライト特異的受容体が該アナライトに対する少なくとも2つの結合部位を含有し、第2のアナライト特異的受容体が、該第1の受容体に結合した少なくとも2つのアナライト分子の配置物に選択的に結合することができる、キット。
【請求項20】
第1のアナライト特異的受容体および第2のアナライト特異的受容体が、1つの反応混合物中での使用のために製剤化されている、請求項19記載のキット。
【請求項21】
該第1の受容体が該固相に結合しているか、または該固相に結合することができ、該第2の受容体が該シグナル生成基を含有するか、または該シグナル生成基に結合することができる、請求項19または20記載のキット。
【請求項22】
該第2の受容体が該固相に結合しているか、または該固相に結合することができ、該第1の受容体が該シグナル生成基を含有するか、または該シグナル生成基に結合することができ、請求項19または20記載のキット。
【請求項23】
サンプル中のアナライトの測定方法における、該アナライトに対する少なくとも2つの結合部位を含有するアナライト特異的受容体の使用。
【請求項24】
診断方法における、請求項23記載の使用。

【公表番号】特表2010−526307(P2010−526307A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506844(P2010−506844)
【出願日】平成20年5月6日(2008.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003623
【国際公開番号】WO2008/135274
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT