説明

玄米の炊飯方法

【課題】 通常の炊飯器でも芯まで柔らかく炊くことができ、かつ煩瑣な工程を経ないで美味しくて栄養価の高い玄米の炊飯方法提供する。
【解決手段】 長径1〜3ミリ、短径0.5〜2ミリの大きさに粗挽きした玄米に水を加えて、炊飯器又は電子レンジにて炊飯する玄米の炊飯方法。この炊飯方法によるときは、玄米には何も加えないし、玄米から一切の栄養物の損失も無い、健康・栄養食品である。
この炊飯方法によって炊飯された玄米ご飯は、事前に表皮を削ったり、一部損傷を加えることもなく、又膨潤、膨化等の工程を一切必要とせずに、美味しくて、柔らかく、しかも栄養価に富んだ玄米ご飯が簡単に得られる。この玄米めしは美味しいので、飽きが来ないので、長期期間常食できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄米の美味しい炊飯方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
玄米は、糖、蛋白及び油分以外に、ビタミン、鉄分、カルシウム、ミネラル分、食物繊維等の種々の栄養素が数多く含まれており、これだけで人が必要とする栄養素の殆どが充足され、優れた健康・栄養食品の一種として注目され、その喫食が推奨されている。
しかしながら、玄米表面には、固くて、酸やアルカリにも侵されない強い表皮が存在し、そのまま炊飯しても美味しいご飯とならず、又消化性も劣る。そのため、玄米食を試みるが長続きせず、結局喫食されなくなるというのが実状である。
そこで、この玄米を喫食しやすくするために、玄米を一部加工処理したり、粉末化して他の食品と混和・加工食品として、或はジュースなどと混合して栄養ドリンクとして摂取するなどの試みが数多く為されているが、何れも満足して玄米を常用飲食するところには至っていない。
【0003】
例えば、玄米をそのまま浸漬、発芽させ、製品化する発芽玄米として喫食する方法、玄米の最外層表面だけを研磨除去し、97質量%〜99質量%に搗精して栄養分を極力残し、かつ炊飯時の食感を良好にする方法(特開2001−352916)、或は、表面の一部に傷を与えた後、炊飯する緑色玄米の炊飯加工方法(特開2008−264610)、更には、玄米の重量に対して1.0〜2.0倍の水を添加したものを炊飯器に入れ、加熱して沸騰させ、沸騰したら加熱を止めて玄米の品温が50℃以下になるまで静置して含水・膨潤させ、膨潤化玄米を製造する方法(特開2008−99579)、玄米を粉砕機にかけて粉砕し、これを180℃位に加熱して玄米粉とする方法(特開2005−34147)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−352916号公報
【特許文献2】特開2004−16106号公報
【特許文献3】特開2008−264610号公報
【特許文献4】特開2008−99579号公報
【特許文献5】特開2005−34147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、家庭でもできる、美味しく、飽きが来ない、芯まで柔らかい玄米の炊飯方法がない点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、玄米を粗擂潰機にかけて、粗挽きしたものを炊飯することを特徴とすることを最も主要な特徴とする芯まで柔らかい玄米の炊飯方法である。
即ち、本発明は、玄米を粗擂潰機にかけて、粗挽きし、炊飯することを特徴とする芯まで柔らかい玄米の炊飯方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の炊飯方法によって炊飯された玄米ご飯は、美味しく且つ芯まで柔らかくて飽きが来ない、その上、栄養面の損失も一切無い玄米食を提供する。本発明の炊飯方法によるときは、事前に表皮を削ったり、一部損傷を加えることもなく、又膨潤、膨化等の工程を一切必要とせずに、美味しくて、柔らかく、しかも栄養価に富んだ玄米ご飯が簡単に得られる。この玄米めしは美味しいので、飽きが来ないので、長期の期間常食できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するに当たって、玄米を粗挽きするために使用される粗擂潰機は、食品や医薬品製造に用いられる通常のハンマー型或はローター型粗擂潰機である。
一〜二人用程度の量であれば、家庭用コーヒーミルが手軽に使用できる。
粗挽きの程度は、凡そ長径1〜3ミリ、短径0.5〜2ミリの大きさに粗挽きしたものが食感、味とも良好である。これより細かくなると炊飯したとき、もちもちして食感が落ちる。
【0009】
かくして得た粗挽き玄米に水を加え、炊飯する。使用する水の量は、粗挽き玄米1に対し2〜2.4倍量(重量)、白米の炊飯と同様に炊飯器にかけても良いし、電子レンジにかけてもよい。又、電子レンジでの炊飯時間は、玄米100g程度の場合、7〜10分である。
この粗挽き玄米を白米と混合して炊飯することも本発明の一つの実施の態様である。混合比率は好みに応じ適宜で良い。
【0010】
即ち、本発明は、玄米を粗擂潰機にかけて、粗挽きし、これに水を加えて炊飯することを特徴とする玄米の炊飯方法である。又、長径1〜3ミリ、短径0.5〜2ミリの大きさに粗挽きした玄米に水を加えて、炊飯することを特徴とする玄米の炊飯方法である。更には、長径1〜3ミリ、短径0.5〜2ミリの大きさに粗挽きした玄米に水を加え、電子レンジにかけて炊飯することを特徴とする玄米の炊飯方法である。
以下実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
玄米100gをカリタ製家庭用コーヒーミル(Kalita)を用いて手動にて粗挽きした玄米100g(平均長粒径3mm)に200gの水を加え耐熱容器に入れ、電子レンジで7分加熱した。5分間蒸らしをした後喫食した玄米ご飯はおいしく、芯まで柔らかであった。
同様にして炊飯した玄米ご飯を1ヶ月間毎日食したが、飽きは全く来なかった。
【実施例2】
【0012】
実施例1と同様にして粗挽きした玄米に2倍量の水を加え、家庭用電気炊飯器にかけて炊飯した。炊き上げた玄米ご飯は、白米に比肩する美味しさであり、芯まで柔らかであるので、食感も白米ご飯に劣るものではなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長径1〜3ミリ、短径0.5〜2ミリの大きさに粗挽きした玄米に水を加えて炊飯することを特徴とする芯まで柔らかい玄米の炊飯方法。
【請求項2】
長径1〜3ミリ、短径0.5〜2ミリの大きさに粗挽きした玄米に水を加え、電子レンジにかけて炊飯することを特徴とする芯まで柔らかい玄米の炊飯方法。

【公開番号】特開2010−200631(P2010−200631A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47107(P2009−47107)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(596033174)株式会社紀州ほそ川 (9)
【Fターム(参考)】