説明

玄関パネル

【課題】 玄関の外側に掛止部を設け、持ち物や飾りを係止することができる玄関パネルを提供する。
【解決手段】 玄関の外壁に沿って取り付けられる化粧板14と、化粧板14から突出したフック部材32と、フック部材32の少し上方に取り付けられ化粧板14に対して直角な方向と平行な方向の3方向に位置する新聞ガイド部30を備える。新聞ガイド部30は配達された新聞の側面を保持し、フック部材32は新聞の下端部を保持し、フック部材32と新聞ガイド部30により新聞受けを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、集合住宅等の玄関付近に取り付けられ、照明、表札、インターホン、新聞受け等が一体に設けられた玄関パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集合住宅等の玄関ドア付近に設けられる玄関パネルは、外壁に沿って取り付けられる化粧板を有し、化粧板には、照明装置やネームプレート、新聞受け等の各種エレメントが取り付けられている。
【0003】
また、エレメントの配置や組み合わせについての変更が比較的容易なものとして、特許文献1に示すパネル統合体がある。このパネル統合体には、表札、インターホンその他のエレメントに対応して形成されたフロントパネルが設けられている。パネル統合体の枠状部材には、縦方向に延びる一対のレールが外側側面に設けられ、枠状部材はブラケットにより所定間隔でたがいに平行に支持されている。ブラケットは、玄関の壁部材などの被取付面により固着されている。一対のレールには、各エレメントが形成されるフロントパネルが着脱自在に設けられている。このような構造により、フロントパネルの配列や組み合わせの変更に対応しやすく、パネル統合体の組み立てや施工を容易にしている。
【特許文献1】特開平10−248706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術の場合、傘や鞄、買い物袋等の持ち物や、犬の散歩用リードをかけるフック等は無く、玄関のカギを開けたりドアを開いたりするときに、持ち物を持った状態では不便であった。また、玄関にクリスマスリースや正月飾りを取り付けるためのフックも無く、例えばマグネット式や接着式のフックを玄関パネルやドアに付けて飾るなど、手間がかかり不便であった。
【0005】
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、玄関の外側に掛止部を設け、持ち物や飾りを係止することができる玄関パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、玄関の外壁に沿って取り付けられる化粧板等の板部材と、前記板部材から突出したフック部材と、前記フック部材の少し上方に取り付けられ前記板部材に対して直角な方向と平行な方向に位置する新聞ガイド部が設けられた玄関パネルであり、前記新聞ガイド部は配達された新聞の側面を保持し、前記フック部材は前記新聞の下端部を保持し、前記フック部材と前記新聞ガイド部で、新聞受けとなる。前記新聞ガイド部材は、新聞の側面を保持する環状の棒部材でもよく、コの字形の板部材でもよい。
【0007】
また、前記フック部材は、前記板部材から略水平に突出する横板であり、前記横板には前記横板の中側に向かう切欠部が設けられ、前記切欠部の周囲の残された部分が掛止部となる。
【0008】
また、前記フック部材は、前記板部材から略水平に突出する棒部材と、前記棒部材の先端に連続し前記棒部材の突出方向に対して交差する係止棒が設けられ、前記係止棒の端部が前記棒部材の外側に突出して掛止部となる。
【0009】
また、前記板部材には、インターホンが取り付けられている。そして、前記板部材にはドット穴が形成され、前記ドット穴に別体のフック片を差し込んで係止する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の玄関パネルは、玄関の外側にフック部材を設け、持ち物や飾りを係止することができるので、玄関のカギを探したり、カギを開けるときに持ち物から手を離すことができ、便利である。また、玄関に飾りを付けて季節感を出したり、雰囲気を変えて楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1はこの発明の第一実施形態を示すもので、この実施形態の玄関パネル10は、正面視において縦方向に2本の金属製の枠体12を有し、2本の枠体12は、互いに平行に建築物に取り付けられる。枠体12は、所定厚みを有し、枠体12の内側に板部材である化粧板14が取り付けられている。化粧板14は、例えば金属板にアクリル樹脂焼付仕上げが施されたものである。
【0012】
化粧板14は、垂直方向に数枚に分割されている。一番上方に設けられている化粧板14aには、枠体12の上端部に隣接して照明装置16が取り付けられている。照明装置16の下側には、フック片18が係止されるドット穴20が等間隔に形成されている。そして、化粧板14aの下方の化粧板14bには、住人の名前が印刷されている。
【0013】
化粧板14bの下方の化粧板14cには、インターホンカメラ取付部22と、スピーカ用のスリット状の透孔24、押しボタン部26が、上下方向に並べられて形成される。化粧板14cの裏側には、図示しないインターホン装置が設けられている。
【0014】
化粧板14cの下方の化粧板14dは、複数枚の化粧板14の中で一番下方に設けられ、枠体12の下端部に隣接している。化粧板14dには、写真27等を飾る窓部28が設けられ、窓部28の下方には、化粧板14dの中心よりもやや下寄りの位置に、新聞ガイド部材30が設けられている。新聞ガイド部材30は、丸い断面形状の金属棒がコの字形に折り曲げられて設けられ、ほぼ水平方向に位置し両端部は化粧板14dの縦方向の側縁部近傍に取り付けられている。
【0015】
新聞ガイド部材30の下方で枠体12の下端部近傍には、フック部材32が設けられている。フック部材32は、化粧板14dからほぼ直角に水平方向に突出する棒状の保持部材34が設けられている。保持部材34は、突出方向に交差する断面形状が水平方向に幅広であり、保持部材34の幅広の上面34aには、横板36が設けられている。横板36は、化粧板14dから突出する方向の長さは新聞ガイド部材30の突出量より僅かに短く、突出方向に対して交差する方向はそれより長く化粧板14dの水泳方向の幅よりも僅かに短い矩形に形成されている。横板36は、枠体12との間に隙間を設けて取り付けられ、この隙間が後述する被吊り下げ物の持ち手を差し込む切欠部38となる。切欠部38の周囲の横板36が掛止部37となり、被吊り下げ物の持ち手を係止する。フック部材32は、新聞ガイド部材30とともに新聞受けとなり、新聞ガイド部材30に差し込まれた新聞の下端部を保持する。
【0016】
次に、この実施形態の玄関パネル10の使用方法について説明する。まず、鞄や買い物袋等の持ち物や、犬の散歩用リードをフック部材32にかけて吊り下げる。このとき、鞄等の環状の持ち手を切欠部38に差し込み、横板36または保持部材34にかける。また、新聞ガイド部材30の内側に新聞を入れるとフック部材32が新聞を下方から支え、新聞受けとなる。ドット穴20には、別体のL字形のフック片18が差し込まれ、フック片18に飾りを取り付けることができる。
【0017】
この実施形態の玄関パネル10によれば、鞄等の環状の持ち手を切欠部38に差し込み、横板36または保持部材34にかけるだけの簡単な操作で、フック部材32に手荷物を下げ、玄関の鍵を探したり、鍵を開けたり、ドアを開ける操作等を、手荷物がない状態で行うことができ便利である。外すときも簡単であり、手軽に使用することができる。フック部材32は、横板36が保持部材34に直角に交差して両端部が外側に突出してL字型に形成されるため、持ち手が確実に係止され不用意に落下することがない。また、フック部材32は新聞受けの一部であり、部品点数を増やすことがなく、組立工程やコストが増加することがない。しかも、掛止用に別の場所を設ける必要がなく、外観もすっきりとしたものになる。
【0018】
ドット穴20には、フック片18を係止して、クリスマスリースや正月飾り等季節の飾りを付けたり、造花を付けたりして外観を良好にし、玄関の雰囲気を変えて楽しむことができる。窓部28には写真27を入れて飾ることができ、これによっても外観を良好にすることができる。また、写真27以外に文字が書かれたカードを入れてメッセージを表示することもできる。
【0019】
次にこの発明の第二実施形態について図2に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の玄関パネル40は、枠体12を有し、枠体12の内側に化粧板14が取り付けられている。化粧板14は、垂直方向に数枚に分割されている。
【0020】
複数の化粧板14のうち、一番下方に設けられている化粧板14dは、枠体12の下端部に隣接している。化粧板14dの中心よりもやや下寄りの位置に、金属棒がコの字形に折り曲げられた新聞ガイド部材30が設けられている。
【0021】
新聞ガイド部材30の下方で枠体12の下端部近傍には、フック部材42が設けられている。フック部材42は、化粧板14dからほぼ直角に水平方向に突出する保持部材44が設けられている。保持部材44は、突出方向に交差する断面形状が水平方向に幅広であり、保持部材44の先端44aには、係止棒46が設けられている。係止棒46の長手方向は、保持部材44の突出方向に対して直角でほぼ水平に位置し、両端部が保持部材44の側方に突出して掛止部45となる。
【0022】
この実施形態の玄関パネル40は、上記実施形態と同様の使用方法であり、同様の効果を有するものである。また、フック部材42の係止棒46は、小形であり、コンパクトな印象で玄関パネル40がすっきりとする。
【0023】
次にこの発明の第三実施形態について図3に基づいて説明する。なお、ここで、上記実施形態と同様の部材は同様の符号を付して説明を省略する。この実施形態の玄関パネル48は、枠体12を有し、枠体12の内側に化粧板14が取り付けられている。化粧板14は、垂直方向に数枚に分割されている。
【0024】
複数の化粧板14のうち、一番下方に設けられている化粧板14dは、枠体12の下端部に隣接している。化粧板14dの中心よりもやや下寄りの位置に、新聞ガイド部材50が設けられている。新聞ガイド部材50は、コの字形に折り曲げられた板体であり、新聞ガイド部材50の両端部は、化粧板14dの左右の端部近傍に取り付けられ、新聞ガイド部材50の中央部分は化粧板14dに対してほぼ平行に位置している。新聞ガイド部材50の下端部50aの内側には、底板52が設けられている。底板52は、化粧板14dからほぼ直角に水平方向に突出する板体であり、底板52の、突出方向に対して平行な一対の側縁部52aには、スリット状の切欠部54が形成されている。切欠部54は、底板52の突出方向に対して直角に、底板52の中心側へ向かって形成されている。一対の切欠部54の間の部分は、側縁部52aよりも中心側に端部が位置し、この部分が掛止部56となる。底板52は、新聞ガイド部材50とともに新聞受けとなり、新聞ガイド部材50に差し込まれた新聞の下端部を保持する。
【0025】
この実施形態の玄関パネル48の使用方法について説明する。まず、鞄や買い物袋などの持ち物や、犬の散歩用リードを掛止部56にかけて吊り下げる。このとき、鞄等の環状の持ち手を、新聞ガイド部材50の下方から、底板52の一対の切欠部54に差し込み、掛止部56にかける。また、新聞ガイド部材50の内側に新聞を入れると底板52が新聞を下方から支え、新聞受けとなる。新聞ガイド部材50の内側に鉢植えの観葉植物58を入れて飾ってもよい。
【0026】
この実施形態の玄関パネル48によれば、鞄などの環状の持ち手を切欠部54に差し込み、掛止部56にかけるだけの簡単な操作で、掛止部56に手荷物を下げることができ、鍵を開ける等の操作が容易となる。また、掛止部56は底板52の一部であり、部品点数を増やすことがなく、組立工程やコストが増加することがない。また、新聞ガイド部材50の内側に隠れるため、外観がすっきりとしたものとなる。さらに、新聞ガイド部材50に、観葉植物58を飾ることにより、玄関の雰囲気を良好にすることができる。観葉植物58の植木鉢を床に置かないため、掃除を容易にすることができる。また、底板52に切欠部54が設けられていることから、雨水が溜まることがなく、新聞ガイド部材50の水はけも良好となる。
【0027】
なお、この発明の玄関パネルは、上記各実施形態に限定されるものではなく、照明装置やインターホン等の形状は変更可能であり、並ぶ順番も変更可能で、不要な装置をはずしたり必要な装置を取り付けたり、自由に変更可能である。新聞ガイド部材の形状は、適宜変更可能であり、確実に新聞の側面を保持するものであれば良い。化粧板は、枠体に取り付けられるもの以外でもよく、例えば外壁に直接取り付けられてもよい。ドット穴の直径や間隔、数は自由に変更可能であり、複数の化粧板に設けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の第一実施形態の玄関パネルの左側面図(a)と正面図(b)、正面図(b)に示すA−A線横断面図(c)である。
【図2】この発明の第二実施形態の玄関パネルの部分左側面図(a)と部分正面図(b)、部分正面図(b)に示すB−B線横断面図(c)である。
【図3】この発明の第三実施形態の玄関パネルの左側面図(a)と正面図(b)、正面図(b)に示すC−C線横断面図(c)である。
【符号の説明】
【0029】
10 玄関パネル
12 枠体
14 化粧板
16 照明装置
18 フック片
20 ドット穴
22 インターホンカメラ取付部
24 透孔
26 押しボタン部
28 窓部
30 新聞ガイド部材
32 フック部材
34 保持部材
36 横板
38 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関の外壁に沿って取り付けられる板部材と、前記板部材から突出したフック部材と、前記フック部材の少し上方に取り付けられ前記板部材に対して直角な方向と平行な方向に位置する新聞ガイド部材が設けられ、前記新聞ガイド部材は配達された新聞の側面を保持し、前記フック部材は前記新聞の下端部を保持し、前記フック部材と前記新聞ガイド部材で新聞受けとなることを特徴とする玄関パネル。
【請求項2】
前記フック部材は、前記板部材から略水平に突出する横板であり、前記横板には前記横板の中側に向かう切欠部が設けられ、前記切欠部の周囲の残された部分が掛止部となることを特徴とする請求項1記載の玄関パネル。
【請求項3】
前記フック部材は、前記板部材から略水平に突出する棒部材と、前記棒部材の先端に連続し前記棒部材の突出方向に対して交差する係止棒が設けられ、前記係止棒の端部が前記棒部材の外側に突出して掛止部となることを特徴とする請求項1記載の玄関パネル。
【請求項4】
前記板部材には、インターホンが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の玄関パネル。
【請求項5】
前記板部材にはドット穴が形成され、前記ドット穴に別体のフック片を差し込んで係止することを特徴とする請求項1記載の玄関パネル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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