説明

玄関ポーチの側溝構造

【課題】玄関ポーチの外壁に沿って流れ落ちた雨水等の水を集めて確実に排水できる玄関ポーチの側溝構造を提供する。
【解決手段】外壁6を支持する基礎10の側面10aに、底板15が玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられ、この底板15の縁部に、側板16が基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられ、側溝7の内面は、底板15の上面15aと、側板16の側面16aと、基礎10の側面10aとによって構成され、底板15の上面15aに防水層17が設けられ、この防水層17は底板15の上面15aと基礎10の側面10aとの交差部における基礎10の側面10aに密着しているので、玄関ポーチ1の外壁6に沿って流れ落ちた雨水等の水を集めて確実に排水できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玄関ポーチ床に、側溝が外壁の壁際に沿って設けられた玄関ポーチの側溝構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化社会に対応すべく、段差部をできるだけ少なくした、いわゆるバリアフリー住宅が提供されている。このようなバリアフリー住宅において、例えば特許文献1に記載されているように、建物外側の玄関ポーチ、建物内側の玄関土間、玄関ホールを段差なく構成したものが知られている。この住宅は、玄関ポーチの床面を玄関ホールの床面と同等の高さで設け、板状格子材を、玄関土間の床面との間に間隔をおいて前記玄関ポーチ及び前記玄関ホールの床面と同等の高さで玄関土間の上方に設けたことを特徴としている。
また、玄関土間の床面は水勾配を有しており、この水勾配の下流側の床面に排水口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2003−343074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のような住宅では、玄関ポーチと玄関土間との床面は連続した平面となっているので、玄関ポーチに持ち込まれた雨水等の水や玄関ポーチを洗浄する際の水は、どうしても玄関土間に流入してしまう。流入した水は玄関土間に形成された排水口から排出されるが、なるべくなら外部の水を建物内の玄関土間に持ち込みたくないという住人の要望がある。
そこで、玄関ポーチを施工する際に、基礎に沿って外壁の壁際にU字溝を配置し、このU字溝の回りを玄関ポーチの施工する際の打設コンクリートで固めてしまうことによって、玄関ポーチに側溝を形成することが考えられるが、その場合、外壁に沿って流れ落ちた雨水等の水が基礎とU字溝との間の隙間に入り込み、溜まってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、玄関ポーチの外壁に沿って流れ落ちた雨水等の水を集めて確実に排水できる玄関ポーチの側溝構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図2に示すように、玄関ポーチ床5に、側溝7が外壁6の壁際に沿って設けられた玄関ポーチの側溝構造において、
前記外壁6を支持する基礎10の側面10aに、底板15が前記玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられ、この底板15の縁部に、側板16が前記基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられており、
前記側溝7の内面は、前記底板15の上面15aと、前記側板16の側面16aと、前記基礎10の側面10aとによって構成され、
前記底板15の上面15aに防水層17が設けられ、この防水層17は前記底板15の上面15aと前記基礎10の側面10aとの交差部における前記基礎10の側面10aに密着していることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、玄関ポーチ床5に設けられた側溝7の内面が、基礎10の側面10aに、玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられた底板15の上面15aと、底板15の縁部に基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられた側板16の側面16aと、基礎10の側面10aとによって構成され、底板15の上面15aに設けられた防水層17が、底板15の上面15aと前記基礎10の側面10aとの交差部における前記基礎10の側面10aに密着しているので、玄関ポーチ1の外壁6に沿って流れ落ちた雨水や玄関ポーチ1に持ち込まれた水は確実に側溝7に入いる。そして、これらの水は底板15と基礎10との交差部から漏れないので、該水を確実に排水できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図3および図4に示すように、玄関ポーチ床5に、側溝8が外壁6の壁際に沿って設けられた玄関ポーチの側溝構造において、
前記外壁6を支持する基礎10の側面10aに、底板15が前記玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられ、この底板15の縁部に、側板16が前記基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられており、
前記外壁6に出入口31が形成され、この出入口31に枠体32が前記外壁6の表面から突出させて取り付けられており、
この枠体32の下枠32aと前記側溝8の底板15との間にコンクリート33が打設され、
前記側溝8の内面は、前記底板15の上面15aと、前記側板16の側面16aと、前記打設されたコンクリート33の表面33aとによって構成され、
前記底板15の上面15aに防水層17が設けられ、この防水層17は前記底板15の上面15aと前記打設されたコンクリート33の表面33aとの交差部における前記コンクリート33の表面33aに密着していることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、玄関ポーチ床5に設けられた側溝8の内面が、基礎10の側面10aに、玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられた底板15の上面15aと、底板15の縁部に基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられた側板16の側面16aと、下枠32aと側溝8の底板15との間に打設されたコンクリート33の表面33aとによって構成され、底板15の上面15aに設けられた防水層17が、底板15の上面15aと前記コンクリート33の表面33aとの交差部における前記コンクリート33の表面33aに密着しているので、玄関ポーチ1の外壁6に沿って流れ落ちた雨水や玄関ポーチ1に持ち込まれた水は確実に側溝に入いる。そして、これらの水は底板15と基礎10との交差部から漏れないので、該水を確実に排水できる。
また、外壁6に形成された出入口31の枠体32が外壁6の表面から突出させて取り付けられているが、この枠体32の下枠32aと側溝8の底板15との間にコンクリート33が打設されているので、この打設コンクリート33によって下枠32aを確実に支持できる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図2および図6に示すように、請求項1または2に記載の玄関ポーチの側溝構造において、
前記側溝7に、断面略L字型の支持部材18がその一端部を前記底板15の上面15aに設置し、他端部を前記側板16の上面16bに直接または間接的に設置して、前記側溝7の長手方向に所定間隔で複数設けられており、
前記複数の支持部材18の上面に、通水性を有する側溝蓋30が隣り合う支持部材間に架け渡すようにして載置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、支持部材18の一端部が底板15の上面15aに設置され、他端部が側板16の上面16bに直接または間接的に設置されているので、建物の外壁6によって側溝蓋30の端部を支持することなく、支持部材18に側溝蓋30を載置して該支持部材18によって支持できる。また、建物の外壁6によって側溝蓋30の端部を支持する必要がないので、外壁6と側溝蓋30との間に隙間を設けることができる。したがって、外壁6に沿って流れ落ちる雨水を側溝7に確実に流入させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項3に記載の玄関ポーチの側溝構造において、
前記玄関ポーチ床5に、前記側板16の上面16bより前方まで延出する水平板20が固定されており、この水平板20の上面に前記支持部材18の他端部が設置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、玄関ポーチ床5に固定された水平板20が側板16の上面16bより前方まで延出しており、この延出した水平板20の上面に支持部材18の他端部が設置されているので、側板16の上面16bの幅が狭くても、支持部材18の他端部を水平板20に確実に設置できる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図5に示すように、請求項1に記載の玄関ポーチの側溝構造において、
前記基礎10の側面10aが、前記外壁6の表面より突出している場合に、
前記基礎10の上端部側面に、切欠き段差部35が形成され、
前記側溝9に、断面略L字型の支持部材36がその一端部を前記切欠き段差部35に設置し、他端部を前記側板16の上面16bに直接または間接的に設置して、前記側溝9の長手方向に所定間隔で複数設けられており、
前記複数の支持部材36の上面に、通水性を有する側溝蓋30が隣り合う支持部材間に架け渡すようにして載置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、支持部材36の一端部が基礎10に形成された切欠き段差部35に設置され、他端部が側板16の上面16bに直接または間接的に設置されているので、建物の外壁6によって側溝蓋30の端部を支持することなく、支持部材36に側溝蓋30を載置して該支持部材36によって支持できる。また、建物の外壁6によって側溝蓋30の端部を支持する必要がないので、外壁6と側溝蓋30との間に隙間を設けることができる。したがって、外壁6に沿って流れ落ちる雨水を側溝9に確実に流入させることができる。
さらに、支持部材36の一端部が基礎10に形成された切欠き段差部35に設置されているので、基礎10の側面10aが外壁6の表面より突出していても、支持部材36の一端部を外壁6に近付けることができ、よって、側溝蓋30を外壁6に近付けて支持部材36に載置できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、外壁を支持する基礎の側面に、底板が玄関ポーチ床の床面より低い位置で突き当てられ、この底板の縁部に、側板が基礎の側面に対向してほぼ平行に設けられ、側溝の内面は、前記底板の上面と、前記側板の側面と、前記基礎の側面とによって構成され、底板の上面に防水層が設けられ、この防水層は前記底板の上面と基礎の側面との交差部における前記基礎の側面に密着しているので、玄関ポーチの外壁に沿って流れ落ちた雨水や玄関ポーチに持ち込まれた水は確実に側溝に入いる。そして、これらの水は底板と基礎との交差部から漏れないので、該水を確実に排水できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る玄関ポーチの側溝構造の一例を示すもので、その平面図である。
【図2】同、図1におけるA−A線断面図である。
【図3】同、図1におけるB−B線断面図である。
【図4】同、図3の要部拡大図である。
【図5】同、図1におけるC−C線断面図である。
【図6】同、支持部材の一例を示す斜視図である。
【図7】同、支持部材の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る玄関ポーチの側溝構造の一例を示す平面図である。図1において符号1は玄関ポーチ、符号2は玄関土間、符号3は玄関ホールを示す。図3に示すように、玄関ポーチ1の床面と、玄関土間2の床面と、玄関ホール3の床面はほぼ面一になっている。
また、玄関ポーチ床5には、図1に示すように、外壁6に沿って該外壁6の壁際に、側溝7,8,9が平面視略コ字型に設けられている。
【0019】
図1のA−A線断面における玄関ポーチの側溝構造について、図2を参照して説明すると、外壁6は外壁本体6aとこの外壁本体6aの表面に取り付けられた外装材6bとによって構成されている。外壁本体6aは、鉄筋コンクリート製の基礎10に台輪11、土台12を介して支持されている。なお、基礎10には鉄筋10bが埋設されている。また、外装材6bの下端は、外壁本体6aの下端より下方に位置している。また、土台12には水切り部材13が取り付けられている。
【0020】
前記外壁6を支持する基礎10の側面10aには、底板15が玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられており、この底板15の縁部には、側板16が基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられている。底板15と側板16とはコンクリートによって断面L字型に一体的に形成されている。このような底板15と側板16とからなるL型コンクリート部材は、例えば、既存のU字溝の底部を切断することによって得ることができるが、これに限るものではない。
そして、側溝7の内面は、底板15の上面15aと、側板16の側面16aと、基礎10の側面10aとによって構成されている。側板16の上面16bは基礎10の上面より高くなっている。
また、底板15の上面15aには、防水層17が設けられ、この防水層17は底板15の上面15aと基礎10の側面10aとの交差部における基礎10の側面10aに密着している。防水層17は、例えば、底板15の上面15aに防水モルタルを基礎10の側面10aに密着すようにして施工することによって形成することができる。
【0021】
前記側溝7には、断面略L字型の支持部材18がその一端部を底板15の上面15aに設置し、他端部を側板16の上面16bに間接的に設置して、側溝7の長手方向(図2において紙面と直交する方向)に所定間隔で複数設けられている。
支持部材18の一端部には、図2および図6に示すように、水平な折曲部18aが形成されており、この折曲部18aが設置台19を介して底板15の上面15aに設置されている。また、支持部材18の他端部は水平板20の上面に設置されている。
【0022】
水平板20は玄関ポーチ床5に固定されている。すなわち、玄関ポーチ床5は、床本体21と、この床本体21の上面に敷モルタル22を介して固定された複数のタイル23とから構成されている。床本体21は、コンクリートを、前記側溝7を構成する底板15および側板16の周囲に打設することによって構成されている。この床本体21の上面と側板16の上面16bとは面一となっている。
前記床本体21には、固定ボルト24がその上端部を床本体21の上面から突出させて埋設されており、固定ボルト24の上端部には、前記水平板20がその一部を敷モルタル22に埋設した状態で水平に固定されている。水平板20は側板16の上面より前方の側溝7の上方まで延出しており、この延出した水平板20に、前記支持部材18の他端部がビス25,26によって固定されている。
【0023】
前記支持部材18の上面の両縁部には、それぞれアングル材27,27がビス26,26によって固定されている。アングル材27は、側溝7の長手方向に沿って延在する長尺なものであり、互いに隣り合う支持部材18,18の上面に架け渡すようにして設置され、ビス26,26によって固定されている。なお、図2において、左側のビス26は、アングル材27、支持部材18の他端部、水平板20を一体的に固定している。
前記支持部材18の上面には、通水性を有する側溝蓋30が隣り合う支持部材18,18間に架け渡すようにして載置されている。すなわち、側溝蓋30の両縁部が前記アングル材27,27に設置された状態で、該側溝蓋30が該アングル材27,27を介して支持部材18の上面に載置されている。側溝蓋30は例えばグレーチング蓋によって構成されている。
【0024】
次に、図1のB−B線断面における玄関ポーチの側溝構造について、図3および図4を参照して説明する。なお、図3および図4において、図2に示す構造と共通部材については同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
外壁6を支持する基礎10の側面10aには、底板15が玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられ、この底板15の縁部に、側板16が基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられている。
また、外壁6には、出入口31が形成され、この出入口31に枠体32が外壁6の表面から突出させて取り付けられている。この枠体32の下枠32aと側溝8の底板15との間にコンクリート33が、支持部材18の背面側において打設されている。
そして、側溝8の内面は、底板15の上面15aと、側板16の側面16aと、打設されたコンクリート33の表面33aとによって構成されている。
また、底板15の上面15aに防水層17が設けられ、この防水層17は底板15の上面15aと打設されたコンクリート33の表面33aとの交差部におけるコンクリート33の表面33aに密着している。
なお、玄関土間2の床は土間コンクリート2aで構成されおり、玄関ホール3の床は床パネル3aで構成されている。そして、土間コンクリート2aの床面2bと、床パネル3aの床面3bと、玄関ポーチ床5の床面5aとが面一になっている。
【0025】
また、図3および図4において図示は省略するが、図2と同様に、床本体21には、固定ボルトがその上端部を床本体21の上面から突出させて埋設されており、固定ボルトの上端部に、水平板がその一部を敷モルタル22に埋設した状態で水平に固定されている。水平板は側板の上面より前方の側溝8の上方まで延出しており、この延出した水平板に、前記支持部材18の他端部が固定されている。
支持部材18の上面の両縁部には、図2と同様に、それぞれアングル材が固定されており、側溝蓋30の両縁部がアングル材に設置された状態で、該側溝蓋30が該アングル材を介して支持部材18の上面に載置されている。
【0026】
次に、図1のC−C線断面における玄関ポーチの側溝構造について、図5を参照して説明する。なお、図2に示す構造と共通部材については同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
外壁6を支持する基礎10の側面10aに、底板15が玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられ、この底板15の縁部に、側板16が基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられている。
側溝9の内面は、底板15の上面15aと、側板16の側面16aと、基礎10の側面10aとによって構成されている。
底板15の上面15aには防水層17が設けられ、この防水層17は底板15の上面15aと基礎10の側面10aとの交差部における前記基礎10の側面10aに密着している。
また、基礎10の側面10aは、外壁6の表面より突出しており、該基礎10の上端部側面に、切欠き段差部35が形成されている。この切欠き段差部35は、基礎10の上端面と側面を基礎10の長手方向に沿って断面矩形状に切り欠いて形成されたものである。
【0027】
そして、側溝9に、断面略L字型の支持部材36がその一端部を切欠き段差部35に設置し、他端部を側板16の上面16bに間接的に設置して、側溝9の長手方向に所定間隔で複数設けられている。
支持部材36は、図7に示すように、その一端部に水平な折曲部36aが形成されており、この折曲部36aが切欠き段差部35に設置されている。この支持部材36は、図6に示す支持部材18に比して低くなっているだけで、その他の構成は同一である。
なお、図5において図示は省略するが、図2と同様に、床本体21には、固定ボルトがその上端部を床本体21の上面から突出させて埋設されており、固定ボルトの上端部に、水平板がその一部を敷モルタル22に埋設した状態で水平に固定されている。水平板は側板の上面より前方の側溝9の上方まで延出しており、この延出した水平板に、前記支持部材36の他端部が固定されている。
支持部材36の上面の両縁部には、図2と同様に、それぞれアングル材が固定されており、側溝蓋30の両縁部がアングル材に設置された状態で、該側溝蓋30が該アングル材を介して支持部材36の上面に載置されている。
【0028】
本実施の形態によれば、玄関ポーチ床5に設けられた側溝7の内面が、基礎10の側面10aに、玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられた底板15の上面15aと、底板15の縁部に基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられた側板16の側面16aと、基礎10の側面10aとによって構成され、底板15の上面15aに設けられた防水層17が、底板15の上面15aと前記基礎10の側面10aとの交差部における前記基礎10の側面10aに密着しているので、玄関ポーチ1の外壁6に沿って流れ落ちた雨水や玄関ポーチ1に持ち込まれた水は確実に側溝7に入いる。そして、これらの水は底板15と基礎10との交差部から漏れないので、該水を確実に排水できる。
【0029】
また、玄関ポーチ床5に設けられた側溝8の内面が、基礎10の側面10aに、玄関ポーチ床5の床面5aより低い位置で突き当てられた底板15の上面15aと、底板15の縁部に基礎10の側面10aに対向してほぼ平行に設けられた側板16の側面16aと、下枠32aと側溝8の底板15との間に打設されたコンクリート33の表面33aとによって構成され、底板15の上面15aに設けられた防水層17が、底板15の上面15aと前記コンクリート33の表面33aとの交差部における前記コンクリート33の表面33aに密着しているので、玄関ポーチ1の外壁6に沿って流れ落ちた雨水や玄関ポーチ1に持ち込まれた水は確実に側溝に入いる。そして、これらの水は底板15と基礎10との交差部から漏れないので、該水を確実に排水できる。
さらに、外壁6に形成された出入口31の枠体32が外壁6の表面から突出させて取り付けられているが、この枠体32の下枠32aと側溝8の底板15との間にコンクリート33が打設されているので、この打設コンクリート33によって下枠32aを確実に支持できる。
【0030】
また、支持部材18の一端部が底板15の上面15aに設置され、他端部が側板16の上面16bに直接または間接的に設置されているので、建物の外壁6によって側溝蓋30の端部を支持することなく、支持部材18に側溝蓋30を載置して該支持部材18によって支持できる。また、建物の外壁6によって側溝蓋30の端部を支持する必要がないので、外壁6と側溝蓋30との間に隙間を設けることができる。したがって、外壁6に沿って流れ落ちる雨水を側溝7に確実に流入させることができる。
また、玄関ポーチ床5に固定された水平板20が側板16の上面16bより前方まで延出しており、この延出した水平板20の上面に支持部材18の他端部が設置されているので、側板16の上面16bの幅が狭くても、支持部材18の他端部を水平板20に確実に設置できる。
【0031】
また、支持部材36の一端部が基礎10に形成された切欠き段差部35に設置され、他端部が側板16の上面16bに直接または間接的に設置されているので、建物の外壁6によって側溝蓋30の端部を支持することなく、支持部材36に側溝蓋30を載置して該支持部材36によって支持できる。また、建物の外壁6によって側溝蓋30の端部を支持する必要がないので、外壁6と側溝蓋30との間に隙間を設けることができる。したがって、外壁6に沿って流れ落ちる雨水を側溝9に確実に流入させることができる。
さらに、支持部材36の一端部が基礎10に形成された切欠き段差部35に設置されているので、基礎10の側面10aが外壁6の表面より突出していても、支持部材36の一端部を外壁6に近付けることができ、よって、側溝蓋30を外壁6に近付けて支持部材36に載置できる。
【符号の説明】
【0032】
1 玄関ポーチ
5 玄関ポーチ床
5a 床面
6 外壁
・ 側溝
10 基礎
10a 側面
15 底板
15a 上面
16 側板
16a 側面
16b 上面
17 防水層
18,36 支持部材
20 水平板
30 側溝蓋
31 出入口
32 枠体
32a 下枠
33 コンクリート
33a 表面
35 切欠き段差部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関ポーチ床に、側溝が外壁の壁際に沿って設けられた玄関ポーチの側溝構造において、
前記外壁を支持する基礎の側面に、底板が前記玄関ポーチ床の床面より低い位置で突き当てられ、この底板の縁部に、側板が前記基礎の側面に対向してほぼ平行に設けられており、
前記側溝の内面は、前記底板の上面と、前記側板の側面と、前記基礎の側面とによって構成され、
前記底板の上面に防水層が設けられ、この防水層は前記底板の上面と前記基礎の側面との交差部における前記基礎の側面に密着していることを特徴とする玄関ポーチの側溝構造。
【請求項2】
玄関ポーチ床に、側溝が外壁の壁際に沿って設けられた玄関ポーチの側溝構造において、
前記外壁を支持する基礎の側面に、底板が前記玄関ポーチ床の床面より低い位置で突き当てられ、この底板の縁部に、側板が前記基礎の側面に対向してほぼ平行に設けられており、
前記外壁に出入口が形成され、この出入口に枠体が前記外壁の表面から突出させて取り付けられており、
この枠体の下枠と前記側溝の底板との間にコンクリートが打設され、
前記側溝の内面は、前記底板の上面と、前記側板の側面と、前記打設されたコンクリートの表面とによって構成され、
前記底板の上面に防水層が設けられ、この防水層は前記底板の上面と前記打設されたコンクリートの表面との交差部に密着していることを特徴とする玄関ポーチの側溝構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の玄関ポーチの側溝構造において、
前記側溝に、断面略L字型の支持部材がその一端部を前記底板の上面に設置し、他端部を前記側板の上面に直接または間接的に設置して、前記側溝の長手方向に所定間隔で複数設けられており、
前記複数の支持部材の上面に、通水性を有する側溝蓋が隣り合う支持部材間に架け渡すようにして載置されていることを特徴とする玄関ポーチの側溝構造。
【請求項4】
請求項3に記載の玄関ポーチの側溝構造において、
前記玄関ポーチ床に、前記側板の上面より前方まで延出する水平板が固定されており、この水平板の上面に前記支持部材の他端部が設置されていることを特徴とする玄関ポーチの側溝構造。
【請求項5】
請求項1に記載の玄関ポーチの側溝構造において、
前記基礎の側面が、前記外壁の表面より突出している場合に、
前記基礎の上端部側面に、切欠き段差部が形成され、
前記側溝に、断面略L字型の支持部材がその一端部を前記切欠き段差部に設置し、他端部を前記側板の上面に直接または間接的に設置して、前記側溝の長手方向に所定間隔で複数設けられており、
前記複数の支持部材の上面に、通水性を有する側溝蓋が隣り合う支持部材間に架け渡すようにして載置されていることを特徴とする玄関ポーチの側溝構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−43015(P2011−43015A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193055(P2009−193055)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)