説明

玩具花火

【課題】台座に確実に固定され、台座に対し傾斜し又は倒れるおそれのない玩具花火を提供する。
【解決手段】花火外筒1の下端部1aを台座3に固定してなる玩具花火において、該花火外筒の下端部における縁9には複数の突片11を下方に延設し、該台座には各突片に対応する形状の切れ目13を各突片に対応する位置に形成したことを特徴とする玩具花火。前記突片11は前記縁9における相対向する位置に一対延設し、前記台座3には各突片11に対応する形状の切れ目13を各突片に対応する位置に一対形成する。前記花火外筒1は角筒状をなし、前記各突片11は該花火外筒の稜15を介して隣接する二つの面17を下方に延設してなり、前記台座3には各突片11に対応する形状の切れ目13を各突片に対応する位置に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具花火に関するものであり、特に台座を備えた打上げ花火、噴出し花火等の玩具花火に係るものである。
【背景技術】
【0002】
台座を備えた打上げ花火、噴出し花火等の玩具花火は、従来より使用されている。
【0003】
特開2001−241897号公報は、板紙を折曲加工して厚板状の台部を形成し、該台部の中央に花火外筒の下端部を挿嵌させる挿嵌孔を形成し、該挿嵌孔は、その形成域内に複数の放射状切れ目を設け、隣接する切れ目間に生じた複数の折曲片をそれぞれ下方に折曲してなる台座(以下「従来の台座」という。)を開示している。
【特許文献1】特開2001−241897号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかして、従来の台座における挿嵌孔は、その形成域内に複数の放射状切れ目を設け、隣接する切れ目間に生じた複数の折曲片をそれぞれ下方に折曲してなるものであるため、該挿嵌孔内に花火外筒の下端部を挿嵌させても、花火外筒の下端部は該挿嵌孔内に固定されない。すなわち、花火外筒の下端部は単に挿嵌孔内に挿入されるに留まり、該挿嵌孔によりロックされるものではない。したがって、花火外筒の下端部は該挿嵌孔内に挿嵌しても、不安定であり、台座に対し傾斜し又は倒れるおそれがある。
【0005】
本発明は、従来の台座における上述の如き問題を解決し、台座に確実に固定され、台座に対し傾斜し又は倒れるおそれのない玩具花火を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、下記の玩具花火を提供する。
【0007】
(1)花火外筒の下端部を台座に固定してなる玩具花火において、
該花火外筒の下端部における縁には複数の突片を下方に延設し、該台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に形成したことを特徴とする玩具花火(請求項1)。
【0008】
(2)前記突片は前記縁における相対向する位置に一対延設し、前記台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に一対形成する(請求項2)。
【0009】
(3)前記花火外筒は角筒状をなし、前記各突片は該花火外筒の稜を介して隣接する二つの面を下方に延設してなり、前記台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に形成する(請求項3)。
【発明の効果】
【0010】
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、花火外筒の下端部における縁には複数の突片を下方に延設し、台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に形成しているため、各突片を台座における対応する切れ目に挿通させたときには、各突片はそれぞれ切れ目内に固定され、しかも、複数の突片がそれぞれ異なる位置にて切れ目内に固定される。したがって、花火外筒は、台座に確実に固定され、台座に対し傾斜し又は倒れるおそれがない。
【0011】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、突片は花火外筒の下端部の縁における相対向する位置に一対延設し、台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に一対形成しているため、各突片は相互に離れた相対向する位置にて切れ目内に固定される。したがって、花火外筒は、台座に対し一層確実に固定される。
【0012】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、花火外筒は角筒状をなし、各突片は該花火外筒の稜を介して隣接する二つの面を下方に延設してなり、台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に形成しているため、各突片を台座における対応する切れ目に挿通させたときには、各突片はそれぞれ切れ目内に更に強固に固定される。したがって、花火外筒は、台座に対し更に確実に固定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の玩具花火は、花火外筒1の下端部1aを台座3に固定してなるものである。
【0014】
花火外筒1は、好ましくは紙製とし、打上げ花火、噴出し花火等の花火5が内設されている。
【0015】
図2に示す事例においては、花火外筒1の下端部1a内には底部7が取り付けられ、該底部7上に花火5が立設されている。
【0016】
花火外筒1の下端部1aにおける縁9には複数の突片11を下方に延設し、台座3には各突片11に対応する形状の切れ目13を各突片11に対応する位置に形成する。
【0017】
好ましくは、前記突片11は前記縁9における相対向する位置に一対延設し、前記台座3には各突片11に対応する形状の切れ目13を各突片11に対応する位置に一対形成する。
【0018】
更に好ましくは、前記花火外筒1は角筒状をなし、前記各突片11は該花火外筒1の稜15を介して隣接する二つの面17、17を下方に延設してなり、前記台座3には各突片11に対応する形状の切れ目13を各突片に対応する位置に形成する。なお、花火外筒1は、例えば円筒状をなすものであっても差し支えない。
【0019】
図示の事例においては、前記花火外筒1は六角筒状をなし、前記各突片11は該花火外筒1の稜15を介して隣接する二つの面17、17を下方に延設してなり、前記台座3には各突片11に対応する形状の切れ目13を各突片に対応する位置に形成している。したがって、この事例においては、切れ目13は、略「へ」字状に折曲している。
【0020】
上記事例においては、各切れ目13に対する各突片11の挿入を容易ならしめるために、各切れ目13における折曲部に透孔19が形成されている。
【0021】
なお、図1における符号21に示すものは花火外筒1に形成された切断線である。玩具花火の使用時には、花火外筒1の上部を切断線21より除去し、花火5を露出させ、該花火5に点火する。
【0022】
台座3は、一例として、板紙23を折曲してなるものである。図4は台座3の展開図の一例を示す。図4において、符号25に示すものは切れ目であり、符号27に示すものは折曲線である。なお、台座3は、必ずしも中空である必要はない。
【0023】
なお、花火外筒1の下端部1aを台座3に固定すると共に、更に花火外筒1内の花火5の下端を直接台座3に固定しても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による玩具花火における花火外筒と台座とを示す斜視図である。
【図2】同上玩具花火の使用状態を示す断面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図である。
【図4】台座の展開図である。
【符号の説明】
【0025】
1 花火外筒
1a 下端部
3 台座
5 花火
7 底部
9 縁
11 突片
13 切れ目
15 稜
17 面
19 透孔
21 切断線
23 板紙
25 切れ目
27 折曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
花火外筒の下端部を台座に固定してなる玩具花火において、
該花火外筒の下端部における縁には複数の突片を下方に延設し、該台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に形成したことを特徴とする玩具花火。
【請求項2】
前記突片は前記縁における相対向する位置に一対延設し、前記台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に一対形成したことを特徴とする請求項1に記載の玩具花火。
【請求項3】
前記花火外筒は角筒状をなし、前記各突片は該花火外筒の稜を介して隣接する二つの面を下方に延設してなり、前記台座には各突片に対応する形状の切れ目を各突片に対応する位置に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の玩具花火。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−264655(P2009−264655A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113982(P2008−113982)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(592072551)井上玩具煙火株式会社 (7)