説明

玩具銃

【課題】玩具銃の外観を損なわずに、玩具銃に取り付けられたガスカートリッジを覆い隠すパネルの着脱を容易にする。
【解決手段】ガスカートリッジBは、カートリッジ収納部111に作られた収納空間111aに収納され、弾丸Wの発射するための圧縮ガスPAを供給する。カートリッジ収納部111の第1の面111bには、ガスカートリッジBを導入するための導入口112が設けられる。作用部132は、カートリッジ収納部111に設けられ、第1の面111bに沿う方向に移動する。パネルは、カートリッジ収納部111に着脱自在に取り付けられ、導入口112を覆う。パネルの蓋部からは、突部が延びる。突部には、傾斜部が設けられる。作用部は、傾斜部に滑り接触し、パネルを動かす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮ガスが封入されたガスカートリッジを装着でき、圧縮ガスの噴射圧を利用して弾丸を発射させる玩具銃に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二酸化炭素等の圧縮ガスを収納したガスカートリッジを装着でき、圧縮ガスの噴射圧を利用して弾丸を発射させる玩具銃がある。圧縮ガスは、玩具銃に備わっているトリガへの操作に応じて放出される。圧縮ガスは、玩具銃に籠められた弾丸にあたる。これにより、弾丸は発射される。
【0003】
玩具銃に取り付けられたガスカートリッジを覆い隠すために、パネルが玩具銃に取り付けられることがある。このパネルは、ガスカートリッジの交換の際には取り外され、玩具中の使用の際には再び装着される。パネルは、玩具銃を実銃であるかのように見せる役割も果たす。
【0004】
上記のような玩具銃の一例は、特許文献1に記載のエアガンGである。特許文献1の図3〜図6を参照する。エアガンGのグリップ部1には、カートリッジ収納部2が形成されている。カートリッジ収納部2には、高圧ガスカートリッジAを導入するための開口が形成されている。開口は、エアガンGの横側面に位置する。サイドグリップパネル10は、グリップ部1に対して着脱自在に取り付けられ、この開口を開閉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7290539号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガスカートリッジを覆い隠すパネルは、玩具銃に対する取り付けや取り外しが容易なものが望ましい。
【0007】
ここで、特許文献1の図1、図3及び図4にあるように、サイドグリップパネル10の下方に突起を設けることを考える。この場合、エアガンGの使用者は、この突起をつまむことで、サイドグリップパネル10を容易に着脱できる。しかしながら、この突起は、エアガンGの外観において目立ってしまう。そして、実銃を模した外観の玩具銃を楽もうとしている使用者にとって、この突起は目障りである。
【0008】
本発明の目的は、玩具銃の外観を損なわずに、玩具銃に取り付けられガスカートリッジを覆い隠すパネルの着脱を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の玩具銃は、圧縮ガスが蓄えられる気室を形成する気室ボディと、前記気室内の圧縮ガスを放出させる放出機構と、圧縮ガスが封入されたガスカートリッジを収納するための収納空間を形成するカートリッジ収納部と、前記カートリッジ収納部に収納されたガスカートリッジが連結され、このガスカートリッジ内の圧縮ガスを前記気室に導くカートリッジ取付部と、前記カートリッジ収納部の第1の面に設けられ、前記収納空間に導入される前記ガスカートリッジが通過する導入口と、前記カートリッジ収納部に設けられ、前記第1の面に沿う方向に移動する作用部と、前記導入口を閉じる蓋部と前記蓋部から突出する突部とを有し、前記突部を前記導入口に挿入させて前記カートリッジ収納部に着脱自在に取り付けられるパネルと、前記突部に設けられ、前記作用部が滑り接触する傾斜部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作用部が傾斜部に滑り接触してパネルを押し出し、パネルがカートリッジ収納部から外れるので、玩具銃に取り付けられたガスカートリッジを覆い隠すパネルの着脱を容易にすることができる。また、傾斜部がカートリッジ収納部内に位置付けられるので、玩具銃の外観が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】玩具銃の側面図である。
【図2】パネルが取り外された状態の玩具銃の側面図である。
【図3】パンクチャフレームの側面図である。
【図4】玩具銃の後方側から見たパンクチャフレーム及びクランプアームの斜視図である。
【図5】玩具銃の前方側から見たクランプアーム及び起こしレバーの斜視図である。
【図6】玩具銃の後方側から見た起こしレバーの斜視図である。
【図7】操作部が動かされる前のクランプアーム及び起こしレバーの側面図である。
【図8】操作部が動かされた状態のクランプアーム及び起こしレバーの側面図である。
【図9】パネルの表側の斜視図である。
【図10】パネルの裏側の斜視図である。
【図11】パネルが取り付けられている状態での玩具銃の図1のA−A線断面図である。
【図12】操作部が動かされた状態での玩具銃の図1のA−A線断面図である。
【図13】図12に続いて操作部がさらに動かされた状態での玩具銃の図1のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の一形態を、図1ないし図13に基づいて説明する。図1は、玩具銃101の側面図である。以下、図1にあらわれている玩具銃101の側を左側と呼ぶことがある。
【0013】
玩具銃101の概形は、メインフレーム102により形成される。メインフレーム102は、銃口103、トリガガード104、グリップ105等の各部を形成する。グリップ105の左側の側面には、パネル106が取り付けられる。パネル106は、グリップ105に対して着脱自在である。また、グリップ105の右側の側面には、別のパネル107が取り付けられる(図11、図12、図13参照)。
【0014】
玩具銃101は、トリガ108を備える。トリガ108は、トリガガード104が形成する円形状の空間内に位置する。トリガ108は、玩具銃101の前後方向に動く。
【0015】
図2は、パネル106が取り外された状態の玩具銃101の側面図である。図3は、パンクチャフレーム114の側面図である。図4は、玩具銃101の後方側から見たパンクチャフレーム114及びクランプアーム121の斜視図である。図2、図3及び図4を参照する。玩具銃101は、気室ボディ116を備える。気室ボディ116は、気室116aを形成する。気室116aは、密閉されている。気室116aには、圧縮ガスPAが蓄えられる。気室ボディ116からは、筒部117が突出する。また、気室ボディ116には、ガス噴出機構116bが設けられる。ガス噴出機構116bは、トリガ108の動きに応じて気室116a内の圧縮ガスPAを銃口103側に放出させる。放出された圧縮ガスPAは、玩具銃101に籠められた弾丸Wを押し、この弾丸Wを銃口103から発射させる。ここに、トリガ108とガス噴出機構116bとは、放出機構109を構成する。
【0016】
玩具銃101は、カートリッジ収納部111を備える。カートリッジ収納部111は、グリップ105に設けられ、メインフレーム102とパンクチャフレーム114とにより構成される。詳細には、グリップ105には、パンクチャフレーム114が嵌め込まれる。このパンクチャフレーム114は、グリップ105の形状にあわせて長尺をなしている。そして、メインフレーム102は、グリップ105に嵌めこまれたパンクチャフレーム114の左側の側面を覆っている。なお、メインフレーム102は、図2に示すように、導入口112(後述)の全てを覆わない。
【0017】
カートリッジ収納部111には、筒状の収納空間111aが形成される。この収納空間111aには、筒状のガスカートリッジBが収納される。ガスカートリッジBは、例えば、金属素材で形成される。ガスカートリッジBは、円筒状をなす。ガスカートリッジB内には、圧縮ガスPAが封入されている。圧縮ガスPAの例は、炭酸ガス、フロンガス、代替フロンガス等である。ガスカートリッジBの一方の端部は窄まっていて、その先端には、蓋部B1が形成される。蓋部B1は、フィルム状の素材で形成され、ガスカートリッジB内の圧縮ガスPAを封止している。蓋部B1とは反対側にあるガスカートリッジBの他方の端部には、半球形状の底部B2が形成される。
【0018】
カートリッジ収納部111には、導入口112が形成される。導入口112は、グリップ105の左側の側面(第1の面111b)に開口する。導入口112は、収納空間111aと外部の空間とを連通する。ガスカートリッジBは、この導入口112を通過して、収納空間111aに導入される。
【0019】
筒部117内には、カートリッジ取付部118が設けられる。カートリッジ取付部118は、中空の針形状をなしている。カートリッジ取付部118には、ガスカートリッジBの蓋部B1が突き刺さる。カートリッジ取付部118は、この突き刺さったガスカートリッジB内の圧縮ガスPAを、気室116aに導く。
【0020】
カートリッジ収納部111における第1の面111bとは異なる後方側の側面(第2の面111c)は、パンクチャフレーム114により形成される。第2の面111cには、摺動面114aが形成される。摺動面114aは、メインフレーム102により覆われておらず、玩具銃101の後方側から見え、クランプアーム121や起こしレバー125により隠される。摺動面114aには、傾斜部114bが設けられる。傾斜部114bは、傾斜面114cを形成する。傾斜面114cは、下方に向かうほど後方側に突出するように傾斜している。
【0021】
なお、別の実施の形態として、摺動面114aはパンクチャフレーム114に形成されずに、メインフレーム102における玩具銃101の後方側の側面に形成されていても良い。この場合、パンクチャフレーム114の後方側の壁面は、玩具銃101の後方側に露出していても、メインフレーム102に覆われていても良い。
【0022】
パンクチャフレーム114の一方の端部には、装着部115が形成される。装着部115には、筒部117が嵌め込まれる。
【0023】
パンクチャフレーム114における装着部115とは反対側の端部には、第1のアーム要素P1としてのクランプアーム121が取り付けられる。クランプアーム121は、側面視においてL字状をなし、グリップ105の後方から下方にかけた箇所に配置される。ここで、クランプアーム121におけるグリップ105の後方側に位置する部分を、延出部121aと呼ぶ。また、クランプアーム121におけるグリップ105の下方側に位置する部分を、下方部121bと呼ぶ。延出部121aは、下方部121bから、摺動面114aに対面するように迫り出している。
【0024】
回動軸122は、下方部121bと、パンクチャフレーム114におけるカートリッジ収納部111よりも下方の部分とを連結する。クランプアーム121は、回動軸122の軸回り方向に回動自在となっている。クランプアーム121の下方部121bにおいて回動軸122よりも上方の箇所には、ローラ軸123aが設けられる。ローラ軸123aは、回動軸122と平行に延びている。ローラ軸123aには、ローラ123が取り付けられる。ローラ123は、ローラ軸123aの軸回り方向に回転自在となっている。ローラ123は、クランプアーム121の回動に伴って動き、カートリッジ収納部111に収納されたガスカートリッジBの底部B2を上方に押し上げる。ここに、ローラ123は、押圧部123bとして機能する。
【0025】
パンクチャフレーム114には、係合段部131が形成される。係合段部131は、導入口112の縁部で、装着部115と導入口112との間に設けられる。パンクチャフレーム114がメインフレーム102に覆われることにより、係合段部131は溝状になる。係合段部131には、爪部106d(図9及び図10に基づいて後述)が係合する。
【0026】
図5は、玩具銃101の前方側から見たクランプアーム121及び起こしレバー125の斜視図である。図6は、玩具銃101の後方側から見た起こしレバー125の斜視図である。図4、図5及び図6を参照する。クランプアーム121の延出部121aの上方の端部には、取付軸124を介して、第2のアーム要素P2としての起こしレバー125が取り付けられる。起こしレバー125は、取付軸124を中心に回動自在に、延出部121aに連結されている。ここに、取付軸124は、支点部124aとして機能する。
【0027】
起こしレバー125の上端前方の辺は、当接部126としての役割を果たす。当接部126は、摺動面114a及び傾斜面114cを摺動する。この点については、図7及び図8に基づいて後述する。
【0028】
起こしレバー125の後方側の側面で上端から下端にかけて、縦縞の意匠面125aが形成される。意匠面125aは、玩具銃101の後方側に露出する。
【0029】
起こしレバー125は、操作部125bを有する。操作部125bは、取付軸124に対して当接部126とは反対側に位置する。操作部125bは、取付軸124よりも下方に延び、下方部121bの後方側の側面を覆う。使用者が操作部125bを持って後方側に引くと、操作部125bが延出部121aから離れ、当接部126が取付軸124よりも前方側に動く。ここで、取付軸124には、トーションスプリング127が巻きつくように配置されている。トーションスプリング127は、起こしレバー125における取付軸124よりも上方の部分を後方側に押す。このため、使用者が操作部125bから手を離すと、当接部126が後方側に移動し、操作部125bが延出部121aに近づく。
【0030】
クランプアーム121及び起こしレバー125のいずれにも、パンクチャフレーム114の傾斜部114bの形状と一致する溝部128が形成されている。
【0031】
起こしレバー125において支点部124aよりも当接部126側には、作用部132が設けられる。作用部132は、当接部126における玩具銃101の左側の端部に位置し、起こしレバー125から玩具銃101の前方側に延びる板状の部分である。
【0032】
図7は、操作部125bが動かされる前のクランプアーム121及び起こしレバー125の側面図である。図8は、操作部125bが動かされた状態のクランプアーム121及び起こしレバー125の側面図である。図7及び図8を参照する。作用部132は、パンクチャフレーム114に設けられた操作溝133(図2、図3、図4も参照)に入り込む。操作溝133は、パンクチャフレーム114の第2の面111cにおいて玩具銃101の左側の端部に設けられ、上下方向に延びている。作用部132は、操作溝133内で第1の面111bに沿って動くことができるようになっている。
【0033】
クランプアーム121及び起こしレバー125の動きについて述べる。図7では、延出部121aが摺動面114aに接している。また、起こしレバー125は、クランプアーム121と重ね合わさっていて、第2の面111cを隠している。さらに、作用部132は、操作溝133に入り込み、この操作溝133の上方の端部に位置している。ここで、使用者が操作部125bを玩具銃101の後方側かつ上方に引き上げると、起こしレバー125は取付軸124を中心に回転する。これにより、当接部126は、摺動面114aに接触したままで下方に摺動する。また、作用部132は、第1の面111bに沿って下方に動く。そして、延出部121aは、後方側に動いてパンクチャフレーム114から離反する。その結果、クランプアーム121は、回動軸122を中心に後方側に回動する。
【0034】
当接部126がさらに下方へ移動すると、当接部126は、傾斜面114cに接触し、パンクチャフレーム114から離反するように玩具銃101のさらに後方側に動く。これにより、クランプアーム121は、回動軸122を中心にさらに後方側に回動する。このとき、起こしレバー125の操作部125bは、グリップ105から後方側に突出し、使用者にとって握りやすくなる。使用者は、このように突出した操作部125bをつまんで、図8中の太矢印に示すように、起こしレバー125を後方かつ下方に引っ張ってクランプアーム121を回動させることができる。なお、ローラ123は、操作部125bが引き上げられるにつれ、回動軸122を中心に後方側に旋回し、カートリッジ収納部111よりも下方側に移動する。
【0035】
また、使用者は、操作部125bをつまんで起こしレバー125を延出部121aに重ねあわせ、後方側に引き出されたクランプアーム121を上方に押し上げることもできる。この場合、起こしレバー125及びクランプアーム121は、回動軸122を中心に回動する。そして、ローラ123は、上方に移動してカートリッジ収納部111内に入り込む。
【0036】
図9は、パネル106の表側の斜視図である。図10は、パネル106の裏側の斜視図である。図9及び図10を参照する。パネル106は、グリップ105の左側の側面に着脱自在に取り付けられ、導入口112(図2等参照)を覆い隠す。
【0037】
パネル106は、蓋部106aと突部106bとを有する。蓋部106aは、縦長の台形形状をなしていて、表側に凸となるように丸みを帯びている。蓋部106aは、導入口112よりも大きく、グリップ105の側面よりも小さい。蓋部106aの表側には、実銃を模したデザインが施された意匠面106gが形成される。また、突部106bは、蓋部106aからパネル106の裏側に突出する。突部106bは、長円形の短い筒状をなしている。突部106bにおける二つの円状部106cの間には、爪部106dが設けられる。爪部106dは、係合段部131(図2、図3、図4等参照)に係合する。突部106bにおいて爪部106dに隣接する箇所には、傾斜部106eが設けられる。傾斜部106eは、突部106bの先端から蓋部106a側に凹んだ凹部106fを形成する。傾斜部106eは、蓋部106aに対し傾斜し、凹部106fに対面している。
【0038】
再び図2を参照する。このような玩具銃101に対し、使用者は、導入口112からカートリッジ収納部111内にガスカートリッジBを導入する。玩具銃101の使用時や保管時には、パネル106がグリップ105に取り付けられ、パネル106の蓋部106aが導入口112を閉じている。このため、カートリッジ収納部111内にガスカートリッジBを導入するためには、パネル106を取り外さなければならない。以下、図2、図8、図11、図12及び図13に基づいて、パネル106と導入口112との関係、及び、グリップ105に対するパネルの着脱について述べる。
【0039】
図11は、パネル106が取り付けられている状態での玩具銃101の図1のA−A線断面図である。パネル106がグリップ105に取り付けられている状態では、蓋部106aが導入口112を覆っている。また、突部106bの先端側の一部は、導入口112を通過して収納空間111a内に位置する。また、爪部106dは、係合段部131に係合して、パネル106の脱落を防止している。そして、起こしレバー125はパンクチャフレーム114の摺動面114aに沿うように位置付けられている。また、作用部132は、凹部106f内に位置している。
【0040】
図12は、操作部125bが動かされた状態での玩具銃101の図1のA−A線断面図である。図8及び図12を参照する。パネル106をグリップ105から取り外すために、使用者は、まず、起こしレバー125の操作部125bを図8中の矢印RCの方向に引き上げる。これにより、起こしレバー125は、取付軸124を中心にクランプアーム121に対して回動する。そして、当接部126は、摺動面114aと傾斜面114cとに沿って摺動し、下方に移動する。また、クランプアーム121は、回動軸122を中心に図8中の矢印RDの方向に回動する。その結果、ローラ123は、回動軸122を中心に旋回してカートリッジ収納部111から退避する。
【0041】
ここで、作用部132に着目する。作用部132は、当接部126の移動に伴い、操作溝133内で図8中の矢印REの方向に移動する。これにより、作用部132は、傾斜部106eに滑り接触する。そして、作用部132がさらに矢印REの方向に移動すると、作用部132が傾斜部106eを押し、この傾斜部106eを導入口112の方向に押し上げる。そして、作用部132が傾斜部106eを押すことによって、爪部106dは係合段部131(図2、図3、図4等参照)から外れる。その結果、パネル106の下方の端部は、パンクチャフレーム114から離反する。
【0042】
図13は、図12に続いて操作部125bがさらに動かされた状態での玩具銃101の図1のA−A線断面図である。図8及び図13を参照する。作用部132がさらに矢印REの方向に移動すると、作用部132はパネル106を動かし続け、ついには凹部106fから脱する。その結果、パネル106の下方の端部とパンクチャフレーム114との間には空隙SPが形成される。使用者は、この空隙SPに指を入れて、パネル106をグリップ105から取り外し、収納空間111aを露出させる。
【0043】
再び図2を参照する。収納空間111aが露出した状態で、使用者は、導入口112からガスカートリッジBを導入し、ガスカートリッジBを収納空間111a内に収納する。このとき、ガスカートリッジBの蓋部B1は、カートリッジ取付部118に対面する。また、ガスカートリッジBの底部B2は、ローラ123に対面する。
【0044】
続いて、使用者は、突部106bを導入口112に挿入させ、爪部106dを係合段部131に係合させて、パネル106をグリップ105に取り付ける。また、使用者は、起こしレバー125をクランプアーム121に重ねあわせ、クランプアーム121の延出部121aを摺動面114aに接触させる。これにより、ローラ123は、回動軸122を中心に旋回し、ガスカートリッジBの底部B2に接触する。ここで、さらに起こしレバー125が動くと、ローラ123は、ガスカートリッジBの底部B2に沿って転がり、ガスカートリッジBを上方に押し上げる。これにより、蓋部B1がカートリッジ取付部118に突き破られ、ガスカートリッジB内の圧縮ガスPAが気室116aに入り込む。
【0045】
カートリッジ取付部118が蓋部B1に突き刺さった状態で、使用者は、トリガ108を引く。これにより、ガス噴出機構116bが作動し、気室116a内の圧縮ガスPAが銃口103に向かう方向に噴出する。噴出された圧縮ガスPAは、玩具銃101内に籠められた弾丸Wを押し、この弾丸Wを銃口103から発射させる。なお、グリップ105にパネル106が取り付けられていなくても、弾丸Wは発射される。
【0046】
ガスカートリッジBの圧縮ガスPAが減少し、気室116a内の圧縮ガスPAの気圧が弾丸W(図4参照)を発射させるのに不十分になった場合について考える。この場合、使用者は、上述の手順でパネル106をグリップ105から取り外し、ローラ123を動かして、ガスカートリッジBを収納空間111aから取り出す。続いて、使用者は、新たなガスカートリッジBを収納空間111aに装着し、ローラ123を動かし、パネル106をグリップ105に取り付ける。
【0047】
本実施の形態の玩具銃101によれば、作用部132が傾斜部106eに滑り接触してパネル106を押し出し、パネル106がカートリッジ収納部111から外れる。このため、玩具銃101に取り付けられガスカートリッジBを覆い隠しているパネル106を容易に着脱できる。また、傾斜部106eがカートリッジ収納部111内に位置付けられるので、玩具銃101の外観が損なわれない。
【0048】
さらに、本実施の形態の玩具銃101は、クランプアーム121(第1のアーム要素P1)と、起こしレバー125(第2のアーム要素P2)とを備えている。そして、作用部132は、起こしレバー125で取付軸124よりも当接部126側に設けられている。ここで、当接部126と支点部124aとの間の距離に比べて、当接部126と操作部125bとの間の距離の方が長い。このため、パネル106を取り外すために使用者が加えるべき力は小さくて良い。また、操作部125bがカートリッジ収納部111から大きく離れ、使用者は、起こしレバー125をつまみやすくなる。
【0049】
さらに、本実施の形態の玩具銃101では、ローラ123(押圧部123b)がガスカートリッジBを押し、ガスカートリッジBの蓋部B1をカートリッジ取付部118に装着させる。そして、使用者が起こしレバー125を動かすことで、ガスカートリッジBはスムーズにかつ確実にカートリッジ取付部118に装着される。
【符号の説明】
【0050】
101 玩具銃
106 パネル
106a 蓋部
106b 突部
106e 傾斜部
109 放出機構
111a 収納空間
111b 第1の面
111c 第2の面
112 導入口
116 気室ボディ
116a 気室
118 カートリッジ取付部
123b 押圧部
124a 支点部
125b 操作部
126 当接部
132 作用部
B ガスカートリッジ
P1 第1のアーム要素
P2 第2のアーム要素
PA 圧縮ガス
W 弾丸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮ガスが蓄えられる気室を形成する気室ボディと、
前記気室内の圧縮ガスを放出させる放出機構と、
圧縮ガスが封入されたガスカートリッジを収納するための収納空間を形成するカートリッジ収納部と、
前記カートリッジ収納部に収納されたガスカートリッジが連結され、このガスカートリッジ内の圧縮ガスを前記気室に導くカートリッジ取付部と、
前記カートリッジ収納部の第1の面に設けられ、前記収納空間に導入される前記ガスカートリッジが通過する導入口と、
前記カートリッジ収納部に設けられ、前記第1の面に沿う方向に移動する作用部と、
前記導入口を閉じる蓋部と前記蓋部から突出する突部とを有し、前記突部を前記導入口に挿入させて前記カートリッジ収納部に着脱自在に取り付けられるパネルと、
前記突部に設けられ、前記作用部が滑り接触する傾斜部と、
を備える玩具銃。
【請求項2】
前記カードリッジ収納部に連結され、前記第1の面とは異なる前記カートリッジ収納部の第2の面に対して近接離反する第1のアーム要素と、
前記第2の面を摺動する当接部と、前記第1のアーム要素に回動自在に連結される支点部と、前記支点部に対して前記当接部とは反対側に位置する操作部とを含む第2のアーム要素と、
を更に備え、
前記作用部は、前記第2のアーム要素で前記支点部よりも前記当接部側に設けられる、
請求項1記載の玩具銃。
【請求項3】
前記第1のアーム要素の変位に伴って、前記カートリッジ収納部に収納されたガスカートリッジを前記カートリッジ取付部に向けて押す押圧部を更に備える、
請求項2記載の玩具銃。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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