説明

珪藻土系室内塗装材による塗装方法及び当該塗装方法に用いられる珪藻土系室内塗装材

【構成】珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に、石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を添加してなる室内塗装材にて建物の室内に塗装を施すことを特徴とする珪藻土系室内塗装材による塗装方法及び珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材99〜90重量%と石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末1〜10重量%とからなる珪藻土系室内塗装材。
【効果】珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を添加してなり、調湿効果が高く、カビ汚れが付かず、接着性が良く、塗り作業が楽にでき、シックスハウスの原因となるホルムアルデヒドが殆んど含まれず、水性で有機溶剤を使用していないので、有機物質が揮発することによって、人体へ影響しまた室内が汚染されるということがなく、マイナスイオン効果が高く、遠赤外線効果に優れ、電磁波を吸収分解効果に優れ、波動効果にも優れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、珪藻土系室内塗装材による塗装方法及び当該塗装方法に用いられる珪藻土系室内塗装材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家屋の室内は、日常生活において生活の場であり、多くの時間そこに留まっているので、その環境の影響をもろに受けやすい場所である。
室内の壁面や天井などでは、その色や明るさなどに加えて、そこに施工される壁材などの塗装材から多大の影響を受け、良い影響を受ければよいが、悪い影響を受けると、環境アレルギーを引き起こしたり、黴等の発生を生んだり、様々な病気の要因になったりする。又、携帯電話機や大型スク−リンのテレビ受像機や電子レンジなどの普及につれて室内での電磁波の影響も受けやすくなってきている。
建築物の内装材や内壁材には、有機系壁材(ビニールクロス)が使用されているが、その壁面の接着に用いられている接着剤が、シックハウス症候群等を惹起せしめることが知られており、室内汚染が問題となり、又、人体に有害であるホルマリン等の揮発性の有機物質を多量に含む有機系接着剤は、その有機物質が揮発することによって、人体へ影響しまた室内が汚染されるという問題がある。
一方、湿度の高いわが国では、建築物の内装材や内壁材には、調湿機能を有するものが求められているが、一般に、内部に保持している水分の放出速度が小さく、このため、一定期間経過すると吸水量が飽和状態となり、再び表面結露が発生したり、室内の乾燥度に応じて水分を放出するという室内調湿機能に劣るので、気密性の高いマンションやビルの内部では、壁の内部あるいは表面に結露が発生したり、この結露による水分により、壁面の濡れやシミの発生、カビやダニ等の繁殖が起こり、それにより、壁の耐久性の低下や生活環境が損なわれているという問題がある。
【特許文献1】特開平7−48556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の事項に鑑み、環境に良い影響を与えることが出来る珪藻土系室内塗装材による塗装方法及び当該塗装方法に用いられる珪藻土系室内塗装材を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的や新規な特徴については本件明細書全体の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特許請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1)珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に、石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を添加してなる室内塗装材にて建物の室内に塗装を施すことを特徴とする珪藻土系室内塗装材による塗装方法。
(請求項2)珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に対して石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を当該石英片岩粉末/当該珪藻土系室内塗装材X100=1〜10重量%で添加することを特徴とする、請求項1に記載の珪藻土系室内塗装材による塗装方法。
(請求項3)珪藻土が、アロエが化石化した珪藻土であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の珪藻土系室内塗装材による塗装方法。
(請求項4)石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末が、平均粒径400um以下の石英片岩粉末であることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の珪藻土系室内塗装材による塗装方法。
(請求項5)珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材99〜90重量%と石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末1〜10重量%とからなることを特徴とする珪藻土系室内塗装材。
(請求項6)石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末が、平均粒径400um以下の石英片岩粉末であることを特徴とする、請求項5に記載の珪藻土系室内塗装材。
【発明の効果】
【0005】
本発明により建物の室内の塗装を施される室内塗装材は、珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に、石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を添加してなり、調湿効果が高く、カビ汚れが付かず、接着性が良く、塗り作業が楽にでき、シックスハウスの原因となるホルムアルデヒドが殆んど含まれず、水性で有機溶剤を使用していないので、有機物質が揮発することによって、人体へ影響しまた室内が汚染されるということがなく、マイナスイオン効果が高く、遠赤外線効果に優れ、電磁波を吸収分解効果に優れ、波動効果にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明で使用される珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材としては、例えば、ラテックスを塗膜形成成分とし、珪藻土を充填材として含有し、その他、顔料、体質顔料及び骨材を含有し、水にて希釈してなる塗り壁材が挙げられる。
【0007】
当該ラテックスとしては、例えば、脂肪族共役ジエン系単量体とその他共重合可能な単量体との乳化重合によって得られるものが例示できる。
当該脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−-クロロ−1,3−ブタジエン、共役ペンタジエン類、共役ヘキサジエン類が挙げられ、これら単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
当該ラテックスの重合に必要なその他共重合可能な単量体には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族オレフィン系単量体類、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類等の単量体、アクリロニトリル、 α−クロルアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化オレフィン系単量体類、そしてアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸及びマレイン酸などの不飽和カルボン酸類、更にイタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル及びマレイン酸モノプロピルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル類、2−スルホエチルアクリレート、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類等のオレフィン系不飽和単量体等が挙げられる。又、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド等のオレフィン系不飽和カルボン酸アミド類及びそのN置換化合物、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等の官能性アルキルエステル化合物類及び酢酸ビニル等のビニルエステル類等が挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
当該乳化重合に用いられる乳化剤としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルフェニルエーテル型、アルキルエーテル型等のノニオン性界面活性剤及びベタイン型等の両性界面活性剤等、そしてこれらに反応性を持たせた反応性界面活性剤が単独または2種以上組み合わせて用いられる。
当該乳化重合は、重合開始剤の下で行われる。当該重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ等の水溶性開始剤、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性開始剤、あるいはレドックス系開始剤が使用できる。該ラテックスの分子量調節には、乳化重合時に連鎖移動剤を用いるが、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、テトラエチルチウラムスルフィド等のスルフィド類、α−メチルスチレンダイマー等があり、これらを単独または2種以上を併用してもよい。
上記乳化重合により得られたラテックスは、SBRラテックス、MBRラテックス、SMBRラテックス等と称される。
【0008】
当該ラテックスとしては、水性のラテックスを使用することが好ましく、クロロプレンラテックスを使用することが好ましい。クロロプレンラテックスは、溶剤を使用する事なく、水にて希釈して作業ができ、作業性に優れ、接着能力も高い。ここで用いるクロロプレンラテックスは、固体含有率30重量%以上の水系エマルジョンが好ましい。クロロプレンは、エマルジョン状態で流動性を持ち取扱可能な物であるが、水分を奪われて架橋高分子化し、乾燥固化する。この際、固体含有率が低いと架橋しにくい状態になる。本発明においては、構造材である無機フィラーをクロロプレンが架橋した形態でつないで接着剤マトリックスとしての能力を出すため、クロロプレンの量は、全量の10重量%以上であることが好ましい。
当該クロロプレンラテックスとしては、クロロプレンに化学修飾をしたものも使用できる。例えば、カルボキシル化クロロプレン、アルコール変性クロロプレン、スルホン化クロロプレン、イソシアネート化クロロプレンなどが挙げられるがこれらに限ったものではない。当該カルボキシル化クロロプレンラテックスは、分子中にカルボキシル基を持つものであれば特に限定はないが、通常は、2−クロロ1,3,−ブタジエンに共重合できる不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸及びそのエステル類、メタクリル酸及びそのエステル類、イタコン酸及びそのエステル類が挙げられ、これらをポリビニルアルコールや保護コロイド作用のある水溶性高分子の存在下、乳化重合法で共重合することにより得ることができる。
【0009】
珪藻土系室内塗装材は、珪藻土を充填材として含有してなる。
特に、当該珪藻土としては、珪藻が化石化したものを使用できるが、アロエが化石化したものは、天然の自然素材であり好ましい。当該アロエが化石化した珪藻土は、珪酸質を主成分とした多孔質(木炭の数千倍)のチョ−ク状物質である。
当該珪藻土は、例えば、当該珪藻土系室内塗装材の全量中40重量%〜95%重量%、好ましくは50重量%〜80重量%の範囲で用いられる。当該珪藻土の混合割合が上記範囲を外れるときは、接着性能のマトリックスの強度が不十分となったり、当該珪藻土系室内塗装材が増粘したり、又は、ラテックスと当該珪藻土との相溶性が不充分となり易くなる。
【0010】
珪藻土系室内塗装材は、顔料を含有することができる。
顔料は、着色剤として使用できる。当該顔料の例としては、酸化チタンを挙げることができる。
当該珪藻土系室内塗装材に、酸化チタンを配合しておくと、酸化チタンが有する光触媒機能で有機物を分解除去することができ、壁表面に汚れが溜まることを防いだり、カビや雑菌の繁殖を阻止したりすることができる。酸化チタンの配合量は、0.1〜10重量%に設定できる。
【0011】
珪藻土系室内塗装材は、体質顔料を含有することができる。
当該体質顔料の例としては、カルシウムカーボネートが挙げられる。当該体質顔料は、塗膜の強度を補強し、塗布の伸長性を増大させる。当該体質顔料の配合量は、0.1〜10重量%に設定できる。
【0012】
珪藻土系室内塗装材は、骨材を含有することができる。
骨材としては、例えば、マイクロセラミックを挙げることができる。
例えば、軽量骨材として知られている膨張ひる石、膨張パーライト、シラスバルーン等を用いることができる。
当該骨材の添加により、塗布の伸長性を増大させ、塗り付け作業時のダレ落ちを防止することができる。
骨材は、珪藻土系室内塗装材の全体中1〜20重量%で使用することができる。
あり、更に好ましくは5〜10重量%が好適である。1重量部未満の添加量においては塗布の伸長性を増大させ、塗り付け作業時のダレ落ちを防止するという施工作業性における効果を奏し難く、一方、20重量%を超えても、当該効果が飽和し、又、経済的ではない。
【0013】
珪藻土系室内塗装材は、水にて希釈して塗り壁材として、建物の室内の壁や天井などの塗装に使用できる。当該水には、蒸留水を使用することが好ましい。
【0014】
当該珪藻土系室内塗装材としては、例えば、エバウオール社などよりダイアトーマスの名称で市販されているものを使用することが出来る。
当該珪藻土系室内塗装材は、主に塗り壁材として使用され、調湿効果が高く、カビ汚れが付かず、接着性が良く、塗り作業が楽にでき、シックスハウスの原因となるホルムアルデヒドが殆んど含まれず、水性で有機溶剤を使用していないので、有機物質が揮発することによって、人体へ影響しまた室内が汚染されるということがない。
特に、充填材として含有してなる珪藻土として、アロエが化石化した珪藻土を使用することが好ましく、当該アロエが化石化した珪藻土は、天然の自然素材であり、木炭の数千倍にも及ぶ超多孔質のものであり、ビールなどの濾過剤として使用され、調湿機能に優れ、消臭、断熱、保温、保冷効果に富み、防音、遮音効果も高いので、塗り壁材として、調湿効果が高く、カビ汚れが付かず、接着性が良く、塗り作業が楽にでき、シックスハウスの原因となるホルムアルデヒドが殆んど含まれず、水性で有機溶剤を使用していないので、有機物質が揮発することによって、人体へ影響しまた室内が汚染されるということがない。
当該アロエが化石化した珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材は、元々、アメリカの外科医が主にギブスの材料としていた素地を下にして塗り壁に開発したものである。
シックスハウスの原因となるホルムアルデヒドは0.2ppm以下で、ホルムアルデヒドを発生しないことが認定されている(日本認定番号MFN−1321)。
当該珪藻土系室内塗装材は、コテ塗り、吹き付け等の塗装方法で、素人でも簡易に使用出来る。
【0015】
本発明では上記の珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に、石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を添加して室内塗装材を構成する。
当該石英片岩としては、例えば、愛知県北設楽郡周域で産出されるナチュラルセラミックスが挙げられる。
当該ナチュラルセラミックスとは、約2,000万年前、二つのプレートがぶつかり合って起きた大規模な地殻変動により、10,000気圧の超高圧と超高温で生成されたと推定される中央構造線上にある領家変成帯の石英片岩の一種で、その結晶組織の特異性から、極めて高い硬度を有し、遠赤外線放射量も多いものであると共に、又、かかる遠赤外線による酸化還元作用、マイナスイオン発生作用、多孔質であることによる吸着作用等を有している。又、耐摩耗性,耐衝撃性,耐熱性及び酸・アルカリ等の耐薬品性にも優れている
当該ナチュラルセラミックスは、主に、石英、ソーダ長石、カリ長石、雲母を有する鉱物組成よりなっている。
当該石英片岩は、ナチュラルセラミックスの称呼の他、「蓬らい石」とか「段戸珪石」と称されることもあり、当該「蓬らい(ほうらい)石」は、SiO 80〜90wt%、AL 8〜9%、Fe 0.7〜0.8%を含む成分組成を有している。
当該石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末は、蓬らい石の原石の粉砕粉末自体も含み、その他、蓬らい石を粉砕した粉末を成形焼結してなるセラミックスであっても構わない。
【0016】
本発明による上記珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に、上記の石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を添加してなる室内塗装材は、調湿効果が高く、カビ汚れが付かず、接着性が良く、塗り作業が楽にでき、シックスハウスの原因となるホルムアルデヒドが殆んど含まれず、水性で有機溶剤を使用していないので、有機物質が揮発することによって、人体へ影響しまた室内が汚染されるということがないと同時に、マイナスイオン効果が高く、遠赤外線効果に優れ、電磁波の吸収分解効果に優れ、波動効果にも優れている室内塗装材となし得る。
【0017】
石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末の配合割合は、当該石英片岩粉末/当該珪藻土系室内塗装材X100=1〜10重量%の式で算出され、1〜10重量%である。
当該石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末の配合割合が1重量%未満では、マイナスイオン発生作用、遠赤外線効果、電磁波の吸収分解効果及び波動効果を発揮し難くなり、一方、10重量%を超えても効果が飽和し、又、経済的ではない。
【0018】
本発明の室内塗装材は、珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に、石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を添加して調製もよいし、当該珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材の調製時に石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を含有させるようにしてもよい。
【0019】
本発明で使用される珪藻土系室内塗装材には、必要に応じて、フェライトを配合してもよい。珪藻土系室内塗装材にフェライトを配合しておくと、フェライトによる電磁波の吸収機能を発揮させることができる。フェライトには、静電気の発生を防ぐ機能もある。
発泡ガラス粉を配合しておくと、塗工後の収縮を防止することができる。
上記のように、珪藻土は、調湿機能に優れているので、必要としないが、無機調湿材を使用してもよい。当該無機調湿材としては、例えば、炭、活性炭、珪質頁岩、アロフェン、ゼオライト、セピオライト、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノライト、活性白土、シリカゲル、イモゴライト、大谷石粉などが使用できる。
珪藻土として前記アロエが化石化した珪藻土を使用することが好ましいが、北海道の稚内珪藻土のような調湿性に優れている珪藻土を併用してもよい。
【0020】
本発明の珪藻土系室内塗装材は、建物の部屋内部の壁や天井などの塗装に使用できる。
ビニールクロスによる壁材に代えて本発明の珪藻土系室内塗装材を使用することができ、塗り壁材として使用することができる。
塗り壁構造は、和風住宅などの室内壁面の仕上げに広く採用され、塗り壁材としては、漆喰や壁土などが用いられ、プラスターやモルタルを用いることもある。
石膏プラスターによる塗り壁は、純白の外観を有し美麗であるとともに、吸湿性があるため、室内の湿気を取り除くという機能がある。漆喰は、消石灰にのりやすさを加えたものであり、白色の外観を有し美麗であるが、吸湿機能はない。
従来の塗り壁構造は、吸湿性が無いか、吸湿性はあっても、一旦吸湿した湿気がなかなか放出されないため、結露やカビの発生を促進するという問題があったが、本発明の珪藻土系室内塗装材は当該調湿機能があり、室内の湿気を吸湿し、且つ、放出させる機能がある。本発明の珪藻土系室内塗装材は、当該漆喰や壁土やプラスターやモルタルなどに代えて使用することが出来る。
本発明の珪藻土系室内塗装材による塗り壁層は、通常、壁の仕上げ面を構成する。当該、塗り壁層は、単独の層であってもよいし、壁の表面側に配置される化粧層と、化粧層の背面側に配置される下塗り層とで構成することもできる。化粧層と下塗り層は、基本的な構成は共通している。
当該塗り壁層は、建築物の壁面に、スラリー状あるいは練り状の塗り壁材を、一定の厚みで塗り付け、乾燥固化させることで形成できる。
【0021】
(発明の実施の形態)
本発明の理解に供するため、以下に実施例を記載する。いうまでもなく、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0022】
実施例1
塗膜形成要素のアクリル系ラテックスと充填材のアロエが化石化した珪藻土と酸化チタンとカルシウムカーボネートと骨材のマイクロセラミックと希釈の蒸留水とからなるダイアトーマスII(エバウオール社製珪藻土系室内塗装材)10kgに対して石英片岩を粉砕してなる平均粒径350umの石英片岩(ナチュラルセラミック)粉末を5%800g配合して塗り壁材を調整し、室内の壁及び天井について「こて」にて塗布した。
ナチュラルセラミックは、SiO 84.16wt%、AL 8。14%、Fe 0.76%、TiO 0.22%、CaO 0.71%、MgO 0.21%、KgO 3.39%、NaO 1.94%、残 5.59%の組成のものであった。
【0023】
上記石英片岩(ナチュラルセラミック)粉末について、心身波動測定を行った。長野県大町温泉にて当該石英片岩を使用した浴場を作成し、心身波動に対する効果製を比較検討した。表中のプラス数値は、その値が大きい程園状態が良いことを示す。「怒り」では、+20は、怒りが全く無い。
その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】

【0025】
表1から、石英片岩の浴場は、心身全体に良い影響を与え、又、感情においても良い影響を与えることができることが判る。
【0026】
上記石英片岩(ナチュラルセラミック)粉末について、硫化水素濃度、アンモニア濃度及び残留塩素濃度測定により、脱臭性能を観察した。
硫化水素濃度、アンモニア濃度測定は、硫化水素、アンモニアをガラス瓶(測定容器)に入れて半導体香りセンサNS700/NS710(キーエンス株式会社製)によりそれらの濃度の減少を経過的に測定した。ステンレスとタイルとの比較検討を行った。
残留塩素濃度測定は、水道水50mlに石英片岩(ナチュラルセラミック)粉末100gを入れ、当該石英片岩による当該水道水中の残留塩素を経過的に測定した。
その結果を表2、表3及び表4に示す。
【0027】
【表2】


【0028】
【表3】

【0029】
【表4】


【0030】
表2〜表4から、石英片岩により、脱臭効果があることが判る。
【0031】
200℃における上記石英片岩(実線1)の遠赤外線放射エネルギー量を測定した。
その結果を図1に示す。
尚、図1には、40℃の石英片岩(破線2)の遠赤外線放射エネルギー量および200℃における合成ゼオライト(破線3)の遠赤外線放射エネルギー量も示した。
【0032】
図1から、石英片岩は遠赤外線放射エネルギー量が大きいことが判る。
【0033】
60℃の上記石英片岩(実線4)及び合成ゼオライト(破線5)の遠赤外線放射エネルギー率を測定した。
尚、ここで、遠赤外線放射率とは、試験体の遠赤外線放射量を4〜24μmの波長の間で測定し、理想黒体(遠赤外線放射率が約100%の物質)と対比させて百分率で示したものである。かかる測定条件としては、測定機械:日本電子製JIR−5300、測定温度:135℃を採用した。
その結果を図2に示す。
【0034】
石英片岩のマイナスイオン発生量を測定した。図3にそのグラフを示す。
尚、比較のために、図4にトルマリンのマイナスイオン発生量のグラフを示した。
マイナスイオンの測定は、石英片岩及びトルマリンの微粉末を充填したステンレスカラム中に水を循環して、活性化した水をビーカーに取った。この水を取り出して和紙に吸収させ、神戸電波機株式会社製KSTー900イオンテスターの測定用吸引口に定置した。空気を吸引しながらマイナスイオンの発生量を測定した。
図3及び図4において、縦軸はイオン数/ccであり、横軸は測定時間(回数)である。石英片岩の場合は測定上限値50,000個を超えており、約70,000〜80,000個であると推定される。一方、トルマリンの場合は最高10,000個であり、平均すると5,000個である。従って、石英片岩はトルマリンに比べて少なくとも7〜8倍程度のマイナスイオン発生能力があり、少ない付着量で大きなマイナスイオン効果を発揮することがわかる。
尚、マイナスイオンとは、分子が10個ないし100個ほど集まって空気中に浮かんでいる粒子(小イオン)のうちの、マイナスに帯電しているものであり、このマイナスイオンは、電気的に中性の分子に放射線、紫外線、熱線(遠赤外線)等のエネルギーを照射してマイナス電子を引き剥がし、剥がされたマイナス電子が他の分子に捕えられることにより発生する。また、空気中で微細水滴が分裂するとき、水滴は陽極に帯電し、周囲の空気は陰極に帯電する空気のイオン化現象(レナード現象)によっても起きる。マイナスイオンは、肩こり、神経痛、リウマチ、冷え症、腰痛、荒れ性、打ち身、捻挫、霜焼け及びあせもの治療、疲労回復、安眠、体質改善に優れた効果(マイナスイオン効果と呼ばれている)を発揮することが知られている。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、自動車の他、建築関係、家電製品等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】遠赤外線放射エネルギー量の測定結果のグラフ図である。
【図2】遠赤外線放射エネルギー率の測定結果のグラフ図である。
【図3】石英片岩のマイナスイオン発生量の測定結果のグラフ図である。
【図4】トルマリンのマイナスイオン発生量の測定結果のグラフ図である。
【符号の説明】
【0037】
1…200℃の石英片岩の遠赤外線放射エネルギー量
2…40℃の石英片岩の遠赤外線放射エネルギー量
3…合成ゼオライトの遠赤外線放射エネルギー量
4…石英片岩のマイナスイオン発生量
5…合成ゼオライトのマイナスイオン発生量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に、石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を添加してなる室内塗装材にて建物の室内に塗装を施すことを特徴とする珪藻土系室内塗装材による塗装方法。
【請求項2】
珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材に対して石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末を1〜10重量%で添加することを特徴とする、請求項1に記載の珪藻土系室内塗装材による塗装方法。
【請求項3】
珪藻土が、アロエが化石化した珪藻土であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の珪藻土系室内塗装材による塗装方法。
【請求項4】
石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末が、平均粒径400um以下の石英片岩粉末であることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の珪藻土系室内塗装材による塗装方法。
【請求項5】
珪藻土を含有してなる珪藻土系室内塗装材99〜90重量%と石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末1〜10重量%とからなることを特徴とする珪藻土系室内塗装材。
【請求項6】
石英片岩を粉砕してなる石英片岩粉末が、平均粒径400um以下の石英片岩粉末であることを特徴とする、請求項5に記載の珪藻土系室内塗装材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−264605(P2008−264605A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107138(P2007−107138)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(397018501)株式会社ライフホーム (2)
【Fターム(参考)】