現場打ちコンクリート版の構造、その解体方法、コンクリート版及び構造物
【課題】解体が容易で、環境問題を引き起こすことも少なく、しかも、解体したコンクリートの運搬も容易で、そのリサイクル、リユースも容易な、現場打ちコンクリート版の構造、その解体方法等を提供する。
【解決手段】キーストンプレート5が複数枚隣り合うように敷かれ、これらキーストンプレート5,5間から仕切り5が立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより各キーストンプレート5…上に前記仕切り5で仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版6…からなるコンクリート土間や基礎ベースなどのコンクリート版2が形成され、各単位コンクリート版6…は、コンクリート版2の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされている。
【解決手段】キーストンプレート5が複数枚隣り合うように敷かれ、これらキーストンプレート5,5間から仕切り5が立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより各キーストンプレート5…上に前記仕切り5で仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版6…からなるコンクリート土間や基礎ベースなどのコンクリート版2が形成され、各単位コンクリート版6…は、コンクリート版2の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場打ちコンクリート版の構造、その解体方法、コンクリート版及び構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、住宅、事務所、店舗等の建物におけるコンクリート土間は、従来より、整地して砕石を敷いた地盤面を充分に転圧したのち、ワイヤーメッシュ等のひび割れ防止筋を配筋し、しかる後、必要板厚分のコンクリートを打設するというようにして形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のようにして形成されたコンクリート土間も、いずれは解体される運命にあるが、従来の解体方法は、破砕機を用いて土間コンクリートを砕き、ワイヤーメッシュ等の逐次切断しながら解体していくものであり、解体が非常に厄介で、また、解体時の騒音、粉塵等により環境問題を引き起こしたり、更には、破砕したコンクリートガラは、形状等もバラバラで、運搬に手間を要し、また、運搬後は処分するしかないという問題があった。
【0004】
本発明は、例えば上記のような問題点に鑑み、解体が容易で、環境問題を引き起こすことも少なく、しかも、解体したコンクリートの運搬も容易で、そのリサイクル、リユースも容易な、現場打ちコンクリート版の構造、その解体方法等を提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、面状絶縁材が敷かれると共に、仕切りが立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより面状絶縁材上に前記仕切りで仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版からなるコンクリート版が形成され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされていることを特徴とする現場打ちコンクリート版の構造(第1発明)によって解決される。
【0006】
この構造では、コンクリート版の解体は、該コンクリート版を構成する各単位コンクリート版を互いに分離状態にして搬出していけばよい。各単位コンクリートを構成するコンクリートは仕切りによって仕切られて互い独立状態となっているので、コンクリートが単位コンクリート版を分離させる上での妨げとなることはないし、また、単位コンクリート版はコンクリート版の解体時に互いに分離状態にすることができるようになされているので仕切りが単位コンクリート版を分離させる上での妨げとなることもなく、従って、コンクリート版を破砕機で破砕していく必要もなくあるいは少なく、コンクリート版の解体を施工容易に行っていくことができる。
【0007】
しかも、上記のように、コンクリート版を破砕機で破砕していく必要がないあるいは少ないので、コンクリート版の解体時に騒音、粉塵等の環境問題を引き起こすこともない。
【0008】
加えて、単位コンクリート版を単位として解体していくものであるから、解体後の運搬も単位コンクリート版が対象となり、運搬が容易であると共に、リサイクルやリユースも容易になる。
【0009】
また、単位コンクリート版を構成するコンクリートは面状絶縁材の上に打設されたものであるので、面状絶縁材の下面側が地盤面などであるような場合には、解体搬出時に単位コンクリート版を吊り上げていく際に単位コンクリート版に多くの地盤材が付着してついていくというようなこともなく、地盤面との分離を施工容易に行っていくことができる。
【0010】
上記の第1発明において、前記面状絶縁材が、単位コンクリート版単位に備えられた底板からなり、これら底板間から仕切りが立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより各底板上に前記仕切りで仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版からなるコンクリート版が形成され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、底板を一体化させた状態で、隣り合う単位コンクリート版から分離させて搬出することができるようになされているとよい(第2発明)。
【0011】
この場合は、底板が単位コンクリート版単位で備えられていることで、底板が単位コンクリート版を分離させる上での妨げとなることはないし、また、単位コンクリート版の底板側の面部はきれいな仕上がり状態になっていて、リサイクルやリユースが容易である。
【0012】
また、上記第1発明において、前記面状絶縁材が、複数の単位コンクリート版に連続してわたされたシート状のものからなり、該シート状面状絶縁材は、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げないものからなっているのもよい(第3発明)。
【0013】
この場合は、面状絶縁材が、複数の単位コンクリート版に連続してわたされたシート状のものからなることにより、面状絶縁材の敷設を施工容易に行うことができる。しかも、該シート状の面状絶縁材は、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げないものからなっているので、各単位コンクリート版の搬出も容易に行える。
【0014】
第1〜第3発明において、仕切りが、一方の単位コンクリート版に付着する第1仕切り板ともう一方の単位コンクリート版に付着する第2仕切り板とを分離可能に組み合わせた組み合わせ仕切り材を含んでおり、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、組み合わせ仕切り材の第1,2仕切り板が各単位コンクリート版との付着で分離されることにより、互いに分離状態となって搬出することができるようになされているとよい(第4発明)。
【0015】
即ち、仕切りがコンクリートに付着するタイプのもので分離できない一体物からなる場合、仕切りの一方の面部に一方の単位コンクリート版が付着し、もう一方の面部にもう一方の単位コンクリート版が付着してしまうと、コンクリート版の解体時に、各単位コンクリート版の分離を妨げることになるけれども、上記のように、仕切りを第1,第2の仕切り板を分離可能に組み合わせた組み合わせ仕切り材を含んだ構造にすることにより、たとえ、各仕切り板が各単位コンクリート版のコンクリートに付着しても、第1,第2の仕切り板が互いに分離することにより、各単位コンクリート版を分離状態にすることができ、解体を施工容易に行っていくことができる。
【0016】
また、上記の第1〜第3発明において、仕切りが、単位コンクリート版間から取外し可能な目地材を含んでおり、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、目地材を取り外した状態で互いに分離状態にして搬出することができるようになされているのもよい(第5発明)。
【0017】
この場合は、仕切りとして機能する目地材が単位コンクリート版間から取外し可能であることにより、目地材が各単位コンクリート版を分離させる上での妨げとなることはなく、各単位コンクリート版を互いに分離状態にすることができ、解体を施工容易に行っていくことができる。
【0018】
特に、目地材の場合には、これを単位コンクリート版間から取り外した状態にすることによって、単位コンクリート版間に空間部を形成することができ、各単位コンクリート版の搬出時、この空間部が逃げになって単位コンクリート版の欠けや割れの発生を防ぐことができ、品質良好な単位コンクリート版を回収することができる。
【0019】
また、第1〜第3発明において、仕切りが、弾力性を有し、かつ、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げない目地材からなるのもよい(第6発明)。この場合は、目地材が各単位コンクリート版を分離させる上での妨げにならないことにより、目地材を取り外すことなく各単位コンクリート版を互いに分離状態にすることができて、解体を施工容易に行っていくことができ、しかも、目地材の弾力性によって、各単位コンクリート版の搬出時、単位コンクリート版の欠けや割れの発生を防ぐことができ、品質良好な単位コンクリート版を回収することができる。
【0020】
また、上記の第1〜第3発明において、仕切りが、
一方の単位コンクリート版に付着する第1仕切り板ともう一方の単位コンクリート版に付着する第2仕切り板とを組み合わせ状態にして弱接合状態にした組み合わせ仕切り材と、
単位コンクリート版間から取外し可能な目地材と
を含んでおり、
前記組み合わせ仕切り材を構成する第1,第2の仕切り板はそれぞれ、付着される単位コンクリート版の下面側に突出するベース板部と、ベース板部に連接され、単位コンクリート版の側面部を立ち上がる脚板部と、脚板部に連接され、目地材の底面側に沿う目地材受け板部と、受け板部に連接され、目地材の側面側を立ち上がる目地材保持板部とを備え、
第1,第2の仕切り板は、脚板部が接触状態に合わせられて弱接合状態にされ、それらの受け板部と保持板部とで上方に開口する溝形の目地材保持部を形成し、目地材が該目地材保持部に収容されて受け保持され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、目地材を取り外した状態で、第1,第2仕切り板の弱接合状態を解除することにより、互いに分離状態にして搬出することができるようになされているとよい(第7発明)。
【0021】
この構造では、第4,第5発明と同様の作用効果が奏される。のみならず、組み合わせ仕切り材を構成する第1,第2仕切り板が、ベース板部と脚板部を備え、脚板部が接触状態に合わせられて弱接合状態にされているので、組み合わせ仕切り材を底板間に安定性良くしっかりと設置することができて、コンクリート版形成のための施工を容易にすることができる。
【0022】
しかも、第1,第2仕切り板は、ベース板部と脚板部のほか、目地材受け板部と目地材保持板部とを備え、脚板部が接触状態に合わせられて弱接合状態にされ、それらの受け板部と保持板部とで上方に開口する溝形の目地材保持部を形成し、目地材が該目地材保持部に収容されて受け保持されているので、目地材を組み合わせ仕切り材によって安定良くしっかりと保持することができ、コンクリート版形成のための施工を容易にすることができる。
【0023】
また、本発明は、第1乃至第7発明の現場打ちコンクリート版の構造に対し、各単位コンクリート版を、コンクリート版の解体時、互いに分離状態にして搬出することを特徴とする現場打ちコンクリート版の解体方法(第8発明)を含む。この解体方法によれば、解体が容易で、環境問題を引き起こすことも少なく、しかも、解体した単位コンクリート版の運搬も容易で、そのリサイクル、リユースも容易である。
【0024】
更に、本発明は、第8発明の解体方法によって解体して得られる単位コンクリート版からなることを特徴とするコンクリート版(第9発明)を含む。このコンクリート版は、プレキャストコンクリート版として、リサイクル、リユースして有効的に用いることができる。その場合に、面状絶縁材はコンクリート版に付けられたままであってもよいし、除去されていてもよい。
【0025】
また、本発明は、第9発明のコンクリート版を用いてつくられた建物等の構造物(第10発明)も内容として含み、資源に無駄を生じさせない環境に優しい構造物を提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、以上のとおりのものであるから、解体が容易で、環境問題を引き起こすことも少なく、しかも、解体したコンクリートの運搬も容易で、そのリサイクル、リユースも容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1乃至図5に示す第1実施形態は、住宅、事務所、店舗等の建物に用いられるコンクリート土間についてのもので、図1において、1は鋼製の基礎梁、2は現場打ちコンクリート版としてのコンクリート土間である。
【0029】
コンクリート土間2は、基礎梁1で囲まれた内部の砕石地業3等をした地盤面に、面状絶縁材及び底板としての平面視方形状のキーストンプレート4が複数枚隣り合うように敷かれ、これらキーストンプレート4…間から仕切り5…が立ち上げられ、コンクリートが、現場打ちにより、各キーストンプレート4上に打設されて形成されたもので、仕切り5…を挟む各側のコンクリートは、仕切り5によって互いに独立状態となって単位コンクリート版6…を形成しており、コンクリート土間2は、これら単位コンクリート版6…の集合体として形成されている。
【0030】
そして、各単位コンクリート版6…は、コンクリート土間2の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされている。即ち、本実施形態では、それを実現するため、仕切り5が、組み合わせ仕切り材7と目地材8とで構成されている。
【0031】
組み合わせ仕切り材7は、図2に示すように、仕切り5を挟む一方の単位コンクリート版6に付着する第1仕切り板9と、もう一方の単位コンクリート版6に付着する第2仕切り板10とを組み合わせ状態にしたもので、各仕切り板9,10は、鉄板等の金属板を板曲げ加工して製作されており、付着される単位コンクリート版の下面側に突出するベース板部7aと、ベース板部7aに連接され、単位コンクリート版の側面部を立ち上がる脚板部7bと、脚板部7bに連接され、目地材8の底面側に沿う目地材受け板部7cと、受け板部7cに連接され、目地材8の側面側を立ち上がる目地材保持板部7dとを備えている。
【0032】
そして、第1,第2の仕切り板9,10は、脚板部7b,7bが接触状態に合わせられてそれらの上端部付近が溶接Wや半田付けなどにより弱接合状態にされ、それらの受け板部7c,7cと保持板部7d,7dとで上方に開口する溝形の目地材保持部11を形成し、目地材8が該目地材保持部11内に収容されて受け保持されるようになされている。
【0033】
目地材8は、ポリエチレンや硬質ゴム等の伸縮性を有するものなどからなっていて、単位コンクリート版間から取外し可能なものからなり、上記の組み合わせ仕切り材7の目地材保持部11内に上方突出状態となるように収容保持されて、組み合わせ仕切り材7との組み合わせで仕切り5を構成し、仕切り5が、打設されるコンクリートの下半部を組み合わせ仕切り材7で仕切り、上半部を目地材8で仕切るようになされている。
【0034】
組み合わせ仕切り材7は、第1,第2仕切り板9,10の脚板部7b,7bが接触状態に合わせられて弱接合状態にされ、目地材8は、それらの受け板部7c,7cと保持板部7d,7dとで形成された溝形の目地材保持部11内に収容されて受け保持されているので、目地材8を組み合わせ仕切り材7によって安定良くしっかりと保持することができ、コンクリート土間2の施工を容易にすることができる。
【0035】
コンクリート土間2の施工は、図3(イ)に示すように、砕石地業3等のされた地盤面の上に、複数枚のキーストンプレート4…を互いに隣り合うように敷いていき、しかる後、図3(ロ)及び図4(ハ)に示すように、隣り合うキーストンプレート4,4間に仕切り5を設置していくと共に、それと相前後してキーストンプレート4…上にひび割れ防止筋12…を配筋していく。
【0036】
仕切り5の設置は、図2(ニ)に示すように、組み合わせ仕切り材7の一方のベース板部7aを、隣り合う一方のキーストンプレート4の最側部の谷底板の上面部に、また、もう一方のベース板部7aをもう一方のキーストンプレート4の最側部の谷底板の上面部に載せた状態にして、各ベース板部7a,7aを各キーストンプレート4,4の谷底板にビス13で止め付けた状態にすることで行う。
【0037】
仕切り5を構成する組み合わせ仕切り材7は、第1,第2仕切り板9,10を組み合わせたものであるが、ベース板部7aと脚板部7bを備え、脚板部7bが接触状態に合わせられて弱接合状態にされているので、仕切り5をキーストンプレート4,4間に安定性良くしっかりと設置することができて、コンクリート土間2の施工を容易にすることができる。
【0038】
なお、山谷の延びる方向において隣り合うキーストンプレート間では、組み合わせ仕切り材7のベース板部7a,7aをキーストンプレート4の下面側に位置させるようにして設置するとよい。
【0039】
しかる後、図4(ニ)に示すように、コンクリート14を、現場打ちにより各キーストンプレート4…上に打設し、コンクリート14の天面高さ位置を仕切り5の目地材8の上端高さ位置とほぼ一致させ、仕切り5を挟む各コンクリートが互いに独立状態となるようにし、そして、該コンクリートを養生硬化させれば、図1に示すような単位コンクリート版6…の集合体からなるコンクリート土間2が形成される。
【0040】
こうして形成されたコンクリート土間2の解体は、図5(イ)に示すように、単位コンクリート版6…間から目地材8を取り外し、単位コンクリート版6の上面側に取り付けた吊りピース15…を利用して、図5(ロ)に示すように、該単位コンクリート版6をクレーンで吊り上げて、対応するキーストンプレート4とともに搬出していけばよい。
【0041】
この吊上げによって、組み合わせ仕切り材7は、その弱接合部が破断され、第1,第2の仕切り板9,10は互いに分離されて、隣り合う単位コンクリート版6,6の分離を妨げることはない。
【0042】
また、解体において、目地材8は取り外すことができるので、取り外した状態にすることによって、単位コンクリート版6間に形成される空間部を逃げにして吊上げ時に単位コンクリート版6に欠けや割れを生じるのを防ぐことができ、品質良好な単位コンクリート版を回収することができる。
【0043】
このように、上記の構造によれば、コンクリート土間2の解体を、目地材を取り外し、各単位コンクリート版6…をクレーンで吊って搬出していくというようにして行っていくことができ、破砕機を用いる従来の解体に比べ、解体が非常に容易であると共に、騒音、粉塵等の環境問題の発生も抑えることができる。
【0044】
また、上記のようにしてクレーンで搬出した単位コンクリート版6は、方形状をしていて、トラック等に重ねるようにして積み込むことができ、効率良く運搬していくことができる。また、上記の解体によって得られる単位コンクリート版6は、キーストンプレート4の上にコンクリート14が打設されて形成されたコンクリート版であり、プレキャストコンクリート版として、リサイクル、リユースして有効的に活用していくことができ、これを、建物の床スラブ材、壁材などとして用いることも可能であり、そういう用い方をすることにより、資源に無駄を生じさせない、環境に優しい構造物を世の中に提供していくことができる。
【0045】
図6乃至図10に示す第2実施形態は、建物の連続基礎に適用した場合のもので、図6において、21は現場打ちコンクリート版としての基礎ベース、22は鋼製基礎梁、23はそれらをつなぐアンカーである。
【0046】
基礎ベース21は、砕石地業3等のなされた地盤面に、底板としての平面視方形状のキーストンプレート4が、基礎の延びる方向に複数枚隣り合うように敷かれ、これらキーストンプレート4…間から仕切り5…が立ち上げられ、コンクリートが、現場打ちにより、各キーストンプレート4上に打設されて形成されたもので、仕切り5…を挟む各側のコンクリートは、仕切り5によって互いに独立状態となって単位コンクリート版6…を形成しており、基礎ベース21は、これら単位コンクリート版6…の集合体として形成されている。
【0047】
そして、各単位コンクリート版6…は、基礎ベース21の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされており、それを実現するため、仕切り5が、第1実施形態の場合と同様の構造をした組み合わせ仕切り材7と目地材8とで構成されている。
【0048】
基礎ベース21の施工は、図7(イ)〜(ニ)に示すように、砕石地業3のされた地盤面の上に、複数枚のキーストンプレート4…を基礎の延びる方向に互いに隣り合うように敷いていくと共に、隣り合うキーストンプレート4,4間に仕切り5を設置していく。仕切り5は、キーストンプレート4の山谷の延びる方向の端部に設置されるので、組み合わせ仕切り材7のベース板部7aの上にキーストンプレート4の端部が重なるように設置していけばよい。なお、図7(イ)に示すように、キーストンプレート4には、アンカー23の下端部を連結する高ナット28が予め溶接などで取り付けられている。
【0049】
また、図7(イ)(ハ)に示すように、キーストンプレート4の幅方向の両サイドに側枠保持金物24,24を取り付け、該側枠保持金物24,24にポリスチレンフォームなどからなる側枠25,25を保持させた状態にすると共に、図8(ホ)(ヘ)に示すように、側枠25,25をその上端部においてつなぎ金物26で連結し、高ナット28,28にアンカー23,23を連結し、アンカー23,23の上端部を天端プレート27で連結し、基礎ベース筋16…を配筋した状態にする。
【0050】
しかる後、図8(ト)(チ)に示すように、コンクリート14を、現場打ちにより各キーストンプレート4…上に打設し、コンクリート14の天面高さ位置を仕切り5の目地材8の上端高さ位置とほぼ一致させ、仕切り5を挟む各コンクリートが互いに独立状態となるようにし、そして、該コンクリートを養生硬化させ、つなぎ金物26とアンカーの天端プレート27を取り外せば、図6に示すような単位コンクリート版6…の集合体からなる基礎ベース21が形成される。
【0051】
基礎は、このようにして形成された基礎ベース21に対し、図6(イ)(ロ)に示すように、鋼製基礎梁22をアンカー23で基礎ベース21に連結することにより形成される。
【0052】
解体は、基礎梁22を取り外し、図9(ロ)に示すように、単位コンクリート版6…間から目地材8を取り外し、図9(イ)に示すように単位コンクリート版6の上面側に取り付けた吊りピース15…を利用し、図10(ハ)(ニ)に示すように、該単位コンクリート版6をクレーンで吊り上げて、対応するキーストンプレート4とともに搬出していけばよい。
【0053】
このように、本実施形態の構造においても、基礎ベース21の解体を、目地材8を取り外し、各単位コンクリート版6…をクレーンで吊って搬出していくというようにして行っていくことができ、破砕機を用いる従来の解体に比べ、解体が非常に容易であると共に、騒音、粉塵等の環境問題の発生も抑えることができる。
【0054】
また、上記のようにしてクレーンで搬出した単位コンクリート版6は、方形状をしていて、トラック等にスペーサーを介して重ねるようにして積み込むことができ、効率良く運搬していくことができる。上記の解体によって得られる単位コンクリート版6は、キーストンプレート4の上にコンクリート14が打設されて形成されたコンクリート版であり、プレキャストコンクリート版として、リサイクル、リユースして有効的に活用していくことができ、これを、建物の基礎ベースとして、また、アンカー23,23の突出を必要に応じて除去することにより床スラブ材や壁材などとして用いることも可能であり、そういう用い方をすることにより、資源に無駄を生じさせない、環境に優しい構造物を世の中に提供していくことができる。
【0055】
図11乃至図14に示す第3実施形態は、第2実施形態と同様に、建物の連続基礎に適用した場合のもので、図11(ロ)に示すように、地盤面は捨てコンクリート32で形成され、面状絶縁材4として、基礎ベース21を構成する複数の単位コンクリート版6…に連続してわたされたシート状のものが用いられ、該シート状面状絶縁材4は、ポリエチレンフィルムなどの、基礎ベース21の解体時の各単位コンクリート版6…の搬出を妨げないものからなっている。
【0056】
また、目地材5が隣り合う単位コンクリート版6…の仕切りとして用いられ、該目地材5は、ポリスチレンフォーム等の、弾力性を有し、かつ、基礎ベース部21の解体時の各単位コンクリート版6…の搬出を妨げない目地材からなっている。
【0057】
基礎ベース部21の施工は、図12(イ)(ロ)及び図13(イ)(ロ)に示すように、捨てコンクリート32の上に、シート状面状絶縁材4を基礎の延びる方向に敷き、その上に、合板型枠30,30と目地材5を設置する。目地材5は、合板型枠30,30の内面部に設けられているガイド31,31によって倒れ阻止状態に保持される。シート状面状絶縁材4は、複数の単位コンクリート版6…に連続状にわたされるように敷設されるから、面状絶縁材4の敷設作業を能率良く容易に行っていくことができる。
【0058】
そして、図13(ハ)(ニ)に示すように、型枠30,30内に、アンカー23を設置すると共に、基礎ベース筋16…を配筋した後、コンクリート14を、現場打ちにより型枠30,30内のシート状面状絶縁材4の上に打設し、該コンクリート14の天面高さ位置を目地材5の上端高さ位置よりも低く、あるいは、目地材5の上端高さ位置とほぼ一致させて、目地材5を挟む各コンクリートが互いに独立状態となるようにし、そして、該コンクリートを養生硬化させ、脱型すれば、図11に示すような単位コンクリート版6…の集合体からなる基礎ベース21が形成される。
【0059】
解体は、基礎梁22を取り外し、図14(イ)に示すように単位コンクリート版6の上面側に取り付けた吊りピース15…を利用し、図14(ハ)(ニ)に示すように、該単位コンクリート版6をクレーンで吊り上げればよい。その際、シート面状絶縁材4は引き裂かれ、あるいは、吊り上げられる単位コンクリート版6から剥ぎ取られ、隣りの単位コンクリート6からの分離が妨げられることはなく、また、目地材5はポリスチレンフォーム等からなって、各単位コンクリート版6…を分離させる上での妨げにならないことにより、各単位コンクリート版6の搬出を容易に行っていくことができる。
【0060】
また、目地材5がこのようにポリスチレンフォーム等の弾力性を有する材料からなることで、各単位コンクリート版6…の搬出時に、単位コンクリート版6に欠けや割れを生じさせることもなく、品質良好な単位コンクリート版6…を回収することができる。更に、単位コンクリート版6…のコンクリートは、捨てコンクリート32の上に敷設したシート状面状絶縁材4の上に打たれているから、面状絶縁材4の側の面が平坦な、状態の良い単位コンクリート版6…を回収することができる。
【0061】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の第1、第2実施形態では、底板としてキーストンプレート4を用いた場合を示したが、その他の金属波状板が用いられてもよいし、波状板に限らず、平板に補強リブを取り付けたリブ付き平板材であってもよいし、単なる平板であってもよいし、材質についても金属や樹脂、木等であってよい。
【0062】
また、上記の第1,第2実施形態では、仕切りとして、組み合わせ仕切り材7と目地材8とを組み合わせたものを用いた場合を示したが、いずれか一方のみを用いた仕切りが用いられてよいし、目地材の形態や構造、組み合わせ仕切り材の形態や構造についても制限はない。また、第1〜第3発明における仕切りは、コンクリート版の解体時に単位コンクリート版を互いに分離状態にすることができるようなものであればよく、上記のような組み合わせ仕切り材や目地材に限られるものではない。
【0063】
また、上記の実施形態では、コンクリート版がコンクリート土間や基礎ベースである場合を示しているが、これらに限られるものではなく、コンクリート床版などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1実施形態の現場打ちコンクリート版であるコンクリート土間の断面正面図である。
【図2】図(イ)は組み合わせ仕切り材を分離状態にして示す斜視図、図(ロ)は組み合わせ仕切り材と目地材とを分離状態にして示す斜視図、図(ハ)は仕切りの斜視図、図(ニ)は仕切りとキーストンプレートとを分離状態にして示す斜視図である。
【図3】図(イ)及び図(ロ)は、図4(ハ)(ニ)と共にコンクリート土間の施工方法を順次に示す断面正面図である。
【図4】図(ハ)及び図(ニ)は、図3(イ)(ロ)と共にコンクリート土間の施工方法を順次に示す断面正面図である。
【図5】図(イ)及び図(ロ)は、コンクリート土間の解体方法を順次に示す断面正面図である。
【図6】図(イ)は第2実施形態の現場打ちコンクリート版である基礎ベースの断面側面図、図(ロ)は図(イ)のI−I線断面矢視図である。
【図7】図(イ)〜図(ニ)は、図8(ホ)〜(チ)と共に基礎ベースの施工方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図8】図(ホ)〜図(チ)は、図7(イ)〜(ニ)と共に基礎ベースの施工方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図9】図(イ)及び図(ロ)は、図10(ハ)(ニ)と共に基礎ベースの解体方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図10】図(ハ)及び図(ニ)は、図9(イ)(ロ)と共に基礎ベースの解体方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図11】図(イ)は第3実施形態の現場打ちコンクリート版である基礎ベースの断面側面図、図(ロ)は図(イ)のII−II線断面矢視図である。
【図12】図(イ)及び図(ロ)は、図13(イ)〜(ニ)と共に基礎ベースの施工方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図13】図(イ)〜図(ニ)は、図12(イ)(ロ)と共に基礎ベースの施工方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図14】図(イ)〜図(ニ)は、基礎ベースの解体方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【符号の説明】
【0065】
2…コンクリート土間(現場打ちコンクリート版)
4…キーストンプレート(底板、面状絶縁材);シート状面状絶縁材(面状絶縁材)
5…仕切り、目地材(仕切り)
6…単位コンクリート版
7…組み合わせ仕切り材
8…目地材
9…第1仕切り板
10…第2仕切り板
11…目地材保持部
21…基礎ベース(現場打ちコンクリート版)
W…弱接合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場打ちコンクリート版の構造、その解体方法、コンクリート版及び構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、住宅、事務所、店舗等の建物におけるコンクリート土間は、従来より、整地して砕石を敷いた地盤面を充分に転圧したのち、ワイヤーメッシュ等のひび割れ防止筋を配筋し、しかる後、必要板厚分のコンクリートを打設するというようにして形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のようにして形成されたコンクリート土間も、いずれは解体される運命にあるが、従来の解体方法は、破砕機を用いて土間コンクリートを砕き、ワイヤーメッシュ等の逐次切断しながら解体していくものであり、解体が非常に厄介で、また、解体時の騒音、粉塵等により環境問題を引き起こしたり、更には、破砕したコンクリートガラは、形状等もバラバラで、運搬に手間を要し、また、運搬後は処分するしかないという問題があった。
【0004】
本発明は、例えば上記のような問題点に鑑み、解体が容易で、環境問題を引き起こすことも少なく、しかも、解体したコンクリートの運搬も容易で、そのリサイクル、リユースも容易な、現場打ちコンクリート版の構造、その解体方法等を提供することを課題する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、面状絶縁材が敷かれると共に、仕切りが立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより面状絶縁材上に前記仕切りで仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版からなるコンクリート版が形成され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされていることを特徴とする現場打ちコンクリート版の構造(第1発明)によって解決される。
【0006】
この構造では、コンクリート版の解体は、該コンクリート版を構成する各単位コンクリート版を互いに分離状態にして搬出していけばよい。各単位コンクリートを構成するコンクリートは仕切りによって仕切られて互い独立状態となっているので、コンクリートが単位コンクリート版を分離させる上での妨げとなることはないし、また、単位コンクリート版はコンクリート版の解体時に互いに分離状態にすることができるようになされているので仕切りが単位コンクリート版を分離させる上での妨げとなることもなく、従って、コンクリート版を破砕機で破砕していく必要もなくあるいは少なく、コンクリート版の解体を施工容易に行っていくことができる。
【0007】
しかも、上記のように、コンクリート版を破砕機で破砕していく必要がないあるいは少ないので、コンクリート版の解体時に騒音、粉塵等の環境問題を引き起こすこともない。
【0008】
加えて、単位コンクリート版を単位として解体していくものであるから、解体後の運搬も単位コンクリート版が対象となり、運搬が容易であると共に、リサイクルやリユースも容易になる。
【0009】
また、単位コンクリート版を構成するコンクリートは面状絶縁材の上に打設されたものであるので、面状絶縁材の下面側が地盤面などであるような場合には、解体搬出時に単位コンクリート版を吊り上げていく際に単位コンクリート版に多くの地盤材が付着してついていくというようなこともなく、地盤面との分離を施工容易に行っていくことができる。
【0010】
上記の第1発明において、前記面状絶縁材が、単位コンクリート版単位に備えられた底板からなり、これら底板間から仕切りが立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより各底板上に前記仕切りで仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版からなるコンクリート版が形成され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、底板を一体化させた状態で、隣り合う単位コンクリート版から分離させて搬出することができるようになされているとよい(第2発明)。
【0011】
この場合は、底板が単位コンクリート版単位で備えられていることで、底板が単位コンクリート版を分離させる上での妨げとなることはないし、また、単位コンクリート版の底板側の面部はきれいな仕上がり状態になっていて、リサイクルやリユースが容易である。
【0012】
また、上記第1発明において、前記面状絶縁材が、複数の単位コンクリート版に連続してわたされたシート状のものからなり、該シート状面状絶縁材は、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げないものからなっているのもよい(第3発明)。
【0013】
この場合は、面状絶縁材が、複数の単位コンクリート版に連続してわたされたシート状のものからなることにより、面状絶縁材の敷設を施工容易に行うことができる。しかも、該シート状の面状絶縁材は、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げないものからなっているので、各単位コンクリート版の搬出も容易に行える。
【0014】
第1〜第3発明において、仕切りが、一方の単位コンクリート版に付着する第1仕切り板ともう一方の単位コンクリート版に付着する第2仕切り板とを分離可能に組み合わせた組み合わせ仕切り材を含んでおり、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、組み合わせ仕切り材の第1,2仕切り板が各単位コンクリート版との付着で分離されることにより、互いに分離状態となって搬出することができるようになされているとよい(第4発明)。
【0015】
即ち、仕切りがコンクリートに付着するタイプのもので分離できない一体物からなる場合、仕切りの一方の面部に一方の単位コンクリート版が付着し、もう一方の面部にもう一方の単位コンクリート版が付着してしまうと、コンクリート版の解体時に、各単位コンクリート版の分離を妨げることになるけれども、上記のように、仕切りを第1,第2の仕切り板を分離可能に組み合わせた組み合わせ仕切り材を含んだ構造にすることにより、たとえ、各仕切り板が各単位コンクリート版のコンクリートに付着しても、第1,第2の仕切り板が互いに分離することにより、各単位コンクリート版を分離状態にすることができ、解体を施工容易に行っていくことができる。
【0016】
また、上記の第1〜第3発明において、仕切りが、単位コンクリート版間から取外し可能な目地材を含んでおり、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、目地材を取り外した状態で互いに分離状態にして搬出することができるようになされているのもよい(第5発明)。
【0017】
この場合は、仕切りとして機能する目地材が単位コンクリート版間から取外し可能であることにより、目地材が各単位コンクリート版を分離させる上での妨げとなることはなく、各単位コンクリート版を互いに分離状態にすることができ、解体を施工容易に行っていくことができる。
【0018】
特に、目地材の場合には、これを単位コンクリート版間から取り外した状態にすることによって、単位コンクリート版間に空間部を形成することができ、各単位コンクリート版の搬出時、この空間部が逃げになって単位コンクリート版の欠けや割れの発生を防ぐことができ、品質良好な単位コンクリート版を回収することができる。
【0019】
また、第1〜第3発明において、仕切りが、弾力性を有し、かつ、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げない目地材からなるのもよい(第6発明)。この場合は、目地材が各単位コンクリート版を分離させる上での妨げにならないことにより、目地材を取り外すことなく各単位コンクリート版を互いに分離状態にすることができて、解体を施工容易に行っていくことができ、しかも、目地材の弾力性によって、各単位コンクリート版の搬出時、単位コンクリート版の欠けや割れの発生を防ぐことができ、品質良好な単位コンクリート版を回収することができる。
【0020】
また、上記の第1〜第3発明において、仕切りが、
一方の単位コンクリート版に付着する第1仕切り板ともう一方の単位コンクリート版に付着する第2仕切り板とを組み合わせ状態にして弱接合状態にした組み合わせ仕切り材と、
単位コンクリート版間から取外し可能な目地材と
を含んでおり、
前記組み合わせ仕切り材を構成する第1,第2の仕切り板はそれぞれ、付着される単位コンクリート版の下面側に突出するベース板部と、ベース板部に連接され、単位コンクリート版の側面部を立ち上がる脚板部と、脚板部に連接され、目地材の底面側に沿う目地材受け板部と、受け板部に連接され、目地材の側面側を立ち上がる目地材保持板部とを備え、
第1,第2の仕切り板は、脚板部が接触状態に合わせられて弱接合状態にされ、それらの受け板部と保持板部とで上方に開口する溝形の目地材保持部を形成し、目地材が該目地材保持部に収容されて受け保持され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、目地材を取り外した状態で、第1,第2仕切り板の弱接合状態を解除することにより、互いに分離状態にして搬出することができるようになされているとよい(第7発明)。
【0021】
この構造では、第4,第5発明と同様の作用効果が奏される。のみならず、組み合わせ仕切り材を構成する第1,第2仕切り板が、ベース板部と脚板部を備え、脚板部が接触状態に合わせられて弱接合状態にされているので、組み合わせ仕切り材を底板間に安定性良くしっかりと設置することができて、コンクリート版形成のための施工を容易にすることができる。
【0022】
しかも、第1,第2仕切り板は、ベース板部と脚板部のほか、目地材受け板部と目地材保持板部とを備え、脚板部が接触状態に合わせられて弱接合状態にされ、それらの受け板部と保持板部とで上方に開口する溝形の目地材保持部を形成し、目地材が該目地材保持部に収容されて受け保持されているので、目地材を組み合わせ仕切り材によって安定良くしっかりと保持することができ、コンクリート版形成のための施工を容易にすることができる。
【0023】
また、本発明は、第1乃至第7発明の現場打ちコンクリート版の構造に対し、各単位コンクリート版を、コンクリート版の解体時、互いに分離状態にして搬出することを特徴とする現場打ちコンクリート版の解体方法(第8発明)を含む。この解体方法によれば、解体が容易で、環境問題を引き起こすことも少なく、しかも、解体した単位コンクリート版の運搬も容易で、そのリサイクル、リユースも容易である。
【0024】
更に、本発明は、第8発明の解体方法によって解体して得られる単位コンクリート版からなることを特徴とするコンクリート版(第9発明)を含む。このコンクリート版は、プレキャストコンクリート版として、リサイクル、リユースして有効的に用いることができる。その場合に、面状絶縁材はコンクリート版に付けられたままであってもよいし、除去されていてもよい。
【0025】
また、本発明は、第9発明のコンクリート版を用いてつくられた建物等の構造物(第10発明)も内容として含み、資源に無駄を生じさせない環境に優しい構造物を提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、以上のとおりのものであるから、解体が容易で、環境問題を引き起こすことも少なく、しかも、解体したコンクリートの運搬も容易で、そのリサイクル、リユースも容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1乃至図5に示す第1実施形態は、住宅、事務所、店舗等の建物に用いられるコンクリート土間についてのもので、図1において、1は鋼製の基礎梁、2は現場打ちコンクリート版としてのコンクリート土間である。
【0029】
コンクリート土間2は、基礎梁1で囲まれた内部の砕石地業3等をした地盤面に、面状絶縁材及び底板としての平面視方形状のキーストンプレート4が複数枚隣り合うように敷かれ、これらキーストンプレート4…間から仕切り5…が立ち上げられ、コンクリートが、現場打ちにより、各キーストンプレート4上に打設されて形成されたもので、仕切り5…を挟む各側のコンクリートは、仕切り5によって互いに独立状態となって単位コンクリート版6…を形成しており、コンクリート土間2は、これら単位コンクリート版6…の集合体として形成されている。
【0030】
そして、各単位コンクリート版6…は、コンクリート土間2の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされている。即ち、本実施形態では、それを実現するため、仕切り5が、組み合わせ仕切り材7と目地材8とで構成されている。
【0031】
組み合わせ仕切り材7は、図2に示すように、仕切り5を挟む一方の単位コンクリート版6に付着する第1仕切り板9と、もう一方の単位コンクリート版6に付着する第2仕切り板10とを組み合わせ状態にしたもので、各仕切り板9,10は、鉄板等の金属板を板曲げ加工して製作されており、付着される単位コンクリート版の下面側に突出するベース板部7aと、ベース板部7aに連接され、単位コンクリート版の側面部を立ち上がる脚板部7bと、脚板部7bに連接され、目地材8の底面側に沿う目地材受け板部7cと、受け板部7cに連接され、目地材8の側面側を立ち上がる目地材保持板部7dとを備えている。
【0032】
そして、第1,第2の仕切り板9,10は、脚板部7b,7bが接触状態に合わせられてそれらの上端部付近が溶接Wや半田付けなどにより弱接合状態にされ、それらの受け板部7c,7cと保持板部7d,7dとで上方に開口する溝形の目地材保持部11を形成し、目地材8が該目地材保持部11内に収容されて受け保持されるようになされている。
【0033】
目地材8は、ポリエチレンや硬質ゴム等の伸縮性を有するものなどからなっていて、単位コンクリート版間から取外し可能なものからなり、上記の組み合わせ仕切り材7の目地材保持部11内に上方突出状態となるように収容保持されて、組み合わせ仕切り材7との組み合わせで仕切り5を構成し、仕切り5が、打設されるコンクリートの下半部を組み合わせ仕切り材7で仕切り、上半部を目地材8で仕切るようになされている。
【0034】
組み合わせ仕切り材7は、第1,第2仕切り板9,10の脚板部7b,7bが接触状態に合わせられて弱接合状態にされ、目地材8は、それらの受け板部7c,7cと保持板部7d,7dとで形成された溝形の目地材保持部11内に収容されて受け保持されているので、目地材8を組み合わせ仕切り材7によって安定良くしっかりと保持することができ、コンクリート土間2の施工を容易にすることができる。
【0035】
コンクリート土間2の施工は、図3(イ)に示すように、砕石地業3等のされた地盤面の上に、複数枚のキーストンプレート4…を互いに隣り合うように敷いていき、しかる後、図3(ロ)及び図4(ハ)に示すように、隣り合うキーストンプレート4,4間に仕切り5を設置していくと共に、それと相前後してキーストンプレート4…上にひび割れ防止筋12…を配筋していく。
【0036】
仕切り5の設置は、図2(ニ)に示すように、組み合わせ仕切り材7の一方のベース板部7aを、隣り合う一方のキーストンプレート4の最側部の谷底板の上面部に、また、もう一方のベース板部7aをもう一方のキーストンプレート4の最側部の谷底板の上面部に載せた状態にして、各ベース板部7a,7aを各キーストンプレート4,4の谷底板にビス13で止め付けた状態にすることで行う。
【0037】
仕切り5を構成する組み合わせ仕切り材7は、第1,第2仕切り板9,10を組み合わせたものであるが、ベース板部7aと脚板部7bを備え、脚板部7bが接触状態に合わせられて弱接合状態にされているので、仕切り5をキーストンプレート4,4間に安定性良くしっかりと設置することができて、コンクリート土間2の施工を容易にすることができる。
【0038】
なお、山谷の延びる方向において隣り合うキーストンプレート間では、組み合わせ仕切り材7のベース板部7a,7aをキーストンプレート4の下面側に位置させるようにして設置するとよい。
【0039】
しかる後、図4(ニ)に示すように、コンクリート14を、現場打ちにより各キーストンプレート4…上に打設し、コンクリート14の天面高さ位置を仕切り5の目地材8の上端高さ位置とほぼ一致させ、仕切り5を挟む各コンクリートが互いに独立状態となるようにし、そして、該コンクリートを養生硬化させれば、図1に示すような単位コンクリート版6…の集合体からなるコンクリート土間2が形成される。
【0040】
こうして形成されたコンクリート土間2の解体は、図5(イ)に示すように、単位コンクリート版6…間から目地材8を取り外し、単位コンクリート版6の上面側に取り付けた吊りピース15…を利用して、図5(ロ)に示すように、該単位コンクリート版6をクレーンで吊り上げて、対応するキーストンプレート4とともに搬出していけばよい。
【0041】
この吊上げによって、組み合わせ仕切り材7は、その弱接合部が破断され、第1,第2の仕切り板9,10は互いに分離されて、隣り合う単位コンクリート版6,6の分離を妨げることはない。
【0042】
また、解体において、目地材8は取り外すことができるので、取り外した状態にすることによって、単位コンクリート版6間に形成される空間部を逃げにして吊上げ時に単位コンクリート版6に欠けや割れを生じるのを防ぐことができ、品質良好な単位コンクリート版を回収することができる。
【0043】
このように、上記の構造によれば、コンクリート土間2の解体を、目地材を取り外し、各単位コンクリート版6…をクレーンで吊って搬出していくというようにして行っていくことができ、破砕機を用いる従来の解体に比べ、解体が非常に容易であると共に、騒音、粉塵等の環境問題の発生も抑えることができる。
【0044】
また、上記のようにしてクレーンで搬出した単位コンクリート版6は、方形状をしていて、トラック等に重ねるようにして積み込むことができ、効率良く運搬していくことができる。また、上記の解体によって得られる単位コンクリート版6は、キーストンプレート4の上にコンクリート14が打設されて形成されたコンクリート版であり、プレキャストコンクリート版として、リサイクル、リユースして有効的に活用していくことができ、これを、建物の床スラブ材、壁材などとして用いることも可能であり、そういう用い方をすることにより、資源に無駄を生じさせない、環境に優しい構造物を世の中に提供していくことができる。
【0045】
図6乃至図10に示す第2実施形態は、建物の連続基礎に適用した場合のもので、図6において、21は現場打ちコンクリート版としての基礎ベース、22は鋼製基礎梁、23はそれらをつなぐアンカーである。
【0046】
基礎ベース21は、砕石地業3等のなされた地盤面に、底板としての平面視方形状のキーストンプレート4が、基礎の延びる方向に複数枚隣り合うように敷かれ、これらキーストンプレート4…間から仕切り5…が立ち上げられ、コンクリートが、現場打ちにより、各キーストンプレート4上に打設されて形成されたもので、仕切り5…を挟む各側のコンクリートは、仕切り5によって互いに独立状態となって単位コンクリート版6…を形成しており、基礎ベース21は、これら単位コンクリート版6…の集合体として形成されている。
【0047】
そして、各単位コンクリート版6…は、基礎ベース21の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされており、それを実現するため、仕切り5が、第1実施形態の場合と同様の構造をした組み合わせ仕切り材7と目地材8とで構成されている。
【0048】
基礎ベース21の施工は、図7(イ)〜(ニ)に示すように、砕石地業3のされた地盤面の上に、複数枚のキーストンプレート4…を基礎の延びる方向に互いに隣り合うように敷いていくと共に、隣り合うキーストンプレート4,4間に仕切り5を設置していく。仕切り5は、キーストンプレート4の山谷の延びる方向の端部に設置されるので、組み合わせ仕切り材7のベース板部7aの上にキーストンプレート4の端部が重なるように設置していけばよい。なお、図7(イ)に示すように、キーストンプレート4には、アンカー23の下端部を連結する高ナット28が予め溶接などで取り付けられている。
【0049】
また、図7(イ)(ハ)に示すように、キーストンプレート4の幅方向の両サイドに側枠保持金物24,24を取り付け、該側枠保持金物24,24にポリスチレンフォームなどからなる側枠25,25を保持させた状態にすると共に、図8(ホ)(ヘ)に示すように、側枠25,25をその上端部においてつなぎ金物26で連結し、高ナット28,28にアンカー23,23を連結し、アンカー23,23の上端部を天端プレート27で連結し、基礎ベース筋16…を配筋した状態にする。
【0050】
しかる後、図8(ト)(チ)に示すように、コンクリート14を、現場打ちにより各キーストンプレート4…上に打設し、コンクリート14の天面高さ位置を仕切り5の目地材8の上端高さ位置とほぼ一致させ、仕切り5を挟む各コンクリートが互いに独立状態となるようにし、そして、該コンクリートを養生硬化させ、つなぎ金物26とアンカーの天端プレート27を取り外せば、図6に示すような単位コンクリート版6…の集合体からなる基礎ベース21が形成される。
【0051】
基礎は、このようにして形成された基礎ベース21に対し、図6(イ)(ロ)に示すように、鋼製基礎梁22をアンカー23で基礎ベース21に連結することにより形成される。
【0052】
解体は、基礎梁22を取り外し、図9(ロ)に示すように、単位コンクリート版6…間から目地材8を取り外し、図9(イ)に示すように単位コンクリート版6の上面側に取り付けた吊りピース15…を利用し、図10(ハ)(ニ)に示すように、該単位コンクリート版6をクレーンで吊り上げて、対応するキーストンプレート4とともに搬出していけばよい。
【0053】
このように、本実施形態の構造においても、基礎ベース21の解体を、目地材8を取り外し、各単位コンクリート版6…をクレーンで吊って搬出していくというようにして行っていくことができ、破砕機を用いる従来の解体に比べ、解体が非常に容易であると共に、騒音、粉塵等の環境問題の発生も抑えることができる。
【0054】
また、上記のようにしてクレーンで搬出した単位コンクリート版6は、方形状をしていて、トラック等にスペーサーを介して重ねるようにして積み込むことができ、効率良く運搬していくことができる。上記の解体によって得られる単位コンクリート版6は、キーストンプレート4の上にコンクリート14が打設されて形成されたコンクリート版であり、プレキャストコンクリート版として、リサイクル、リユースして有効的に活用していくことができ、これを、建物の基礎ベースとして、また、アンカー23,23の突出を必要に応じて除去することにより床スラブ材や壁材などとして用いることも可能であり、そういう用い方をすることにより、資源に無駄を生じさせない、環境に優しい構造物を世の中に提供していくことができる。
【0055】
図11乃至図14に示す第3実施形態は、第2実施形態と同様に、建物の連続基礎に適用した場合のもので、図11(ロ)に示すように、地盤面は捨てコンクリート32で形成され、面状絶縁材4として、基礎ベース21を構成する複数の単位コンクリート版6…に連続してわたされたシート状のものが用いられ、該シート状面状絶縁材4は、ポリエチレンフィルムなどの、基礎ベース21の解体時の各単位コンクリート版6…の搬出を妨げないものからなっている。
【0056】
また、目地材5が隣り合う単位コンクリート版6…の仕切りとして用いられ、該目地材5は、ポリスチレンフォーム等の、弾力性を有し、かつ、基礎ベース部21の解体時の各単位コンクリート版6…の搬出を妨げない目地材からなっている。
【0057】
基礎ベース部21の施工は、図12(イ)(ロ)及び図13(イ)(ロ)に示すように、捨てコンクリート32の上に、シート状面状絶縁材4を基礎の延びる方向に敷き、その上に、合板型枠30,30と目地材5を設置する。目地材5は、合板型枠30,30の内面部に設けられているガイド31,31によって倒れ阻止状態に保持される。シート状面状絶縁材4は、複数の単位コンクリート版6…に連続状にわたされるように敷設されるから、面状絶縁材4の敷設作業を能率良く容易に行っていくことができる。
【0058】
そして、図13(ハ)(ニ)に示すように、型枠30,30内に、アンカー23を設置すると共に、基礎ベース筋16…を配筋した後、コンクリート14を、現場打ちにより型枠30,30内のシート状面状絶縁材4の上に打設し、該コンクリート14の天面高さ位置を目地材5の上端高さ位置よりも低く、あるいは、目地材5の上端高さ位置とほぼ一致させて、目地材5を挟む各コンクリートが互いに独立状態となるようにし、そして、該コンクリートを養生硬化させ、脱型すれば、図11に示すような単位コンクリート版6…の集合体からなる基礎ベース21が形成される。
【0059】
解体は、基礎梁22を取り外し、図14(イ)に示すように単位コンクリート版6の上面側に取り付けた吊りピース15…を利用し、図14(ハ)(ニ)に示すように、該単位コンクリート版6をクレーンで吊り上げればよい。その際、シート面状絶縁材4は引き裂かれ、あるいは、吊り上げられる単位コンクリート版6から剥ぎ取られ、隣りの単位コンクリート6からの分離が妨げられることはなく、また、目地材5はポリスチレンフォーム等からなって、各単位コンクリート版6…を分離させる上での妨げにならないことにより、各単位コンクリート版6の搬出を容易に行っていくことができる。
【0060】
また、目地材5がこのようにポリスチレンフォーム等の弾力性を有する材料からなることで、各単位コンクリート版6…の搬出時に、単位コンクリート版6に欠けや割れを生じさせることもなく、品質良好な単位コンクリート版6…を回収することができる。更に、単位コンクリート版6…のコンクリートは、捨てコンクリート32の上に敷設したシート状面状絶縁材4の上に打たれているから、面状絶縁材4の側の面が平坦な、状態の良い単位コンクリート版6…を回収することができる。
【0061】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の第1、第2実施形態では、底板としてキーストンプレート4を用いた場合を示したが、その他の金属波状板が用いられてもよいし、波状板に限らず、平板に補強リブを取り付けたリブ付き平板材であってもよいし、単なる平板であってもよいし、材質についても金属や樹脂、木等であってよい。
【0062】
また、上記の第1,第2実施形態では、仕切りとして、組み合わせ仕切り材7と目地材8とを組み合わせたものを用いた場合を示したが、いずれか一方のみを用いた仕切りが用いられてよいし、目地材の形態や構造、組み合わせ仕切り材の形態や構造についても制限はない。また、第1〜第3発明における仕切りは、コンクリート版の解体時に単位コンクリート版を互いに分離状態にすることができるようなものであればよく、上記のような組み合わせ仕切り材や目地材に限られるものではない。
【0063】
また、上記の実施形態では、コンクリート版がコンクリート土間や基礎ベースである場合を示しているが、これらに限られるものではなく、コンクリート床版などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第1実施形態の現場打ちコンクリート版であるコンクリート土間の断面正面図である。
【図2】図(イ)は組み合わせ仕切り材を分離状態にして示す斜視図、図(ロ)は組み合わせ仕切り材と目地材とを分離状態にして示す斜視図、図(ハ)は仕切りの斜視図、図(ニ)は仕切りとキーストンプレートとを分離状態にして示す斜視図である。
【図3】図(イ)及び図(ロ)は、図4(ハ)(ニ)と共にコンクリート土間の施工方法を順次に示す断面正面図である。
【図4】図(ハ)及び図(ニ)は、図3(イ)(ロ)と共にコンクリート土間の施工方法を順次に示す断面正面図である。
【図5】図(イ)及び図(ロ)は、コンクリート土間の解体方法を順次に示す断面正面図である。
【図6】図(イ)は第2実施形態の現場打ちコンクリート版である基礎ベースの断面側面図、図(ロ)は図(イ)のI−I線断面矢視図である。
【図7】図(イ)〜図(ニ)は、図8(ホ)〜(チ)と共に基礎ベースの施工方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図8】図(ホ)〜図(チ)は、図7(イ)〜(ニ)と共に基礎ベースの施工方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図9】図(イ)及び図(ロ)は、図10(ハ)(ニ)と共に基礎ベースの解体方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図10】図(ハ)及び図(ニ)は、図9(イ)(ロ)と共に基礎ベースの解体方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図11】図(イ)は第3実施形態の現場打ちコンクリート版である基礎ベースの断面側面図、図(ロ)は図(イ)のII−II線断面矢視図である。
【図12】図(イ)及び図(ロ)は、図13(イ)〜(ニ)と共に基礎ベースの施工方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図13】図(イ)〜図(ニ)は、図12(イ)(ロ)と共に基礎ベースの施工方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【図14】図(イ)〜図(ニ)は、基礎ベースの解体方法を順次に示す断面側面図、断面正面図である。
【符号の説明】
【0065】
2…コンクリート土間(現場打ちコンクリート版)
4…キーストンプレート(底板、面状絶縁材);シート状面状絶縁材(面状絶縁材)
5…仕切り、目地材(仕切り)
6…単位コンクリート版
7…組み合わせ仕切り材
8…目地材
9…第1仕切り板
10…第2仕切り板
11…目地材保持部
21…基礎ベース(現場打ちコンクリート版)
W…弱接合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状絶縁材が敷かれると共に、仕切りが立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより面状絶縁材上に前記仕切りで仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版からなるコンクリート版が形成され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされていることを特徴とする現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項2】
前記面状絶縁材が、単位コンクリート版単位に備えられた底板からなり、これら底板間から仕切りが立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより各底板上に前記仕切りで仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版からなるコンクリート版が形成され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、底板を一体化させた状態で、隣り合う単位コンクリート版から分離させて搬出することができるようになされている請求項1に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項3】
前記面状絶縁材が、複数の単位コンクリート版に連続してわたされたシート状のものからなり、該シート状面状絶縁材は、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げないものからなっている請求項1に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項4】
前記仕切りが、一方の単位コンクリート版に付着する第1仕切り板ともう一方の単位コンクリート版に付着する第2仕切り板とを分離可能に組み合わせた組み合わせ仕切り材を含んでおり、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、組み合わせ仕切り材の第1,2仕切り板が各単位コンクリート版との付着で分離されることにより、互いに分離状態となって搬出することができるようになされている請求項1乃至3のいずれか一に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項5】
前記仕切りが、単位コンクリート版間から取外し可能な目地材を含んでおり、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、目地材を取り外した状態で互いに分離状態にして搬出することができるようになされている請求項1乃至3のいずれか一に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項6】
前記仕切りが、弾力性を有し、かつ、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げない目地材からなる請求項1乃至3に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項7】
前記仕切りが、
一方の単位コンクリート版に付着する第1仕切り板ともう一方の単位コンクリート版に付着する第2仕切り板とを組み合わせ状態にして弱接合状態にした組み合わせ仕切り材と、
単位コンクリート版間から取外し可能な目地材と
を含んでおり、
前記組み合わせ仕切り材を構成する第1,第2の仕切り板はそれぞれ、付着される単位コンクリート版の下面側に突出するベース板部と、ベース板部に連接され、単位コンクリート版の側面部を立ち上がる脚板部と、脚板部に連接され、目地材の底面側に沿う目地材受け板部と、受け板部に連接され、目地材の側面側を立ち上がる目地材保持板部とを備え、
第1,第2の仕切り板は、脚板部が接触状態に合わせられて弱接合状態にされ、それらの受け板部と保持板部とで上方に開口する溝形の目地材保持部を形成し、目地材が該目地材保持部に収容されて受け保持され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、目地材を取り外した状態で、第1,第2仕切り板の弱接合状態を解除することにより、互いに分離状態にして搬出することができるようになされている請求項1乃至3のいずれか一に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一に記載の現場打ちコンクリート版の構造に対し、各単位コンクリート版を、コンクリート版の解体時、互いに分離状態にして搬出することを特徴とする現場打ちコンクリート版の解体方法。
【請求項9】
請求項8に記載の解体方法によって解体して得られる単位コンクリート版からなることを特徴とするコンクリート版。
【請求項10】
請求項9に記載のコンクリート版を用いてつくられた建物等の構造物。
【請求項1】
面状絶縁材が敷かれると共に、仕切りが立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより面状絶縁材上に前記仕切りで仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版からなるコンクリート版が形成され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、互いに分離状態にして搬出することができるようになされていることを特徴とする現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項2】
前記面状絶縁材が、単位コンクリート版単位に備えられた底板からなり、これら底板間から仕切りが立ち上げられ、コンクリートが現場打ちにより各底板上に前記仕切りで仕切られ独立状態となるように打設されて複数の単位コンクリート版からなるコンクリート版が形成され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、底板を一体化させた状態で、隣り合う単位コンクリート版から分離させて搬出することができるようになされている請求項1に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項3】
前記面状絶縁材が、複数の単位コンクリート版に連続してわたされたシート状のものからなり、該シート状面状絶縁材は、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げないものからなっている請求項1に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項4】
前記仕切りが、一方の単位コンクリート版に付着する第1仕切り板ともう一方の単位コンクリート版に付着する第2仕切り板とを分離可能に組み合わせた組み合わせ仕切り材を含んでおり、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、組み合わせ仕切り材の第1,2仕切り板が各単位コンクリート版との付着で分離されることにより、互いに分離状態となって搬出することができるようになされている請求項1乃至3のいずれか一に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項5】
前記仕切りが、単位コンクリート版間から取外し可能な目地材を含んでおり、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、目地材を取り外した状態で互いに分離状態にして搬出することができるようになされている請求項1乃至3のいずれか一に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項6】
前記仕切りが、弾力性を有し、かつ、コンクリート版の解体時の各単位コンクリート版の搬出を妨げない目地材からなる請求項1乃至3に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項7】
前記仕切りが、
一方の単位コンクリート版に付着する第1仕切り板ともう一方の単位コンクリート版に付着する第2仕切り板とを組み合わせ状態にして弱接合状態にした組み合わせ仕切り材と、
単位コンクリート版間から取外し可能な目地材と
を含んでおり、
前記組み合わせ仕切り材を構成する第1,第2の仕切り板はそれぞれ、付着される単位コンクリート版の下面側に突出するベース板部と、ベース板部に連接され、単位コンクリート版の側面部を立ち上がる脚板部と、脚板部に連接され、目地材の底面側に沿う目地材受け板部と、受け板部に連接され、目地材の側面側を立ち上がる目地材保持板部とを備え、
第1,第2の仕切り板は、脚板部が接触状態に合わせられて弱接合状態にされ、それらの受け板部と保持板部とで上方に開口する溝形の目地材保持部を形成し、目地材が該目地材保持部に収容されて受け保持され、
各単位コンクリート版は、コンクリート版の解体時、目地材を取り外した状態で、第1,第2仕切り板の弱接合状態を解除することにより、互いに分離状態にして搬出することができるようになされている請求項1乃至3のいずれか一に記載の現場打ちコンクリート版の構造。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一に記載の現場打ちコンクリート版の構造に対し、各単位コンクリート版を、コンクリート版の解体時、互いに分離状態にして搬出することを特徴とする現場打ちコンクリート版の解体方法。
【請求項9】
請求項8に記載の解体方法によって解体して得られる単位コンクリート版からなることを特徴とするコンクリート版。
【請求項10】
請求項9に記載のコンクリート版を用いてつくられた建物等の構造物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−266071(P2006−266071A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314633(P2005−314633)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
[ Back to top ]